JP2017193691A - 多層プリント配線板用の接着フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
シアネート化合物の硬化温度を下げる方法としては、シアネート化合物とエポキシ樹脂とを併用し、硬化触媒を使用して硬化させる方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
このようなハジキを回避するために、ハジキ増大の一因となる特定の硬化剤及び特定の表面処理が施された無機充填材の使用自体を避けようとすると、リフロー耐熱性等の諸特性が低下するという問題があり、両立が困難であった。
さらには、デスミア後の表面粗さが小さく、導体層との接着強度に優れる層間絶縁層用樹脂フィルムが求められている。
前記(c)無機充填材の含有量が、熱硬化性樹脂組成物の固形分に対して50〜90質量%であり、
前記(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量が、熱硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.01〜1質量%である、熱硬化性樹脂組成物。
[2]前記(b)硬化剤が、(b1)活性エステル系硬化剤及び(b2)シアネート系硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、上記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3]前記(b)硬化剤が、(b3)トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤を含有する、上記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4]前記(a)エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[5]前記(c)無機充填材がシリカを含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6]前記(c)無機充填材が、表面処理されたシリカを含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7]前記(c)無機充填材が、アミノシラン系カップリング剤で表面処理されたシリカを含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8]さらに(e)フェノキシ樹脂を含有する、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9]さらに(f)硬化促進剤を含有する、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[10]前記(f)硬化促進剤が、有機リン化合物、イミダゾール化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機系硬化促進剤を含有する、上記[9]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[11]前記(f)硬化促進剤が、金属系硬化促進剤を含有する、上記[9]又は[10]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁層用樹脂フィルム。
[13]多層プリント配線板のビルドアップ層形成用である、上記[12]に記載の層間絶縁層用樹脂フィルム。
[14]上記[1]〜[11]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる層間絶縁層用樹脂組成物層と、接着補助層とを含有する、多層樹脂フィルム。
[15]上記[12]に記載の層間絶縁層用樹脂フィルム又は上記[14]に記載の多層樹脂フィルムと、離型処理が施された有機樹脂フィルムと、を含有する、多層樹脂フィルム。
[16]上記[12]に記載の層間絶縁層用樹脂フィルム、並びに上記[14]又は[15]に記載の多層樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種を用いて得られる、多層プリント配線板。
[17]上記[15]に記載の多層樹脂フィルムを用いた多層プリント配線板の製造方法であって、以下の工程を有する、多層プリント配線板の製造方法。
(1)支持体付き層間絶縁層用樹脂フィルム及び支持体付き多層樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種を、回路基板の片面又は両面にラミネートする工程。
(2)工程(1)でラミネートされた樹脂フィルムを熱硬化し、絶縁層を形成する工程。
(3)工程(2)で絶縁層を形成した回路基板に穴あけする工程。
(4)絶縁層の表面を酸化剤によって粗化処理する工程。
(5)粗化された絶縁層の表面にめっきにより導体層を形成する工程。
(6)セミアディティブ法により、導体層に回路形成する工程。
[18]前記支持体が、離型処理が施された支持体である、上記[17]に記載の多層プリント配線板の製造方法。
[19]前記工程(2)において、工程(1)でラミネートされた樹脂フィルムを、離型処理が施された支持体が付いた状態のまま熱硬化する、上記[18]に記載の多層プリント配線板の製造方法。
[20]前記工程(2)〜(5)のいずれかの前に、離型処理が施された支持体を剥離除去する、上記[18]に記載の多層プリント配線板の製造方法。
[20]前記工程(3)〜(5)のいずれかの前に、離型処理が施された支持体を剥離除去する、上記[19]に記載の多層プリント配線板の製造方法。
本発明の多層プリント配線板用の接着フィルムは、(A)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が、1.05〜1.8であるノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「(A)ノボラック型フェノール樹脂」ともいう)と、(B)前記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(以下、単に「(B)エポキシ樹脂」ともいう)と、(C)無機充填材と、を含む樹脂組成物(以下、「接着フィルム用樹脂組成物」ともいう)を、支持体フィルム上に層形成してなる樹脂組成物層を有し、該樹脂組成物層中の(C)無機充填材の平均粒径が0.1μm以上であり、(C)無機充填材の含有量が、樹脂固形分のうち20〜95質量%である、多層プリント配線板用の接着フィルムである。
接着フィルム用樹脂組成物は、(A)ノボラック型フェノール樹脂と、(B)エポキシ樹脂と、(C)無機充填材とを含むものである。以下、これらの各成分について説明する。
(A)ノボラック型フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるものであり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が、1.05〜1.8の範囲のものである。
すなわち、原料としてフェノール化合物及びアルデヒド化合物、酸触媒としてリン酸化合物、反応補助溶媒として非反応性の含酸素有機溶媒を用い、これらから形成される二層分離状態を、例えば、機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合して、二層(有機相と水相)が交じり合った白濁状の不均一反応系(相分離反応)として、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応を進め、縮合物(樹脂)を合成することができる。
次に、例えば、非水溶性有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)を添加混合して前記の縮合物を溶解し、かき混ぜ混合を止めて静置し、有機相(有機溶剤相)と水相(リン酸水溶液相)とに分離させ、水相を除去して回収を図る一方、有機相については湯水洗及び/又は中和した後、有機溶剤を蒸留回収することによって(A)ノボラック型フェノール樹脂を製造することができる。
上記のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、相分離反応を利用しているため、攪拌効率は極めて重要であり、反応系中の両相を微細化して界面の表面積をできる限り増加させることが反応効率の面から望ましく、これによりフェノール化合物の樹脂への転化が促進される。
ここで、ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(2−メチルフェノール)A、ビス(2−メチルフェノール)F、ビスフェノールS、ビスフェノールE、ビスフェノールZ等が挙げられる。
オルト置換フェノール化合物としては、例えば、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−フェニルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−ノニルフェノール、2−ナフチルフェノール等が挙げられる。
パラ置換フェノール化合物としては、例えば、4−プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール等が挙げられる。
リン酸化合物の含有量は、相分離効果を制御する観点から、例えば、フェノール化合物100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50〜100質量部である。なお、70質量部以上のリン酸化合物を使用する場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えて安全性を確保することが好ましい。
アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールなどが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールグリコールエーテル等が挙げられる。
環状エーテル化合物としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル化合物などが挙げられる。ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド等が挙げられる。
これらの中でも、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、1,4−ジオキサンが好ましい。
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有し、かつ反応時に液状を呈するものであれば、固体であってもよく、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
反応補助溶媒の配合量としては、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは10〜200質量部である。
界面活性剤としては、例えば、石鹸、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリエチレングリコール脂肪族エステル、脂肪族モノグリセライド、ソルビタン脂肪族エステル、ペンタエリストール脂肪族エステル、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、脂肪族アルキロールアマイド等のノニオン系界面活性剤;モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、アミン酸塩化合物等のカチオン系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、フェノール化合物100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは1〜10質量部である。
フェノール化合物の種類によって異なるものの、アルデヒド化合物(F)とフェノール化合物(P)の配合モル比(F/P)の範囲によって、例えば、以下のような(A)ノボラック型フェノール樹脂が得られる。
配合モル比(F/P)が0.33以上0.80未満の範囲では、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の面積法による測定法で、フェノール化合物のモノマー成分の含有量が、例えば、3質量%以下、好ましくは1質量%以下であり、フェノール化合物のダイマー成分の含有量が、例えば、5〜95質量%、好ましくは10〜95質量%であり、さらにGPC測定による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が、1.05〜1.8、好ましくは1.1〜1.7であるノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造することができる。
エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、(A)ノボラック型フェノール樹脂以外の各種フェノール樹脂化合物、酸無水物化合物、アミン化合物、ヒドラジット化合物等が挙げられる。フェノール樹脂化合物としては、例えば、(A)ノボラック型フェノール樹脂以外のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が挙げられ、酸無水物化合物としては、例えば、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が挙げられる。また、アミン化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が挙げられる。
また、金属箔の引き剥がし強さ及び化学粗化後の無電解めっきの引き剥がし強さが向上する観点からは、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂及びジシアンジアミドが好ましい。
(A)ノボラック型フェノール樹脂以外のノボラック型フェノール樹脂は、市販品を用いてよく、例えば、「TD2090」(DIC株式会社製、商品名)等のフェノールノボラック樹脂、「KA−1165」(DIC株式会社製、商品名)等のクレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。また、トリアジン環含有ノボラック型フェノール樹脂の市販品としては、例えば、「フェノライトLA−1356」(DIC株式会社製、商品名)、「フェノライトLA7050シリーズ」(DIC株式会社製、商品名)等が挙げられ、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂の市販品としては、例えば、「フェノライトLA−3018」(商品名、DIC株式会社製)等が挙げられる。
(B)エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である。
接着フィルム用樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、(B)エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等の高分子タイプのエポキシ樹脂などを含んでいてもよい。
接着フィルム用樹脂組成物は、(A)ノボラック型フェノール樹脂と(B)エポキシ樹脂との反応を速める観点から、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等のイミダゾール化合物;トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物;ホスホニウムボレート等のオニウム塩;1,8−ジアザビシクロウンデセン等のアミン類;3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
接着フィルム用樹脂組成物は、平均粒径が0.1μm以上の(C)無機充填材を含む。
(C)無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、接着フィルムを硬化して形成される層間絶縁層の熱膨張係数を下げる観点から、シリカであることが好ましい。
(C)無機充填材の形状は、特に限定されないが、内層回路に形成されたスルーホール及び回路パターンの凹凸を埋め込み易くする観点から、球形であることが好ましい。
平均粒径が0.1μm未満の無機充填材の含有量は、埋め込み性の観点から、固形分で、3vol%以下であることが好ましく、1vol%以下であることがより好ましく、平均粒径が0.1μm未満の無機充填材を含有しないことがさらに好ましい。なお、(C)無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、異なる平均粒径のものを混合して使用してもよい。
また、(C)無機充填材の測定方法として、予め配合する(C)無機充填材の固形分の量を計算しておくと、固形分中の割合を容易に求めることができる。溶剤に分散した(C)無機充填材(以下、「(C)無機充填材分散液」ともいう)を使用する場合における計算例を以下に示す。
(C)無機充填材分散液中における(C)無機充填材の固形分は、200℃で30分間乾燥して計算した結果、70質量%であった。この(C)無機充填材分散液40gを用いて樹脂組成物を配合した結果、得られた樹脂組成物の総量は100gであった。100gの樹脂組成物を200℃で30分乾燥し、乾燥後の固形分の重量を測定した結果60gであった。固形分中に含まれる(C)無機充填材の量は、40g×70質量%=28gであるため、樹脂固形分のうちの(C)無機充填材の量は、28/60=47質量%(46.6質量%)と求められる。
接着フィルム用樹脂組成物は、さらに、難燃剤を含んでいてもよい。
難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、無機難燃剤、樹脂難燃剤等が挙げられる。
無機難燃剤としては、例えば、(C)無機充填材として例示される水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
樹脂難燃剤としては、ハロゲン系樹脂であっても、非ハロゲン系樹脂であってもよいが、環境負荷への配慮から、非ハロゲン系樹脂を用いることが好ましい。樹脂難燃剤は、充填材として配合するものであってもよく、熱硬化性樹脂と反応する官能基を有するものであってもよい。
樹脂難燃剤は、市販品を使用することができる。充填材として配合する樹脂難燃剤の市販品としては、例えば、芳香族リン酸エステル系難燃剤である「PX−200」(大八化学工業株式会社製、商品名)、ポリリン酸塩化合物である「Exolit OP 930」(クラリアントジャパン株式会社製、商品名)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂と反応する官能基を有する樹脂難燃剤の市販品としては、エポキシ系リン含有難燃剤、フェノール系リン含有難燃剤等が挙げられる。エポキシ系リン含有難燃剤としては、例えば、「FX−305」(新日鐵住金化学株式会社製、商品名)等が挙げられ、フェノール系リン含有難燃剤としては、例えば、「HCA−HQ」(三光株式会社製、商品名)、「XZ92741」(ダウ・ケミカル社製、商品名)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
接着フィルム用樹脂組成物は、層形成を効率的に行う観点から、溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル化合物;セロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール化合物;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の接着フィルム中における残留溶剤量は、取り扱う材料によって異なるが、1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることがさらに好ましい。残留溶剤量が1質量%以上であると、接着フィルムの取り扱い性が向上し、例えば、カッターで切断をする際の粉落ちの発生、割れの発生等を抑制することができる。一方、20質量%以下であると、ベトつきを抑制し、フィルムの巻き取り及び巻きだしが容易になる。また、巻きだしを可能にするため、乾燥後に接着フィルムのワニス塗工面に保護フィルムを設けることが多いが、残留溶剤量が20質量%以下であると、保護フィルムと本発明の接着フィルムとの間の剥離が容易になる。
また、残留溶剤は、多層プリント配線板を作製する工程で、乾燥及び熱硬化によって除去されるものであるため、環境負荷の観点から少ないほうが好ましく、乾燥及び熱硬化の前後の膜厚変化を小さくするためにも少ないほうが好ましい。
なお、本発明の接着フィルムの製造にあたっては、目標とする残留溶剤量になるように、乾燥条件を決定することが好ましい。乾燥条件は、前述の樹脂組成物中に含まれる溶剤の種類、溶剤の量等によって異なるため、それぞれの塗工装置によって、予め条件出しを行った後、決定することが好ましい。
まず、支持体フィルムの重量(Wa)を測定し、その上に樹脂組成物層を形成した後の重量(Wb)を測定する。その後、支持体フィルムとその上に形成した樹脂組成物層を200℃の乾燥機の中に10分間放置し、乾燥後の重量(Wc)を測定する。得られた重量(Wa)〜(Wc)を用いて下記式により計算することができる。
溶剤の割合(質量%)=(1−((Wc)−(Wa))/((Wb)−(Wa)))×100
本発明の接着フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、オルベン、ベントン等の増粘剤;チアゾール系、トリアゾール系等の紫外線吸収剤;シランカップリング剤等の密着付与剤;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤;上記以外の任意の樹脂成分などが挙げられる。
本発明における支持体フィルムとは、本発明の接着フィルムを製造する際の支持体となるものであり、多層プリント配線板を製造する際に、通常、最終的に剥離又は除去されるものである。
有機樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート、ポリイミドなどが挙げられる。これらの中でも、価格及び取り扱い性の観点から、PETが好ましい。
金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。支持体に銅箔を用いる場合には、銅箔をそのまま導体層とし、回路を形成することもできる。この場合、銅箔としては、圧延銅、電解銅箔等を用いることができる。また、銅箔の厚さは、特に限定されないが、例えば、2〜36μmの厚さを有するものを使用することができる。厚さの薄い銅箔を用いる場合には、作業性を向上させる観点から、キャリア付き銅箔を使用してもよい。
これらの支持体フィルム及び後述する保護フィルムには、離型処理、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。離型処理としては、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等による離型処理などが挙げられる。
支持体フィルムの厚さは、特に限定されないが、取扱い性の観点から、10〜120μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、15〜70μmであることがさらに好ましい。
支持体フィルムは、上述のように単一の成分である必要はなく、複数層(2層以上)の別材料で形成されていてもよい。
1層目の支持体フィルムの上に形成される層(2層目以降、2層以上の複数層あってもよい)は、機能を付与することを意図して作製される層であり、例えば、メッキ銅との接着性の向上等を目的として用いることができる。
2層目の形成方法としては、特に制限されないが、例えば、各材料を溶媒中に溶解及び分散したワニスを、1層目の支持体フィルム上に塗工及び乾燥させる方法が挙げられる。
1層目の支持体フィルムの上に形成される層(2層目以降、2層以上の複数層あってもよい)の厚さは、1〜20μmであることが好ましい。1μm以上であると、意図する機能を果たすことができ、また、20μm以下であると、支持体フィルムとしての経済性に優れる。
本発明の接着フィルムは、保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムは、接着フィルムの支持体が設けられている面とは反対側の面に設けられるものであり、接着フィルムへの異物等の付着及びキズ付きを防止する目的で使用される。保護フィルムは、本発明の接着フィルムをラミネート、熱プレス等で回路基板等に積層する前に剥離される。
保護フィルムとしては、特に限定されないが、支持体フィルムと同様の材料を用いることができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜40μmの厚さを有するものを使用することができる。
本発明の接着フィルムは、支持体フィルム上に接着フィルム用樹脂組成物を塗工及び乾燥することにより製造することができる。得られた接着フィルムは、ロール状に巻き取って、保存及び貯蔵することができる。より具体的には、例えば、前記有機溶剤に前記各樹脂成分を溶解した後、(C)無機充填材等を混合して接着フィルム用樹脂組成物を調製し、該ワニスを支持体フィルム上に塗工し、加熱、熱風吹きつけ等によって、有機溶剤を乾燥させて、支持体フィルム上に樹脂組成物層を形成することにより製造することができる。
なお、本発明の接着フィルムにおいて、支持体フィルム上に形成した樹脂組成物層は、乾燥させて得られる未硬化の状態であってもよく、半硬化(Bステージ化)した状態であってもよい。
次に、第2の発明に係る熱硬化性樹脂組成物、層間絶縁層用樹脂フィルム、多層樹脂フィルム、並びに多層プリント配線板及びその製造方法について説明する。
前記(c)無機充填材の含有量が、熱硬化性樹脂組成物の固形分に対して50〜90質量%であり、
前記(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量が、熱硬化性樹脂組成物の固形分に対して0.01〜1質量%である。
以下、各成分について説明する。
〔(a)エポキシ樹脂〕
(a)エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく挙げられる。
このような(a)エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂、グリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂、グリシジルエステルタイプのエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂が好ましい。
前記アラルキルノボラック型エポキシ樹脂としては、ナフトール骨格を有するアラルキルクレゾール共重合ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂とアラルキルノボラック型エポキシ樹脂(特に、ビフェニル骨格を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂)とを組み合わせて含有させる場合、その含有割合(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/アラルキルノボラック型エポキシ樹脂)は、リフロー耐熱性等の観点から、15/85〜50/50が好ましく、15/85〜45/55がより好ましく、20/80〜40/60がさらに好ましい。
また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂との組み合わせで使用する場合、その含有割合(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂/ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂)は、耐熱性、絶縁信頼性、及びフィルムとしたときの取り扱い性の観点から、50/50〜85/15が好ましく、45/55〜85/15がより好ましく、55/45〜75/25がさらに好ましい。
一般式(a1)中、Ra1は水素原子又はメチル基を示す。
一般式(a1)で表される構造単位を含むエポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(a1−1)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。
一般式(a1−1)中、Ra1は前記と同様であり、m1は1〜20の整数を示す。複数のRa1同士は、同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式(a2)中、m2は1〜10の整数を示す。
ここで、エポキシ当量は、エポキシ基あたりの樹脂の質量(g/eq)であり、JIS K 7236(2001年)に規定された方法に従って測定することができる。具体的には、株式会社三菱化学アナリテック製の自動滴定装置「GT−200型」を用いて、200mlビーカーにエポキシ樹脂2gを秤量し、メチルエチルケトン90mlを滴下し、超音波洗浄器溶解後、氷酢酸10ml及び臭化セチルトリメチルアンモニウム1.5gを添加し、0.1mol/Lの過塩素酸/酢酸溶液で滴定することにより求められる。
ここで、本発明における「固形分」とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた不揮発分のことであり、層間絶縁層用樹脂組成物を乾燥させた際に揮発せずに残る成分を示し、室温で液状、水飴状及びワックス状のものも含む。ここで、本明細書において、室温とは25℃を示す。
本発明では、(b)硬化剤が、(b1)活性エステル系硬化剤及び(b2)シアネート系硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むか、又は、(b3)トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤を含む。
(b1)〜(b3)について以下に説明する。
(b1)活性エステル系硬化剤は、(a)エポキシ樹脂の硬化剤として機能し、活性エステルを有するものであれば特に制限はない。(b1)活性エステル系硬化剤を含有すると、誘電正接が低減される傾向にある。
(b1)活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ類のエステル化合物等の、反応性の高いエステル基を有し、エポキシ樹脂の硬化作用を有する化合物等を用いることができる。
前記少なくとも2個以上のカルボン酸を1分子中に有する化合物が、脂肪族鎖を含む化合物であれば、(a)エポキシ樹脂及び(b2)シアネート樹脂との相溶性を高くすることができ、芳香族環を有する化合物であれば、リフロー耐熱性を高くすることができる。特に耐熱性等の観点から、(b1)活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物とフェノール化合物又はナフトール化合物とから得られる活性エステル化合物が好ましい。
チオカルボン酸化合物としては、チオ酢酸、チオ安息香酸等が挙げられる。
チオール化合物としては、ベンゼンジチオール、トリアジンジチオール等が挙げられる。
市販品の(b1)活性エステル系硬化剤としては、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む化合物、フェノールノボラックのアセチル化物、フェノールノボラックのベンゾイル化物等が挙げられ、これらの中でも、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む化合物が好ましい。具体的には、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む化合物として「EXB9451」(活性エステル基当量:約220g/eq)、「EXB9460」、「EXB9460S−65T」、「HPC−8000−65T」(活性エステル基当量:約223g/eq)(以上、DIC株式会社製、商品名)、フェノールノボラックのアセチル化物として「DC808」(三菱化学株式会社製、活性エステル基当量:約149g/eq)、フェノールノボラックのベンゾイル化物として「YLH1026」(三菱化学株式会社製、活性エステル基当量:約200g/eq)等が挙げられる。
(b2)シアネート系硬化剤としては、公知のシアネート樹脂を用いることができ、該シアネート樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート樹脂が好ましく挙げられる。
(b2)シアネート系硬化剤としては、具体的には、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン[ビスフェノールA型シアネート樹脂]、ビス(4−シアナトフェニル)エタン[ビスフェノールE型シアネート樹脂]、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン[テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂]、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン[ヘキサフルオロビスフェノールA型シアネート樹脂]等のビスフェノール型シアネート樹脂;フェノール付加ジシクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化合物等のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;フェノールノボラック型シアネートエステル化合物、クレゾールノボラック型シアネートエステル化合物等のノボラック型シアネート樹脂;α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン;これらのシアネート樹脂のプレポリマー(以下、「シアネートプレポリマー」ともいう)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
これらの中でも、リフロー耐熱性等の観点から、下記一般式(b2−I)で表されるシアネート樹脂、下記一般式(b2−IV)で表されるシアネート樹脂及びこれらのプレポリマーが好ましく、下記一般式(b2−I)で表されるシアネート樹脂及びこれのプレポリマーがより好ましい。
前記炭素数1〜3のアルキレン基を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記一般式(b2−II)中、Rb4で表される炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2−プロピレン基(−C(CH3)2−)等が挙げられる。
これらのRb1で表される基の中でも、リフロー耐熱性等の観点から、メチレン基又は2,2−プロピレン基(−C(CH3)2−)が好ましく、2,2−プロピレン基(−C(CH3)2−)がより好ましい。
前記一般式(b2−I)中、Rb2又はRb3で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜3のアルキル基を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(b2−IV)中、nは1以上の整数を示し、リフロー耐熱性等の観点から、1〜7であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
シアネートプレポリマーとしては、前記一般式(b2−I)で表されるシアネート樹脂のプレポリマー、前記一般式(b2−IV)で表されるシアネート樹脂のプレポリマー等が挙げられる。これらの中でも、リフロー耐熱性等の観点から、1分子中に2個のシアナト基を有するジシアネート化合物のプレポリマーであることが好ましく、前記一般式(b2−I)で表されるシアネート樹脂のプレポリマーであることがより好ましく、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンの少なくとも一部がトリアジン化されて3量体となったプレポリマー(下記式(b2−V)参照)であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものであり、詳細には、実施例に記載の方法に従って測定したものである。
前記単官能フェノール化合物としては、p−ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−tert−オクチルフェノール等のアルキル基置換フェノール系化合物;p−(α−クミル)フェノール、モノ−、ジ−又はトリ−(α−メチルベンジル)フェノール等の下記一般式(b2−VI)で表されるフェノール系化合物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
シアネートプレポリマーは、例えば、前記ジシアネート化合物と前記単官能フェノール化合物とを反応することにより、好適に製造することができる。ジシアネート化合物と単官能フェノール化合物との反応により、−O−C(=NH)−O−で表される基を有する化合物(つまりイミノカーボネート)が形成され、さらに該イミノカーボネート同士が反応するか、又は該イミノカーボネートとジシアネート化合物とが反応することにより、単官能フェノール化合物が脱離する一方で、トリアジン環を有するシアネートプレポリマーが得られる。前記反応は、例えば、前記ジシアネート化合物と前記単官能フェノール化合物とを、トルエン等の溶媒の存在下で混合して溶解し、80〜120℃に保持しながら、必要に応じてナフテン酸亜鉛等の反応促進剤を添加して行うことができる。
ビスフェノールA型(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン型)のシアネート樹脂の市販品としては、「プリマセット(Primaset)BADCy」(ロンザ社製、商品名)、「アロシー(Arocy)B−10」(ハンツマン社製、商品名)等を用いてもよい。また、ビスフェノールE型(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン型)のシアネート樹脂の市販品としては、「アロシー(Arocy)L10」(ハンツマン社製、商品名)、「プリマセット(Primaset)LECy」(ロンザ社製、商品名)等を用いてもよく、2,2’−ビス(4−シアネート−3,5−メチルフェニル)エタン型のシアネート樹脂の市販品としては、「プリマセット(Primaset)METHYLCy」(ロンザ社製)等を用いてもよい。
ノボラック型のシアネート樹脂の市販品としては、フェノールノボラック型のシアネート樹脂である「プリマセット(Primaset)PT30」(ロンザ社製、商品名)等を用いてもよい。
シアネート樹脂のプレポリマーの市販品としては、ビスフェノールA型のシアネート樹脂をプレポリマー化した「プリマセット(Primaset)BA200」(ロンザ社製、商品名)、「プリマセット(Primaset)BA230S」(ロンザ社製、商品名)等を用いてもよく、「プリマセット(Primaset)BA3000」等を用いてもよい。
他に、「アロシー(Arocy)XU−371」(ハンツマン社製、商品名)、ジシクロペンタジエン構造を含有したシアネート樹脂である「アロシー(Arocy)XP71787.02L」(ハンツマン社製、商品名)、「プリマセット(Primaset)DT−4000」(ロンザ社製、商品名)、「プリマセット(Primaset)DT−7000」(ロンザ社製、商品名)等を用いてもよい。
(b3)トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるノボラック型フェノール樹脂のうち、トリアジン環を含有するものを用いることができる。トリアジン環を含有するノボラック型フェノール樹脂は、アミノトリアジン環構造とフェノール構造とがメチレン基を介してランダムに結合したものである。トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤としては、トリアジン環を含有するフェノールノボラック樹脂、トリアジン環を含有するクレゾールノボラック樹脂等が好ましい。
トリアジン環を含有するノボラック型フェノール樹脂は、例えば、特開2002−226556号公報に記載の製造方法を利用することにより製造できる。すなわち、フェノール化合物、アミノトリアジン化合物及びアルデヒド化合物を、アルキルアミン等の弱アルカリ性触媒の存在下又は無触媒において中性付近で共縮合反応させることにより製造することができる。
ここで、ビスフェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(2−メチルフェノール)A、ビス(2−メチルフェノール)F、ビスフェノールS、ビスフェノールE、ビスフェノールZ等が挙げられる。
オルト置換フェノール化合物としては、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−フェニルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−ノニルフェノール、2−ナフチルフェノール等が挙げられる。
パラ置換フェノール化合物としては、4−プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−ノニルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−ドデシルフェノール、4−オクタデシルフェノール等が挙げられる。
原料として用いられるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらの中でも、反応速度の観点から、パラホルムアルデヒドが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
また、(b3)トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤中の窒素原子含有量は、好ましくは8〜30%、より好ましくは8〜20%である。
エポキシ樹脂硬化剤としては、トリアジン環を含有しないフェノール樹脂、リン含有フェノール化合物、酸無水物化合物、アミン化合物、ヒドラジット化合物等が挙げられる。
トリアジン環を含有しないフェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。リン含有フェノール化合物は、フェノール性水酸基を2つ以上有し、且つリン原子を含有する化合物であり、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド[HCA−HQ又はHCA−HQ−HS(三光株式会社製、商品名)]等が挙げられる。酸無水物化合物としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が挙げられる。また、アミン化合物としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂硬化剤の中でも、信頼性を向上させる観点から、トリアジン環を含有しないフェノール樹脂、リン含有フェノール化合物が好ましく、難燃性の観点からは、リン含有フェノール化合物がより好ましい。
なお、本発明においては、硬化剤としての機能と共に他の機能も有するものについては、硬化剤としての機能を有することを優先して、「硬化剤」に分類する。例えば、前記リン含有フェノール化合物は、硬化剤としての機能を有すると同時に、難燃剤としての機能をも有するが、硬化剤に分類する。
(b)硬化剤における、前記(b1)〜(b3)成分の総量の質量比は、リフロー耐熱性及び誘電特性等の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。上限値に特に制限はなく、100質量%であってもよい。
層間絶縁層用樹脂組成物は、さらに(c)無機充填材を含有する。(c)無機充填材は、層間絶縁層用樹脂組成物を熱硬化して形成される層間絶縁層をレーザー加工する際に、樹脂の飛散を防止し、レーザー加工の形状を整えることを可能にする観点から重要である。また、層間絶縁層の表面を酸化剤で粗化する際に、適度な粗化面を形成し、めっきによって接着強度に優れる導体層の形成を可能にする観点から重要であり、そのような観点から選択することが好ましい。
また、(c)無機充填材の体積平均粒径は、良好な回路基板の埋め込み性を得る観点及び絶縁信頼性の観点から、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.2〜1μmがさらに好ましい。体積平均粒径とは、粒子の全体積を100%として粒径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒径のことであり、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
(c)無機充填材としては、市販品を用いてもよく、ヒュームドシリカである「AEROSIL(アエロジル)(登録商標)R972」(日本アエロジル株式会社製、商品名、比表面積110±20m2/g)及び「AEROSIL(アエロジル)(登録商標)R202」(日本アエロジル株式会社製、商品名、比表面積100±20m2/g)、コロイダルシリカである「PL−1」(扶桑化学工業株式会社製、商品名、比表面積181m2/g)及び「PL−7」(扶桑化学工業株式会社製、商品名、比表面積36m2/g)等が挙げられる。
表面処理された無機充填材としては、市販品を用いてもよく、アミノシランカップリング剤で表面処理されたシリカフィラーである「SO−C2」(株式会社アドマテックス製、商品名)、フェニルシランカップリング剤で表面処理されたシリカフィラーである「YC100C」(株式会社アドマテックス製、商品名)、エポキシシランカップリング剤で表面処理されたシリカフィラーである「Sciqasシリーズ」(堺化学工業株式会社製、商品名、0.1μmグレード)等が挙げられる。
層間絶縁層用樹脂組成物は、さらに(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂を含有する。(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂によって、ハジキが効率的に抑制されるため、膜厚の調整が容易となる。特に、前記(b1)活性エステル系硬化剤を用いた場合にはハジキが生じ易くなり、また、前記(c)無機充填材が表面処理(特にアミノシランカップリング剤によって表面処理)されたシリカを含有する場合にはハジキが生じ易くなる。このようなハジキを回避するために、原因となる硬化剤の使用、及び表面処理が施された無機充填材の使用自体を避けようとすると、リフロー耐熱性、無機充填材の高充填化、低熱膨張率化、誘電特性、耐デスミア性及びスミア除去性等の諸特性が低下するという問題があり、両立が困難であったが、(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂によって、これらの不利益を解消するほどのハジキ抑制効果が得られる。
ポリオルガノシロキサンの上記有機基(R)としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基等の炭化水素基の中から選択できる。通常、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基であり、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。シロキサン単位の繰り返し数(重合度)は、好ましくは2〜3,000、より好ましくは3〜2,000、更に好ましくは5〜1,000である。
上述したポリシロキサン骨格を有する樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
一方で、本発明者等の検討により、1質量部を超えると、リフロー耐熱性が低下するだけでなく、後述するデスミア処理後の表面粗さが大きくなると共に、未粗化部位が発生することが判明した。特に、接着補助層も含有する多層樹脂フィルムを利用して多層プリント配線板を製造する場合においては、正確な理由は不明であるが、層間絶縁層用樹脂組成物中の(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量を変更し、接着補助層中のポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量を変えなかったとしても、接着補助層の表面に未粗化部位が発生することが判明した。
このような問題を解消する観点から、(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量は、層間絶縁層用樹脂組成物の固形分((c)無機充填材も含む。)に対して、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.40質量%以下、特に好ましくは0.30質量%以下である。
以上より、(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量は、層間絶縁層用樹脂組成物の固形分((c)無機充填材も含む。)に対して、好ましくは0.01〜0.7質量%、より好ましくは0.03〜0.7質量%、さらに好ましくは0.03〜0.5質量%、特に好ましくは0.03〜0.40質量%、最も好ましくは0.03〜0.30である。
本発明の層間絶縁層用樹脂組成物は、さらに(e)フェノキシ樹脂を含有することが好ましい。
ここで、「フェノキシ樹脂」とは、主鎖が芳香族ジオールと芳香族ジグリシジルエーテルとの重付加構造である高分子の総称であり、本明細書においては、重量平均分子量が、10,000以上のものを指す。なお、主鎖が芳香族ジオールと芳香族ジグリシジルエーテルの重付加構造である高分子がエポキシ基を有する場合、重量平均分子量が10,000以上のものは(e)フェノキシ樹脂と分類し、重量平均分子量が10,000未満のものは(a)エポキシ樹脂と分類する。
(e)フェノキシ樹脂としては、シクロヘキサン構造を含有するフェノキシ樹脂、トリメチルシクロヘキサン構造を含有するフェノキシ樹脂、テルペン構造を含有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、フィルムとしたときの取り扱い性を向上させる観点から、テルペン構造及びトリメチルシクロヘキサン構造から選ばれる1種以上を含有するフェノキシ樹脂が好ましく、トリメチルシクロヘキサン構造を含有するフェノキシ樹脂がより好ましい。
トリメチルシクロヘキサン構造を含有するフェノキシ樹脂としては、特開2006−176658号公報に開示されている、ビスフェノールTMC(ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)を原料とするフェノキシ樹脂等が挙げられる。
テルペン構造を含有するフェノキシ樹脂としては、例えば、特開2006−176658号公報に開示されているフェノキシ樹脂において、原料の2価フェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの代わりにテルペンジフェノールを使用して合成されるフェノキシ樹脂等が挙げられる。
(e)フェノキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定した値であり、実施例に記載の方法により測定することができる。
層間絶縁層用樹脂組成物は、低温で短時間の硬化を可能にする観点から、(f)硬化促進剤を含有していてもよい。
(f)硬化促進剤としては、金属系硬化促進剤、有機系硬化促進剤等が挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、例えば、有機金属系硬化促進剤を使用することができる。有機金属系硬化促進剤は、(b2)シアネート系硬化剤の自己重合反応の促進作用及び(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤との反応の促進作用を有するものである。
有機金属系硬化促進剤としては、遷移金属、12族金属の有機金属塩及び有機金属錯体等が挙げられる。金属としては、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、スズ等が挙げられる。
有機金属塩としては、カルボン酸塩が挙げられ、その具体例としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等のナフテン酸塩、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の2−エチルヘキサン酸塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
有機金属錯体としては、アセチルアセトン錯体等のキレート錯体が挙げられ、その具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体;銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体;亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体;鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体;マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。これらの中でも、硬化性及び溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルトが好ましく、ナフテン酸コバルトがより好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
有機系硬化促進剤(但し、前記有機金属系硬化促進剤を含まない。)としては、有機リン化合物、イミダゾール化合物、アミン系化合物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。ビアホール内のスミア除去性の観点から、有機リン化合物、イミダゾール化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、有機リン化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。有機系硬化促進剤は、一度に又は複数回に分けて配合してもよい。
また、リン系化合物としては、特開2011−179008号公報に示されているような、リン原子に少なくとも1つのアルキル基が結合したホスフィン化合物とキノン化合物との付加反応物であってもよく、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物であることが好ましい。
アミン系化合物としては、第二級アミン、第三級アミン等のアミン系化合物;第四級アンモニウム塩などが挙げられる。具体的には、アミンアダクト化合物、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン7、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。これらの中でも、第三級アミンが好ましく、4−ジメチルアミノピリジンがより好ましい。
層間絶縁層用樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記各成分以外の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、上記各成分以外の樹脂成分(以下、「他の樹脂成分」ともいう)、添加剤、難燃剤等が挙げられる。
他の樹脂成分としては、ビスマレイミド化合物とジアミン化合物との重合物、ビスマレイミド化合物、ビスアリルナジド樹脂、ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。
添加剤としては、酸化防止剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着付与剤;ゴム粒子;着色剤などが挙げられる。
難燃剤としては、無機難燃剤、樹脂難燃剤等が挙げられる。無機難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。樹脂難燃剤は、ハロゲン系樹脂であっても、非ハロゲン系樹脂であってもよいが、環境負荷への配慮から、非ハロゲン系樹脂が好ましい。
本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムは、前記本発明の熱硬化性樹脂組成物(層間絶縁層用樹脂組成物)を用いて形成されるものである。
なお、層間絶縁層用樹脂フィルムは、一般的に、層間絶縁フィルムと称することもある。
層間絶縁層用樹脂フィルムの厚さは、プリント配線板に形成される導体層の厚みによって決定することができる。導体層の厚さは、通常、5〜70μmであるため、層間絶縁層用樹脂フィルムの厚さは、10〜100μmが好ましく、多層プリント配線板の薄型化を可能とする観点からは、15〜80μmがより好ましく、20〜50μmがさらに好ましい。
本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムは、支持体の上に形成されたものであってもよい。
支持体としては、有機樹脂フィルム、金属箔、離型紙等が挙げられる。本発明においては、後述する様に、支持体を付けたまま多層樹脂フィルムを硬化させる観点から、支持体は、離型処理が施された有機樹脂フィルムであることが好ましい。
有機樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート、ポリイミドなどが挙げられる。これらの中でも、価格及び取り扱い性の観点から、PETが好ましい。
金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。支持体に銅箔を用いる場合には、銅箔をそのまま導体層とし、回路を形成することもできる。この場合、銅箔としては、圧延銅、電解銅箔等を用いることができる。また、銅箔の厚さは、例えば、2〜36μmとすることができる。厚さの薄い銅箔を用いる場合には、作業性を向上させる観点から、キャリア付き銅箔を使用してもよい。
本発明の一態様として、前記層間絶縁層用樹脂フィルムと、上記有機樹脂フィルムとを有する多層樹脂フィルムが挙げられる。該多層樹脂フィルムは、後述するように、層間絶縁層用樹脂フィルムからなる層(層間絶縁層用樹脂組成物層)と、接着補助層とを含有していてもよい。なお、接着補助層の詳細については、後述する。
以上より、本発明は、前記層間絶縁層用樹脂フィルム又は上記接着補助層を有する多層樹脂フィルムと、離型処理が施された有機樹脂フィルムと、を有する多層樹脂フィルムも提供する。
支持体の厚さは、取扱い性及び経済性の観点から、10〜120μmが好ましく、15〜80μmがより好ましく、25〜50μmがさらに好ましい。
支持体は、多層プリント配線板を製造する際に、通常、最終的に剥離又は除去される。
本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムの支持体とは反対側の面には、保護フィルムを配してもよい。保護フィルムは、層間絶縁層用樹脂フィルムの支持体が設けられている面とは反対側の面に設けられるものであり、層間絶縁層用樹脂フィルムへの異物等の付着及びキズ付きを防止する目的で使用される。保護フィルムは、層間絶縁層用樹脂フィルムをラミネート、熱プレス等で回路基板等に積層する前に剥離される。
保護フィルムとしては、支持体と同様の材料を用いることができる。保護フィルムの厚さは、例えば、1〜40μmの厚さを有するものを使用することができる。
本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムは、例えば、支持体上に層間絶縁層用樹脂組成物を塗工した後、乾燥して製造することができる。その際、層間絶縁層用樹脂組成物は有機溶剤に溶解及び/又は分散させてワニスの状態にすることが好ましい。
有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル系溶剤;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、溶解性の観点から、ケトン系溶剤が好ましく、MEK、メチルイソブチルケトンがより好ましい。
乾燥条件は、ワニス中の有機溶剤の量及び種類によっても異なるが、例えば、20〜80質量%の有機溶剤を含むワニスであれば、50〜150℃で1〜10分間乾燥すればよい。
次に、本発明の多層樹脂フィルムの一態様として、層間絶縁層用樹脂組成物層と接着補助層とを含有する多層樹脂フィルムについて説明する。
該多層樹脂フィルムは、有機樹脂フィルムと、接着補助層と、本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムからなる層間絶縁層用樹脂組成物層とを、この順に含有する多層樹脂フィルムである。
層間絶縁層用樹脂組成物層は、本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムからなる層である。
層間絶縁層用樹脂組成物層は、接着補助層を有する多層樹脂フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する場合において、回路基板と接着補助層との間に設けられる層であり、該層間絶縁層用樹脂組成物層を硬化して得られる絶縁層は、例えば、多層プリント配線板において、多層化された回路パターン同士を絶縁する役割を果たす。また、層間絶縁層用樹脂組成物層は、回路基板にスルーホール、ビアホール等が存在する場合、それらの中に流動し、該ホール内を充填する役割も果たす。
接着補助層は、ビルドアップ方式によって多層化された多層プリント配線板において、多層化された回路パターン同士を絶縁し、かつ平滑でめっきピール強度を高くする役割を果たす層である。
接着補助層の厚さは、導体層との接着性が高い層間絶縁層を得る観点から、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。
接着補助層は、接着補助層用樹脂組成物を用いて形成することができる。
接着補助層用樹脂組成物は、平滑な表面を有し、導体層との接着性が高い層間絶縁層を得る観点から、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材を含有することが好ましい。(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材については、それぞれ、層間絶縁層用樹脂組成物における(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)無機充填材の説明と同様に説明される。
接着補助層用樹脂組成物が(B)硬化剤を含有する場合、その含有量は、平滑な表面を有し、導体層との接着性が高い層間絶縁層を得る観点から、接着補助層用樹脂組成物の固形分((C)無機充填材も含む。)100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましく、20〜35質量部がさらに好ましい。
また、接着補助層用樹脂組成物中における、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との質量比[(A)/(B)]は、導体層との接着性が高い層間絶縁層を得る観点から、0.5〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1.2〜2.5がさらに好ましい。
該ポリアミド樹脂は、表面粗さが小さく、めっき法によって形成した導体層との接着強度に優れる層間絶縁層を得る観点から、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基)と反応する官能基(フェノール性水酸基、アミノ基等)を含有するものが好ましく、フェノール性水酸基を含有するものがより好ましい。また、同様の観点から、ポリアミド樹脂は、さらに、ポリブタジエン骨格を含有するものが好ましい。
このようなポリアミド樹脂としては、下記一般式(7−1)で表される構造単位、下記一般式(7−2)で表される構造単位及び下記一般式(7−3)で表される構造単位を含有するフェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド樹脂が好ましい。
RK1、RK2及びRK3は、それぞれ独立に、芳香族ジアミン又は脂肪族ジアミンに由来する2価の基であり、RK4は、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸又は両末端にカルボキシ基を有するオリゴマーに由来する2価の基である。
フェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド樹脂の製造に用いられる脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヒドロキシプロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘプタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノジエチルアミン、ジアミノプロピルアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、アザペンタンジアミン、トリアザウンデカジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
フェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド樹脂の製造に用いられるフェノール性水酸基を含有しないジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、両末端にカルボキシ基を有するオリゴマー等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、メチレン二安息香酸、チオ二安息香酸、カルボニル二安息香酸、スルホニル安息香酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、りんご酸、酒石酸、(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、ジ(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、(メタ)アクリロイルオキシりんご酸、(メタ)アクリルアミドコハク酸、(メタ)アクリルアミドりんご酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
ポリアミド樹脂としては、表面粗さが小さく、めっき法によって形成した導体層との接着強度に優れる層間絶縁層を得る観点から、「BPAM−01」及び「BPAM−155」が好ましく、「BPAM−155」がより好ましい。「BPAM−155」は、末端にアミノ基を有するゴム変性ポリアミド樹脂であり、エポキシ基との反応性を有するため、「BPAM−155」を含有する熱硬化性樹脂組成物から得られる層間絶縁層は、めっき法によって形成した導体層との接着強度により優れ、表面粗さが小さくなる傾向にある。
ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、同様の観点から、100,000〜140,000が好ましく、103,000〜130,000がより好ましく、105,000〜120,000がさらに好ましい。
なお、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものであり、詳細には、実施例に記載の方法に従って測定したものである。
層間絶縁層用樹脂組成物層と接着補助層とを有する多層樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、支持体上にワニスの状態とした接着補助層用樹脂組成物を塗工した後、乾燥して、支持体上に接着補助層を形成した後、該接着補助層の上に、ワニスの状態とした層間絶縁層用樹脂組成物を塗工した後、乾燥して、層間絶縁層用樹脂組成物層を形成する方法が挙げられる。
別の方法としては、例えば、上述の方法で支持体上に接着補助層を形成し、別途、層間絶縁層用樹脂組成物層を剥離可能なフィルムの上に形成し、支持体上に形成された接着補助層と、フィルム上に形成された層間絶縁層用樹脂組成物層とを、接着補助層が形成された面と層間絶縁層用樹脂組成物層が形成された面とが接するようにラミネートする方法も挙げられる。この場合、層間絶縁層用樹脂組成物層を剥離可能なフィルムは、保護フィルムとしての役割も果たすことができる。
本発明の多層プリント配線板は、本発明の層間絶縁層用樹脂フィルム及び多層樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種を用いて得られるものである。つまり、本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムは、多層プリント配線板用として有用である。さらには、本発明の層間絶縁層用樹脂フィルムは、多層プリント配線板、特にビルドアップ配線板のビルドアップ層形成用としても有用である。
本発明の多層プリント配線板は、例えば、下記工程(1)〜(6)[但し、工程(3)は任意である。]を含む製造方法により製造することができ、工程(1)、(2)又は(3)の後で支持体を剥離又は除去してもよい。
なお、以下、単に「樹脂フィルム」と称する場合は、「層間絶縁層用樹脂フィルム」及び「多層樹脂フィルム」の両者を指すものとする。
(2)工程(1)でラミネートされた樹脂フィルムを熱硬化し、絶縁層を形成する工程[以下、絶縁層形成工程(2)と称する]。
(3)工程(2)で絶縁層を形成した回路基板に穴あけする工程[以下、穴あけ工程(3)と称する]。
(4)絶縁層の表面を酸化剤によって粗化処理する工程[以下、粗化処理工程(4)と称する]。
(5)粗化された絶縁層の表面にめっきにより導体層を形成する工程[以下、導体層形成工程(5)と称する]。
(6)セミアディティブ法により、導体層に回路形成する工程[以下、回路形成工程(6)と称する]。
該ラミネートは、例えば、樹脂フィルム及び回路基板を必要に応じて予備加熱してから、圧着温度60〜140℃、圧着圧力0.1〜1.1MPa(9.8×104〜107.9×104N/m2)、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で実施することができる。また、ラミネートの方法は、バッチ式であっても、ロールでの連続式であってもよい。
支持体を剥離する場合は、剥離した後、回路基板にラミネートされた樹脂フィルムを加熱硬化させて絶縁層、つまり後に「層間絶縁層」となる絶縁層を形成する。多層樹脂フィルムを用いる場合、ここで形成される絶縁層は、層間絶縁層用樹脂組成物層の硬化物と接着補助層の硬化物とから構成される層になる。
加熱硬化は、2段階で行ってもよく、その条件としては、例えば、1段階目は100〜200℃で5〜30分間であり、2段階目は140〜220℃で20〜80分間である。支持体として、離型処理の施された有機樹脂フィルム等の支持体を使用した場合には、ゴミ等の不純物の混入を予防する観点から、離型処理の施された有機樹脂フィルム等の支持体が付いた状態のまま熱硬化することが好ましい。離型処理の施された有機樹脂フィルム等の支持体を使用すると、このようにゴムの混入の予防ができるが、その一方で、離型処理が施されているがゆえに、ハジキが増大する傾向にある。しかし、本発明の熱硬化性樹脂組成物(層間絶縁層用樹脂組成物)、層間絶縁層用樹脂フィルム及び多層樹脂フィルムであれば、このハジキも効果的に抑制することができる。
なお、上記熱硬化の後、該支持体を剥離してもよい。
前記酸化剤としては、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素、硫酸、硝酸等が挙げられる。これらの中でも、ビルドアップ工法による多層プリント配線板の製造における絶縁層の粗化に汎用されている酸化剤である、アルカリ性過マンガン酸溶液(例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
粗化処理により、絶縁層の表面に凹凸のアンカーが形成する。
めっき方法としては、無電解めっき法、電解めっき法等が挙げられる。めっき用の金属は、めっきに使用し得る金属であれば特に制限されない。めっき用の金属は、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金の中から選択することができ、銅、ニッケルであることが好ましく、銅であることがより好ましい。
なお、先に導体層(配線パターン)とは逆パターンのめっきレジストを形成しておき、その後、無電解めっきのみで導体層(配線パターン)を形成する方法を採用することもできる。
導体層の形成後、150〜200℃で20〜120分間アニール処理を施してもよい。アニール処理を施すことにより、層間絶縁層と導体層との間の接着強度がさらに向上及び安定化する傾向にある。また、このアニール処理によって、層間絶縁層の硬化を進めてもよい。
ここで、前記工程(2)〜(5)のいずれの前に離型処理の施された有機樹脂フィルム等の支持体を剥離除去してもよく、前記工程(3)〜(5)のいずれかの前に離型処理の施された有機樹脂フィルム等の支持体を剥離除去することが好ましい。
回路形成工程(6)では、導体層をパターン加工し、回路形成する方法として、セミアディティブ法(SAP:SemiAdditive Process)を利用する。導体層形成工程(5)で形成した導体層(シード層)上にめっきレジストのパターンを形成した後、電解銅めっき等のめっきを行って回路を成長させる。その後、めっきレジストを除去し、次いで回路間のシード層をエッチングすることで配線板が完成する。
また、導体層と絶縁層とが交互に層形成され、片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)を有する多層プリント配線板、上記回路基板の片面又は両面に、本発明の樹脂フィルムから形成された層間絶縁層を有し、その片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)を有するもの、本発明の樹脂フィルムを張り合わせて硬化して形成した硬化物の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)を有するものなども本発明における回路基板に含まれる。
層間絶縁層の回路基板への接着性の観点からは、回路基板の導体層の表面は、前述の通り、黒化処理等により、予め粗化処理が施されていてもよい。
エポキシ樹脂として、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂である「NC−3000−H」(日本化薬株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)を25.8質量部、
ノボラック型フェノール樹脂として、「PAPS−PN2」(旭有機材工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%、Mw/Mn=1.17)を6.3質量部、
エポキシ樹脂硬化剤として、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂である「LA−1356−60M」(DIC株式会社製、商品名、溶剤:MEK、固形分濃度60質量%)を4.9質量部、
無機充填材として、「SO−C2」(株式会社アドマテックス製、商品名、平均粒径;0.5μm)の表面をアミノシランカップリング剤で処理し、さらに、MEK中に分散させたシリカ(固形分濃度70質量%)を92.9質量部、
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールである「2E4MZ」(四国化成工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)を0.026質量部、
追加溶剤としてMEKを13.1質量部配合し、混合及びビーズミル分散処理を施して接着フィルム用樹脂組成物ワニス1を作製した。
上記で得られた接着フィルム用樹脂組成物ワニス1を、支持体フィルムであるPET(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:G2、フィルム厚:50μm)上に塗工した後、乾燥して、樹脂組成物層を形成した。なお、塗工厚さは40μmとして、乾燥は、樹脂組成物層中の残留溶剤が8.0質量%になるように行った。乾燥後、樹脂組成物層面側に保護フィルムとして、ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−13、厚さ:25μm)を積層した。その後、得られたフィルムをロール状に巻き取り、接着フィルム1を得た。
実施例1において、原料組成、製造条件を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、接着フィルム2〜6、8〜12を得た。
支持体フィルムであるPET(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:G2、フィルム厚:50μm)の上に、10μmの膜厚になるように、以下の手順で作製した樹脂ワニスAを塗工及び乾燥して得られた60μm厚さの支持体フィルム2を準備した。
エポキシ樹脂として、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂である「NC−3000−H」(日本化薬株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)を63.9質量部、
エポキシ樹脂硬化剤として、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂である「LA−1356−60M」(DIC株式会社製、商品名、溶剤;MEK、固形分濃度60質量%)を18.0質量部、
コアシェルゴム粒子である「EXL−2655」(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製、商品名)を15.2質量部、
無機充填材として、ヒュームドシリカである「アエロジルR972」(日本アエロジル株式会社製、商品名、平均粒径;0.02μm、固形分濃度100質量%)を8.8質量部、
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールである「2E4MZ」(四国化成工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)を1.28質量部、
追加溶剤として、シクロヘキサノンを226.1質量部配合し、混合及びビーズミル分散処理を施して樹脂ワニスAを作製した。
上記で得られた樹脂ワニスAを、支持体フィルムであるPET(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:G2、フィルム厚:50μm)上に、10μmの膜厚になるように塗工した後、乾燥して、フィルム厚が60μmの支持体フィルム2を得た。
支持体フィルム2と、接着フィルム用樹脂組成物ワニスを用いて、実施例1と同様にして接着フィルム7を得た。
得られた接着フィルム1〜12は以下の方法により評価した。
得られた接着フィルム1〜12を500mm×500mmのサイズに切断し、接着フィルムの取扱い性試験用試料1〜12を作製した。
作製した接着フィルムの取扱い性試験用試料1〜12を用いて、次の(1)〜(3)の方法により取扱い性を評価し、いずれかの試験において不良とされたものを「取扱い性不良」、いずれの試験でも不良でなかったものを「取扱い性良好」とした。
(1)接着フィルムの取扱い性試験用試料1〜12について、まず、保護フィルムを剥離した。保護フィルムを剥離する際に、塗工及び乾燥した樹脂が一部、保護フィルム側に付着したもの、又は粉落ちが発生したものを、取扱い性不良とした。
(2)フィルムの中央端2点(500mm×250mmになるように、端部の2点)を持ち、塗工及び乾燥した樹脂に割れが発生したものを、取扱い性不良とした。
(3)表面の銅箔に黒化及び還元処理を施した銅張積層板である「MCL−E−679FG(R)」(日立化成株式会社製、銅箔厚12μm、板厚0.41mm)に、バッチ式の真空加圧式ラミネーター「MVL−500」(株式会社名機製作所製、商品名)を用いてラミネートによって積層した。この際の真空度は30mmHg以下であり、温度は90℃、圧力は0.5MPaの設定とした。室温に冷却後、支持体フィルムを剥がした(接着フィルム7については、支持体フィルム2のうち、PETとその上に形成した樹脂層の間で剥がれた)。この際に、粉落ちが発生したり、PETが途中で破れた材料を取り扱い性不良とした。
得られた接着フィルム1〜12をそれぞれ200mm×200mmのサイズに切断し、保護フィルムを剥がし、18μm厚さの銅箔に、バッチ式の真空加圧式ラミネーター「MVL−500」(株式会社名機製作所製、商品名)を用いてラミネートによって積層した。この際の真空度は30mmHg以下であり、温度は90℃、圧力は0.5MPaの設定とした。
室温に冷却後、支持体フィルムを剥がし(接着フィルム7については、支持体フィルム2のうち、PETとその上に形成した樹脂層の間で剥がれた)、180℃の乾燥機中で120分間硬化した。その後、塩化第二鉄液で銅箔を除去し、幅3mm、長さ8mmに切り出したものを、熱膨張係数測定用試料1〜12とした。
得られた熱膨張係数測定用試料1〜12をセイコーインスツル株式会社製の熱機械分析装置を用い、昇温速度10℃/分で240℃まで昇温させ、−10℃まで冷却後、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温させた際の膨張量の変化曲線を得て、該膨張量の変化曲線の0〜150℃の平均熱膨張係数を求めた。
埋め込み性評価基板に使用した内層回路は次のとおりである。銅箔厚が12μm、板厚が0.15mm(銅箔厚を含む)の銅張積層板である「MCL−E−679FG(R)」(日立化成株式会社製、商品名)に直径が0.15mmのスルーホールを5mm間隔で25個×25個の群になるようにドリル穴あけ法によって作製した。次いで、デスミア及び無電解めっきを施し、電解めっきを用いてスルーホール中に電解めっきを施した。
その結果、銅厚を含む板厚が0.2mm、直径が0.1mm、5mm間隔で25個×25個のスルーホールを有する回路基板を得た。
次に、保護フィルムを剥がした接着フィルム1〜12を、樹脂組成物層が回路基板の回路面側と対向するように配置した後、バッチ式の真空ラミネーター「MVL−500」(株式会社名機製作所製、商品名)を用いてラミネートによって積層した。この際の真空度は30mmHgであり、温度は90℃、圧力は0.5MPaの設定とした。
室温に冷却後、両面に接着フィルムが付いたスルーホールを有する回路基板を1mmの厚さのアルミ板2枚で挟み、前記真空ラミネーターを用いてラミネートを行った。この際の真空度は30mmHgであり、温度は90℃、圧力は0.7MPaの設定とした。
室温に冷却後、支持体フィルムを剥がし(接着フィルム7については、支持体フィルム2のうち、PETとその上に形成した樹脂層の間で剥がれた)、180℃の乾燥機中で120分間硬化した。こうして、埋め込み性評価基板1〜12を得た。
株式会社ミツトヨ製の接触式の表面粗さ計「SV2100」(商品名)を用い、埋め込み性評価基板1〜12のスルーホール部分表面の段差を測定した。段差は、スルーホールの表面の中心部分が10個入るように測定し、10個の凹みの平均値を計算した。
[エポキシ樹脂]
・NC−3000−H:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)
・N−673−80M:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名、溶剤;MEK、固形分濃度80質量%)
[ノボラック型フェノール樹脂]
・PAPS−PN2:ノボラック型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%、Mw/Mn=1.17)
・PAPS−PN3:ノボラック型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%、Mw/Mn=1.50)
・HP−850:リン酸ではなく塩酸を使用して製造したノボラック型フェノール樹脂(日立化成株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)
[トリアジン変性フェノールノボラック樹脂]
・LA−1356−60M:トリアジン変性フェノールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名、溶剤;MEK、固形分濃度60質量%)
[無機充填材]
・SO−C2:株式会社アドマテックス製のシリカ「SO−C2」(商品名、平均粒径;0.5μm)の表面をアミノシランカップリング剤で処理し、さらに、MEK溶剤中に分散させたシリカ(固形分濃度70質量%)
・SO−C6:株式会社アドマテックス製のシリカ「SO−C6」(商品名、平均粒径;2.2μm)の表面をアミノシランカップリング剤で処理し、さらに、MEK溶剤中に分散させたシリカ(固形分濃度70質量%)
・アエロジルR972:ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%、比表面積:100m2/g)
[硬化促進剤]
・2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名、固形分濃度100質量%)
一方、本発明の接着フィルムを用いなかった場合、取扱い性、熱膨張係数、埋め込み性のいずれかが劣っていた。
すなわち、第1の発明によれば、熱膨張係数が低く、埋め込み性に優れ、取扱い性に優れる接着フィルムを提供でき、硬化後の熱膨張係数が低い層間絶縁層を提供できることが分かる。
・装置:ポンプ:880−PU[日本分光株式会社製]
RI検出器:830−RI[日本分光株式会社製]
恒温槽:860−CO[日本分光株式会社製]
オートサンプラー:AS−8020[東ソー株式会社製]
・溶離液:テトラヒドロフラン
・試料濃度:30mg/5mL
・注入量:20μL
・流量:1.00mL/分
・測定温度:40℃
(シアネートプレポリマーBの合成)
ディーンスターク還流冷却器、温度計及び撹拌器を備えた5Lのセパラブルフラスコに、ビスフェノールA型の2官能のシアネート樹脂である「アロシー(登録商標)B−10」(ハンツマン社製、分子量278)を3,000g、p−(α−クミル)フェノール(三井化学ファイン株式会社製、分子量212)を45.8g、トルエンを1,303g投入して反応溶液とした。反応溶液の昇温を開始し、反応溶液の温度が90℃になるまで撹拌した。90℃に到達した時点で、ナフテン酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製、固形分濃度8質量%、ミネラルスピリット溶液カット品)を反応溶液に2.799g添加した。その後、さらに110℃に昇温し、110℃で180分間撹拌させた。続いて、反応溶液の固形分濃度が70質量%になるようにトルエンを追加配合することによって、トルエンに溶解したシアネートプレポリマーB(重量平均分子量:約3,200)を作製した。
製造例2
表2に示す配合組成(表中の数値は固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。)に従って組成物を配合し、樹脂成分が溶解するまで撹拌し、ビーズミル処理によって分散することによって、ワニス状の接着補助層用樹脂組成物(固形分濃度:25質量%)を得た。
上記で得られた接着補助層用樹脂組成物を、離型処理が施された厚さ38μmのPETフィルム「ピューレックス(登録商標)NR−1」(支持体、帝人デュポンフィルム株式会社製)上にダイコーターを用いて乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工し、接着補助層の膜厚が3μmである、支持体付き接着補助層を得た。使用した原料を表2に示す。
[(A)エポキシ樹脂]
・NC−3000−H:ビフェニルアラルキル構造含有ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC−3000−H」、エポキシ当量:289g/eq、固形分濃度100質量%)
[(B)硬化剤]
・シアネートプレポリマーB:製造例1で合成したシアネートプレポリマーB
[(C)無機充填材]
・アエロジルR972:ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)R972」、比表面積:100m2/g、固形分濃度100質量%)
[(D)ポリシロキサン骨格を有する樹脂]
・BYK−310:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・YX7200B35:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)YX7200B35」、エポキシ当量:3,000〜16,000g/eq、固形分濃度35質量%、MEKカット)
[(F)硬化促進剤]
・TPP:トリフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社製、固形分濃度100質量%)
[その他の樹脂;ポリアミド樹脂]
・BPAM−155:末端にアミノ基を有するゴム変性ポリアミド樹脂(日本化薬株式会社製「BPAM−155」、数平均分子量:26,000、重量平均分子量:110,000、固形分濃度100質量%)を予めジメチルアセトアミドに固形分濃度が10質量%になるように溶解したもの。
(参考)実施例1〜9、(参考)比較例1〜4
表3に示す配合組成(表中の数値は固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。)に従って組成物を配合し、シクロヘキサノン(株式会社ゴードー製)を追加有機溶剤として混合し、ビーズミル処理によって分散し、ワニス状の層間絶縁層用樹脂組成物(固形分濃度:約70質量%)を得た。
上記で得られた層間絶縁層用樹脂組成物を、製造例2で得た支持体付き接着補助層の接着補助層の上にダイコーターを用いて塗工し、100℃で1.5分間乾燥させることで、膜厚37μmの層間絶縁層用樹脂組成物層を形成し、層間絶縁層用樹脂組成物層と接着補助層とを有する多層樹脂フィルム(厚み40μm)を得た。
該多層樹脂フィルムを用い、下記方法に従って各評価を行った。結果を表3に示す。
接着補助層の表面に形成された層間絶縁層用樹脂組成物層の塗布状態(乾燥後の塗布状態)を目視により評価した。接着補助層の表面に形成された層間絶縁層用樹脂組成物層の膜厚不足部分(いわゆる、ハジキ)の有無を観察し、観察されなかったものは「A」、観察されたものは「C」と評価した。
表面粗さを評価するに当たり、以下の手順で表面粗さ評価用基板を作製した。なお、上記(1)の評価にてハジキが発生した場合は、ハジキが発生していない領域を用いて表面粗さ評価用基板を作製した。
「MCL−E−700G」(タイプR、両面銅張り積層板、厚み0.8mm、それぞれの銅箔の厚み18μm、日立化成株式会社製)の両面を「メックエッチボンドCZ−8101」(メック株式会社製)で銅箔を1μmエッチングすることによって粗化処理した。得られた積層板の両面に対して、各例で得られた多層樹脂フィルム2枚を用いて、それぞれの面に層間絶縁層用樹脂組成物層側で1枚ずつラミネートし、支持体であるPETフィルムが付いたまま、180℃で60分間熱硬化させた。その後、PETフィルムを剥離除去した。
得られた試料を、縦60mm(X方向)、横120mm(Y方向)に切り出したものを試験片とし、該試験片を膨潤液「スウェリングディップセキュリガントP」(アトテックジャパン株式会社製)に70℃で5分浸漬させ、次に粗化液「コンセートレートコンパクトCP」(NaMnO4含有酸化剤、アトテックジャパン株式会社製)に80℃で20分浸漬させ、次いで、中和液「リダクションコンディショナーセキュリガントP500」(アトテックジャパン株式会社製)に40℃で5分浸漬させることによってデスミア処理し、表面粗さ評価用基板を作製した。
(2−1) 得られた表面粗さ評価用基板について、比接触式表面粗さ計「WykoNT9100」(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、商品名)を用い、内部レンズ1倍、外部レンズ50倍を用いて、接着補助層の表面粗さの測定を行い、算術平均粗さ(Ra)を得た。算術平均粗さ(Ra)は、表面粗さ測定用基板中の任意の部分(ただし、レーザーによるビアホールが形成されていない領域)について5箇所の平均粗さを測定し、これらの平均値とした。算術平均粗さ(Ra)は、本発明の主旨から、小さい方が好ましい。
(2−2) また一方で、得られた表面粗さ評価用基板について、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率:1,000倍)によって、接着補助層の表面を観察し、未粗化部位が無い場合には「A」、有る場合には「C」と評価した。
リフロー耐熱性を評価するに当たり、以下の手順でリフロー耐熱性評価用基板を作製した。なお、上記(1)の評価にてハジキが発生した場合は、ハジキが発生していない領域を用いてリフロー耐熱性評価用基板を作製した。
上記(2)で作製した表面粗さ評価用基板に無電解めっき処理を行って膜厚0.8μmのめっきを形成し、さらに電解めっき処理を行なって20μmのめっきを形成した。次いで、190℃で120分加熱処理し、50mm×50mmのサイズに切断することによって、リフロー耐熱性評価用基板を10個作製した。
得られたリフロー耐熱性評価用基板10個についてそれぞれ、最高温度が260℃となるように設定したエアリフロー炉「TAR30−366PN」(株式会社タムラ製作所製、送り速度0.61m/min)を30回通過させ、ふくれ(ブリスター)が発生するまでの平均回数をリフロー耐熱性の指標とした。該平均回数が多いほど、リフロー耐熱性に優れることを示し、好ましくは10回以上、より好ましくは15回以上、さらに好ましくは20回以上である。
[(a)エポキシ樹脂]
・N−673:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON(登録商標)N−673」、固形分濃度100質量%、エポキシ当量:210g/eq)
・jER157S70:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、エポキシ当量:210g/eq、固形分濃度100質量%)
・シアネートプレポリマーB:製造例1で合成したシアネートプレポリマーB、(b2)成分
・BA3000S:ビスフェノールA型シアネート樹脂のプレポリマー(ロンザ社製「プリマセットBA3000S」)、(b2)成分
・HPC−8000−65T:活性エステル樹脂(DIC株式会社製「EPICLON(登録商標)HPC−8000−65T」、固形分濃度65質量%、トルエンカット品)、(b1)成分
・SO−C2:アミノシランカップリング剤処理を施した球状シリカ(株式会社アドマテックス製、体積平均粒径0.5μm、固形分濃度100質量%)
・BYK−310:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・BYK−330:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・BYK−307:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・Borchi Gol LA2:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Borchers社製)
・Borchi Gol LA200:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Borchers社製)
・Borchi Gol 1376:フェニル変性ポリジメチルシロキサン(Borchers社製)
((d)成分との対比用)
・LHP−90:ビニル系重合体(楠本化成株式会社製)、表面調整剤
・LHP−95:アクリル系重合体(楠本化成株式会社製)、表面調整剤
・YX7200B35:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)YX7200B35」、エポキシ当量:3,000〜16,000g/eq、固形分濃度35質量%、MEKカット)
・リン系硬化促進剤:特開2011−179008号公報を参考にして合成したトリス(p−メチルフェニル)ホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物(固形分濃度100質量%)、下記(f−1)で表される。
・ナフテン酸コバルト:(和光純薬工業株式会社製、固形分濃度6質量%、ミネラルスピリット溶液)、金属系硬化促進剤
一方、(参考)比較例1、2及び4で使用した層間絶縁層用樹脂組成物では、塗工後にハジキが有るものがあり、また、(参考)比較例2で得た多層樹脂フィルムでは、デスミア処理後の接着補助層の表面粗さが大きく、且つ、未粗化部位が存在していた。さらに、(参考)比較例2で得た多層樹脂フィルムでは、リフロー耐熱性に乏しかった。
「接着補助層」中の(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量は、(参考)比較例2と(参考)実施例1とで同じにも関わらず、(参考)比較例2においては、接着補助層の表面に未粗化部位が存在する結果となった。これは、層間絶縁層用樹脂組成物の影響があったと考えざるを得ない。
製造例3
表4に示す配合組成(表中の数値は固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。)に従って組成物を配合し、樹脂成分が溶解するまで撹拌し、ビーズミル処理によって分散することによって、ワニス状の接着補助層用樹脂組成物(固形分濃度:25質量%)を得た。
上記で得られた接着補助層用樹脂組成物を、離型処理が施された厚さ38μmのPETフィルム「ピューレックス(登録商標)NR−1」(支持体、帝人デュポンフィルム株式会社製)上にダイコーターを用いて乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工し、接着補助層の膜厚が3μmである、支持体付き接着補助層を得た。使用した原料を表4に示す。
[(A)エポキシ樹脂]
・NC−3000−H:ビフェニルアラルキル構造含有ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC−3000−H」、エポキシ当量:289g/eq、固形分濃度100質量%)
[(B)硬化剤]
・HPC−8000−65T:活性エステル樹脂(DIC株式会社製「EPICLON(登録商標)HPC−8000−65T」、固形分濃度65質量%、トルエンカット品)
・PAPS−PN2:トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤(旭有機材工業株式会社製)
[(C)無機充填材]
・アエロジルR972:ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)R972」、比表面積:100m2/g、固形分濃度100質量%)
[(D)ポリシロキサン骨格を有する樹脂]
・BYK−310:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・YX7200B35:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)YX7200B35」、エポキシ当量:3,000〜16,000g/eq、固形分濃度35質量%、MEKカット)
[(F)硬化促進剤]
・4−ジメチルアミノピリジン:東京化成工業株式会社製、メチルエチルケトンで10%に希釈して使用した。
[その他の樹脂;ポリアミド樹脂]
・BPAM−155:末端にアミノ基を有するゴム変性ポリアミド樹脂(日本化薬株式会社製「BPAM−155」、数平均分子量:26,000、重量平均分子量:110,000、固形分濃度100質量%)を予めジメチルアセトアミドに固形分濃度が10質量%になるように溶解したもの。
(参考)実施例10〜12、(参考)比較例5〜6
表4に示す配合組成(表中の数値は固形分の質量部であり、溶液(有機溶剤を除く)又は分散液の場合は固形分換算量である。)に従って組成物を配合し、シクロヘキサノン(株式会社ゴードー製)を追加有機溶剤として混合し、それからビーズミル処理によって分散し、ワニス状の層間絶縁層用樹脂組成物(固形分濃度:約66〜69質量%)を得た。
上記で得られた層間絶縁層用樹脂組成物を、製造例3で得た支持体付き接着補助層の接着補助層の上にダイコーターを用いて塗工し、100℃で1.5分間乾燥させることで、膜厚37μmの層間絶縁層用樹脂組成物層を形成し、層間絶縁層用樹脂組成物層と接着補助層とを有する多層樹脂フィルム(厚み40μm)を得た。
該多層樹脂フィルムを用い、前記(参考)実施例1と同じ方法にて各評価を行った。結果を表5に示す。
[(a)エポキシ樹脂]
・NC−3000−H:ビフェニル骨格を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、固形分濃度100質量%、エポキシ当量:289g/eq)
・jER828:ビスフェノールA型の液状エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、固形分濃度100質量%、エポキシ当量:185g/eq)
・LA−7054:トリアジン含有フェノールノボラック樹脂(DIC株式会社製「フェノライト(登録商標)LA−7054」)、(b3)成分
・HPC−8000−65T:活性エステル樹脂(DIC株式会社製「EPICLON(登録商標)HPC−8000−65T」、固形分濃度65質量%、トルエンカット品)、(b1)成分
・PAPS−PN2:トリアジン環を含有するフェノールノボラック系硬化剤(旭有機材工業株式会社製、固形分濃度100質量%、Mw/Mn=1.17)、(b3)成分
・SO−C2:アミノシランカップリング剤処理を施した球状シリカ(株式会社アドマテックス製、体積平均粒径0.5μm、固形分濃度100質量%)
・BYK−310:ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・BYK−330:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
・YX7200B35:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)YX7200B35」、エポキシ当量:3,000〜16,000g/eq、固形分濃度35質量%、MEKカット)
・4−ジメチルアミノピリジン:関東化学株式会社製、メチルエチルケトンで10%に希釈して使用した。
一方、(参考)比較例5で使用した層間絶縁層用樹脂組成物では、塗工後にハジキが有るものがあり、また、(参考)比較例6で得た多層樹脂フィルムでは、デスミア処理後の接着補助層の表面粗さが大きく、且つ、未粗化部位が存在していた。さらに、(参考)比較例6で得た多層樹脂フィルムでは、リフロー耐熱性に乏しかった。「接着補助層」中の(d)ポリシロキサン骨格を有する樹脂の含有量は、(参考)比較例6と(参考)実施例10とで同じにも関わらず、(参考)比較例6においては、接着補助層の表面に未粗化部位が存在する結果となった。これは、層間絶縁層用樹脂組成物の影響があったと考えざるを得ない。
Claims (1)
- (A)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が、1.05〜1.8であるノボラック型フェノール樹脂と、
(B)下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と、
(C)無機充填材と、
を含む樹脂組成物を、支持体フィルム上に層形成してなる樹脂組成物層を有し、
該樹脂組成物層中の(C)無機充填材の平均粒径が0.1μm以上であり、
(C)無機充填材の含有量が、樹脂固形分のうち20〜95質量%である、多層プリント配線板用の接着フィルム。
(式中、pは、1〜5の整数を示す。)
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