JP2017201085A - 衝撃吸収体 - Google Patents

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【課題】衝突物の受撃時に、ネットから横ロープに対し、衝撃力をロスなく伝達させることが可能な手段を提供すること。【解決手段】衝突物を受撃するための衝撃吸収体であって、前記衝突物の受撃面を構成するネットと、前記ネットと重なる部分を前記ネットの内部の網目空間に挿通して、両端を設置面にアンカーで直接的または間接的に固定してある、横ロープと、を少なくとも具備したことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、落下してきた衝突物を受撃するための衝撃吸収体に関し、より詳細には、衝突物の受撃時に、ネットから横ロープにロスなく伝達させることが可能な衝撃吸収体に関する。
落下してきた衝突物を受撃して防護するための衝撃吸収体は、大別して、以下の2種類のタイプがある。
(A)防護網タイプ。
斜面に設置して落石や土砂などの衝突物をネットと設置面との間に設けた空間を経由して斜面下へ誘導するタイプである。
このタイプには、立設した支柱部分を衝突物の導入口とするポケット式や、衝突物を覆うようにネットを配置する覆式などがある。
(B)防護柵タイプ。
斜面の中腹や裾部などの設置面に設置するものであり、支柱間にネットを配置して捕捉面とし、ネット背面側への衝突物の進行を食い止めるタイプである。
例えば、前記(B)タイプとして、出願人は、以前に以下の特許文献1に記載の落石防護柵を着想した。
この落石防護柵は、所定間隔で立設した複数の支柱に、水平ロープ材と防護ネットを取り付けたものであり、前記水平ロープ材と防護ネットをコイル部材で巻き付けて連結するよう構成している。
このコイル部材は、水平ロープ材の上下方向への目開きを防止することで縦ロープの省略を目的とする部材である。
特開2003−105721号公報
このコイル部材を設ける箇所は、水平ロープ材の上下方向への目開きを防止する観点から、水平ロープ材と防護ネットとが重なる箇所において部分的に設けることが通常であった。
しかし、コイル結合を部分的にした場合、水平ロープ材と防護ネットとの一体化も部分的に留まるため、水平ロープ材と防護ネットとが中途半端に干渉しあう状態となる。
この状態では、落石が防護ネットに衝突したときにその衝撃力が防護ネットから水平ロープ材に上手く伝達せず、防護ネットが衝撃力に耐えられずに、先行破壊してしまうおそれがあり、この点を考慮した上で防護ネットの強度を選定する必要があった。
この点について、防護ネット(ネット)から水平ロープ材(横ロープ)への荷重伝達性を良好にすることができると、防護ネットの選定条件が有利となり、コスト抑制の観点などでも有益性があるため、研究開発の余地が残されていた。
そこで、本発明は、衝突物の受撃時に、ネットから横ロープに対し、衝撃力をロスなく伝達させることが可能な手段の提供を目的の1つとする。
上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、衝突物を受撃するための衝撃吸収体であって、前記衝突物の受撃面を構成するネットと、前記ネットと重なる部分を前記ネットの内部の網目空間に挿通して、両端を設置面にアンカーで直接的または間接的に固定してある、横ロープと、を少なくとも具備したことを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記横ロープと前記アンカーとの間に介設する緩衝装置をさらに具備することを特徴とする、
また、本願の第3発明は、前記第1または第2発明において、前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、前記ネットの上縁を前記支柱に連結して、前記ネットを斜面谷側へ吊設し、前記ネットと斜面との間に、前記衝突物を斜面下へ誘導する誘導空間を形成することを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第1または第2発明において、前記ネットを設置面に存する衝突物を覆うように敷設してあることを特徴とする。
また、本願の第5発明は、少なくとも前記ネットの上縁および下縁を前記支柱間に連結してあり、前記ネットでもって前記衝突物を前記支柱間で受撃して捕捉する捕捉面を形成することを特徴とする。
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を得ることができる。
(1)横ロープをネットの網目空間の中に挿通した状態とすることにより、ネットが受ける衝撃力を、横ロープに対してロスなく直ちに伝達させることができる。よって、先に防護ネットが破損する問題を回避することができる。
(2)横ロープをネットの網目空間の中に挿通した状態とすることにより、結合コイルも不要となる。
(3)横ロープに伝達した衝撃力は、アンカーとの間に介設した緩衝装置によって吸収されるため、落石防護網全体としての衝撃吸収性能を高くすることができる。また、緩衝装置による緩衝機能が発揮される前に、ネットや横ロープが破損してしまうこともない。
本発明をポケット式防護網に適用した場合の概略正面図。 図1に係る防護網の概略側面図。 受撃時の防護網の挙動を示す概略図。 本発明を覆式防護網に適用した場合の概略正面図。 本発明を防護柵に適用した場合の概略側面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
<1>全体構成
本発明の第1実施例について図1〜3を参照しながら説明する。
本実施例では、衝撃吸収体としてポケット式防護網Aを想定している。
ポケット式防護網Aは、図1,2に示すように、斜面の幅方向に間隔を空けて立設する複数の支柱10と、前記複数の支柱10から斜面谷側に向かって吊設するネット20と、前記ネットと一体化した状態で、両端を斜面に直接的または間接的にアンカーで固定してある横ロープ30とを少なくとも具備する。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
<2>支柱
支柱10は、前記ネット20を設けるための部材である。
支柱10は、斜面に設けたアンカーや基礎を介して固定する方法や、斜面に載置して別途控えをとりながら位置決めする方法など、その他公知の方法でもって斜面に立設するよう構成する。
支柱10の頭部近傍には、各種控え材の連結やロープの挿通を行うことが可能な連結部を設けている。
<3>ネット
ネット20は、斜面山側からの衝突物を受けとめるための部材である。
この衝突物には、落石・土砂・積雪・雪崩などが含まれる。
ネット20は、前記支柱10の連結部にネットの上縁を取付け、斜面谷側へと吊設することにより、ネット20と斜面との間の空間を、落石を受け入れて斜面谷側へと誘導する誘導空間A1を形成することができる。
<3.1>ネットの種類
ネット20の素材、形状は、落石要因に対する所望の衝撃吸収性能によって適宜決定することができ、例えば、菱形金網や超硬金網などを用いることができる。
その中でも、特に好適な例としては、厚み方向において横方向に連続する連通空間を有するタイプの金網である。これは、後述する横ロープをネット内に略直線上に挿通可能とすることで、一体化作業を容易とするためである。
本実施例でネット20として用いる菱形金網は、素線21を一定のピッチで山形に曲げておき、これらの素線21を連続的に互いにからませて菱形の網目を呈するように編みこまれている。
よって、菱形金網の網目は、ネットの厚み方向において横方向に連続する連通空間22として機能することになる。
この連通空間の縦の長さLは、網目を構成する菱形の縦幅長の約半分となる。
なお、本発明に係るネットは、平織金網などの、厚み方向において横方向に連続する連通空間を有しない構成の金網を用いても良い。この場合、横ロープは網目を蛇行するように挿通させていくことになる。
<4>横ロープ
横ロープ30は、ネットの縦方向に所定間隔毎に設ける部材である。
横ロープ30は、一般的にネット20の上縁部分、単数又は複数の中間部分、下縁部分に等間隔で設けるが、これらの配置位置、配置本数は適宜決定されるものであり、本発明において特段限定するものでではない。
横ロープ30の各端部は、斜面に横アンカー31によって固定される。
横ロープ30と横アンカー31とは1対1の関係としてもよいし、一つの横アンカー31に対して、複数の横ロープ30を接続するように構成してもよい。
<4.1>ネットと横ロープとの一対化(網目への挿通)
横ロープ30は、ネット20が受ける衝撃力が即座に横ロープ30へと伝達されるようにネット20と一体化しておく。
本実施例では、ネット20として用いる菱形金網の網目部分である前記連通空間22に、横ロープ30を挿通している。
よって、横ロープ30は、ネット20の連通空間22内の範囲でネット20の縦方向や厚み方向に移動自在な状態を呈している。
また、横ロープ30は、ネット20の縦方向への移動が、ネット20の連通空間22内の範囲内に制限されているため、各横ロープ30同士の間隔が広がって目開きが生じることもない。
<5>その他の部材
その他、本発明には、以下の手段を設けておくことができる。
<5.1>緩衝装置
緩衝装置40は、前記横ロープ30と前記横アンカー31との間に介設する部材である。この緩衝装置40によって、横ロープ30は、横アンカー31へと間接的に固定された状態となる。
横ロープ30に所定値以上の緊張力が生じたときに、緩衝装置40は、横ロープ30を装置内部でスリップさせることで衝撃吸収機能を発揮することができる。
<5.2>山側控え材、谷側控え材
本発明の支柱10には、適宜山側アンカー51と接続する山側控え材50、谷側アンカー61と接続する谷側控え材60などを設けておくこともできる。これらの部材の配置態様は、現場の条件に応じて適宜設計すればよい。
また、各アンカーと控え材との間には、別途緩衝具(図示せず)を介設してもよい。
この緩衝具は、前記緩衝装置40と同一のものでも、異なるものであってもよい。
<5.3>縦ロープ、交点処理具
本発明のネット20には、前記横ロープ30と直交するように配置する縦ロープや、該縦ロープと横ロープ30の交差部分を連結する交点処理具などを設けることもできる(図示せず)。
なお、縦ロープに求める機能が、横ロープ30間の目開き防止のみの場合には、前述したとおり本発明では横ロープ30間の目開きを防止できるため、縦ロープを省略してもよい。
<6>受撃時の機能・作用
図3を参照しながら、本実施例に係る防護網の受撃時の機能・作用について説明する。
図3(a)は、初期状態のネットと横ロープの関係を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)でのI−I断面図である。また、図3(c)は、衝突物の受撃におけるネットと横ロープの関係を示す平面図であり、図3(d)は、図3(c)でのII−II断面図である。
図3(a)(b)に示すように、衝突物Xが到来していない通常時では、ネット20の連通空間22内の範囲で横ロープ30が移動自在な状態で配置されている。
この状態から、衝突物Xが到来してネット20で衝突物Xを受撃したとき、まず衝突物Xによる衝撃力がネットへ伝わり、この衝撃力によってネット20が伸びて変位しようとする。
一方、横ロープ30は、その移動が前記ネット20の連通空間22内の範囲に制限されているため、この許容値を超えるネット20の変位が発生した段階で、ネット20は横ロープ30と即座に接触し、衝撃力はただちに横ロープ30へとロス無く伝達されることとなる。
そして、横ロープ30に確実に衝撃力が伝達された後は、横アンカー31との間に介設した緩衝装置40でもって、衝撃力を吸収する。
また、緩衝装置40を設けていない場合には、不動点である横アンカー31が反力体となって、衝撃力に抵抗する。
このように、本発明に係る防護網によれば、ネット20が受けた衝撃力を横ロープ30に伝えきれずに、先にネット20が破断または破損してしまう現象を抑止することができる。
よって、衝突物Xの受撃に対し、横アンカー31の抵抗機能や、緩衝装置40での緩衝機能を確実に発揮させることができる。
図4を参照しながら、本発明の第2実施例について説明する。
本実施例では、衝撃吸収体として覆式防護網Bを想定しており、設置面に存する衝突物Xをネット20で覆うように構成してある。
前記ネット20の内部の連通空間22に挿通してある横ロープ30の両端は、緩衝装置40および横アンカー31へと連結されている。
なお、本実施例においても、緩衝装置40は必須の構成ではない。
本実施例に係る防護柵においても、設置面から衝突物が剥がれて落下しようとする際の衝撃力に対して、先にネット20が破断または破損してしまう現象を抑止し、衝突物Xの受撃に対する横ロープ30の強度や緩衝装置40の緩衝機能を確実に発揮させることができる。
図5を参照しながら、本発明の第2実施例について説明する。
本実施例では、衝撃吸収体として防護柵Bを想定しており、ネット20の上縁および下縁を前記複数の支柱10にそれぞれ連結して、衝突物Xの捕捉面B1を有するように構成してある点で、実施例1に係る防護網と相違する。
前記ネット20の内部の連通空間22に挿通してある横ロープ30の両端は、図示を省略してある緩衝装置40および横アンカー31へと連結されている。
なお、本実施例においても、緩衝装置40は、必須の構成ではない。
本実施例に係る防護柵においても、先にネット20が破断または破損してしまう現象を抑止し、衝突物Xの受撃に対する横ロープ30の強度や緩衝装置40の緩衝機能を確実に発揮させることができる。
本発明の第4実施例(図示せず)について説明する。
前記第1乃至第3実施例では、横ロープをネットの内部の網目空間に挿通することで、ネットと横ロープとを一体化していたが、本発明は、横ロープについて、ネットと重なる部分を全長にわたってネットにコイル結合する態様としてもよい。
この方法であっても、ネットが受けた衝撃力を横ロープにロス無く伝えることができる。
10 支柱
20 ネット
21 素線
22 連通空間
30 横ロープ
31 横アンカー
40 緩衝装置
50 山側控え材
51 山側アンカー
60 谷側控え材
61 谷側アンカー
A ポケット式防護網
A1 誘導空間
B 覆式防護網
C 防護柵
C1 捕捉面
X 衝突物
上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、衝突物を受撃するための衝撃吸収体であって、前記衝突物の受撃面を構成するネットと、少なくとも前記ネットの中間部分に配置し、前記ネットと重なる部分を前記ネットの網目部分によって形成される連通空間に挿通する態様のみでとどめる単数又は複数の横ロープと、前記横ロープの両端を、直接または緩衝装置を介して設置面に固定する、アンカーと、を少なくとも具備したことを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明において、前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、前記ネットの上縁を前記支柱に連結して、前記ネットを斜面谷側へ吊設し、前記ネットと斜面との間に、前記衝突物を斜面下へ誘導する誘導空間を形成することを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明において、前記ネットを設置面に存する衝突物を覆うように敷設してあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第1発明において、前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、少なくとも前記ネットの上縁および下縁を前記支柱間に連結してあり、前記ネットでもって前記衝突物を前記支柱間で受撃して捕捉する捕捉面を形成することを特徴とする。
また、本願の第5発明は、前記第1乃至第4発明のうち何れか1つの発明において、前記横ロープが、前記ネットの連通空間に、略直線上に挿通、または蛇行するように挿通してあることを特徴とする。

上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、衝突物を受撃するための衝撃吸収体であって、菱形金網でもって前記衝突物の受撃面を構成するネットと、少なくとも前記ネットの中間部分に配置し、前記ネットと重なる部分を、前記ネットの網目部分によって該ネットの両側縁間を貫通するように形成される連通空間挿通する態様のみでとどめてあり、その他の要素と連結することなく前記連通空間内を移動自在とする、単数又は複数の横ロープと、前記横ロープの両端を、直接または緩衝装置を介して設置面に固定する、アンカーと、を少なくとも具備したことを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、前記ネットの上縁を前記支柱に連結して、前記ネットを斜面谷側へ吊設し、前記ネットと斜面との間に、前記衝突物を斜面下へ誘導する誘導空間を形成することを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明において、前記ネットを設置面に存する衝突物を覆うように敷設してあることを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第1発明において、前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、少なくとも前記ネットの上縁および下縁を前記支柱間に連結してあり、前記ネットでもって前記衝突物を前記支柱間で受撃して捕捉する捕捉面を形成することを特徴とする


Claims (5)

  1. 衝突物を受撃するための衝撃吸収体であって、
    前記衝突物の受撃面を構成するネットと、
    前記ネットと重なる部分を前記ネットの内部の網目空間に挿通して、両端を設置面にアンカーで直接的または間接的に固定してある、横ロープと、
    を少なくとも具備したことを特徴とする、
    衝撃吸収体。
  2. 前記横ロープと前記アンカーとの間に介設する緩衝装置をさらに具備することを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収体。
  3. 前記設置面の幅方向に間隔を空けて立設してある複数の支柱を更に具備し、
    前記ネットの上縁を前記支柱に連結して、前記ネットを斜面谷側へ吊設し、前記ネットと斜面との間に、前記衝突物を斜面下へ誘導する誘導空間を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の衝撃吸収体。
  4. 前記ネットを設置面に存する衝突物を覆うように敷設してあることを特徴とする、請求項1または2に記載の衝撃吸収体。
  5. 少なくとも前記ネットの上縁および下縁を前記支柱間に連結してあり、前記ネットでもって前記衝突物を前記支柱間で受撃して捕捉する捕捉面を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の衝撃吸収体。
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