JP2017194591A - 距離測定装置、撮像装置、および距離測定方法 - Google Patents

距離測定装置、撮像装置、および距離測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防振機構を備える撮像装置において、精度良く距離情報を取得する。【解決手段】距離測定装置は、像ぶれ補正手段と、結像光学系の第一の瞳領域を通過した光束に基づく第一の像と、前記結像光学系の第二の瞳領域を通過した光束に基づく第二の像と、に基づいて、距離情報を取得する距離情報取得手段と、前記像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量に基づいて、前記距離情報を補正する距離情報補正手段と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は距離測定技術に関し、特にデジタルスチルカメラやデジタルビデオなどに用いられる距離測定技術に関するものである。
デジタルスチルカメラやビデオカメラに適応可能な距離検出技術として、位相差方式による距離検出技術が知られている。この方式は異なる瞳領域を通過した光束により形成される光像(以下、それぞれ「A像」、「B像」という)を取得する。このA像とB像の相対的な位置ズレ量である像ズレ量(視差ともいう)を算出し、レンズ瞳上でのA像とB像を形成する重心間隔である基線長をもとにした換算係数を介してデフォーカス量に変換することで、被写体までの距離を算出することができる。
このとき、周辺画角では種々の要因によって前記換算係数が変化することが知られている。変化の要因は、たとえば、結像光学系のレンズ枠等のケラレにより発生する口径食(「ビネッティング」ともいう)の影響による瞳形状の変化や色収差特性、測距画素の入射角度に対する分光感度特性、カメラの製造誤差などである。また、そもそもデフォーカス量自体に応じて換算係数も変化する。特許文献1には、換算係数の変動を補正する手法が記載されている。
また近年、デジタルスチルカメラやビデオカメラに手ぶれなどで発生する像ブレを防ぐためにさまざまな防振機能が搭載されるにようになっている。例えば特許文献2は、レンズ系の一部をシフトさせて像ブレを抑制する手法を開示する。具体的には、レンズ系のシフトにより光量や歪曲収差の状態が変化するため、特許文献2では、像ぶれ補正光学系の位置情報に応じた歪曲収差補正を行う。
特開2015−212772号公報 特開2012−231262号公報 特開2013−222183号公報
測距装置を備えた撮像装置(デジタルスチルカメラやビデオカメラ)は、持ち運び可能なことが好ましい。カメラの持ち運びおよび適切な位置からの撮影により、意図した構図の距離マップが得られる。また、近くからの撮影により、幾何学的な原理やデジタルシステムの特性上、高密度で高精度な距離マップが得られる。
持ち運び可能なカメラは手ぶれに弱く、したがって、防振機構を搭載することが望ましい。しかしながら、特許文献2に記載されるような方法で変動する光量や像の歪曲に合わせて像補正を実施すると、像の明るさや歪等の変動は抑えることができるようになる一方、測距に関係する換算係数が変動してしまう。すなわち、測距に誤差が生じてしまうという課題があった。
本発明は上記の課題を考慮してなされたものであり、その目的は、撮像装置において防振機構が有効な場合でも精度の良い距離測定が可能な技術を提供することである。
本発明の第一の態様は、
像ぶれ補正手段と、
結像光学系の第一の瞳領域を通過した光束に基づく第一の像と、前記結像光学系の第二の瞳領域を通過した光束に基づく第二の像と、に基づいて、距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量に基づいて、前記距離情報を補正する距離情報補正手段と、
を備える、距離測定装置である。
本発明の第二の態様は、
結像光学系の第一の瞳領域を通過した光束に基づく第一の像と、前記結像光学系の第二の瞳領域を通過した光束に基づく第二の像と、に基づいて、距離情報を取得する距離情報取得ステップと、
像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量を取得する取得ステップと、
前記像ぶれ補正量に基づいて、前記距離情報を補正する距離情報補正ステップと、
を含む、距離測定方法である。
本発明によれば、防振機構を有効にした撮像装置においても距離測定を精度良く行える。
実施例1に係る距離測定装置の概要構成図である 実施例1における基本処理を示す図である 実施例1に係る距離測定装置の防振機能を説明する図である 実施例1における換算係数マップの幾何変形を説明する図である 実施例1における演算処理部の測距処理を示す図である 実施例2におけるベクトル要素の換算係数マップを説明する図である 実施例2における演算処理部の測距処理を示す図である 撮像素子103の要部上面図である 実施例3におけるケラレによる瞳透過率分布の変化を説明する図である 実施例3における演算処理部の測距処理を示す図である 実施例3における換算係数および像修正係数マップを説明する図である 実施例3における像修正フィルタ係数を説明する図である
(実施形態1)
本実施形態は距離情報を求める距離測定装置を備える撮像装置である。距離情報は、ある基準点と被写体とのあいだの距離に応じた値である。典型的には、距離測定装置と被写体とのあいだの距離(絶対距離)が距離情報に相当する。距離情報は、一般には、撮像装置と被写体のあいだの距離から求められるその他の値であってもよい。距離情報のその他の例は、1画像のフォーカス位置と被写体のあいだの距離、2画像のフォーカス位置の中間位置と被写体のあいだの距離である。また、距離情報は、像面側での距離、物体側での距離のどちらであっても良い。また、距離情報は、実空間の距離で表されてもよいし、デフォーカス量や視差量など実空間距離に換算できる量で表されてもよい。このように距離情報は、撮像装置と被写体のあいだの距離(絶対距離)に依存して変化する値である。したがって、距離情報は距離依存値と称することもできる。
以下、図を用いて本実施形態を詳細に説明する。
<距離測定装置の構成>
図1(A)は、本発明に係る距離測定装置を備えた撮像装置100を示す模式図である。撮像装置100は、結像光学系101と、距離測定装置102、姿勢センサ140、像ぶれ補正部150を備えて構成されている。距離測定装置102は、演算処理部104とメモリ105を有している。結像光学系101は、像ぶれ補正部材1011(図1(A)では不図示)を含む。
演算処理部104は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のよう
な論理回路により構成される。他の実施形態では、演算処理部104は、CPU(Central Processing Unit)のような汎用プロセッサとプログラムを記憶するメモリとから構成
され、汎用プロセッサがプログラムを実行することにより下記の処理を実行する。演算処理部104は、全体として、距離情報取得部および距離情報補正部として機能する。より具体的には、演算処理部104は、図5(A)に示すように、画像取得部11、像ズレ量算出部(第一の取得部)12、像ぶれ補正量取得部13、変換係数算出部(第三の取得部)14、および距離算出部(第二の取得部)15をその機能部として有する。これらの各機能部の具体的な説明は後述する。
図1(B)は、撮像素子103の構成を示す図である。撮像素子103は、xy平面上に配列された多数の測距画素(以降、単に「画素」とも呼ぶ)110R、110G、110Bが並置されて構成されている。
図1(C)は、測距画素110R、110G、110Bの断面構成図を示す。測距画素は、マイクロレンズ111、カラーフィルタ122R、122G、122B、光電変換部110Ra、110Rb、110Ga、110Gb、110Ba、110Bb、導波路113を備える。以下、光電変換部110Ra、110Ga、110Baを光電変換部110aと総称し、光電変換部110Rb、110Gb、110Bbを光電変換部110bと総称することがある。
撮像素子103の各画素は、検出する波長帯域に応じた分光特性がカラーフィルタ122R、122G、122Bによって与えられ、それぞれ、主として赤光、緑光、青光を取得する。測距画素110R,110G,110Bは、図示しない公知の配色パターン(たとえば、ベイヤ配列)によってxy平面上に配置されている。基板124は、検出する波長帯域を吸収する材料、例えばSiからなる。基板124には、イオン打ち込みなどで、内部の少なくとも一部の領域に光電変換部が形成される。各画素は、図示しない配線を備えている。
光電変換部110aおよび光電変換部110bには、それぞれ射出瞳130中の異なる領域である第1の瞳領域131aおよび第2の瞳領域131bを通過した光束が入射し、それぞれ第1の信号および第2の信号を出力する。A像を形成する第1の信号を取得する光電変換部をA画素と呼び、B像を形成する第2の信号を取得する光電変換部をB画素と呼ぶ。各光電変換部で取得された信号は、演算処理部104に伝送され測距演算処理が行われる。
<測距演算基本フロー>
測距演算処理の基本フローチャートの一例を図2に示す。
[像ズレ量算出]
ステップS201の像ズレ量算出処理では、画像取得部11がA像(第1の信号の像)とB像(第2の信号の像)をメモリから読み出し、像ズレ量算出部12がA像とB像の間
の相対的な位置ズレ量である像ズレ量の算出する。像ズレ量の算出は公知の手法を用いることができる。相関値S(k)は例えば、A像とB像の像信号データA(i)、B(i)から式(1)を用いて算出される。
Figure 2017194591
式(1)において、S(j)は像シフト量jにおける2つの像の間の相関度を示す相関値、iは画素番号、jは2つの像の相対的な像シフト量である。p及びqは、相関値S(j)の算出に用いる対象画素範囲を示している。相関値S(j)は値が低いほど相関が高いことを意味する。
像ズレ量算出部12は、所定範囲のjについて相関値S(j)を求め、極小値を与える像シフト量jを位置iにおけるA像とB像のあいだの像ズレ量として決定する。なお、像ズレ量の算出方法は、本実施例の方法に限定されるものではなく、他の公知の手法を用いてもよい。
[デフォーカス量算出]
ステップS202の距離算出処理では、距離算出部15が、像ズレ量からデフォーカス量を算出する。被写体106の像は、結像光学系101を介して撮像素子103に結像される。図1(A)は射出瞳130を通過した光束が撮像面とは異なる結像面107で焦点を結ぶ状態、すなわちデフォーカスした状態を示している。尚、デフォーカスとは結像面107が、撮像面(受光面)と一致せず、光軸108方向にズレた状態のことをいう。デフォーカス量は、撮像素子103の撮像面と結像面107との間の距離を示す。本実施形態に係る距離測定装置は、このデフォーカス量に基づいて被写体106の距離を検出する。
画素110の各光電変換部110a、110bで取得した第1の信号および第2の信号に依拠するA像およびB像との相対的位置ズレを示す像ズレ量rと、デフォーカス量ΔLとは、式(2)の関係を有している。
Figure 2017194591
式(2)において、Wは基線長、Lは撮像素子(撮像面)103から射出瞳130までの距離である。基線長Wは後述する画素の入射角に対する感度分布を射出瞳130面上に投影した瞳感度分布の重心間隔に相当する。
式(2)は、換算係数Kを用いて、式(3)のように書くことができる。
Figure 2017194591
像ズレ量をデフォーカス量に変換する係数を以下「換算係数」と呼ぶ。換算係数は、例えば基線長Wのことを言う。以降、基線長Wの補正は換算係数の補正と等価である。本実施形態においては、換算係数は換算係数算出部14によって算出されるものが距離算出に利用される。換算係数の決定(補正)方法は後述する。
なお、デフォーカス量の算出方法は、上記の方法に限定されるものではなく、他の公知の手法を用いてもよい。
撮影レンズがズームレンズの場合、ズームステートの変化により射出瞳位置とセンサ瞳位置が変化すると、射出瞳上の透過率分布(受光量分布)形状が変化する。この変化は、像高に依存する。したがって、瞳上での透過率分布の重心間隔である基線長Wの値、および基線長Wに関連する換算係数Kも像高に応じて異なる値となる。透過率分布の変化に対応する基線長Wもしくは換算係数Kを、図4(A)のように画素位置に応じた2次元テーブルとしてメモリ105に蓄えておく。
<防振機構の構成>
像ぶれ補正部材1011による像ぶれの抑制について説明する。本実施形態においては像ぶれ補正部150が、カメラの揺れに応じて、図3(A)に示すように結像光学系101の一部のレンズ(補正部材1011)を平行移動させる。これにより、撮像素子上の光学像の位置が平行移動し、カメラの揺れによる映像の揺れ、いわゆるぶれを抑制できる。
結像光学系101内に補正部材1011を設ける代わりに、撮像素子103を結像光学系101の光軸に垂直な面内で平行移動させるピエゾ素子等の機械的駆動部品(補正部材に相当)を設けて像ぶれを抑制しても良い。また例えば撮像素子103から画像信号として出力される像の範囲を制御し、電子的に手ぶれによる振動を防振する防振機構を代替的に備えても良い。
カメラの揺れは姿勢センサ140によって検出される。姿勢センサ140は、例えばジャイロ等により構成され、光学系の光軸に直交する任意の軸に取り付けられる。姿勢センサ140は姿勢変化の情報を計測し、計測した情報を像ぶれ補正部150に伝える。例えば姿勢センサ140が回転センサの場合、姿勢センサ140は、撮像装置のヨー方向、ピッチ方向の各軸に取り付けられ、各軸周りの回転による姿勢変化を計測する。姿勢センサ140は、加速度センサ等の撮像装置の平行移動を計測するセンサ、あるいは撮像装置の平行移動による像ぶれ量を算出するセンサであっても良い。また、姿勢センサ140は、画像ベクトルから撮像装置の相対的な回転・平行移動による像ぶれ量を算出するセンサであっても良い。
像ぶれ補正部150は、像ぶれを打ち消すように補正部材1011の位置や姿勢を制御する。補正部材1011の移動量は、姿勢センサ140により計測された撮像装置の姿勢及び/または位置変化、または当該姿勢及び/または位置変化により生じる像ぶれに基づいて算出される。補正部材1011の移動は、電磁コイル等により補正部材1011を含むユニットを駆動することにより行われる。また像ぶれ補正部150は、補正部材1011の位置姿勢情報を検出する機能を持つ。像ぶれ補正部150は、ホール素子またはエンコーダ等を構成に含み、光学防振を行うレンズアセンブリユニットの軌道上の位置に基づいて補正部材1011の位置および姿勢情報を計測する。具体的には、像ぶれ補正部150は、補正部材1011の平行移動により移動した画像中心の位置を監視する。画像中心とは、レンズの光軸が無偏心な状態でカメラの光軸上を通る光線が撮像素子面と交わる画像上の点である。撮像素子面における画像中心位置は、補正部材1011の移動に伴って移動する。また、光学像の平行移動量と画像中心の平行移動量は当然等価である。高い精度を必要としない場合には、像ぶれ補正部150は補正部材1011の制御情報を直接出力しても良い。
<防振>
まず、光学系のレンズ部の平行移動による光学防振の様子を図3(A)に図示する。被写体106からの光学像が光学系101により撮像素子103面上に結像される。破線は
補正部材1011が像ぶれ補正なしの場合の光路を示す。一方、実線は、像ぶれ補正により補正部材1011が上方へ移動した場合の光路を示す。像ぶれ補正により、被写体像は撮像素子103の中央部に結像する。詳細に言い換えれば、図3(A)の実線で示す状態は、図3(B)に示すように、像ぶれ補正がなければ撮像素子の下方周辺部に結像される被写体の像(点線)を、像ぶれ補正(補正部材の移動)により撮像素子の中央部に結像させた状態である。図3(B)は、像ぶれ補正による光学像の撮像素子上での位置変化を示す。破線のイラストが像ぶれ補正前の像の位置、実線のイラストが像ぶれ補正後の像の位置である。また、×印301は像ぶれ補正前の画像中心の位置、黒丸302が像ぶれ補正後の画像中心の位置である。画像中心とはレンズの光軸が無偏心な状態でカメラの光軸上を通る光線が撮像素子面と交わる画像上の点である。画像中心は、補正部材1011の移動時応じて移動する。つまり画像中心は、像ぶれ補正を行わない場合に仮に画像の中央座標と一致していたとしても、像ぶれ補正による像の移動に応じて移動する。
また図3(C)は、補正部材1011が撮像素子103に含まれる場合(補正部材1011が撮像素子103を移動させる場合)を示す。像ぶれ補正により補正部材1011が移動し、それにより図3(B)と同様に光学像が撮像領域の中央に移動する。図3(D)は図3(C)に示す状況における撮影像303を表す。×印304が像ぶれ補正なしの時の画像中心の位置、黒丸印305が像ぶれ補正時の画像中心の位置を表す。図3(A)の場合とは逆方向に補正部材1011を移動することになるが、図3(D)に示すように得られる効果は図3(C)と同じである。すなわち、補正部材1011が結像光学系101に含まれるか撮像素子103に含まれるかは、補正効果に実質的な相違をもたらさない。したがって以下の説明では、補正部材1011が結像光学系101に含まれるか撮像素子103に含まれるかを区別しない。
撮像素子103に対する光学像の移動は、画素と換算係数の対応関係の変化を招く。すなわち、像ぶれ補正があると、図4(A)に示すような像ぶれ補正がない場合の換算係数マップをそのまま利用することはできない。そこで、変換係数算出部14は、像ぶれ補正量(光学像の移動量)に基づき、換算係数マップを変化させ、デフォーカス量を算出する画素に適切な換算係数を取得する。
<換算係数決定処理>
上述のように像ぶれ補正(防振機構)を用いる場合には、距離演算処理において換算係数マップを調整することが必要となる。以下、像ぶれ補正を考慮した場合の測距演算処理(距離情報取得処理)を、図5(A)に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップS501(画素選択処理)において、演算処理部104は、距離算出を行う画素の撮像素子上の位置を選択する。以下の説明では、ステップS501において選択された画素を、対象画素と称する。
ステップS502(像ぶれ補正量取得処理)において、像ぶれ補正量取得部13は、像ぶれ補正部150から像ぶれ補正量を取得する。像ぶれ補正量は、上述したように、撮像素子に対する像の移動量に関連する情報である。像ぶれ補正量は、補正部材1011の移動量であってもよい。
ステップS503(換算係数決定処理)において、変換係数算出部14は、対象画素の変換係数(式(3)に示すように像ズレ量をデフォーカス量に変換するための係数)を決定する。変換係数算出部14は、像ぶれ補正量に基づいて、像ぶれ補正により移動した光学像に応じて換算係数マップを補正する。変換係数算出部14は、補正後の換算係数マップから対象画素の換算係数を決定する。ステップS503の処理は、換算係数を補正する換算係数補正処理と捉えることもできるし、デフォーカス量(距離情報)を補正する距離
情報補正処理と捉えることもできる。
換算係数マップの補正方法は、像ぶれ補正量の大きさに応じて異ならせることが好ましい。本実施形態では、像ぶれ補正量が(1)小さい場合、(2)やや大きい場合、(3)大きい場合ごとに処理を異ならせる。以下では、まず、それぞれの場合の処理について説明し、その後に場合分けの基準となる像ぶれ補正量の閾値について説明する。
[1.像ぶれ補正量が小さい場合]
像ぶれ補正量が小さい場合には、像ぶれ補正量が0の状態に関する換算係数マップを撮像面上の画素の移動量に基づいて平行移動すればよい。図4(A)は、像ぶれ補正量が0の状態に関する換算係数マップを示し、図4(B)は補正後の換算係数マップを示す。この例では、像ぶれ補正量(x,y)=(1,0)としている。この場合、補正後の換算係数マップをK'(x,y)とすると、K'(x,y)=K(x+1, y)となる。
像ぶれ補正量は連続的に変化するため、換算係数マップの移動量はサブピクセル値となりうる。その際は補間を用いて換算係数マップを再作成すればよい。この際、変換係数算出部14は、出力マップのデータに欠陥が生じないよう、出力マップ座標に基づき入力マップデータのサンプリング及び補間を行うバックワードマッピングによりマップの再作成を実現する。補間手法は特に限定されない。変換係数算出部14は、補間手法に応じて、演算した入力マップ上のサンプリング座標の近傍の画素値を用いて補間処理をおこなう。補間処理には例えば4近傍を用いて線形補間を行うバイリニア補間処理、16近傍を用いて3次補間をおこなうバイキュービック補間処理などが利用可能である。
図5(C)を用いて、典型的な例としてバイリニア補間を説明する。黒丸601は、出力マップ上の或る画素の、入力マップ上での対応点(サンプリング点)を示す。サンプリング点のx座標およびy座標は、一般に非整数である。変換係数算出部14は、サンプリング座標を中心とする周辺の4つの入力マップデータ(白丸で示すデータ)を用いて、バイリニア補間により出力マップのデータを求める。具体的には、変換係数算出部14は、メモリから4近傍すなわち([x],[y]),([x+1],[y]),([x],[y+1]),([x+1],[y+1])の4点の入力マップデータを読み出す。なお、[x]は値xの整数部分を表す。そして、変換係数算出部14は、以下の式にしたがって、出力マップのマップ値を計算する。
Figure 2017194591
ここで、K(x,y)は入力マップ(すなわち、像ぶれ補正量が0の換算係数マップ)であり、K'(x,y)は出力マップ(すなわち、像ぶれ補正を考慮した換算係数マップ)である。
上記処理を順次行うことにより換算係数マップを補間できる。ただし、実際には、換算係数マップ全体を再作成する必要はなく、ステップS501(画素選択処理)において取得した対象画素の位置の換算係数のみを求めれば十分である。
[2.像ぶれ補正量がやや大きい場合]
像ぶれ補正量が少し大きくなると、補正部材1011の移動により光学像の平行移動に偏心歪曲収差の影響が加わる。したがって、像は単に平行移動するではなく、拡大縮小や
あおりのような幾何変形も生じる。ただし、像ぶれ補正による光学像の移動がそれほど大きくない場合、光量の変化は小さいため、近似的には換算係数マップの幾何変換(一般には射影変換)により、光学像の移動に対応する換算係数マップの再作成を行うことができる。つまり、変換係数算出部14は、光学像の並進移動や拡大縮小・あおりの動きに合わせて、像ぶれ補正量が0の場合の換算係数マップを変形させる。
[3.像ぶれ補正量が大きい場合]
像ぶれ補正量がさらに大きい場合は、光学像の幾何学的な変形による光量の変化が無視できなくなる。この場合には、光学系101のズームステート、被写体距離、絞り値のみならず、像ぶれ補正量のx,yのパラメータ毎に像高に対する換算係数マップを事前に作成
し保持しておけば対応可能である。変換係数算出部14は、条件が一致する換算係数マップを取得して、対象画素に適用する換算係数を決定すればよい。
もしくは、換算係数マップを像ぶれ補正量に応じて変形させても良い。そのために、例えば像ぶれ補正量の変化に伴う各像位置における換算係数の変化を、超平面のフィッティング関数の係数(フィッティングパラメータ)として保持しておく。変換係数算出部14は、換算係数マップにフィッティング関数を適用して変形することで像ぶれ補正量に対応した換算係数マップを取得することもできる。
また、複数の像ぶれ補正量について換算係数マップを事前に作成・格納しておき、実際の像ぶれ補正量に最も近い換算係数マップに基づいて、上記(1)または(2)の処理を施して、対象画素に適用する換算係数を決定してもよい。すなわち、複数の所定の像ぶれ補正量に対して像面内の位置に応じた換算係数マップをメモリに保持しておき、変換係数算出部14は、実際の像ぶれ補正量に最も近い換算係数マップを平行移動または射影変換して対象画素に適用する換算係数を決定してもよい。
[場合分けの基準について]
以上のように、像ぶれ補正量の大きさに応じて処理を異ならせることが好ましい。ここで、場合分けの基準となる像ぶれ量の閾値は、結像光学系101によって異なるので、適当な手法で決定すればよい。たとえば、距離が既知の種々の被写体を対象として、種々の像ぶれ補正量を適用した場合に、上記3つの処理により距離情報を求める。第1の手法による測距誤差が許容範囲以上となる像ぶれ補正量を、「像ぶれ補正量が小さい」場合と「像ぶれ補正量がやや大きい」場合を区別する第1の閾値として決定できる。同様に、第2の手法よる測距誤差が許容範囲以上となる像ぶれ補正量を、「像ぶれ補正量がやや大きい」場合と「像ぶれ補正量が大きい」場合を区別する第2の閾値として決定できる。
変換係数算出部14は、像ぶれ補正量が第1の閾値以下のときは第1の手法を、第1の閾値よりも大きく第2の閾値以下のときは第2の手法を、第2の閾値よりも大きいときは第3の手法に従って換算係数を取得する。像ぶれ補正量が閾値以下のときと閾値より大きい場合で処理を変えることと、像ぶれ補正量が閾値より小さいときと閾値以上の場合で処理を変えることは技術的に同義である。したがって、像ぶれ補正量が閾値以下か否かを判定する代わりに、像ぶれ補正量が閾値より小さいか否かを判定してもよい。
ステップS504の像ズレ量算出処理は、図2におけるステップS201と同様の処理であるため、説明を省略する。ステップS505(距離算出処理)では、距離算出部15は、ステップS503にて取得した換算係数の値を用いて式(3)により、像ズレ量からデフォーカス量を算出する。
像ぶれ補正量が0の状態に対する換算係数マップは、例えば、以下のように決定できる。まず、結像光学系の状態(焦点距離や絞り、フォーカス距離、デフォーカス量)や撮像
素子103上の測距画素の位置(像高)などの所定の測距条件において、既知の距離にある様々な被写体を撮影する。各被写体から取得した信号から、像ズレ量と所定の算出式により換算係数マップを算出する。さらに、各被写体の実際の距離と、像ズレ量及び換算係数から求まる距離が近くなるように、換算係数の調整を行う。あるいは、同様の手法を結像光学系101や距離測定装置102の設計値を元にした数値シミュレーションで行うことにより、換算係数マップを決定してもよい。
(実施形態2)
撮像素子面の倒れや球面収差、軸上色収差などの影響を受け、デフォーカス量がゼロになるべきベストピント位置でも像ズレ量はゼロとはならないことがある。また、ベストピント位置はRGB画素や像高によって異なることもある。測距演算処理においては、式(5)のように係数Mを採用することで、この影響を補正できる。
Figure 2017194591
この場合、補正値Mも像高に応じて異なる値となる。つまり、像高によるベストピント位置のずれを考慮して、デフォーカス量を誤差を小さく求めるためには、基線長に関連する係数Kとベストピント位置の補正量Mをメモリ105に蓄えておく必要がある。本実施形態では、メモリ105に、係数Kと係数Mからなる2要素のベクトルパラメータを、図6のように画素位置に応じた2次元テーブルとしてメモリ105に蓄える。すなわち、本実施形態では、ベクトルパラメータ(K,M)が換算係数に相当し、係数Kおよび係数Mを画素位置ごとに格納したテーブルT(x,y)=(K(x,y),M(x,y))が換算係数マップに相当する。
本実施形態における測距演算処理のフローチャートを図7に示す。図7に示すように、処理内容は実施形態1と同様である。
本実施形態では、ステップS603(換算係数決定処理)において、ステップS501で選択した対象画素に対応する換算係数(K,M)を決定する処理を行う。具体的な処理は、実施形態1と実質的に同様である。すなわち、像ぶれ補正量が0の場合の換算係数マップを、ステップS502に取得した像ぶれ補正量に応じて補正すればよい。この場合も、実施形態1と同様に、像ぶれ補正量の大きさに応じて異なる処理により換算係数マップを補正することが好ましい。
ステップS605(距離算出処理)では、距離算出部15は、ステップS603にて取得した換算係数の値を用いて式(5)により、像ズレ量からデフォーカス量を算出する。
像ぶれ補正量が0の状態に対応する換算係数マップ(K,M)は、例えば、以下のように決定できる。まず、結像光学系の状態(焦点距離や絞り、フォーカス距離、デフォーカス量)や撮像素子103上の測距画素の位置(像高)などの所定の測距条件において、既知の距離にある様々な被写体を撮影する。各被写体から取得した信号から、像ズレ量と所定の算出式により換算係数マップ(K,M)を算出する。各被写体の実際の距離と、像ズレ量及び換算係数(K,M)から求まる距離が近くなるように、換算係数(K,M)の調整を行う。あるいは、同様の手法を結像光学系101や距離測定装置102の設計値を元にした数値シミュレーションで行うことにより、換算係数マップ(K,M)を決定してもよい。
(実施形態3)
実施形態1,2においては、鏡筒枠によるケラレや収差がない場合を基本的に想定して
いる。しかし、撮像レンズの小型化の要請から通常の撮像用の光学系ではレンズ枠で光束がけられるいわゆる口径食が発生し,絞り内を通過した光束が全て撮像素子に導かれることはない。この影響により、瞳上での透過率分布の重心間隔である基線長Wの値および関連する換算係数Kも像高に応じて異なる値となる。加えて、デフォーカス算出画素が周辺画素になるにつれA像・B像間の像の違いが大きくなり、これを考慮する必要性が高まる。
図8は撮像素子103の要部上面図である。ここでは撮像素子103の中心を通り、光電変換部1101と光電変換部1102の各中心点を結ぶ方向に垂直な線分1031を境界として、撮像素子領域1032と撮像素子領域1033とする。撮像素子領域1032(第二の撮像素子領域)では、第二の瞳領域を通過した光束を受光する光電変換部1102を第一の光電変換部とし、光電変換部1101を第二の光電変換部としている。一方、領域1033(第一の撮像素子領域)では、第一の瞳領域を通過した光束を受光する光電変換部1101を第一の光電変換部とし、光電変換部1102を第二の光電変換部とする。
図9(A)は、撮像素子103の中心付近に配置された測距画素110における光電変換部1102に対応する射出瞳130上での瞳透過率分布を表わし、第二の瞳領域に対応する.黒いほど透過率が高く、白いほど透過率が低い。同様に、図9(B)は撮像素子103の中心付近に配置された測距画素110における光電変換部1101に対応する射出瞳130上での瞳透過率分布を表わす。
図9(C)は、撮像素子103の中心付近の測距画素110について、x軸断面における透過率分布を表わしたもので、横軸がx軸座標、縦軸が透過率である。実線が光電変換部1102に対応する透過率分布(第二の瞳領域に対応)、点線が光電変換部1101に対応する透過率分布(第一の瞳領域に対応)である。瞳透過率分布は、光電変換部、マイクロレンズと射出瞳の位置関係およびマイクロレンズの収差・回折・撮像素子の入射面から光電変換部に至る光路中の光散乱・吸収などの光伝播状態により決まる。
図9(D)は撮像素子領域1032の測距画素110における光電変換部1102に対応する射出瞳130上での瞳透過率分布を表わし、第二の瞳領域に対応する。図9(E)は撮像素子領域1032の測距画素110における光電変換部1101に対応する射出瞳130上での瞳透過率分布を表わし、第一の瞳領域に対応する。図9(F)は撮像素子領域1032の測距画素110についてx軸断面における透過率分布を表わしたものである。
一般に、周辺像高では、撮像レンズの小型化の要請からレンズ枠で光束がけられるいわゆる口径食が発生し、絞り内を通過した光束が全て撮像素子に導かれることはない。瞳上で片側から口径食が発生するため、元の透過率分布の形状に応じて、透過効率の変化量が異なる。図9(D)に示すように、口径食が発生する領域130aが、元の透過率が高い領域の場合は透過効率の低下量が大きい。一方、図9(E)に示すように、口径食が発生する領域130aが、元の透過率が低い領域の場合は透過効率の低下量は小さい。よって、撮像素子領域1032の測距画素110においては、像高が高くなるに従い、第二の瞳領域の透過率分布は第一の瞳領域の透過率分布と比べ、けれられがない場合に対して形状が欠損により大きく変化する。したがって、重心位置が変わり、基線長が短くなる方向に変化してしまう。
図9(G)は撮像素子領域1033の測距画素110における光電変換部1102に対応する射出瞳130上での瞳透過率分布を表わし、第二の瞳領域に対応する。図9(H)は撮像素子領域1033の測距画素110における光電変換部1101に対応する射出瞳
130上での瞳透過率分布を表わし、第一の瞳領域に対応する。図9(I)は撮像素子領域1033の測距画素についてx軸断面における透過率分布を表わしたものである。
撮像素子領域1032と同様に、撮像素子領域1033の測距画素110においては、像高が高くなるに従い、第一の瞳領域の透過率分布は第二の瞳領域の透過率分布と比べ、けれられがない場合に対して形状が欠損により大きく変化する。したがって、重心位置が変わり、基線長が短くなる方向に変化してしまう。
以上のように、各光電変換部の瞳感度分布の重心位置間の長さである重心間隔は像高(画素位置)に応じて異なり、基線長Wの値も像高に応じて異なる値となる。そのため、精度の高い測距を行うためには式(2)または式(5)を用いた距離算出処理において、像高に応じた基線長の値を用いる必要がある。
このように、撮像素子上の画素の位置に応じた受光量分布の値の変化量と、基線長W、もしくは関連する換算係数には対応がある。
<像修正>
撮像レンズの枠などによる光束のケラレがあると、A像とB像を各々形成する光学系の開口関数が異なってくるため、A像とB像は互いに異なる形状となり、測距精度が悪化する。そこで、公知の手法を用いて像修正処理を行う。像ぶれ補正がOFFのときの基本的な像修正処理を用いた測距方法については特開2013−222183号公報(特許文献3)に公開されている。
像修正フィルタは像修正関数を元に作成される。像修正関数は、例えば、第1の瞳領域あるいは第2の瞳領域に対応する線像分布関数とする。A像およびB像と、像修正フィルタLa´、Lb´を用いて、像形状を修正したA´像およびB´像を作成する。A像の一次元信号A[x]に、像修正フィルタLb´[x]を、畳み込み積分することで、A´[x]を作成する。B像についても同様に、B像の一次元信号B[x]に像修正フィルタLa´(x)を、畳み込み積分することで、B´[x]を作成する。像修正フィルタは、例えば9×1の多次元ベクトルのフィルタ係数(f1,…,f9)から構成され、像高に応じて事前計算されている。
しかしながら、像ぶれ補正による光像の移動に従い像修正フィルタの対応像高も移動するため、換算係数と同様に、像ぶれ補正量に応じて幾何変換をかけてマップを補正しなければならない。像ぶれ補正を考慮した、像修正処理を測距演算処理のフローチャートの一例を図10に示す。
ステップS701の画素選択処理およびステップS702の防振補正量取得処理は、実施形態1のステップS501およびステップS503と同様であるため、説明を省略する。
ステップS703の換算係数・像修正係数取得処理では、実施形態1のステップS504もしくは実施形態2のステップS604とほぼ同等な処理により換算係数を取得する。本実施形態では、さらに像ぶれ補正量に基づき像高について関連付けられた像修正フィルタ係数マップに幾何変形を行い、変換後の像修正フィルタ係数マップから選択画素に対応した像修正フィルタ係数を取得する。メモリへの保存容量を減らすため、像ぶれ補正量に応じたフィルタ係数の変化を多項式係数等で別途保存し、この多項式を用いた演算によりフィルタ係数を取得しても良い。これにより、像ぶれ補正量に対応する像修正フィルタ係数マップの保存数を限定できる。
なお、メモリ105にはあらかじめ、像ぶれ補正量が0のときの換算係数とフィルタ係数が、結像光学系101の撮影条件(F値、射出瞳距離)ごとに格納される。図11は、換算係数とフィルタ係数が画素位置に応じた2次元テーブルとしてメモリ105に格納される様子を示す図である。ここで、T1=(f1,…,fn)はフィルタ係数のベクトルを表し、T2=(K,M)は換算係数のベクトルを表す。ステップS703においては、画素位置に応じた2次元テーブルが、実施形態2と同様に、像ぶれ補正量に応じて幾何変形される。
ステップS704の像修正処理は、ステップS703で得られる像修正フィルタを用いて、A像とB像を修正した像であるA´像とB´像が作成される。像修正フィルタは像修正関数を元に作成される。像修正関数は、例えば、第1の瞳領域あるいは第2の瞳領域に対応する線像分布関数とする。A像およびB像と、像修正フィルタLa´、Lb´を用いて、像形状を修正したA´像およびB´像を作成する。A像の一次元信号A[x]に、像修正フィルタLb´[x]を、畳み込み積分することで、A´[x]を作成する。B像についても同様に、B像の一次元信号B[x]に像修正フィルタLa´(x)を、畳み込み積分することで、B´[x]を作成する。
ステップS705の像ズレ量算出処理は、像修正処理後のA像およびB像(すなわちA´像およびB´像)を用いる点を除けば、実施形態1のステップS502と同等である。ステップS706の距離算出処理は、実施形態1のステップS505もしくは実施形態2のS605の距離算出処理と同等であり、ステップS705の換算係数取得処理で取得した換算係数の値を用いて式(2)あるいは式(5)による測距演算処理が行われる。
像ぶれ補正量が0の状態に対応する換算係数マップ(K,M)は、例えば、以下のように決定できる。まず、結像光学系の状態(焦点距離や絞り、フォーカス距離、デフォーカス量)や撮像素子103上の測距画素の位置(像高)などの所定の測距条件において、既知の距離にある様々な被写体を撮影する。各被写体から取得した信号から、像ズレ量と所定の算出式により換算係数マップ(K,M)を算出する。各被写体の実際の距離と、像ズレ量及び換算係数(K,M)から求まる距離が近くなるように、換算係数(K,M)の調整を行う。あるいは、同様の手法を結像光学系101や距離測定装置102の設計値を元にした数値シミュレーションで行うことにより、換算係数マップ(K,M)を決定してもよい。
像ぶれ補正量が0の状態に対応する像修正フィルタは、結像光学系101や距離測定装置102の設計値を元にした数値シミュレーションによりあらかじめ作成できる。結像光学系の状態(焦点距離や絞り、フォーカス距離、デフォーカス量)や撮像素子103上の測距画素の位置(像高)などの所定の測距条件において、あらかじめ像修正フィルタを作成すればよい。
像修正フィルタの一例を図12に示す。図12(A)において、フィルタFy1301(第1のフィルタ)は、x方向に1、y方向にAy(Ayは2以上の整数)のセル数を有し、セル1303はセル値(フィルタ値)を有する。図12(B)において、フィルタFx1302(第2のフィルタ)は、x方向にAx、y方向に1(Axは2以上の整数)のセル数を有し、セル1304はセル値(フィルタ値)を有する。各セルが画像信号(S101又はS102)の1画素に対応する。
(実施形態4)
上記の第1から第3の実施形態では、換算係数が像ぶれ補正量に応じて補正される。本実施形態では、換算係数ではなく像ズレ量が像ぶれ補正量に応じて補正される。デフォーカス量が像ズレ量と換算係数から求められるので、像ぶれ補正量に応じて換算係数を補正
する代わりに、像ぶれ補正量に応じて像ズレ量を補正しても同様の効果が得られる。
本実施形態に係る距離測定装置102は、像ズレ量を補正するための補正係数を画素位置ごとに記憶した補正係数マップをメモリ105に保持する。
本実施形態における測距演算処理の基本的な流れは第1の実施形態と同様である。そこで本実施形態における測距演算処理を、第1の実施形態(図5(B)のフローチャート)と比較して説明する。画素選択処理(S501)および像ぶれ補正量取得処理(S502)は第1の実施形態と同様である。換算係数取得処理(S503)においては、あらかじめ用意された換算係数マップに含まれる換算係数の値がそのまま利用される。像ズレ量算出処理(S504)では、まず、第1の実施形態と同様に相関値S(k)を最小とするシフト量として像ズレ量が求められる。その後、像ぶれ補正量に応じて補正係数マップを調整し、調整後の補正係数マップに含まれる補正係数を用いて、像ズレ量が補正される。補正係数マップの調整処理は、第1の実施形態における換算係数マップの調整処理と同様である。距離算出処理(S505)では、ステップS503で取得された換算係数と、ステップS504で取得された補正済み像ズレ量とを用いて、式(2)あるいは(3)にしたがってデフォーカス量が算出される。
(その他の実施形態)
本発明の目的は、以下の実施形態によって達成することもできる。即ち、前述した実施形態の機能(演算手段などの機能)を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶ないし記録媒体を、距離測定装置に供給する。そして、その演算部のコンピュータ(またはCPU、MPUなど)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し上記機能を実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム、これを格納した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
デジタルカメラなどへの適用を考えると、本発明は、距離検出を専用で行う距離測定装置(一眼レフカメラ等で用いられる)としてよりも、撮像装置の撮像部を用いて距離検出も行ういわゆる撮像面測距に好適な装置と捉えることができる。上述した様に、本発明の距離測定装置における演算部は、半導体素子を集積化した集積回路を用いて構成することができ、IC、LSI、システムLSI、マイクロ処理ユニット(MPU)、中央演算装置(CPU)等で構成することができる。演算部をマイクロ処理ユニットや中央演算装置(CPU)等で構成する場合には、演算部は、コンピュータとして捉えることが可能である。本発明のプログラムは、所定の結像光学系と、所定の撮像部、コンピュータと、を備えた撮像装置のコンピュータにインストールすることによって、撮像装置を高精度の距離検出が可能なものとなすことができる。本発明のプログラムは、記録媒体の他、インターネットを通じて頒布することも可能である。
本発明により検出される距離を用いて、撮像装置にて得られる画像と対応する距離分布(距離マップ)を生成することができる。また、画像内の被写体のボケ量はデフォーカス量に依存するので、得られた画像に対して距離分布に基づく処理を行うことで、任意のボケ付加処理、撮影後のリフォーカス処理(任意の位置にピントを合わせる処理)等の画像処理などを適切に行うことができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
14・・変換係数算出部
15・・距離算出部
102・・距離測定装置

Claims (12)

  1. 像ぶれ補正手段と、
    結像光学系の第一の瞳領域を通過した光束に基づく第一の像と、前記結像光学系の第二の瞳領域を通過した光束に基づく第二の像と、に基づいて、距離情報を取得する距離情報取得手段と、
    前記像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量に基づいて、前記距離情報を補正する距離情報補正手段と、
    を備える、距離測定装置。
  2. 前記距離情報取得手段は、前記第一の像と前記第二の像との像ズレ量を取得する第一の取得手段と、画素の位置に応じた換算係数を用いて前記像ズレ量から前記距離情報を取得する第二の取得手段と、を有し、
    前記距離情報補正手段は、前記像ぶれ補正量に基づいて前記換算係数を取得する第三の取得手段を有する、
    請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 所定の像ぶれ補正量に対する、像面内の位置に応じた換算係数マップを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記第三の取得手段は、前記換算係数マップを前記像ぶれ補正量に応じて幾何変換することによって、前記換算係数を取得する、
    請求項2に記載の距離測定装置。
  4. 前記第三の取得手段は、前記像ぶれ補正量が第1の閾値より小さいときは、前記換算係数マップを平行移動し、前記像ぶれ補正量が前記第1の閾値より大きいときは、前記換算係数マップに射影変換を施す、
    請求項3に記載の距離測定装置。
  5. 像ズレ量をr、距離情報をΔLとしたときに、前記第二の取得手段はΔL=K×rにより距離情報を取得し、
    前記換算係数は、画素の位置に応じた係数Kである、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の距離測定装置。
  6. 像ズレ量をr、距離情報をΔLとしたときに、前記第二の取得手段はΔL=K×r+Mにより距離情報を取得し、
    前記換算係数は、画素の位置に応じた係数Kと係数Mからなる、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の距離測定装置。
  7. 前記像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量に基づいて像修正フィルタを決定して、前記像修正フィルタを用いて前記第一の像および前記第二の像の像修正処理を行う像修正手段をさらに備え、
    前記第二の取得手段は、前記像修正手段による像修正処理後の第一の像および第二の像から前記距離情報を取得する、
    請求項2から6のいずれか1項に記載の距離測定装置。
  8. 所定の像ぶれ補正量に対する、像面内の位置に応じた像修正フィルタのフィルタ係数マップを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記像修正手段は、前記フィルタ係数マップを前記像ぶれ補正量に応じて幾何変換し、変換後のフィルタ係数マップから得られる像修正フィルタを用いて前記像修正処理を行う、
    請求項7に記載の距離測定装置。
  9. 前記像ぶれ補正手段は、結像光学系の一部のレンズまたは撮像素子を移動させるものであり、
    前記像ぶれ補正量は、前記像ぶれ補正手段による前記一部のレンズまたは前記撮像素子の移動量である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の距離測定装置。
  10. 撮像素子と、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の距離測定装置と、
    を備える、撮像装置。
  11. 結像光学系の第一の瞳領域を通過した光束に基づく第一の像と、前記結像光学系の第二の瞳領域を通過した光束に基づく第二の像と、に基づいて、距離情報を取得する距離情報取得ステップと、
    像ぶれ補正手段による像ぶれ補正量を取得する取得ステップと、
    前記像ぶれ補正量に基づいて、前記距離情報を補正する距離情報補正ステップと、
    を含む、距離測定方法。
  12. 請求項11に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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