JP2017202978A - リンゴコカクモンハマキの誘引剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】リンゴコカクモンハマキを対象害虫とし、対象害虫に対する誘引性能を維持しつつ、意図しない対象害虫とは異なる昆虫種の誘引を抑制した誘引剤を提供する。
【解決手段】リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、前記リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部とを少なくとも含む、リンゴコカクモンハマキの誘引剤を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、前記リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部とを少なくとも含む、リンゴコカクモンハマキの誘引剤を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、害虫の誘引剤、特に、リンゴコカクモンハマキの誘引剤に関するものである。
蛾類の性フェロモンは微量で強い誘引活性を示す。この特徴を利用して、人工的に合成した性フェロモンで害虫を集め、農業現場における害虫の発生状況を把握し、将来の発生程度や時期を予測する方法を「発生予察」という。予測の結果、不要な殺虫剤散布が回避でき、安心安全な農業の確立に資する技術の一つとして近年注目されている。
この際に用いる合成性フェロモンは、1か月以上放出が持続するように徐放性担体に保持されている。このように、合成性フェロモンを含んだ徐放性担体のことを「誘引剤」と称し、また、誘引剤で集めた害虫を逃さず捕獲する装置のことを「トラップ」と称する。トラップには、粘着物質を塗った床に屋根を取り付けた粘着式トラップが広く普及している(非特許文献1)。
この際に用いる合成性フェロモンは、1か月以上放出が持続するように徐放性担体に保持されている。このように、合成性フェロモンを含んだ徐放性担体のことを「誘引剤」と称し、また、誘引剤で集めた害虫を逃さず捕獲する装置のことを「トラップ」と称する。トラップには、粘着物質を塗った床に屋根を取り付けた粘着式トラップが広く普及している(非特許文献1)。
蛾類の性フェロモンは一般的に混合物であり、化合物の種類とそれらの混合比率を変えることにより種の特異性が発揮される。従って、誘引剤に用いる合成性フェロモンも、対象害虫の性フェロモン組成を適正な比率で混合したものになる。しかし、このように調製した誘引剤であっても、意図しない対象害虫とは異なる昆虫種等が誘引される場合がある。表1は、2010年時点で市販されていた誘引剤と、その誘引剤を使用したトラップに捕獲された対象害虫とは異なる昆虫種等の一覧である(非特許文献2より抜粋)。この中には、トラップの構造上、偶然捕獲されたと考えられるもの(例えば、アカヒゲホソミドリカスミカメのトラップに誘引されるチョウ目昆虫)や、捕獲した対象害虫を食べに来た天敵なども記載されているが、蛾類においては、対象害虫の誘引剤に誘引されたものと考えられる。
また、市販のリンゴコカクモンハマキの誘引剤には、本来目的としないガ類モクメヨトウ(Axylia putris)とアカバキリガ(Orthosia carnipennis)が多数誘引されることが知られている(表1及び非特許文献3)。
また、市販のリンゴコカクモンハマキの誘引剤には、本来目的としないガ類モクメヨトウ(Axylia putris)とアカバキリガ(Orthosia carnipennis)が多数誘引されることが知られている(表1及び非特許文献3)。
蛾類の性フェロモンの同定は、生きた虫の性フェロモン腺を溶剤で抽出してガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)などの分析機器で定性するところから始めるのが一般的である。その際、複数の成分が検出される。次に、合成性フェロモンを用いて生物検定(バイオアッセイ)を行い、検出された成分の中から誘引活性を有する性フェロモン成分を選択して同定が完了する。このバイオアッセイは、誘引活性を持たない不活性成分(不活性物質)を特定する作業でもある。
また、同定に至る過程で、誘引を阻害する成分(誘引阻害物質)が見つかることがある。このような場合、合成性フェロモンに含まれる不純物が阻害的に作用した結果であることが多いが、稀に検出された候補成分の中に誘引阻害物質が含まれていることもある。いずれにしても、性フェロモンの同定を目的としたバイオアッセイを実施すると、不活性物質や誘引阻害物質が見出されることがある。
また、同定に至る過程で、誘引を阻害する成分(誘引阻害物質)が見つかることがある。このような場合、合成性フェロモンに含まれる不純物が阻害的に作用した結果であることが多いが、稀に検出された候補成分の中に誘引阻害物質が含まれていることもある。いずれにしても、性フェロモンの同定を目的としたバイオアッセイを実施すると、不活性物質や誘引阻害物質が見出されることがある。
果樹の重要害虫であるリンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)の性フェロモンは、(Z)−9−テトラデセニルアセテートと(Z)−11−テトラデセニルアセテートの質量比9:1混合物である。また、誘引阻害物質は(E)−9−テトラデセニルアセテートであり、不活性物質として(E)−11−テトラデセニルアセテート、(Z)−11−ヘキサデセニルアセテート、(Z)−9−テトラデセノール、(Z)−11−テトラデセノールが報告されている(非特許文献4)。
本郷智明:「フェロモン等合成化学物質による発生予察法」、植物防疫第63巻第12号(2009):50〜57
「フェロモンによる発生予察法」植物防疫協会編、植物防疫特別増刊号No.13:6〜14(2010)
石栗陽一:リンゴコカクモンハマキ、「フェロモンによる発生予察法」植物防疫協会編、植物防疫特別増刊号No.13:92〜96(2010)
杉江元・玉木佳男・白崎将瑛・北村泰三:「リンゴコカクモンハマキの性フェロモンの再検討」、日本応用動物昆虫学会誌第28巻第3号:156〜160(1984)
表1に示すように、種特異的である性フェロモンを利用しているにも拘わらず、対象害虫とは異なる昆虫種を誘引する要因は二つ考えられる。
一つ目の要因は、対象害虫の性フェロモンが、対象害虫とは異なる昆虫種の不完全な性フェロモンとして作用する場合である。前述の通り、性フェロモンは適正な化合物を定まった比率に混合した種固有のシグナルである。しかし、野外では、不適正な混合比率であっても誘引数はゼロにはならず、また、成分の一部を欠いたものに誘引される場合もある。例えば、チャノコカクモンハマキの誘引剤には、組成比率が異なるリンゴコカクモンハマキが誘引されるし、ハスモンヨトウの誘引剤には、性フェロモン成分の一部が重複しているスジキリヨトウが誘引される。ただし、このようなケースでは、対象害虫とは異なる昆虫種の誘引数は少なく、発生予察調査の支障になることはない。
一つ目の要因は、対象害虫の性フェロモンが、対象害虫とは異なる昆虫種の不完全な性フェロモンとして作用する場合である。前述の通り、性フェロモンは適正な化合物を定まった比率に混合した種固有のシグナルである。しかし、野外では、不適正な混合比率であっても誘引数はゼロにはならず、また、成分の一部を欠いたものに誘引される場合もある。例えば、チャノコカクモンハマキの誘引剤には、組成比率が異なるリンゴコカクモンハマキが誘引されるし、ハスモンヨトウの誘引剤には、性フェロモン成分の一部が重複しているスジキリヨトウが誘引される。ただし、このようなケースでは、対象害虫とは異なる昆虫種の誘引数は少なく、発生予察調査の支障になることはない。
対象害虫とは異なる昆虫種を誘引する二つ目の要因として、対象害虫と対象害虫とは異なる昆虫種の性フェロモンはほぼ同じだが、性フェロモン以外の手段により両種の生殖が隔離されている場合が考えられる。対象害虫と対象害虫とは異なる昆虫種の発生時期が半月でも前後すれば、他種の性フェロモンに反応するという不利益は回避できるし、仮に発生時期が重なっても交尾時間帯が異なれば同じ結果となる。
しかし、誘引剤は24時間常に合成性フェロモンを放出し続けるため、このようなケースでは、対象害虫とともに多数の対象害虫とは異なる昆虫種を誘引するという結果を招く。表1の対象害虫とは異なる昆虫種の中で、多数誘引されたと記載された種に二重下線を付した。9種類の誘引剤で14種の対象害虫とは異なる昆虫種が報告されている。
しかし、誘引剤は24時間常に合成性フェロモンを放出し続けるため、このようなケースでは、対象害虫とともに多数の対象害虫とは異なる昆虫種を誘引するという結果を招く。表1の対象害虫とは異なる昆虫種の中で、多数誘引されたと記載された種に二重下線を付した。9種類の誘引剤で14種の対象害虫とは異なる昆虫種が報告されている。
対象害虫と類似の性フェロモンを持つ、対象害虫とは異なる昆虫種は、対象害虫の捕獲を目的としたフェロモントラップに多数捕獲され、粘着式トラップの粘着面を覆い尽して粘着部分の露出面積を狭めてしまう。その結果、その後に誘引した対象害虫を取り逃がし、発生予察データが不正確なものとなる危険性があった。取り逃がした虫数が増えれば増えるほど、対象害虫とは異なる昆虫種が付着しなければ捕獲できた真の捕獲数と乖離が大きくなるからである。また、対象害虫とは異なる昆虫種の外部形態が対象害虫に似ている場合、対象害虫とは異なる昆虫種を誤って対象害虫とカウントする危険性も考えられる。このように、意図しない対象害虫とは異なる昆虫種の多数の誘引は、発生予察の目的達成にとって障害である。
例えば、非特許文献3におけるリンゴコカクモンハマキと発生時期が重なるモクメヨトウは、特に粘着面を覆い尽くすほど捕獲される場合があり、発生予察調査の障害となり改善が望まれていた。本発明の目的は、リンゴコカクモンハマキを対象害虫とし、対象害虫に対する誘引性能を維持しつつ、意図しない対象害虫とは異なる昆虫種の誘引を抑制した誘引剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決のため誘引剤に関する研究を進めた結果、発生予察調査の障害となっていた対象害虫とは異なる昆虫種の誘引を抑制でき、粘着式トラップの粘着面にこれらの昆虫種が付着することを防止できることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明の一つの態様によれば、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、前記リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部とを少なくとも含む、リンゴコカクモンハマキの誘引剤を提供する。
本発明の一つの態様によれば、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、前記リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部とを少なくとも含む、リンゴコカクモンハマキの誘引剤を提供する。
本発明によれば、リンゴコカクモンハマキの誘引剤を用いることにより、例えば、モクメヨトウなどの対象害虫とは異なる昆虫種の誘引を抑制し、粘着式トラップの粘着面にそれらが付着することを防止できる。その結果、リンゴコカクモンハマキを獲り逃すことなく、対象害虫の発生予察がより的確なものとなる。また、不要な殺虫剤散布の回避に役立ち、安全安心な農業の発展に資するものである。
以下、本発明の害虫の誘引剤について説明する。
リンゴカクモンハマキの誘引剤は、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部、好ましくは20〜50質量部、より好ましくは30〜50質量部を少なくとも含む。上記化合物が20質量部未満であると、リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対する誘引阻害活性が不十分となり、100質量部を超えると対象害虫であるリンゴコカクモンハマキの誘引活性不十分となるからである。
リンゴカクモンハマキの誘引剤は、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部、好ましくは20〜50質量部、より好ましくは30〜50質量部を少なくとも含む。上記化合物が20質量部未満であると、リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対する誘引阻害活性が不十分となり、100質量部を超えると対象害虫であるリンゴコカクモンハマキの誘引活性不十分となるからである。
リンゴコカクモンハマキの誘引剤に用いる性フェロモンは、好ましくは(Z)−9−テトラデセニルアセテート(略号:Z9−14:Ac)と(Z)−11−テトラデセニルアセテート(略号:Z11−14:Ac)の混合物であり、前者と後者の混合質量比は、好ましくは8:2〜9.5:0.5であり、より好ましくは9:1である。
リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物は、好ましくは(Z)−11−ヘキサデセニルアセテート(略号:Z11−16:Ac)である。例えば、リンゴコカクモンハマキンのフェロモントラップに多数捕獲され調査の障害になっているモクメヨトウの誘引を阻害物質が無いかを確認する目的で、バイオアッセイを実施したところ、(Z)−11−ヘキサデセニルアセテート(略号:Z11−16:Ac)が最も効率よくモクメヨトウの誘引を阻害した。
リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種は、好ましくは、リンゴコカクモンハマキの性フェロモンと類似の性フェロモンを持つ昆虫であり、モクメヨトウ、アカバキリガ又はコホソスジハマキが挙げられる。
害虫の誘引剤は、対象害虫の性フェロモン及び対象害虫の性フェロモン誘引に対して不活性であり、かつ、対象害虫と異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物などをゴムキャップなどに含浸させることにより得られる。
ゴムキャップの材料としては、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム等が挙げられる。市販品としては、ラバー・セプタム(アルドリッチ社製)、グレイ・スリーブ・ストッパー等である。
ゴムゴムキャップの形状は、特定に限定されないが、性フェロモン等などが当該ゴムに完全に含浸されるまで、性フェロモンを液体として保持できる形状が好ましい。
ゴムキャップの材料としては、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコンゴム等が挙げられる。市販品としては、ラバー・セプタム(アルドリッチ社製)、グレイ・スリーブ・ストッパー等である。
ゴムゴムキャップの形状は、特定に限定されないが、性フェロモン等などが当該ゴムに完全に含浸されるまで、性フェロモンを液体として保持できる形状が好ましい。
また、各ゴムキャップには、好ましくは0.01〜50mg、より好ましくは0.1〜10mgの誘引剤を含浸させる。この範囲の含浸量で明瞭な誘引性が得られるからである。
含浸の方法としては、誘引剤に一定時間ゴムキャップを浸漬することにより担持させる方法や、所定の性フェロモン希釈液を一定量ゴムキャップに含浸させる方法等が挙げられる。
含浸の方法としては、誘引剤に一定時間ゴムキャップを浸漬することにより担持させる方法や、所定の性フェロモン希釈液を一定量ゴムキャップに含浸させる方法等が挙げられる。
また、必要に応じて害虫の誘引剤に、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、ビタミンE等などの抗酸化剤や2−ヒドロキシー4−オクトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤を適量加えても良い。例えば、使用環境等によっても異なるが、抗酸化剤及び紫外線吸収剤は、性フェロモン100質量部に対して、それぞれ好ましくは0〜5.0質量部、より好ましくは0.1〜5.0質量部の範囲で含有される。
このようにして調製した害虫の誘引剤に組み合わせるトラップは、最も広く普及している粘着式トラップが好ましいが、水盤型トラップや捕獲型トラップ(望月文昭:トラップと誘引剤、「性フェロモン剤等使用の手引き」植物防疫協会編:10〜16(1993))でも構わない。
以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較例によって説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1〜2及び比較例1〜3
合成性フェロモンZ9−14:AcとZ11−14:Acの質量比9:1混合物(以降、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン)100質量部に対し、Z11−16:Acを0部(比較例10質量部)、1質量部(比較例2)、5質量部(比較例3)、20質量部(実施例1)、30質量部(実施例2)加え、それぞれに、ジブチルヒドロキシトルエン及び2−ヒドロキシー4−オクトキシベンゾフェノンをそれぞれ2質量部添加した。
上記溶液をヘキサンで所定濃度に希釈し、その希釈液をリンゴコカクモンハマキの性フェロモン量として1mgとなるようにイソプレンゴムに含浸させた。その後、室温で一昼夜放置したものを誘引剤とした。誘引剤は使用するまでガラス瓶に入れ冷蔵保存した。
各誘引剤は、白色の粘着式トラップに取り付け、前年、モクメヨトウとリンゴコカクモンハマキが発生したリンゴ圃場に5m間隔で取り付けた。調査は、5月13日から4か月間、10日間隔で粘着板に付着している両種の数を数えた。誘引剤は1か月間隔で、また、粘着板は汚れ具合などをみながら適宜交換した。
誘引数は、リンゴコカクモンハマキの性フェロモンのみを含浸させた誘引剤(比較例1)の誘引数を1.00として相対値で示した。その結果を図1に示した。
実施例1〜2及び比較例1〜3
合成性フェロモンZ9−14:AcとZ11−14:Acの質量比9:1混合物(以降、リンゴコカクモンハマキの性フェロモン)100質量部に対し、Z11−16:Acを0部(比較例10質量部)、1質量部(比較例2)、5質量部(比較例3)、20質量部(実施例1)、30質量部(実施例2)加え、それぞれに、ジブチルヒドロキシトルエン及び2−ヒドロキシー4−オクトキシベンゾフェノンをそれぞれ2質量部添加した。
上記溶液をヘキサンで所定濃度に希釈し、その希釈液をリンゴコカクモンハマキの性フェロモン量として1mgとなるようにイソプレンゴムに含浸させた。その後、室温で一昼夜放置したものを誘引剤とした。誘引剤は使用するまでガラス瓶に入れ冷蔵保存した。
各誘引剤は、白色の粘着式トラップに取り付け、前年、モクメヨトウとリンゴコカクモンハマキが発生したリンゴ圃場に5m間隔で取り付けた。調査は、5月13日から4か月間、10日間隔で粘着板に付着している両種の数を数えた。誘引剤は1か月間隔で、また、粘着板は汚れ具合などをみながら適宜交換した。
誘引数は、リンゴコカクモンハマキの性フェロモンのみを含浸させた誘引剤(比較例1)の誘引数を1.00として相対値で示した。その結果を図1に示した。
Z11−16:Acを20質量部(実施例1)又は30質量部(実施例2)添加したリンゴコカクモンハマキの誘引剤では、モクメヨトウの誘引数が明らかに減少しているにもかかわらず、リンゴコカクモンハマキの誘引数はZ11−16:Acを添加していない比較例1と同等である。Z11−16:Acを20質量部以上添加することにより、モクメヨトウの誘引数を減少させリンゴコカクモンハマキを優先的に誘引する誘引剤となることがわかる。
Claims (4)
- リンゴコカクモンハマキの性フェロモン100質量部と、
前記リンゴコカクモンハマキの性フェロモン誘引に対して不活性であるが、前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種に対しては誘引阻害活性を有する化合物20〜100質量部と
を少なくとも含む、リンゴコカクモンハマキの誘引剤。 - 前記化合物が、(Z)−11−ヘキサデセニルアセテートである請求項1に記載の誘引剤。
- 前記性フェロモンが、(Z)−9−テトラデセニルアセテートと(Z)−11−テトラデセニルアセテートの混合物である請求項1又は請求項2に記載の誘引剤。
- 前記リンゴコカクモンハマキと異なる昆虫種が、モクメヨトウ、アカバキリガ又はコホソスジハマキである請求項1〜3のいずれかに記載の害虫の誘引剤。
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|---|---|---|---|
| JP2016093903A JP2017202978A (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | リンゴコカクモンハマキの誘引剤 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023170069A (ja) * | 2022-05-18 | 2023-12-01 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | ツマジロクサヨトウの性誘引物質 |
-
2016
- 2016-05-09 JP JP2016093903A patent/JP2017202978A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023170069A (ja) * | 2022-05-18 | 2023-12-01 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | ツマジロクサヨトウの性誘引物質 |
| JP7696554B2 (ja) | 2022-05-18 | 2025-06-23 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | ツマジロクサヨトウの性誘引物質 |
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