JP2017197857A - 嵩高構造糸 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1及び特許文献2ではシリコーン系油剤を通常の繊維に付着させて繊維の摩擦特性を改質する方法の開示がある。確かにシリコーン系油剤を活用することで、繊維にヌメリ感が生まれ、風合いが若干改善される可能性がある。しかしながら、そもそもその繊維構造体自体が嵩高性及び圧縮回復性に乏しいため、天然羽毛には及んでいない。
また、特許文献3及び特許文献4に示されるように繊維集合状態を球状あるいは放射状にすることで、その構造に由来する嵩高性が改善されたものとなる。しかしながら、圧縮した際に異物感を感じるものであり、天然羽毛のソフトな風合いという観点では及んでいない。
このため、大ループによる極めて高い嵩高性を有しながらも、加工糸間の絡み合いが抑制された嵩高構造糸が所望されている。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の嵩高構造糸を少なくとも一部に含む繊維製品。
本発明の嵩高構造糸は、ループを形成する鞘糸と該鞘糸と交錯することで実質的に鞘糸を固定する芯糸から構成されている。また、本発明においては、鞘糸が破断することなく連続的なループを形成し、かつ密度1.00g/cm3未満の複合繊維であることを特徴としている。
ここで言う大ループの突出とは、糸表面からの距離(図2の5)に相当し、一対の糸ガイドに定長で糸掛けした加工糸を側面から2次元的に観察し、この観察した画像から測定するものである。無作為に選んだ10本の加工糸をループ全体が観察できるように撮影し、各画像において10箇所のループの突出を撮影する。この作業を計10画像について行い、合計100箇所をミリメートル単位で小数点第2位までを測定する。これ等の数値の平均値を算出し、小数点第2位以下を四捨五入した値を本発明におけるループの大きさとした。
この中空断面を有した海島複合繊維の一例としては、図4に示すように繊維断面中央に中空部分(図4の7)を有し、その周囲の海成分中に島成分が点在(図4の8)したドーナツ型の海島複合繊維が挙げられる。
前述した鞘糸と同様の観点から、芯糸に使用する中空断面を有した海島複合繊維の中空率は20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。
本発明に用いられる芯糸及び鞘糸は熱可塑性ポリマーを溶融紡糸方法によって繊維化した合成繊維を用いればよい。但し、本発明においては鞘糸に用いる合成繊維は複合繊維であって、その密度が1.00g/cm3未満である必要があり、例えば該複合繊維に低密度ポリマーを組合せることや中空断面を含む構造とすることによって達成しうる。
このような複合繊維の紡糸に使用する口金については、2成分以上のポリマーを複合できるものであれば、特に限定されるものではないが、中空断面の位置と海島構造部分の位置を精密に制御する必要がある場合には、特開2011−174215号公報に記載の計量プレートおよび分配プレートからなる複合口金が好適に用いられる。この複合紡糸口金を利用することで断面形状を精度良く形成できるため、所望の繊維断面形状を安定的に得ることが可能である。
このサクションノズル(図5の12)において、ノズルから噴射する圧空の流量は、供給ローラからノズルに挿入する糸条が必要最低限の張力を有して供給ローラ−ノズル間及びノズル内で糸揺れ等を起こさず安定的に走行する流量を噴射すればよい。この圧空の流量は、使用するサクションノズルの孔径により最適量が変化するが、糸張力を付与でき、後述する大ループの形成が円滑にできる範囲としては、ノズル内での気流速度が100m/s以上であることが目安となる。この気流速度の上限値の目安は、700m/s以下とすることであり、係る範囲であれば、過剰に噴射された圧空により、走行糸条が糸揺れ等を起こすことなく、安定的にノズル内を走行することになる。
次にサクションノズルにより吸引された糸条をノズル外で旋回させ、鞘糸による大ループを形成させる工程が本発明の第2の工程になる。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
繊維の100mの重量を測定し、100倍することで繊度を算出した。これを10回繰り返し、その単純平均値の小数点第2位を四捨五入した値をその繊維の繊度とした。単糸繊度とは、その繊維を構成するフィラメント数により前述した繊度を除することにより、算出した。この場合も、小数点第2位を四捨五入した値を単糸繊度とした。
繊維をオリエンテック社製引張試験機テンシロン UCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100%/minの条件で応力−歪曲線を測定する。破断時の荷重を読みとり、その荷重を初期繊度で除することで破断強度を算出した。また、破断時の歪を読みとり、試料長で除した値を100倍することで、破断伸度を算出した。いずれの値も、この操作を水準毎に5回繰り返し、得られた結果の単純平均値を求め、破断強度は小数点第2位を四捨五入した値とし、破断伸度は小数点第1位を四捨五入して整数値とした。
嵩高構造糸の芯糸および鞘糸の密度をJIS L 1013:2010に準じて、密度勾配管を用いて方法により測定した。試料が液の中で平衡位置に達して静止した後,試料の沈降深さを1mmまで密度勾配管の目盛から読み取り、その数値を補正曲線と比較して密度を求めた。これを水準毎に2回行い、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第3位を四捨五入した値を密度とした。
中空断面を有する繊維を剃刀によって繊維軸と垂直方向に切断して、その切断面を日立ハイテクノロジーズ社製電子顕微鏡SU−1510により、繊維が10本以上観察できる倍率で2次元的に撮影した。撮影した画像から無作為に選定した10本の繊維を抽出し、画像処理ソフトを用いて繊維及び中空部分の面積を測定し、中空率を面積比率として、下記の式により算出した。
中空率(%)=(中空部の断面積)/(繊維の断面積(中空部を含む))
10ヶ所の各画像について測定を行い、10画像の平均値について小数点以下1桁目を四捨五入して整数とした値を本発明の中空率とした。
加工糸にたるみが出ないように0.01cN/dtexの荷重をかけ、図2に例示されるように定長で一対の糸ガイドに糸掛けする。糸掛けした加工糸の側面を(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000にてループ全体が観察できる倍率で撮影した。この画像から無作為に選定した10箇所について、画像処理ソフト(WINROOF)を用いてループ先端の糸表面からの距離(図2の5)を評価した。この作業を計10画像について行い、合計100箇所をミリメートル単位で小数点第2位までを測定する。これ等の数値の平均値を算出し、小数点第2位を四捨五入した値を本発明におけるループ大きさとした。
ループ大きさを評価したものと同じ10箇所についてループの交錯点及び鞘糸の破断点をカウントし、1ミリメートル当たりの交錯点及び破断点を評価した。同じ作業を10画像について行い、計100箇所の平均値の小数点以下を四捨五入し、その整数値を交錯点として評価した。また、ループの破断点については、カウントされたループの破断点を平均し、小数点第2位を四捨五入することでループの破断点とした。ここで破断点が0.2個/mm未満のサンプルは本発明で言うループが連続して存在しているものとして、破断無し(評価:○)とし、0.2個/mm以上のものは、破断有り(評価:×)として評価した。
加工糸から無作為に選出した10箇所において、各々10本以上の単糸を採取し、それぞれの単糸を(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000にて捲縮形態が確認できる倍率で観察した。この画像において、観察される単糸がらせん状に旋回した形態を有している場合には、3次元的な捲縮構造有り(評価:○)と判定し、ストレートな形態の場合には捲縮構造無し(評価:×)と判定した。また、同じ画像から、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、捲縮した繊維の湾曲(図3の6)に2箇所以上で最も多く内接する真円の半径を評価した。前述の通り無作為に抽出した計100本の単糸をミリメートル単位で小数点第2位までを測定し、この単純平均の小数点第2位を四捨五入した値を本発明の3次元的な捲縮構造の曲率半径とした。
レーダー式摩擦係数試験機により、JIS L 1015(2010年)に準じた方法で測定するものである。なお、ここでの繊維間静摩擦係数評価は加工糸を円筒に平行に並べることで評価するものである。繊維間静摩擦係数は測定値の小数点第2位を四捨五入した値とした。
加工糸を500m以上巻き付けたドラムをクリールに仕掛け、ドラムの断面方向に30m/min速度で5分間解除し、ファスナー現象による糸の踊り、引っ掛かり等を目視により確認し、下記の4段階で評価した。
加工糸を500m以上巻き付けたドラムをクリールに仕掛け、ドラムの断面方向に検尺機を用いて、糸を解舒して巻き形態とすることで10mの糸カセとした。糸カセの一箇所を固定して風合い評価用サンプルを作成した。このサンプルを握った場合の触感を下記の4段階で評価した。
嵩高構造糸を内径28.8cm、高さ50.0cmのシリンダー状容器に20g充填し、充填した嵩高構造糸に対して垂直方向に上から0.15g/cm2の荷重を掛けたときの嵩高構造糸が占める空間の高さH(cm)を測定し、以下の式から嵩高性(in3/20g)を算出し、その値の小数点第1位を四捨五入した整数値を嵩高とした。
嵩高(in3/20g)=(14.42π/2.543)×H 。
島成分としてポリプロピレン(PP:MFR=9g/10分)を265℃、海成分としてポリエチレンテレフタレート(PET:0.65dl/g)を300℃で別々に溶融後、計量して、紡糸パックに流入させ、スピンブロック温度を280℃で、繊維断面の中央に中空部を有し、その周囲にドーナツ状に海島構造を有した中空海島複合糸を溶融紡糸した。紡糸パックに組み込んだ紡糸口金は特開2011−174215号公報に記載の計量プレートおよび分配プレートからなる複合口金を用い、分配プレートとして、プレート中央部に分配孔が穿設されない円形のスペースを設け、その周囲に海成分ポリマーの分配孔を円環状に配列し、さらに外周に島成分ポリマーの分配孔1孔に対して、海成分ポリマーの分配孔を6孔で囲い込んだ配置のものを使用した。島/海=30/70の複合比率で吐出された複合ポリマー流は20℃の冷却風を100m/minの流れで片側から吹き付けて冷却固化後に油剤付与し、紡糸速度1200m/minで未延伸糸を巻き取った後、90℃と130℃に加熱したローラー間で延伸速度600m/minで2.9倍延伸し、繊度78dtex、フィラメント数12、1フィラメント当たりの島数が32島、中空率30%、密度0.87g/cm3の延伸糸とした。
得られた中空海島複合糸を図5に例示される工程にて、2個の供給ローラにそれぞれ1本ずつ中空海島複合糸を供給し、一方の供給ローラを速度50m/min、他方を速度1000m/minとして、サクションノズルで吸引した。サクションノズルでは走行糸条に対して20°で気流速度を400m/sになるように圧空を噴射し、芯糸と鞘糸が交錯しないように随伴気流とともにノズルから噴出させた。ノズルから噴射した糸条を気流共に1.0×10−4秒間走行させ、セラミックガイドを利用して糸道を変更し、鞘糸からなる大ループを形成した加工糸とし、引取ローラで50m/minで引き取った。
引き続き、ローラを介して該加工糸をチューブヒータに導き、150℃の加熱空気で10秒間熱処理し、嵩高構造糸の形態をセットするとともに、鞘糸に3次元的な捲縮を発現させた。該嵩高構造糸は、チューブヒータ後に設置された張力制御式巻取り機により、52m/minでドラムに巻き取った。さらに、採取した嵩高構造糸にポリシロキサンが濃度8wt%で含まれたシリコーン系油剤を最終的なポリシロキサン付着量が嵩高構造糸に対して1wt%になるようにスプレーで均一に散布し、165℃の温度で20分間熱処理しで加工糸を採取した。
実施例1で採取した嵩高構造糸は、鞘糸からなる大ループが平均で21.0mm糸表面から突出した構造であり、該大ループが10個/mmの頻度で形成されたものであった。この突出したループはサイズ、周期の均一性に優れるものであった。
芯糸及び鞘糸は曲率半径4.5mmのミリメートルオーダーの3次元的な捲縮構造を有しており、鞘糸の大ループには破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。(破断箇所:0.0個)
該嵩高構造糸では連続的な大ループを形成する鞘糸が3次元的な捲縮構造を有しており、繊維間静摩擦係数0.1であり、巻き取ったドラムからの解舒は非常にスムーズであり、解舒性に優れたものであった(解舒性:◎)。また、本発明の特異的な構造に由来した嵩高性を有し、柔軟性にも優れた風合いを有したものであった(風合い:◎)。また嵩高評価では、628in3/20gと優れた嵩高を発揮した。結果を表1に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の島/海の複合比率および延伸糸の密度を島/海=20/80および密度0.90g/cm3(実施例2)、島/海=10/90および密度0.93g/cm3(実施例3)に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例2で採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性に優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性に優れた風合いを有したものであった(風合い:◎)。また嵩高評価では、606in3/20gと優れた嵩高を発揮した。
実施例3で採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性に優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性に優れた風合いを有したものであった(風合い:◎)。また嵩高評価では、582in3/20gと良好な嵩高を発揮した。結果を表1に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の中空率を20%に変更し、延伸糸の密度を0.99g/cm3に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性は良好なもの(解舒性:○)であり、柔軟性に優れた風合いを有したものであった(風合い:◎)。また嵩高評価では、554in3/20gと十分な嵩高を発揮した。結果を表1に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の島/海の複合比率を50/50、中空率を20%に変更して、延伸糸の密度を0.98g/cm3に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性は良好なもの(解舒性:○)であり、柔軟性に優れた風合いを有したものであった(風合い:◎)。また嵩高評価では、563in3/20gと十分な嵩高を発揮した。結果を表1に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の中空率を8%に変更して、延伸糸の密度を1.14g/cm3に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性にも優れた風合いであった(風合い:◎)。一方、嵩高評価においては、457in3/20gと嵩高が不十分なものであった。結果を表1に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の島/海の複合比率を5/95、中空率を20%に変更して、延伸糸の密度を1.09g/cm3に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
本発明の嵩高加工の効果を検証するため、圧空の噴射角度を90°に変更したノズルを用い、セラミックガイドによる旋回点を設けないこと以外は実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、熱処理前の時点で鞘糸によるループサイズが実施例1と比較して小さく、非常に短周期で形成されているものであった。このため、熱処理することで鞘糸を捲縮加工した場合には、糸にループは形成できているものの、嵩高性に乏しいものであった。鞘糸からなるループの詳細を確認すると、ループサイズに斑が見られ、熱処理前では確認できなかった破断点が比較的多く見られた(破断有り:破断点0.5)。柔軟性を有した風合い(風合い:△)ではあったが、巻き取ったドラムからの解舒性は、糸の踊りや引掛りが起こり不良なもの(解舒性:×)であった。結果を表1に示す。
ポリエチレンテレフタレート(PET:IV=0.65dl/g)を290℃で溶融後、計量し、紡糸パックに流入させ、図7例示されるような3つのスリット(幅0.1mm、図7の17)が同心円状に配置された中空断面用吐出孔から中空率30%となるように吐出した。吐出された糸条に20℃の冷却風を100m/minの流れで片側から吹き付けて冷却固化後、非イオン系の紡糸油剤付与し、紡糸速度1500m/minで未延伸糸を巻き取った。引き続き、巻き取った未延伸糸を90℃と140℃に加熱したローラ間で延伸速度800m/minで3.0倍延伸し、繊度78dtex、フィラメント数12、中空率30%の延伸糸とした。この延伸糸を芯糸として用いたこと以外は実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性が良好な風合いであった(風合い:○)。また嵩高評価では、591in3/20gと良好な嵩高を発揮した。結果を表2に示す。
一般的な丸断面繊維となるように丸孔が12ホール穿設された紡糸口金に変更し、実施例6と同様の条件でポリエチレンテレフタレート単独の延伸糸を採取した。該延伸糸を芯糸として使用したこと以外は全て実施例1に従い実施した。
芯鞘共にポリエチレンテレフタレート単独の中空率30%の中空繊維を使用したこと以外は嵩高構造糸の加工を実施例1に従い実施した。
芯鞘共に中空ではないポリエチレンテレフタレート単独糸を使用したこと以外は嵩高構造糸の加工を実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。鞘糸は3次元的な捲縮構造を有しており、巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性も良好な風合いであった(風合い:○)。一方、嵩高評価においては、533in3/20gと嵩高が不十分であった。結果を表2に示す。
流体加工における気流速度を350m/s(実施例8)、175m/s(実施例9)、88m/s(実施例10)にそれぞれ変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
流体加工における圧空の噴射角度を55°(実施例11)、45°(実施例12)に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例11で採取した嵩高構造糸は鞘糸からなる大ループが平均で3.0mm糸表面から突出した構造であり、破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性が良好な風合いであった(触感:○)。また、嵩高評価では573in3/20gと良好な嵩高を発揮した。
実施例12で採取した嵩高構造糸は鞘糸からなる大ループが平均で5.0mm糸表面から突出した構造であり、破断箇所が見られない連続したループを形成したものであった。巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性が優れた風合いであった(触感:◎)。また、嵩高評価では600in3/20gと優れた嵩高を発揮した。結果を表3に示す。
鞘糸に使用する中空海島複合糸の単糸繊度を変更し、単糸繊度比(鞘/糸)を2.0(実施例13)、1.5(実施例14)、0.7(実施例15)、0.5(実施例16)、0.3(実施例17)に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例17で採取した嵩高構造糸は、鞘糸の大ループに破断箇所が見られない連続したループを形成したもので、該ループの曲率半径は19.4mmであった。巻き取ったドラムからは糸の踊り及びわずかに引っ掛かりがみられたが解舒できるもの(解舒性:△)であり、柔軟性が良好な風合いであった(触感:○)。また、嵩高評価では557in3/20gと嵩高が十分なものであった。結果を表4に示す。
走行糸条の旋回点をそれぞれ噴射気流が9.0×10−4秒(実施例18)、4.8×10−4秒(実施例19)、1.2×10−5秒(実施例20)走行する間に存在するよう調整したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例18で採取した嵩高構造糸は、糸の踊り及びわずかに引っ掛かりがみられるが解舒はできるもの(解舒性:△)であり、柔軟性が良好な風合いであった(触感:○)。また、嵩高評価では616in3/20gと優れた嵩高を示した。
実施例19で採取した嵩高構造糸は、巻き取ったドラムからの解舒性は優れたもの(解舒性:◎)であり、柔軟性にも優れた風合いであった(触感:◎)。また、嵩高評価では、603in3/20gと優れた嵩高を発揮した。
実施例20で採取した嵩高構造糸は、巻き取ったドラムからスムーズに解舒することができた(解舒性:◎)。また、風合いは良好な触感であった(触感:○)。嵩高評価では、561in3/20gと十分な嵩高を示した。結果を表5に示す。
採取した嵩高構造糸にポリシロキサンが含まれたシリコーン系油剤の付与およびシリコーン固定化熱処理を施さなかったこと以外は、実施例1に従い実施した。
採取した嵩高構造糸は繊維間静摩擦係数0.3であり、巻き取ったドラムからの解舒性は良好なもの(解舒性:○)であり、柔軟性も良好な風合いであった(触感:○)。また嵩高評価では624in3/20gと優れた嵩高を発揮した。結果を表5に示す。
2 芯糸
3 糸表面
4 糸ガイド
5 糸表面からの距離
6 3次元的な捲縮
7 中空部分
8 島成分
9 海成分
10 供給ローラ
11 合成繊維
12 サクションノズル
13 旋回点
14 加工糸
15 引取ローラ
16 ヒータ
17 デリバリーローラ
18 ワインダ
19 圧空の噴射角度
20 スリット状吐出孔
Claims (6)
- ループを形成する鞘糸と該鞘糸とを交錯することで実質的に鞘糸を固定する芯糸からなる嵩高構造糸において、鞘糸が破断することなく連続的なループを形成し、かつ鞘糸が密度1.00g/cm3未満の複合繊維であることを特徴とする嵩高構造糸。
- 鞘糸が3次元的な捲縮を有することを特徴とする請求項1に記載の嵩高構造糸。
- 鞘糸が中空率10%以上の中空断面を有した海島複合繊維であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の嵩高構造糸。
- 芯糸が中空率10%以上の中空断面を有した海島複合繊維であって、3次元捲縮を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の嵩高構造糸。
- 海島複合繊維の島成分がポリオレフィン、海成分がポリエステルで構成されることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の嵩高構造糸。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の嵩高構造糸を少なくとも一部に含む繊維製品。
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