JP2017199577A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造過程で短絡が生じている電池を精度良く検出できる二次電池の製造方法を提供すること。【解決手段】二次電池1の製造方法は、所定の放置温度下でかつ端子開放した状態で二次電池1を所定の放置時間Daにわたって放置し、電圧低下量ΔV1等を取得する電圧低下量取得工程を、互いに異なる放置温度T1等下で行う複数の電圧低下量取得工程S4,S5,S6と、複数の電圧低下量ΔV1等に基づいて、放置温度Tと電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebTの係数bを取得する係数取得工程S7と、係数bが基準係数Bよりも小さい場合に、当該二次電池1に内部短絡が生じていると判定する短絡判定工程S8とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池の内部短絡の有無を判定する短絡判定工程を備える二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池(以下、単に電池ともいう)の製造過程において、電池に内部短絡(以下、単に短絡ともいう)が生じているか否かの短絡検査を行うことが知られている。具体的には、所定の放置温度下で電池を所定の放置時間にわたって自己放電させ(端子開放した状態で放電させ)、この自己放電前後にそれぞれ測定した電池電圧から自己放電による電圧低下量ΔVを求める。そして、この電圧低下量ΔVが基準電圧低下量ΔVrよりも大きい場合に(ΔV>ΔVr)、その電池に短絡が生じていると判定する。
更に、この短絡検査の精度を向上させるため、電池の製造ロットやその他の製造条件、検査条件に基づいて電池を細かく分類し、これらの検査ロット毎に基準電圧低下量ΔVrをそれぞれ設定して短絡検査を行うことも知られている。例えば特許文献1に、このように、電池を細かく分類した検査ロット毎に電池の短絡検査を行うことが記載されている(特許文献1の特許請求の範囲等を参照)。
特開2013−165029号公報
しかしながら、短絡検査の精度をより向上させるべく、電池の分類をより細かく行うと、同一検査ロットに属する電池の個数が少なくなる場合がある。すると、電池の個数が少ない検査ロットでは、適切に基準電圧低下量ΔVrを設定するのが難しくなるため、精度良く短絡検査を行えない場合が生じ得る。このように従来は、組み立てたすべての電池について精度良く短絡検査を行うことが難しかった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、製造過程で短絡が生じている電池を精度良く検出できる二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、所定の放置温度下でかつ端子開放した状態で二次電池を所定の放置時間にわたって放置し、上記放置前後の電池電圧の電圧低下量を取得する電圧低下量取得工程を、互いに異なる上記放置温度下で行う複数の電圧低下量取得工程と、得られた複数の上記電圧低下量に基づいて、上記放置温度Tと上記電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT(a,bは係数、但し、a>0,b>0)の係数bを取得する係数取得工程と、得られた上記係数bが基準係数Bよりも小さい(b<B)場合に、当該二次電池に内部短絡が生じていると判定する短絡判定工程と、を備える二次電池の製造方法である。
所定の放置温度下で所定の放置時間にわたって自己放電させたときの電圧低下量ΔVには、化学反応(負極活物質粒子の粒子表面で被膜が成長する反応など)に起因する電圧低下量ΔVaと、物理反応(内部短絡)に起因する電圧低下量ΔVbが含まれる(ΔV=ΔVa+ΔVb)。化学反応に起因する電圧低下量ΔVaは、電池温度が高くなるほど大きくなる一方、内部短絡に起因する電圧低下量ΔVbは、電池温度に依存せず、ほぼ一定である。このため、正常な(内部短絡が生じていない)電池は、電圧低下量ΔVの温度依存性が大きい一方、内部短絡が生じている電池は、電圧低下量ΔVの温度依存性が小さいことが判ってきた。
上述の二次電池の製造方法では、互いに異なる放置温度T(T1,T2,…)で得た複数の電圧低下量ΔV(ΔV1,ΔV2,…)に基づいて、放置温度Tと電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT の係数bを取得し、得られた係数bが基準係数Bよりも小さい場合に(b<B)、当該電池に短絡が生じていると判定する。上述のように、短絡が生じている電池は、正常な電池に比べて電圧低下量ΔVの温度依存性が小さいため、短絡が生じている電池で取得される指数近似曲線の係数bは、正常な電池で取得される指数近似曲線の係数bに比べて小さい。その上、ある特定の放置温度Tで得られる電圧低下量ΔVでは、正常な電池と短絡が生じている電池とで殆ど差がなく、これらを判別できない場合でも、指数近似曲線の係数bについて見ると、正常な電池と短絡が生じている電池とで大きな差が生じることが判ってきた。このため、取得した指数近似曲線の係数bを基準係数Bと比較することにより、短絡が生じている電池を精度良く検出できる。
なお、「放置温度」Tは、いずれもT=0℃以上の温度とするのが好ましい。放置温度Tを0℃以上とすることにより、電池を冷却しつつ放置するための設備を簡略化或いは無くすことができ、生産コストを抑制できる。また、放置温度Tは、後述するように、T=30℃以下とするのが好ましい。
また、「放置時間」Daは、Da=1.0〜7.0日の範囲内とするのが好ましい。放置時間Daを1.0日以上とすることにより、放置前後間の電圧低下量ΔVを大きくできる。一方、放置時間Daを7.0日以下とすることにより、電圧低下量取得工程に掛かる時間を抑制して、電池製造の生産性を向上させることができる。
更に、上記の二次電池の製造方法であって、前記複数の電圧低下量取得工程は、いずれも、前記放置温度が30℃以下である二次電池の製造方法とするのが好ましい。
放置温度Tを高くしすぎると、具体的には放置温度Tを30℃よりも高くすると、自己放電による電圧低下量ΔVのうち、化学反応に起因する電圧低下量ΔVaの割合が、内部短絡に起因する電圧低下量ΔVbに比べて大きくなりすぎる。このため、放置温度Tを30℃以上として電圧低下量取得工程を行った場合には、測定される電圧低下量ΔVに含まれる電圧低下量ΔVbが相対的に小さくなるため、電圧低下量ΔVを用いて電圧低下量ΔVbの大小を判定するのが難しくなる。
これに対し、上述の二次電池の製造方法では、いずれの電圧低下量取得工程も、放置温度Tを30℃以下とするので、各々の電圧低下量ΔVは、いずれも、化学反応に起因する電圧低下量ΔVaの割合が、内部短絡に起因する電圧低下量ΔVbに比べて大きくなりすぎない。このため、内部短絡が生じている電池で取得される指数近似曲線の係数bと、正常な電池で取得される指数近似曲線の係数bとの差が明確になる。従って、短絡判定工程で、内部短絡が生じている電池をより精度良く検出できる。
また、他の態様は、所定の放置温度下でかつ端子開放した状態で二次電池を所定の放置時間にわたって放置し、上記放置前後の電池電圧の電圧低下量を取得する電圧低下量取得工程を、互いに異なる上記放置温度下で行う複数の電圧低下量取得工程と、得られた複数の上記電圧低下量に基づいて、上記放置温度Tと上記電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT(a,bは係数、但し、a>0,b>0)の係数bを取得する係数取得工程と、得られた上記係数bが基準係数Bよりも小さい(b<B)場合に、当該二次電池に内部短絡が生じていると判定する短絡判定工程と、を備える二次電池の検査方法である。
上述の二次電池の検査方法では、互いに異なる放置温度Tで得た複数の電圧低下量ΔVに基づいて、放置温度Tと電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT の係数bを取得し、得られた係数bが基準係数Bよりも小さい場合に(b<B)、当該電池に短絡が生じていると判定する。このようにすることで、短絡が生じている電池を精度良く検出できる。
実施形態に係る二次電池の斜視図である。 実施形態に係る二次電池の縦断面図である。 実施形態に係る二次電池の製造工程を示すフローチャートである。 放置温度Tと電圧低下量比ΔVhとの関係と示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態に係る二次電池(以下、単に「電池」ともいう)1の斜視図及び縦断面図を示す。なお、以下では、電池1の電池厚み方向BH、電池横方向CH及び電池縦方向DHを、図1及び図2に示す方向と定めて説明する。
この電池1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池である。電池1は、電池ケース10と、この内部に収容された電極体20と、電池ケース10に支持された正極端子部材50及び負極端子部材60等から構成される。また、電池ケース10内には、非水電解液19が収容されており、その一部は電極体20内に含浸されている。
このうち電池ケース10は、直方体箱状で金属(本実施形態ではアルミニウム)からなる。この電池ケース10は、上側のみが開口した有底角筒状のケース本体部材11と、このケース本体部材11の開口を閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材13とから構成される。ケース蓋部材13には、アルミニウムからなる正極端子部材50がケース蓋部材13と絶縁された状態で固設されている。この正極端子部材50は、電池ケース10内で電極体20の正極板21に接続し導通する一方、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延びている。また、ケース蓋部材13には、銅からなる負極端子部材60がケース蓋部材13と絶縁された状態で固設されている。この負極端子部材60は、電池ケース10内で電極体20の負極板31に接続し導通する一方、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延びている。
電極体20は、扁平状をなし、横倒しにした状態で電池ケース10内に収容されている。電極体20と電池ケース10との間には、絶縁フィルムからなる袋状の絶縁フィルム包囲体17が配置されている。電極体20は、帯状の正極板21と帯状の負極板31とを、帯状の一対のセパレータ41,41を介して互いに重ね、軸線周りに捲回して扁平状に圧縮したものである。正極板21は、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔の両主面の所定位置に、正極活物質層を帯状に設けてなる。また、負極板31は、帯状の銅箔からなる負極集電箔の両主面の所定位置に、負極活物質層を設けてなる。また、セパレータ41は、樹脂からなる多孔質膜であり、帯状でフィルム状をなす。
次いで、上記電池1の製造方法について説明する(図3参照)。まず、「組立工程S1」において、電池1を組み立てる。具体的には、正極板21及び負極板31を、一対のセパレータ41,41を介して互いに重ねて捲回し、扁平状に圧縮して電極体20を形成する。次に、ケース蓋部材13を用意し、これに正極端子部材50及び負極端子部材60を固設する(図1及び図2参照)。その後、正極端子部材50及び負極端子部材60を、電極体20の正極板21及び負極板31にそれぞれ溶接する。次に、電極体20に絶縁フィルム包囲体17を被せて、これらをケース本体部材11内に挿入すると共に、ケース本体部材11の開口をケース蓋部材13で塞ぐ。そして、ケース本体部材11とケース蓋部材13とを溶接して電池ケース10を形成する。その後、非水電解液19を、注液孔13hから電池ケース10内に注液して電極体20内に含浸させる。その後、注液孔13hを封止する。
次に、初充電工程S2を行うのに先立ち、電池1を拘束する。具体的には、電池ケース10の幅広な側面を一対の板状の押圧治具で電池厚み方向BHに挟んで、電池1を電池厚み方向BHに押圧した状態で拘束する。なお、本実施形態では、以下に説明する「初充電工程S2」から「内部抵抗値取得・判定工程S10」までを、このように電池1を拘束した状態で行う。
電池1を拘束した後、「初充電工程S2」において、電池1を初充電する。具体的には、電池1を室温(25±5℃)下において、定電流定電圧充電(CCCV充電)により、SOC100%まで初充電する。なお、この初充電工程S2は、室温下以外で行うこともできる。但し、室温下で行うと、電池1を加熱または冷却しなくて済むため、生産コストを低減できる。
次に、「エージング工程S3」において、電池1を放置してエージングする。具体的には、初充電後の電池1を60℃の温度下において、端子開放した状態で、20時間にわたって放置しエージングする。
次に、「第1電圧低下量取得工程S4」において、自己放電による第1電圧低下量ΔV1を取得する。具体的には、この電池1を30℃以下の第1放置温度T1(本実施形態ではT1=30℃)の環境下において、端子開放した状態で、所定の放置時間Da(本実施形態ではDa=3.0日間)放置する(自己放電させる)。この放電前後の電池電圧Vc(Vc1s,Vc1e)をそれぞれ測定して、第1電圧低下量ΔV1(ΔV1=Vc1s−Vc1e)を取得する。
次に、「第2電圧低下量取得工程S5」において、自己放電による第2電圧低下量ΔV2を取得する。具体的には、この電池1を30℃以下の第1放置温度T1とは異なる第2放置温度T2(本実施形態ではT2=15℃)の環境下において、端子開放した状態で、所定の放置時間Da(Da=3.0日間)放置する。この放電前後の電池電圧Vc(Vc2s,Vc2e)をそれぞれ測定して、第2電圧低下量ΔV2(ΔV2=Vc2s−Vc2e)を取得する。
次に、「第3電圧低下量取得工程S6」において、自己放電による第3電圧低下量ΔV3を取得する。具体的には、この電池1を30℃以下で、かつ、第1,第2放置温度T1 T2とは異なる第3放置温度T3(本実施形態ではT3=0℃)の環境下において、端子開放した状態で、所定の放置時間Da(Da=3.0日間)放置する。この放電前後の電池電圧Vc(Vc3s,Vc3e)をそれぞれ測定して、第3電圧低下量ΔV3(ΔV3=Vc3s−Vc3e)を取得する。
次に、「係数取得工程S7」において、当該電池1についての指数近似曲線の係数bを取得する。具体的には、得られた複数(本実施形態では3つ)の電圧低下量ΔV(第1〜第3電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3)に基づいて、放置温度Tと電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT(a,bは係数、但し、a>0,b>0)を求め、係数bを取得する。
但し、複数の電圧低下量ΔVを用いて、指数近似曲線のグラフを描いた場合に、正常な電池と内部短絡が生じている電池とでは、係数aにも係数bにも違いが生じ、係数bによる違いが分かり難くなる。そこで、本実施形態では、両者の係数bの違いを理解し易くするため、次述するように、第3放置温度T3=0℃における第3電圧低下量ΔV3を基準として、第1〜第3電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3をそれぞれ規格化した電圧低下量比ΔVh1,ΔVh2,ΔVh3(=1.0)について、ΔVh=ebT(bは係数、但し、b>0)の指数近似曲線(図4参照)を求め、係数bを取得した。なおこのようにすると、いずれの場合も、T=0℃で、ΔVh=1を通る。
一方、本実施形態のように電圧低下量比ΔVh1,ΔVh2,ΔVh3を用いて得たΔVh=ebTの指数近似曲線の係数bと、第1〜第3電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3を直接用いて、指数近似曲線(ΔV=aebT)を求めることにより得られる係数bとは、ほぼ同じ値となる。
従って、第1〜第3電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3を直接用いて、指数近似曲線(ΔV=aebT)を求めた場合でも、係数bを基準指数曲線の基準係数Bと比較することにより、当該電池1に短絡が生じているか否かを判定できることが判る。
具体的には、まず、第3電圧低下量ΔV3を基準とした、第1電圧低下量ΔV1の第1電圧低下量比ΔVh1=ΔV1/ΔV3を算出する。
また、第3電圧低下量ΔV3を基準とした、第2電圧低下量ΔV2の第2電圧低下量比ΔVh2=ΔV2/ΔV3を算出する。
なお、第3電圧低下量ΔV3を基準とした、第3電圧低下量ΔV3の第3電圧低下量比ΔVh3は、ΔVh3=ΔV3/ΔV3=1.00である。
次に、得られた電圧低下量比ΔVh(第1,第2電圧低下量比ΔVh1,ΔVh2)から、前述の指数近似曲線ΔV=aebTにおける係数a=1.00として、放置温度Tと電圧低下量比ΔVhについての指数近似曲線ΔVh=ebT(bは係数、但し、b>0)を求め、係数bを取得する。
なお、係数a=1.00としているのは、前述のように、第3放置温度T3=0℃における第3電圧低下量ΔV3の第3電圧低下量比ΔVh3=1.00であるため、T=0、ΔVh=1.00を、ΔVh=aebT に代入すると、a=1.00と求まるからである。
ここで、図4に指数近似曲線ΔVh=ebTのグラフを示す。正常な(内部短絡が生じていない)電池1の平均的な電圧低下量比ΔVh(第1,第2電圧低下量比ΔVh1,ΔVh2)からは、図4に細い実線で示す指数近似曲線(係数b=0.075)が得られる。これに対し、短絡が生じている電池1では、例えば、図4に不良品1として破線で示す指数近似曲線(係数b=0.040)や、図4に不良品2として一点鎖線で示す指数近似曲線(係数b=0.020)、図4に不良品3として二点鎖線で示す指数近似曲線(係数b=0.007)などが得られる。
これらのグラフから明らかなように、短絡が生じている各電池1では、正常な電池1に比べて、得られた指数近似曲線の係数bの値が明らかに小さい。そこで、短絡が生じている電池1と正常な電池1とを区別するための基準指数曲線を設定する(本実施形態では、係数b=B=0.060)。そして、検査した電池1で得られた指数近似曲線の係数bと基準指数曲線の基準係数B(=0.060)との大きさを比較することにより、当該電池1に短絡が生じているか否かを判定する。
具体的には、「短絡判定工程S8」において、得られた係数bと予め決めておいた基準係数B(=0.060)とを比較する。そして、得られた係数bが基準係数Bよりも小さい場合に(b<B)、当該電池1に内部短絡が生じている(不良品)と判定し、その電池1を除去する。一方、得られた係数bが基準係数Bよりも大きい(b≧B)場合には、当該電池1を正常(内部短絡が生じていない良品)と判定する。
次に、「放電電気量取得・判定工程S9」を行う。即ち、短絡判定工程S8で正常と判定された電池1について、充放電装置を接続して、SOC30%まで強制的に放電させる。また、この放電期間中に、SOC70%からSOC30%に至るまでの間に放電された放電電気量Qaを測定する。そして、この放電電気量Qaを基準放電電気量Qkと比較し、放電電気量Qaが基準放電電気量Qkよりも小さい場合に(Qa<Qk)、当該電池1を不良品と判定し、当該電池1を除去する。一方、得られた放電電気量Qaが基準放電電気量Qkよりも大きい場合には(Qa≧Qk)、当該電池1を正常(良品)と判定する。
次に、「内部抵抗値取得・判定工程S10」を行う。即ち、放電電気量取得・判定工程S9で正常と判定された電池1について、その内部抵抗値(IV抵抗値)Raを測定する。具体的には、電池1をSOC40%まで充電する。その後、この電池1を、4Cの定電流で4秒間だけ放電させ、放電前後の電池電圧Vcをそれぞれ測定する。その後、放電により変化した電池電圧Vcの変化量ΔVfを放電電流値(4C)で除して、IV抵抗値(内部抵抗値)Raを取得する。そして、得られた内部抵抗値Raが、予め決めておいた基準範囲から外れている場合に、当該電池1を不良品として判定し、当該電池1を除去する。一方、得られた内部抵抗値Raが基準範囲内である場合には、当該電池1を正常(良品)と判定する。
内部抵抗値取得・判定工程S10を終えた後は、電池1を拘束している拘束治具を取り外し、電池1の拘束状体を解除する。かくして、電池1が完成する。
以上で説明したように、電池1の製造方法では、互いに異なる放置温度T1,T2,T3で得た複数の電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3に基づいて、放置温度Tと電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT の係数bを取得する。より具体的には、本実施形態では、放置温度Tと0℃を基準とした電圧低下量比ΔVhについての指数近似曲線ΔVh=ebT の係数bを取得する。そして、得られた係数bが基準係数Bよりも小さい場合に(b<B)、当該電池1に短絡が生じていると判定する。前述のように、短絡が生じている電池1は、正常な電池1に比べて電圧低下量ΔVの温度依存性が小さいため、短絡が生じている電池1で取得される指数近似曲線の係数bは、正常な電池1で取得される指数近似曲線の係数bに比べて小さい。その上、ある特定の放置温度Tで得られる電圧低下量ΔVでは、正常な電池1と短絡が生じている電池1とで殆ど差がなく、これらを判別できない場合でも、指数近似曲線の係数bについて見ると、正常な電池1と短絡が生じている電池1とで大きな差が生じる。このため、取得した指数近似曲線の係数bと基準係数Bとを比較することにより、短絡が生じている電池1を精度良く検出できる。
更に、本実施形態では、第1〜第2電圧低下量取得工程S4,S5 S6のいずれの工程も、放置温度T1,T2,T3を30℃以下としているので、各々の電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3は、いずれも、化学反応に起因する電圧低下量ΔVaの割合が、内部短絡に起因する電圧低下量ΔVbに比べて大きくなりすぎない。このため、内部短絡が生じている電池1で取得される指数近似曲線の係数bと、正常な電池1で取得される指数近似曲線の係数bとの差が明確になる。従って、短絡判定工程S8で、内部短絡が生じている電池1をより精度良く検出できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、放置温度Tを第1放置温度T1=30℃、第2放置温度T2=15℃、第3放置温度T3=0℃として、第1〜第3電圧低下量取得工程S4,S5,S6を行ったが、各々の放置温度Tは適宜変更でき、また、放置温度Tに0℃を含めなくてもよい。
また、実施形態では、電圧低下量取得工程を3回(第1電圧低下量取得工程S4、第2電圧低下量取得工程S5及び第3電圧低下量取得工程S6)行ったが、電圧低下量取得工程は、2回または4回以上とすることもできる。
また、実施形態の係数取得工程S7では、一旦、第3電圧低下量ΔV3を基準とした、第1電圧低下量比ΔVh1(=ΔV1/ΔV3)及び第2電圧低下量比ΔVh2(=ΔV2/ΔV3)を算出した。その上で、放置温度Tと電圧低下量比ΔVhについての、係数a=1.00とした指数近似曲線ΔVh=ebTを求めて、係数bを取得した。しかし、第1〜第3電圧低下量取得工程S4〜S6で得られた第1〜第3電圧低下量ΔV1,ΔV2,ΔV3を直接用いて、指数近似曲線ΔV=aebTを求めて、係数a,bを取得してもよい。
また、実施形態では、初充電工程S2から内部抵抗値取得・判定工程S10までを、電池1を拘束した状態で行ったが、これらの工程S2〜S10を電池1を拘束することなく行うこともできる。
また、実施形態では、初充電工程S2において、この電池1をSOC100%まで充電したが、例えば、SOC80%まで充電するなど初充電するSOCの値は適宜変更できる。
また、実施形態では、エージング工程S3を、電池1を端子開放した状態で行ったが、電池1に電源を接続し定電圧に維持した状態で行ってもよい。
また、実施形態では、電池1の製造過程において、第1電圧低下量取得工程S4〜短絡判定工程S8までを行って、電池1に内部短絡が生じているか否かを検査したが、製造後の電池1について内部短絡の検査を行うこともできる。即ち、工場から出荷された後の電池1について、前述の第1電圧低下量取得工程S4〜短絡判定工程S8までを行って、内部短絡の有無を検査することもできる。この場合も、内部短絡が生じている電池1を精度良く検出できる。
1 電池
10 電池ケース
20 電極体
50 正極端子部材
60 負極端子部材
S1 組立工程
S2 初充電工程
S3 エージング工程
S4 第1電圧低下量取得工程
S5 第2電圧低下量取得工程
S6 第3電圧低下量取得工程
S7 係数取得工程
S8 短絡判定工程
T 放置温度
T1 第1放置温度
T2 第2放置温度
T3 第3放置温度
Da 放置時間
Vc,Vc1s,Vc1e,Vc2s,Vc2e,Vc3s,Vc3e 電池電圧
ΔV 電圧低下量
ΔV1 第1電圧低下量
ΔV2 第2電圧低下量
ΔV3 第3電圧低下量
a,b 係数
B 基準係数

Claims (1)

  1. 所定の放置温度下でかつ端子開放した状態で二次電池を所定の放置時間にわたって放置し、上記放置前後の電池電圧の電圧低下量を取得する電圧低下量取得工程を、互いに異なる上記放置温度下で行う複数の電圧低下量取得工程と、
    得られた複数の上記電圧低下量に基づいて、上記放置温度Tと上記電圧低下量ΔVについての指数近似曲線ΔV=aebT(a,bは係数、但し、a>0,b>0)の係数bを取得する係数取得工程と、
    得られた上記係数bが基準係数Bよりも小さい(b<B)場合に、当該二次電池に内部短絡が生じていると判定する短絡判定工程と、を備える
    二次電池の製造方法。
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