JP2017201583A - インク組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような態様においては、泡の発生を抑制するためのアルコールがインク内に含まれている態様に比べて、泡の内側におけるガスとインクとの界面にアルコールが集中しやすい。このため、インクにアルコールを添加する態様に比べて、少ない量のアルコールを使用して、泡の発生を抑制することができる。なお、この態様は、インク組成物の中間品を構成する成分の凝集物と、インク組成物の中間品を構成する成分の未溶解成分と、の少なくとも一方を、ろ過前のインク組成物の液状の中間品が含む場合に、特に好適である。
A1.触媒インクの製造:
図1は、本実施形態に係る触媒インクの製造方法を示すフローチャートである。ステップS1においては、アイオノマ(高分子電解質)の材料を加熱し混合することにより、ゲル状のアイオノマを作製する。なお、「アイオノマ」とは、金属イオンによる凝集力を利用して高分子を凝集体とした合成樹脂である。本実施形態において使用されるアイオノマは、プロトン(H+)伝導性を有する高分子電解質である。
なお、本明細書においては、触媒用インクにフィルタを通過させる処理(ステップS46参照)を狭義の「ろ過」と呼び、狭義のろ過に加えて、加圧用ガスの減圧、加圧用ガスへのアルコールの添加、ガスによる触媒用インクの加圧などを含む処理(ステップS4参照)全体を、広義の「ろ過」と呼ぶ。
以下では、窒素ガスへのアルコール水溶液の添加(図1のステップS44参照)以外の方法によるろ過工程の泡の発生の抑制の効果について、説明する。
図3は、アイオノマと触媒担持カーボンと溶媒中で混合してスラリーを生成する処理(図1のステップS3参照)を複数種類のアイオノマおよび水分率で実施した場合の、触媒担持カーボンへのアイオノマの吸着率を示すグラフである。アイオノマIaは、上述の本実施形態で使用される高酸素透過性アイオノマである。アイオノマIbは、アイオノマIaよりも酸素透過性が低い比較例のアイオノマである。図3においては、(i)水分率が85%の溶媒と、本実施形態で使用されるアイオノマIaとを使用して、本実施形態で使用される触媒担持カーボンと混合し、乳化させて、スラリーを生成した場合の、触媒カーボンへのアイオノマの吸着率、(ii)溶媒中の水分率が65%である点を除いて、上記(i)と同じ処理を行って、スラリーを生成した場合の、触媒カーボンへのアイオノマの吸着率、(iii)アイオノマIaに代えてアイオノマIbを使用した点を除いて、上記(ii)と同じ処理を行って、スラリーを生成した場合の、触媒カーボンへのアイオノマの吸着率、を左から順に示す。
一方、溶媒中の水分率を低く維持しつつ、触媒インクの溶媒にアルコールを添加して、触媒インクの表面張力を低下させ、気泡の発生を抑制する対応が考えられる。アルコールには、液体に添加された場合に、その液体の表面張力を低下させる作用があるためである。
また、触媒インクIctcにおいては、上記の測定における泡の発生数は、7個/ccであった。
さらに、触媒インクに消泡剤を添加することによって、泡の発生を抑制する対応も考えられる。しかし、Si系の消泡剤を触媒インクに添加した場合には、触媒インクを電解質膜に塗布した場合に、電解質膜の脆化を引き起こす可能性がある。また、他の消泡剤は、消泡剤の効果が有効となる程度に触媒インクに添加すると、白金触媒の被毒や、電解質膜におけるプロトン電導性の低下を招く。
図5は、ろ過処理における加圧流体である窒素ガスへのアルコールの添加(図1のステップS44参照)を、複数種類の割合で実施して、ろ過処理を行った場合に発生すると想定される、第1のタンク10内の触媒インクIctの泡の数を示すグラフである。なお、いずれの場合も、溶媒中の水分率は、65%とした(図3参照)。
第2実施形態は、加圧ガスにアルコールを含む消泡剤を添加する加湿工程(図1のステップS44)の処理と、そのためのアルコール添加装置(図2の50参照)の構成が第1実施形態とは異なる。第2実施形態の他の点は、第1実施形態と同じである。
C1.変形例1:
上記実施形態においては、触媒インクを生成する際に、基本骨格として環状構造を有する環式化合物を含むことにより、高い酸素透過性を有する高酸素透過性アイオノマが使用される。しかし、触媒インクを生成する際に使用されるアイオノマは、高い酸素透過性を有さない、他の樹脂とすることもできる。たとえば、触媒インクを生成する際に使用されるアイオノマとして、フッ素系樹脂であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーや、非フッ素系樹脂であるのBPSH(ポリアリーレンエーテルスルホン酸共重合体)などを有するプロトン伝導性のイオン交換樹脂などを用いることができる。
上記実施形態においては、メッシュフィルタ42のの孔径は、10μmである。しかし、フィルタのの孔径は、他の値とすることができる。フィルタの孔径は、触媒担持カーボンの径より大きい所定の値とすることができる。たとえば、使用される触媒担持カーボンの径が、最大3μmである場合は、フィルタの孔径は、3μm以上かつ30μm以下とすることができ、好ましくは8μm以上12μm以下とすることができる。
上記実施形態においては、フィルタとして金属メッシュフィルタ42を用いてろ過を行っている。しかし、ろ過は、他のフィルタを使用して行うこともできる。ろ過は、たとえば、PP、PTFE、PFA等の耐薬品性に優れたメッシュフィルタを用いて行ってもよい。また、たとえば、メッシュフィルタ以外にもメンブレンフィルタ、焼結フィルタ等を用いてろ過を行うことも可能である。
上記実施形態においては、加圧ガスに添加されるアルコール水溶液は、1−ヘキサノールを50重量%含むアルコール水溶液である。しかし、加圧ガスに添加されるアルコール水溶液は、他のアルコールおよび他の濃度とすることができる。ただし、アルコールは、液体に添加された際にその液体の表面張力を低下させ、泡の発生を抑えることができるアルコールであることが好ましく、より具体的には、6価以下の低級アルコールであることが好ましい。そして、アルコール水溶液中のアルコールの濃度は、50%以下であることが好ましい。
上記実施形態においては、加圧ガスへのアルコールの添加は、2流体ノズルやバブラーによって行われる。しかし、加圧ガスへのアルコールの添加は、加圧ガスをアルコールを含む液面状を通過させる方法など、他の方法で行うこともできる。
上記実施形態においては、触媒インクを加圧するためのガスとして、窒素ガスが使用される。しかし、触媒インクを加圧するためのガスとして、空気など、他のガスを使用することもできる。ただし、触媒インクを加圧するためのガスは、触媒インクおよび使用される消泡剤と反応しないものであることが好ましく、いわゆる不活性ガスであることが好ましい。
上記実施形態においては、ステップS44〜S46の広義のろ過の処理は、触媒インク2500g単位で、バッチ処理で行われる。しかし、触媒インクを加圧しつつろ過を行うことができる場合には、ろ過の処理は、連続処理で実行することもできる。
10…第1のタンク
14…開口
20…第2のタンク
22…第2のタンクの開口
30…圧力制御装置
32…ガスボンベ
34…配管
36…減圧装置
38…圧力計
40…フィルタユニット
41…フィルタハウジング
42…メッシュフィルタ
43,44…フィルタハウジングの開口
48…フィルタ支持体
50,58…アルコール添加装置
52…アルコールタンク
54…配管
56…ポンプ
62…2流体ノズル
Ad…触媒インクの移動を示す矢印
Af…消泡剤
Aict…ろ過前の触媒インクIctの投入を示す矢印
Aicf…ろ過後の触媒インクIcfの排出を示す矢印
Bb…泡
Ia…高酸素透過性アイオノマ
Ib…比較例のアイオノマ
Icf…ろ過後の触媒インク
Ict…ろ過前の触媒インク
Ict1〜Ict4…高酸素透過性アイオノマIaを使用した触媒インク
Ictc…比較例の触媒インク
Sft…アイオノマ
Claims (1)
- 燃料電池の触媒層を形成するためのインク組成物の製造方法であって、
アルコールと混合されたガスを接触させ前記ガスを介して加圧しつつ、インク組成物の液状の中間品をろ過する工程を含む、インク組成物の製造方法。
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