JP2017195083A - 非水電解質二次電池用負極活物質及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
項1.シリコンオキシカーバイドとアルカリ金属塩とを含有することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
項2.
前記シリコンオキシカーバイドが、SiOyCz(0<y<3、0<z<10)の組成式で表される項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
項3.
前記アルカリ金属塩のアルカリ金属が、リチウム又はナトリウムであることを特徴とする項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
項4.
アルカリ金属塩の含有量が、シリコンオキシカーバイド中の珪素原子(Si)とアルカリ金属塩中のアルカリ金属原子(MA)の比が0<MA/Si<10の範囲で表せる量であることを特徴とする項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
項5.
項1〜項4に記載の非水電解質二次電池用負極活物質とバインダーとを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
項6.
項5に記載の非水電解質二次電池用負極を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
項7.
シリコンオキシカーバイドと、アルカリ金属及びアルカリ金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むアルカリ金属源とを混合し、アルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを得る工程(1)と、
工程(1)により得られたアルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを、アルコール、水及び酸性溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種で洗浄処理する工程(2)を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
項8.
前記アルカリ金属源が、リチウム、ナトリウム、リチウム金属化合物及びナトリウム金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
項9.
前記アルコールが、200℃以下の沸点を有するアルコールである項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
項10.
前記酸性溶液が、無機酸、スルホン酸及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶液である項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
項11.
シリコンオキシカーバイドと、アルカリ金属及びアルカリ金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むアルカリ金属源とを混合し、アルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを得る工程(1)と、
工程(1)で得られたアルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを酸素雰囲気又は窒素雰囲気中で加熱する工程(2)を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
項12.
前記アルカリ金属源が、リチウム、ナトリウム、リチウム金属化合物及びナトリウム金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする項11に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
<シリコンオキシカーバイド>
本発明に用いるシリコンオキシカーバイド(SiOCとも表記される)は、珪素含有複合樹脂を熱分解することで得られる。このようにして得られるシリコンオキシカーバイドは珪素、炭素、酸素を広範囲の組み合わせ割合で含む。シリコンオキシカーバイドの組成はSiOyCzとあらわすことができ、SiOyCz(0<y<3、0<z<10)の組成式で表されるシリコンオキシカーバイドであることが好ましく、SiOyCz(0<y<2、0<z<10)の組成式で表されるシリコンオキシカーバイドであることがさらに好ましい。
この場合、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、前記珪素含有複合樹脂(A)に対して10〜95質量%であることが好ましい。また、前記重合体セグメント(a2)が、ビニル重合体セグメントであることが好ましい。さらに、前記珪素含有複合樹脂(A)が、ポリシロキサンセグメント(a1)と重合体セグメント(a2)とが下記の構造式(S−5)で示される構造で結合した複合樹脂であることが好ましい。
<リチウムドープ>
本発明でリチウムドープとは金属リチウム及び/またはリチウム化合物を用いて、活物質中にリチウムを吸蔵(Lithiaiton化、インターカレーション、ドープ、挿入、吸蔵、担持、合金化等種々の言葉で表現されるが、これらを総称して本発明ではドープと記載し、説明する。)させることである。
<失活>
本発明の製造工程において用いた用語「失活」とは、活物質中にドープしたアルカリ金属が酸化されアルカリ金属イオンの状態になることをいう。アルカリ金属イオンは塩の状態でおり、ケイ酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、アルコキシドなどで存在する。シリコンオキシカーバイド中のアルカリ金属が失活しているかを確認するには、シリコンオキシカーバイドに水を加えて水素が発生しないことで確認することができる。アルカリ金属が残っている場合は、アルカリ金属と水が反応し、水素とアルカリ金属の水酸化物となる。
<工程1>
本発明の製造方法において、<工程1>は説明すれば以下の通りである。シリコンオキシカーバイドとアルカリ金属及び/又はアルカリ金属化合物とを不活性ガス中で反応させて、シリコンオキシカーバイド中にアルカリ金属をドープさせた反応物を得る工程である。この反応時に、有機溶剤を用いることもできる。
<工程2>
本発明の製造方法において、「洗浄処理」とは、工程1で得られた反応物をアルカリ金属と反応する溶液で洗浄し、反応物中のアルカリ金属を失活させたアルカリ金属塩含有シリコンオキシカーバイドを得る工程である。反応物の洗浄に使用する溶液は、アルコール、水及び酸性溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種のものを用いることができる。
これらは、単独で使用してもよく、2以上を適宜選択して使用してもよい。
<工程2B>
本発明の製造方法の別の態様として、前記工程1の後に、工程1で得られた反応物を酸素雰囲気又は窒素雰囲気中で加熱する工程を含めて行うことができる。工程1で得られた反応物中のリチウムは窒素および酸素と反応して失活させることができる。加熱温度は雰囲気により異なり、酸素雰囲気では200℃〜500℃の範囲が好ましく、200℃〜300℃がより好ましい。500℃を超えるとシリコンオキシカーバイド中の炭素が分解するため好ましくない。窒素雰囲気では200℃〜1000℃の範囲が好ましく、300℃〜700℃がより好ましい。
<非水電解質二次電池の作製>
非水電解質二次電池負極は、本発明の非水電解質二次電池負極活物質とバインダーとを必須成分として、必要に応じてその他の導電助剤などの成分を含んで構成される。こうして得られる負極は、活物質として、本発明の非水電解質二次電池負極活物質を含むことから、大気中での取扱いも容易で、高容量かつ優れたサイクル特性を有し、さらに、優れた初回クーロン効率をも兼備する非水電解質二次電池用負極となる。該負極は、例えば、前述の非水電解質二次電池用負極活物質と、有機結着材であるバインダーとを、溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して、負極材スラリーを調製し、これを集電体に塗布して負極層を形成することで得ることができる。また、ペースト状の負極材スラリーをシート状、ペレット状等の形状に成形し、これを集電体と一体化することでも得ることができる。
<元素分析>
本発明の各元素の含有量は以下の分析により評価した。
C分析:高周波燃焼−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 CS 844 型
O分析:不活性ガス融解−赤外線吸収法により、分析を行った。
装置:LECO製 TCH600型
Si、Li分析:試料を水酸化ナトリウムと過酸化ナトリウムで溶解分解後、溶融物を塩酸で溶解した後、ICP検出を行った。
装置:島津製作所製 ICPE−9820 型
<本発明の負極活物質において、リチウムが失活している(リチウム塩として存在している)ことの確認手段>
シリコンオキシカーバイド中のリチウムの失活は、リチウム塩含有シリコンオキシカーバイドに水を加えて、水素が発生しないことからリチウムの失活を確認した。
本発明のリチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子の電池特性を次のようにして測定した。
測定の際に設定した電流値は、リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子あたりの理論容量を700mAh(1.0C)とし、リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子重量あたり70mA(0.1C)となるようにした。
クーロン効率(%) = 放電容量(mAh/g) / 充電容量(mAh/g)
[合成例1]
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)164gを仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA)226g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)14g、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート24gからなる混合物を、前記反応容器中へ4時間で滴下した。その後、同温度で16時間撹拌し、トリメトキシシリル基を有するビニル重合体を調製した。
前記合成例1と同様の反応容器に、PTMS 191gを仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、MMA 169g、MPTS 11g、TBPEH 18gからなる混合物を、前記反応容器中へ4時間で滴下した。その後、同温度で16時間撹拌することにより、トリメトキシシリル基を有するビニル重合体を調製した。
合成例1で得られた珪素含有複合樹脂(A−1)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を1000℃3時間窒素雰囲気中で加熱し、黒色のシリコンオキシカーバイド固形物を得た。得られた固形物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmのシリコンオキシカーバイド粒子を得た。シリコンオキシカーバイド粒子の組成式は、SiOyCzと表した場合に、(Siが1.00、O(y)が1.53、C(z)が1.54)であった。
得られたシリコンオキシカーバイド粒子 1.5g、リチウム 0.58g、ナフタレン 11g、テトラヒドロフラン(THF)50mlをアルゴン中で混合し、3時間攪拌した。その後、得られた反応液にイソプロパノール20mlを徐々に加えて、次いで水20mlを徐々に加えた。反応液をろ過し、黒色のろ物を水、塩酸で洗浄した。洗浄したろ物を減圧下で12時間乾燥し、リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子を得た。得られたリチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子1gに水10mlを添加して攪拌したところ、水素の発生は確認できなかった。リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子に含まれるリチウム塩の量(Li/Siの値)は0.64であった。
合成例2で得られた珪素含有複合樹脂(A−2)の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を1000℃3時間窒素雰囲気中で加熱し、黒色のシリコンオキシカーバイド固形物を得た。得られた固形物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmのシリコンオキシカーバイド粒子を得た。シリコンオキシカーバイド粒子の組成式は、SiOyCzと表した場合に、(Siが1.00、O(y)が1.47、C(z)が1.47)であった。
得られたシリコンオキシカーバイド粒子 1.5g、リチウム 0.58g、ナフタレン 11g、テトラヒドロフラン(THF)50mlをアルゴン中で混合し、3時間攪拌した。その後、得られた反応液にイソプロパノール20mlを徐々に加えて、次いで水20mlを徐々に加えた。反応液をろ過し、黒色のろ物を水、塩酸で洗浄した。洗浄したろ物を減圧下で12時間乾燥し、リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子を得た。得られたリチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子1gに水10mlを添加して攪拌したところ、水素の発生は確認できなかった。リチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子に含まれるリチウム塩の量(Li/Siの値)は0.58であった。
実施例1で得られたリチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子 80部に対して、アセチレンブラック10部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.5部、スチレンブタジエンゴム7.5部、水150部を加えてスラリーを作製した。次いで、スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、120℃で1時間乾燥後、プレスにより電極を加圧成形し、最終的には1.54cm2に打ち抜き、負極とした。得られた負極と対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池ハーフセルを作製した。
実施例2で得られたリチウム塩含有シリコンオキシカーバイド粒子を用いたこと以外は、前記試験例1と同様にして、電池を作製し、電池特性を評価した。結果を表3に示す。
[比較実施例]
合成例1で得られた珪素含有複合樹脂の溶液200gを、減圧下100℃で12時間乾燥させた。乾燥物を1000℃3時間窒素雰囲気中で加熱し、黒色のシリコンオキシカーバイド固形物を得た。得られた固形物をペイントコンディショナーで粉砕し、平均粒径10μmのシリコンオキシカーバイド粒子を得た。得られたシリコンオキシカーバイド粒子 1.5gに対して、アルゴン雰囲気中でリチウム粉を0.1g添加して乳鉢で攪拌混合し、リチウムドープしたシリコンオキシカーバイド粒子を得た。得られたリチウムドープされたシリコンオキシカーバイド粒子1gに水10mlを添加したところ、水素の発生が確認された。
比較実施例で得られたリチウム含有シリコンオキシカーバイド粒子80部に対して、アセチレンブラック10部、ポリ弗化ビニリデン10部、NMP150部を加えてスラリーを作製した。次いで、スラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、リチウム含有シリコンオキシカーバイドを含む負極を作製し、得られたリチウム含有シリコンオキシカーバイド負極と対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リンリチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池ハーフセルを作製した。
さらに、本発明の負極活物質は金属リチウムを含まずに上記の優れた初回の充放電容量および初回クーロン効率を得ているため、実用場面で要求される特性を満足しつつ、作業安全性が改善され、水系バインダーも使用可能な優れた活物質であることが分かる。
Claims (12)
- シリコンオキシカーバイドとアルカリ金属塩とを含有することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記シリコンオキシカーバイドが、SiOyCz(0<y<3、0<z<10)の組成式で表される請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記アルカリ金属塩のアルカリ金属が、リチウム又はナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- アルカリ金属塩の含有量が、シリコンオキシカーバイド中の珪素原子(Si)とアルカリ金属塩中のアルカリ金属原子(MA)の比が0<MA/Si<10の範囲で表せる量であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質と、バインダーとを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
- 請求項5に記載の非水電解質二次電池用負極を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
- シリコンオキシカーバイドと、アルカリ金属及びアルカリ金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むアルカリ金属源とを混合し、アルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを得る工程(1)と、
工程(1)により得られたアルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを、アルコール、水及び酸性溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種で洗浄処理する工程(2)を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。 - 前記アルカリ金属源が、リチウム、ナトリウム、リチウム金属化合物及びナトリウム金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記アルコールが、200℃以下の沸点を有するアルコールである請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記酸性溶液が、無機酸、スルホン酸及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶液である請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- シリコンオキシカーバイドと、アルカリ金属及びアルカリ金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むアルカリ金属源とを混合し、アルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを得る工程(1)と、
工程(1)で得られたアルカリ金属含有シリコンオキシカーバイドを酸素雰囲気又は窒素雰囲気中で加熱する工程(2)を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。 - 前記アルカリ金属源が、リチウム、ナトリウム、リチウム金属化合物及びナトリウム金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
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