以下、図面を用いて本実施の形態に係る車両用ワイパ装置10について説明する。図2及び図3に示されるように、車両用ワイパ装置10は、略長尺状に形成されたワイパアーム12と、ワイパアーム12の先端部に着脱可能に連結された略長尺状のワイパブレード100と、を含んで構成されている。そして、ワイパアーム12が回動されることで、ワイパブレード100が車両(自動車)の「ウインドシールド」としてのウインドシールドガラスG(以下、WSガラスGという)の被払拭面Sを払拭するようになっている。以下、主として車両用ワイパ装置10のワイパアーム12の構成について説明する。
(ワイパアームの全体構成について)
図2及び図4に示されるように、ワイパアーム12は、略長尺状に形成されて、WSガラスG(図2及び図4では不図示)の厚さ方向(被払拭面Sに対して直交する方向であり、図4の矢印C及び矢印D方向)においてWSガラスGと対向して配置されている。なお、以下の説明では、ワイパアーム12の長手方向一方側(図2及び図4に示される矢印A方向側)をアーム先端側と称し、ワイパアーム12の長手方向他方側(図2及び図4に示される矢印B方向側)をアーム基端側と称する。また、ワイパアーム12に対してWSガラスGとは反対側(図4に示される矢印C方向側)をアーム上側と称し、ワイパアーム12に対してWSガラスG側(図4に示される矢印D方向側)をアーム下側と称する。
ワイパアーム12は、ワイパアーム12の基端側の部分を構成するアームヘッド14と、ワイパアーム12の長手方向中間部分を構成するリテーナ30と、ワイパアーム12の先端側の部分を構成するアームピース60と、を含んで構成されている。また、アームピース60の先端部には、「第1ウォッシャノズル」としてのメインノズル40が取付けられている。さらに、リテーナ30の先端部には、「第2ウォッシャノズル」としてのサブノズル42が取付けられている。すなわち、ワイパアーム12は、ノズル付ワイパアームとして構成されている。
リテーナ30の内部には、メインノズル40に洗浄液を供給するための「第1ホース」としてメインノズル用ホースH1と、サブノズル42に洗浄液を供給するための「第2ホース」としてのサブノズル用ホースH2と、が配策されている。さらに、ワイパアーム12は、リテーナ30の基端側の開口部を塞ぐ「カバー」としてのリテーナカバー70(図5及び図8参照)と、リテーナ30の長手方向中間部において、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2をリテーナ30内に保持させるためのホースホルダ90(広義には、「ホルダ」として把握される要素であり、図12参照)と、を備えている。以下、各構成について説明する。
(アームヘッドについて)
アームヘッド14は、アルミニウムのダイカスト成形により略長尺ブロック状に形成されている。アームヘッド14の基端部には、固定部16が形成されており、固定部16は、略円柱形状のピボット軸PA(図3参照)の先端部に締結固定されている。このピボット軸PAは、車両のフレーム等に固定されたピボットホルダ(図示省略)に回動自在に支持されると共に、ワイパモータ(図示省略)にリンク機構等を介して連結されている。そして、ワイパモータの駆動力によってピボット軸PAが往復回動することで、図3に示されるように、ワイパアーム12が、停止位置と反転位置との間を往復回動するようになっている。なお、ワイパアーム12が、停止位置から反転位置へ向かう方向(図3の矢印a方向)を回動方向一方側とし、反転位置から停止位置へ向かう方向(図3の矢印b方向)を回動方向他方側としている。なお、固定部16の上部は、キャップ26によってアーム上側から覆われており、ピボット軸PAの先端部がキャップ26によって視認不能に構成されている。
図5に示されるように、アームヘッド14の先端部には、後述するリテーナ30をアームヘッド14に連結させるためのヘッド側連結部18が形成されている。なお、図5では、便宜上リテーナ30を図示省略している。このヘッド側連結部18には、アームヘッド14の幅方向を軸方向とする連結軸20が貫通して設けられている。また、ヘッド側連結部18の先端部には、連結軸20に対してアーム上方側の位置において、後述するスプリングガイド54を支持する支持軸22が埋設されており、支持軸22は、アームヘッド14の幅方向を軸方向として連結軸20と平行に配置されている。さらに、ヘッド側連結部18の先端部には、幅方向中央部において、アーム上下方向に貫通されたスリット18Aが形成されており、スリット18Aは、アームヘッド14の先端側へ開放されている。そして、支持軸22の長手方向中間部がスリット18A内に露出された状態で配置されて、後述するスプリングガイド54がスリット18A内において支持軸22に回動可能に支持されている。
また、アームヘッド14内には、後述するメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が配策されている。このメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2は、アームヘッド14の先端部における下端部から後述するリテーナ30側へ延出されて(図8参照)、リテーナ30の内部に配策される構成になっている。さらに、アームヘッド14には、アーム上方側から樹脂製のヘッドカバー24(図2及び図4参照)が装着されている。
(リテーナ30について)
図2及び図4に示されるように、リテーナ30は、略長尺状に形成され、長手方向から見てアーム下方側(WSガラスG側)へ開放された断面略U字状(凹状)を成すと共に、金属板材をプレス装置によって曲げ加工して形成されている。具体的には、リテーナ30は、頂壁30Aと、頂壁30Aの幅方向両端からそれぞれアーム下方側へ延出された一対の側壁30B、30Cと、を含んで構成されている。また、リテーナ30の先端側の部分は、アーム先端側から見て、アーム先端側へ向かうに従い時計回り(右回り)に略45°に捩じられている(言い換えれば、リテーナ30の先端側の頂壁30AがWSガラスGの被払拭面Sに対し略45°傾斜するようリテーナ30の基端側の頂壁30Aに対して捩じれている)。また、リテーナ30の幅寸法は、アーム先端側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。
図8に示されるように、リテーナ30の基端部における内部には、アームヘッド14のヘッド側連結部18が収容されて、リテーナ30の基端部がアームヘッド14に連結されている。具体的には、リテーナ30における一対の側壁30B、30Cの基端部に、前述した連結軸20の長手方向両端部がカシメ加工等によって固定されている。これにより、リテーナ30が、アームヘッド14に連結されると共に、連結軸20の軸回りに回動可能に構成されている。詳しくは、リテーナ30が、WSガラスGと対向して配置される払拭姿勢位置(図7(A)に示される位置)と、払拭姿勢位置からWSガラスGに対して離間する方向に回動されてWSガラスGに対して起立する起立姿勢位置(図7(B)に示される位置)と、の間を回動するように構成されている。なお、リテーナ30が起立姿勢位置に回動されたときには、リテーナ30の頂壁30Aの基端がアームヘッド14の先端部に当接されて、リテーナ30のWSガラスGとは反対側へのさらなる回動が制限されるようになっている。
さらに、図5及び図6に示されるように、リテーナ30とアームヘッド14との間には、付勢機構50が設けられており、リテーナ30の払拭姿勢位置では、リテーナ30が付勢機構50によってWSガラスG側(図7の矢印c方向側)へ付勢されるようになっている。以下、付勢機構50について説明する。
付勢機構50は、リテーナ30に付勢力を付与するための圧縮スプリング52と、圧縮スプリング52の姿勢を維持するための「支持部材」としてのスプリングガイド54と、スプリングガイド54の先端側を係止するためのピン56及び「ブラケット」としてのストッパブラケット58と、を含んで構成されている。
スプリングガイド54は、鋼板などによって製作されて、リテーナ30の長手方向に沿った略長尺状に形成されている。このスプリングガイド54は、リテーナ30の幅方向を板厚方向としてリテーナ30の基端部の内部に配置されて、アームヘッド14のヘッド側連結部18に連結されている。具体的には、スプリングガイド54の基端部には、略台形板状の台座部54Aが形成されており、台座部54Aの基端部が、アームヘッド14におけるヘッド側連結部18のスリット18A内に挿入されている。また、台座部54Aには、連結孔54B(図6参照)が貫通形成されており、連結孔54B内に支持軸22が挿通されてスプリングガイド54が支持軸22に回転可能に支持されている。
また、スプリングガイド54は、略矩形棒状のガイド部54Cを備えており、ガイド部54Cは台座部54Aの略上下方向中間部からリテーナ30の先端側へ延出されている。そして、リテーナ30の払拭姿勢位置では、ガイド部54Cが、連結孔54B(支持軸22)に対してアーム下方側(WSガラスG側)に配置されている。換言すると、連結孔54B(支持軸22)が、ガイド部54Cに対してアーム上方側(WSガラスGとは反対側)にオフセットして配置されている。
図7(A)及び図7(B)にも示されるように、ピン56は、リテーナ30の幅方向を軸方向にして配置されると共に、リテーナ30の一対の側壁30B、30Cに架け渡されて固定されている。また、ピン56は、スプリングガイド54(ガイド部54C)の先端部に対して、アーム下方側(WSガラスG側)に配置されて、ガイド部54Cの先端部を当接状態で係止している。
ストッパブラケット58は、リテーナ30の内部に配置されると共に、側面視で略逆L字形板状に形成されている。具体的には、ストッパブラケット58は、リテーナ30の頂壁30Aと平行に配置された固定壁58Aと、固定壁58Aにおけるアーム基端側の端部からアーム下方側へ延出されたストッパ壁部58Bと、を含んで構成されている。そして、固定壁58Aが、ピン56のアーム上方側の位置において、リテーナ30の頂壁30Aに固定ピンPによってカシメ固定されている。また、この状態では、ストッパ壁部58Bがピン56に対してリテーナ30の基端側に配置されている。
さらに、ストッパ壁部58Bには、幅方向中央部において、アーム下方側へ開放されたガイド用スリット58Cが形成されており、ガイド用スリット58C内にスプリングガイド54(ガイド部54C)の先端部が挿通されている。すなわち、スプリングガイド54(ガイド部54C)の先端部が、ストッパブラケット58(のガイド用スリット58C)及びピン56によってアーム上下方向に挟まれている。これにより、リテーナ30がアームヘッド14に対して連結軸20の軸回りに回動しても、スプリングガイド54が支持軸22の軸回りに回動可能に構成されている。
圧縮スプリング52は、スプリングガイド54に取付けられて、ストッパブラケット58とスプリングガイド54の台座部54Aとの間に配置されている。具体的には、圧縮スプリング52の内部にスプリングガイド54のガイド部54Cが挿入されており、圧縮スプリング52が圧縮変形した状態でスプリングガイド54に取付けられている。そして、この状態では、圧縮スプリング52の先端部がストッパブラケット58のストッパ壁部58Bをリテーナ30の先端側へ付勢している。また、圧縮スプリング52の基端部とスプリングガイド54の台座部54Aとの間には、ワッシャ59(図6参照)が介在されており、圧縮スプリング52の基端部をワッシャ59及び台座部54Aによって支持するようになっている。
ここで、図7(A)に示されるように、リテーナ30の払拭姿勢位置では、側面視で連結軸20の軸心と支持軸22の軸心とを結ぶ架空線Lに対してストッパ壁部58BがWSガラスG側に位置している。このため、リテーナ30の払拭姿勢位置では、圧縮スプリング52によってリテーナ30にWSガラスG側(図7(A)の矢印c方向側)への回動力として付勢力が作用して、ワイパブレード100がWSガラスGを押圧するようになっている。
一方、図7(B)に示されるように、リテーナ30の起立姿勢位置では、上記架空線Lに対してストッパ壁部58BがWSガラスGとは反対側に位置している。このため、リテーナ30の起立姿勢位置では、圧縮スプリング52によってリテーナ30にWSガラスGとは反対側(図7(Bの矢印d方向側)への付勢力が作用するようになっている。これにより、リテーナ30にWSガラスGとは反対側への回動力として付勢力が作用して、リテーナ30が起立姿勢位置に保持されるようになっている。
また、リテーナ30が起立姿勢位置に配置されたときには、リテーナ30が払拭姿勢位置に配置されたときと比べて、支持軸22がリテーナ30の側壁30B、30Cの先端側(リテーナ30の開口側)に配置される。そして、このときには、圧縮スプリング52における基端側の部分の一部が、リテーナ30の開口部から突出する(はみ出る)ようになっている。
リテーナ30の構成の説明に戻って、図8に示されるように、リテーナ30の側壁30B、30Cの基端部には、側壁30B、30Cの下端部(アーム下側の端部)において、係合部32がそれぞれ形成されている。この係合部32は、側壁30B、30Cの下端部において、リテーナ30の幅方向内側へ屈曲されて、リテーナ30の開口部に配置されている。また、係合部32の下面は、後述するリテーナカバー70の下面に対して若干アーム上側に配置されるように設定されている。
図2及び図4に示されるように、リテーナ30の先端部には、サブノズル42が取付けられている。このサブノズル42には、リテーナ30の内部に配策されたサブノズル用ホースH2の一端部が接続されており、サブノズル用ホースH2の他端部は、車両のサブウォッシャポンプ(図示省略)に接続されている。これにより、車両のウォッシャタンク(図示省略)からサブウォッシャポンプによって圧送された洗浄液がサブノズル42へ供給されるようになっている。
そして、サブノズル42には、図示しないサブノズル噴射孔が形成されており、サブノズル42に供給された洗浄液が、サブノズル噴射孔によってWSガラスGへ噴射されるようになっている。具体的には、ワイパブレード100の往復回動においてワイパブレード100が復動側(図3の矢印b方向)へ回動するときに、サブノズル噴射孔から洗浄液がワイパブレード100の進行方向側に噴射されるようになっている。
(アームピースについて)
図2及び図4に示されるように、アームピース60は、略長尺板状に形成されており、アームピース60の基端部が、リテーナ30の先端部にカシメ加工によって固定されている。また、アームピース60の長手方向中間部には、クランク状に形成されたクランク部62が形成されており、アームピース60の先端部が、その基端部(すなわち、リテーナ30の先端部)に対して回動方向一方側へオフセットしている。そして、アームピース60の先端部にワイパブレード100の長手方向中間部が連結されている。これにより、アーム上下方向から見て、ワイパブレード100が、アームピース60の基端部及びリテーナ30に対して、回動方向一方側に配置されている。
アームピース60の先端部には、メインノズル40が取付けられている。このメインノズル40には、リテーナ30の内部に配策されたメインノズル用ホースH1の一端部が接続されており、メインノズル用ホースH1の他端部は、車両のメインウォッシャポンプに接続されている。これにより、車両のウォッシャタンク(図示省略)からメインウォッシャポンプによって圧送された洗浄液がメインノズル40へ供給されるようになっている。
さらに、メインノズル40には、図示しないメインノズル噴射孔が形成されており、メインノズル40に供給された洗浄液が、メインノズル噴射孔によってWSガラスGへ噴射されるようになっている。具体的には、ワイパブレード100の往復回動においてワイパブレード100が往動側(図3の矢印a方向)へ回動するときに、メインノズル噴射孔から洗浄液がワイパブレード100の進行方向側に噴射されるようになっている。
(リテーナカバーについて)
図1、図8〜図11に示されるように、リテーナカバー70は、樹脂材により構成されている。このリテーナカバー70は、リテーナ30の長手方向を長手方向とした略矩形板状に形成され、アーム上下方向を板厚方向として、リテーナ30の基端部における開口部をアーム下方側から塞ぐようにリテーナ30に取付けられている(図1及び図8に示される位置であり、以下、このリテーナカバー70の位置を「カバー取付位置」と称する)。具体的には、リテーナカバー70の幅方向両側の縁部が、リテーナ30の側壁30B、30Cの下端面のアーム下側に隣接して配置されて、リテーナカバー70がリテーナ30の基端部における開口部を塞いでいる。また、リテーナカバー70の幅寸法は、リテーナ30の幅寸法に対応して設定されており、カバー取付位置では、リテーナカバー70がリテーナ30に対して幅方向外側へ突出しないように構成されている(図8参照)。
リテーナカバー70の基端部には、幅方向両側部分において(換言すると、基端側の角部において)、一対の被係合部72が形成されている。この被係合部72は、リテーナカバー70に対してアーム上方側(リテーナ30の内部側)へ膨出されて、リテーナカバー70に対してアーム上方側に一段上がった位置に配置されている。そして、被係合部72が、リテーナ30の係合部32のアーム上側にアーム先端側から長手方向に差し込まれて、係合部32のアーム上側に隣接して配置されている(図1、図8、及び図11(A)参照)。これにより、リテーナカバー70の基端部におけるアーム下方側(WSガラスG側)への移動が係合部32によって制限されている。
また、被係合部72における幅方向外側の側面72Aは、リテーナカバー70における幅方向外側の側面に対して、幅方向内側に配置されており、カバー取付位置では、被係合部72の側面72Aが、リテーナ30の側壁30B、30Cの幅方向内側に隣接して配置されている。これにより、リテーナカバー70の基端部における幅方向の移動が側壁30B、30Cによって制限される構成になっている。
一方、リテーナカバー70の先端側の部分には、幅方向中央側の位置において、一対の取付壁74が一体に形成されている。この取付壁74は、リテーナカバー70の幅方向を板厚方向としてリテーナカバー70からアーム上方側(リテーナ30の内部側)へ延出されている。また、一対の取付壁74は、リテーナカバー70の幅方向に並んで配置されると共に、リテーナカバー70の幅方向中心線(図示省略)に対して対称の位置に配置されている。また、カバー取付位置では、一対の取付壁74が、前述した付勢機構50のストッパブラケット58の固定壁58Aに対してアーム下側で且つストッパ壁部58Bに対してアーム先端側に配置されており(図1参照)、一対の取付壁74の間に、スプリングガイド54(ガイド部54C)の先端部が配置されている。
取付壁74は、リテーナカバー70の幅方向から見た側面視で、先端がアーム基端側へ向けて延びる略鉤形状に形成されており、取付壁74のアーム基端側の部分(鉤形状の先端部分)が、取付壁74のアーム先端側の部分に対してアーム上側へ突出されている。さらに、取付壁74のアーム基端側の部分には、前述した付勢機構50のピン56に対応する位置において、溝部74Aが形成されており、溝部74Aは、側面視で、アーム基端側へ開放された略C字形状に形成されている。この溝部74Aの内径は、ピン56の外径と略同じに設定されており、溝部74Aの開口部におけるアーム上下方向の開口寸法が、ピン56の外径よりも小さく設定されている。そして、カバー取付位置では、溝部74Aの内部にピン56が挿入されて、溝部74Aとピン56とが係合されている(図1及び図11(B)参照)。これにより、リテーナカバー70の先端部がピン56によって保持されて、リテーナカバー70の先端部におけるアーム上下方向及びアーム基端側への移動がピン56によって制限される構成になっている。
また、取付壁74には、溝部74Aの縁部において、溝用リブ74Bが一体に形成されている。溝用リブ74Bは、溝部74Aの周方向に延在されると共に、取付壁74からリテーナカバー70の幅方向外側へ突出されている。これにより、取付壁74の溝部74Aの部位における板厚が、他の部分の板厚よりも厚く設定されている。
リテーナカバー70の基端部には、幅方向中央部において、第1切欠部76が形成されている。第1切欠部76は、アーム上下方向から見てリテーナカバー70の基端側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、リテーナ30の起立姿勢位置において、リテーナ30の開口部から突出される圧縮スプリング52の一部がリテーナカバー70に干渉することを、第1切欠部76によって防止するようになっている(図7(B)参照)。すなわち、第1切欠部76の幅寸法は、圧縮スプリング52の外径よりも若干大きく設定されており、第1切欠部76の切欠き深さは、起立姿勢位置において圧縮スプリング52がリテーナカバー70に干渉しない深さに設定されている。
また、リテーナカバー70の基端部には、一対の仕切壁78が一体に形成されている。この仕切壁78は、リテーナカバー70の幅方向を板厚方向にした略矩形板状に形成されて、第1切欠部76の開口縁部からアーム上方側へ延出されている。また、仕切壁78は、前述した被係合部72に対してリテーナ30の幅方向内側に隣接して配置されると共に、圧縮スプリング52に対してリテーナ30の幅方向外側に配置されている。さらに、リテーナカバー70の幅方向における仕切壁78の位置が、リテーナカバー70の幅方向における取付壁74の位置に対して幅方向外側に若干ずれて設定されている。これにより、リテーナ30の幅方向において、リテーナ30の内部空間が、仕切壁78及び取付壁74によって仕切られるように構成されている。具体的には、図11(A)及び(B)に示されるように、リテーナ30の内部空間が、圧縮スプリング52が配置される幅方向中央側の空間G1と、圧縮スプリング52に対してリテーナ30の幅方向外側の空間G2、G3と、に仕切られるようになっている。そして、仕切壁78及び取付壁74よって仕切られた、リテーナ30の内部空間G2、G3内に、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の各々が配策されている。
図1、図9、及び図10に示されるように、仕切壁78と被係合部72との境界部には、仕切壁78及び被係合部72を連結する複数(本実施の形態では、3箇所)の第1補強リブ80が一体に形成されており、第1補強リブ80は、リテーナカバー70の長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。この第1補強リブ80は、リテーナカバー70の長手方向を板厚方向とした略三角形板状に形成されると共に、リテーナカバー70の長手方向から見て、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の外形に対応して、略円弧状に抉られている。これにより、第1補強リブ80によって、仕切壁78及び被係合部72を補強しつつ、リテーナ30の内部空間G2、G3内において、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を良好に配策できるように構成されている。なお、本実施の形態では、3箇所の第1補強リブ80の内、最もアーム先端側に配置された第1補強リブ80の板厚が、他の第1補強リブ80の板厚に比べて厚く設定されている。
また、仕切壁78とリテーナカバー70との境界部には、仕切壁78及びリテーナカバー70を連結する複数(本実施の形態、2箇所)の第2補強リブ82が一体に形成されており、第2補強リブ82は、リテーナカバー70の長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。この第2補強リブ82は、リテーナカバー70の長手方向を板厚方向とした略台形板状に形成されると共に、第2補強リブ82の上端部が、リテーナカバー70の長手方向から見て、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の外形に対応して、略円弧状に抉られている。これにより、第2補強リブ82によって、仕切壁78及びリテーナカバー70を補強しつつ、リテーナ30の内部空間G2、G3内において、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を良好に配策できるように構成されている。
さらに、リテーナカバー70の先端部(詳しくは、リテーナカバー70の先端縁部)には、取付壁74に対して幅方向外側の位置において、一対の「支持壁」としてのホース支持壁84が一体に形成されている。このホース支持壁84は、リテーナカバー70の長手方向を板厚方向として、リテーナカバー70からアーム上方側へ延出されており、ホース支持壁84の幅方向内側端部が、取付壁74のアーム先端側の端部に接続されている。すなわち、取付壁74とホース支持壁84とが、一体に形成されている。そして、図5に示されるように、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が、前述したピン56のアーム下側(リテーナ30の開口側)に配置され、且つホース支持壁84の頂部84A(上端部)のアーム上側に配置される設定になっている。
また、ホース支持壁84の頂部84Aとピン56の外周部との間のアーム上下方向における最短寸法が、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の外径寸法よりも同等若しくは僅かに小さく設定されている。これにより、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が、ピン56及びホース支持壁84によってアーム上下方向に挟み込まれて、側面視で緩やかなS字形状に屈曲されて、両者に保持されている。
図9及び図10に示されるように、ホース支持壁84の頂部84Aにおける幅方向内側部分は、リテーナ30の長手方向から見て、リテーナカバー70の幅方向内側へ向かうに従いアーム上側へ傾斜されると共に、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の外形に対応して、略円弧状に抉られている。これにより、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を良好に配策できるように構成されている。
ホース支持壁84の幅方向外側の側面84Bは、リテーナカバー70の幅方向外側の側面に比べて、リテーナカバー70の幅方向内側に配置されている。そして、カバー取付位置では、ホース支持壁84の側面84Bが、リテーナ30の側壁30B、30Cに対して幅方向内側に隣接して配置されている。これにより、リテーナカバー70の先端部における幅方向の移動が側壁30B、30Cによって制限される構成になっている。
さらに、リテーナカバー70の先端部には、幅方向中央部において(詳しくは、一対の取付壁74の間において)、第2切欠部86が形成されている。第2切欠部86は、アーム上下方向から見てリテーナカバー70の先端側へ開放された略U字形状に形成されている。また、第2切欠部86の切欠き深さは、取付壁74のアーム基端側の端部と略一致するように設定されている。これにより、リテーナカバー70の取付位置では、溝部74Aやストッパブラケット58のガイド用スリット58Cがアーム下側(WSガラスG側)から第2切欠部86を介して視認可能に構成されている(図7(A)参照)。
また、リテーナカバー70には、第1切欠部76と第2切欠部86との間の位置において、一対の係合片88が一体に形成されている。この係合片88は、リテーナカバー70の幅方向に並んで配置されると共に、リテーナカバー70の幅方向中心線に対して対称の位置に配置されている。また、係合片88は、略アーム上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されて、リテーナカバー70からアーム先端側へ向かうに従いアーム上側へ傾斜して配置されている。すなわち、係合片88の基端部がリテーナカバー70に接続されており、係合片88がアーム先端側へ向かうに従いアーム上側へリテーナカバー70から離間されるように形成されている。そして、係合片88は、アーム上下方向に弾性変形可能に構成されている。
また、図1に示されるように、リテーナカバー70のカバー取付位置では、一対の係合片88が、前述したストッパブラケット58のストッパ壁部58Bのアーム基端側に隣接すると共に、圧縮スプリング52のアーム下側に配置されている。具体的には、係合片88の先端部が、ストッパ壁部58Bに係合されて、リテーナカバー70のアーム先端側への移動がストッパ壁部58Bによって制限される構成になっている。
(ホースホルダについて)
図12〜図14に示されるように、ホースホルダ90は、樹脂材により構成されている。このホースホルダ90は、リテーナ30の長手方向中間部において、リテーナ30の内部に取付けられて、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2のアーム下側への移動を制限するように構成されている(図12に示される位置であり、以下、このホースホルダ90の位置を「ホルダ取付位置」と称する)。以下、ホースホルダ90の構成について説明する。
ホースホルダ90は、ホースホルダ90の幅方向中央部分を構成するホルダ本体部92と、ホースホルダ90の幅方向両側部分を構成する一対の係合片94と、を含んで構成されている。
ホルダ本体部92は、側面視で、アーム上方側へ開放された略凹状に形成されている。具体的には、ホルダ本体部92は、ワイパアーム12の長手方向に延在された略矩形板状のベース部92Aを有しており、ベース部92Aは、アーム上下方向を板厚方向として配置されて、リテーナ30の頂壁30Aに対してアーム下側に離間して配置されている。また、ホルダ本体部92は、ベース部92Aの先端部からアーム上方側へ延出された第1支持壁92Bを有しており、第1支持壁92Bの上端(先端)が、リテーナ30の頂壁30Aに当接されている(図13(A)参照)。
また、ホルダ本体部92は、ベース部92Aの基端部からアーム上方側へ延出された第2支持壁92C(広義には、「付勢部」として把握される要素である)を有している。この第2支持壁92Cの幅寸法は、第1支持壁92Bの幅寸法に比べて小さく設定されており、第2支持壁92Cは、長手方向中間部においてアーム基端側へ屈曲されている。具体的には、第2支持壁92Cの先端側の部分が、アーム基端側へ向かうに従いアーム上方側へ傾斜されると共に、アーム上下方向に弾性変形可能に構成されている。そして、ホースホルダ90のホルダ取付位置では、第2支持壁92Cの先端がリテーナ30の頂壁30Aに当接されて、第2支持壁92Cがアーム下方側へ弾性変形している(図13(A)参照)。これにより、ホルダ本体部92(ホースホルダ90)が第2支持壁92Cによってアーム下側へ付勢されている。
係合片94は、ホルダ本体部92のベース部92Aにおけるアーム基端側の部分から、ベース部92Aの幅方向外側へ延出されており、係合片94の先端側の部分が、アーム下側へ屈曲されている。そして、係合片94の基端側の部分が、第1係合片部94Aとされており、係合片94の先端側の部分が、第2係合片部94Bとされている。また、係合片94は、ホースホルダ90の幅方向に弾性変形可能に構成されており、ホースホルダ90のホルダ取付位置において、第2係合片部94Bがリテーナ30の側壁30B、30Cの幅方向内側に隣接して配置されている。
これにより、図13(B)に示されるように、リテーナ30の内部には、リテーナ30の長手方向から見て、ホースホルダ90の係合片94、ホースホルダ90の第1支持壁92B、リテーナ30の頂壁30A、リテーナ30の側壁30Bによって区画された内部空間G4が形成され、内部空間G4内にメインノズル用ホースH1が配策されている。よって、メインノズル用ホースH1のアーム下側への移動がホースホルダ90によって制限されている。さらに、リテーナ30の内部には、リテーナ30の長手方向から見て、ホースホルダ90の係合片94、ホースホルダ90の第1支持壁92B、頂壁30A、リテーナ30の側壁30Cによって区画された内部空間G5が形成され、内部空間G5内にサブノズル用ホースH2が配策されている。よって、サブノズル用ホースH2のアーム下側への移動がホースホルダ90によって制限されている。
また、係合片94の第2係合片部94Bには、幅方向外側へ突出された爪部96が一体に形成されている。この爪部96は、ホースホルダ90の長手方向に延在されると共に、ホースホルダ90の長手方向から見て、略台形状に形成されている。また、爪部96では、リテーナ30の側壁30B側の爪部96の延在長さが、リテーナ30の側壁30C側の爪部96の延在長さよりも長く設定されている。そして、爪部96は、リテーナ30の側壁30B、30Cに形成された、略長尺トラック状の係合孔34内に嵌合されて、ホースホルダ90のアーム下側への移動が制限される構成になっている。また、上述のように、ホルダ本体部92(ホースホルダ90)は第2支持壁92Cによってアーム下側へ付勢されている。このため、ホースホルダ90のホルダ取付位置では、爪部96の下面が、係合孔34の内周面に当接した状態で係合されている。これにより、ホースホルダ90のがたが抑制された状態で、ホースホルダ90がリテーナ30に取付けられる構成になっている。
さらに、図示は省略するが、ホースホルダ90をリテーナ30に取付けるときには、ホースホルダ90をホルダ取付位置に対してアーム基端側のホルダ仮組位置に配置して、ホースホルダ90をホルダ仮組位置からアーム先端側へスライドさせることで、ホースホルダ90をリテーナ30に取付けるようになっている。そして、前述したように、リテーナ30の幅寸法はアーム先端側へ向かうに従い小さく設定されているため、ホースホルダ90をホルダ仮組位置に配置したときには、爪部96がリテーナ30の側壁30B、30Cに当接しない設定になっている。すなわち、ホルダ仮組位置では、係合片94がホースホルダ90の幅方向内側に弾性変形しない設定になっている。
次に、リテーナカバー70及びホースホルダ90のリテーナ30への取付け手順を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
リテーナカバー70をリテーナ30に取付けるときには、リテーナカバー70をカバー取付位置に対してアーム先端側に配置する。具体的には、カバー取付位置に対してアーム先端側の位置において、リテーナ30の開口部を塞ぐように、リテーナカバー70をリテーナ30の側壁30B、30Cの下端のアーム下側に隣接して配置する。これにより、リテーナカバー70の被係合部72が、リテーナ30の係合部32に対してアーム先端側に配置されると共に、被係合部72の側面72Aが、リテーナ30の側壁30B、30Cの幅方向内側に隣接して配置される。また、リテーナカバー70の取付壁74(溝部74A)が、付勢機構50のピン56に対してアーム先端側に配置されると共に、ホース支持壁84の側面84Bが、リテーナ30の側壁30B、30Cの幅方向内側に隣接して配置される。
さらに、このときには、リテーナカバー70の係合片88が、付勢機構50のストッパ壁部58Bのアーム下側に配置されるため、係合片88とストッパ壁部58Bの下端とが干渉する。すなわち、係合片88がストッパ壁部58Bによってアーム下側へ押圧されて、リテーナカバー70がリテーナ30に対してアーム下側へ変位するようになり、アーム上下方向における溝部74Aとピン56との位置がずれるようになる。このため、リテーナカバー70をアーム上方側(リテーナ30側)へ押し込んで、係合片88をアーム下側(リテーナカバー70側)へ弾性変形させて、アーム上下方向における溝部74Aとピン56との位置を合わせる状態にする。
この状態で、リテーナカバー70をリテーナ30に対してアーム基端側へ移動(スライド)させてカバー取付位置に配置させる。このとき、リテーナカバー70の被係合部72がリテーナ30の係合部32のアーム上側に差し込まれて、被係合部72と係合部32とがアーム上下方向に係合される。これにより、リテーナカバー70の基端部におけるアーム下側への移動が係合部32によって制限される。
また、このときには、付勢機構50のピン56が、取付壁74の溝部74Aの開口部から溝部74Aの内部に挿入されて、溝部74Aとピン56とが係合される。このため、取付壁74(リテーナカバー70)がピン56によって保持される。具体的には、リテーナカバー70の先端部におけるアーム上下方向の移動がピン56によって制限されると共に、リテーナカバー70のアーム基端側への移動がピン56によって制限される。
さらに、このときには、ストッパ壁部58Bの下端が係合片88上を摺接しながら、リテーナカバー70がリテーナ30に対してアーム基端側へスライドされる。そして、リテーナカバー70がカバー取付位置に配置されると、係合片88の先端部が、ストッパ壁部58Bに対してアーム基端側に配置されて、係合片88が、弾性変形前の状態に復帰するようにアーム上側へ変位する。これにより、係合片88の先端部がストッパ壁部58Bに係合して、リテーナカバー70のアーム先端側への移動が制限される。以上により、リテーナカバー70がリテーナ30に取付けられる。
一方、ホースホルダ90をリテーナ30に取付けるときには、ホースホルダ90をホルダ仮組位置に配置する。具体的には、ホースホルダ90の第1支持壁92Bの幅方向外側に、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を配置しつつ、ホースホルダ90の第1支持壁92Bの上端及び第2支持壁92Cの先端部をリテーナ30の頂壁30Aに当接させる。このときには、ホースホルダ90の爪部96がリテーナ30の側壁30B、30Cに当接していないため、係合片94は弾性変形していない。そして、アーム上下方向におけるホースホルダ90の爪部96とリテーナ30の係合孔34との位置を合わせるために、ホースホルダ90をリテーナ30の頂壁30A側へ押し込んで、第2支持壁92Cをアーム下側へ弾性変形させる。
この状態において、ホースホルダ90をホルダ仮組位置からアーム先端側へスライドさせる。すなわち、ホースホルダ90の第1支持壁92Bの上端及び第2支持壁92Cの先端部がリテーナ30の頂壁30A上を摺接しながらホースホルダ90がスライドされる。このときには、ホースホルダ90の爪部96が、リテーナ30の側壁30B、30Cの内側面に当接されて、係合片94が幅方向内側へ弾性変形する。そして、ホースホルダ90が、ホルダ取付位置に配置されると、リテーナ30の係合孔34内に、ホースホルダ90の爪部96が嵌合される。また、この状態では、第2支持壁92Cの弾性変形状態が維持されているため、ホルダ本体部92(ホースホルダ90)が第2支持壁92Cによってアーム下側へ付勢されている。このため、爪部96の下面が、係合孔34の内周面に当接した状態に係合されて、ホースホルダ90がリテーナ30に取付けられる。
以上説明したように、本実施の形態の車両用ワイパ装置10では、リテーナカバー70をアーム基端側へスライドさせることで、リテーナカバー70の被係合部72をリテーナ30の係合部32のアーム上側に差し込むと共に、付勢機構50のピン56を取付壁74の溝部74Aに挿入させて、ピン56と溝部74Aとが係合される。これにより、カバー取付位置におけるリテーナカバー70のアーム下側及びアーム基端側への移動を制限することができる。また、このとき、リテーナカバー70の係合片88がストッパ壁部58Bに係合されて、リテーナカバー70のアーム先端側への移動が制限される。このため、カバー取付位置におけるリテーナカバー70の取付方向(スライド方向)とは反対側(アーム先端側)への移動を制限することができる。以上により、リテーナカバー70の取付作業を簡易にしつつ、リテーナカバー70をリテーナ30に良好に取付けることができる。
また、上述のように、リテーナカバー70の取付時におけるスライド前の状態では、係合片88が、ストッパ壁部58Bの下端によってアーム下側へ押圧されて、アーム上下方向における溝部74Aとピン56との位置がずれる可能性がある。これに対して、リテーナカバー70をアーム上方側(リテーナ30側)へ押し込んで、係合片88をアーム下側へ弾性変形させることで、アーム上下方向における溝部74Aとピン56との位置ずれを吸収できる。これにより、カバー取付位置におけるリテーナカバー70のアーム先端側への移動を制限するための係合片88をリテーナカバー70に設けても、リテーナカバー70のリテーナ30に対する位置ずれを吸収しつつリテーナカバー70をリテーナ30に対してスライドして取付けできる。換言すると、付勢機構50のピン56を溝部74Aに挿入させて、ピン56と溝部74Aとを係合させることができる。
また、リテーナカバー70の溝部74Aが係合されるピン56と、リテーナカバー70の係合片88と係合されるストッパブラケット58とは、付勢機構50を構成している。このため、リテーナ30を払拭姿勢位置又は起立姿勢位置へ付勢するための付勢機構50を活用して、リテーナカバー70をリテーナ30に取付けることができる。これにより、リテーナカバー70に対して、効率のよい取付構造を実現することができる。
さらに、リテーナカバー70の溝部74Aの内径は、ピン56の外径と略同じに設定されており、アーム上下方向における溝部74Aの開口寸法が、ピン56の外径よりも小さく設定されている。このため、所謂スナップフィット嵌合によって、ピン56と溝部74Aとを係合させることができる。これにより、ピン56を溝部74Aの内部に挿入させたときの挿入感を作業者に付与することができる。したがって、リテーナカバー70の取付時における作業性を効果的に向上することができる。
また、リテーナカバー70の係合片88が、上述のようにアーム上下方向に弾性変形可能に構成されている。そして、リテーナカバー70の取付時には、係合片88がアーム下側へ弾性変形した状態で、ストッパ壁部58Bの下端が係合片88上を摺動しなからリテーナカバー70がリテーナ30に対してスライドする。そして、取付位置では、係合片88が弾性変形前の状態に復帰されるようにアーム上側へ変位する。このため、リテーナカバー70のリテーナ30への取付完了時に、作業者に対してクリック感を付与することができる。これにより、作業者がリテーナカバー70の取付完了時を認識できるため、リテーナカバー70の取付時における作業性をより効果的に向上することができる。
さらに、リテーナカバー70の取付壁74には、溝部74Aの縁部において、溝用リブ74Bが形成されており、溝用リブ74Bが取付壁74からリテーナカバー70の幅方向外側へ突出されている。このため、取付壁74における溝部74Aの部位の板厚を厚く設定することができる。これにより、ピン56の外周面と溝部74Aの内周面との接触面積をリテーナカバー70の幅方向に拡大することができる。したがって、ピン56とリテーナカバー70との係合状態を一層良好にすることができる。
また、リテーナカバー70の基端部には、第1切欠部76が形成されており、第1切欠部76によって圧縮スプリング52がアーム下側(WSガラスG側)から露出されている。このため、リテーナ30が起立姿勢位置に配置されたときに圧縮スプリング52がリテーナカバー70に接近しても、圧縮スプリング52とリテーナカバー70との干渉を防止することができる。これにより、リテーナカバー70の取付状態を良好に維持することができる。
さらに、リテーナカバー70の基端部には、第1切欠部76の開口縁部において、一対の仕切壁78が形成されており、仕切壁78によってリテーナ30の内部が仕切られている。そして、仕切壁78によって仕切られたリテーナ30の内部空間G1に圧縮スプリング52が配置されており、内部空間G2、G3にメインノズル用ホースH1、サブノズル用ホースH2が配策されている。このため、メインノズル用ホースH1、サブノズル用ホースH2が圧縮スプリング52に干渉することを仕切壁78によって防止できる。よって、これらのホースが圧縮スプリング52に干渉することを防止しつつ、これらのホースをリテーナ30の内部に配策することができる。また、仕切壁78が第1切欠部76の開口縁部からリテーナ30の内部へ突出されているため、ホース等の雑物の第1切欠部76からの視認を仕切壁78で被覆する(覆う)ことができる。これにより、仕切壁78の間に圧縮スプリング52を配置しつつリテーナ30の内部をカバーにて被覆する(覆う)ことができる。
また、リテーナカバー70の先端部には、リテーナ30の頂壁30A側へ突出された一対のホース支持壁84が形成されており、ホース支持壁84のアーム上側にメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が配置されている。このため、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2をホース支持壁84によってリテーナ30の頂壁30A側に押し込むことができる。これにより、リテーナカバー70に対してアーム先端側に配策されたメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が、リテーナ30の開口部からWSガラスG側へ突出することを抑制できる。
しかも、ホース支持壁84のアーム基端側には、ピン56が配置されており、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が、ホース支持壁84及びピン56によってアーム上下方向に挟み込こまれて、緩やかなS字形状に屈曲されている。このため、ピン56及びホース支持壁84によってメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を良好に保持することができると共に、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2の配策状態を良好に維持することができる。
また、リテーナカバー70の先端部には、第2切欠部86が形成されており、第2切欠部86によって、リテーナカバー70の溝部74Aやストッパブラケット58のガイド用スリット58Cがアーム下側から視認可能にされている。このため、カバー取付位置におけるピン56と溝部74Aとの係合状態を、第2切欠部86を介して視認することができる。これにより、作業者に対する作業性を一層向上することができる。また、例えば、ストッパブラケット58のガイド用スリット58Cには、スプリングガイド54(ガイド部54C)の先端部が挿入されているため、ガイド部54Cのガイド用スリット58C内の挿入状態を、第2切欠部86を介して視認することができる。さらに、ガイド用スリット58C内にグリス等の潤滑剤を塗布する場合には、リテーナカバー70の取付状態において、第2切欠部86の内側にグリス塗布用のディスペンサを挿入させて、ガイド用スリット58C内にグリスを塗布することができる。
また、ホースホルダ90のホルダ取付位置では、第2支持壁92Cの先端部がリテーナ30の頂壁30Aに当接すると共に、第2支持壁92Cがアーム下側へ弾性変形して、ホースホルダ90が第2支持壁92Cによってアーム下側へ付勢されている。また、第1支持壁92Bの上端がリテーナ30の頂壁30Aに当接されている。これにより、リテーナ30の係合孔34内に嵌合されたホースホルダ90の爪部96の下面が、リテーナ30の係合孔34の内周面に当接された状態で係合されている。このため、ホースホルダ90のがたを抑制した状態で、ホースホルダ90をリテーナ30に取付けできる。
また、上述のように、ホースホルダ90の幅方向中央部に形成された第1支持壁92Bの上端がリテーナ30の頂壁30Aに当接されている。このため、ホースホルダ90の組付時(スライド時)において、第1支持壁92Bの幅方向外側に、メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2を配置しつつ、第1支持壁92Bの上端をリテーナ30の頂壁30Aに対して摺接させることができる。これにより、ホースホルダ90の組付時(スライド時)において、第1支持壁92Bをガイド部として機能させることができる。よって、ホースホルダ90の取付性を向上することができる。
また、ホースホルダ90では、係合片94がホルダ本体部92から幅方向外側へ延出されて、アーム下側へ屈曲されている。このため、係合片94が幅方向内側へ弾性変形するときには、係合片94の全体が弾性変形するように作用する。これにより、係合片94が弾性変形するときの係合片94に作用する応力を低減することができる。
なお、本実施の形態では、付勢機構50のピン56及びストッパブラケット58を活用して、リテーナカバー70をリテーナ30に取付ける構成になっている。これに代えて、付勢機構50とは別のピン及びブラケットをリテーナ30に設けて、当該ピン及びブラケットを用いてリテーナカバー70をリテーナ30に取付ける構成にしてもよい。また、リテーナカバー70の係合片88をリテーナ30に直接係合させて、リテーナカバー70のアーム先端側への移動を制限するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、ワイパアーム12が、メインノズル40及びサブノズル42を備えた構成になっている。すなわち、リテーナ30の内部にメインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2が配策された構造になっている。これに代えて、ワイパアーム12において、メインノズル40及びサブノズル42(メインノズル用ホースH1及びサブノズル用ホースH2)を省略してもよいし、何れか一方を配策するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、リテーナカバー70に第2切欠部86が形成されているが、リテーナカバー70において第2切欠部86を省略してもよい。
また、本実施の形態では、ワイパアーム12が、アームヘッド14、リテーナ30、アームピース60を含んで構成されているが、ワイパアーム12において、アームピース60を省略してもよい。すなわち、ワイパアーム12を、アームヘッド14及びリテーナ30によって構成して、リテーナ30の先端部をアームピース形状(U字状のフック形状)に形成したり、断面コ字状の連結部を形成する等して、リテーナ30にワイパブレード100を取付ける構成にしてもよい。
また、リテーナカバー70の仕切壁78により、リテーナ30の内部が、圧縮スプリング52が配置される内部空間G1と、メインノズル用ホースH1、サブノズル用ホースH2がそれぞれ配策される内部空間G2、G3とに仕切られたが、ワイパアーム12の強度が確保できる場合には、メインノズル用ホースH1とサブノズル用ホースH2を同じ内部空間に配置してリテーナ30の幅寸法を小さくしたスリムなワイパアームとしてもよい。