JP2017201859A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】角度推定用の高周波電圧の印加に伴い発生する回転電機の騒音を低減できる回転電機の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、高周波電圧を複数の巻線群に印加すべく、電力変換回路を操作する。制御装置は、複数の巻線群に印加された高周波電圧に応じて複数の巻線群に流れる高周波電流に基づいて、回転電機の回転角を推定する。制御装置は、複数の巻線群に印加する高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向を回転電機の駆動状態に基づいて可変設定する。制御装置は、複数の巻線群に印加する高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向を上記設定した方向にするとの条件、及び複数の巻線群に印加される高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2それぞれの大きさよりも、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件を満たすように、複数の巻線群に高周波電圧を印加する。【選択図】 図5

Description

本発明は、回転電機の制御装置に関する。
従来、回転電機の巻線に高周波電圧を印加することにより、回転電機の回転角を推定する制御装置が知られている。例えば下記特許文献1に記載の制御装置は、突極性を有する回転電機の電流ベクトル方向と、その電流ベクトルと直交する方向とのそれぞれに高周波電圧を印加して各方向のインダクタンスを検出し、検出したインダクタンスに基づいて回転角を推定している。
特開2004−135425号公報
ただし、角度推定用の高周波電圧が巻線に印加されることに伴って、回転電機の騒音が増加する懸念がある。
本発明は、角度推定用の高周波電圧が印加されることに伴い発生する騒音を低減できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、ステータ(13)に巻回された複数の巻線群(10A,10B)を有する多重巻線回転電機(10)と、前記複数の巻線群に電圧を印加する電力変換回路(20A,20B)と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の電気角速度よりも高い角速度で変動する高周波電圧を前記複数の巻線群のそれぞれに印加すべく、前記電力変換回路を操作する高周波操作部(40)と、前記複数の巻線群に印加された高周波電圧に応じて前記複数の巻線群に流れる高周波電流に基づいて、前記回転電機の回転角を推定する角度推定部(50)と、を備え、前記高周波操作部は、前記複数の巻線群に印加する高周波電圧ベクトルの方向を前記回転電機の駆動状態に基づいて可変設定する方向設定部を含み、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記方向設定部により設定した方向にするとの条件、及び前記複数の巻線群に印加される高周波電圧ベクトルそれぞれの大きさよりも、前記各高周波電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件を満たすように、前記複数の巻線群に高周波電圧を印加する。
上記発明が適用されるシステムには、複数の巻線群を有する多重巻線回転電機が備えられている。上記発明では、複数の巻線群に印加された高周波電圧に応じて複数の巻線群に流れる高周波電流に基づいて、回転電機の回転角が推定される。ここで上記発明では、複数の巻線群に印加される高周波電圧ベクトルそれぞれの大きさよりも、各高周波電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件を満たすように、複数の巻線群に高周波電圧が印加される。このため、角度推定用の高周波電圧の印加に伴い発生する回転電機の騒音を低減することができる。
さらに上記発明では、各高周波電圧のベクトルの方向を方向設定部により設定した方向にするとの条件を満たすように、複数の巻線群に高周波電圧が印加される。駆動状態に応じて、印加される高周波電圧が回転電機の制御に及ぼす影響が異なる。このため上記発明によれば、角度推定用の高周波電圧が回転電機の制御に及ぼす影響を抑制することができる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 モータ駆動制御処理を示すブロック図。 αβ座標系、dq座標系及びγδ座標系の関係を示す図。 高周波電圧設定部の処理を示すブロック図。 γδ座標系における高周波電圧の重畳態様を示す図。 高周波電圧波形を示す図。 第1実施形態の変形例に係る高周波電圧の重畳態様を示す図。 第1実施形態に係る角度推定部の処理を示すブロック図。 αβ座標系及びXY座標系における高周波電圧及び高周波電流を示す図。 高周波電流の想定変化量と電流ベクトルの大きさとの関係を示す図。 高周波電流のX軸方向成分の変化量を示す図。 第2実施形態に係るγδ座標系における高周波電圧の重畳態様を示す図。 高周波電圧設定部の処理を示すブロック図。 第3実施形態に係る高周波電流の変化量、回転角の推定誤差及び高周波電圧ベクトルの方向の関係を示す図。 γδ座標系における高周波電圧の重畳態様を示す図。 高周波電圧設定部の処理を示すブロック図。 第4実施形態に係る高周波電圧設定部の処理手順を示すフローチャート。 第5実施形態に係る高周波電圧設定部の処理を示すブロック図。 選択部の処理手順を示すフローチャート。 その他の実施形態に係る高周波電圧の重畳態様を示す図。 その他の実施形態に係る高周波電圧の重畳態様を示す図。 その他の実施形態に係る高周波電圧の重畳態様を示す図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る制御装置を車載主機としてエンジンを備える車両に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータ10は、多相多重巻線を有する回転電機であり、本実施形態では、3相2重巻線を有する同期機である。特に本実施形態では、モータ10として、非突極機を用いている。ちなみに、モータ10としては、例えば、永久磁石界磁型のものや、巻線界磁型のものを採用することができる。
本実施形態において、モータ10は、スタータ及びオルタネータ(発電機)の機能を統合したISG(Integrated Starter Generator)である。モータ10を構成するロータ12は、エンジン14のクランク軸14aと動力伝達可能とされている。本実施形態において、ロータ12は、例えばベルトを介してクランク軸14aに機械的に接続されている。
本実施形態では、エンジン14の初回の始動に加えて、所定の自動停止条件が成立する場合にエンジン14を自動停止させ、その後、所定の再始動条件が成立する場合にエンジン14を自動的に再始動させるアイドリングストップ機能を実行する場合にも、モータ10がスタータとして機能する。
モータ10を構成するステータ13には、2つの電機子巻線群である第1巻線群10A及び第2巻線群10Bが巻回されている。第1,第2巻線群10A,10Bに対して、ロータ12が共通化されている。第1,第2巻線群10A,10Bのそれぞれは、異なる中性点を有する3相巻線からなる。第1巻線群10Aは、電気角で互いに120°ずつずれたU,V,W相巻線UA,VA,WAを有し、第2巻線群10Bは、電気角で互いに120°ずつずれたU,V,W相巻線UB,VB,WBを有している。本実施形態では、第1巻線群10Aと第2巻線群10Bとのなす角度が電気角で0°とされている。すなわち、第1巻線群10AのU相巻線UAと第2巻線群10BのU相巻線UBとのなす角度が電気角で0°とされている。なお本実施形態では、第1巻線群10Aと第2巻線群10Bとが同じ構成とされている。具体的には、第1巻線群10Aを構成するU,V,W相巻線UA,VA,WAそれぞれの巻数と、第2巻線群10Bを構成するU,V,W相巻線UB,VB,WBそれぞれの巻数とが等しく設定されている。
先の図1に戻り、モータ10には、第1,第2巻線群10A,10Bに対応した第1,第2インバータ20A,20Bが電気的に接続されている。第1,第2インバータ20A,20Bは、入力される直流電圧を交流電圧に変換して出力する電力変換回路に相当する。第1インバータ20A及び第2インバータ20Bのそれぞれには、共通の直流電源であるバッテリ21が並列接続されている。バッテリ21の出力電圧は、例えば12Vである。なおバッテリ21には、コンデンサ22が並列接続されている。
第1インバータ20Aは、第1U,V,W相上アームスイッチSUp1,SVp1,SWp1と、第1U,V,W相下アームスイッチSUn1,SVn1,SWn1との直列接続体を備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点には、第1巻線群10Aを構成するU,V,W相巻線UA,VA,WAが接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp1〜SWn1として、IGBTを用いている。そして、各スイッチSUp1,SUn1,SVp1,SVn1,SWp1,SWn1には、各ダイオードDUp1,DUn1,DVp1,DVn1,DWp1,DWn1が逆並列に接続されている。なお、各スイッチSUp1〜SWn1としては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETであってもよい。
第2インバータ20Bは、第1インバータ20Aと同様に、第2U,V,W相上アームスイッチSUp2,SVp2,SWp2と、第2U,V,W相下アームスイッチSUn2,SVn2,SWn2との直列接続体を備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点には、第2巻線群10Bを構成するU,V,W相巻線UB,VB,WBが接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp2〜SWn2として、IGBTを用いている。そして、各スイッチSUp2,SUn2,SVp2,SVn2,SWp2,SWn2には、各ダイオードDUp2,DUn2,DVp2,DVn2,DWp2,DWn2が逆並列に接続されている。なお、各スイッチSUp2〜SWn2しては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETであってもよい。
第1,第2インバータ20A,20Bの各上アームスイッチのコレクタには、バッテリ21の正極端子が接続されている。第1,第2インバータ20A,20Bの各下アームスイッチのエミッタには、バッテリ21の負極端子が接続されている。すなわち本実施形態では、各インバータ20A,20Bでバッテリ21が共通化されている。
本実施形態にかかる制御システムは、電圧検出部30、第1相電流検出部31A、及び第2相電流検出部31Bを備えている。電圧検出部30は、バッテリ21から第1,第2インバータ20A,20Bに印加される電圧を電源電圧VDCとして検出する。第1相電流検出部31Aは、第1巻線群10Aに流れる3相電流のうち少なくとも2相分の電流を検出する。第2相電流検出部31Bは、第2巻線群10Bに流れる3相電流のうち少なくとも2相分の電流を検出する。本実施形態において、第1,第2相電流検出部31A,31Bは、V相電流及びW相電流を検出する。なお第1,第2相電流検出部31A,31Bとしては、例えば、カレントトランス又は抵抗器を備えるものを用いることができる。
上記各種検出部の検出値は、マイコンを主体として構成される制御装置40に取り込まれる。制御装置40は、CPU及びメモリを備え、メモリに格納されたプログラムをCPUにて実行する。制御装置40は、モータ10の制御量をその指令値に制御すべく、これら各種センサの検出値に基づいて、第1インバータ20A及び第2インバータ20Bの各スイッチをオンオフ操作する操作信号を生成する。本実施形態において、制御量はトルクであり、制御量の指令値は指令トルクTrq*である。図1には、第1インバータ20Aの各スイッチSUp1,SUn1,SVp1,SVn1,SWp1,SWn1を操作する信号を第1操作信号gUp1,gUn1,gVp1,gVn1,gWp1,gWn1として示し、第2インバータ20Bの各スイッチSUp2,SUn2,SVp2,SVn2,SWp2,SWn2を操作する信号を第2操作信号gUp2,gUn2,gVp2,gVn2,gWp2,gWn2として示している。
続いて図2を用いて、モータ10のトルク制御について説明する。この制御は、モータ10の磁極位置である回転角を直接検出するレゾルバ等の角度検出器を用いない制御である位置センサレス制御である。制御装置40は、推定した回転角に基づいてトルク制御を行う。
制御装置40は、第1インバータ20Aに対応した第1処理部41を備えている。第1処理部41において、第1電流変換部41aは、後述する角度推定部50により推定されたモータ10の電気角である推定角θγと、第1相電流検出部31Aにより検出されたV相電流IV1,W相電流IW1とに基づいて、UVW座標系における第1巻線群10AのU,V,W相電流を、γδ座標系における第1γ軸電流Iγ1r及び第1δ軸電流Iδ1rに変換する。ここで、UVW座標系はモータ10の3相固定座標系であり、γδ座標系は、モータ10の2相回転座標系であるdq座標系の推定座標系である。図3に、γδ座標系、dq軸座標系、及び2相固定座標系であるαβ座標系を示す。図3には、αβ座標系のα軸とγδ座標系のγ軸とのなす角度を推定角θγとして示し、α軸とdq座標系のd軸とのなす角度を実際の電気角θeとして示し、d軸とγ軸とのなす角度を推定誤差Δθとして示す。dq座標系は、αβ座標系に対して、モータ10の電気角速度で回転する座標系である。
先の図2の説明に戻り、第1指令電流設定部41bは、指令トルクTrq*に基づいて、第1γ軸指令電流Iγ1*と、第1δ軸指令電流Iδ1*とを設定する。第1γ軸偏差算出部41cは、第1γ軸指令電流Iγ1*から第1γ軸電流Iγ1rを減算した値として、第1γ軸偏差ΔIγ1を算出する。第1δ軸偏差算出部41dは、第1δ軸指令電流Iδ1*から第1δ軸電流Iδ1rを減算した値として、第1δ軸偏差ΔIδ1を算出する。
第1指令電圧設定部41eは、第1γ軸偏差ΔIγ1に基づいて、第1γ軸電流Iγ1rを第1γ軸指令電流Iγ1*にフィードバック制御するための操作量として、第1γ軸電圧Vγ1rを算出する。また、第1指令電圧設定部41eは、第1δ軸偏差ΔIδ1に基づいて、第1δ軸電流Iδ1rを第1δ軸指令電流Iδ1*にフィードバック制御するための操作量として、第1δ軸電圧Vδ1rを算出する。なお、上記フィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いることができる。
第1γ軸重畳部41fは、第1γ軸電圧Vγ1rと、後述する高周波電圧設定部60により設定された第1γ軸高周波電圧Vγ1hとの加算値を、第1γ軸指令電圧Vγ1*として出力する。第1δ軸重畳部41gは、第1δ軸電圧Vδ1rと、高周波電圧設定部60により設定された第1δ軸高周波電圧Vδ1hとの加算値を、第1δ軸指令電圧Vδ1*として出力する。第1γ軸高周波電圧Vγ1h,第1δ軸高周波電圧Vδ1hは、第1γ軸指令電圧Vγ1*,第1δ軸指令電圧Vδ1*の基本波成分の電気角速度よりも十分高い角速度で変動する信号である。
第1電圧変換部41hは、第1γ軸指令電圧Vγ1*、第1δ軸指令電圧Vδ1*、電圧検出部30により検出された電源電圧VDC、及び推定角θγに基づいて、γδ座標系における第1γ,δ軸指令電圧Vγ1*,Vδ1*を、UVW座標系における第1U,V,W相指令電圧VU1,VV1,VW1に変換する。本実施形態において、第1U,V,W相指令電圧VU1,VV1,VW1は、電気角で位相が互いに120°ずつずれた波形となる。
第1生成部41iは、第1電圧変換部41hから出力された第1U,V,W相指令電圧VU1,VV1,VW1に基づいて、第1操作信号gUp1〜gWn1を生成する。第1生成部41iは、生成した第1操作信号gUp1〜gWn1を各スイッチSUp1〜SWn1に対して出力する。ここで第1操作信号は、例えば、三角波信号等のキャリア信号と各相指令電圧VU1,VV1,VW1との大小比較に基づくPWM制御により生成されればよい。上アーム側の第1操作信号と、対応する下アーム側の第1操作信号とは、互いに相補的な信号となっている。このため、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオンされる。
制御装置40は、第2インバータ20Bに対応した第2処理部42を備えている。なお、第2処理部42は、第1処理部41と同様の構成のため、その詳細な説明を適宜省略する。
第2処理部42において、第2電流変換部42aは、推定角θγと、第2相電流検出部31Bにより検出されたV相電流IV2,W相電流IW2とに基づいて、第2巻線群10Bに対応するU,V,W相電流を、γδ座標系における第2γ軸電流Iγ2rと、第2δ軸電流Iδ2rとに変換する。
第2指令電流設定部42bは、指令トルクTrq*に基づいて、第2γ軸指令電流Iγ2*と、第2δ軸指令電流Iδ2*とを設定する。各指令電流Iγ2*,Iδ2*,Iγ1*,Iδ1*は、モータ10のトルクを指令トルクTrq*とするために必要な値に設定されている。なお、第2γ軸指令電流Iγ2*は、第1γ軸指令電流Iγ1*と同じ値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。また、第2δ軸指令電流Iδ2*は、第1δ軸指令電流Iδ1*と同じ値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。
第2γ軸偏差算出部42cは、第2γ軸指令電流Iγ2*から第2γ軸電流Iγ2rを減算した値として、第2γ軸偏差ΔIγ2を算出する。第2δ軸偏差算出部42dは、第2δ軸指令電流Iδ2*から第2δ軸電流Iδ2rを減算した値として、第2δ軸偏差ΔIδ2を算出する。
第2指令電圧設定部42eは、第2γ軸偏差ΔIγ2に基づいて、第2γ軸電圧Vγ2rを算出する。また、第2指令電圧設定部42eは、第2δ軸偏差ΔIδ2に基づいて、第2δ軸電圧Vδ2rを算出する。なお、第2指令電圧設定部42eで用いられるフィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いることができる。
第2γ軸重畳部42fは、第2γ軸電圧Vγ2rと、高周波電圧設定部60により設定された第2γ軸高周波電圧Vγ2hとの加算値を、第2γ軸指令電圧Vγ2*として出力する。第2δ軸重畳部42gは、第2δ軸電圧Vδ2rと、高周波電圧設定部60により設定された第2δ軸高周波電圧Vδ2hとの加算値を、第2δ軸指令電圧Vδ2*として出力する。第2γ軸高周波電圧Vγ2h,第2δ軸高周波電圧Vδ2hは、第2γ軸指令電圧Vγ2*,第2δ軸指令電圧Vδ2*の基本波成分の電気角速度よりも十分高い角速度で変動する信号である。
第2電圧変換部42hは、第2γ軸指令電圧Vγ2*、第2δ軸指令電圧Vδ2*、電源電圧VDC、及び推定角θγに基づいて、γδ座標系における第2γ,δ軸指令電圧Vγ2*,Vδ2*を、UVW座標系における第2U,V,W相指令電圧VU2,VV2,VW2に変換する。
第2生成部42iは、第2電圧変換部42hから出力された第2U,V,W相指令電圧VU2,VV2,VW2に基づいて、第2操作信号gUp2〜gWn2を生成する。第2生成部42iは、生成した第2操作信号gUp2〜gWn2を各スイッチSUp2〜SWn2に対して出力する。
続いて、高周波電圧設定部60について説明する。
高周波電圧設定部60は、モータ10のトルク制御中において、推定角θγの算出に必要な各高周波電圧Vγ1h,Vδ1h,Vγ2h,Vδ2hを生成するために設けられている。ここで高周波電圧の重畳を用いた角度推定の適用対象となるモータは、通常、突極機である。ただし本実施形態のモータ10は非突極機である。この場合であっても、例えばエンジン14を始動させるためにモータ10に大電流が流れ、モータ10において磁気飽和が生じる。磁気飽和が生じていると、モータ10のd軸インダクタンスとq軸インダクタンスとが異なる状態となる。このため、モータ10が非突極機である場合であっても、高周波操作部及び方向設定部を含む制御装置40において、高周波電圧の重畳を用いた角度推定が可能となる。
高周波電圧設定部60において、信号生成部60aは、推定角θγ、第1γ軸指令電流Iγ1*、第1δ軸指令電流Iδ1*、第2γ軸指令電流Iγ2*、及び第2δ軸指令電流Iδ2*に基づいて、第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hを生成する。以下、図5を用いて、本実施形態に係る第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hの生成手法について説明する。
図5に、γδ座標系における等トルク曲線Lcを示す。等トルク曲線Lcは、指令トルクTrq*を実現するためのγ,δ軸電流にて規定される曲線である。また図5に、等トルク曲線Lcとモータ10に流れる駆動電流ベクトルVIrとの交点P1を通る等トルク曲線Lcの接線Ltaを示す。駆動電流ベクトルVIrは、第1γ軸指令電流Iγ1*及び第1δ軸指令電流Iδ1*により規定される駆動電流ベクトルと、第2γ軸指令電流Iγ2*及び第2δ軸指令電流Iδ2*により規定される駆動電流ベクトルとの合成ベクトルである。本実施形態では、接線Ltaに平行な方向が、トルクリプル低減方向と定義されている。そして、原点Oからトルクリプル低減方向に延びる電圧ベクトルとして、第1巻線群10Aに印加される第1高周波電圧ベクトルVVh1が設定される。第1高周波電圧ベクトルVVh1のγ軸方向成分に基づいて、第1γ軸高周波電圧Vγ1hが生成され、第1高周波電圧ベクトルVVh1のδ軸方向成分に基づいて、第1δ軸高周波電圧Vδ1hが生成される。本実施形態において、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hは、互いに周期の等しい矩形波状のパルス信号とされている。第1高周波電圧ベクトルVVh1の大きさが大きいほど、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hの振幅が大きく設定される。図6(a)には、第1γ軸高周波電圧Vγ1hの振幅をVaにて示した。
先の図4の説明に戻り、高周波電圧設定部60は、リプル低減記憶部60bを備えている。リプル低減記憶部60bは、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIと関係付けられたトルクリプル低減方向をマップ情報として記憶している。リプル低減記憶部60bは、メモリにて構成されている。本実施形態において、駆動電流ベクトルVIrの位相θIは、図5に示すように、γ軸を基準として反時計回り方向に規定されている。なお、上記マップ情報は、実験や計算等により予め適合されて作成されたものである。
信号生成部60aは、第1γ軸指令電流Iγ1*、第1δ軸指令電流Iδ1*、第2γ軸指令電流Iγ2*、及び第2δ軸指令電流Iδ2*に基づいて、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIを算出する。信号生成部60aは、リプル低減記憶部60bが記憶している複数のトルクリプル低減方向の中から、算出した駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIに対応する方向を指令方向θXとして選択する。信号生成部60aは、図5に示すように、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向を指令方向θXとするために要求される第1γ軸高周波電圧Vγ1hの振幅と第1δ軸高周波電圧Vδ1hの振幅との比率を設定する。信号生成部60aは、入力された推定角θγに従って、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hを出力する。なお、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hの立ち上がりタイミングは、同期していてもよいし、同期していなくてもよい。
信号生成部60aから出力された第1γ軸高周波電圧Vγ1hは、第1符号反転部60cに入力される。第1符号反転部60cは、図6に示すように、入力された第1γ軸高周波電圧Vγ1hの符号を反転させることにより第2γ軸高周波電圧Vγ2hを生成する。信号生成部60aから出力された第1δ軸高周波電圧Vδ1hは、第2符号反転部60dに入力される。第2符号反転部60dは、入力された第1δ軸高周波電圧Vδ1hの符号を反転させることにより第2δ軸高周波電圧Vδ2hを生成する。第2γ軸高周波電圧Vγ2h及び第2δ軸高周波電圧Vδ2hにより、図5に示すように、第1高周波電圧ベクトルVVh1とのなす角度が180°とされた原点Oから延びる電圧ベクトルとして、第2巻線群10Bに印加される第2高周波電圧ベクトルVVh2が実現される。本実施形態において、第2高周波電圧ベクトルVVh2の大きさは、第1高周波電圧ベクトルVVh1の大きさと等しい。第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2が、駆動電圧ベクトルVVrに重畳される。なお、駆動電圧ベクトルVVrは、第1γ軸電圧Vγ1r及び第1δ軸電圧Vδ1rにより規定される駆動電圧ベクトルと、第2γ軸電圧Vγ2r及び第2δ軸電圧Vδ2rにより規定される駆動電圧ベクトルとの合成ベクトルである。
角度推定用に上述した第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2を第1,第2巻線群10A,10Bに印加する場合であっても、高周波電圧の印加に伴い発生する騒音を低減できる。つまり、高周波電圧の印加に伴って、図5に示すγδ座標系における駆動電流ベクトルVIrが一時的に変化する。この場合において、駆動電流ベクトルVIrの先端と等トルク曲線Lcとのずれが大きいと、モータ10のトルク変動が大きくなり、ひいてはモータ10の騒音が増加する。ここで、等トルク曲線Lcの接線Ltaの方向と平行な方向であるトルクリプル低減方向が指令方向θXに設定されると、高周波電圧を印加したとしても、駆動電流ベクトルVIrの先端が等トルク曲線Lcの接線Ltaに沿うように動く。このため、駆動電流ベクトルVIrの先端と等トルク曲線Lcとのずれを抑制できる。これにより、高周波電圧の印加に伴い発生するモータ10のトルク変動を低減でき、ひいてはトルク変動に起因したモータ10の騒音を低減できる。
なお図5には、第1高周波電圧ベクトルVVh1の印加に伴い第1巻線群10Aに流れる第1高周波電流ベクトルVIh1と、第2高周波電圧ベクトルVVh2の印加に伴い第2巻線群10Bに流れる第2高周波電流ベクトルVIh2とを示した。図5には、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2と各高周波電流ベクトルとVIh1,VIh2の位相のずれが略0となる例を示した。
ちなみに、最小電流最大トルク制御(Maximum torque per ampere control)により、モータ10のトルクを指令トルクTrq*に制御すべく、各インバータ20A,20Bを操作する基本操作部を制御装置40が備えてもよい。この場合、先の図2に示した第1指令電流設定部41b及び第2指令電流設定部42bにおいて、最小電流最大トルク制御により各指令電流Iγ1*,Iδ1*,Iγ2*,Iδ2*が設定される。この構成においては、図7に示すように、トルクリプル低減方向を、現在の駆動電流ベクトルVIrと直交する方向に設定できる。この場合、トルクリプル低減方向を簡易に定めることができる。
続いて図8を用いて、角度推定部50について説明する。
角度推定部50において、高周波抽出部50aは、第1相電流検出部31Aにより検出されたV相電流IV1,W相電流IW1から、第1γ軸高周波電圧Vγ1h,第1δ軸高周波電圧Vδ1hに対応する高周波電流成分である第1V相高周波電流IVh1,第1W相高周波電流IWh1を抽出する。高周波抽出部50aは、また、第2相電流検出部31Bにより検出されたV相電流IV2,W相電流IW2から、第2γ軸高周波電圧Vγ2h,第2δ軸高周波電圧Vδ2hに対応する高周波電流成分である第2V相高周波電流IVh2,第2W相高周波電流IWh2を抽出する。なお高周波抽出部50aは、例えば、バンドパスフィルタ又はハイパスフィルタにて構成されればよい。
2相変換部50bは、高周波抽出部50aにより抽出された第1V相高周波電流IVh1,第1W相高周波電流IWh1を、αβ座標系における第1α軸高周波電流Ihα1,第1β軸高周波電流Ihβ1に変換する。2相変換部50bは、また、高周波抽出部50aにより抽出された第2V相高周波電流IVh2,第2W相高周波電流IWh2を、αβ座標系における第2α軸高周波電流Ihα2,第2β軸高周波電流Ihβ2に変換する。
内積算出部50cは、第1α軸高周波電流Ihα1,第1β軸高周波電流Ihβ1を入力として、下式(eq1)に基づいて第1内積値K1を算出する。
Figure 2017201859
上式(eq1)において、Vhα1は、図9に示すように、第1高周波電圧ベクトルVVh1のα軸方向成分である第1α軸高周波電圧を示し、Vhβ1は、第1高周波電圧ベクトルVVh1のβ軸方向成分である第1β軸高周波電圧を示す。第1α軸高周波電圧Vhα1及び第1β軸高周波電圧Vhβ1は、第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hに基づいて設定される。
上式(eq1)で表される第1内積値K1は、第1高周波電圧ベクトルVVh1と第1高周波電流ベクトルVIh1との内積値を示す。つまり、第1高周波電圧ベクトルVVh1と第1高周波電流ベクトルVIh1との内積値は、下式(eq2)のように表され、下式(eq2)の右辺は上式(eq1)の右辺と一致する。
Figure 2017201859
内積算出部50cは、第2α軸高周波電流Ihα2,第2β軸高周波電流Ihβ2を入力として、下式(eq3)に基づいて第2内積値K2を算出する。
Figure 2017201859
上式(eq2)において、Vhα2は、第2高周波電圧ベクトルVVh2のα軸方向成分である第2α軸高周波電圧を示し、Vhβ2は、第2高周波電圧ベクトルVVh2のβ軸方向成分である第2β軸高周波電圧を示す。第2α軸高周波電圧Vhα2及び第2β軸高周波電圧Vhβ2は、第2γ軸高周波電圧Vγ2h及び第2δ軸高周波電圧Vδ2hに基づいて設定される。
内積値の算出にα,β軸方向の電流を用いるのは、制御装置40の演算負荷を低減するとともに、推定角θγの算出精度を高めるためである。つまり、UVW座標系からαβ座標系への変換には、電気角情報が不要であるため、制御装置40の演算負荷を低減できる。また、電気角情報としての推定角θγを座標変換に用いないため、推定角θγに含まれる推定誤差Δθが推定角θγの算出精度に及ぼす影響を除くことができる。
内積算出部50cは、第1内積値K1及び第2内積値K2を加算することにより、合計内積値Krを算出する。内積偏差算出部50dは、内積算出部50cにより算出された合計内積値Krを目標内積値Ktgtから減算することにより、内積偏差ΔKを算出する。本実施形態において、内積偏差ΔKが実偏差に相当する。
目標内積値Ktgtは、後述する速度推定部50fにより推定された電気角速度である推定角速度ωγ、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1h,Vγ2h,Vδ2h、及び各電流Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2rに基づいて、目標値設定部50eにより設定される。目標内積値Ktgtは、第1内積値K1が取り得る想定値である第1基準値K1tgtと、第2内積値K2が取り得る想定値である第2基準値K2tgtとの加算値として定められており、実験や計算等により予め適合されたマップ情報として制御装置40に記憶されている。各基準値K1tgt,K2tgtは、電気角速度、トルクリプル低減方向及び駆動電流ベクトルVIrの大きさIampに依存するため、目標内積値Ktgtもこれらパラメータに依存する。したがって、目標内積値Ktgtの設定に用いられる入力パラメータには、トルクリプル低減方向を把握するための各高周波電圧Vγ1h,Vδ1h,Vγ2h,Vδ2hと、駆動電流ベクトルVIrの大きさIampを把握するための各電流Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2rとが含まれる。なお図10に、第1基準値K1tgtが駆動電流ベクトルVIrの大きさIampに依存することを示した。
速度推定部50fは、内積偏差ΔKを0にフィードバック制御するための操作量として、推定角速度ωγを算出する。ここで速度推定部50fにおけるフィードバック制御として、本実施形態では比例積分制御を用いている。
積分器50gは、速度推定部50fにより算出された推定角速度ωγの時間積分値として、推定角θγを算出する。
なお本実施形態では、上式(eq1),(eq3)に示す内積値を算出したが、これに代えて、各高周波電流ベクトルVIh1,VIh2のX軸方向成分を算出することもできる。ここでX軸方向とは、図9に示すように、各高周波電流ベクトルVIh1,VIh2が原点Oから延びる方向のことである。図9には、X軸と直交するY軸も示した。図9において、Ihx,Ihyは第1高周波電流ベクトルVIh1のX,Y軸方向成分である第1X軸高周波電流,第1Y軸高周波電流を示す。
内積算出部50cに代わる電流算出部は、第1α軸高周波電流Ihα1、第1β軸高周波電流Ihβ1及び指令方向θXに基づいて、第1X軸高周波電流Ihx1を算出する。また、第2α軸高周波電流Ihα2、第2β軸高周波電流Ihβ2及び指令方向θXに基づいて、第2高周波電流ベクトルVIh2のX軸方向成分である第2X軸高周波電流Ihx2を算出する。電流算出部は、第1X軸高周波電流Ihx1及び第2X軸高周波電流Ihx2を加算することにより、合計電流値を算出する。
内積偏差算出部50dに代わる電流偏差算出部は、合計電流値を目標電流値から減算することにより、電流偏差を算出する。目標電流値は、第1X軸高周波電流Ihx1が取り得る想定値である第1電流基準値と、第2X軸高周波電流Ihx2が取り得る想定値である第2電流基準値との加算値として定められている。図11に、第1高周波電圧ベクトルVVh1のX軸方向成分である第1X軸高周波電圧Vhx1が印加された場合に流れる第1X軸高周波電流Ihx1の推移を示す。第1電流基準値は、図11(b)の破線で示す波形の振幅に相当する。速度推定部50fは、電流偏差を0にフィードバック制御するための操作量として、推定角速度ωγを算出する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
第1高周波電圧ベクトルVVh1と第2高周波電圧ベクトルVVh2とが相殺するように、各巻線群10A,10Bに各高周波電圧Vγ1h,Vδ1h,Vγ2h,Vδ2hを印加した。このため、モータ10の角度推定用に高周波電圧を重畳することに伴い発生する騒音を低減できる。
第1高周波電圧ベクトルVVh1及び第2高周波電圧ベクトルVVh2の方向を、等トルク曲線Lcと駆動電流ベクトルVIrとの交点P1を通る等トルク曲線Lcの接線方向に平行な方向に設定した。このため、高周波電圧の印加に伴うモータ10のトルク変動を低減でき、ひいてはモータ10の騒音をより低減できる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1,第2巻線群10A,10Bに重畳する第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向の設定手法を変更する。
図12に、γδ座標系における定電圧円Caを示す。定電圧円Caは、所定の電圧値を実現するためのγ,δ軸電流にて規定される円である。上記所定の電圧値は、現在の駆動電圧ベクトルVVrの大きさである。また図12に、定電圧円Caと駆動電圧ベクトルVVrとの交点P2を通る定電圧円Caの接線Ltbを示す。
本実施形態では、接線Ltbに平行な方向が、電圧低減方向と定義されている。そして、原点Oから電圧低減方向に延びる電圧ベクトルとして、第1高周波電圧ベクトルVVh1が設定される。この設定手法によれば、高周波電圧の印加に伴うインバータ20A,20Bの出力電圧の変動を低減できる。つまり、γδ座標系の原点Oから延びる電圧ベクトルの先端が、高周波電圧の印加に伴って定電圧円Caからずれる度合いが大きいと、各インバータ20A,20Bの出力電圧の変動が大きくなり、出力電圧がその許容上限値を超えるおそれがある。ここで、高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向が電圧変動低減方向に設定されることにより、高周波電圧を印加したとしても、電圧ベクトルの先端が定電圧円Caの接線Ltbに沿うように動く。このため、駆動電圧ベクトルVVrの先端と定電圧円Caとのずれを抑制できる。これにより、高周波電圧の印加に伴うインバータ20A,20Bの出力電圧の変動を低減でき、ひいてはモータ制御システムの信頼性の低下を回避できる。なお、上述した設定手法は、例えば、モータ10が最大トルクを発生する場合において、インバータ20A,20Bの出力電圧がその許容上限値に対してあまり余裕がない場合に有効な手法である。
図13に、本実施形態に係る高周波電圧設定部60の処理のブロック図を示す。なお図13において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
高周波電圧設定部60において、電圧低減記憶部60fは、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp,位相θI及び推定角速度ωγと関係付けられた電圧変動低減方向をマップ情報として記憶している。信号生成部60eは、電圧低減記憶部60fが記憶している複数の電圧低減方向の中から、算出した駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIと推定角速度ωγとに対応する方向を指令方向θXとして選択する。なお、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIが用いられるのは、これら情報から駆動電圧ベクトルVVrの情報を把握できるためである。もっとも、駆動電圧ベクトルVVrの情報を把握する上では、第1γ軸電圧Vγ1r、第1δ軸電圧Vδ1r、第2γ軸電圧Vγ2r及び第2δ軸電圧Vδ2rを用いてもよい。
信号生成部60eは、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向を指令方向θXとするために要求される各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hの振幅を設定し、入力される推定角θγに従って、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hを出力する。
本実施形態において、信号生成部60eは、推定角速度ωγが低速判定値ωthL以下であると判定している場合、指令方向θXを駆動電圧ベクトルVVrと直交する方向に設定する。これは、電気角速度が0又は電気角速度が低速である場合には、抵抗成分による電圧降下が支配的となり、定電圧円Caが原点Oを中心とした真円に近くなるためである。一方、電気角速度が高速になると、定電圧円Caは楕円となる。
ちなみに、信号生成部60eは、推定角速度ωγが低速判定値ωthL以下であると判定している場合、駆動電流ベクトルVIrと直交する方向を電圧変動低減方向に設定してもよい。この設定は、駆動電圧ベクトルVVrと駆動電流ベクトルVIrとの位相差が小さくなることに基づくものである。
以上説明したように、本実施形態では、指令方向θXを電圧変動低減方向に設定した。このため、インバータ20A,20Bの出力電圧がその許容上限値に対して余裕がない場合であっても、角度推定用の高周波電圧を印加できる。したがって、推定角θγの算出の機会が制約されることを抑制でき、モータ10の駆動可能な回転速度範囲を拡大できる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向の設定手法を変更する。以下、この設定手法について説明する。
本実施形態では、先の図11(b)に示すように、第1巻線群10Aに印加された第1高周波電圧ベクトルVVh1に応じて第1巻線群10Aに流れる第1X軸高周波電流Ihx1と上記第1電流基準値とのずれ量が第1電流変化量Δamp1として定義されている。
図14に、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向を0,30,60,90,120,150°とした場合における推定誤差Δθ及び第1電流変化量Δamp1の関係を示す。図14に示すように、推定誤差Δθが0の場合、第1X軸高周波電流Ihx1と第1電流基準値とが一致するため、第1電流変化量Δamp1が0となる。本実施形態では、推定誤差Δθが0以外の値となっている状態において、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向を互いに異なる複数の方向のそれぞれとした場合、複数の方向のそれぞれに対応する第1電流変化量Δamp1のうち、その値が最小となる第1電流変化量以外の第1電流変化量に対応する方向が感度増加方向として定義されている。そして、この感度増加方向が指令方向θXに設定される。感度増加方向は、モータ10の駆動状態に応じて変化する。
特に本実施形態では、推定誤差Δθが0°の場合において推定誤差Δθが0と場合における第1電流変化量Δamp1の傾きが最も大きい方向が感度増加方向として設定される。図14に示す例では、150°が感度増加方向として設定される。
上述した設定手法によれば、外乱となる高周波電圧に対する第1電流変化量Δamp1が大きくなり、推定誤差Δθが0以外の値となっている場合において合計内積値Krと目標値Ktgtとのずれを把握しやすくなる。その結果、合計内積値Krを目標値Ktgtにフィードバック制御する場合の応答性を高めることができ、ひいては推定角θγの算出精度を高めることができる。なお図15には、指令方向θXが150°に設定される場合の第1高周波電圧ベクトルVVh1と、第1高周波電圧ベクトルVVh1とのなす角度が180°の第2高周波電圧ベクトルVVh2とを示した。また、図15に示すCIは、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向を様々な方向に設定した場合における各高周波電流ベクトルVIh1,VIh2の軌跡を示す楕円である。
ちなみに、感度増加方向の設定手法としては、例えば以下に説明する手法を採用することもできる。詳しくは、例えば0〜+90°の推定誤差Δθの範囲のうち、特定の誤差が第1誤差として定義されている。また、例えば0〜−90°の推定誤差Δθの範囲のうち、第1誤差と絶対値が同じ推定誤差が第2誤差として定義されている。
図14に示す複数の方向のそれぞれに対応する推定誤差Δθ及び第1電流変化量Δamp1の関係を示す特性曲線のうち、第1誤差において第1電流変化量Δamp1の絶対値が最大となる曲線が第1特性曲線として選択される。第1誤差が例えば+60°に設定される場合、150°の特性曲線が第1特性曲線として選択される。また、各特性曲線のうち、第2誤差において第1電流変化量Δamp1の絶対値が最大となる曲線が第2特性曲線として選択される。第2誤差が例えば−60°に設定される場合、0°の特性曲線が第2特性曲線として選択される。
そして、第1特性曲線において第1誤差及び第2誤差のそれぞれにおける第1電流変化量Δamp1の絶対値のうち小さい方を第1判定値とし、第2特性曲線において第1誤差及び第2誤差のそれぞれにおける第1電流変化量Δamp1の絶対値のうち小さい方を第2判定値とする。そして、第1判定値及び第2判定値のうち大きい方に対応する特性曲線の方向が感度増加方向として設定される。図14において、第1,第2誤差が例えば+60°,−60°に設定される場合、150°が感度増加方向として設定される。
図16に、本実施形態に係る高周波電圧設定部60の処理のブロック図を示す。なお図16において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
高周波電圧設定部60において、感度記憶部60hは、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp,位相θI及び推定角速度ωγと関係付けられた感度増加方向をマップ情報として記憶している。信号生成部60gは、感度記憶部60hが記憶している複数の感度増加方向の中から、算出した駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIと推定角速度ωγとに対応する方向を指令方向θXとして選択する。信号生成部60gは、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向を指令方向θXとするために要求される各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hの振幅を設定し、入力される推定角θγに従って、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hを出力する。
以上説明した本実施形態によれば、推定角θγの算出精度を高めることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、上記第3実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、モータ10の駆動状態に応じて変化する感度増加方向を、予め適合されたマップ情報を用いることなく算出する。
図17に、本実施形態に係る高周波電圧設定処理の手順を示す。この処理、高周波電圧設定部60により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお本実施形態において、この処理が方向操作部及び実偏差算出部を含む。
この一連の処理では、まずステップS10において、モータ10の駆動状態が前回の定常状態から新たな定常状態へと変化したか否かを判定する。
ステップS10において肯定判定した場合には、ステップS12〜S16において、第1高周波電圧ベクトルVVh1の方向θcを互いに異なる複数の方向のそれぞれに設定して第1巻線群10Aに各高周波電圧Vγ1h,Vδ1hを印加し、複数の方向のそれぞれについて第1電流変化量Δamp1を算出する。
複数の方向の全てについて第1電流変化量Δamp1の算出が完了した場合には、ステップS18に進む。ステップS18では、第1電流変化量Δamp1に基づいて、感度増加方向としての指令方向θXを設定する。ここで感度増加方向の設定手法としては、上記第3実施形態で説明した手法を用いることができる。例えば、複数の方向のそれぞれに対応する第1電流変化量Δamp1のうち、その絶対値が最も大きい第1電流変化量に対応する方向を感度増加方向として選択することができる。なお、モータ10の駆動状態と関係付けて感度増加方向を学習してもよい。
続くステップS20では、指令方向θXに基づいて、各高周波電圧Vγ1h,Vδ1h,Vγ2h,Vδ2hを生成して出力する。
以上説明した本実施形態によれば、マップ情報を作成することなく感度増加方向を設定できる。このため、制御装置40の設計時における工数を低減できる。また本実施形態によれば、磁気飽和状態が都度変化する場合であっても、その状態に応じた適正な高周波電圧ベクトルを設定できる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、上記第1〜第3実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、モータ10の駆動状態に応じて、トルクリプル低減方向、電圧変動低減方向及び感度増加方向の中から選択した方向を指令方向θXに設定する。
図18に、本実施形態に係る高周波電圧設定部60の処理のブロック図を示す。なお図18において、先の図4,図13,図16に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、上記第1実施形態の信号生成部が第1信号生成部60aとされ、上記第2実施形態の信号生成部が第2信号生成部60eとされ、上記第3実施形態の信号生成部が第3信号生成部60gとされている。選択部60iは、推定角速度ωγと、各指令電圧Vγ1*,Vδ1*,Vγ2*,Vδ2*とに基づいて、第1信号生成部60a、第2信号生成部60e及び第3信号生成部60gのうち、どの信号生成部により第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hを生成するかを選択する。
図19に、選択部60iにより実行される処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、各指令電圧Vγ1*,Vδ1*,Vγ2*,Vδ2*に基づいて、駆動電圧ベクトルVVr、第1高周波電圧ベクトルVVh1及び第2高周波電圧ベクトルVVh2の合成ベクトルの大きさVampを算出する。本実施形態では、各指令電圧Vγ1*,Vδ1*,Vγ2*,Vδ2*に基づいて算出された駆動電圧ベクトルVVrの大きさに規定値(>0)を加算することにより、合成ベクトルの大きさVampを算出する。ここで規定値は、例えば、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の方向をトルクリプル低減方向、電圧変動低減方向及び感度増加方向のいずれかとした場合に想定される駆動電圧ベクトルVVrの大きさの最大増加分に設定されている。規定値は、実験や計算等により予め定められた値である。
続くステップS32では、算出した合成ベクトルの大きさVampが制限電圧Vmaxより大きいか否かを判定する。ステップS32において肯定判定した場合には、ステップS34に進み、第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hを生成する信号生成部として、第2信号生成部60eを選択する。
一方、ステップS32において否定判定した場合には、ステップS36に進み、モータ10の実トルクTrq又は指令トルクTrq*が高トルク判定値TrqthH以上であるとの条件、及びモータ10に流れる駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp又は駆動電流ベクトルVIrの指令値である指令電流ベクトルの大きさIamp*が大電流判定値IampthH以上であるとの条件の論理和が真であるか否かを判定する。ここで実トルクは、例えば、各相電流検出部31A,31Bの検出値に基づいて算出されればよい。ステップS36において肯定判定した場合には、ステップS38に進み、第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hを生成する信号生成部として、第1信号生成部60aを選択する。
一方、ステップS36において否定判定した場合には、ステップS40に進み、第1γ軸高周波電圧Vγ1h及び第1δ軸高周波電圧Vδ1hを生成する信号生成部として、第3信号生成部60gを選択する。
以上説明した本実施形態によれば、モータ10の駆動状態に応じて、角度推定用の高周波電圧ベクトルの方向を適正に設定することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1実施形態の図4の信号生成部60aにおいて、第1γ軸電流Iγ1r、第1δ軸電流Iδ1r、第2γ軸電流Iγ2r、及び第2δ軸電流Iδ2rに基づいて、駆動電流ベクトルVIrの大きさIamp及び位相θIを算出してもよい。
・モータとしては、2つ巻線群を有するものに限らず、3つ以上の巻線群を有するものであってもよい。この場合、各巻線群に対応してインバータを個別に設ければよい。図20に、3つのインバータに対応する3つの高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2,VVh3の設定手法を示す。図20では、第1高周波電圧ベクトルVVh1及び第3高周波電圧ベクトルVVh3により、第2高周波電圧ベクトルVVh2を相殺している。
また、図21に、4つのインバータに対応する4つの高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2,VVh3,VVh4の設定手法を示す。図21では、第1,第3高周波電圧ベクトルVVh1,VVh3の合成ベクトルにより、第2,第4高周波電圧ベクトルVVh2,VVh4を相殺している。なお図21では、第1高周波電圧ベクトルVVh1の大きさと第2高周波電圧ベクトルVVh2の大きさとが等しく、第3高周波電圧ベクトルVVh3の大きさと第4高周波電圧ベクトルVVh4の大きさとが等しく設定されている。
・上記各実施形態では、第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の合成ベクトルの大きさを0にするように高周波電圧を印加したがこれに限らない。例えば、図22に示すように、第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2のそれぞれの大きさよりも、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の合成ベクトルVtの大きさを小さくするように高周波電圧を印加してもよい。この場合であっても、騒音の低減効果を得ることはできる。
・上記各実施形態では、第1高周波電圧ベクトルVVh1と第2高周波電圧ベクトルVVh2とのなす角度を180°としたがこれに限らない。第1,第2高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2それぞれの大きさよりも、各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2の合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件を満たすなら、第1高周波電圧ベクトルVVh1と第2高周波電圧ベクトルVVh2とのなす角度が180°以外の角度とされてもよい。
・上記各実施形態では、第1巻線群10Aと第2巻線群10Bとのなす角度が0とされていたがこれに限らず、0以外の所定角度とされていてもよい。この場合、第1巻線群10Aに対応するγδ座標系のγ軸と、第2巻線群10Bに対応するγδ座標系のγ軸とのなす角度が上記所定角度とされる。このため、例えば上記第1実施形態において、第1巻線群10Aに対応するγδ座標系、及び第2巻線群10Bに対応するγδ座標系の中から選択されたいずれか1つの座標系において、第1高周波電圧ベクトルVVh1の向きと第2高周波電圧ベクトルVVh2の向きとが接線Ltaの延びる方向と一致するように各高周波電圧ベクトルVVh1,VVh2が設定されればよい。
・上記第1実施形態の図8の内積算出部50cにおいて、第1高周波電圧ベクトルVVh1と第1高周波電流ベクトルVIh1との内積値を下式(eq4)に基づいて算出してもよい。
Figure 2017201859
上式(eq4)において、Ihx,Ihyは第1高周波電流ベクトルVIh1のX,Y軸方向成分である第1X軸高周波電流,第1Y軸高周波電流を示し、Vhx,Vhyは第1高周波電圧ベクトルVVh1のX,Y軸方向成分である第1X軸高周波電圧,第1Y軸高周波電圧を示す。なお、第2高周波電圧ベクトルVVh2についても同様である。
・高周波電圧としては、矩形波状のパルス信号に限らず、例えば正弦波状の高周波信号であってもよい。
・モータとしては、非突極機に限らず、突極機であってもよい。
10…モータ、10A,10B…第1,第2巻線群、20A,20B…第1,第2インバータ、40…制御装置。

Claims (15)

  1. ステータ(13)に巻回された複数の巻線群(10A,10B)を有する多重巻線回転電機(10)と、前記複数の巻線群に電圧を印加する電力変換回路(20A,20B)と、を備えるシステムに適用され、
    前記回転電機の電気角速度よりも高い角速度で変動する高周波電圧を前記複数の巻線群のそれぞれに印加すべく、前記電力変換回路を操作する高周波操作部(40)と、
    前記複数の巻線群に印加された高周波電圧に応じて前記複数の巻線群に流れる高周波電流に基づいて、前記回転電機の回転角を推定する角度推定部(50)と、を備え、
    前記高周波操作部は、前記複数の巻線群に印加する高周波電圧ベクトルの方向を前記回転電機の駆動状態に基づいて可変設定する方向設定部を含み、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記方向設定部により設定した方向にするとの条件、及び前記複数の巻線群に印加される高周波電圧ベクトルそれぞれの大きさよりも、前記各高周波電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件を満たすように、前記複数の巻線群に高周波電圧を印加する回転電機の制御装置。
  2. 前記回転電機の推定された2相回転座標系であるγδ座標系において、前記回転電機の指令トルクを実現するための電流にて規定される曲線が、等トルク曲線と定義されており、
    前記γδ座標系において、前記等トルク曲線と前記回転電機に流れる電流ベクトルとの交点を通る前記等トルク曲線の接線方向に平行な方向が、トルクリプル低減方向と定義されており、
    前記方向設定部は、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記トルクリプル低減方向に設定する請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記電流ベクトルに係る情報と関係付けられた前記トルクリプル低減方向を複数記憶しているリプル低減記憶部(60b)を備え、
    前記方向設定部は、前記リプル低減記憶部が記憶している複数の前記トルクリプル低減方向の中から現在の前記電流ベクトルに対応する方向を選択し、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記選択した方向に設定する請求項2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 最小電流最大トルク制御により前記回転電機のトルクを前記指令トルクに制御すべく、前記電力変換回路を操作する基本操作部(40)を備え、
    前記方向設定部は、前記トルクリプル低減方向を、現在の前記電流ベクトルと直交する方向に設定する請求項2に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記回転電機の推定された2相回転座標系であるγδ座標系において、所定の電圧値を実現するための電流にて規定される円が、定電圧円と定義されており、
    前記γδ座標系において、前記回転電機のトルクを指令トルクに制御するために要求される前記回転電機の駆動電圧ベクトルと前記定電圧円との交点を通る前記定電圧円の接線方向に平行な方向が、電圧変動低減方向と定義されており、
    前記方向設定部は、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記電圧変動低減方向に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記駆動電圧ベクトルに係る情報と関係付けられて前記電圧変動低減方向を複数記憶している電圧低減記憶部(60f)を備え、
    前記方向設定部は、前記電圧低減記憶部が記憶している複数の前記電圧変動低減方向の中から現在の前記駆動電圧ベクトルに対応する方向を選択し、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記選択した方向に設定する請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記方向設定部は、前記回転電機の電気角速度が低速判定値以下であると判定した場合、前記電圧変動低減方向を、現在の前記駆動電圧ベクトルと直交する方向に設定する請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記回転電機の2相回転座標系であるdq座標系のd軸と、推定された前記dq座標系であるγδ座標系のγ軸とのなす角度が推定誤差として定義されており、
    前記巻線群に印加された高周波電圧に応じて前記巻線群に流れる高周波電流とその基準値とのずれ量が実偏差として定義されており、
    前記推定誤差が0以外の値になっている状態において、前記巻線群に印加する高周波電圧ベクトルの方向を互いに異なる複数の方向のそれぞれとした場合、前記複数の方向のそれぞれに対応する前記実偏差のうち、その値が最小となる実偏差以外の実偏差に対応する方向が感度増加方向として定義されており、
    前記方向設定部は、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記感度増加方向に設定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記回転電機に流れる電流ベクトルに係る情報と関係付けられた前記感度増加方向を複数記憶している感度記憶部(60h)を備え、
    前記方向設定部は、前記感度記憶部が記憶している複数の前記感度増加方向の中から現在の前記電流ベクトルに対応する方向を選択し、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記選択した方向に設定する請求項8に記載の回転電機の制御装置。
  10. 前記巻線群に印加する高周波電圧ベクトルの方向を互いに異なる複数の方向のそれぞれに設定して前記高周波電圧を印加すべく、前記電力変換回路を操作する方向操作部(40)と、
    前記複数の方向のそれぞれについて、前記方向操作部により前記巻線群に高周波電圧が印加された場合の前記実偏差を算出する実偏差算出部(40)と、を備え、
    前記方向設定部は、前記実偏差算出部により算出された前記複数の方向のそれぞれに対応する実偏差のうち、その値が最小となる実偏差以外の実偏差に対応する方向を前記感度増加方向に設定する請求項8に記載の回転電機の制御装置。
  11. 前記回転電機の2相回転座標系がdq座標系として定義され、推定された前記dq座標系がγδ座標系として定義されており、
    前記γδ座標系において、前記回転電機の指令トルクを実現するための電流にて規定される曲線が、等トルク曲線と定義されており、
    前記γδ座標系において、前記等トルク曲線と前記回転電機に流れる電流ベクトルとの交点を通る前記等トルク曲線の接線方向に平行な方向が、トルクリプル低減方向と定義されており、
    前記γδ座標系において、所定の電圧値を実現するための電流にて規定される円が、定電圧円と定義されており、
    前記γδ座標系において、前記回転電機のトルクを前記指令トルクに制御するために要求される前記回転電機の駆動電圧ベクトルと前記定電圧円との交点を通る前記定電圧円の接線方向に平行な方向が、電圧変動低減方向と定義されており、
    前記dq座標系のd軸と前記γδ座標系のγ軸とのなす角度が推定誤差として定義されており、
    前記巻線群に印加された高周波電圧に応じて前記巻線群に流れる高周波電流とその基準値とのずれ量が実偏差として定義されており、
    前記推定誤差が0以外の値になっている状態において、前記巻線群に印加する高周波電圧ベクトルの方向を互いに異なる複数の方向のそれぞれとした場合、前記複数の方向のそれぞれに対応する前記実偏差のうち、その値が最小となる実偏差以外の実偏差に対応する方向が感度増加方向として定義されており、
    前記駆動電圧ベクトルと前記各高周波電圧ベクトルとの合成ベクトルの大きさを算出する合成値算出部(40)を備え、
    前記方向設定部は、
    前記合成値算出部により算出した大きさが制限電圧より大きいと判定した場合、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記電圧変動低減方向に設定し、
    前記合成値算出部により算出した大きさが前記制限電圧以下であると判定して、かつ、前記回転電機の実トルク若しくは指令トルクが高トルク判定値以上である、又は、前記回転電機に流れる電流ベクトルの大きさ若しくは指令電流ベクトルの大きさが大電流判定値以上であると判定した場合、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記トルクリプル低減方向に設定し、
    前記合成値算出部により算出した大きさが前記制限電圧以下である判定して、かつ、前記回転電機の実トルク若しくは指令トルクが前記高トルク判定値より小さい、又は、前記回転電機に流れる電流ベクトルの大きさ若しくは指令電流ベクトルの大きさが前記大電流判定値より小さいと判定した場合、前記各高周波電圧ベクトルの方向を前記感度増加方向に設定する請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  12. 前記巻線群に印加された高周波電圧に応じて前記巻線群に流れる高周波電流とその基準値とのずれ量が実偏差として定義されており、
    前記角度推定部は、前記実偏差を算出し、算出した実偏差を前記基準値にフィードバック制御するための操作量として、前記回転電機の電気角速度を算出し、算出した電気角速度を積分することにより、前記回転角を推定する請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  13. 前記角度推定部は、前記回転電機の2相固定座標系であるαβ座標系における前記高周波電圧ベクトル及び前記回転電機に流れる電流ベクトルの内積値と前記基準値とのずれ量、又は前記高周波電圧ベクトルの方向における前記高周波電流の変化量と前記基準値とのずれ量を、前記実偏差として算出する請求項12に記載の回転電機の制御装置。
  14. 前記複数の巻線群に印加される高周波電圧ベクトルそれぞれの大きさよりも、前記各高周波電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさを小さくするとの条件は、前記各高周波電圧ベクトルの合成ベクトルの大きさを0にするとの条件である請求項1〜13のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  15. 前記複数の巻線群は、2つの巻線群であり、
    前記電力変換回路は、前記2つの巻線群それぞれに対応して個別に設けられている請求項1〜14のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
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