JP2017196355A - 温浴運動浴槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】 浴槽への出入りに高い階段を要せず、かつ入浴に先立って浅い湯水を貯留しておくことを可能にし、しかも簡便かつ低廉に構成可能な温浴運動浴槽を提供する。
【解決手段】 温浴運動浴槽101は、入浴者の周囲を囲む壁体1と、壁体の内側に配置され、上面が開口しており、湯水を入れたときに、壁体1の内側表面に貼り付き、外側に膨出しないように、この内側表面に支持される大きさであり、上端を上げ下ろし可能なほどに柔軟な水密性シートの容器13と、を有する。壁体1は、周に沿った一部において、下端からある高さ9より上部を開閉する扉3を有している。壁体1と容器13とは、容器13が壁体1と略同じ深さ、及び壁体1のうち扉3より下方の部分11と略同じ深さを含む、複数の深さのうちの任意の深さとなるように、容器13を壁体1に係止する係止部材15,23を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家庭内で温浴運動するための温浴運動浴槽に関する。
近年、高齢者が多くなっており、膝、腰、背中等に、痛みを感じる方が多く、鎮痛シップやテープの貼付薬による痛み対策や手術を受けている方も多い。痛みの部位によっては、歩くことや体重を軽減させることが、医者により推奨されている。鎮痛薬は対症療法である。また、手術を受けた方にも、何らかの不満が残る場合がある。又、歩くことも、痛みを伴うことから抵抗感があり、体重の軽減も容易でないというのが現状である。
温水浴中での歩行等による運動が、浮力を活用した体重軽減を伴うことにより、主に下半身の無理のない筋肉強化に有効であるとして、経験者や医療関係者から推奨されている。しかしこの方法も、現状では、商業的大型プール施設で実施されているに過ぎない。そのため、何らかの交通手段を使って現地まで赴かなければならない、という課題がある。家庭用の個人浴槽が要求されるものの、期待されるほどのものは現在のところ知られていない。その原因は、サイズを最少にして現有の家庭用浴室に設置するとしても、温浴運動を可能にするほどに側壁の高い浴槽に出入するには、段数の多い高い階段が不可欠となることから、占有面積が大きくなるからである。標準的成人の温浴運動に適するには、湯水の深さとして120cm程度を要する。屋外に設置したとしても、浴槽への出入りのために、同様の高い階段の使用が不可欠であることに変わりはなく、そのために設置面積の問題が残る点に変わりはない。
なお、温浴運動を目的とした技術ではないものの、上記の問題の解消につながる技術として、特許文献1〜4に開示される浴槽が知られる。特許文献1は、上部が開放され、かつ折り畳み自在な耐水性の袋体を有し、この袋体内に位置するように、矩形の底板と、この底板の四隅に立設される支柱と、を設置した浴槽を開示している。この浴槽は、湯水を溜めるための袋体が折り畳み自在であることから、階段を設けることなく、入浴者が浴槽へ容易に出入りできる、という利点が期待される。しかし、袋体に湯水を貯留するには、袋体は、相当の水圧に耐える必要があり、折り畳み可能であるという他方の要請との両立が容易でない、という問題点がある。しかも、湯水を貯留すると、袋体が支柱の間から外方に膨れ出るという問題点がある上に、袋体が完全に上方へ引き上げられた状態ではなく、ある程度折り畳まれた状態にあるときには、外方への膨出が特に顕著となる。従って、入浴者が浴槽に入る前に、例えば袋体を跨ぐことを妨げない程度に、袋体をある程度の高さに引き上げた状態にして、浅く湯水を溜めておく、ということが困難である、という問題点がある。冬場など寒冷期であっても、入浴者は、足元を暖めるほどの湯水もない浴槽に入って、湯水の注入を待たざるを得ない。このことは、特に高齢者の健康に好ましくなく、健康の維持・増進という温浴運動の目的に相反することとなる。
特許文献1には更に、別の実施の形態として、袋体の外周を囲むように板状体を配置し、それらをバンド(帯状体)にて固定する形態が開示されている(段落0089)。この形態では、湯水の水圧により袋体が支柱の間から外方に膨れ出るという問題は解消されるであろうし、入浴者が浴槽へ入るときには、低い位置にのみ板状体を設置しておくことにより、出入りを容易にするとともに、あらかじめ浅く湯水を溜めておくことも可能となろうが、入浴の度に板状体とバンドを取り付け取り外すという、煩わしい手間を要する。板状体とバンドとを取り付けたままにしておく、という使い方が、仮に想定できたとしても、その場合には、入浴者が浴槽に出入りするには、高い位置に取り付けられた板状体を乗り越える必要がある。このため、既に述べたように高い階段の使用が不可欠となり、設置面積の問題が残ることとなる。
特許文献2は、四周の一側壁に外開きの扉を設けることにより、入浴者の出入りを容易にした浴槽を開示している。この浴槽においては、扉を開くと浴槽内の湯水は全て浴槽外へ漏れ出ることとなる。従って、特許文献1と同様に、入浴前に浅く湯水を溜めておくことができない、という問題点がある。また、浴槽は湯水の漏れを防ぐ水密性である必要があり、特に閉じられた扉を水密に保持する必要があることから、浴槽が高価のものとなる、という問題点がある。
特許文献3は、四周の一側壁に上下スライド式の扉を設けることにより、入浴者の出入りを容易にした浴槽を開示している。この従来技術も、特許文献2と同様の問題点を有している。
特許文献4は、多数の細長部材を屈曲可能に連結してなる簀の子状の浴槽枠を円筒状に巻き、この円筒状の浴槽枠の内側に防水シートを配置し、防水シート内に湯水を貯留することを可能にした浴槽を開示している。浴槽枠は、桶の箍(たが)のように、外周面上に巻かれたベルトにより円筒形状が保たれる。ベルトの締め付け状態を解除することにより、浴槽枠を円筒状に巻いた状態を解くことができるので、入浴者は浴槽へバリアフリーに出入りすることができる。しかし、この従来技術も、特許文献1と同様に、入浴前に浅く湯水を溜めておくことができない、という問題点がある。
特許第4156011号公報 特開2006-20989号公報 特開2013-223716号公報 特開2010-12215号公報
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、浴槽内で温浴運動をするために湯水を深く貯留することを可能にしつつ、浴槽への出入りに高い階段を要せず、かつ入浴に先立って浅い湯水を貯留しておくことを可能にし、しかも簡便かつ低廉に構成可能な温浴運動浴槽を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、湯水中で入浴者が運動するための温浴運動浴槽であって、前記入浴者の周囲を囲む壁体と、前記壁体の内側に配置され、上面が開口しており、湯水を入れたときに、前記壁体の内側表面に貼り付き、外側に膨出しないように当該内側表面に支持される大きさであり、上端を上げ下ろし可能なほどに柔軟な水密性シートの容器と、を備えている。前記壁体は、周に沿った一部において、下端からある高さより上部を開閉する扉を有している。前記壁体と前記容器とは、前記容器が前記壁体と略同じ深さ、及び前記壁体のうち前記扉より下方の部分と略同じ深さを含む、複数の深さのうちの任意の深さとなるように、前記容器を前記壁体に係止する係止部材を有する。
この構成によれば、容器が扉より下方の壁体の部分と略同じ深さとなるように、容器を係止した状態で、容器内に湯水を貯留しておくことができ、入浴者は扉の開いた出入り口を通って、湯水がある程度貯留された壁体内に入ることができる。すなわち、身体の一部を暖めつつ、湯水の注入を待つことが出来る。その後に、容器が壁体と略同じ深さとなるように容器を係止し、扉を閉じ、入浴が可能なまでに湯水を注入することができる。これにより、入浴者は十分な量の湯水中での入浴及び運動が可能となる。入浴者が入浴を終了して壁体の外に出るときには、容器の係止状態を解除する。それにより、容器を浅くすることができ、容器内の湯水が容器外に漏れ出る。漏れ出た湯水は、壁体の下端、あるいは壁体に設けられた小さな隙間などを通じて、壁体の外部に漏れ出る。湯水が十分に漏れ出た後に、扉を開くことにより、入浴者は壁体の外に出ることができる。入浴者は扉の開いた出入り口を通って、壁体に出入りすることができるので、温浴運動を可能にするほどの高さの壁体の上端を跨いで出入りする必要がない。このため、出入りに階段を設置する場合であっても、段数の多い高い階段を設置する必要がない。また、湯水は柔軟な水密性の容器、例えば薄い樹脂製の袋により保持されるので、壁体を水密性にする必要が無く、閉じられた扉を水密に保持する必要もない。このため、この構成による温浴運動浴槽は、簡便かつ廉価に構成することができる。
なお、壁体は、たとえばメッシュ状であるなど、容器の膨出を妨げる程度の小さな空隙を有していても良い。また、容器は湯水を抜くための栓を有していても良い。栓がある場合には、入浴者が入浴を終了して壁体の外に出るときには、まず栓を開けることにより湯水を抜いてから容器の係止状態を解除することも可能である。このような形態も、本発明の第1の態様に含まれる。
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による温浴運動浴槽であって、前記ある高さは、標準的な成人の足首の高さ以上、かつ膝の高さ以下である。
この構成によれば、階段がなくても、入浴者は扉の開いた出入り口を跨いで通ることができる。すなわち、階段の設置を略することができるので、より狭い浴室にも適合する。また、足元を暖めるほどの湯水を、入浴者の入浴前に溜めておくことが可能である。
本発明のうち第3の態様によるものは、第1又は第2の態様による温浴運動浴槽であって、前記容器の中に投入されることにより、容器を満たす湯水の量を節減する浸漬物と、前記壁体の上方に設置される滑車と、当該滑車に掛け回されることにより、前記浸漬物を吊り下げる紐体とを、さらに備えている。そして、前記壁体と前記紐体とは、前記浸漬物を複数の高さのうちの任意の高さに保持するように、前記浸漬物とは反対側に前記滑車から吊り下がる前記紐体を、前記壁体に係止する別の係止部材を、さらに有する。
この構成によれば、前記浸漬物を異なる高さに保持することができ、それにより、容器を満たす湯水の量を加減することができる。
本発明のうち第4の態様によるものは、第1から第3のいずれかの態様による温浴運動浴槽であって、前記扉は、外側開きの扉であり、前記壁体は、前記扉が閉じた状態を維持するロック機構を、さらに有する。
この構成によれば、扉の開閉が容易であるとともに、扉が湯水の水圧により開放することを防ぐことができる。
本発明のうち第5の態様によるものは、第1から第4のいずれかの態様による温浴運動浴槽であって、前記壁体は、周に沿った前記一部において、前記ある高さより下部を開閉する別の扉を、さらに有する。
この構成によれば、使用者の中に僅かな高さをも跨ぐことの困難な人があっても、別の扉を開くことにより、浴槽に出入りすることができる。
本発明のうち第6の態様によるものは、第5の態様による温浴運動浴槽であって、前記別の扉は、外側開きの扉であり、前記壁体は、前記別の扉が閉じた状態を維持する別のロック機構を、さらに有する。
この構成によれば、別の扉の開閉が容易であるとともに、別の扉が湯水の水圧により開放することを防ぐことができる。
本発明のうち第7の態様によるものは、第1から第6のいずれかの態様による温浴運動浴槽であって、前記容器の上端縁に沿って取り付けられ、当該上端縁の平面輪郭形状を保持する環状枠体をさらに備える。
この構成によれば、壁体の内側において容器の上端を上げ下ろしする作業が容易に行い得る。
本発明のうち第8の態様によるものは、第1から第7のいずれかの態様による温浴運動浴槽であって、湯水を貯留する貯留槽と、当該貯留槽と前記壁体の内側に配置された前記容器との間で、湯水をやり取りするポンプ装置と、をさらに備える。
この構成によれば、温浴運動のために用いた湯水を、貯留槽に溜めておき、再度温浴運動を行うときに、再利用することができる。
以上のように本発明によれば、浴槽内で温浴運動をするために湯水を深く貯留することを可能にしつつ、浴槽への出入りに高い階段を要せず、かつ入浴に先立って浅い湯水を貯留しておくことを可能にし、しかも簡便かつ低廉に構成可能な温浴運動浴槽が実現する。
本発明の一実施の形態による温浴運動浴槽の斜視図である。 図1の浴槽の、容器が深い状態にあるときの断面図である。 図1の浴槽の、容器が浅い状態にあるときの断面図である。 図1の浴槽の、浸漬物を使用しているときの断面図である。 本発明の別の実施の形態による温浴運動浴槽の斜視図である。 本発明のさらに別の実施の形態による温浴運動浴槽を、一部切断して示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施の形態による温浴運動浴槽の概略構成を示す概略斜視図である。
図1は、本発明の一実施の形態による温浴運動浴槽の構成を示す斜視図である。この温浴運動浴槽101は、入浴者の四周を矩形環状に囲む壁体1を有している。壁体1は、例えば浴室の床面2の上に置かれる。壁体1の一壁面(正面とする)には、扉3が設けられている。図1の例では、扉3は外側片開きのドア式であり、正面右側に設けられるヒンジ(図示略)によって回動自在となっている。扉3の正面左側には、扉3を閉じた状態に保持するロック機構5が設けられている。ロック機構5は、レバー7を左右に回動させることにより、施錠及び解錠が可能となっている。このような機能を果たすロック機構5の構造として、様々な形態が周知であることから、その詳細な説明は略する。扉3は、壁体1の下端からある高さ9までの範囲を固定壁11として残し、その上部において開閉する。高さ9は、好ましくは、標準的な大人の脛の高さ、すなわち足首から膝までの範囲内に設定される。それにより、入浴者は階段や足場を要せずに、扉3が開いた出入り口を、出入りすることが可能となる。
壁体1の内側には、樹脂などの水密性かつ柔軟なシートにより形成された容器13が配置されている。容器13は、上面が開口する袋状であり、上端部に複数の係止部材15が連結されている。係止部材15は、帯体17と、帯体17に取り付けられた留め具19,21とを有している。図1の例では、留め具19は帯体17の末端に設けられ、留め具21は根元付近に設けられている。壁体1の左側壁(図において手前側の壁)と右側壁(図において奥側の壁)には、外側に突出する鉤(かぎ)状の係止部材23が固定されている。留め具21を係止部材23に止めることにより、容器13の上端を引き上げた状態で、容器13を壁体1に係止することができる。すなわち、容器13を深い状態に保つことができる。図1の例では、容器13は上端部が壁体1の上端を超えて外側に垂れた状態で係止されている。
このように、扉3を閉じ、ロック機構5により施錠をし、留め具21を係止部材23に係止した状態で、容器13内に湯水25を深く貯留させることが可能となる。容器13は、外側に広がるように湯水25の圧力を受けるが、壁体1により受け止められる。このため、容器13は、湯水25の圧力に耐えるほどの強度を要しない。また、容器13は、湯水25を注入したときに、壁体1に貼り付くことにより壁体1に受け止められるほどの大きさに構成される。
湯水25は水密性の容器13によって保持されるので、扉3を含めて、壁体1を水密性にする必要がない。例えば、壁体1は、長板材を互いに継ぎ合わせることによって形成することが可能である。また、壁体1は、多数の小孔を有するメッシュ状の壁体であってもよい。壁体1に空隙や孔があっても、容器13のシートが水圧により、空隙等からはみ出るほどの大きさでなければ、問題は無い。また、扉3と壁体1の残余の部分との間も、水密に保つ必要がない。すなわち、浴槽101は、低廉なコストで、簡便に作ることができる。
図2は、温浴運動浴槽101の、容器13が深い状態にあるときの断面図である。図2に示すように、壁体1及び容器13は、入浴者27が起立した状態であっても、胸まで湯水25を溜めることが可能なほどの深さを有する。また、前後左右にも、ある程度の広さを有する。これにより、入浴者27は、湯水25の中で温浴運動をすることができる。
図1に示した留め具21に代えて、留め具19を係止部材23に係止することにより、容器13の上端を壁体1内に低く保持することができ、それにより容器13を浅くすることができる。図3は、温浴運動浴槽101の、容器13が浅い状態にあるときの断面図である。図3において、容器13の高さは、おおよそ扉3の下端の位置すなわち高さ9に設定されている。すなわち、容器13はおおよそ固定壁11と同じ深さとなっている。この状態では、容器13内の湯水25の水圧に妨げられることなく、扉3を開閉することが可能であり、扉3を開いて入浴者27が、容器13に妨げられることなく、容器13内へ出入りすることが可能である。入浴者27が入浴のために容器13内へ入る前に、図3の状態にある容器13に、予め湯水25を貯留しておくことができる。それにより、入浴者27は、冬季など寒冷時においても、身体の一部を暖めつつ、入浴に適するまで湯水25が満たされるのを待つことができる。入浴者27が容器13内へ入ると、扉3を閉じ、ロック機構5を施錠し、係止部材15を引き上げ、留め具19に代えて留め具21を係止部材23に止めることにより、容器13を図2に例示した深さとすることができる。それにより、湯水25を十分な深さにまで注入することができる。
入浴が終了すると、留め具21を係止部材23から外す。また、図1に例示するように、容器13の上端部が壁体1の上端において折り返されているときには、折り返された容器13の上端部を壁体1の内側に戻す。これにより、湯水25が容器13の外に漏れ出てゆく。漏れ出た湯水25は、壁体1の隙間、孔、下端と床の隙間などから、壁体1の外へ漏れ出る。容器13が、湯水25の圧力により壁体1に押しつけられることにより、浅くならないときには、容器13を壁体1からめくって引き下げると良い。湯水25が固定壁11の深さにまで達すると、入浴者27は、ロック機構5を解錠し、扉3を開いて外に出ることができる。
容器13内の空間全体を使用する訳ではないときには、湯水25の量を節減するために、容器13内の湯水25に浸漬されて湯水25を押しのける、非浸水性の物体を使用することが有効である。図4は、貯留される湯水25の量を、このような浸漬物によって調整するための簡便な機構を例示する。図4の例では、浴室の天井31に滑車33が取り付けられており、滑車33に掛け回されたロープなどの紐体39により、非浸水性の浸漬物37が吊り下げられている。浸漬物37が連結された側とは反対側に滑車33から吊り下がる紐体39には、係止部材として機能する環状の留め具41が、複数箇所に設けられている。図1にも例示するように、壁体1の側壁には、容器13の深さを保持するための係止部材23とは別に、留め具41を止めるための鉤状の係止部材43が固定されている。入浴者27あるいはその介護者は、係止部材43に止める留め具41を代えることにより、浸漬物37の高さを変えることができ、それにより、貯留される湯水25の量を、好みの量に調整することができる。
浸漬物37は、高さを調整する負担を軽減する意味で、重量が軽い方が望ましく、湯水25の比重よりわずかに大きい程度であることが望ましい。例えば、適量の水を注入した樹脂製の密閉容器、例えば灯油用タンクを、浸漬物37として使用することができる。タンクに取手(とって)がある場合には、紐体39の端部を取手に結び付けることにより、紐体39にタンクを容易に連結することができる。
(別の実施の形態)
例示した温浴運動浴槽101では、壁体1は平面視形状が矩形であったが、矩形以外、例えば円形であってもよい。また、壁体1は無底であったが、有底であっても良い。容器13の深さを調節するために、1本の帯体17に複数の留め具19,21を設ける代わりに、先端に留め具19のみを設け、係止部材23を上下方向に沿った複数箇所に設けてもよい。留め具41と係止部材43についても同様である。また、係止部材23,43は、例えば上向きの鉤状として、壁体1の内側に突起するように設けても良い。さらに扉3は、図1に例示した回動式に代えて、鉛直スライド式など他の方式を採ることも可能である。鉛直スライド式であれば、湯水25の水圧より扉が開くことがないので、ロック機構5は無用である。このように、本発明において「扉」は、開口部を開閉する部材を広く意味する語として使用している。
固定壁11の高さを、標準的な大人の膝の高さよりも高くすることも可能である。このときには、高さによっては、床面2の上及び容器13の底面の上に、足場あるいは階段を置くことが望ましい。それでもなお、扉3があることにより、入浴者27は壁体1の上端を跨ぐ必要がないので、扉3が無い場合に比べて、足場あるいは階段は低いもので足りる。
容器13は、底面ないし底面に近い側面に、湯水を抜くための栓が設けられても良い。栓は、例えば入浴者27が操作できるように容器14の内側に設けられる。容器13に栓が設けられる場合には、入浴者27が入浴を終了して壁体1の外に出るときには、まず栓を開けることにより湯水25を抜いてから、留め具21を係止部材23から外すことも可能である。また、栓は1箇所だけでなく複数箇所にあってもよい。特に、容器13の側面の深さの異なる部位に、栓を設けても良い。この場合には、入浴者27が、湯水の深い部位にある栓に手を伸ばすことなく、湯水の水位が下がるのに従い、浅い部位にある栓から順に、楽に開けてゆくことができる。
温浴運動浴槽101は、家庭用浴室の床の上だけでなく、浴室内の既製の浴槽とサイズが整合するのであれば、浴槽の中に入れて使用することも可能である。また図4には、滑車33が浴室の天井31に取り付けられる例を示したが、壁体1に支柱(図示略)を取り付けて、その頂部に取り付けたり、温浴運動浴槽101を屋外に設置する場合には、樹木の枝に取り付けたりするなど、壁体1の上方にある様々な物体、構造物に取り付け可能である。
図5は、本発明の別の実施の形態による温浴運動浴槽の斜視図である。この温浴運動浴槽102は、図1に例示した温浴運動浴槽101の固定壁11に、もう一つの扉53が設けられている。図5の例では、扉53は、図1に例示した扉3と同じく、外側片開きのドア式であり、正面右側に設けられるヒンジ(図示略)によって回動自在となっている。扉3の正面左側には、扉3を閉じた状態に保持するロック機構55が設けられている。僅かな高さをも跨ぐことの困難な入浴者27がある場合であっても、扉53を開くことにより、浴槽に出入りすることができる。すなわち温浴運動浴槽102は、入浴者27が容器13内へ入る前に、湯水25をある高さまで貯留しておくことよりも、入浴者27がバリアフリーに容器13に出入りできることを優先すべき場合にも、対応可能である。
図6は、本発明のさらに別の実施の形態による温浴運動浴槽を、一部切断して示す斜視図である。この温浴運動浴槽103では、容器13の開口端縁である上端縁60に沿って、環状枠体61が取り付けられている。環状枠体61は、壁体1の内側面に沿う形状であり、図6の例では矩形である。容器13の上端縁60は、例えば、間隔をおいて配列する帯状体63によって、環状枠体61に連結される。帯状体63は、例えば容器13と同一材料であり、例えば熱融着あるいは接着により、容器13に固着されている。環状枠体61が設けられることにより、容器13の上端縁60の高さを一様に保持しながら、容器13を容易に上げ下ろしすることが可能となる。環状枠体61の材料は、例えば、アルミニウムなどの金属、あるいは硬質のプラスチックである。また、環状枠体61は、例えば管(パイプ)状である。
容器13を引き上げた状態で壁体1に係止するには、図1に例示した係止部材15を用いることもできるが、図6には別の例として、紐体65を用いる例を示す。壁体1の上端縁付近には、紐体65が挿通される貫通孔67が並んでいる。隣り合う2個の貫通孔67に1本の紐体65が挿通される。紐体65を使用しないときには、紐体65の両端は壁体1の内側に垂れている。図6に例示するように、環状枠体61を高く引き上げ、紐体65を縛り付けることにより、容器13を引き上げた状態に保持することができる。容器13を低い位置、一例として図1に例示した高さ9に保持するには、高さ9よりも幾分高い位置に配列するように、貫通孔67と同様の貫通孔(図示略)を壁体1に形成し、これらの貫通孔に、紐体65と同様の紐体を挿通するとよい。これらの紐体を環状枠体61に縛り付けることにより、容器13の高さを、高さ9と同レベルに保持することができる。容器13内の湯水25の水圧により、容器13が貫通孔から膨出しないように、貫通孔は紐体が隙間無く挿通する程度に小さく設定するのが望ましい。紐体65を挿通する貫通孔67を様々な高さに形成することにより、容器13の高さを多段階に変えることが可能である。なお、環状枠体61が取り付けられていない容器13の高さを保持するためにも、紐体65を使用することが可能である。この例では、紐体65、環状枠体61及び帯状体63は、本発明の係止部材の別の具体例に相当する。
容器13の高さを保持する手段のさらに別の例として、壁体1の内壁面に例えば鉤型の吊り具(図示略)を設置し、帯状体63に穴を開けておき、この穴を吊り具に掛けることにより、容器13の高さを保持するようにしてもよい。吊り具を様々な高さに設置することにより、容器1の高さを様々に調節することができる。この例では、吊り具及び帯状体63は、本発明の係止部材のさらに別の具体例に相当する。この吊り具は、例えば、図1に例示した係止部材23の上下を逆にして、鈎が上向きとなるようにしたものであってもよい。
図7は、本発明のさらに別の実施の形態による温浴運動浴槽の概略構成を示す概略斜視図である。この温浴運動浴槽104は、既に例示した温浴運動浴槽101〜103に加えて、湯水25を貯留する貯留槽71と、この貯留槽71と温浴運動浴槽101〜103の容器13との間で、湯水25をやり取りするポンプ装置73と、を有している。温浴運動を行うために容器13内に入れて使用した湯水25を、使用後にポンプ装置73により貯留槽71に溜めておき、再度温浴運動を行うときに、容器13に戻して再利用することができる。それにより、湯水25を節減することができる。ポンプ装置73内にフィルタ(図示略)を設置することにより、汚れや菌を除去した清浄な湯水25に再生して再利用することも可能である。
1 壁体、 2 床面、 3 扉、 5 ロック機構、 7 レバー、 9 高さ、 11 固定壁、 13 容器、 15 係止部材、 17 帯体、 19,21 留め具、 23 係止部材、 25 湯水、 27 入浴者、 31 天井、 33 滑車、 37 浸漬物、 39 紐体、 41 留め具、 43 係止部材、 53 扉、 55 ロック機構、 60 上端縁、 61 環状枠体、 63 帯状体、 65 紐体、 67 貫通孔、 71 貯留槽、 73 ポンプ装置、 101,102,103,104 温浴運動浴槽

Claims (8)

  1. 湯水中で入浴者が運動するための温浴運動浴槽であって、
    前記入浴者の周囲を囲む壁体と、
    前記壁体の内側に配置され、上面が開口しており、湯水を入れたときに、前記壁体の内側表面に貼り付き、外側に膨出しないように当該内側表面に支持される大きさであり、上端を上げ下ろし可能なほどに柔軟な水密性シートの容器と、を備え、
    前記壁体は、周に沿った一部において、下端からある高さより上部を開閉する扉を有し、
    前記壁体と前記容器とは、前記容器が前記壁体と略同じ深さ、及び前記壁体のうち前記扉より下方の部分と略同じ深さを含む、複数の深さのうちの任意の深さとなるように、前記容器を前記壁体に係止する係止部材を有する、温浴運動浴槽。
  2. 前記ある高さは、標準的な成人の足首の高さ以上、かつ膝の高さ以下である、請求項1に記載の温浴運動浴槽。
  3. 前記容器の中に投入されることにより、容器を満たす湯水の量を節減する浸漬物と、
    前記壁体の上方に設置される滑車と、
    当該滑車に掛け回されることにより、前記浸漬物を吊り下げる紐体とを、さらに備え、
    前記壁体と前記紐体とは、前記浸漬物を複数の高さのうちの任意の高さに保持するように、前記浸漬物とは反対側に前記滑車から吊り下がる前記紐体を、前記壁体に係止する別の係止部材を、さらに有する請求項1又は2に記載の温浴運動浴槽。
  4. 前記扉は、外側開きの扉であり、
    前記壁体は、前記扉が閉じた状態を維持するロック機構を、さらに有する請求項1から3のいずれかに記載の温浴運動浴槽。
  5. 前記壁体は、周に沿った前記一部において、前記ある高さより下部を開閉する別の扉を、さらに有する、請求項1から4のいずれかに記載の温浴運動浴槽。
  6. 前記別の扉は、外側開きの扉であり、
    前記壁体は、前記別の扉が閉じた状態を維持する別のロック機構を、さらに有する請求項5に記載の温浴運動浴槽。
  7. 前記容器の上端縁に沿って取り付けられ、当該上端縁の平面輪郭形状を保持する環状枠体をさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載の温浴運動浴槽。
  8. 湯水を貯留する貯留槽と、
    当該貯留槽と前記壁体の内側に配置された前記容器との間で、湯水をやり取りするポンプ装置と、をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の温浴運動浴槽。
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