JP2017201078A - トンネルの覆工コンクリートおよび覆工コンクリートの構築方法 - Google Patents

トンネルの覆工コンクリートおよび覆工コンクリートの構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】覆工コンクリートに様々な外力が作用しても、損傷が生じにくいトンネルの覆工コンクリートおよび覆工コンクリートの構築方法を提供することである。【解決手段】トンネルの内壁面に対して軸線方向に順次、コンクリートを打ち継ぐことにより形成され打継ぎ部に目地部を備えたトンネルの覆工コンクリートであって、前記目地部が、既設コンクリートの打継ぎ面の内縁と該打継ぎ面に対向する新設コンクリートの対向面の内縁にそれぞれ設けられた面取り部により形成され、該面取り部が、曲面を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、打継ぎ部に目地部が形成されたトンネルの覆工コンクリートおよび覆工コンクリートの構築方法に関する。
従来より、トンネルに覆工コンクリートを構築する際には、トンネル覆工コンクリート鋼製型枠(スライドセントル)をトンネル内壁面に対向させて配置し、両者の間にコンクリートを打設して当該コンクリートが硬化した後、トンネル覆工コンクリート鋼製型枠をトンネルの軸線方向に移動させる。この工程を順次繰り返してコンクリートをトンネルの軸線方向に打ち継ぎ、覆工コンクリートを構築する。
このような中、例えば特許文献1には図12で示すように、台形形状の目地材202を備えた型枠201を既設コンクリート205の切羽側に据え付けた上で、型枠201とトンネル内壁面203との間にフレッシュコンクリートを打設し、この打ち継いだコンクリート204と既設コンクリート205との打継ぎ部206に目地207を形成しながら覆工コンクリート20を構築する方法が開示されている。
特開2003−278496号公報
しかし、目地207を台形形状に形成することから、目地207の周辺に角部Cが形成されるため、当該角部Cにブリーディング水などを含むノロが溜まりやすいだけでなく、コンクリートの充填不良が生じてポーラスな脆弱部分となりやすい。
また、覆工コンクリート20の構築作業では、打継いだコンクリート204の強度発現が未完全な弱材齢時に型枠201の脱型・移動・据え付けが行われる。このため、型枠201を脱型する際の偏荷重や型枠201を据え付ける際の押し上げ荷重が、目地207の下辺両端に位置する角部Cに作用すると、これら角部Cに応力集中によるひび割れや欠け等の損傷が発生しやすい。
さらには、覆工コンクリート20の構築後であっても、季節ごとの温湿度変化等に起因して、覆工コンクリート20が膨張収縮するため、目地207の上辺に位置する既設コンクリート205の角部Cに、干渉や付着による欠けが生じやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、覆工コンクリートに様々な外力が作用しても、損傷が生じにくいトンネルの覆工コンクリートおよび覆工コンクリートの構築方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明のトンネルの覆工コンクリートは、トンネルの内壁面に対して軸線方向に順次、コンクリートを打ち継ぐことにより形成され打継ぎ部に目地部を備えたトンネルの覆工コンクリートであって、前記目地部が、既設コンクリートの打継ぎ面の内縁と該打継ぎ面に対向する新設コンクリートの対向面の内縁にそれぞれ設けられた面取り部により形成され、前記面取り部が、曲面を備えることを特徴とする。
また、本発明のトンネルの覆工コンクリートは、前記面取り部の曲面が、円弧であることを特徴とする。
上述する本発明のトンネルの覆工コンクリートによれば、既設コンクリートの打継ぎ面の内縁及び新設コンクリートの対向面の内縁の両者に曲面形状の面取り部が形成されることから、構築後の覆工コンクリートを、隅々までコンクリートが充填された高い耐久性を備える健全な構造とすることが可能となる。
また、目地部の頂部に位置する既設コンクリートの打継ぎ面および新設コンクリートの対向面には、ノロ溜まりやコンクリートの充填不良等が生じるような大きさの角部やコンクリートの打設不良が懸念される脆弱部分が存在することはない。これにより、季節ごとの温湿度変化等に起因して、構築後の覆工コンクリートに膨張や乾燥収縮等の体積変化が生じ、既設コンクリートの打継ぎ面と新設コンクリートの対向面との間に干渉や引張力が作用した場合にも、目地部の頂部近傍にひび割れや欠けが生じることを防止することが可能となる。
また、目地部の頂部と同様に、目地部の底部両端にもノロ溜まりやコンクリートの充填不良等が生じるような大きさの角部やコンクリートの打設不良が懸念される脆弱部分が存在しない。これにより、構築後の覆工コンクリートの内周面に様々な外力が作用しても、目地部近傍に生じやすいひび割れや剥離等の損傷を防止することが可能となる。
本発明のトンネルの覆工コンクリートは、前記打継ぎ面の内縁に形成された面取り部が、前記既設コンクリートの内周面と前記打継ぎ面とを連結する方向に滑らかに連続する曲率の異なる2つの円弧よりなり、該曲率の異なる2つの円弧のうち、前記打継ぎ面と隣り合う円弧の曲率が小さいことを特徴とする。
上述する本発明のトンネルの覆工コンクリートによれば、既設コンクリートの内周面と打継ぎ面とを連結する2つの円弧のうち、前記打継ぎ面と隣り合う円弧の曲率を小さくして緩やかな曲面に形成した。これにより、覆工コンクリートの打継ぎ作業を実施する場合において、目地部を形成するための型枠に弾性変形性能を有する材料を採用し下方から押し上げ力を作用すると、型枠は緩やかな曲面によって打継ぎ面から離れる方向に案内されつつ、高さ方向に弾性変形を生じる。このため、強度発現が未完全な弱材齢時の既設コンクリートであっても、型枠との当接部への損傷を抑止しながら、型枠を既設コンクリートにより確実に密着させることが可能となる。
本発明のトンネルの覆工コンクリートの構築方法は、トンネルの軸線方向にトンネル覆工鋼製型枠を移動させつつ、トンネルの内壁面にコンクリートを順次打ち継ぎ、請求項1から3のいずれか1項に記載のトンネルの覆工コンクリートを構築する、覆工コンクリートの構築方法であって、前記トンネル覆工鋼製型枠に備えるせき板の坑口側に、前記新設コンクリートの前記対向面の内縁に曲面を備える面取り部を形成するためのコンクリート打設面を備える可撓性溝型枠を設置するとともに、前記トンネル覆工鋼製型枠に備える妻枠に、前記新設コンクリートの前記対向面と平行な端面の内縁に曲面を備える面取り部を形成するための剛性溝型枠を設置し、前記トンネル覆工鋼製型枠を、前記可撓性溝型枠の坑口側が前記既設コンクリートの面取り部に当接するよう、据え付けることを特徴とする。
上述する本発明の覆工コンクリートの構築方法によれば、既設コンクリートの面取り部に可撓性溝型枠を据え付ける際に過度な押し上げ力が作用した場合にも、面取り部が曲面を備えているため、既設コンクリートの目地部近傍に生じやすい応力集中によるひび割れを防止することが可能となる。
また、既設コンクリートおよび新設コンクリートの強度発現が未完全な弱材齢時に可撓性溝型枠および剛性溝型枠を脱型する場合において、トンネル覆工鋼製型枠の不均一なジャッキダウン等により、複雑な外力が既設コンクリートおよび新設コンクリートの面取り部に作用しても面取り部が曲面を備えているため、既設コンクリートおよび新設コンクリートの目地部近傍に生じやすい欠けや剥落等を防止することが可能となる。
このように、トンネル覆工鋼製型枠のせき板に可撓性溝型枠および剛性溝型枠を設置するのみの簡略な構成で、トンネル覆工鋼製型枠の据え付けや脱型等の型枠作業に起因して、既設コンクリートおよび新設コンクリートの目地部近傍に生じやすいひび割れや欠けを防止することが可能となる。
本発明によれば、既設コンクリートの打継ぎ面の内縁及び新設コンクリートの対向面の内縁の両者に曲面形状の面取り部を形成することにより、打継部に形成された目地部に脆弱部分が存在しないため、覆工コンクリートに様々な外力が作用しても、目地部近傍にひび割れや剥離等の損傷を防止することが可能となる。
本発明のトンネルの覆工コンクリートの打継ぎ部を示す図である。 本発明の打継ぎ部に形成する目地部の詳細を示す図である。 本発明のトンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置を据え付けた状態を示す図である。 本発明のトンネル軸線方向から見らトンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置を示す図である。 本発明の可撓性溝型枠および剛性溝型枠本体を示す図である。 本発明のトンネル覆工鋼製型枠を脱型した状態を示す図である。 本発明の可撓性溝型枠および剛性溝型枠の断面を示す図である。 本発明の既設コンクリートに可撓性溝型枠を設置した状態を示す図である。 本発明の初回用溝型枠を示す図である。 本発明の鋼製溝型枠の他の事例を示す図である。 本発明の他の事例の鋼製溝型枠により形成した曲面形状の面取り部を示す図である。 従来のトンネルの覆工コンクリートに形成された目地を示す図である。
トンネル内壁面151を覆う覆工コンクリート1は、トンネル15の軸線に平行な断面を示す図1で示すように、先行して打設したフレッシュコンクリートが硬化した後、この硬化したコンクリート(以降、既設コンクリート2という。)の打継ぎ面21に打ち継ぐようにしてフレッシュコンクリートを後行して打設し、これを硬化させて新たなコンクリート(以降、新設コンクリート3という。)を構築する工程を、トンネル15の軸線方向に順次繰り返すことにより構築されるものであり、これらの打継ぎ部4に目地部5が形成されている。
目地部5は、図2に拡大して示すように、既設コンクリート2の打継ぎ面21および打継ぎ面21と向かい合う新設コンクリート3の対向面31各々の、トンネル内空部152側に位置する内縁に形成された面取り部22、32で囲まれた領域に位置しており、これら面取り部22、32はいずれも凸状曲面に形成されている。
具体的には、既設コンクリート2の面取り部22は、既設コンクリート2の内周面23と打継ぎ面21とを連結するように連続する単心円の円弧を成す形状に形成されている。一方、新設コンクリート3の面取り部32は、新設コンクリート3の内周面33と対向面31とを段差部Sを介して連結する単心円の円弧を成す形状、いわゆる銀杏面となるように形成されている。
本実施の形態では、既設コンクリート2の面取り部22および新設コンクリート3の面取り部32を、ともに同じ曲率の単心円の円弧により形成している。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、各々が異なる曲率の円弧にて形成されるものであってもよく、また、面取り部22、32は、凸状の曲面を形成するものであれば、楕円等いずれの曲面をなすものでもよい。
また、本実施の形態では、新設コンクリート3の面取り部32が、単心円の円弧の両端部に段差部Sを有する形状に形成されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、両端部ともに段差部Sのない形状でもよいし、トンネル内壁面151側に位置する円弧の端部にのみ段差部Sを設けた、いわゆる片銀杏面となるように形成してもよい。
なお、段差部Sは、硬質ゴム等の可撓性材料よりなる型枠を使用する際に生じる極微小な段差であり、段差部Sに形成される角部は、フレッシュコンクリートの打設時にブリーディング水などを含むノロが溜まる、もしくはコンクリートの充填不良が生じるといった、施工不良をもたらすような大きさのものではなく、脆弱部分となるような角部ではない。
上述する覆工コンクリート1によれば、既設コンクリート2の打継ぎ面21の内縁及び新設コンクリート3の対向面31の内縁の両者には、図2で示すような曲面形状の面取り部22、32が形成されることから、硬化後の覆工コンクリート1は、隅々までコンクリートが充填された高い耐久性を備える健全な構造とすることが可能となる。
また、目地部5の頂部に位置する既設コンクリート2の打継ぎ面21及び新設コンクリート3の対向面31には、図2で示すように段差部Sが存在するものの、これらは前述したように脆弱な角部ではなく、ほかに脆弱部分も存在しない。これにより、構築後の覆工コンクリート1に季節ごとの温湿度変化等に起因する膨張や乾燥収縮等の体積変化が生じて、既設コンクリート2の打継ぎ面21と新設コンクリート3の対向面31との間に干渉や引張力が作用した場合にも、覆工コンクリート1にひび割れや欠けが生じることを防止することが可能となる。
また、目地部5の頂部と同様に、目地部5の底部両端に位置する既設コンクリート2の打継ぎ面21および新設コンクリート3の対向面31にも、図2で示すように脆弱な角部やその他脆弱部分が存在しない。これにより、構築後の覆工コンクリート1の内周面23、33に様々な外力が作用しても、目地部5近傍に生じやすいひび割れや剥離等の損傷を防止することが可能となる。
このような覆工コンクリート1の構築には、図3及び図4で示すようなトンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置6を採用する。トンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置6は、トンネル15の軸線方向に移動自在なガントリー7と、ガントリー7に支持されるトンネル覆工鋼製型枠8と、トンネル覆工鋼製型枠8の切羽側端部に設置される妻枠9とを備えている。
トンネル覆工鋼製型枠8は、図4で示すような所定の間隔Aを設けてトンネル内壁面151を覆う形状に成形されるせき板81と、図3で示すように、せき板81の坑口側端部に設置され、上面がせき板81と同一平面を形成するオーバーラップフランジ82とを備え、せき板81には可撓性溝型枠10および剛性溝型枠12が、それぞれ設置されている。
可撓性溝型枠10は、図5(a)で示すように断面が略三角形状を有する長尺体よりなり、可撓性を有する硬質ゴム等の可撓性材料にて形成される。そして、可撓性材料は、せき板81とトンネル内壁面151との間に打設されるフレッシュコンクリートの側圧にて変形することがない程度の強度を有している。また、可撓性溝型枠10は、長手方向に連通する中空部104を有するとともに、底面にはせき板81に設置するための平坦な設置面101が長手方向に連続して形成されている。
このような構成の可撓性溝型枠10をトンネル覆工鋼製型枠8に設置するには、図3及び図4で示すように、長手方向をトンネル15の軸線方向と直交する方向に向けて設置面101をせき板81とオーバーラップフランジ82との両者に跨るよう配置し、中空部104に挿通したワイヤー等の緊結手段を介して固定する。これにより、可撓性溝型枠10をせき板81に沿わせて着脱自在に設置することができる。
こうして設置された可撓性溝型枠10は、図6で示すように、断面視で略三角形状の一方の斜辺が坑口側となり、他方の斜辺が切羽側となるように配置される。そして、坑口側となる一方の斜辺には、既設コンクリート2の打継ぎ面21における面取り部22と当接する形状の当接面102が、長手方向に連続して形成されている。また、切羽側となる他方の斜辺には、新設コンクリート3の対向面31における面取り部32を形成するためのコンクリート打設面103が形成される。
ここで、図2で示したように、既設コンクリート2の面取り部22および新設コンクリートの面取り部32は、両者ともに曲面として単一の円弧を備えており、本実施の形態では、半径60mmの円弧を採用している。したがって、可撓性溝型枠10に備えた当接面102およびコンクリート打設面103も、図7(a)で示すように、半径60mmの凹状の円弧に形成されている。
一方、剛性溝型枠12は、図7(b)で示すように、剛性溝型枠本体13と溝型枠固定板14とにより構成されている。剛性溝型枠本体13は、鋼材等の剛性材料にて形成された、断面が略直角三角形を有する長尺体よりなり、長手方向をトンネル15の軸線と直交する方向に配置した際にせき板81に沿うよう、図5(b)で示すように、長手方向が湾曲形状に形成されている。そして、剛性溝型枠12の底面は、せき板81に設置できるよう平坦な設置面131に形成されている。
長手方向をトンネル15の軸線と直交する方向に向ける剛性溝型枠本体13は、図6で示すように、断面視で略直角三角形状の斜辺が坑口側と対向し、対辺が切羽側となるように配置される。そして、坑口側となる斜辺には、新設コンクリート3における対向面31と平行な端面34の内縁に面取り部35を形成するためのコンクリート打設面132が、長手方向に連続して形成される。
また、切羽側となる対辺には、溝型枠固定板14に取り付けるための取付け面133が、長手方向に連続して形成されている。溝型枠固定板14は、図3で示すようなトンネル覆工鋼製型枠8の切羽側端面であって妻枠9に接合配置される板状部材であり、板面が妻枠9と平行となるように立設されて、その上端がトンネル覆工鋼製型枠8のせき板81より上方であって、妻枠9の中間高さに位置している。
また、溝型枠固定板14には、図7(b)で示すように、剛性溝型枠本体13のコンクリート打設面132と連続するコンクリート打設面141が設けられており、コンクリート打設面141の上端が妻板9にすり付く形状となっている。これにより、せき板81と妻枠9は、図3で示すように、剛性溝型枠本体13のコンクリート打設面132と溝型枠固定板14のコンクリート打設面141を介して、滑らかに連続する形状となる。
なお、新設コンクリート3の端面34は、当然ながら既設コンクリート2の打継ぎ面21と同一の形状をなすものである。そして、本実施の形態では、既設コンクリート2の打継ぎ面21に設けた面取り部22を半径60mmの単円の円弧に形成していることから、端面34の内縁に形成される面取り部35も半径60mmの単円の円弧に形成するよう、剛性溝型枠本体13のコンクリート打設面132および溝型枠固定板14のコンクリート打設面141はいずれも、図7(b)で示すように、半径60mmの凹状の円弧に形成されている。
上述する構成の可撓性溝型枠10と剛性溝型枠12が設置されたトンネル覆工鋼製型枠8を用いて、覆工コンクリート1を構築する際の手順は以下のとおりである。
まず、ガントリー7を介してトンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置6をトンネル15の軸線方向に移動させ、図3で示すように、可撓性溝型枠10の当接面102が既設コンクリート2の打継ぎ面21に形成された面取り部22に当接し、かつ、せき板81とトンネル内壁面151との間に所定の間隔Aを設けて、トンネル覆工鋼製型枠8を据え付ける。
次に、フレッシュコンクリートをせき板81とトンネル内壁面151との間に打設して既設コンクリート2の打継ぎ面21に打ち継ぎ、これを硬化させて新設コンクリート3を構築する。この後、図6で示すようにトンネル覆工鋼製型枠8を新設コンクリート3から脱型し、これを新設コンクリート3の切羽側前方までガントリー7を介して移動させる。
この手順を坑口側から切羽方向に向けて順次繰り返すことにより、既設コンクリート2と新設コンクリート3の打継ぎ部4に、2つの面取り部22、32にて囲まれた目地部5が形成された覆工コンクリート1が構築される。
なお、本実施の形態では、図7で示すように、可撓性溝型枠10の高さL1を剛性溝型枠12の高さL2よりも低く設定している。こうすると、トンネル覆工鋼製型枠8を据え付ける際に、既設コンクリート2の面取り部22に可撓性溝型枠10を効率よく密着させることが可能となる。
つまり、図6で示すように、剛性溝型枠12のコンクリート打設面132、141によって内縁に面取り部35が形成された新設コンクリート3は、その後にフレッシュコンクリートが打ち継がれる際には、図3で示すような既設コンクリート2となり、新設コンクリート3の面取り部35は既設コンクリート2の面取り部22となる。このとき、既設コンクリート2において曲面形状の面取り部22は、図8で示すように、既設コンクリート2の内周面23からL2の高さまでが形成されている。
このため、トンネル覆工鋼製型枠8を据え付けるべく、既設コンクリート2の面取り部22に可撓性溝型枠10の当接面102を当接させる際に、図8で示すように、下方から押し上げ力が作用して可撓性溝型枠10に高さがL1より高くなるような弾性変形が生じても、当接面102の全長を既設コンクリート2の面取り部22に当接させることができる。
なお、可撓性溝型枠10および剛性溝型枠12の形状は、必ずしもこれに限定されるものではなく、可撓性溝型枠10の高さL1と剛性溝型枠12の高さL2を同じ高さとなるよう形成してもよい。また、可撓性溝型枠10の頂部も鋭角となるような処理を施してもよいが、図7(a)で示すような頂部を切り欠いた形状にしておくと、脱型後の覆工コンクリート1に、可撓性溝型枠10の残滓が生じることを確実に防止することが可能となる。
ところで、覆工コンクリート1の構築方法において、初回のフレッシュコンクリートの打設時には既設コンクリート2が存在しないため、可撓性溝型枠10に代えて初回用溝型枠11をせき板81に取り付けて、フレッシュコンクリートの打設を開始する。初回用溝型枠11は、図9で示すように、断面が略直角三角形を有する長尺体よりなり、ポリエチレン等の硬質材料により形成される。そして、硬質材料は、せき板81とトンネル内壁面151との間にフレッシュコンクリートを打設する際の側圧にて、変形することがない程度の剛性を有するものであれば、いずれを用いてもよい。
また、初回用溝型枠11は、長手方向をトンネル15の軸線と直交する方向に配置した際に、せき板81の上面に沿うよう、長手方向が湾曲形状に形成されており、その底面にはせき板81に設置するための平坦な設置面111が、長さ方向に連続して形成されている。このような初回用溝型枠11は、断面視で略直角三角形状の斜辺が切羽側、対辺が坑口側となるように配置される。
そして、切羽側となる斜辺にコンクリート打設面112が、長手方向に連続して形成される。本実施の形態では、新設コンクリート3の面取り部32に半径60mmの単円の円弧を用いていることから、初回用溝型枠11のコンクリート打設面112を半径60mmの凹状の円弧に形成している。また、坑口側と切羽側となる対辺には、トンネル覆工鋼製型枠8の坑口側端部に設置される妻枠9に取り付けるための取付け面113が形成される。
したがって、初回の打設作業時には図9で示すように、トンネル覆工鋼製型枠8の坑口側端部に妻枠9を設置するとともにせき板81に初回用溝型枠11を設置してフレッシュコンクリートの打設を行う。脱型後は妻枠9および初回用溝型枠11を取り外して、図3で示すように、トンネル覆工鋼製型枠8にオーバーラップフランジ82と可撓性溝型枠10を設置し、以降の作業を行えばよい。
このような覆工コンクリート1の構築方法によれば、トンネル覆工鋼製型枠8を据え付ける際に、可撓性溝型枠10から既設コンクリート2の面取り部22に過度な押し上げ力が作用した場合にも面取り部22が曲面形状であるため、既設コンクリート2に応力集中によるひび割れが生じることを、防止することが可能となる。
また、既設コンクリート2および新設コンクリート3の強度発現が未完全な弱材齢時に可撓性溝型枠10および剛性溝型枠12を脱型する場合において、トンネル覆工鋼製型枠8の不均一なジャッキダウン等により、複雑な外力が既設コンクリート2および新設コンクリート3の面取り部22、32に作用しても、これら面取り部22、32が曲面を備えているため、既設コンクリート2および新設コンクリート3に欠けや剥落等が生じることを防止することが可能となる。
このように、トンネル覆工鋼製型枠8のせき板81に可撓性溝型枠10および剛性溝型枠12を設置するのみの簡略な構成で、トンネル覆工鋼製型枠8の据え付けや脱型等の型枠作業に起因して、既設コンクリート2および新設コンクリート3の目地部5近傍に生じやすいひび割れや欠けを防止することが可能となる。
なお、本発明の覆工コンクリート1および覆工コンクリート1の構築方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、剛性溝型枠12のコンクリート打設面132、141に同一径の凹状円弧を形成し、これらを連続させたが、各々に異なる半径の凹状円弧を形成しこれらを連続させる構成としてもよい。具体的には、図10で示すように、溝型枠固定板14のコンクリート打設面141に半径140mmの凹状円弧を設けるとともに、剛性溝型枠本体13のコンクリート打設面132に半径60mmの凹状円弧を設け、これを連続させる。
こうすると、既設コンクリート2の面取り部22には、図11で示すように、既設コンクリート2の内周面23と打継ぎ面21とを連結する方向に滑らかに連続する曲率の異なる2つの円弧C1、C2が形成される。このとき、打継ぎ面21と隣り合う円弧C1の曲率を内周面23と隣り合う円弧C2より小さくすることで、既設コンクリート2の面取り部22は、内周面23から打継ぎ面21に向かって、緩やかに上昇する曲面となる。
これにより、トンネル覆工鋼製型枠8を据え付けるべく、既設コンクリート2の面取り部22に可撓性溝型枠10の当接面102を当接させる際に、下方から押し上げ力が作用すると、可撓性溝型枠10は緩やかな円弧C1よりなる曲面によって切羽側に案内されつつ、高さがL1より高くなるような弾性変形を生じる。このため、強度発現が未完全な弱材齢時の既設コンクリート2であっても、可撓性溝型枠10と当接する面取り部22近傍に損傷が生じることを抑止しながら、可撓性溝型枠10の当接面102全長を面取り部22に対してより確実に密着させることが可能となる。
1 覆工コンクリート
2 既設コンクリート
21 打継ぎ面
22 面取り部
23 内周面
3 新設コンクリート
31 対向面
32 面取り部
33 内周面
4 打継ぎ部
5 目地部
6 トンネル覆工コンクリート鋼製型枠装置
7 ガントリー
8 トンネル覆工鋼製型枠
81 せき板
82 オーバーラップフランジ
9 妻枠
10 可撓性溝型枠
101 設置面
102 当接面
103 コンクリート打設面
104 中空部
11 初回用溝型枠
12 剛性溝型枠
13 剛性溝型枠本体
131 設置面
132 コンクリート打設面
133 取付け面
14 溝型枠固定板
141 コンクリート打設面
15 トンネル
151 トンネル内壁面
152 トンネル内空部
20 覆工コンクリート
201 型枠
202 目地材
203 トンネル内壁面
204 新設コンクリート
205 既設コンクリート
206 打継ぎ部
207 目地
C 角部
S 段差部
A 間隔

Claims (4)

  1. トンネルの内壁面に対して軸線方向に順次、コンクリートを打ち継ぐことにより形成され打継ぎ部に目地部を備えたトンネルの覆工コンクリートであって、
    前記目地部が、既設コンクリートの打継ぎ面の内縁と該打継ぎ面に対向する新設コンクリートの対向面の内縁にそれぞれ設けられた面取り部により形成され、
    該面取り部が、曲面を備えることを特徴とするトンネルの覆工コンクリート。
  2. 請求項1に記載のトンネルの覆工コンクリートにおいて、
    前記面取り部の曲面が、円弧であることを特徴とするトンネルの覆工コンクリート。
  3. 請求項1に記載のトンネルの覆工コンクリートにおいて、
    前記打継ぎ面の内縁に形成された面取り部が、前記既設コンクリートの内周面と前記打継ぎ面とを連結する方向に滑らかに連続する曲率の異なる2つの円弧よりなり、
    該曲率の異なる2つの円弧のうち、前記打継ぎ面と隣り合う円弧の曲率が小さいことを特徴とするトンネルの覆工コンクリート。
  4. トンネルの軸線方向にトンネル覆工鋼製型枠を移動させつつ、トンネルの内壁面にコンクリートを順次打ち継ぎ、請求項1から3のいずれか1項に記載のトンネルの覆工コンクリートを構築する、覆工コンクリートの構築方法であって、
    前記トンネル覆工鋼製型枠に備えるせき板の坑口側に、前記新設コンクリートの前記対向面の内縁に曲面を備える面取り部を形成するためのコンクリート打設面を備える可撓性溝型枠を設置するとともに、
    前記トンネル覆工鋼製型枠に備える妻枠に、前記新設コンクリートの前記対向面と平行な端面の内縁に曲面を備える面取り部を形成するための剛性溝型枠を設置し、
    前記トンネル覆工鋼製型枠を、前記可撓性溝型枠の坑口側が前記既設コンクリートの面取り部に当接するよう、据え付けることを特徴とする覆工コンクリートの構築方法。
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