JP2017201970A - 畦塗り機 - Google Patents

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Abstract

【課題】畦を強固に整畦することができるとともに、整畦後の畦に引っ掻き痕などが残り難い整畦体を備えた畦塗り機を提供すること。【解決手段】畦塗り機は、畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備え、前記法面整畦部は、第1整畦板及び第2整畦板の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成され、前記第2整畦板は、前記第1整畦板よりも前記整畦体の回転方向における上流側に配置され、前記畦の法面と前記第1整畦板の作用面とがなす角は、前記畦の法面と前記第2整畦板とがなす角よりも小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備えた畦塗り機に関する。
従来、畦塗り機の整畦体として、円錐台形状の法面整畦部と、その回転軸方向に連結される円筒形状の上面整畦部とを含む整畦体が知られている。このような整畦体を備えた畦塗り機は、トラクタ等の走行機体に牽引され、走行時に整畦体を回転させることにより、前処理体が先行して切り崩した旧畦の土を旧畦上に塗りつけ、新たに法面と上面とを有する新畦を形成することができる。
このような畦塗り機の整畦体として、例えば特許文献1には、法面整畦部の表面をジグザグ状に成形することで、進行方向に対して前進角を設けるとともに、逃げ角を設けたものが開示されている。特許文献1に開示された整畦体を用いれば、畦に対する加圧を大きくすることができるため、旧畦の法面に対して土を強く押し込んで塗り付けることができると考えられる。
特開平10−276504号公報
しかしながら、整畦体の表面を上記のような形状にすると、畦に対する加圧を高めることにより崩れにくい強固な畦に整畦できるものの、最終的に整畦板の端部(特にジグザグ状部分の畦側の頂点部)によって畦表面を引っ掻いてしまい、畦表面に引っ掻き痕が残り見栄えが悪くなる虞があった。
本発明は、畦を強固に整畦することができるとともに、整畦後の畦に引っ掻き痕などが残り難い整畦体を備えた畦塗り機を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備えた畦塗り機であって、前記法面整畦部は、第1整畦板及び第2整畦板の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成され、前記第2整畦板は、前記第1整畦板よりも前記整畦体の回転方向における上流側に配置され、前記畦の法面と前記第1整畦板の作用面とがなす角は、前記畦の法面と前記第2整畦板の作用面とがなす角よりも小さい、畦塗り機である。
本発明の一実施形態は、畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備えた畦塗り機であって、前記法面整畦部は、第1整畦板及び第2整畦板の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成され、前記第2整畦板は、前記第1整畦板よりも前記整畦体の回転方向における上流側に配置され、前記法面整畦部の回転軸に対して垂直な面内において、前記回転軸と前記第1整畦板の当該回転軸から最も遠い第1点とを結ぶ線分に直交する第1線分が前記第1整畦板の作用面となす角は、前記回転軸と前記第2整畦板の当該回転軸から最も遠い第2点とを結ぶ線分に直交する第2線分が前記第2整畦板の作用面となす角よりも小さい、畦塗り機である。このとき、前記第1線分は、前記第1整畦板が形成する最大回転軌跡における前記第1点での接線であり、前記第2線分は、前記第2整畦板が形成する最大回転軌跡における前記第2点での接線であるとも言える。
前記法面整畦部の回転軸に対して垂直な面内において、前記第1整畦板の作用面の幅は、前記第2整畦板の作用面の幅よりも狭くてもよい。
前記第1整畦板及び前記第2整畦板は、平板で構成されてもよい。
前記法面整畦部は、前記第1整畦板及び前記第2整畦板の組み合わせを8つ含む、合計16枚の整畦板で構成されてもよい。
前記第1整畦板と前記第2整畦板は、直接的に又は連結部材を介して間接的に接合することにより連結されてもよい。その際、接合は溶接により行われてもよい。
前記法面整畦部は、平面視における当該法面整畦部の最外縁を覆うリング状部材を含んでいてもよい。
前記法面整畦部は、平面視における当該法面整畦部の最外縁が円形となるように構成されてもよい。
前記法面整畦部は、側面視における当該法面整畦部の最下端が当該法面整畦部の回転軸に対して略垂直な線分となるように構成されてもよい。
本発明によれば、畦を強固に整畦することができるとともに、整畦後の畦に引っ掻き痕などが残り難い整畦体を備えた畦塗り機を提供することができる。
第1実施形態における畦塗り機の構成を示す斜視図である。 第1実施形態における畦塗り機の構成を示す平面図である。 第1実施形態における畦塗り機の構成を示す側面図である。 第1実施形態における法面整畦部の平面図である。 第1実施形態における法面整畦部の側面図である。 (A)は、第1実施形態の変形例における法面整畦部の平面図であり、(B)は、第1実施形態の変形例における法面整畦部の側面図である。 (A)は、第1実施形態における第1整畦板を示す図であり、(B)は、第1実施形態における第2整畦板を示す図である。 第1実施形態における第1整畦板及び第2整畦板を組み合わせた整畦ユニットを示す図である。 第1実施形態における法面整畦部を任意の水平面で切断した断面を表す模式図である。 第1実施形態における法面整畦部を任意の水平面で切断した断面を表す模式図である。 第1実施形態における法面整畦部を任意の水平面で切断した断面を表す模式図である。 第2実施形態における法面整畦部を任意の水平面で切断した断面を表す模式図である。 第2実施形態における法面整畦部の一部を斜め上方から見た斜視図である。 第3実施形態における法面整畦部を任意の水平面で切断した断面を表す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の畦塗り機の実施形態について説明する。但し、本発明の畦塗り機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、説明の便宜上、上方(上部)又は下方(下部)という語句を用いて説明するが、上方(上部)は水平面から遠ざかる方向を示し、下方(下部)は水平面に向かって近づく方向を示す。同様に、前方(前側)又は後方(後側)という語句を用いて説明するが、前方(前側)は畦塗り機を基準として走行機体が位置する方向を示し、後方(後側)は前方とは180°反対の方向を示す。
〈第1実施形態〉
[畦塗り機100の構成]
以下、第1実施形態による畦塗り機100の構成について、図1乃至図3を用いて詳細に説明する。図1は、第1実施形態の畦塗り機100の構成を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の畦塗り機100の構成を示す平面図である。図3は、第1実施形態の畦塗り機100の構成を示す側面図である。
畦塗り機100は、図1乃至図3に示すように、大別して、トラクタ等の走行機体(図示せず)のリンク機構(例えば3点リンク機構)に装着される装着部110、畦の整畦作業を行う整畦体120、整畦体120に供給する土を盛る作業を行う前処理部130、畦の天場の処理を行う天場処理部140、装着部110と整畦体120とを連結する連結部150を基本構成として備えている。なお、整畦体120、前処理部130及び天場処理部140をまとめて作業部と呼ぶ場合がある。
装着部110は、ロアリンク連結部111a、111bとトップリンク連結部112を備えると共に、連結部150が装着される支持部材113を備えている。また、装着部110は、走行機体のPTO軸に、ユニバーサルジョイント等の伝動継手を介して接続される入力軸114を備えており、この入力軸114に伝達された動力を連結部150の伝動機構に伝達する機構も支持部材113内に備えている。
連結部150は、その一端が装着部110の支持部材113に支持され、他端が作業部に取り付けられており、リンク部材131とオフセットフレーム132とを具備している。リンク部材131は、一端が装着部110側に回動可能に支持され、その他端がリヤフレーム170に回動可能に支持された部材であり、整畦体120の作業位置を制御するものである。オフセットフレーム132は、整畦体120に動力を伝達する伝動手段を備えるとともに、一端は支持部材113に対して回動可能に取り付けられ、他端には作業部が回動可能に支持されている。
オフセットフレーム132とリンク部材131とは平行に配置され、これらと支持部材113とで平行リンク機構を形成している。そのため、連結部150の揺動に対して整畦体120の作業方向は変化しない。すなわち、畦塗りの作業面を維持したまま整畦体120のオフセット移動が可能となる。
本実施形態においては、オフセット制御用シリンダ133及び作業方向制御用シリンダ134の制御を容易化するために平行リンク機構を採用しているが、本発明の実施態様としては、オフセット制御用シリンダ133と作業方向制御用シリンダ134を独立して制御するように構成することも可能であり、このような平行リンク機構を形成しない実施態様の場合でも以下の説明と同様の制御が可能である。
整畦体120は、回転軸を中心として回転自在に支持された略円錐台形状の法面整畦部121と、法面整畦部121の頂部に取付基部10を介して取り付けられて畦方向に延びる上面整畦部122とを含む。整畦体120は、伝動支持ケース135内の動力伝達機構を介して回転動力が伝達されるように構成されている。法面整畦部121の具体的な構成については後述する。
前処理部130は、古い畦の一部を切り崩して土盛り作業を行う。前述の法面整畦部121は、前処理部130によって前方に盛られた土を切り崩された古い畦の法面に塗り付けて新しい畦を成形する。例えば、前処理部130としては、複数の耕耘爪を駆動軸に装着したロータリ耕耘型の前処理機構を採用することができる。
天場処理部140は、古い畦の天場(上面)を削り取る作業を行う。前述の上面整畦部122は、天場処理部140によって古い畦の上面が削り取られた後、その上面を均平にならす作業を行って新しい天場を成形する。例えば、天場処理部140としては、前処理部130と同様に、複数の耕耘爪を駆動軸に装着したロータリ耕耘型の前処理機構を採用することができる。
また、整畦体120の近傍には、整畦体120の作業位置を検出する作業位置検出手段としての位置センサ160が装備されている。この位置センサ160は、支持ケース(図示せず)から取り付けアーム161を介して整畦体120の後方に配置されている。位置センサ160は、回転軸の回転変位を検出するポテンショメータを内蔵し、この回転軸にセンサロッド162の一端が固定されている。このセンサロッド162の位置によって法面整畦部121と畦の法面との距離を検出することができる。
なお、図示していないが、整畦体120の作業方向を検出する作業方向検出手段としての角度センサを配置してもよい。この場合、角度センサは、連結部150に対する整畦体120の相対的な方向変化を検出するものではなく、整畦体120単独の圃場面に対する作業方向の変化を検出するものとすることが好ましい。例えば、角度センサとして、オフセットフレーム132内の伝動軸の周囲にジャイロセンサを配置してもよい。
[法面整畦部121の構成]
図4は、第1実施形態における法面整畦部121の平面図であり、図5は、第1実施形態における法面整畦部121の側面図である。それぞれ、略円錐台形状の法面整畦部121を頂部側及び側方から見た図である。本実施形態の法面整畦部121は、実際には、図1乃至図3を用いて説明したように、頂部側を畦に向けて設置され、回転軸を中心に矢印の方向に回転して畦塗り作業を行う。なお、本実施形態では、走行機体の進行方向は、図4に向かって右方向である。
図4に示すように、法面整畦部121は、第1整畦板21及び第2整畦板22の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成される。ここでは、8枚の第1整畦板21と8枚の第2整畦板22とが交互に連結され、合計16枚の整畦板で構成されている。換言すれば、法面整畦部121は、第1整畦板21及び第2整畦板22の組み合わせを単位とした8つの整畦ユニット20を含む。しかし、本発明の法面整畦部を構成する整畦板はこれらの枚数及びユニット数に制限されるものではない。
なお、本実施形態の法面整畦部121は、複数の整畦板それぞれの基端部が取付基部10に取り付けられている。本実施形態の法面整畦部121を構成する複数の整畦板それぞれは、相互に直接的に溶接されているため、取付基部10が存在しなくても整畦体として機能し得る。本実施形態の場合、法面整畦部121の強度を高める目的と、図1乃至図3に示した上面整畦部122と法面整畦部121とを相互に連結する目的のために取付基部10を設けている。
なお、上述したように、本実施形態では、複数の整畦板それぞれは、溶接により直接的に溶接されているが、これに限らず、連結部材を介して間接的に連結するようにしてもよい。この場合、各整畦板と連結部材とを溶接すればよい。また、接合手段として溶接を例に挙げて説明したが、これに限らず、ボルト及びナット等を用いた他の固着部材を用いて接合することにより、各整畦板同士を連結することも可能である。
また、本実施形態の法面整畦部121は、図4に示されるように、平面視において法面整畦部121の最外縁(最も外側の縁)が円形となるように設計されている。ただし、これは一例であり、図5に示す側面視において、法面整畦部121の最下端(最も下方の縁、すなわち図5に向かって最も右側の縁)が当該法面整畦部121の回転軸(図示せず)に対して略垂直となるように設計してもよい。この場合、平面視における法面整畦部121の最外縁は円形とならないが、法面整畦部121を図5に示す状態で法面整畦部121の最下端を地面等に当接させて安定して載置することが可能となる。また、その際、地面当に当接する法面整畦部121の縁を保護するために、図6(A)及び図6(B)に示すように、図6(A)に示す平面視における法面整畦部121の最外縁(図6(B)に示す側面視においては、法面整畦部121の最下端)をリング状部材60で覆うことも可能である。
ここで、図7(A)は、第1実施形態における第1整畦板21を示す図であり、図7(B)は、第1実施形態における第2整畦板22を示す図である。また、図8は、本発明の一実施形態における第1整畦板21と第2整畦板22とを組み合わせた整畦ユニット20を示す図である。
図7(A)に示すように、第1整畦板21は、作業中、実際に畦に接して土を塗り固める部分として機能する作用面21aと、隣接する第2整畦板22と連結するための接合面21bとを有する。このとき、接合面21bは、作用面21aに対して鈍角をなすように、紙面奥側に向かって折り曲げられている。
また、図7(B)に示すように、第2整畦板22も同様に、作用面22aと接合面22bとを有する。このとき、接合面22bもまた、作用面22aに対して鈍角をなすように、紙面奥側に向かって折り曲げられている。本実施形態では、第1整畦板21の作用面21aと接合面21bとがなす角は、第2整畦板22の作用面22aと接合面22bとがなす角よりも大きい。
これらを組み合わせると、図8に示すように、第2整畦板22の作用面22aの裏側の面に第1整畦板21の接合面21bが接合される構成となる。前述したとおり、本実施形態では、第2整畦板22の作用面22aの裏側の面に第1整畦板21の接合面21bを合わせた状態で溶接を行い、両者を連結する構成としている。そして、このように組み合わせた整畦ユニット20を単位として、複数の整畦板を連結してなる略円錐台形状の法面整畦部121を構成している。
なお、上記と異なり、法面整畦部121を形成する際、予め用意した第1整畦板21及び第2整畦板22を交互に順番に溶接して形成することも可能であるが、本実施形態では、まず第1整畦板21及び第2整畦板22を溶接してなる複数の整畦ユニット20を形成し、それら複数の整畦ユニット20を互いに溶接して法面整畦部121を形成する。このような順序で連結すると、各整畦板を溶接する際の第1整畦板21と第2整畦板22とのなす角度について誤差が累積されず、法面整畦部121の全体としての合わせ精度を向上させることができる。
次に、本実施形態における法面整畦部121における第1整畦板21及び第2整畦板22の役割について説明する。図9乃至図11は、第1実施形態における法面整畦部121を任意の水平面(回転軸に垂直な面)で切断した断面を表す模式図である。
図8において、第1整畦板21及び第2整畦板22は、それぞれの接合面21b及び22bを介して相互に接合されることにより、全体的に円形状に連結されている。ここで、一点鎖線で示される円弧30は、第1整畦板21において回転軸(図示せず)から最も遠い点(後述する第1整畦板21における作用面21aの終了点34)を結ぶ円弧であり、図9に示す断面における法面整畦部121の最大回転軌跡(最外周円)の一部に相当する。
また、図9において、第2整畦板22の作用面22aは、開始点31から終了点32までの範囲として定義され、第1整畦板21の作用面21aは、開始点33から終了点34までの範囲として定義される。なお、ここでは「開始点」及び「終了点」という用語を用いているが、実際には奥行き方向に延びる線分の一点を意味している。
このとき、図9に示されるように、回転方向の上流側から見て、第2整畦板22の作用面22aの開始点31から終了点32まで、及び第1整畦板21の作用面21aの開始点33から終了点34に至るまで、作用面と畦との距離は徐々に小さくなる(逆に言えば、回転軸から作用面までの距離が徐々に大きくなる)ように構成されている。実際には、第2整畦板22から第1整畦板21に移行する際に段差が形成されるが、整畦ユニット20の全体としては、回転方向の上流側から下流側に向かうにしたがって、作用面と畦との距離は徐々に小さくなる。
以上のように、図9に示す断面において、第1整畦板21の作用面21aにおける終了点34から回転軸までの距離が最も長く、第2整畦板22の作用面22aにおける開始点31から回転軸までの距離が第1整畦板21の作用面21aにおける終了点34から回転軸までの距離よりも短い関係にある。これにより、法面整畦部121を用いた畦塗り作業の際、第2整畦板22の作用面22a及び第1整畦板21の作用面21aが、上流側から下流側に向かって徐々に接触圧を高めながら畦と接することとなり、強固に畦を塗り固めることができるようになっている。
ここで、図10及び図11には、本実施形態の法面整畦部121を構成する第1整畦板21及び第2整畦板22それぞれに着目した場合の3つのパラメータが示されている。具体的には、パラメータ(X)は、各整畦板の作用面の幅((X1)、(X2))を示している。パラメータ(α)は、各整畦板の作用面と畦の法面とがなす角((α1)、(α2))を示している。パラメータ(R)は、各整畦板が形成する最大回転軌跡の半径((R1)、(R2))すなわち、各整畦板の作用面における終了点と回転軸との間の距離を示している。
図10及び図11に示されるとおり、本実施形態の法面整畦部121は、第2整畦板22の作用面22aの幅(X2)は、第1整畦板21の作用面21aの幅(X1)に比べて広くなっている。具体的には、第2整畦板22は、より強く畦を加圧する仕事をさせたい部分であるため、仕事範囲を多く確保するために広めに設計している。
また、本実施形態では、後述するように、図10及び図11に示す角度α1とα2との間にα1<α2の関係を持たせている。そのため、本実施形態では、α1<α2の関係を維持しつつ作用面21aの幅X1と作用面22aの幅X2とを調整して、法面整畦部121全体の形状のバランスを図っている。ただし、これは一例であって、幅X1と幅X2とが同じ幅となるように設計してもよい。
また、本実施形態の法面整畦部121は、回転軸と第1整畦板21の当該回転軸から最も遠い点(図9における終了点34)とを結ぶ線分41に直交する線分42が第1整畦板21の作用面21aとなす角(α1)(図10参照)は、回転軸と第2整畦板22の当該回転軸から最も遠い点(図9における終了点32)とを結ぶ線分43に直交する線分44が第2整畦板22の作用面22aとなす角(α2)(図11参照)よりも小さい。
このとき、図10における線分42は、第1整畦板21が形成する最大回転軌跡30aに対する終了点34での接線に対応する。つまり、前述の角度α1は、この接線と第1整畦板21の作用面21aとがなす角とも言える。さらに、この線分42は、畦塗り作業中における畦の法面に対応するため、前述の角度α1は、畦の法面と第1整畦板21の作用面21aとがなす角とも言える。
同様に、図11における線分44は、第2整畦板22が形成する最大回転軌跡30bに対する終了点32での接線に対応する。つまり、前述の角度α2は、この接線と第2整畦板22の作用面22aとがなす角とも言えるし、畦の法面と第2整畦板22の作用面22aとがなす角とも言える。
前述の従来技術では、整畦板の畦に対する当たりを徐々に強めることにより崩れにくい畦を形成できるものの、整畦板の端部によって畦表面に引っ掻き痕のようなものを残してしまう問題があった。それに比べ、本実施形態の法面整畦部121は、第1整畦板21と第2整畦板22という2種類の整畦板を用い、かつ、前述の角度α1を角度α2よりも小さく設計する構成となっている。これにより、畦の法面に対する第1整畦板21の当たりを緩やかにすることができ、強固な畦を形成しつつ畦表面に引っ掻き痕などが残らないようにすることができる。
なお、前述したように、図9に示す断面において、第2整畦板22の作用面22aにおける開始点31から第1整畦板21の作用面21aにおける終了点34に至るまで、各作用面と回転軸との距離は徐々に長くなる関係にある。したがって、図10に示す第1整畦板21が形成する最大回転軌跡30aの半径(R1)は、図11に示す第2整畦板22が形成する最大回転軌跡30bの半径(R2)よりも大きい。
第1実施形態における法面整畦部121を備える整畦体120の実施例(以下、「第1実施例」という。)の作用効果を検証するため、第1実施例と、同一形状の8枚の略扇形状の整畦板から構成される一般的な整畦体(以下、「比較例」という。)とを用いて以下の性能比較試験を実施した。
性能比較試験では、第1実施例と比較例の整畦体を用いて畦塗り作業を行った後の畦の仕上がり性能を比較した。性能の評価は、複数の当業者による官能評価(5点:最良〜1点:最悪 の5段階による評価)により行い、複数の評価項目についてそれぞれ各評価者による官能評価の平均点を算出し、当該平均点の総合得点により整畦体の性能を評価するという方法で行った。評価項目は「土塊の発生量」、「土塊の大きさ」、「仕上がり性能」の3種類とし、「仕上がり性能」については、さらに畦の部位ごと細分化して「肩部」、「法面上部」、「法面中部」、「法面下部」の核項目ごとに評価を行った。
また、性能比較試験では、圃場の土質、水分量、耕深、元畦高さなどの試験条件を同等にするため、1本の畦において各整畦体を用いた畦塗り作業を、それぞれ2〜3m程度行った。また、整畦体の回転速度を、比較的速い回転速度と、比較的遅い回転速度に設定して、各回転速度における畦塗り作業をそれぞれ比較した。
具体的な試験条件を以下に示す。
・トラクタと作業機:SL60PC(トラクタ)及びXRM(畦塗り作業機)
・圃場の元畦高さ:30cm
・圃場の土質:粘土(細粒強グライ土)
・圃場の水分量:少量〜適量
・整畦体の回転速度:74rpm及び60rpm
第1実施例と比較例の整畦体を用いた性能比較試験の結果を次の表に示す。
Figure 2017201970
表1に示す性能比較試験の結果によると、第1実施例の総合得点は、いずれの回転速度の場合でも比較例を上回っているため、比較例よりも畦塗り作業を行った後の畦の仕上がり性能が良好であることが分かる。このような結果を生じた要因として、比較例よりも第1実施例の方が整畦板の枚数が多いため、多数の整畦板によって畦を細かく押し込むことができ、畦の法面に対する整畦板の当たりが緩やかになるので、畦の表面が削れたり土塊が発生したりすることが防止され、畦の仕上がりが良好になったものと考察される。
また、比較例の整畦板はすべて同一形状であるため、畦を同じ強弱の繰り返し周期によって単調に押し込むのに対して、第1実施例では、第1整畦板21と第2整畦板22という2種類の異なる形状の整畦板を用い、かつ、前述の角度α1を角度α2よりも小さく設計する構成となっているため、畦を押し込む強弱の周期を変化させて変則的に押し込むことにより、比較例より仕上がりの良好な強固な畦が形成されたものと考察される。
〈第2実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態とは異なる形状の整畦板を用いた法面整畦部の構成について説明する。具体的には、本実施形態の法面整畦部121aは、第1整畦板51の一部が湾曲し、凹部を形成している。
図12、第2実施形態における法面整畦部121aを任意の水平面(回転軸に垂直な面)で切断した断面を表す模式図である。図13は、第2実施形態における法面整畦部121aの一部を斜め上方から見た斜視図である。なお、ここでは第1実施形態と相違する部分について着目して詳細な説明を行い、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図12において、第1整畦板51の一部は回転軸に向かって湾曲し、その湾曲部51aに対して第2整畦板22の端部22cが突出した状態となっている。この場合、第1整畦板51の湾曲部51aは、畦側から見て凹部を形成するため、畦塗り作業において作用しない。したがって、第1実施形態における第1整畦板21に比べて相対的に作用面の幅が狭くなる。
しかしながら、湾曲部51aを設けることにより、第1整畦板51の作用面の傾き調整について設計自由度が向上し、図10を用いて説明した角度α1をより小さくすることができるという効果が得られる。また、第2整畦板22の端部22cが湾曲部51aに向かって若干撓む余地ができるため、畦を押す力が分散され、より畦表面に引っ掻き痕が残らないようにすることができる。
また、湾曲部51aを設けることにより、第1整畦板51の強度を向上させることができる。さらに、湾曲部51aを設けることにより、各整畦板を溶接して法面整畦部121aを組み立てる際に生じ得る製造上のひずみが小さくなるので、法面整畦部121aの全体としての合わせ精度をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1実施形態における第1整畦板21に対して湾曲部を設けた例を示したが、第2整畦板22に対して湾曲部を設けた構成としてもよいし、第1整畦板21と第2整畦板22の両方に湾曲部を設けた構成としてもよい。
〈第3実施形態〉
本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる形状の整畦板を用いた法面整畦部の構成について説明する。具体的には、本実施形態の法面整畦部121bは、第1整畦板51及び第2整畦板52の一部が湾曲し、凹部を形成している。
図14は、第3実施形態における法面整畦部121bを任意の水平面(回転軸に垂直な面)で切断した断面を表す模式図である。なお、ここでは第1実施形態と相違する部分について着目して詳細な説明を行い、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する
図14において、第1整畦板51の一部は回転軸に向かって湾曲し、その湾曲部51aに対して第2整畦板52の端部52bが突出した状態となっている。同様に、第2整畦板52の一部も回転軸に向かって湾曲し、その湾曲部52aに対して第1整畦板51の端部51bが突出した状態となっている。この場合、湾曲部51a及び湾曲部52aは、畦側から見て凹部を形成するため、畦塗り作業において作用しない。したがって、本実施形態における第1整畦板51及び第2整畦板52の作用面の幅は、それぞれ第1実施形態における第1整畦板21及び第2整畦板22に比べて相対的に狭くなる。
しかしながら、第2実施形態で説明したように、湾曲部51a及び湾曲部52aを設けることにより、第1整畦板51及び第2整畦板52の作用面の傾き調整について設計自由度が向上するという効果が得られる。また、第1整畦板51の端部51bが湾曲部52aに向かって撓み、第2整畦板52の端部52bが湾曲部51aに向かって撓むため、それぞれの整畦板において畦を押す力が分散され、より畦表面に引っ掻き痕が残らないようにすることができる。
また、第2実施形態で説明したように、湾曲部51a及び湾曲部52aを設けることにより、第1整畦板51及び第2整畦板52の強度を向上させることができる。さらに、湾曲部51a及び湾曲部52aを設けることにより、各整畦板を溶接して法面整畦部121bを組み立てる際に生じ得る製造上のひずみがより小さくなるので、法面整畦部121bの全体としての合わせ精度をさらに向上させることができる。
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 取付基部
20 整畦ユニット
21 第1整畦板
22 第2整畦板
21a、22a 作用面
21b、22b 接合面
22c 端部
30 円弧
30a 最大回転軌跡
30b 最大回転軌跡
31、33 開始点
32、34 終了点
41、42、43、44 線分
51 第1整畦板
52 第2整畦板
51a、52a 湾曲部
51b、52b 端部
60 リング状部材
100 畦塗り機
110 装着部
111a、111b ロアリンク連結部
112 トップリンク連結部
113 支持部材
114 入力軸
120 整畦体
121、121a、121b 法面整畦部
122 上面整畦部
130 前処理部
131 リンク部材
132 オフセットフレーム
133 オフセット制御用シリンダ
134 作業方向制御用シリンダ
135 伝動支持ケース
140 天場処理部
150 連結部
160 位置センサ
161 アーム
162 センサロッド
170 リヤフレーム

Claims (11)

  1. 畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備えた畦塗り機であって、
    前記法面整畦部は、第1整畦板及び第2整畦板の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成され、
    前記第2整畦板は、前記第1整畦板よりも前記整畦体の回転方向における上流側に配置され、
    前記畦の法面と前記第1整畦板の作用面とがなす角は、前記畦の法面と前記第2整畦板の作用面とがなす角よりも小さい、畦塗り機。
  2. 畦の法面を整畦する法面整畦部を含む整畦体を備えた畦塗り機であって、
    前記法面整畦部は、第1整畦板及び第2整畦板の組み合わせを単位として複数の整畦板を連結して構成され、
    前記第2整畦板は、前記第1整畦板よりも前記整畦体の回転方向における上流側に配置され、
    前記法面整畦部の回転軸に対して垂直な面内において、前記回転軸と前記第1整畦板の当該回転軸から最も遠い第1点とを結ぶ線分に直交する第1線分が前記第1整畦板の作用面となす角は、前記回転軸と前記第2整畦板の当該回転軸から最も遠い第2点とを結ぶ線分に直交する第2線分が前記第2整畦板の作用面となす角よりも小さい、畦塗り機。
  3. 前記第1線分は、前記第1整畦板が形成する最大回転軌跡における前記第1点での接線であり、前記第2線分は、前記第2整畦板が形成する最大回転軌跡における前記第2点での接線である、請求項2に記載の畦塗り機。
  4. 前記法面整畦部の回転軸に対して垂直な面内において、前記第1整畦板の作用面の幅は、前記第2整畦板の作用面の幅よりも狭い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  5. 前記第1整畦板及び前記第2整畦板は、平板で構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  6. 前記法面整畦部は、前記第1整畦板及び前記第2整畦板の組み合わせを8つ含む、合計16枚の整畦板で構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  7. 前記第1整畦板と前記第2整畦板は、直接的に又は連結部材を介して間接的に接合することにより連結される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  8. 前記接合は、溶接により行われる、請求項7に記載の畦塗り機。
  9. 前記法面整畦部は、平面視における当該法面整畦部の最外縁にリング状部材が設けられている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  10. 前記法面整畦部は、平面視における当該法面整畦部の最外縁が円形となるように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の畦塗り機。
  11. 前記法面整畦部は、側面視における当該法面整畦部の最下端が当該法面整畦部の回転軸に対して略垂直な線分となるように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の畦塗り機。
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