JP2017195831A - 容器詰コーヒー飲料、容器詰コーヒー飲料の製造方法 - Google Patents

容器詰コーヒー飲料、容器詰コーヒー飲料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時及び開栓後の風味劣化を抑制し、品質を安定させながらもコク味が向上させた容器詰コーヒー飲料の製造方法を提供することである。
【解決手段】容器詰コーヒー飲料の製造方法であって、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加して酵素反応をさせる第1の酵素反応工程、及び、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加して酵素反応をさせる第2の酵素反応工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、経時による雑味増大等の品質劣化を抑制しつつもコーヒーのコク味を向上させた容器詰コーヒー飲料及びその製造方法に関する。
コーヒーは茶と並び、古来より多くの人々に愛飲されている代表的な嗜好性飲料である。消費者に提供される形態は多岐に亘り、例えば家庭や飲食店等で直接提供される形態の他、小売店や自動販売機で容器詰コーヒー飲料の形態でも提供されている。
また、飲料製品以外のコーヒー関連製品は様々な形態で流通しており、具体的な販売形態としては、例えば、焙煎前の生豆、焙煎コーヒー豆、若しくは焙煎コーヒー豆の粉砕物、前記コーヒー豆粉砕物を布、不織布、若しくは紙等の抽出用バッグに封入した抽出用バッグの形態、焙煎コーヒー豆抽出液の濃縮液の形態、または前記抽出液を湯水に簡単に溶解し得るよう、凍結乾燥等の手段によって固化し、粉末又は粒状とした所謂インスタントコーヒー等を挙げることができる。
このような中、RTD(READY TO DRINK)タイプの容器詰コーヒー飲料は、いつでも手軽にコーヒーを楽しむことができるという利便性により、全清涼飲料市場の中において最大の市場規模を有しており、夫々の製品に求められる消費者のニーズも多様化してきている。
この多様化した消費者ニーズに応えるために、ブラックコーヒー(無糖、有糖)、ミルク入りコーヒー、各種フレーバー入りコーヒーをはじめ、容器詰コーヒー飲料の形態も多種多様なバリエーション製品が上市されており、消費者に提供される形態についてもコールド販売製品から加温販売製品まで幅広い。
前記容器詰コーヒー飲料の内、所謂缶コーヒーと称される、スチール缶やキャップボトル形態のアルミ缶入りの製品は、殺菌、酸化防止等の処理を行うことによって、長期間に亘って品質を保持しうるという利点を備えている。しかしながら、一般的に、インスタントタイプのコーヒーと比較すると呈味性、香味性に優れ、濃厚で深い味わい(コク味)の広がりに優れているものの、抽出後にすぐ飲用に供される所謂レギュラーコーヒーと比較した場合には、呈味や香味が弱くコク味を感じにくいという課題を有していた。
また、容器詰コーヒー飲料の場合、開栓してから飲みきるまでの時間が長くなると飲料液の酸化の影響などで劣化が進み、酸味や苦味といった好ましくない呈味、所謂雑味が増大し、コク味を更に感じにくくするという別途の課題もあった。
近年においては、消費者の本格志向の高まりにつれ、容器詰コーヒー飲料においても、従来品と比較して、呈味及び香味を向上させて、よりレギュラーコーヒーのコク味に近い製品が強く望まれるようになっており、このために飲料メーカー等においても様々な提案がなされている。
容器詰コーヒー飲料において、コーヒーの呈味及び香味を向上させ、コク味を強めるための最も簡易な手段としては、例えば香料を添加する方法や、アスコルビン酸ナトリウム及び/またはエルソルビン酸ナトリウムの粉末を添加する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、コーヒー飲料抽出後に別の成分を添加、又は特殊な処理を行うことに起因して、本来のコーヒーの呈味や香味を阻害してしまい、自然なコク味を実現しにくいという問題があった。
この問題に鑑み、コーヒー飲料の呈味、香味を向上させ、コーヒーらしいコク味を得るために、焙煎、抽出等の製造工程においても現在までに様々な試みがこれまでになされてきた。しかしながら、容器詰コーヒー飲料は、製造〜流通までの時間の長さ、及び製造過程における殺菌や加温販売の場合の加熱処理の影響で、コーヒーらしいコク味を十分に確保することが困難であった。
課題解決が困難な一因として、例えば、特許文献2には、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸類が、コーヒー豆の焙煎や、コーヒー抽出液の殺菌などの熱履歴が重なることで、クロロゲン酸が、酢酸、ギ酸、リンゴ酸、クエン酸等の低分子有機酸に経時的に分解され、その結果、保管中に酸味が増すことが、コーヒーのコク味が損なわれる一因であることが開示されている。
また、コーヒーのコク味の低下につながる別途の要因として、過酸化水素による品質劣化の影響が既に知られている。過酸化水素を要因とする劣化を抑制する手段に関しては、例えば、特許文献3、4に、容器詰コーヒー飲料開栓後に増加する過酸化水素に着目して、クロロゲン酸組成を一定の範囲に調整することで、開封後の過酸化水素の生成速度を遅延させる技術が提案されている。しかし、特許文献3、4に開示された方法によってクロロゲン酸類を多量に含有させた場合、クロロゲン酸が、雑味の原因にもなり得るため、クロロゲン酸類を高濃度に含有させたまま自然な呈味性を確保することは困難であった。更に、コーヒーの苦味成分はクロロゲン酸類以外にもカフェイン、タンニン等といった複数の成分が複雑に関与しているため、クロロゲン酸類を過剰に増やすと不自然な苦みを呈することがあり、自然なコク味が失われてしまう課題があった。
また、抽出後に増加する過酸化水素に着目し、それらをカタラーゼ酵素により除去する発明が特許文献5にて提案されているが、特許文献5に係る発明においてはカタラーゼの添加量は非常に多く、製造コスト増加の要因となる点で好ましくなかった。
特開平11−32680 特開平7−50993 特開2003−204755 特開2003−204756 特開平3−127950
そこで本発明の目的は、香味やコク味を強めるために香料の添加を行わず、更に経時による雑味増大等の品質劣化を抑制しつつコーヒーのコク味を向上させた容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、容器詰コーヒー飲料の製造過程において、コーヒー抽出液の抽出後から殺菌までの製造工程の間に、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加し反応させる第1の酵素反応工程と、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加し反応させる第2の酵素反応工程とを共に具備させることにより、カタラーゼを単独で用いる場合と比較して、酵素使用量を減らすことが可能であって、更に香料を用いることなくても、品質劣化を抑制しつつコーヒーのコク味を向上という、上記の課題が解決できることを見出した。
すなわち本発明は、
(1)
容器詰コーヒー飲料の製造方法であって、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加して酵素反応をさせる第1の酵素反応工程、及び、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加して酵素反応をさせる第2の酵素反応工程を含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(2)
前記第2の酵素反応工程は、前記第1の酵素反応工程の開始前に終了しないことを特徴とする1に記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(3)
前記第1の酵素反応工程の後に第2の酵素添加工程を行うことを特徴とする1に記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(4)
前記第1及び第2の酵素反応工程を前記コーヒー抽出液の殺菌工程前であって、且つコーヒー抽出液の抽出完了後120分以内に行うことを特徴とする1〜3のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(5)
前記第1及び第2の酵素反応工程を15〜60℃で行うことを特徴とする1〜4のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(6)
容器詰コーヒー飲料中におけるコーヒー由来の固形分がBrix0.8〜2.2であることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
(7)
容器詰コーヒー飲料のコク味が向上されつつ雑味を低減する方法であって、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加して酵素反応をさせる第1の酵素反応工程、及び、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加して酵素反応をさせる第2の酵素反応工程を含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料のコク味が向上されつつ雑味を低減する方法。
上記構成とすることにより、香味やコク味を強めるために香料の添加を行わず、更に経時による雑味増大等の品質劣化を抑制しつつコーヒーのコク味を向上させた容器詰コーヒー飲料及びその製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の要件を具備する限りにおいて下記実施形態に限定されるものではない。
(コーヒー抽出液)
本実施形態において、容器詰コーヒー飲料の原料となるコーヒー抽出液は、以下の手順により提供される。具体的には、通常のコーヒー飲料に用いられるコーヒー抽出液と同様、原料となるコーヒー豆を所定時間焙煎した後に粉砕したものを、熱湯により抽出する抽出工程を経て得られる。
また、複数種の豆から別々に抽出したものを所定割合で混合させたものであってもよい。
なお、抽出工程においては、紙製フィルター、布製フィルターによるろ過抽出、熱水中や水中に浸漬して抽出し、その後ろ過する方法等、任意の公知方法を選択することができるが、本実施例にあっては、紙製若しくは布製のフィルターによるろ過抽出を用いる方法が望ましい。
(容器詰コーヒー飲料)
本発明において容器詰コーヒーとは、前記コーヒー抽出液を、単体若しくは複数種混合して、容器に充填された製品のことをいう。使用できる容器は特に限定されず、PETボトル、缶(アルミニウム、スチール)、紙、プラスチック、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等が挙げられるが、レトルト殺菌処理への耐熱性や、加温販売などを考慮する必要がある場合には、缶(アルミニウム、スチール)、若しくは強化層や酸素吸収層などを有する強化型プラスチック容器を用いることが望ましい。
更に、容器詰コーヒー飲料の製造においては、前記のコーヒー抽出液を濃縮した濃縮抽出液を用いることもできる。また、前記抽出工程の他に、前記コーヒー抽出液は、冷却工程、ろ過工程や遠心分離工程などの清澄化工程、他の原料との混合工程、均質化工程を経てから容器に充填されることが可能であり、殺菌工程は、液体の状態で行うことも、容器ごと行うことも可能である。
(酵素反応工程)
本発明における第1及び第2の酵素反応工程は、コーヒー抽出液の抽出中から殺菌工程までの任意のタイミングで行うことが可能であり、コーヒー抽出液の抽出後の冷却工程から殺菌工程までの間に行うことが好ましく、より好ましくはコーヒー抽出液を冷却後に貯留する抽出液タンク、更に好ましくは殺菌前の調合液を貯留する調合タンクで行うことが好ましい。
また、経時による劣化を少なくするためには、前記酵素反応工程は抽出完了後、120分以内に行うことが好ましく、60分以内がより好ましく、30分以内が更に好ましい。また、コーヒー抽出液に酵素を添加後、そのコーヒー抽出液を殺菌する場合は、最後に入れた酵素から5分以上経過させることが好ましく、10分〜60分経過させることがより好ましく、30〜60分経過させることが更に好ましい。
(原料豆)
抽出に用いるコーヒー豆の産地としては、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ等が挙げられるが、特に産地は限定されない。また、コーヒー豆の品種としては、アラビカ種、ロブスタ種等が挙げられる。コーヒー豆は、1種類で用いても、2種以上をブレンドして用いてもよい。コーヒー豆の焙煎は公知の方法を用いて行い、求める香味に応じ適宜調整可能である。
(その他原材料)
容器詰コーヒー飲料に用いる前記コーヒー抽出液以外の原材料としては、本願発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて特に制限はされず、糖分、乳製品、豆乳、植物油脂、並びに抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等といった副原料若しくは添加物を配合することができるが、本願発明の効果をより明確に確認するためには、糖分や乳製品等を添加しない所謂ブラックコーヒーであることが望ましい。
前記糖分としては、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等が挙げられる。
前記乳製品としては、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂乳、部分脱脂乳、れん乳等が挙げられる。
前記抗酸化剤としては、アスコルビン酸又はその塩、エリソルビン酸又はその塩等が挙げられる。
前記乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
(コーヒー由来の固形分)
本発明においてコーヒー由来の固形分とは、コーヒー豆由来の可溶性固形分のことであり、コーヒー飲料に含まれる可溶性固形分のうち、糖類、乳製品類、抗酸化剤、pH調整剤等のコーヒー豆に由来しない成分を除いた固形分である。容器詰コーヒー飲料中のコーヒー固形分は、抽出完了後のコーヒー抽出液を製品スケールに希釈したものを測定することで確認することができ、市販の糖度計を用いて測定したBrix(%)をコーヒー由来の固形分とすることができる。
また、本発明のコーヒー由来の固形分は、Brix0.8〜2.2が好ましく、Brix1.1〜1.8がより好ましく、Brix1.2〜1.6が更に好ましい。
(カタラーゼ)
本発明においてカタラーゼとは、過酸化水素を分解する働きを有する酵素であり、食品添加用の市販品を用いることが可能である。また、同じような働きをする酵素としてペルオキシダーゼが知られている。
一般的なカタラーゼの至適pHは約5.0〜9.0、至適温度は40℃で、ペルオキシダーゼの至適pHは約5.0〜8.0、至適温度は40℃であり、pHと温度が至適範囲の際に最も過酸化水素の分解が活発に行われる。
また、本発明においてカタラーゼ又はペルオキシダーゼの添加量は0.1ppm〜400ppmが好ましく、1.0ppm〜200ppmがより好ましく、2.0ppm〜100ppmが更に好ましい。カタラーゼ又はペルオキシダーゼの添加後の反応時間は、5分間以上であることが好ましく、10分間以上がより好ましく、30分〜60分間であることが更に好ましい。
また、酵素反応時のコーヒー抽出液のpHはpH5〜8であることが好ましく、より好ましくはpH6〜7.5である。また、酵素反応時のコーヒーの液温は、酵素の至適温度を鑑み、5℃〜60℃が好ましく、10℃〜37℃がより好ましく、15℃〜35℃が更に好ましい。通常、カタラーゼ及びペルオキシダーゼの至適温度は40℃であるが、液温が高いと香気が抜けやすいため、液温を15℃〜35℃とすると香気も抜けにくく、且つ酵素反応も効率よく行われるため好ましい。
(過酸化水素)
過酸化水素とは非常に強い酸化剤であり、食品にとっては呈味や香味に大きな影響を与える酸化劣化を引き起こすものとして知られている。
コーヒー抽出液中においては、クロロゲン酸などのポリフェノールが酸素存在下で酸化される際、過酸化水素が生成される。この生成された過酸化水素が更にポリフェノールを酸化させる。コーヒー豆から抽出されたコーヒーポリフェノールは、抽出された瞬間から酸素だけでなく過酸化酸素によっても酸化され続け、酸化したポリフェノールが雑味の要因の一つであることから、時間の経過とともに次第に雑味が増え、酸化劣化による呈味の劣化が引き起こされる。
(ポリフェノールオキシダーゼ)
本発明においてポリフェノールオキシダーゼとは、ラッカーゼなどのポリフェノールの重合に関与している酵素の総称である。食品添加が可能である観点から、ラッカーゼを用いることが好ましく、食品添加用の市販品を用いることが可能である。
一般的なラッカーゼの至適pHは約4〜4.5、至適温度は60℃で、pHと温度が至適範囲の際に最もポリフェノールの重合が活発に行われる。
また、本発明においてポリフェノールオキシダーゼの添加量は0.5ppm〜400ppmが好ましく、5ppm〜200ppmより好ましく、10ppm〜100ppmが更に好ましい。ポリフェノールオキシダーゼの添加後の反応時間は、5分間以上であることが好ましく、10分間以上がより好ましく、30分〜60分間であることが更に好ましい。また、酵素反応時のコーヒー抽出液のpHはpH5〜8が好ましく、より好ましくはpH6〜7.5である。反応時のコーヒーの液温は、5℃〜60℃が好ましく、10℃〜37℃がより好ましく、15℃〜35℃が更に好ましい。一般的なラッカーゼの至適pHと至適温度が上述したコーヒー抽出液の反応条件と異なるのは、コーヒー抽出液を酸性及び高温状態で長時間放置をすると香味に著しい影響をおよぼすためである。コーヒー抽出液のpHを5〜8、液温を15℃〜30℃とすると、香味への影響を抑えながらも、酵素反応を効率よく行われるため好ましい。
以下に、本発明の実施例を、コーヒー飲料が、無糖ブラックコーヒーである場合を例として説明する。
(コーヒー抽出液の調製)
ブラジル産アラビカ種の焙煎コーヒー豆を、粉砕機(富士珈機製、R−220)を用いて粉砕条件5にて粉砕し、粉砕コーヒー豆とした。そして、粉砕コーヒー豆80gを、ペーパーフィルター(メリタ社製、アロマジックナチュラルホワイト1×4)をセットしたドリップ式抽出器(メリタ社製、アロマフィルターAF−M 1×4)に投入し、90℃の熱湯960mlにて抽出し、Brix2.7のコーヒー抽出原液約800ml得た。これを素早く25℃まで冷却後、イオン交換水で希釈し、Brix1.4のものをコーヒー抽出液1、Brix0.8のものをコーヒー抽出液2、Brix1.1のものをコーヒー抽出液3、Brix1.8のものをコーヒー抽出液4、Brix2.2のものをコーヒー抽出液5とした。なお、コーヒー抽出液1〜5には、700ppmの重炭酸ナトリウムを添加し、全てpH6.5〜7.0に調製した。
(酵素反応工程)
カタラーゼ(新日本化学工業社製、スミチームCTL、力価:50,000u/g)とラッカーゼ(天野エンザイム社製、ラッカーゼM120、力価:108,000POU/g)を表1に記載の濃度で添加後、表1に記載の酵素反応条件にて酵素反応を行った。その後95℃、10分間加熱し、酵素失活をさせ、実施例1〜17及び比較例1〜2のコーヒー抽出液を得た。
また、カタラーゼ又はラッカーゼを表1に記載の濃度で添加後、表1に記載の酵素反応条件にて酵素反応を行った。その後95℃、10分間加熱し、酵素失活をさせ、比較例3、4のコーヒー抽出液を得た。
なお、比較例5〜7に関しては、95℃で10分間加熱したコーヒー抽出液1、2、5を次の殺菌工程に用いたものとする。
<酵素反応順番>
酵素反応順番の項目における1〜3の意味は以下の通りである。
1:カタラーゼとラッカーゼを同時に添加後、表1記載の反応時間反応させた場合
2:表1記載のカタラーゼの反応時間が終了した時点でラッカーゼを添加し、表1記載の反応時間反応させた場合
3:表1記載のラッカーゼの反応時間が終了した時点でカタラーゼを添加し、表1記載の反応時間反応させた場合。
(殺菌〜充填工程)
準備した実施例1〜17及び比較例1〜7のコーヒー抽出液を、スチール缶(容量200ml)に190g入れ、123℃、7分の条件でレトルト殺菌処理を行った。
官能評価は5℃で1週間保管後の実施例1〜17及び比較例1〜7について、開封直後と開封後3時間のものを準備し、7人のパネラーが以下の評価項目に基づいて実施し、7人のパネラーの評価の平均値を算出(小数点以下は四捨五入)したものである。
<コク味>
0点:感じない
1点:少し感じる
2点:感じるがやや物足りない(前記少し感じるよりも強く感じる)
3点:感じる
4点:強く感じる
5点:非常に強く感じる
<雑味>
0点:感じない
−1点:少し感じる
−2点:やや感じる(前記少し感じるよりも強く感じる)
−3点:十分感じる
−4点:強く感じる
−5点:非常に強く感じる
上述の各評価項目において得られたパネラー評価を足し合わせ合計点を得た。合計点を以って総合評価を行い、下記の通り評価した。
<総合評価>
×:4点以下
△:5、6点
○:7、8点
◎:9、10点
Figure 2017195831
Figure 2017195831
(結果・考察)
コーヒー抽出液に対し0.1〜100ppmのカタラーゼと、0.5〜100ppmのラッカーゼの添加処理を行うことで、コク味が向上しながらも雑味の発生が抑制された容器詰コーヒー飲料を得ることができた。また、各比較例に比べ各実施例は開栓後3時間でも雑味の発生が抑制されたことから、開栓後の呈味劣化も抑制された容器詰コーヒー飲料を得られることが確認された。
なお、比較例1の開封直後の雑味は、多量に添加した酵素が、殺菌工程や1週間の保管によって雑味に変化したものだと考えられる。また、今回の評価項目にはないがコーヒー由来の香気も弱く感じられた。更に、酵素反応終了時点でのコーヒー抽出液が他のサンプルよりも濁っており、液色にも影響が現れた。
本発明は、経時による雑味増大等の品質劣化を抑制しつつもコーヒーのコク味が向上させた容器詰コーヒー飲料及びその製造方法に適用可能である。

Claims (7)

  1. 容器詰コーヒー飲料の製造方法であって、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加して酵素反応をさせる第1の酵素反応工程、及び、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加して酵素反応をさせる第2の酵素反応工程を含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  2. 前記第2の酵素反応工程は、前記第1の酵素反応工程の開始前に終了しないことを特徴とする請求項1に記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  3. 前記第1の酵素反応工程の後に第2の酵素反応工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  4. 前記第1及び第2の酵素反応工程を前記コーヒー抽出液の殺菌工程前であって、且つコーヒー抽出液の抽出完了後120分以内に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  5. 前記第1及び第2の酵素反応工程を15〜60℃で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  6. 容器詰コーヒー飲料中におけるコーヒー由来の固形分がBrix0.8〜2.2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  7. 容器詰コーヒー飲料のコク味が向上されつつ雑味を低減する方法であって、コーヒー抽出液に対しカタラーゼを添加して酵素反応をさせる第1の酵素反応工程、及び、コーヒー抽出液に対しポリフェノールオキシダーゼを添加して酵素反応をさせる第2の酵素反応工程を含むことを特徴とする容器詰コーヒー飲料のコク味が向上されつつ雑味を低減する方法。

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