JP2017195794A - 農業シート - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な耐久性や良好な加工性を示す農業シートを提供すること。【解決手段】内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シート1と、多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シート2と、を有しエルメンドルフ引裂法による引裂強度が、1.4N以上である、農業シート10。又は、内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シートと、多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シートと、を有し、補強シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、2.8N以上である、農業シート。【選択図】図1
Description
本開示は、農業シートに関する。
農業シートは、例えば、土壌や農作物を被覆する部材や農業用ハウスの部材である。光反射性を付与した農業シートは、例えば、ハウス内の光線不足の解消、収穫物の着色促進、地温の抑制、 雑草の対策などに用いることができる。
特許文献1には、シート基材と、そのシート基材の一方の面に設けられた光反射層とを備えた農業シートであって、さらに、そのシート基材が、平均径が1μm〜50μmの範囲にある空隙を有し、空隙率が35%〜60%の範囲にあり、かつ、厚さが30μm〜90μmの範囲にある多孔性熱可塑性樹脂シートであり、さらに、その光反射層12の厚みが0.5μm〜4μmの範囲にある、農業シートが開示されている。
多孔質樹脂シートは、多孔質構造によって光反射性能を発現するが、内部に多くの空隙が存在するため、脆くなる傾向がある。それらを使用した農業シートは、耐久性の問題や、折り曲げ、切断、または穴開けなどの加工性の問題が生じる場合がある。例えば苗を植えるために、農業シートに開口部を形成するときに、開口部の端部が裂けてしまい、目的とする開口部を形成できない場合がある。
本開示は、良好な耐久性や良好な加工性を示す農業シートを提供することを主目的とする。
本開示の一つは、内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シートと、上記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シートと、を有し、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、1.4N以上である、農業シートを提供する。
本開示の他の一つは、内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シートと、上記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シートと、を有し、上記補強シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、2.8N以上である、農業シートを提供する。
本開示の農業シートは、良好な耐久性や良好な加工性を示すという効果を奏する。
以下、本開示の農業シートについて、詳細に説明する。
図1は、農業シートの一例を示す概略断面図である。図1における農業シート10は、多孔質樹脂シート1と、多孔質樹脂シート1の一方の面側に配置された補強シート2と、を有する。なお、補強シート2は、多孔質樹脂シート1に直接配置されても、多孔質樹脂シート1に他の層を間に介して配置されてもよい。また、補強シート2は、多孔質樹脂シート1の両方の面側に配置されてもよい。そして、農業シート10は、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が2.8N以上である。あるいは、農業シート10は、その補強シート2のエルメンドルフ引裂法による引裂強度が1.4N以上である。
多孔質樹脂シートは、内部に多くの空隙が存在するために、それ自体が単体で脆くなる傾向があり、耐久性や加工性に心配がある。また、可とう性などの機械的特性が大きく異なるこれらを積層したときは、層間の剥がれや破壊などが生じやすくなり、さらに耐久性や加工性が低下するおそれがある。そこで、本開示の農業シート10は、所定以上の引裂強度を有するか、その補強シート2が所定以上の引裂強度を有するため、良好な耐久性と加工性を示す。なお、農業シート10の引裂強度に影響する要因として、多孔質樹脂シート1と補強シート2の接着の度合いなども考えられるため、本開示の一つでは、農業シート10全体の引裂強度を所定以上に特定している。しかし、補強シート2の引裂強度を所定以上に特定すれば、農業シート10全体に対して一定の効果が得られるため、本開示の他の一つでは、補強シート2の引裂強度を所定以上に特定している。
上述のように、図1における農業シート10によれば、良好な耐久性や良好な加工性を示す。そのため、例えば、農業シート10を切断する際に、切断部が裂けることを抑制できる。あるいは、農業シート10に開口部を形成する際に、開口部の端部が裂けることを抑制できる。具体例で説明すると、例えば苗を植えるために、農業シートに開口部を形成する場合がある。つまり、図2に示すように、土壌20を覆うように設置した農業シート10に、例えば筒状の打ち抜き部31を備えるマルチカッター30を押し付けることで、農業シート10に開口部を設ける場合がある。
その際、図3(a)に示すように、開口部11の端部に裂け目12が生じる場合がある。裂け目12は、農業シート10の耐久性が低下する原因になり、内部に空隙が存在する多孔質樹脂シート1を用いた場合に特に生じやすい。これに対して、図3(b)に示すように、本開示の農業シート10によれば、裂け目12が生じることを抑制でき、目的とする形状の開口部を得ることができ、農業シートの耐久性が低下することを抑制できる。
以下、本開示の農業シートについて、構成ごとに説明する。
以下、本開示の農業シートについて、構成ごとに説明する。
(1)多孔質樹脂シート
多孔質樹脂シートは、内部に空隙を有するシートであり、樹脂を含有する。多孔質樹脂シートは、必要に応じて、充填材等の添加材を含有していてもよい。多孔質樹脂シートは、多孔質構造より光反射性を示す。
多孔質樹脂シートは、内部に空隙を有するシートであり、樹脂を含有する。多孔質樹脂シートは、必要に応じて、充填材等の添加材を含有していてもよい。多孔質樹脂シートは、多孔質構造より光反射性を示す。
(i)樹脂
多孔質樹脂シートは、樹脂を含有する。樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、飽和エステル系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。
多孔質樹脂シートは、樹脂を含有する。樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、飽和エステル系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンの単独重合体、2種類以上のオレフィンの共重合体、1種類以上のオレフィンと、オレフィンと重合可能な1種類以上の重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。上記オレフィン(モノマー単位)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等が挙げられる。また、共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよい。また、共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、中でも、ポリプロピレン系樹脂等が好ましい。ポリプロピレン系樹脂の一例としては、プロピレン単独重合体が挙げられる。プロピレン単独重合体は、アイソタクティックまたはシンジオタクティックな立体規則性を有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の他の例としては、プロピレンと、他のαオレフィンとの共重合体が挙げられる。他のαオレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1の少なくとも一種等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。
一方、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂は、直鎖状ポリエチレンであってもよい。ポリエチレン系樹脂は、エチレンをモノマー単位の主成分とすることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂として、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いてもよい。
また、上述したように、熱可塑性樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂等を用いることができる。アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、例えば、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。フッ化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。アミド系樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等が挙げられる。エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリブチレンテレフタレート等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂として、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑性エラストマー等を用いてもよい。
多孔質樹脂シートは、1種類の樹脂を含有していてもよく、2種類以上の樹脂を含有していてもよい。2種類以上の樹脂を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を主成分とすることがより好ましい。また、多孔質樹脂シートにおける樹脂の含有量は、例えば、45質量%以上であり、55質量%以上であってもよい。一方、多孔質樹脂シートにおける樹脂の含有量は、例えば、99質量%以下であり、98質量%以下であってもよい。
(ii)充填材
多孔質樹脂シートは、充填材を含有していてもよい。充填材を添加し、例えば延伸により多孔質樹脂シートを作製することで、多孔質樹脂シートの内部に空隙が生じる。充填材としては、例えば、無機系充填材および有機系充填材が挙げられる。
多孔質樹脂シートは、充填材を含有していてもよい。充填材を添加し、例えば延伸により多孔質樹脂シートを作製することで、多孔質樹脂シートの内部に空隙が生じる。充填材としては、例えば、無機系充填材および有機系充填材が挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、酸化珪素、珪藻土、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。また、無機系充填材は脂肪酸で表面処理されていてもよい。中でも、無機系充填材は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイまたはタルクであることが好ましい。安価で成形性がよいからである。
無機系充填材の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上15μm以下であり、0.01μm以上8μm以下であってもよい。なお、平均粒子径とは、体積基準で測定した粒径分布の統計的平均値として定義され、例えば、株式会社堀場製作所製LA−920によって測定された値をいう。
有機系充填材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、メラミン、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイト、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。また、有機系充填材として、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレンとの共重合体であり、融点が120℃以上300℃以下であるかガラス転移温度が120℃以上280℃以下である材料を用いることもできる。
多孔質樹脂シートにおける充填材の含有量は、例えば、1質量%以上65質量%以下であり、2質量%以上55質量%以下であることが好ましい。
(iii)他の添加材
多孔質樹脂シートは、必要に応じて、界面活性材、滑材、帯電防止材等の各種添加材を含有していてもよい。界面活性材の添加により、例えば結露を防ぐことができる。界面活性材としては、例えば、非イオン性界面活性材、陰イオン性界面活性材、両イオン性界面活性材等が挙げられる。非イオン性界面活性材としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー等が挙げられる。陰イオン性界面活性材としては、例えば、スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の塩が挙げられる。なお、上記塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
多孔質樹脂シートは、必要に応じて、界面活性材、滑材、帯電防止材等の各種添加材を含有していてもよい。界面活性材の添加により、例えば結露を防ぐことができる。界面活性材としては、例えば、非イオン性界面活性材、陰イオン性界面活性材、両イオン性界面活性材等が挙げられる。非イオン性界面活性材としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー等が挙げられる。陰イオン性界面活性材としては、例えば、スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の塩が挙げられる。なお、上記塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、滑材としては、例えば、流動パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の脂肪族炭化水素、直鎖アルコールのステアリン酸エステル、高級脂肪酸アマイド等が挙げられる。また、帯電防止材としては、例えば、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、過塩素酸テトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。なお、添加材の含有量は、特に限定されず、添加材の種類に応じて適宜選択する。
(iv)多孔質樹脂シート
多孔質樹脂シートは、通常、内部に空隙を有する。多孔質樹脂シートの空隙率は、特に限定されないが、例えば35%以上60%以下であり、40%以上58%以下であることが好ましい。空隙率が低すぎると、光反射性が低くなる可能性がある。空隙率が高すぎると、シート強度が弱くなる可能性がある。
多孔質樹脂シートは、通常、内部に空隙を有する。多孔質樹脂シートの空隙率は、特に限定されないが、例えば35%以上60%以下であり、40%以上58%以下であることが好ましい。空隙率が低すぎると、光反射性が低くなる可能性がある。空隙率が高すぎると、シート強度が弱くなる可能性がある。
空隙率とは、多孔質樹脂シートに占める空隙の割合をいい、下記式1により算出できる。
空隙率(%)={(ρo−ρ)/ρo}×100 …(式1)
式1において、ρは多孔質樹脂シートの密度であり、JIS P 8118に準拠する。ρoは多孔質樹脂シートの真密度である。真密度は、多孔質樹脂シートを構成する主要な材料成分の種類とそれらの構成比率を分析して、材料成分の種類の一般的な値を用いることで決定することができる。例えば、ポリプロピレンの密度は0.9g/cm3、炭酸カルシウムの密度は2.7g/cm3である。なお、多孔質樹脂シートが延伸処理されたものであるときは、延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の材料の密度にほぼ等しい。そのため、真密度は、延伸前の材料から求めてもよく、定容積膨張法による乾式密度測定方法で求めることができ、測定装置としては、例えば、(株)島津製作所製の乾式自動密度計アキュピック1330が挙げられる。
空隙率(%)={(ρo−ρ)/ρo}×100 …(式1)
式1において、ρは多孔質樹脂シートの密度であり、JIS P 8118に準拠する。ρoは多孔質樹脂シートの真密度である。真密度は、多孔質樹脂シートを構成する主要な材料成分の種類とそれらの構成比率を分析して、材料成分の種類の一般的な値を用いることで決定することができる。例えば、ポリプロピレンの密度は0.9g/cm3、炭酸カルシウムの密度は2.7g/cm3である。なお、多孔質樹脂シートが延伸処理されたものであるときは、延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の材料の密度にほぼ等しい。そのため、真密度は、延伸前の材料から求めてもよく、定容積膨張法による乾式密度測定方法で求めることができ、測定装置としては、例えば、(株)島津製作所製の乾式自動密度計アキュピック1330が挙げられる。
空隙の平均径は、例えば、1μm以上50μm以下であり、2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。なお、空隙の最大径(L)とそれに直角な方向の最大の径(M)を測定して平均したもの[(L+M)/2]を空隙の径とする。少なくともn個(nは1以上の整数であり、100以上の整数であることが好ましい)の空隙の径を測定し、その平均値を、空隙の平均径とする。試料の断面観察には、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−2400を用いることができる。
多孔質樹脂シートは、内部に空隙を有するため、通常、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が小さい。エルメンドルフ引裂法による多孔質樹脂シートの引裂強度は、例えば0.2N以下であり、0.15N以下であってもよい。なお、エルメンドルフ引裂法の条件については、実施例において詳述する。
多孔質樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、例えば30μm以上90μm以下であり、40μm以上80μm以下であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。多孔質樹脂シートが複層構造である場合、各層に含まれる樹脂成分は、同一であってもよく、異なっていてもよい。複層構造の多孔質樹脂シートの一例としては、内層と、上記内層の両面に配置された2つの外層とを有し、2つの外層に含まれる樹脂成分が同一であり、外層に含まれる樹脂成分と内層に含まれる樹脂成分が異なる多孔質樹脂シートが挙げられる。
多孔質樹脂シートは、可視光反射率が高いことが好ましい。具体的には、可視領域での最低反射率が70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。可視領域での最低反射率は、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所UV−3600)および積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8°で可視領域450nm以上750nm以下での反射率(全反射率)を測定することで、求めることができる。
多孔質樹脂シートの平滑性は高いことが好ましい。具体的に、多孔質樹脂シート表面の算術平均高さSaは、例えば、1μm以下であり、0.7μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。また、多孔質樹脂シートの防汚性は高いことが好ましい。具体的に、多孔質樹脂シート表面の汚染等級(JIS−L−1919)は、3以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましい。
多孔質樹脂シートは、透湿性、通気性、および遮水性を有することが好ましい。なお、透湿性とは、気体としての水すなわち水蒸気を通過させる性質をいい、通気性とは、二酸化炭素をはじめとする気体を通過させる性質をいい、遮水性とは、液体としての水を通過させない性質をいう。多孔質樹脂シートの透湿度は、例えば、600g/m2・day以上であり、700g/m2・day以上であることが好ましく、800g/m2・day以上であることがより好ましい。多孔質樹脂シートの耐水圧は、例えば、10kPa以上であり、20kPa以上であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートの不透明度は、例えば、70%以上100%以下であることが好ましい。なお、多孔質樹脂シートの不透明度は、JIS Z 8722に準拠するものとする。また、多孔質樹脂シートの密度は、例えば、0.50g/cm3以上0.90g/cm3以下であり、0.50g/cm3以上0.70g/cm3以下であることが好ましい。
多孔質樹脂シートの製造方法は、所望の多孔質樹脂シートが得られる方法であれば特に限定されず、公知の製造方法を採用することができる。また、多孔質樹脂シートは、延伸処理されたものであることが好ましい。
(2)補強シート
補強シートは、上記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置され、上記多孔質樹脂シートを補強するシートである。
補強シートは、上記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置され、上記多孔質樹脂シートを補強するシートである。
補強シートは、樹脂を含有することが好ましい。上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。なお、樹脂については、上記「(i)樹脂」に記載した内容と同様である。特に、補強シートに含まれる樹脂は、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。耐熱性、耐水性、耐薬品性、コスト面が優れるからである。また、ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂であってもよく、ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
また、補強シートおよび多孔質樹脂シートの両方が、樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂シートであることが好ましい。例えば、後述する接着層を設けた場合、ポリオレフィン系樹脂は接着材に対する接着性が共通するため、強固に接着した農業シートが得られるからである。また、熱や水分などによる膨張や収縮の程度が近いため、反りが発生し難く接着が剥がれ難いからである。その結果、耐久性が高い農業シートとなる。また、ポリオレフィン系樹脂を用いるため、耐水性が高い農業シートとなる。
また、補強シートがポリエチレン系樹脂を主成分として含有し、多孔質樹脂シートがポリプロピレン系樹脂を主成分として含有することが好ましい。農業シートの加工性が向上するからである。具体的には、ポリプロピレン系樹脂は比較的硬い樹脂であるため、加工が難しい。これに対して、ポリエチレン系樹脂は比較的柔らかい樹脂であるため、ポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂を組み合わせることで、農業シートの加工性が向上する。
エルメンドルフ引裂法による補強シートの引裂強度は、2.8N以上であることが好ましく、3.0N以上であってもよく、3.5N以上であってもよい。一方、補強シートの引裂強度は、例えば、10N以下である。
また、補強シートは、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。単層構造の補強シートを有する農業シートとしては、例えば図4に示すように、多孔質樹脂シート1と、単層構造の補強シート2と、多孔質樹脂シート1および補強シート2の間に配置された接着層3とを有する農業シート10が挙げられる。
一方、複層構造の補強シートを有する農業シートとしては、例えば図5に示すように、多孔質樹脂シート1と、複層構造の補強シート2と、多孔質樹脂シート1および補強シート2の間に配置された接着層3とを有する農業シート10が挙げられる。複層構造の補強シート2は、第一の補強シート2aと、第二の補強シート2bと第一の補強シート2aおよび第二の補強シート2bの間に配置された接着層3とを有する。なお、図示しないが、複数の補強シートは、接着層を介さずに直接積層されていてもよい。
補強シートが複層構造である場合、補強シート全体の引裂強度が、上述した特定の値以上であればよいが、補強シートを構成する少なくとも一層が、上述した特定の値以上であることが好ましい。このような層を、補強層Xとする。なお、補強シートが単層構造である場合、補強シートは補強層Xから構成される。
また、補強シートが複層構造である場合、補強シートを構成する少なくとも一層が、多孔質補強層であってもよい。多孔質補強層は、透湿性、通気性および遮水性を有することが好ましい。なお、多孔質補強層は、引裂強度が小さい傾向にあり、上述した特定の値未満になる場合がある。このような層を、補強層Yとする。その場合、補強シートは、補強層Y以外の層として、補強層Xを有することが好ましい。補強層Yに含まれる樹脂は、補強層Xに含まれる樹脂と同じであってもよく、異なっていてもよい。
補強シートの厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以上150μm以下であり、20μm以上100μm以下であることが好ましい。なお、補強シートが複層構造である場合、補強シートを構成する各層の厚みが、上述した範囲内であることが好ましい。また、補強シートは、農業シートの最表面に配置されていてもよく、内部に配置されていてもよい。
補強シートは、多孔質樹脂シートよりも高い透湿性を有していてもよい。補強シートの透湿度は、例えば、多孔質樹脂シートの透湿度の8倍以上であることが好ましい。補強シートの透湿度は、例えば、5000g/m2・day以上であり、6000g/m2・day以上であることが好ましい。
(3)接着層
農業シートは、多孔質樹脂シートおよび補強シートが、接着層を介して積層されていてもよく、接着層を介さずに直接積層されていてもよい。接着層は、接着材から構成される。接着材は、特に限定されないが、ドライラミネート接着材であることが好ましい。
農業シートは、多孔質樹脂シートおよび補強シートが、接着層を介して積層されていてもよく、接着層を介さずに直接積層されていてもよい。接着層は、接着材から構成される。接着材は、特に限定されないが、ドライラミネート接着材であることが好ましい。
接着材の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル系接着材、ポリエステル系接着材、ポリウレタン系接着材、ビニル系接着材、(メタ)アクリル系接着材、ポリアミド系接着材、エポキシ系接着材、ゴム系接着材等が挙げられる。接着材は、一液硬化型であってもよく、二液硬化型であってもよい。
ポリエーテル系接着材としては、例えば、ポリエーテルポリウレタンが挙げられる。ポリエーテルポリウレタンは、ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートとが反応することで得られる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のオキシラン化合物を、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコールを重合開始材として重合した化合物が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等が挙げられる。
ポリエステル系接着材としては、例えば、ポリエステルポリウレタンが挙げられる。ポリエステルポリウレタンは、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとが反応することで得られる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸および多価アルコールが反応して得られるポリエステルポリオール、ラクトン環の開環重合で得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。多価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、セバシン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族多価カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族多価カルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族、脂環族等の多価アルコール、および、芳香族多価アルコール等が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。なお、ポリイソシアネートについては、上述した通りである。
また、接着材として、ポリエーテルポリエステルポリウレタンを用いてもよい。なお、ポリエーテルポリエステルポリウレタンは、ポリエーテル系接着材でもあり、ポリエステル系接着材でもある。ポリエーテルポリエステルポリウレタンは、ポリエーテルエステルポリオールと、ポリイソシアネートとが反応することで得られる。ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、上記ポリエーテルポリオールに上記の多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
接着層の厚みは、特に限定されないが、透湿性確保の観点から、より薄いことが好ましい。接着層の厚みは、例えば10μm以下である。
(4)農業シート
農業シートは、上述した多孔質樹脂シートおよび補強シートを有する。農業シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が1.4N以上であることが好ましい。エルメンドルフ引裂法による農業シートの引裂強度は、例えば、1.4N以上であり、2.5N以上であることが好ましい。一方、農業シートの引裂強度は、例えば15N以下であり、10N以下であってもよい。
農業シートは、上述した多孔質樹脂シートおよび補強シートを有する。農業シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が1.4N以上であることが好ましい。エルメンドルフ引裂法による農業シートの引裂強度は、例えば、1.4N以上であり、2.5N以上であることが好ましい。一方、農業シートの引裂強度は、例えば15N以下であり、10N以下であってもよい。
また、農業シートは、可視光反射率が高い。可視光(波長380nm以上780nm以下)の平均反射率は、例えば、70%以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、可視光の平均反射率の測定条件については、実施例において詳述する。
農業シートは、光反射層を有していてもよく、有していなくてもよい。光反射層を設ける場合、可視光反射率をより高くでき、果実の着色を促進したり、地温の上昇を抑制したりすることができる。光反射層は、例えば、白色粉末および樹脂成分を含有する。白色粉末としては、例えば、アナターゼ型またはルチル型の酸化チタン、これらの表面をAl、Si等の金属酸化物で処理した酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。樹脂成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクタムポリウレタン等が挙げられる。光反射層の配置場所は、特に限定されず、農業シートの最表面であってもよく、内部であってもよい。また、光反射層は、多孔質基板シートを基準として、補強シートとは反対側に設けられていることが好ましい。光反射層の厚みは、例えば、0.5μm以上4μm以下である。
農業シートは、紫外線反射率が高いことが好ましい。害虫忌避効果を発揮することができるからである。農業シートの補強シート側の面における紫外線(波長300nm以上380nm以下)の平均反射率は、例えば、35%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。なお、「農業シートの補強シート側の面」とは、補強シートを基準として、多孔質樹脂シートが配置された側とは反対側の面をいう。
農業シートの厚みは、特に限定されないが、例えば50μm以上200μm以下であり、80μm以上150μm以下であることが好ましい。農業シートの透湿度は、例えば、10g/m2・day以上であってもよく、20g/m2・day以上であってもよい。農業シートは、一方の表面から他方の表面を貫通する貫通孔を複数有していてもよい。貫通孔の割合は、例えば、1万個/m2以上100万個/m2以下であり、10万個/m2以上70万個/m2以下であることが好ましい。
(5)農業シートの製造方法
農業シートの製造方法は、目的とする農業シートが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、多孔質樹脂シートおよび補強シートを、接着層を介して接着する方法、多孔質樹脂シートおよび補強シートを熱融着する方法が挙げられる。
農業シートの製造方法は、目的とする農業シートが得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、多孔質樹脂シートおよび補強シートを、接着層を介して接着する方法、多孔質樹脂シートおよび補強シートを熱融着する方法が挙げられる。
図6は、農業シートの製造方法の一例を示す概略断面図であり、具体的には、ドライラミネート法による農業シートの製造方法を示している。図6においては、多孔質樹脂シート1の表面に、接着材および溶媒を含有する接着材組成物3xを塗工する(図6(a))。次に、接着材組成物3xを乾燥することで溶媒を除去し、接着層3を形成する(図6(b))。次に、多孔質樹脂シート1および補強シート2を、接着層3を介して積層する(図6(c))。これにより、多孔質樹脂シート1、接着層3および補強シート2がこの順に配置された農業シート10が得られる(図6(d))。ドライラミネート法を用いる場合、多孔質樹脂シートの空隙が潰れないため、透湿性の低下を抑制できるという利点がある。
上記接着材組成物は、接着材および溶媒を少なくとも含有する。接着材については、上述した通りである。一方、溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、ジエチレングリコールメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、トルエン、キシレン等の芳香族、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
上記接着材組成物の塗工方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、キスコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の一般的なコート法が挙げられる。上記接着材組成物を乾燥する温度は、多孔質樹脂シートおよび溶媒の種類によっても異なるが、例えば、90℃以下であり、70℃以下であることが好ましい。また、真空乾燥等の減圧乾燥を行ってもよい。また、乾燥時間は、接着材の種類に応じて適宜選択する。
例えばRoll to Rollにより、多孔質樹脂シート1および補強シート2を貼合わせる場合、張力により圧力管理することが好ましい。この場合、第1給紙の多孔質樹脂シートを、例えば、50N以上110N以下で管理することが好ましく、80N以上100N以下で管理することがより好ましい。第2給紙の補強シートについては、フィルム全体のカール防止のため、例えば、20N以上50N以下で管理することが好ましく、30N以上40N以下で管理することがより好ましい。また、ドライラミネート法では、通常、多孔質樹脂シートの空隙が変化しない温度環境で積層を行う。なお、積層時に加熱を行う必要はないが、多孔質樹脂シートの空隙が変化しない温度であれば、加熱を行ってもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(多孔質樹脂シートの作製)
多孔質樹脂シートの内層を構成する樹脂組成物として、プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックPP:MA−8」、融点164℃)を65.5質量%、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックHD:HJ580」、融点134℃、密度0.960g/cm3)を6.5質量%、および、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末を28質量%よりなる樹脂組成物を、押出機を用いて無延伸シートを得た。次いで、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、一軸延伸シートを得た。
(多孔質樹脂シートの作製)
多孔質樹脂シートの内層を構成する樹脂組成物として、プロピレン単独重合体(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックPP:MA−8」、融点164℃)を65.5質量%、高密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックHD:HJ580」、融点134℃、密度0.960g/cm3)を6.5質量%、および、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末を28質量%よりなる樹脂組成物を、押出機を用いて無延伸シートを得た。次いで、この無延伸シートを縦方向に4倍延伸して、一軸延伸シートを得た。
一方、多孔質樹脂シートの外層を構成する樹脂組成物として、上記と同様の材料にて、プロピレン単独重合体を51.5質量%、高密度ポリエチレンを3.5質量%、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末を42質量%、平均粒子径が0.8μmの酸化チタン粉末を3質量%よりなる樹脂組成物を、別の押出機を用いて溶融混練し、上記の一軸延伸シートの表面の両側にダイより押し出し、外層、内層、外層の層構成を有する積層シートを得た。
次いで、この積層シートを横方向に7倍延伸し耳部をスリットすることにより、厚みが70μmであり、外層(15μm)、内層(40μm)、外層(15μm)の層構成を有し、微細な空隙を含有する多孔質樹脂シートを得た。得られた多孔質樹脂シートの空隙率は55%であり、不透明度は93%であった。
(農業シートの作製)
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み30μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用意し、ドライラミネート法にて、補強シートおよび多孔質樹脂シートを接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み30μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用意し、ドライラミネート法にて、補強シートおよび多孔質樹脂シートを接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
[実施例2]
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み40μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み40μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
[実施例3]
実施例1で得られた農業シートのL−LDPEフィルム上に、第二の補強シートを接合した。第二の補強シートとして、多孔質ポリエチレンシート(厚み30μm、YP5000、大和川ポリマー社製)を用意し、ドライラミネート法にて接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
実施例1で得られた農業シートのL−LDPEフィルム上に、第二の補強シートを接合した。第二の補強シートとして、多孔質ポリエチレンシート(厚み30μm、YP5000、大和川ポリマー社製)を用意し、ドライラミネート法にて接合した。具体的には、ポリエーテル系接着材としてタケラックA−969V(ポリオール成分)およびタケネートA−5(イソシアネート成分)を使用した。ポリエーテル系接着材を、乾燥温度70℃、2g/m2の条件で塗布し、接合した。このようにして、農業シートを得た。
[比較例1]
補強シートとして、多孔質ポリエチレンシート(厚み30μm、YP5000、大和川ポリマー社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
補強シートとして、多孔質ポリエチレンシート(厚み30μm、YP5000、大和川ポリマー社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
[比較例2]
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み25μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
補強シートとして、L−LDPEフィルム(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、厚み25μm、TUX TC−S、三井化学東セロ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして農業シートを得た。
[評価]
実施例1〜3および比較例1、2における補強シートおよび農業シートに対して、引裂強度測定および打ち抜き試験を行った。引裂強度測定は、エルメンドルフ引裂法(JIS K7128−2)を用いた。試験片として、シートを16枚積層した積層体を用いた。試験片の形状は75mm×63mmであった。一方、打ち抜き試験は、マルチカッター(石黒金属社製、マルチ穴あけカッター、80mmφ、HC−80)を用いて、補強シートまたは農業シートを打ち抜いた。補強シート含めてフィルム全体で1cm以上の裂けが生じた場合を×とし、裂け目が生じない場合、または、裂け目が生じた場合であってもその長さが1cm未満である場合には○とし、1cm以上の裂け目が生じた場合を×とした。その結果を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1、2における補強シートおよび農業シートに対して、引裂強度測定および打ち抜き試験を行った。引裂強度測定は、エルメンドルフ引裂法(JIS K7128−2)を用いた。試験片として、シートを16枚積層した積層体を用いた。試験片の形状は75mm×63mmであった。一方、打ち抜き試験は、マルチカッター(石黒金属社製、マルチ穴あけカッター、80mmφ、HC−80)を用いて、補強シートまたは農業シートを打ち抜いた。補強シート含めてフィルム全体で1cm以上の裂けが生じた場合を×とし、裂け目が生じない場合、または、裂け目が生じた場合であってもその長さが1cm未満である場合には○とし、1cm以上の裂け目が生じた場合を×とした。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3では、補強シートおよび農業シートの両者とも、打ち抜き試験において大きな裂け目は生じなかった。これに対して、比較例1、2では、補強シートおよび農業シート(多孔質樹脂シート+補強シート)は、打ち抜き試験において大きな裂け目が生じた。これらのことから、補強シートまたは農業シートの引裂強度が特定の値以上にあることで、開口部の端部が裂けることを抑制できることが確認された。
[比較例3、4]
比較例3、4として、単層構造を有する農業シートを用意した。具体的に、比較例3として、白黒マルチフィルム(厚み20μm、ツインホワイト、積水フィルム社製)を用意し、比較例4として、高密度ポリエチレン不織布(厚み260μm、タイベック 700AG、デュポン社製)を用意した。
比較例3、4として、単層構造を有する農業シートを用意した。具体的に、比較例3として、白黒マルチフィルム(厚み20μm、ツインホワイト、積水フィルム社製)を用意し、比較例4として、高密度ポリエチレン不織布(厚み260μm、タイベック 700AG、デュポン社製)を用意した。
[評価]
実施例1〜3および比較例3、4で得られた農業シートに対して、引裂強度測定、可視光反射率測定、紫外線反射率測定、平滑性評価および防汚性評価を行った。引裂強度測定は、上記と同様の方法により行った。
実施例1〜3および比較例3、4で得られた農業シートに対して、引裂強度測定、可視光反射率測定、紫外線反射率測定、平滑性評価および防汚性評価を行った。引裂強度測定は、上記と同様の方法により行った。
可視光反射率測定では、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所UV−3600)および積分球付属装置(ISR−3100)を用いて、入射角8°で可視領域380nm以上780nm以下での反射率(全反射率)を測定し、その平均反射率を求めた。なお、標準板として、米国ラブスフェア社製スペクトラロン(テフロン(登録商標)製)を用いた。また、測定面は、農業シートの多孔質樹脂シート側の面とした。
紫外線反射率測定では、上記と同様の装置を用い、紫外領域300nm以上380nm以下での反射率(全反射率)を測定し、その平均反射率を求めた。測定面は、農業シートの補強シート側の面とした。
一方、平滑性評価では、多孔質樹脂シート側の表面の算出平均高さSaを求めた。防汚性評価では、JIS−L−1919に基づいて、汚染等級を5段階で評価した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜3および比較例3、4で得られた農業シートは、いずれも引裂強度が高かった。しかしながら、比較例3は、実施例1〜3に比べて可視光反射率が低かった。比較例3で得られた農業シートは、押出し成型により得られるシートであるが、ベース樹脂に配合する白色材料の量は、強度との兼ね合いから上限があり、可視光反射率を十分に高めることはできないことが示唆された。
一方、比較例4は、実施例1〜3と同等の可視光反射率を有していたが、平滑性が高いため、防汚性が低くなった。防汚性が低い場合、経時的に反射率が低くなる。これに対して、実施例1〜3は、初期の可視光反射率、および、経時の可視光反射率(平滑性、防汚性)がともに良好であった。また、実施例3は、実施例1、2に比べて、紫外線反射率が高くなった。そのため、実施例3は、害虫忌避効果が高いことが確認された。
1…多孔質樹脂シート
2…補強シート
3…接着層
10…農業シート
11…開口部
12…裂け目
20…土壌
30…マルチカッター
2…補強シート
3…接着層
10…農業シート
11…開口部
12…裂け目
20…土壌
30…マルチカッター
Claims (6)
- 内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シートと、
前記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シートと、
を有し、
エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、1.4N以上である、農業シート。 - 前記補強シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、2.8N以上である、請求項1に記載された農業シート。
- 内部に複数の空隙が存在する、多孔質樹脂シートと、
前記多孔質樹脂シートの一方の面側に配置される、補強シートと、
を有し、
前記補強シートは、エルメンドルフ引裂法による引裂強度が、2.8N以上である、農業シート。 - 前記農業シートが、一方の表面から他方の表面まで貫通している開口部を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農業シート。
- 前記多孔質樹脂シートが、ポリオレフィン系樹脂シートである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の農業シート。
- 前記補強シートが、ポリオレフィン系樹脂シートである、請求項5に記載の農業シート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016087994A JP2017195794A (ja) | 2016-04-26 | 2016-04-26 | 農業シート |
Applications Claiming Priority (1)
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-
2016
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