JP2017197324A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離爪に搬送ベルトが衝突することに起因するベルトの損傷を抑制できる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置としてのプリンターは、搬送ベルト51を有する第1搬送部26Aと、搬送ベルト51上の用紙に印刷する印刷部と、用紙を搬送ベルト51から分離する分離爪120と、分離爪120により分離された用紙を搬送する第2搬送部26Bとを備える。分離爪120は、第1搬送部26A以外の構造体(第2搬送部26B)により支持される。搬送ベルト51は、搬送ベルト51と分離爪120とが接触する搬送位置と、搬送ベルトと分離爪120とが離間する退避位置との間で移動可能に支持される。搬送ベルト51が退避位置から搬送位置に移動するとき、分離爪120における支持部121から爪部125に向かう方向に対して交差する方向から分離爪120に接近して分離爪120に当接する。【選択図】図6

Description

本発明は、ベルトで搬送される媒体をベルトから分離する機能を有する印刷装置に関する。
従来、ベルトに用紙を吸着してその用紙に印刷を行う印刷装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の印刷装置では、用紙は、印刷が行われる経路においてベルトで搬送され、その後、用紙は、ベルトに接触する分離爪でベルトから引き剥がされて、他の搬送経路に移動する。
特開2004−338867号公報
ところで、搬送ベルトが可動する印刷装置では、搬送ベルトが元の位置(印刷可能な位置)に復帰するときに搬送ベルトが分離爪に衝突する。このため、搬送ベルトが元の位置に復帰するときの衝突によりベルトに傷が付くおそれがある。
本発明は、分離爪に搬送ベルトが衝突することに起因するベルトの損傷を抑制できる印刷装置を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷装置は、媒体を吸着して搬送する搬送ベルトを有する第1搬送部と、前記搬送ベルト上に吸着されている前記媒体に対して印刷を行う印刷部と、前記搬送ベルトにおける前記媒体を吸着している面に先端の爪部が接触して前記媒体を前記搬送ベルト上から分離する分離爪と、前記分離爪により分離された前記媒体を前記第1搬送部よりも前記媒体の搬送方向の下流側に搬送する第2搬送部とを備え、前記分離爪は、回転自在に支持される支持部と、前記支持部から延びて前記爪部を有するアームとを有し、前記第1搬送部以外の構造体により支持され、前記搬送ベルトは、前記搬送ベルトと前記分離爪とが接触する位置であって前記分離爪により前記搬送ベルト上から分離された前記媒体を前記第2搬送部に向けて搬送する搬送位置と、前記搬送ベルトと前記分離爪とが離間する位置であって前記搬送位置から退避した退避位置との間で移動可能に支持され、前記退避位置から前記搬送位置に移動するとき、前記分離爪における前記支持部から前記爪部に向かう方向に対して交差する方向から前記分離爪に接近して前記分離爪に当接する。
この構成によれば、搬送ベルトは、退避位置から搬送位置に移動するとき、分離爪の爪部に向かって移動するのではなく、分離爪における支持部から爪部に向かう方向に対して交差する方向から分離爪に接近するように移動するため、分離爪の先端の爪部が搬送ベルトに刺さることが抑制される。これにより、搬送ベルトの損傷が抑制される。
上記印刷装置において、前記搬送ベルトは、前記印刷部がメンテナンスされるとき、前記搬送位置から前記退避位置の方向に移動することが好ましい。
この構成によれば、印刷部がメンテナンスされるとき搬送ベルトが搬送位置から退避位置の方向に移動し、印刷部と搬送ベルトとの間の距離が大きくなるため、印刷部のメンテナンス時に飛散するインク等の液体が搬送ベルトに付着し難くなる。すなわち、搬送ベルトの汚染が抑制される。
上記印刷装置において、前記分離爪は、前記搬送ベルトよりも前記媒体の搬送方向の下流側に位置する前記構造体に支持されることが好ましい。
この構成によれば、例えば搬送ベルトを上流側及び下流側の一対のローラー間に掛装した構成において上流側のローラーを中心に回動させて搬送位置と退避位置との間を移動させた場合でも、分離爪は搬送ベルトの移動の障害にならない。
上記印刷装置において、前記搬送ベルトが前記退避位置から前記搬送位置に移動して前記分離爪に当接するとき前記分離爪の前記爪部に加わる力は0.4N以下であることが好ましい。
この構成によれば、分離爪の爪部に加わる力が0.4N以下であるため、この力が0.4Nよりも大きい場合に比べて、搬送ベルトが分離爪に衝突することに起因する爪部の振動の振幅が小さくなって、振動が収束する時間が短くなる。これにより、分離爪の爪部の振動が長く続く場合に比べて、媒体が分離爪に引っ掛かることが抑制される。
上記印刷装置において、前記分離爪は、前記支持部と、前記支持部から前記分離爪の回動軸線と交差する方向に延びて先端に前記爪部を有する前記アームとしての第1アームと、前記支持部から前記第1アームとは異なる方向に延びる第2アームとを有し、前記第1アームの先端の前記爪部が前記搬送ベルトを押圧するように付勢されることが好ましい。
この構成によれば、第1アームの先端の爪部が搬送ベルトを押圧するため、搬送ベルトの周回時に分離爪の爪部が搬送ベルトから離間することが抑制されるようになり、媒体が分離爪で分離されないようになることが抑制される。
上記印刷装置において、前記分離爪の前記爪部が前記搬送ベルトを押す力は0.065N以上0.074N以下であり、前記第1アームの長さは、28.5mmであることが好ましい。この構成によれば、分離爪の爪部が搬送ベルトを適度な力(トルク)で押圧するようになるため、搬送ベルトからの分離爪の爪部の浮きが小さくかつ搬送ベルトの磨耗が抑制されるようになる。
上記印刷装置において、前記第2アームの荷重箇所と前記支持部の回転中心との間の距離は8.25mm、前記爪部と前記支持部の回転中心との間の距離は28.5mm、前記第2アームの荷重箇所に加えられる力は0.24Nであることが好ましい。
この構成によれば、分離爪の爪部が搬送ベルトを押圧する力が約0.07Nに設定される。また、第2アームの長さが第1アームの長さよりも短く、分離爪の全体の大きさがコンパクトであるため、分離爪を支持する部材をコンパクトにすることができる。
実施形態に係る印刷装置の断面図。 実施形態に係る印刷装置の断面図。 ベルトユニットおよびベルト移動部の斜視図。 ベルトユニットおよびクリーニングユニットの側面図。 媒体分離部の斜視図。 媒体分離部の断面図。 分離爪の動作を示す、媒体分離部の断面図。 分離爪の動作を示す、媒体分離部の断面図。 分離爪の動作を示す、媒体分離部の断面図。 用紙の搬送とフラッシング動作と分離爪の振幅強度変化との関係を示すタイミングチャート。 他の実施形態に係る印刷装置における、媒体分離部付近の断面図。
以下、印刷装置の一実施形態として、液体の一例であるインクを吐出する印刷部を備え、媒体の一例である用紙にインクを吐出して文字や図形などを含む画像を印刷するインクジェット式のプリンターについて、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置の一例としてのプリンター11は、複数の外装ケースなどからなる略直方体を呈する筐体12を装置本体として有し、この筐体12内に、図1に太い一点鎖線で示すように、用紙14を搬送する搬送経路13を備える。そして、用紙14に対して接触することでこの搬送経路13に沿って用紙14を搬送可能な搬送部材15と、搬送部材15により搬送される用紙14に対してインクを吐出する印刷部18とが、筐体12に装着されている。搬送部材15は、筐体12内において搬送経路13の複数箇所に配置され、回転することで用紙14を搬送する複数のローラー部材16と、用紙14を鉛直方向Zにおける重力方向−Z側(下側)から支持しつつ搬送する搬送ベルト51とを含んで構成されている。
ローラー部材16は、搬送経路13においてそれぞれ配置された各種のローラーを構成し、例えば後述する供給駆動ローラー30a、供給従動ローラー30b及び搬送駆動ローラー48、歯付きローラー49などは、ローラー部材16の一種である。搬送ベルト51は、ベルト移動部60によって、搬送経路13を挟んで印刷部18と対峙する第1位置に移動可能とされた状態、すなわち使用可能な状態で筐体12に装着されている。
本実施形態では、印刷部18は、後述のように搬送ベルト51上に吸着されている用紙14に対して印刷を行う。印刷部18は、用紙14の搬送方向Yと交差(ここでは直交)する幅方向Xを長手方向とし、この長手方向に亘ってインクを同時に吐出可能な液体吐出ヘッドを有する所謂ラインヘッドとされている。なお、以降の説明を容易にするため、幅方向Xのうち、搬送方向Yの上流側から見て左方向(紙面の表面側に向く方向)を+X方向とし、搬送方向Yの上流側から見て右方向(紙面の裏面側に向く方向)を−X方向とする。
ラインヘッドとされた印刷部18は、搬送ベルト51に支持された状態で搬送される用紙14に向かって反重力方向+Z側(上側)の位置から重力方向−Zに向かってインクを吐出することにより印刷を行う。なお、印刷部18によって用紙14への印刷が行われるときの搬送ベルト51の位置、すなわち搬送ベルト51が印刷部18と対峙して用紙14を搬送する第1位置を印刷位置IPと呼称する。なお、印刷位置IPは、用紙14を搬送するため搬送位置とも呼称する。なお、印刷位置IP(搬送位置)は、後述するように、搬送ベルト51と分離爪120とが接触する位置であって、搬送ベルト51上から分離された用紙14を第2搬送部26Bに向けて搬送する位置である。
搬送経路13は、印刷部18よりも搬送方向Y上流側の第1供給経路21及び第2供給経路22と、印刷部18よりも搬送方向Y下流側の第3供給経路23、印刷経路26と、分岐経路24、及び排出経路25とにより構成されている。
第1供給経路21は、筐体12の重力方向−Z側となる底部に挿抜可能に備えられた用紙カセット27と、印刷部18とを結ぶ経路である。そして、第1供給経路21には、用紙カセット27に積層状態で載置された用紙14のうち、最上位の用紙14を送り出すピックアップローラー28と、このピックアップローラー28により送り出された用紙14を1枚ずつ分離する分離ローラー29とが設けられている。さらに、分離ローラー29よりも搬送方向Y下流側には、用紙カセット27から送り出された用紙14を挟持して搬送する第1供給ローラー対31が設けられている。なお、ピックアップローラー28及び分離ローラー29もまた、ローラー部材16の一種である。
第2供給経路22は、筐体12の一側面に備えられたカバー12aを開けることによって露出する挿入部12bと、印刷部18とを結ぶ経路である。そして、第2供給経路22には、挿入部12bから挿入された用紙14を挟持して搬送する第2供給ローラー対32が設けられている。
第3供給経路23は、印刷部18を囲うように設けられた経路であって、一旦印刷部18を通過した用紙14を、再び印刷部18よりも上流側へ戻すための経路である。すなわち、印刷部18よりも下流側には、分岐機構36が設けられていると共に、排出経路25から分岐した分岐経路24には、正転と逆転の双方の回転が可能な分岐ローラー対37が設けられている。なお、分岐ローラー対37もまた、ローラー部材16の一種である。さらに、第1供給経路21と第2供給経路22と第3供給経路23とが合流した位置には、第3供給ローラー対33が設けられていると共に、第3供給経路23には、第5供給ローラー対35が設けられている。そして、これらの第1供給ローラー対31〜第3供給ローラー対33及び第5供給ローラー対35は、それぞれ、図示しない駆動源の駆動力に基づいて回転する円柱状の供給駆動ローラー30aと、供給駆動ローラー30aの回転に伴って従動回転する供給従動ローラー30bとにより構成されている。
印刷経路26は、印刷部18に対峙する経路である。印刷経路26は、第1搬送部26A、第1搬送部26Aよりも下流側の第2搬送部26Bとにより構成される。第1搬送部26Aは、搬送ベルト51により構成される。第2搬送部26Bは、第1搬送部26Aと排出経路25との間に介在し両者を繋ぐ経路である。
排出経路25は、搬送ベルト51によって搬送される印刷済みの用紙14が排出される排出口38と、印刷部18とを結ぶ経路である。排出経路25の上流側には、搬送ベルト51から搬送される用紙14を搬送ベルト51から分離するための媒体分離部110が配置されている。
なお、排出口38から排出された用紙14は載置台39に載置される。そして、排出経路25には、少なくとも1つの搬送ローラー対(本実施形態では、第1搬送ローラー対41〜第5搬送ローラー対45)が設けられている。さらに、第3供給経路23にも第6搬送ローラー対46、及び第7搬送ローラー対47が設けられている。これらの第1搬送ローラー対41〜第7搬送ローラー対47はインクが付着した用紙14を挟持して搬送する。また、第3供給ローラー対33及び第5供給ローラー対35もインクが付着した用紙14を挟持して搬送することがある。
本実施形態では、印刷部18に対峙する搬送ベルト51が、その外周面となるベルト面51aに用紙14を静電吸着によって支持した状態で、周回することによって用紙14を搬送する構成とされている。搬送ベルト51は、搬送ベルト51と、2つのローラー52,53間に張架された無端状のベルトとして構成される。2つのローラー52,53はベルト枠体55により支持される。2つのローラーのうちの一方(上流側)のローラーは駆動源によって回転駆動される駆動ローラー52とされ、他方(下流側)のローラーはベルトの周回に伴って回転する従動ローラー53とされる。搬送ベルト51と2つのローラー52,53とベルト枠体55とによりベルトユニット50が構成される。
また、帯電ローラー81は、金属製のローラー軸81aの表面にゴム層が形成されており、ローラー軸81aの端部に、図示しない板バネを直接接触させて高圧が印加される構成とされている。あるいは、帯電ローラー81は、帯電ローラー81のローラー軸81aを受ける軸受部が導電性軸受(導電性樹脂または焼結軸受など)とされ、この導電性軸受を介して高圧が印加される構成とされてもよい。そして、搬送ベルト51は、駆動ローラー52の回転に伴って周回し、この周回時においてベルト面51aに接触する帯電ローラー81によって搬送ベルト51に静電気が帯電する。搬送ベルト51は、この帯電した静電気によって、駆動ローラー52と従動ローラー53との間に形成される反重力方向+Z側の平坦なベルト面51aに用紙14を吸着し、吸着した用紙14を印刷部18に対峙させながら搬送方向Yへ搬送する。ここで、駆動ローラー52の回転によりベルト面51aが周回される搬送ベルト51は、搬送方向Yにおいて駆動ローラー52と従動ローラー53との中間の位置を中心に、周回状に回転しているとも解釈できる。すなわち、ローラー部材16及び搬送ベルト51を含む搬送部材15は、用紙14に接触して回転することにより用紙14を搬送経路13に沿って搬送するといえる。
本実施形態では、プリンター11において、搬送ベルト51が、印刷部18によって印刷が行われる印刷位置IPから、この印刷位置IPよりも印刷部18から離れた第2位置または第3位置へ移動させるベルト移動部60が備えられている。すなわち、ベルト移動部60は、駆動源としてのモーターMの回転駆動に伴って作動するリンク部材61を有している。このリンク部材61が、モーターMの駆動に伴って動作し、搬送ベルト51を、第1位置である印刷位置IPから、図1において二点鎖線の矢印で示すように、駆動ローラー52を中心に従動ローラー53側を重力方向−Zに向かって揺動させて、印刷位置IPよりも印刷部18から離れた第2位置または第3位置に移動させる。例えば、第2位置は、搬送ベルト51が印刷位置IPから駆動ローラー52を中心に約90度回転(揺動)した位置として規定される。第2位置は、搬送ベルト51が第1位置から退避して搬送ベルト51と分離爪120とが離間する位置である。この第2位置を第1退避位置FPと呼称する。第3位置は、搬送ベルト51が印刷位置IPから駆動ローラー52を中心にして約20度回転した位置として規定される。第3位置は、搬送ベルト51が第1位置から退避して搬送ベルト51と分離爪120とが離間している位置である。この第3位置を第2退避位置SPと呼称する。そして、本実施形態では、搬送ベルト51のベルト面51aは、印刷位置IPでは略水平面となる水平姿勢となり、第1退避位置FPでは鉛直方向Zに沿う略垂直面となる垂直姿勢となり、第2退避位置SPでは、所定角度に傾いた傾斜姿勢となる。モーターMの駆動に伴ってベルトユニット50が揺動するとき、搬送ベルト51と後述の分離爪120との位置関係は次のように変化する。すなわち、搬送ベルト51が第1退避位置FPまたは第2退避位置SPに移動するとき、搬送ベルト51における爪部125が当接する当接部分は、下方に移動して分離爪120から離間する。搬送ベルト51が印刷位置IPに向かって移動するとき、搬送ベルト51における爪部125が当接する当接部分は、分離爪120における支持部121から爪部125に向かう方向(実施形態では水平方向)に対して交差する方向から(例えば、下方)から分離爪120に接近する。すなわち、搬送ベルト51のベルト面51aに分離爪120の当接端125aが突き刺さらないように搬送ベルト51の移動経路が設定されている。ベルトユニット50の回転速度(揺動時の回転速度)は、搬送ベルト51が分離爪120の爪部125に衝突する時に爪部125に加わる衝撃力が0.4N以下になるように、構成されている。衝突に起因する分離爪120の爪部125の劣化を抑制するためである。
本実施形態では、印刷部18内のインクの乾燥を抑制することによって印刷部18の印刷性能(例えば印字品質)を維持する目的でインクを吐出するフラッシング動作が実行される。例えば、プリンター11において、印刷が行われない状態の印刷部18に対して重力方向−Z側からキャップ71を接触させて印刷部18を覆うキャップ移動機構70が備えられている。
このキャップ移動機構70は、印刷部18において少なくともインクを吐出する部分を閉空間で覆うことが可能なキャップ71を保持する部材72と部材73とが、搬送方向Yに沿って往復移動する際にリンク機構やカム機構によってキャップ71を鉛直方向Zに沿って移動(上下移動)させる構造とされている。そして、印刷部18から離れて印刷部18を覆わない状態においては、キャップ71、およびキャップ移動機構70を構成する部材(例えば、部材72と部材73)は、図中二点鎖線の矢印で示すように印刷位置IPと第1退避位置FPとの間を移動(揺動)する搬送ベルト51とは接触しない位置に配設される。換言すれば、搬送ベルト51は、その印刷位置IPと第1退避位置FPとの間の移動において、印刷部18を覆わない状態のキャップ71およびキャップ移動機構70と接触しないようにプリンター11に備えられている。
キャップ移動機構70は、フラッシング動作の実行のために印刷部18が幅方向において印刷領域から外れた位置(以下、この位置を「メンテナンス位置」という。)に移動している状態において、印刷部18を覆うようにキャップ71を印刷部18の下方に移動させる。フラッシングは、印刷部18がキャップ71により覆われた状態で実行される。また、フラッシング動作の実行のために印刷部18がメンテナンス位置に移動している状態においては、搬送ベルト51は、搬送ベルト51が周回状に回転することが維持されて、後述の第2退避位置SPに配置される。すなわち、搬送ベルト51は、印刷部18から離間することにより、フラッシング時にキャップから漏れるインクが搬送ベルト51に付着することを抑制する。
図3を参照して、ベルト移動部60の構成について説明する。
搬送ベルト51は、印刷部18と同様に幅方向Xに長手方向を有している。そして、幅方向Xにおいて搬送ベルト51の両端部には、ベルト移動部60が接続されている。このベルト移動部60は、搬送ベルト51を、印刷位置IPと第2退避位置SPと第1退避位置FPとの間で移動させる。すなわち、ベルト移動部60が備えるモーターMのモーター軸に固定されたウォーム66に噛み合うウォーム歯車65の回転に伴って、このウォーム歯車65がその一端に固定された回転軸64が回転する。この回転軸64には、その長手方向(幅方向X)において離れた2か所に、それぞれ第1リンク板63の一端が固定されて取り付けられ、この第1リンク板63の他端に第2リンク板62の一端が回転自在に取り付けられている。このように取り付けられた第1リンク板63と第2リンク板62とがリンク部材61を構成する。
搬送ベルト51を周回させる駆動ローラー52および従動ローラー53は、それぞれのローラー軸端が、搬送ベルト51のベルト幅方向(ここではX方向)の両側端部においてベルト枠体55に回転可能に軸支されている。このベルト枠体55において、従動ローラー53のローラー軸端を回転可能に支持する部分は、駆動ローラー52のローラー軸端を回転可能に支持する部分を基体部55aとしたとき、この基体部55aに対して駆動ローラー52の軸心と従動ローラー53の軸心とを結ぶ方向に伸縮する伸縮部55bとされている。そして、本実施形態では、この伸縮部55bは基体部55aから飛び出す方向へ、ベルト枠体55に設けられた図示しない付勢部材によって付勢される。この結果、伸縮部55bに支持された従動ローラー53は、駆動ローラー52との間の距離が長くなるように付勢され、駆動ローラー52と従動ローラー53とに架け渡された搬送ベルト51に対して所定の張力が加わるように構成されている。こうして、搬送ベルト51は駆動ローラー52と従動ローラー53との間に張架される。
また、ベルト枠体55には、その基体部55aにおいて略矩形の溝とされた凹部57が形成されている。一方、第2リンク板62の他端には、略円柱形状のピン67が取り付けられ、このピン67がベルト枠体55の凹部57に入り込んで係合した状態とされている。したがって、図3において実線矢印CWで示すように、モーターMの駆動によって回転軸64が+X方向側から見て時計方向に回転し、この回転軸64の回転に伴って第1リンク板63および第2リンク板62が移動することによって、第2リンク板62に取り付けられたピン67がベルト枠体55を移動(揺動)させる。このようにベルト移動部60は、ベルト枠体55を移動させることによって、搬送ベルト51を印刷位置IPへ移動する。また、図3において破線矢印CCWで示すように、モーターMの駆動によって回転軸64が+X方向から見て反時計方向に回転し、その回転軸64の回転に伴って第1リンク板63および第2リンク板62が移動することによって、第2リンク板62に取り付けられたピン67がベルト枠体55を移動させる。
ベルト移動部60によるベルト枠体55の移動によって、搬送ベルト51は図2に示す状態と同じ第1退避位置FPへ移動(揺動)する。本実施形態では、モーターMの回転は、その回転軸(モーター軸)に取り付けられたウォーム66に噛み合うウォーム歯車65の回転に変換される。したがって、ウォーム歯車65が取り付けられた回転軸64は、モーターMの回転数(ウォーム66の回転数)に比べて小さな回転角で回転する。換言すれば、モーターMの回転によって回転軸64を高い精度の回転角で回転させることができる。
なお、本実施形態において、搬送ベルト51は、印刷位置IPに位置した状態でだけでなく、第1退避位置FPまたは第2退避位置SPに位置した状態においても周回状に回転することが可能に設けられている。
本実施形態では、プリンター11において、搬送ベルト51及び第3供給ローラー対33を構成する供給駆動ローラー30aの汚れを除去するクリーニング部材91を有する単一のクリーニングユニット90が備えられている。すなわち、クリーニング部材91の一部が供給駆動ローラー30aの周面と接触しているクリーニングユニット90は、図示しない駆動源としてのモーターの回転駆動に伴って搬送方向Yに沿って往復移動可能とされている。そして、クリーニング部材91の搬送方向Yへの移動により、搬送ベルト51のベルト面51aに接触することによって、ベルト面51aに付着したインクなどの汚れを拭き取ってクリーニングする。
図4を参照して、クリーニングユニット90について説明する。
本実施形態のプリンター11には、第3供給ローラー対33を構成する供給駆動ローラー30aの周面及び搬送ベルト51のベルト面51aに付着した汚れを拭き取って除去する(クリーニングする)ためのクリーニング部材91を有するクリーニングユニット90が備えられている(図1および図2参照)。
クリーニングユニット90が備えるベースフレーム92に、織布(ウエブ)などの帯状部材からなるクリーニング部材91が、丸軸形状のロール芯にロール状に巻かれた状態で取り付けられている。本実施形態では、クリーニングユニット90は、クリーニング部材91の巻き出し側のロール芯94aと巻き取り側のロール芯94bとを有し、各ロール芯94a,94bの両端部が、ベースフレーム92に回転自在に取り付けられている。そして、クリーニング部材91は、巻き出し側のロール芯94aから繰り出されて、巻き取り側のロール芯94bに巻き取られる。クリーニング部材91は、ロール芯94a側から順に、第1巻き掛け部95A〜第5巻き掛け部95Eに巻き掛けられている。第1巻き掛け部95Aはクリーニング部材91の移動方向において最も巻き出し側ロール芯94a側に配置されている。第2巻き掛け部95Bは最も上方に配置されている。第3巻き掛け部95Cは最も搬送ベルト51側に配置されている。第4巻き掛け部95Dは第3巻き掛け部95Cと第5巻き掛け部95Eとの間に配置されている。第5巻き掛け部95Eはクリーニング部材91の移動方向において最も巻き取り側のロール芯94b側に配置されている。
また、クリーニングユニット90は、ベースフレーム92に取り付けられる不図示の動力伝達機構を備えている。この動力伝達機構は、例えば複数の歯車で構成され、同様に図示しない駆動源としてのモーターの回転駆動が、この動力伝達機構によって巻き取り側のロール芯94bに伝えられて、ロール芯94bを回転させる。この巻き取り側のロール芯94bの回転によって、巻き出し側のロール芯94aに巻かれたクリーニング部材91は巻き出され、ベースフレーム92に対して回転自在に取り付けられた複数の巻き掛け部(本実施形態においては5つ)95A〜95Eに掛け渡された状態のまま移動して、巻き取り側のロール芯94bに巻き取られる。すなわち、クリーニング部材91は、幅方向Xと交差する方向が長さ方向となる長尺の部材であって、その長さ方向において移動可能に設けられている。
ここで、第2巻き掛け部95Bは、供給駆動ローラー30aと対向する位置において、ばねにより供給駆動ローラー30aに向けて付勢されて、ベースフレーム92に支持されている。すなわち、クリーニング部材91のうち、延伸部96の先端に設けられる第2巻き掛け部95Bに巻き掛けられた部分は、供給駆動ローラー30aの周面と接触している。換言すると、クリーニング部材91のうち、延伸部96の先端に設けられた第2巻き掛け部95Bに巻き掛けられる部分が、供給駆動ローラー30aをクリーニングするローラークリーニング部(第1のクリーニング部)99として機能する。
また、第3巻き掛け部95Cは、第1退避位置FPに位置する搬送ベルト51と対向するように配置されている。クリーニングユニット90は、例えば図示しない駆動源(例えばアクチュエーター)によってベースフレーム92が搬送方向Yに沿って往復移動(スライド移動)する構成とされている。このクリーニング部材移動部は、クリーニングユニット90を搬送方向Y上流側へ移動させることによって、第3巻き掛け部95Cに巻き掛けられたクリーニング部材91を、第1退避位置FPに位置する搬送ベルト51から離間した離間位置に位置させる。離間位置に位置するクリーニングユニット90は、第2巻き掛け部95Bに巻き掛けられたクリーニング部材91が供給駆動ローラー30aの周面と接触している。また、クリーニング部材移動部は、クリーニングユニット90を搬送方向Y下流側へ移動させることによって、第3巻き掛け部95Cに巻き掛けられたクリーニング部材91を搬送ベルト51のベルト面51aと接触する接触位置に位置させる。すなわち、第3巻き掛け部95Cに巻き掛けられたクリーニング部材91が、搬送ベルト51をクリーニングするベルトクリーニング部100(第2のクリーニング部)として機能する。なお、搬送ベルト51のクリーニングでは、搬送ベルト51は周回停止状態で第1退避位置FPに移動し、クリーニングユニット90が接触位置に移動する。そして、クリーニング部材91が搬送ベルト51のベルト面51aに接触する状態で、搬送ベルト51は周回する。
図5及び図6を参照して、搬送ベルト51上に吸着されている用紙14を搬送ベルト51から分離する媒体分離部110について説明する。
媒体分離部110は、排出経路25の上流端側かつ搬送ベルト51の下流側に配置される。媒体分離部110は、ベルト枠体55に取り付けられ得るが、本実施形態ではベルト枠体55ではなく、搬送ベルト51の下流側にある第2搬送部26Bの上流部に取り付けられる。すなわち、搬送ベルト51が第2退避位置SPまたは第1退避位置FPに移動すると、搬送ベルト51と媒体分離部110とは離間する。このような媒体分離部110は、搬送ベルト51と分離爪120の爪部125との接触部分の圧調整のため、第2搬送部26Bに水平移動可能に取り付けられる。
媒体分離部110は、複数の分離爪120と、複数の分離爪120を回転可能に支持する支持部材130とを備える。分離爪120は、搬送ベルト51において用紙14が吸着されている面に先端の爪部125(後述参照)を接触させて搬送ベルト51上から用紙14を分離する。媒体分離部110は、幅方向Xに沿って延びるように構成され、複数の分離爪120は幅方向Xに沿って一列に配列される。複数の分離爪120の間の間隔距離は、一定距離ではなく適宜設定されている。分離爪120の表面(特に第1面125b)は、撥水処理され得る。実施形態の例では、両面印刷されて、印刷面が分離爪120に接触することがあるためである。
図6に示すように、分離爪120は、支持部材130が有する幅方向Xに沿う軸に回動自在に支持される支持部121と、支持部121から延びて搬送ベルト51に接触させる爪(以下、「爪部125」という。)を有する第1アーム122と、支持部121から第1アーム122とは異なる方向に延びる第2アーム123とを有する。具体的には、第1アーム122は、支持部121から分離爪120の回動軸線と交差する方向に延び、その先端に爪部125を有する。
また、分離爪120は、爪部125が搬送ベルト51を押圧するように付勢されている。本実施形態では、第2アーム123に設けられるフック126にコイルばね127が取り付けられて、爪部125が搬送ベルト51を押圧するように付勢される。なお、支持部121にねじりばねが取り付けることにより、または第1アーム122にばねを取り付けることにより、爪部125が搬送ベルト51を押圧するように分離爪120を付勢してもよい。
分離爪120の支持部121は、排出経路25の下方に位置する。分離爪120の第1アーム122は、印刷位置IPに配置されている搬送ベルト51の従動ローラー53に向かって延びる。第1アーム122の先端部にある爪部125は、搬送ベルト51が搬送方向Yに向かって下方に湾曲し始める部分に当接する。爪部125は、搬送ベルト51に当接する当接端125aと、搬送ベルト51に当接している状態において上を向く第1面125bと、搬送ベルト51に当接している状態において搬送ベルト51に対峙する第2面125cとを有する。第1面125bは、当接端125aが搬送ベルト51に当接する状態において略水平に配置される。第2面125cは、当接端125aが搬送ベルト51に当接する状態において、搬送ベルト51から離間するように構成されている。
分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す力(以下、「押圧力」という。)の大きさは、搬送ベルト51が周回するときそのベルト面51aからの爪部125の浮きが用紙14の厚みよりも小さくなるように設定される。これは、この浮きが過大であると用紙14を搬送ベルト51から分離できなくなるからである。更に好ましくは、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力は、搬送ベルト51が印刷位置IPに復帰するときの衝突に基づく爪部125の振動が抑制されるように設定される。具体的には、搬送ベルト51が印刷位置IPに復帰すると分離爪120の爪部125に搬送ベルト51が衝突して爪部125が搬送ベルト51から離間する。搬送ベルト51から離間した爪部125は、コイルばね127に基づく力により移動方向が反転して爪部125が搬送ベルト51に接近し、搬送ベルト51に衝突する。そして爪部125はこの衝突により搬送ベルト51に跳ね返されて爪部125が搬送ベルト51から離間する。このように、搬送ベルト51の復帰に基づいて爪部125は振動するようになる。この振動が収束するまでの時間が長いと、次に搬送ベルト51上に搬送方向Yの上流側から進入する用紙14を分離することができなくなる。
このようなことから、爪部125の振動が所定時間内に収束するように、上述の押圧力の大きさが設定される。例えば、所定時間は、搬送ベルト51が印刷位置IPに復帰した時点から用紙14が搬送ベルト51に進入し始めるまでの時間TA(図10参照)よりも短い時間として設定される。これらの条件(浮きを抑制する条件および振動を抑制する条件)は、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力の大きさの下限を決める条件である。一方、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力の大きさの上限は、分離爪120の爪部125と搬送ベルト51との摩擦に起因する搬送ベルト51の磨耗により決定される。すなわち、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力が過大であると、搬送ベルト51の磨耗による損傷でその使用期間が短くなる。したがって、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力の大きさは、搬送ベルト51の磨耗が過大とならない大きさに設定される。
以下、これらの条件を満たす一例を説明する。
搬送ベルト51が爪部125に衝突する時に爪部125に加わる衝撃力が0.4Nであるとき、爪部125が搬送ベルト51を押す押圧力の大きさは約0.07N(例えば、0.065N以上0.074N以下)に設定される。そして、搬送ベルト51を押す押圧力の大きさが0.07Nに設定されるとき、第1アーム122の長さ、第2アーム123の長さおよびばねの力の一例は、次の通りである。分離爪120の回転中心から爪部125までの距離LAは28.5mmとされ、回転中心からばね作用部位(荷重箇所PWP)までの距離LBは8.25mmとされ、コイルばね127により荷重箇所PWPに加えられる力の大きさは0.24Nとされる(図6参照)。
図7〜図10を参照して、フラッシング時におけるプリンター11の動作及び作用を説明する。なお、図10において、用紙14の通過状態において、実線は、用紙14が搬送ベルト51を通過する期間を示し、破線は、用紙14の抜け(後述参照)の状態を示す。
フラッシングは、印刷中において所定条件の成立時に実行される。例えば、インクの減少量が所定量よりも大きくなったことに基づいて実行される。すなわち、用紙14が連続搬送されている途中において、所定条件が成立するとき、フラッシングが実行される。このように印刷中のフラッシングでは、所定時間間隔を隔てて用紙14を搬送する搬送制御において、フラッシングを行うタイミングで1回または所定回数分の用紙14の非搬送状態(用紙14をピックアップしない状態)が作りだされる。すなわち、用紙14の搬送経路における連続して搬送されている用紙14の群(図10の実線および破線)において、1または複数の用紙14の抜け(図10の破線参照)が形成される。なお、用紙の印刷処理能力の低下を抑制するため、用紙抜けは1枚であることが好ましい。用紙の搬送速度は、例えば、23インチ/秒(584.2mm/秒)である。
搬送ベルト51は、用紙14が通過するときは、印刷位置IPに維持される。そして、搬送ベルト51は、用紙抜けの直前の用紙14が通過したその直後に(図10の時刻t1)、図7に示すように、モーターMの回転駆動によりベルトユニット50が回転して搬送ベルト51は周回状態で第2退避位置SPに移動する。この移動時間は約0.6秒である。一方、印刷部18は、メンテナンス位置に移動するとともに、キャップ移動機構70によりキャップ71が印刷部18の下に配置され、印刷部18がキャップ71で覆われる。そして、印刷部18のフラッシングが実行される(図10の時刻t2〜時刻t3参照)。フラッシングが完了すると、キャップ移動機構70によりキャップ71が下方位置に戻されると同時に、モーターMの回転駆動によりベルトユニット50が回転して搬送ベルト51は印刷位置IPに向かって移動する(図10の時刻t4)。この移動時間は約0.6秒である。搬送ベルト51が印刷位置IPに至ると(図10の時刻t5)、図8に示すように、搬送ベルト51は分離爪120に衝突するため、図9に示すように、衝突により分離爪120が上下方向に振動する。分離爪120の振動は、上述したようにその減衰時間が所定時間以下になるように爪部125の押圧力が設定されている。このため、搬送ベルト51が爪部125に衝突した後、爪部125の振動は速やかに減衰する。その後、用紙抜けの直後の用紙14はその分離爪120の上を通過する。
以上のように、搬送ベルト51の回転動作、フラッシングの一連の動作および爪部125の収束動作は、用紙抜けの直前の用紙14が搬送ベルト51を通過する時点から、用紙抜けの直後の用紙14が搬送ベルト51に進入する時点までの期間に実行される。分離爪120の振動はジャムの発生の要因となるが、上述のように分離爪120の振動が速やかに収束するため、ジャムの発生が抑制される。
以下、印刷装置としてのプリンター11の作用効果について記載する。
(1)プリンター11における、分離爪120は、搬送ベルト51よりも搬送方向の下流側に配置される第2搬送部26B(第1搬送部26A以外の構造体)により支持される。搬送ベルト51は、印刷位置IP(搬送位置)と第1退避位置FP(または第2退避位置SP)との間で移動可能に支持される。また、搬送ベルト51が第1退避位置FP(または第2退避位置SP)から印刷位置IPに移動するとき、搬送ベルト51は、分離爪120における支持部121から爪部125に向かう方向に対して交差する方向から分離爪120に接近してその分離爪120に当接する。
この構成によれば、搬送ベルト51は、第1退避位置FP(または第2退避位置SP)から印刷位置IPに復帰するとき、分離爪120における爪部125に向かって移動するのではなく、分離爪120における支持部121から爪部125に向かう方向に対して交差する方向から分離爪120に接近するように移動する。このため、分離爪120の先端の爪部125が搬送ベルト51に刺さることが抑制され、搬送ベルト51の損傷が抑制される。
(2)搬送ベルト51は、プリンター11の印刷部18がメンテナンスされるとき(本実施形態ではフラッシング、搬送ベルト51のクリーニング)、印刷位置IPから第1退避位置FP(または第2退避位置SP)に移動する。この構成によれば、印刷部18のメンテナンス時に飛散するインク等の液体が搬送ベルト51に付着し難くなる。すなわち、搬送ベルト51の汚染が抑制される。なお、搬送ベルト51は、メンテナンスとしてのヘッドクリーニング時においても印刷位置IPから印刷位置IPから第1退避位置FP(または第2退避位置SP)に移動する。なお、各メンテナンスは、同時期に連続的に行われ得るし、または、異なる時間帯に実行され得る。
(3)分離爪120は、搬送ベルト51よりも用紙14の搬送方向の下流側に位置する構造体(すなわち第2搬送部26B)に支持される。この構成によれば、例えば搬送ベルト51を上流側の駆動ローラー52を中心に回動させて印刷位置IP(搬送位置)と第1退避位置FP(または第2退避位置SP)との間を移動させた場合でも、分離爪120は搬送ベルト51の移動の障害とならない。
(4)搬送ベルト51が第2退避位置SPから印刷位置IPに移動して分離爪120に当接するとき分離爪120の爪部に加わる力は、0.4N以下である。この構成によれば、当該力が0.4Nよりも大きい場合に比べて、搬送ベルト51が分離爪120に衝突することに起因する爪部の振動の振幅が小さくなって、振動が収束する時間が短くなる。これにより、分離爪120の爪部125の振動が長く続く場合に比べて、用紙14が分離爪120に引っ掛かることが抑制される。
(5)分離爪120は、第1アーム122の先端の爪部125が搬送ベルト51を押圧するように付勢されている。この構成によれば、搬送ベルト51の周回時に爪部125が搬送ベルト51から離間することが抑制されるようになり、用紙14が分離爪120で分離されないようになることが抑制される。
(6)分離爪120の爪部125が前記搬送ベルト51を押す力(押圧力)は0.065N以上0.074N以下であり、前記第1アーム122の長さは、28.5mmであることが好ましい。この構成によれば、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を適度な力(トルク)で押圧するようになるため、搬送ベルト51からの爪部125の浮きが小さくかつ搬送ベルト51の磨耗が抑制されるようになる。
(7)第2アーム123の荷重箇所PWPと支持部121の回転中心との間の距離LBは8.25mm、爪部125と支持部121の回転中心との間の距離LAは28.5mm、第2アーム123の荷重箇所に加えられる力は0.24Nである。この構成によれば、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51を押圧する力が約0.07Nに設定される。また、第2アーム123の長さが第1アーム122の長さよりも短く、分離爪120の全体の大きさがコンパクトであるため、分離爪120を支持する部材をコンパクトにすることができる。
<その他の実施形態>
・本実施形態では、分離爪120は、支持部を間にして2つのアーム122,123を有するレバーとして構成されているが、分離爪120の構造はこれに限定されない。例えば、分離爪120は、回転中心部となる支持部と、支持部から延びるアームとを有し、このアームにバネが取り付けられ、分離爪120の爪部125が搬送ベルト51に押圧するようにアームを付勢する。
・実施形態では、ベルトユニット50が回転することにより搬送ベルト51が印刷位置IPから第1退避位置FPまたは第2退避位置SPに移動するが、搬送ベルト51の移動態様はこれに限定されない。図11に示すように、搬送ベルト51が平行移動(上下方向、または斜め方向)するように構成され得る。また、搬送ベルト51の移動経路は、円弧またはそれに近い曲線に沿うように構成され得る。
11…プリンター(印刷装置)、14…用紙(媒体)、18…印刷部、26A…第1搬送部、26B…第2搬送部、51…搬送ベルト、110…媒体分離部、120…分離爪、121…支持部、122…第1アーム、123…第2アーム、125…爪部、IP…印刷位置(搬送位置)、FP…第1退避位置、SP…第2退避位置(退避位置)。

Claims (7)

  1. 媒体を吸着して搬送する搬送ベルトを有する第1搬送部と、前記搬送ベルト上に吸着されている前記媒体に対して印刷を行う印刷部と、前記搬送ベルトにおける前記媒体を吸着している面に先端の爪部が接触して前記媒体を前記搬送ベルト上から分離する分離爪と、前記分離爪により分離された前記媒体を前記第1搬送部よりも前記媒体の搬送方向の下流側に搬送する第2搬送部とを備え、
    前記分離爪は、回転自在に支持される支持部と、前記支持部から延びて前記爪部を有するアームとを有し、前記第1搬送部以外の構造体により支持され、
    前記搬送ベルトは、前記搬送ベルトと前記分離爪とが接触する位置であって前記分離爪により前記搬送ベルト上から分離された前記媒体を前記第2搬送部に向けて搬送する搬送位置と、前記搬送ベルトと前記分離爪とが離間する位置であって前記搬送位置から退避した退避位置との間で移動可能に支持され、前記退避位置から前記搬送位置に移動するとき、前記分離爪における前記支持部から前記爪部に向かう方向に対して交差する方向から前記分離爪に接近して前記分離爪に当接する
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記搬送ベルトは、前記印刷部がメンテナンスされるとき、前記搬送位置から前記退避位置の方向に移動する
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記分離爪は、前記搬送ベルトよりも前記媒体の搬送方向の下流側に位置する前記構造体に支持される
    請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記搬送ベルトが前記退避位置から前記搬送位置に移動して前記分離爪に当接するとき前記分離爪の前記爪部に加わる力は0.4N以下である
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記分離爪は、前記支持部と、前記支持部から前記分離爪の回動軸線と交差する方向に延びて先端に前記爪部を有する前記アームとしての第1アームと、前記支持部から前記第1アームとは異なる方向に延びる第2アームとを有し、前記第1アームの先端の前記爪部が前記搬送ベルトを押圧するように付勢される
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記分離爪の前記爪部が前記搬送ベルトを押す力は0.065N以上0.074N以下であり、前記第1アームの長さは、28.5mmである
    請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記第2アームの荷重箇所と前記支持部の回転中心との間の距離は8.25mm、前記爪部と前記支持部の回転中心との間の距離は28.5mm、前記第2アームの荷重箇所に加えられる力は0.24Nである
    請求項6に記載の印刷装置。
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