JP2017197810A - ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017197810A
JP2017197810A JP2016089347A JP2016089347A JP2017197810A JP 2017197810 A JP2017197810 A JP 2017197810A JP 2016089347 A JP2016089347 A JP 2016089347A JP 2016089347 A JP2016089347 A JP 2016089347A JP 2017197810 A JP2017197810 A JP 2017197810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic container
electrode
gas barrier
barrier film
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016089347A
Other languages
English (en)
Inventor
英人 柳原
Hideto Yanagihara
英人 柳原
香 松村
Kaori Matsumura
香 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemicals Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemicals Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2016089347A priority Critical patent/JP2017197810A/ja
Publication of JP2017197810A publication Critical patent/JP2017197810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器の内部に、プラズマCVD法によりガスバリア性膜を均一に成膜して、高いガスバリア性を有するプラスチック容器を製造する。【解決手段】プラスチック容器1の底部が奥側となるように収容する凹部2Aが形成された第1の電極2の凹部2Aにプラスチック容器1を収容する際に、プラスチック容器1の胴部と凹部2Aとの間に特定の条件を満たすように導電体部材11及び/又は誘電体部材12を設ける。プラスチック容器1内を排気した後原料ガスを供給し、第1の電極2と第2の電極3との間に高周波電圧を印加して原料ガスをプラズマ化してプラスチック容器1の内面にガスバリア性膜を成膜する。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック容器の内面にガスバリア性膜を成膜する成膜装置及び成膜方法と、ガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法に関する。
外部及び内部からの酸素や水蒸気の透過防止を目的として、ペットボトルなどのプラスチック容器(以下、単に「容器」ともいう)の内面にガスバリア性膜を成膜した容器やその製造方法は従来から知られている。
例えば特許文献1には、容器を収容する空間が形成された外部電極内に容器を収容し、この容器内に、原料ガス供給管が接続された管状の内部電極を挿入した後、排気と原料ガスの供給を行い、外部電極に高周波電圧を印加して外部電極と内部電極の間にプラズマを発生させることで、ダイヤモンドライクカーボン膜(以下、DLC膜)を容器内部に成膜する方法が開示されている。
特許文献2には、容器内面にバリア膜を均質に成膜することを目的として、誘電体部材の材料、厚さや、外部電極と容器との間の空間又は誘電体部材と容器との間の空間を調整して、容器内面に印加される電圧を均一化するように工夫したバリア膜形成装置が開示されている。
この特許文献2では、次のような理論が示されている。
プラズマCVD法において、放電を発生させるための電界とは、交番電界であり、AC,LF,RF,VHF,マイクロ波等の電源周波数fを持つ電界、あるいはパルスを含むものである。この場合、外部電極と容器内面の間に設置された誘電体部材や空間には変位電流が流れる。
このような誘電体部材や空間のインピーダンスZは、下記式(1)で求められる。
Figure 2017197810
ここで、ωは一定であるので、容量Cの大きさでインピーダンスZが決まる。
例えば、誘電体と空隙が存在する場合の容量Cは、下記式(2)で求められる。
Figure 2017197810
前記式(1)、式(2)より、下記式(3)で換算距離Gが求められる。
Figure 2017197810
すなわち換算距離Gは、各部の距離(厚さ)dを当該部分を構成する材料(誘電体又は空間)の比誘電率εで割ったものの総和である。なお、空間の比誘電率εは1である。
この換算距離Gは、誘電体をすべて空間に置き換えたときの電気的な空間の距離(厚さ)に相当する。この定義により、外部電極内面から容器内側表面までのインピーダンスZの均一性は、換算距離Gの均一性、すなわち、容器の各場所の換算距離Gの比で表される。
したがって、換算距離Gの比が小さいほど、外部電極内面から容器内側表面までのインピーダンスZは均一で、容器内側表面に形成されるバリア膜が略均一となり、バリア性が向上することになる。
このような理論から、特許文献2では、誘電体部材又は空間の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの外部電極内表面から前記容器内表面までの総和が、容器全体に亙って略均一となるように、誘電体部材の材料と、誘電体部材と空間の厚さと、外部電極形状を組み合わせるとされている。
特許文献3には、特許文献1に開示された容器よりも小型のプラスチック容器の内壁面にガスバリア性膜を均一に成膜する方法として、容器の外壁面と外部電極の内壁面との間に誘電体部材を配置し、原料ガス供給管として機能する内部電極を容器内部に挿入せず、容器の口部から所定距離だけ離して配置する成膜方法が開示されている。
特開平8−53116号公報 特開2008−231468号公報 特開2012−116541号公報
本発明者らは、口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器に対して、特許文献3に記載されたように、容器の外壁面と外部電極の内壁面の間に誘電体部材を配置し、容器の外部で原料ガスを供給した後、外部電極に高周波電力を印加したところ、主に容器の口部側でのみプラズマが発生し、容器内部ではプラズマが発生しにくい傾向があり、容器の底部側では、ほとんどガスバリア性膜が成膜されないことを確認した。
また、容器内に成膜されたガスバリア性膜の膜厚は、容器口部付近では厚く、容器の底部側では薄く、容器全体においてガスバリア性膜の膜厚の均一性が悪いため、成膜後の容器は酸素や水蒸気の透過を十分に抑制することができないことを確認した。
この場合において、容器内部でのプラズマの発生を向上させるために、外部電極に印加する高周波電力を大きくすると、容器が熱変形してしまうという不具合が生じた。
この問題は、特許文献2の技術を採用しても解決することはできない。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器であっても、容器内面にガスバリア性膜を均一に成膜して、高いガスバリア性を有するプラスチック容器を製造することができる成膜装置及び成膜方法と、ガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、容器と容器を収容した電極凹部との間に、特定条件を満たすよう導電体部材及び/又は誘電体部材を配置して成膜を行うことにより、容器内面にガスバリア性膜を均一に成膜することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内面に、プラズマCVD法によりガスバリア性膜を成膜する装置であって、該プラスチック容器の底部が奥側となるように該プラスチック容器を収容する凹部が形成された第1の電極と、該第1の電極との間でプラズマを発生させる第2の電極と、該第1の電極と第2の電極との間にプラズマ発生用の電圧を印加する電源と、該凹部に収容されたプラスチック容器内を排気する排気手段と、該プラスチック容器内に原料ガスを供給する原料ガス供給手段とを有するガスバリア性膜の成膜装置において、該凹部内面と該プラスチック容器の胴部との間に、誘電体部材、又は導電体部材、又は導電体部材とその内側の誘電体部材が設けられており、以下の条件Aを満たすことを特徴とするガスバリア性膜の成膜装置。
条件A:該凹部に収容されたプラスチック容器の高さ方向に直交する断面(以下、「横断面」と称す。)において、該第1の電極又は導電体部材で形成される実質電極表面と、該プラスチック容器の胴部外表面との間に存在する空隙及び/又は誘電体部材の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの、該実質電極表面から胴部外表面までの総和が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
[2] [1]において、前記導電体部材が、下記条件Bを満たすように設置されていることを特徴とする[1]に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
条件B:前記横断面において、前記実質電極表面から該プラスチック容器の胴部外表面までの距離が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
[3] 前記第1の電極の凹部が、有底の筒型形状であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
[4] 前記凹部に設けられた前記誘電体部材及び/又は導電体部材が、有底又は無底の筒型形状であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置。
[5] 前記凹部に設けられた前記導電体部材及び/又は誘電体部材の少なくとも前記プラスチック容器側面の前記横断面の形状が、前記プラスチック容器の胴部外面の前記横断面の形状と相似形であることを特徴とする[4]に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
[6] 前記プラスチック容器の口部の内径(D)が35mm以下であり、該口部の内径(D)に対する該プラスチック容器の高さ(H)の比(H/D)が3以上であることを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置。
[7] [1]ないし[6]のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置により、プラスチック容器の内面にガスバリア性膜を成膜することを特徴とするガスバリア性膜の成膜方法。
[8] 少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内面に、プラズマCVD法によりガスバリア性膜を成膜してガスバリア性膜付プラスチック容器を製造する方法において、該プラスチック容器の底部が奥側となるように該プラスチック容器を収容する凹部が形成された第1の電極の該凹部内に、誘電体部材、又は導電体部材、又は導電体部材とその内側の誘電体部材を、下記条件Aを満たすように設置した後、該凹部に該プラスチック容器を収容する工程と、該第1の電極との間でプラズマを発生させる第2の電極を該プラスチック容器の口部側に配置する工程と、該プラスチック容器内を排気する工程と、該プラスチック容器内に原料ガスを供給する工程と、該第1の電極と第2の電極との間にプラズマ発生用の電圧を印加することにより、該原料ガスをプラズマ化して該プラスチック容器の内面にガスバリア性膜を成膜する工程とを有することを特徴とするガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
条件A:該凹部に収容されたプラスチック容器の高さ方向に直交する断面(以下、「横断面」と称す。)において、該第1の電極又は導電体部材で形成される実質電極表面と、該プラスチック容器の胴部外表面との間に存在する空隙及び/又は誘電体部材の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの、該実質電極表面から胴部外表面までの総和が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
[9] 前記導電体部材を、下記条件Bを満たすよう設置することを特徴とする[8]に記載のガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
条件B:前記横断面において、前記実質電極表面から該プラスチック容器の胴部外表面までの距離が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
[10] 前記プラスチック容器の口部の内径(D)が35mm以下であり、該口部の内径(D)に対する該プラスチック容器の高さ(H)の比(H/D)が3以上であることを特徴とする[8]又は[9]に記載のガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
本発明によれば、口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器であっても、容器内面に、ガスバリア性膜を均一に成膜することができ、高いガスバリア性を有するガスバリア性膜付プラスチック容器を製造することが可能となる。
本発明は、所定の条件を満たすように導電体部材及び/又は誘電体部材を配置するのみで、既存のガスバリア性膜の成膜装置にも容易に適用することが可能であり、実用性に優れる。
本発明のガスバリア性膜の成膜装置の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。 本発明のガスバリア性膜の成膜装置の別の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。 本発明における第1の電極の凹部内の導電体部材及び/又は誘電体部材の配置例を示す断面図である。 本発明における第1の電極の凹部内の導電体部材及び/又は誘電体部材の配置例を示す断面図である。 換算距離d/εの算出例を説明するための凹部内面〜容器胴部までの横断面図である。 プラスチック容器の形状例を示す図であって、(a),(c),(e)図は縦断面図、(b),(d),(f)図は、それぞれ(a),(c),(e)図のB−B線、D−D線、F−F線に沿う横断面図である。 プラスチック容器と導電体部材及び誘電体部材の横断面形状の形状例を示す図であって、(a)図は縦断面図、(b−1)図,(b−2)図,(b−3)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。 実施例における換算距離d/εの総和の算出位置を示す断面図である。 実施例におけるガスバリア性膜の膜厚の測定部位を示す断面図である。 比較例における導電体部材又は誘電体部材の配置を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)を説明するものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
[作用機構]
本発明においては、下記条件Aを満たすように、第1の電極の凹部内に誘電体部材及び/又は導電体部材を設ける。なお、導電体部材と誘電体部材を設ける場合、誘電体部材は導電体部材の内側に設けられる。
条件A:該凹部に収容されたプラスチック容器の高さ方向に直交する断面(以下、「横断面」と称す。)において、該第1の電極又は導電体部材で形成される実質電極表面と、該プラスチック容器の胴部外表面との間に存在する空隙及び/又は誘電体部材の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの、該実質電極表面から胴部外表面までの総和が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
本発明により、条件Aを満たすように誘電体部材及び/又は導電体部材を設けることにより、口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器であっても、容器内面にガスバリア性膜を均一に成膜することができる理由は、以下の通りである。
口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器では、既存のガスバリア性膜の成膜装置を用いた場合、主に容器の口部側でのみプラズマが発生し、容器内部ではプラズマが発生しにくい、すなわちプラズマの発生が容器内部で不均一になる傾向があり、容器の底部側では、ほとんどガスバリア性膜が成膜されない。
この問題に対して、本発明では、上記条件Aを満たすように導電体部材及び/又は誘電体部材を設けることで、プラスチック容器の凹部における実質電極表面から容器胴部の外表面までのインピーダンスを、容器胴部の口部側から、容器胴部の底部側にかけて小さくする、傾斜(グラデーション)又は段差を付ける。このようにすることによって、容器の底部側でプラズマをより発生し易くし、容器内部でのプラズマの発生を均一にし、容器内面に付着するガスバリア性膜の膜厚均一性を高めることが可能となる。
[ガスバリア性膜の成膜装置]
まず、図1,2を参照して本発明のガスバリア性膜の成膜装置について説明する。図1,2は本発明のガスバリア性膜の成膜装置の実施の形態の一例を示す模式的な断面図であり、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1,2において、2は、ガスバリア性膜を成膜するプラスチック容器1を収容する凹部2Aが形成された第1の電極であり、絶縁部材8を介して密閉される蓋部4Aと本体部4Bとで構成される真空チャンバ4の本体部4B側に設けられている。また、第1の電極2には、整合器5Aを介して高周波電源5より電力が供給される。
第1の電極2の凹部2Aは、プラスチック容器1の高さよりも深く、かつその横断面はプラスチック容器1の横断面よりも大きく、プラスチック容器1の全体を、その底部が奥側となるように収容し得ると共に、プラスチック容器1と第1の電極2の凹部2Aの内面の間に、導電体部材及び/又は誘電体部材、場合により更に空隙(空間)を設けることができる大きさに形成されている。
図1において、3は、第1の電極2との間でプラズマを発生させるための第2の電極である。
本実施の形態においては、第2の電極3は真空チャンバ4の蓋部4Aの板面の内面に積層された板状電極であるが、第2の電極の形状、配置構成は何ら図示のものに限定されるものではない。
ただし、図1のように、第2の電極3を、第1の電極2の凹部2Aに収容されたプラスチック容器1の口部から離隔して設けられた板状電極とすることにより、電極構造を簡略化することができ、また多様な形状の対象物に成膜することができ、工業的に有利である。
第2の電極3と第1の電極2との距離(図1中のL)は5〜250mmとすることが好ましい。この範囲内であれば、第2の電極3と第1の電極2との間でプラズマを生成、維持することが容易になる傾向がある。
真空チャンバ4の蓋部4Aには、原料ガスの供給管6が貫通して設けられてもよい。図1の実施の形態では、この原料ガスの供給管6の先端のノズル6Aが第1の電極2の凹部2Aに収容されたプラスチック容器1内に位置するように設けられている。原料ガスの供給管6は、第2の電極3に接続されており、第2の電極の一部としての役割も果たす。
このように、原料ガス供給ノズル6Aの先端をプラスチック容器1内に位置するように設けることにより、口部の内径が小さく、口部の内径に対して高さの高い容器であっても、容器の底部にまで十分量の原料ガスを供給して容器1の底部側にもガスバリア性膜を効率的に成膜することができるようになる。原料ガス供給ノズル6Aの先端の位置は、ガスバリア性膜を成膜するプラスチック容器1の寸法や形状によっても異なるが、排気効率、プラズマ生成の観点から、プラスチック容器1の口部から容器1内に挿入された原料ガス供給ノズル6Aの先端までの長さ(挿入深さ)(図1中L)が、プラスチック容器1の高さの1/10〜4/5となるようにすることが好ましく、1/5〜1/2となるようにすることがより好ましい。
7は、真空チャンバ4内を排気する排気管であり、図示しない真空ポンプに接続されている。
第2の電極は、原料ガスを真空チャンバ内に供給するシャワーヘッドを兼ねてもよい。第2の電極をシャワーヘッドとすることで、容器の形状に関わらず、真空チャンバ内に安定して原料ガスを供給することができる。
図2は、第2の電極が原料ガスを真空チャンバ内に供給するシャワーヘッドを兼ねるように構成された成膜装置を示すものであり、真空チャンバ4の蓋部4Aに設けられたシャワーヘッド嵌め込み用の孔部に、絶縁部材9を介して第2の電極30と電極支持体31の積層体が一体的に設けられている。電極支持体31内には、ガス拡散室32が設けられており、このガス拡散室32から真空チャンバ4内に連通する多数のガス吐出孔33が電極支持体31と第2の電極30を貫通して設けられている。また、原料ガスの供給管6がこのガス拡散室32に連結されている。
図2の成膜装置は、このように、第2の電極30が原料ガスを真空チャンバ内に供給するシャワーヘッドを兼ね、原料ガスの供給管6の先端が、電極支持体31のガス拡散室32に連結されていること以外は、図1の成膜装置と同様の構成とされている。
本発明のガスバリア性膜の成膜装置は、第1の電極2の凹部2A内に導電体部材11及び/又は誘電体部材12を前述の条件Aを満たすように設け、その内側にプラスチック容器1を配置してプラズマCVD法によりガスバリア性膜を成膜することを特徴とする。
図1,2の成膜装置では、凹部2A内の奥側に有底筒状の導電体部材11が設けられ、その上に導電体部材11と同径の筒状の誘電体部材12が積み重ねられている。
図1,2の成膜装置では、プラスチック容器1の高さ方向において、上から約1/2の部分に誘電体部材12が設けられ、その下に導電体部材11が設けられ、導電体部材11及び誘電体部材12は、第1の電極2及びプラスチック容器1と接するように設けられているが、本発明において、導電体部材及び/又は誘電体部材は、プラスチック容器1と第1の電極2の凹部2Aとの間に、前述の条件Aを満たすように設けられていればよく、その他、以下のような態様が挙げられる。
(1) 図3(a)に示すようにプラスチック容器1の高さ方向に、プラスチック容器1の高さの約1/3の筒状の導電体部材11Aと、筒状の誘電体部材12A,12Bとを積み重ねて設けたもの。この配置例では、プラスチック容器1の底部側の容器1の外表面と第1の電極2との間には導電体部材11Aが存在し、プラスチック容器1の口部側及び中間部では誘電体部材12A,12Bが存在する。
(2) 図3(b)に示すように、図3(a)における誘電体部材12A部分を筒状の導電体部材11Bと誘電体部材12Cとの2層構造としたもの。この配置例では、プラスチック容器1の底部側の容器1の外表面と第1の電極2との間には導電体部材11Aが存在し、プラスチック容器1の口部側では誘電体部材12Bが存在し、中間部では導電体部材11Bと誘電体部材12Cが存在する。
(3) 図3(c)に示すように、プラスチック容器1の高さ方向の下から約1/3の高さ部分に筒状の誘電体部材12Dを設け、その上に、プラスチック容器1の高さの約1/3の、筒状で、外径が誘電体部材12Dに等しく、肉厚の薄い誘電体部材12Eを積み重ねたもの。この配置例では、プラスチック容器1の底部側の容器1の外表面と第1の電極2との間は誘電体部材12Dのみが存在し、プラスチック容器1の口部側では、空隙10のみが存在し、中間部では、誘電体部材12Eと空隙10とが存在する。
(4) 図3(d)に示すように、プラスチック容器1の高さ方向の下から約1/3の高さ部分に有底筒状の導電体部材11Bを設けたもの。この配置例では、プラスチック容器1の底部側の容器1の外表面と第1の電極2との間には導電体部材11Bが存在し、プラスチック容器1の口部側及び中間部では空隙10が存在する。
このように、容器1の高さ方向に同じ厚みの誘電体部材や導電体部材を積み重ねてもよいし、異なる厚みの誘電体部材や導電体部材を積み重ねて設置してもよいし、容器1の高さ方向の途中まで導電体部材や誘電体部材を設置してもよい。
また、導電体部材や誘電体部材は容器の高さ方向において厚みに傾斜(グラデーション)や段差を設けてもよく、例えば、以下のような態様も採用することができる。
(5) 図4(a)に示すように、図1,2に示す導電体部材及び誘電体部材の配置において、導電体部材11Cと誘電体部材12Fの当接部に嵌合用の段差を設けたもの。
(6) 図4(b)に示すように、導電体部材11Dをプラスチック容器1の底部側から高さ方向に肉厚が次第に薄くなる有底筒状とし、誘電体部材12Gを逆に肉厚が次第に厚くなる筒状としたもの。この配置例では、プラスチック容器1の口部側では誘電体部材の肉厚が厚く、底部側では導電体部材の肉厚が厚くなる。
(7) 図4(c)に示すように、図3(d)に示す有底筒状の導電体部材11Bに容器1の高さ方向に次第に肉厚が薄くなるように肉厚に傾斜をつけた導電体部材11Eを設けたもの。
(8) 図4(d)に示すように、図4(c)の導電体部材11Eと同形状の誘電体部材12Hを設けたもの。
このように、容器1の高さ方向の途中まで導電体部材を設けその上に誘電体部材を積み重ねてもよいし、容器の胴部途中まで導電体部材又は誘電体部材を設置してもよいし、第1の電極の凹部表面に沿って、異なる厚みの導電体部材を積み重ねて設置してもよいし、厚みに傾斜のある誘電体部材を設置してもよい。
換算距離d/εの調整の自由度、異常放電の抑制の観点から、導電体部材及び誘電体部材の両方を配置する態様が好ましい。
特に、導電体部材を設ける場合、導電体部材は下記条件Bを満たすように設けることが、容器内部でのプラズマの発生をより均一にすることができるので好ましい。
条件B:前記横断面において、前記実質電極表面から該プラスチック容器の胴部外表面までの距離が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
プラズマ発生効率の面から、第1の電極の凹部の内面(導電体部材を設置した場合は、導電体部材面)と誘電体部材との間隙は2mm以下であることが好ましく、接触していることがより好ましい。
また、異常放電を防ぐ観点から、導電体部材は、第1の電極の少なくとも一部と接触(導通)していることが好ましい。
導電体部材や誘電体部材は、図1に示すように収容されたプラスチック容器1と第1の電極2の間に設置される。導電体部材や誘電体部材の形状は、第1の電極及び収容されたプラスチック容器の間に収まる形状であれば、特に限定されない。
第1の電極の凹部が、筒型形状である場合は、導電体部材や誘電体部材も、筒型形状であることが好ましく、第1の電極の凹部と容器の底部の間に収まるよう有底筒型形状であることも好ましい。
導電体部材や誘電体部材が筒型形状である場合、これらの部材の少なくともその誘電体部材側面の横断面形状が、プラスチック容器の胴部外面の横断面形状と相似形であることがより好ましい。このように導電体部材や誘電体部材がプラスチック容器と相似形であれば、横断面全体において、容器外表面と第1の電極の凹部表面までの換算距離の総和が、均一に近くなる。
同じ理由で、第1の電極の凹部の横断面形状も、プラスチック容器の胴部外面の横断面形状と相似であることも好ましい。
誘電体部材を構成する誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ化炭素樹脂、ポリアセタール、硬質塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂などのプラスチック樹脂、ガラス、セラミックスなどが挙げられ、単一の誘電体を使用してもよいし、複数の誘電体を同時に使用してもよい。
一方、導電体部材を構成する導電材料としては、アルミニウム、銅、鉄及びそれらから成る合金、ステンレス鋼などを用いることができ、中でもアルミニウム合金が、導電性、熱伝導性、加工性の観点から好ましい。
誘電体部材及び導電体部材の肉厚は2〜30mmの範囲で設けることが好ましい。
なお、比較的大きなプラスチック容器にガスバリア性膜を成膜するための既存の成膜装置を用いて、比較的小さなプラスチック容器にガスバリア性膜を成膜する場合、第1の電極の凹部がプラスチック容器に対して大き過ぎることとなる。このような場合において、プラスチック容器1と凹部の内面との間隙に導電体部材及び/又は誘電体部材を介在させることにより、均一成膜を図ると共に、凹部の寸法調整を行える。
[換算距離d/εの算出方法]
以下に、図5を参照して換算距離d/εの算出方法について説明する。
説明の便宜上、図5では第1の電極2の凹部と容器1の胴部との間に、導電体部材11、誘電体部材12及び空隙10が存在する場合を示す。
横断面における、誘電体部材12の厚さをd、空隙10の厚さをdとする。また、誘電体部材12の比誘電率をε、空隙10の比誘電率をεとする。ε=1である。第1の電極2の凹部に接して導電体部材11が設けられているため、実質電極表面は導電体部材11の内表面となる。この実質電極表面と容器1の胴部外表面との間に存在する誘電体部材12の換算距離d/εはd/εであり、空隙の換算距離d/εはd/ε=dである。従って、これらの総和は、d/ε+dとなる。
本発明においては、このようにして算出される換算距離d/εの実質電極表面から容器1の胴部外表面までの総和が、プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さくなるように、第1の電極と容器胴部との間に誘電体部材及び/又は導電体部材、場合により更に空隙を設ける。
また、容器内部でのプラズマの発生をより細かく調整する観点から、換算距離d/εの実質電極表面から容器1の胴部外表面までの総和が、プラスチック容器の口部側から底部側の方が小さく、かつ、少なくとも2つ以上の段差が付いていることが好ましい。
さらには、換算距離d/εの実質電極表面から容器1の胴部外表面までの総和が、プラスチック容器の口部側から底部側の方が小さく、かつ、傾斜が付いていることが特に好ましい。
[プラスチック容器]
本発明において、ガスバリア性膜を成膜するプラスチック容器には特に制限はなく、図6(a),(b)((b)図は(a)図のB−B線断面図)に示すような、有底角筒型形状の容器1Aであってもよく、図6(c),(d)((d)図は(c)図のD−D線断面図)に示すように、底部が丸みを帯びた断面楕円形状の容器1Bであってもよい。また、図6(e),(f)((f)図は(e)図のF−F線断面図)に示すように、胴部に対して口部が縮径された有底円筒型形状の容器1Cであってもよい。図6(a),(c)に示す容器1A,1Bの口部が図6(e)に示されるように、縮径されたものであってもよい。なお、図6において、Xは口部を、Yは胴部を、Zは底部をそれぞれ示す。
図6(a),(c),(e)の胴部の縦断面形状においては、胴部の内径がほぼ均一な形状が示されているが、これに限られず、例えば、口部側から底部側につれて胴部の内径が増加または減少する形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。
また、胴部にリブ形状や凹凸形状を有していてもよい。
よりプラズマが発生しにくい容器形状、例えば、図6(e)に示されるように胴部に対して口部が縮径された容器であれば、より顕著に本発明の効果を得ることできる。
いずれの形状であっても、本発明は特に、口部の内径(D)に対して高さ(H)の高い容器に対して有効である。例えば、本発明は、口部の内径(D)が35mm以下、特に20mm以下、とりわけ15mm以下、例えば5〜35mmの範囲で、口部の内径(D)に対する高さ(H)の比(H/D)比が3以上、4以上、6以上、例えば3〜10の範囲であり、有効容量として300ml以下、特に50ml以下、とりわけ20ml以下であるような容器へのガスバリア性膜の成膜に有効であり、このようにH/D比が大きい容器であっても、特定条件を満たすよう導電体部材及び/又は誘電体部材を配置したことにより、容器の底部にまでガスバリア性膜を成膜することができる。
プラスチック容器を構成するプラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンテレフタレート系共重合樹脂(ポリエステルのアルコール成分にエチレングリコールの代わりに、シクロヘキサンジメタノール等を使用した共重合樹脂等)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ乳酸(PLA)等の脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンポリマー樹脂(COP)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC)等のシクロオレフィン系樹脂、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂(PS)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスルホン樹脂、フッ化エチレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等が挙げられ、これらの中でも、成形性や耐熱性の観点から、PET、PC及びシクロオレフィン系樹脂が好ましい。
前述の通り、誘電体部材、導電体部材、更には第1の電極の凹部は、プラスチック容器の横断面形状と相似形であることが好ましい。図3(b)に示した態様において、この相似形状を図7を参照して説明すると、図7(a)のB−B線断面において、横断面形状が楕円形の容器1aであれば、図7(b−1)の通りであり、横断面形状が円形の容器1bであれば、図7(b−2)の通りであり、横断面形状が略長方形状の容器1cであれば図7(b−3)の通りである。この形状例では第1の電極2の凹部の横断面形状が円形であるため、横断面形状が楕円形の容器1aや略長方形状の容器1cの場合、導電体部材11B、誘電体部材12C、特に導電体部材11Bは、その横断面形状が第1の電極の凹部の円形形状から、次第に容器の形状に近づくように、外側の形状と内側(容器側)の形状が設計されている。
[ガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法]
次に、上記のような本発明のガスバリア性膜の成膜装置によりガスバリア性膜を成膜してガスバリア性膜付きプラスチック容器を製造する方法について説明する。
プラスチック容器1にガスバリア性膜を成膜するには、まず、図1の真空チャンバ4の蓋部4Aを開放した状態で、第1の電極2の凹部2A内に導電体部材11及び誘電体部材12を設けプラスチック容器1を挿入する。
次いで、第2の電極3と原料ガス供給管6を有する蓋部4Aを絶縁部材8を介して本体部4Bに気密に取り付けた後、排気管7より真空引きして真空チャンバ4内を真空にする。この真空の程度は例えば0.1〜50Pa程度である。
次に、原料ガス供給管6より原料ガスをプラスチック容器1内に供給し、高周波電源5により、第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加してプラズマを発生させる。
原料ガスの供給流量には、特に制限はないが、通常10〜200sccm程度である。
また、印加する電力量にも特に制限はないが、通常40〜500W程度であり、容器形状や装置の構成によって、40〜200Wであることが好ましい場合がある。
このように、プラスチック容器1の内部に向けて原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに、高周波電力を供給すると、この電力をエネルギー源として、プラスチック容器1内の原料ガスがプラズマ化され、これによって、プラスチック容器1の内壁面にガスバリア性膜が成膜される。
成膜時間は、電力量や原料ガス供給流量、所望のガスバリア性膜の膜厚等により適宜調整されるが、通常1〜90秒の範囲であり、生産性の観点から、好ましくは1〜20秒、より好ましくは1〜10秒の範囲である。
成膜後は原料ガスの供給を停止すると共に電源をOFFとし、真空チャンバ4内を復圧して開放し、ガスバリア性膜付きプラスチック容器を取り出す。
図2に示す成膜装置であっても、上記と同様に成膜を行える。
[ガスバリア性膜]
本発明において、プラスチック容器の内面に成膜されるガスバリア性膜は、酸素又は水蒸気等の透過を抑制可能であれば、その組成は特に限定されるものではない。特にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)、SiO膜、SiON膜、SiOC膜、SiONC膜、Si含有ダイヤモンドカーボン膜等のSi含有膜、又は、アルミナ膜であることが好ましい。中でも、化学的に不活性であること、柔軟性によりプラスチック容器の伸縮に追従性があることから、DLC膜が好ましい。尚、ガスバリア性膜は、異なる組成の膜を複数重ねたものであってもよい。
ガスバリア性膜の膜厚は、用途に応じた要求特性により適宜設定されるが通常5〜200nmである。
DLC膜としては、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、テトラヘドラルアモルファスカーボン膜、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン膜などを例示することができる。DLC膜中には、窒素や酸素が含まれていてもよい。その場合、炭素原子数100に対し、窒素原子数、酸素原子数が好ましくは、各20以下、より好ましくは、各15以下である。炭素原子数に対する各原子数は、X線光電子分光分析で分析可能である。
[原料ガス]
原料ガスとしては、例えば、DLC膜を成膜する場合、常温で気体又は液体の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類などが使用される。特に炭素数が6以上のベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、シクロヘキサン等が望ましい。食品等の容器に使用する場合には、衛生上の観点から脂肪族炭化水素類、特にエチレン、プロピレン又はブチレン等のエチレン系炭化水素、又は、アセチレン、アリレン又は1−ブチン等のアセチレン系炭化水素が好ましい。
Si含有膜を成膜する場合には、珪化炭化水素ガス又は珪化水素ガスを使用する。具体的には、四塩化ケイ素、シラン(SiH)、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等の有機シロキサン化合物等が使用される。また、これらの材料以外にも、アミノシラン、シラザンなども用いられる。
アルミナ膜を成膜する場合には、炭化水素アルミニウムガスを使用する。例えば、トリアルキルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、ジメチルイソプロピルアルミニウムを用いる。
これらの原料ガスは、単独で用いてもよいが、2種以上の混合ガスとして使用するようにしてもよい。さらにこれらのガスをアルゴンやヘリウムの様な希ガスで希釈して用いてもよい。また、水素ガスや窒素ガス、又は酸素ガスを加えてガスバリア性膜の組成を調整してもよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
[測定及び評価方法]
<換算距離d/εの総和>
図8の位置I、位置II、位置IIIにおいて、各位置での換算距離d/εの総和を算出した。
なお、図8は、導電体部材及び/又は誘電体部材の配置例として、図3(b)に示したものを例示して算出位置を示したものであり、プラスチック容器の底部から口部までの高さ(図8中のHy)を3等分し、各々3等分した領域の中間位置を換算距離d/εの総和の算出位置とした。
<ガスバリア性膜の膜厚均一性>
図9に示すように、予め、プラスチック容器1の内壁面に、シリコンウェハ20を配置してガスバリア性膜21の成膜を行った。成膜後、容器1からシリコンウェハ20を取り出し、シリコンウェハ20上に堆積しているガスバリア性膜21の膜厚を高精度微細形状測定器(小坂研究所株式会社製、製品名「サーフコーダET4000A」)を用いて測定した。
膜厚の測定は、プラスチック容器1の胴部を、図9に示すように高さ方向に分割し、位置A(容器底部側、胴部最下部から20mm上方の位置)におけるガスバリア性膜の膜厚T、位置B(容器胴部の高さ方向の中央部分の位置であり、位置Aと位置Bとの距離と、位置Bと位置Cとの距離は等しい。)におけるガスバリア性膜の膜厚T、位置C(容器口部側、胴部最上部から10mm下方の位置)におけるガスバリア性膜の膜厚Tをそれぞれ測定し、T/T及びT/Tを算出した。T/T及びT/Tの値がいずれも0.50以上であれば膜厚が均一であると評価できる。
ガスバリア性膜を成膜するプラスチック容器としては、いずれも、図6(f)に示すような円筒型形状であって、底部が図6(c)に示すように丸底形状となっているポリカーボネート製容器(口部内径D=15mm、高さH=90mm、H/D=6、容量16mL)(以下、容器イ)を用いた。
導電体部材としてはアルミニウムを用い、誘電体部材としてはテフロン(登録商標)又はポリアセタールを用いた。テフロン(登録商標)の比誘電率は2.1で、ポリアセタールの比誘電率は3.7である。
また、いずれも成膜装置としては、図2に示す成膜装置(第1の電極2と第2の電極30との距離Lは35mm)を用い、第1の電極に印加する高周波電力100W、原料ガス(アセチレンガス)の流量100sccm、成膜時間14秒として、容器1の内面にDLC膜を成膜した。
[実施例1]
誘電体部材としてテフロン(登録商標)を用い、導電体部材と誘電体部材を図3(b)の配置として容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
誘電体部材としてテフロン(登録商標)を用い、導電体部材と誘電体部材を図3(a)の配置として容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
誘電体部材としてテフロン(登録商標)を用い、導電体部材を用いず、誘電体部材を図3(c)の配置として容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
導電体部材のみを用い、図10(a)の配置として、容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
なお、図10(a)及び以下の図10(b)において、図3(a)と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
[比較例2]
誘電体部材としてテフロン(登録商標)を用い、導電体部材を用いず、図10(b)の配置として容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
誘電体部材としてポリアセタールを用い、導電体部材を用いず、図10(b)の配置として、容器イの内面にDLC膜を成膜した。
得られた容器のガスバリア性膜の膜厚均一性の評価結果を表1に示す。
なお、表1には各例における換算距離d/εの総和と、実質電極表面(第1の電極表面又は導電体部材を用いた場合は導電体部材表面)から容器の胴部表面までの距離を示す。
Figure 2017197810
表1より、本発明に従って、換算距離d/εの総和が位置IIIよりも位置I側の方が小さくなるように導電体部材及び/又は誘電体部材を容器と第1の電極との間に配置することにより、H/D比の大きい容器イであっても均一な膜厚でガスバリア性膜を成膜することができることが分かる。
これに対して導電体部材のみ又は誘電体部材のみを用い、換算距離d/εの総和が位置I,II,IIIで等しい比較例1〜3では、ガスバリア性膜の膜厚均一性に劣る。
1,1A,1B,1C,1a,1b,1c プラスチック容器
2 第1の電極
2A 凹部
3,30 第2の電極
4 真空チャンバ
5 高周波電源
6 原料ガス供給管
7 排気管
8,9 絶縁部材
10 空隙
11,11A,11B,11C,11D,11E 導電体部材
12,12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H 誘電体部材
20 シリコンウェハ
21 ガスバリア性膜
31 電極支持体
32 ガス拡散室
33 ガス吐出孔

Claims (10)

  1. 少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内面に、プラズマCVD法によりガスバリア性膜を成膜する装置であって、
    該プラスチック容器の底部が奥側となるように該プラスチック容器を収容する凹部が形成された第1の電極と、
    該第1の電極との間でプラズマを発生させる第2の電極と、
    該第1の電極と第2の電極との間にプラズマ発生用の電圧を印加する電源と、
    該凹部に収容されたプラスチック容器内を排気する排気手段と、
    該プラスチック容器内に原料ガスを供給する原料ガス供給手段とを有するガスバリア性膜の成膜装置において、
    該凹部内面と該プラスチック容器の胴部との間に、誘電体部材、又は導電体部材、又は導電体部材とその内側の誘電体部材が設けられており、以下の条件Aを満たすことを特徴とするガスバリア性膜の成膜装置。
    条件A:該凹部に収容されたプラスチック容器の高さ方向に直交する断面(以下、「横断面」と称す。)において、該第1の電極又は導電体部材で形成される実質電極表面と、該プラスチック容器の胴部外表面との間に存在する空隙及び/又は誘電体部材の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの、該実質電極表面から胴部外表面までの総和が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
  2. 請求項1において、前記導電体部材が、下記条件Bを満たすように設置されていることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
    条件B:前記横断面において、前記実質電極表面から該プラスチック容器の胴部外表面までの距離が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
  3. 前記第1の電極の凹部が、有底の筒型形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
  4. 前記凹部に設けられた前記誘電体部材及び/又は導電体部材が、有底又は無底の筒型形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置。
  5. 前記凹部に設けられた前記導電体部材及び/又は誘電体部材の少なくとも前記プラスチック容器側面の前記横断面の形状が、前記プラスチック容器の胴部外面の前記横断面の形状と相似形であることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性膜の成膜装置。
  6. 前記プラスチック容器の口部の内径(D)が35mm以下であり、該口部の内径(D)に対する該プラスチック容器の高さ(H)の比(H/D)が3以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のガスバリア性膜の成膜装置により、プラスチック容器の内面にガスバリア性膜を成膜することを特徴とするガスバリア性膜の成膜方法。
  8. 少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内面に、プラズマCVD法によりガスバリア性膜を成膜してガスバリア性膜付プラスチック容器を製造する方法において、
    該プラスチック容器の底部が奥側となるように該プラスチック容器を収容する凹部が形成された第1の電極の該凹部内に、誘電体部材、又は導電体部材、又は導電体部材とその内側の誘電体部材を、下記条件Aを満たすように設置した後、該凹部に該プラスチック容器を収容する工程と、
    該第1の電極との間でプラズマを発生させる第2の電極を該プラスチック容器の口部側に配置する工程と、
    該プラスチック容器内を排気する工程と、
    該プラスチック容器内に原料ガスを供給する工程と、
    該第1の電極と第2の電極との間にプラズマ発生用の電圧を印加することにより、該原料ガスをプラズマ化して該プラスチック容器の内面にガスバリア性膜を成膜する工程
    とを有することを特徴とするガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
    条件A:該凹部に収容されたプラスチック容器の高さ方向に直交する断面(以下、「横断面」と称す。)において、該第1の電極又は導電体部材で形成される実質電極表面と、該プラスチック容器の胴部外表面との間に存在する空隙及び/又は誘電体部材の厚さ(d)を比誘電率(ε)で除した換算距離d/εの、該実質電極表面から胴部外表面までの総和が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
  9. 前記導電体部材を、下記条件Bを満たすよう設置することを特徴とする請求項8に記載のガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
    条件B:前記横断面において、前記実質電極表面から該プラスチック容器の胴部外表面までの距離が、該プラスチック容器の口部側よりも底部側の方が小さい。
  10. 前記プラスチック容器の口部の内径(D)が35mm以下であり、該口部の内径(D)に対する該プラスチック容器の高さ(H)の比(H/D)が3以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載のガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法。
JP2016089347A 2016-04-27 2016-04-27 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法 Pending JP2017197810A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016089347A JP2017197810A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016089347A JP2017197810A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020163647A Division JP2021008669A (ja) 2020-09-29 2020-09-29 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017197810A true JP2017197810A (ja) 2017-11-02

Family

ID=60237500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016089347A Pending JP2017197810A (ja) 2016-04-27 2016-04-27 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017197810A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003341673A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Kirin Brewery Co Ltd Dlc膜コーティングプラスチック容器の製造装置
JP2005194606A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラスチック容器内面へのバリヤ膜形成装置および内面バリヤ膜被覆プラスチック容器の製造方法
WO2008114475A1 (ja) * 2007-03-16 2008-09-25 Mitsubishi Heavy Industries Food & Packaging Machinery Co., Ltd. バリア膜形成装置、バリア膜形成方法及びバリア膜被覆容器
JP4188315B2 (ja) * 2002-05-28 2008-11-26 麒麟麦酒株式会社 Dlc膜コーティングプラスチック容器及びその製造装置
JP2013256708A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Mitsubishi Plastics Inc 誘電体部材、成膜装置及び薄膜形成方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003341673A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Kirin Brewery Co Ltd Dlc膜コーティングプラスチック容器の製造装置
JP4188315B2 (ja) * 2002-05-28 2008-11-26 麒麟麦酒株式会社 Dlc膜コーティングプラスチック容器及びその製造装置
JP2005194606A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラスチック容器内面へのバリヤ膜形成装置および内面バリヤ膜被覆プラスチック容器の製造方法
WO2008114475A1 (ja) * 2007-03-16 2008-09-25 Mitsubishi Heavy Industries Food & Packaging Machinery Co., Ltd. バリア膜形成装置、バリア膜形成方法及びバリア膜被覆容器
JP2013256708A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Mitsubishi Plastics Inc 誘電体部材、成膜装置及び薄膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9410245B2 (en) Gas-barrier plastic molded product and manufacturing process therefor
JP5012761B2 (ja) プラスチック製容器の製造法
JP5012762B2 (ja) プラスチック製容器の製造法
JP2004169087A (ja) 高周波プラズマcvd装置及びプラスチック製容器
JP4747605B2 (ja) プラズマcvd法による蒸着膜
JP6862926B2 (ja) ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法
JP2006224992A (ja) ガスバリア薄膜が成膜されたプラスチック容器、その製造装置及びその製造方法
JP2005089859A (ja) プラズマcvd法による蒸着膜
JP2012517529A (ja) ポリマー基材上の2層バリヤー
JP5610345B2 (ja) ガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法、小型容器用アダプター及び薄膜成膜装置
JP2017197810A (ja) ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法
JP2021008669A (ja) ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法
JP5273760B2 (ja) プラスチック製容器
JP6888455B2 (ja) ガスバリア性プラスチック容器の製造方法
JP4442182B2 (ja) 金属酸化膜の形成方法
JP4722667B2 (ja) 反応室外でのプラズマ発生の抑制方法並びにガスバリア性プラスチック容器の製造方法及びその製造装置
JPWO2003000558A1 (ja) 間仕切板付き水分・ガスバリア性プラスチック容器、その製造装置及びその製造方法
JP4722674B2 (ja) プラズマcvd成膜装置及びガスバリア性プラスチック容器の製造方法
JP2006299331A (ja) プラズマcvd成膜装置及びガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法
JP4595487B2 (ja) Cvd法によるガスバリア性酸化珪素薄膜の成膜方法
JP3979031B2 (ja) ケイ素酸化物被膜
JP4244667B2 (ja) 成膜方法
JP4066635B2 (ja) 薄膜成膜装置
JP4873037B2 (ja) 非耐圧性プラスチック容器
JP4507652B2 (ja) 立体容器の製造方法及びプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200422

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200630