JP2017203246A - ネジ締り錠、雄ネジ部材、雌ネジ部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、施錠作業や解錠作業に要するユーザの負担を軽減し、施開錠作業をスムーズ且つ適切に行うことが可能なネジ締り錠を提供する。【解決手段】ネジ軸部2の先端部において軸周りに対向する2つの領域を雄ネジ切除領域2Bに設定し且つ雄ネジ切除領域2B同士の間を雄ネジ形成領域2Aに設定した雄ネジ部材1と、雌ネジ部材4の内周面において軸周りに対向する2つの領域を雌ネジ切除領域4Bに設定し且つ雌ネジ切除領域4B同士の間を雌ネジ形成領域4Aに設定した雌ネジ部材4とを備えたネジ締り錠Xとし、ネジ軸部2を、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面する非螺合姿勢と、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ形成領域4Aに対面する螺合姿勢との間で変更可能に構成した。【選択図】図8

Description

本発明は、例えば引き違いの引き戸同士の召し合わせ部分等に適用可能なネジ締り錠、及びネジ締り錠を構成する雄ネジ部材、雌ネジ部材に関するものである。
従来より、木製枠の引き戸同士や窓同士(以後の説明では引き戸等の扉や窓を総称して「開閉体」という)の召し合わせ部分に設けられる錠として、一方の開閉体の木製枠に設けられる雄ネジ部材と、他方の開閉体の木製枠に設けられる雌ネジ部材とを相互に螺合させることによって、開閉体同士を相対移動不能に施錠することが可能なネジ締り錠が知られている。この種のネジ締り錠は、雄ネジ部材として、外周面のうち先端を含む所定領域に雄ネジを切ったネジ軸を適用し、このネジ軸の基端部に設けられた摘まみ部をユーザが摘まんで所定方向に雄ネジ部材全体を回転させることによって、筒状の雌ネジ部材の内周面に形成されている雌ネジに雄ネジが螺合するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。特に、雄ネジ部材が、摘まみ部とネジ軸との接合部分で摘まみ部をネジ軸の軸方向に対してほぼ直角に曲がるように設定されたネジ締り錠は、「中折締り錠」と呼ばれている。
特開2005−273437号公報(特に図7及び図8参照)
ところで、従来のネジ締り錠は、ユーザが雄ネジ部材の先端を雌ネジ部材に差し込んで雄ネジ部材全体を360°以上回転させる操作、実際には数回転させる操作を行うことで安定した螺合状態・施錠状態になるように構成され、またネジ同士の螺合状態を解除する際には雄ネジ部材全体を施錠処理時と逆方向に360°以上回転させる操作が要求される仕様になっている。したがって、従来のネジ締り錠は、手先が不自由な人(老人、障害者等)や子供にとっては扱い難く、ユニバーサルデザインという観点において改善の余地がある。
特に、近時では、安らぎや温もりを志向する設計デザインにおいて、木製枠が建物の外観や内観のイメージ向上に貢献したり、木材の持つ高い断熱性及び防露性が高く評価され、例えば学校、公共施設、病院・老人医療施設、或いは一般住宅等に、木製枠の引き戸や窓が導入される事例が増えている。このような事情により、ネジ締り錠の需要数も増大する傾向にある。
なお、実公平05−042213号公報には、先端部にのみネジ溝が形成された一対の分割ナットを共通のケースに収容し、各分割ナットの基端部をケースにそれぞれ枢着し、ケースと各分割ナット体の間にそれぞれ設けたバネによって、各分割ナットを相寄る方向に付勢するように構成するとともに、ネジ軸として、雄ネジが形成された先端部分の外周面に平坦面部を対向するように設けたものを適用したロック装置が開示されている。
具体的には、ネジ軸のうち雄ネジが形成された部分の直径を、分割ナットのネジ溝同士が最も接近した時の間隔と同じか若干大きく設定する一方、平坦面部間の厚み寸法を、分割ナットのネジ溝同士が最も接近した時の間隔よりも小さく設定した構成が開示されている。このような構成であれば、ケースに対してネジ軸を挿入することによって、ネジ軸の雄ネジが各分割ナットのネジ溝に噛み合い、バネの付勢力によってネジ軸を一対の分割ナットで挟持することが可能であり、挟持状態においてネジ軸を90度前後回転させることによってネジ軸の雄ネジと各分割ナットのネジ溝と噛み合いが外れ、一対の分割ナットによるネジ軸の挟持状態を解除することが可能である。
しかしながら、上記構成は、各分割ナットをバネで付勢する必要があるため、構造が複雑であり、バネの付勢力が所定値よりも強ければ、ネジ溝同士が最も接近した時の間隔が所定値よりも小さくなり、分割ナット同士の間にネジ軸を挿入する作業をスムーズに行うことができず、分割ナット同士の間にネジ軸を半ば強引に挿入して噛合挟持状態にした場合には、その噛合挟持状態を解除する作業をスムーズに行うことが極めて困難である。また、バネの付勢力が所定値よりも弱ければ、ネジ溝同士が最も接近した時の間隔が所定値よりも大きくなり、分割ナット同士の間にネジ軸を挿入してもネジ軸の雄ネジが各分割ナットのネジ溝に噛み合わず、ネジ軸を一対の分割ナットで挟持できない事態に陥る。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、部品点数の増加及び構造の複雑化を招来することなく、簡単な構成でありながら、雄ネジ部材と雌ネジ部材を螺合させる作業、及び螺合状態を解除する作業に要するユーザの負担を軽減し、施錠作業や解錠作業をスムーズ且つ適切に行うことが可能なネジ締り錠、及びネジ締り錠を構成する雄ネジ部材、雌ネジ部材を提供することにある。
すなわち、本発明は、所定の移動スペース範囲内で移動可能な開閉体に設けられ且つ当該開閉体を厚み方向に貫通する姿勢で配置されるネジ軸部を有する雄ネジ部材と、ネジ軸部の先端部に設けた雄ネジに螺合可能な雌ネジを内周面に有する雌ネジ部材とを備えたネジ締り錠に関するものである。本発明における「開閉体」としては、戸や襖、衝立、或いは窓等を挙げることができる。また、本発明のおける雌ネジ部材は、雄ネジ部材が設けられた開閉体とは異なる開閉体に設けられるものであってもよいし、雄ネジ部材が設けられた開閉体の移動範囲を仕切る仕切り枠(開口枠)に直接又は他の部材を介して間接的に設けられるものであってもよい。
そして、本発明に係るネジ締り錠は、雄ネジ部材として、ネジ軸部の先端部において軸周りに対向する2つの領域を、雄ネジの溝の深さまで切除された雄ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雄ネジ切除領域同士の間を雄ネジが形成された雄ネジ形成領域に設定したものを適用するとともに、雌ネジ部材として、雌ネジ部材の内周面において軸周りに対向する2つの領域を、雌ネジの溝の深さまで切除された雌ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雌ネジ切除領域同士の間を雌ネジが形成された雌ネジ形成領域に設定したものを適用し、ネジ軸部を、雄ネジ形成領域が雌ネジ切除領域に対面し且つ雄ネジ切除領域が雌ネジ形成領域に対面する非螺合姿勢と、雄ネジ形成領域が雌ネジ形成領域に対面し且つ雄ネジ切除領域が雌ネジ切除領域に対面する螺合姿勢との間で変更可能に構成していることを特徴としている。
このような本発明に係るネジ締り錠であれば、雄ネジ部材のネジ軸部を非螺合姿勢にして雄ネジ形成領域が雌ネジ切除領域に対面する状態を確保することで、ネジ軸部の先端部を雌ネジ部材に向かってスムーズに挿入して差し込むことができるとともに、ネジ軸部の先端部を雌ネジ部材に差し込んだ状態で、雄ネジ部材のネジ軸部を非螺合姿勢から雄ネジ形成領域が雌ネジ形成領域に対面する螺合姿勢に変更することによって、雄ネジ部材のうち雄ネジ形成領域にのみ形成されている雄ネジを、雌ネジ部材のうち雌ネジ形成領域にのみ形成されている雌ネジに螺合させることができ、施錠状態になる。
特に、本発明に係るネジ締り錠は、雄ネジ部材のネジ軸部の外周面において対向する2つの領域を雄ネジ切除領域に設定し、これら2つの雄ネジ切除領域同士の間を雄ネジ形成領域に設定するという第1条件と、雌ネジ部材の内周面において対向する2つの領域を雌ネジ切除領域に設定し、これら2つの雌ネジ切除領域同士の間を雌ネジ形成領域に設定するという第2条件を満たすものであるため、ユーザが雄ネジ部材全体を軸周りにほぼ90°回転させる所定の操作力を付与することで雄ネジ部材のネジ軸部を非螺合姿勢から螺合姿勢へ変更することができ、ユーザが雄ネジ部材全体を軸周りに一回転以上回転させる操作力が要求される従来のネジ締り錠と比較して、施錠処理を簡単に行うことができる。また、本発明であれば、ユーザが雄ネジ部材全体を軸周りにほぼ90°回転させる所定の操作力を付与することで雄ネジ部材のネジ軸部を螺合姿勢から非螺合姿勢へ変更することができ、施錠を解除する処理も、ユーザが雄ネジ部材全体を軸周りに一回転以上回転させる操作力が要求される従来のネジ締り錠と比較して簡単に行うことができる。
加えて、本発明に係るネジ締り錠によれば、雄ネジ又は雌ネジの溝の深さまで切除された領域である雄ネジ切除領域及び雌ネジ切除領域を利用して、雄ネジ部材と雌ネジ部材が相互に螺合する状態や相互に螺合しない状態を上述の操作力によって実現することができ、例えばバネ等の付勢力によって良好な螺合状態を実現する態様と比較して、適切な付勢力を設計する手間も不要であり、構造の簡素化及びコンパクト化を図ることができる。
本発明において、ユーザによる施錠・解錠処理をスムーズに行うことができるようにするには、雄ネジ部材の基端部に扁平形状の摘まみ部を設け、摘まみ部の厚み方向が上下となる水平状態でネジ軸部が螺合姿勢になり、摘まみ部を水平状態に対してほぼ90°回転させた直立状態でネジ軸部が非螺合姿勢になるように構成することが好ましい。このような構成であれば、ユーザが手のひらを下に向けた自然な格好(手のひらを横に向けて親指を人差し指よりも上側にする必要のない格好)で摘まみ部を親指と人差し指で摘まんで直立状態にすることで、ネジ軸部が非螺合姿勢になり、ネジ軸部を非螺合姿勢にして行う雌ネジ部材に対する雄ネジ部材の差込処理をスムーズに行うことができる。また、差込処理に続いて、直立状態にある摘まみ部を倒伏させる方向にほぼ90°回転させる操作力を付与することで、摘まみ部が水平状態になり、これに伴って、ネジ軸部が非螺合姿勢から螺合姿勢に変更して、雄ネジ部材及び雌ネジ部材を相互に螺合させることができる。
また、本発明では、雄ネジ部材として、軸周りの特定の位置でのみ雌ネジ部材への挿脱を許容する挿脱規制部を備えたものを適用することができる。
本発明に係るネジ締り錠は、施錠・解錠が要求される開閉体に設けられるものであり、特に、導入事例が増加傾向にある木製枠を有する開閉体にも適用可能なものである。一例として、雄ネジ部材を開閉体の木製枠に当該木製枠を厚み方向に貫通する姿勢で設けた態様を挙げることができる。この場合、雌ネジ部材は、雄ネジ部材を付帯させた開閉体に対して引き違いの関係にある開閉体の適宜箇所(例えば木製枠)に配置したり、雄ネジ部材を付帯させた開閉体の移動範囲を仕切る仕切り枠(開口枠)に配置することも可能である。
また、本発明に係る雄ネジ部材は、上述のネジ締り錠を構成し、雄ネジを先端部に設けたネジ軸部を有するものであって、ネジ軸部の先端部において軸周りに対向する2つの領域を、雄ネジの溝の深さまで切除された雄ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雄ネジ切除領域同士の間を雄ネジが形成された雄ネジ形成領域に設定したものであることを特徴としている。
また、本発明に係る雌ネジ部材は、上述のネジ締り錠を構成し、雌ネジを内周面に有するものであって、当該雌ネジ部材の内周面において軸周りに対向する2つの領域を、雌ネジの溝の深さまで切除された雌ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雌ネジ切除領域同士の間を雌ネジが形成された雌ネジ形成領域に設定したものであることを特徴としている。
このような構造が複雑ではない本発明に係る雄ネジ部材や雌ネジ部材を用いることで、上述の作用効果を奏する新規有用なネジ締り錠を構成することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、雄ネジ部材として、ネジ軸部の先端部において軸周りに雄ネジ切除領域及び雄ネジ形成領域をほぼ90°ピッチで交互に設定したものを適用するとともに、雌ネジ部材として、内周面において軸周りに雌ネジ切除領域及び雌ネジ形成領域をほぼ90°ピッチで交互に設定したものを適用し、ネジ軸部を、雄ネジ形成領域が雌ネジ切除領域に対面する非螺合姿勢と、雄ネジ形成領域が雌ネジ形成領域に対面する螺合姿勢との間で変更可能に構成しているため、バネ等の付勢部材を別途用いることなく、簡単な構成でありながら、雄ネジ部材と雌ネジ部材を螺合させる作業、及び螺合状態を解除する作業に要するユーザの負担を軽減し、施錠作業や解錠作業をスムーズ且つ適切に行うことが可能なネジ締り錠を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るネジ締り錠を開閉体に適用した模式図。 図1の開閉体を全閉位置に位置付けた状態の模式図。 同実施形態に係る非螺合姿勢の雄ネジ部材を示す図。 同実施形態に係る螺合姿勢の雄ネジ部材を示す図。 同実施形態に係る中折れ状態の雄ネジ部材を示す図。 同実施形態に係る雌ネジ部材を示す図。 同実施形態に係る非施錠状態(仮ロック状態)のネジ締り錠を示す図。 同実施形態に係る施錠状態のネジ締り錠を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るネジ締り錠Xは、図1及び図2に示すように、例えば、横木等の仕切り材Sで仕切られた開口部S1(所定の移動スペース範囲)内で移動可能な第1開閉体D1,第2開閉体D2の各木製枠F1,F2に個別に設けた雄ネジ部材1と、雌ネジ部材4とを備えたものである。このネジ締り錠Xは、第1開閉体D1と第2開閉体D2の召し合わせ部分M(図2参照)に設けられ、雄ネジ部材1及び雌ネジ部材4を相互に螺合させることで、各開閉体D1,D2の相対移動を規制する施錠状態になる。
雄ネジ部材1は、図3及び図4に示すように、第1開閉体D1の木製枠F1を厚み方向に貫通する姿勢で配置されるネジ軸部2と、ユーザが例えば親指と人差し指で摘まむことが可能な摘まみ部3とを備えている。ここで、図3は、ネジ軸部2が後述する非螺合姿勢にある雄ネジ部材1を示す図であり、同図(a)は、雄ネジ部材1を木製枠F1の厚み方向に差し込んだ状態を示す側面図であり、同図(b)は、雄ネジ部材1を木製枠F1から所定距離引き抜いた状態を示す側面図であり、同図(c)は、同図(c)は、同図(a)の矢印A方向から見たネジ軸部2を示す図である。また、図4は、ネジ軸部2が後述する螺合姿勢にある雄ネジ部材1を示す図であり、同図(a)は、雄ネジ部材1を木製枠F1の厚み方向に差し込んだ状態を示す図であり、同図(b)は、雄ネジ部材1を木製枠F1から所定距離引き抜いた状態を図3(b)に対応させて示す図であり、同図(c)は、同図(a)の矢印A方向から見たネジ軸部2を示す図である。なお、図3、図4及び後述の図5では、第1開閉体D1の木製枠F1を二点鎖線で示している。
ネジ軸部2の先端部には、雄ネジ2Sが形成された雄ネジ形成領域2Aと、雄ネジ2Sの溝の深さまで例えば切削により切除された雄ネジ切除領域2Bとを軸周りに交互に設定している。本実施形態では、ネジ軸部2の外周面において軸周りに対向する2つの領域を雄ネジ切除領域2Bに設定し、これら2つの雄ネジ切除領域2Bに挟まれる領域を雄ネジ形成領域2Aに設定している。すなわち、本実施形態のネジ軸部2は、雄ネジ形成領域2Aと雄ネジ切除領域2Bをネジ軸部2の外周面において軸周りにほぼ90°ピッチで交互に設定したものである。各雄ネジ切除領域2Bは、ネジ軸部2の軸方向に沿ったフラットな平坦面に設定されている。したがって、軸周りに対向する2つの雄ネジ切除領域2Bは、相互に平行な平坦面である(図3(c)、図4(c)参照)。
本実施形態の雄ネジ部材1は、基端部に摘まみ部3を有する第1雄ネジ要素11と、先端部に雄ネジ形成領域2A及び雄ネジ切除領域2Bを有する第2雄ネジ要素12(上述のネジ軸部2)を相互に連結し、連結部分で第1雄ネジ要素11を第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)の軸方向に対してほぼ直角に曲がるように設定した中折締り錠である。具体的には、第1雄ネジ要素11と、第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)を1本の連結軸Lによって相互に連結し、第1雄ネジ要素11が第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)に対して連結軸Lを中心に回転することで、第1雄ネジ要素11を第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)の軸方向に対してほぼ直角に曲がるように構成している。なお、第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)のうち、雄ネジ形成領域2Aと雄ネジ切除領域2Bをネジ軸部2の外周面において軸周りに交互に設けた先端部を除く領域は、雄ネジ2Sの谷径(雄ネジ2Sの溝を基準にした直径)と同じ直径の円柱状に設定され、第1雄ネジ要素11のうち摘まみ部3よりも先端側の領域も、雄ネジ2Sの谷径と同じ直径の円柱状に設定されている(図3(b)等参照)。
そして、図3(a),(b)に示すように、第1雄ネジ要素11の先端部に、第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)に向かって延伸する嵌合突起13を設けるとともに、第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)の基端部に、嵌合突起13が嵌合可能な嵌合凹部14を形成し、これら嵌合突起13及び嵌合凹部14を嵌合させた状態で、第1雄ネジ要素11と第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)を共通の連結軸Lによって連結している。
本実施形態では、図3(a),(b)等に示すように、雄ネジ部材1を回転可能に支持するベース部材5を備えている。ベース部材5は、プレート状のベース本体51と、ベース本体51の背面51b(後向き面)における中心部から後方に突出する円筒状のボス部52とを有し、ボス部52の内部空間が雄ネジ支持孔53として機能するものである。ベース本体51の中心部には、ボス部52の内部空間に連通する貫通孔を形成し、当該貫通孔も雄ネジ支持孔53として機能している。雄ネジ支持孔53の内径は、雄ネジ2Sの谷径よりも大きく且つ雄ネジ2Sの外径(雄ネジ2Sの山を基準にした直径)よりも小さい値に設定されている。
このようなベース部材5の雄ネジ支持孔53に雄ネジ部材1を支持させた状態では、雄ネジ部材1の第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)が水平姿勢に保持され、軸周りに回転可能である。また、雄ネジ部材1は、雄ネジ支持孔53に支持された状態で、前後方向(ベース部材5の厚み方向)に進退移動可能である。本実施形態では、図3(a),図4(a)に示すように、第1雄ネジ要素11の摘まみ部3がベース部材5(ベース本体51)に当たる位置まで雄ネジ部材1を雄ネジ支持孔53に差し込む方向(奥方)へ移動させることが可能であり、図3(b),図4(b)に示すように、第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)の雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sがベース部材5(ボス部52)に当たる位置まで雄ネジ部材1を雄ネジ支持孔53から抜く方向(手前側)へ移動させることが可能である。また、雄ネジ部材1を手前側へ移動させた場合、雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sがベース部材5(ボス部52)に当たるよりも前の時点で、第1雄ネジ要素11全体が雄ネジ支持孔53から抜け外れ、抜け外れた時点で第1雄ネジ要素11が連結軸Lを中心に回転可能な状態になる。そして、図5に示すように、第1雄ネジ要素11が自重または外力によって連結軸Lを中心に第2雄ネジ要素12(ネジ軸部2)に対してほぼ直角になる角度まで回転すると、雄ネジ部材1全体は中折れ状態になる。なお、図5(a)は、中折れ状態にある雄ネジ部材1を図3(b)に対応させて示す図であり、図5(b)は、同図(a)の矢印A方向から見た図(中折れ状態の雄ネジ部材1の正面図)である。
ベース部材5の所定箇所(本実施形態では、ベース本体51の上端部近傍と下端部近傍の2箇所)にはネジ挿通孔54が形成されている。したがって、雄ネジ部材1をベース部材5に回転・進退動作可能に支持させた状態で、ベース部材5の背面51bを第1開閉体D1の木製枠F1に接触させて各ネジ挿通孔54に挿入したネジ55(図5(b)にのみ図示)を木製枠F1に締め付けることによって、雄ネジ部材1を第1開閉体D1に取り付けることができる。
雌ネジ部材4は、雄ネジ部材1の雄ネジ2Sに螺合可能な雌ネジ4Sを内周面に有するものである。本実施形態では、図6に示すように、例えばプレート状の取付部41と、取付部41の中心部から後方に突出して内周面に雌ネジ4Sが形成された筒状の雌ネジ本体部42とを有する雌ネジ部材4を適用している。取付部41の中心部には、雌ネジ本体部42の内周面に連続する連通孔を形成し、連通孔の内周面にも雌ネジ4Sを形成している。以後の説明では、雌ネジ本体部42の内周面及び連通孔の内周面を、「雌ネジ部材4の内周面43」とする。なお、図6(a)は、雌ネジ部材4の側面図であり、同図(b)は、同図(a)の矢印A方向から見た図である。
雌ネジ部材4の内周面43には、雌ネジ4Sが形成された雌ネジ形成領域4Aと、雌ネジ4Sの溝の深さまで例えば切削により切除された雌ネジ切除領域4Bとを軸周りに交互に設定している。本実施形態では、雌ネジ部材4の内周面43において軸周りに対向する2つの領域を雌ネジ切除領域4Bに設定し、これら2つの雌ネジ切除領域4Bに挟まれる領域を雌ネジ形成領域4Aに設定している。すなわち、本実施形態の雌ネジ部材4は、雌ネジ形成領域4Aと雌ネジ切除領域4Bを雌ネジ部材4の内周面43において軸周りにほぼ90°ピッチで交互に設定したものである。各雌ネジ切除領域4Bは、凹凸がほぼ皆無である部分円弧状の面に設定されている。本実施形態では、雌ネジ部材4の内周面43において上下方向に対向する2つの領域を雌ネジ切除領域4Bに設定している。
雌ネジ部材4の所定箇所(本実施形態では、取付部41の上端部近傍と下端部近傍の2箇所)にはネジ挿通孔44が形成されている。したがって、雌ネジ部材4の背面51bを第2開閉体D2の木製枠F2に接触させて各ネジ挿通孔44に挿入したネジB45(図6(b)にのみ図示)を第2開閉体D2の木製枠F2に締め付けることによって、雌ネジ部材4を第2開閉体D2に取り付けることができる。なお、図6では、第2開閉体D2の木製枠F2を二点鎖線で示している。
次に、このような雄ネジ部材1及び雌ネジ部材4を備えた本実施形態に係るネジ締り錠Xの使用手順及び作用について、図7及び図8等を参照して説明する。
第1開閉体D1及び第2開閉体D2がネジ締り錠Xによって施錠されていない状態であれば、これら第1開閉体D1及び第2開閉体D2は、開口部S1内で相互に平行なレール(図示省略)に沿って相互に引き違い可能に移動させることができる(図1参照)。そして、第1開閉体D1及び第2開閉体D2をネジ締り錠Xによって施錠する場合には、先ず、第1開閉体D1の木製枠F1に設けた雄ネジ部材1と、第2開閉体D2の木製枠F2に設けた雌ネジ部材4が前後方向(第1開閉体D1、第2開閉体D2の厚み方向)に重なるように、第1開閉体D1及び第2開閉体D2を所定位置まで移動させる。具体的には、図2に示すように、第1開閉体D1及び第2開閉体D2によって開口部S1を全閉可能な位置に第1開閉体D1及び第2開閉体D2を位置付ける。これにより、ネジ締り錠Xが開閉体(第1開閉体D1、第2開閉体D2)同士の召し合わせ部分Mに位置付けられる。
この時点において摘まみ部3に対して特段の操作力が付与されていなければ、摘まみ部3を含む第1雄ネジ要素11全体が連結軸Lを枢支点として垂下した姿勢にあり、雄ネジ部材1は中折れ状態にある(図2及び図5参照)。この中折れ状態では、ネジ軸部2(第2ネジ要素)の先端が第1開閉体D1(具体的には木製枠F1)の厚み寸法内に収まっているため、雄ネジ部材1が第2開閉体D2や雌ネジ部材4と干渉することはない(図5(a)参照)。
そして、ユーザが摘まみ部3を持って、垂下姿勢にある第1雄ネジ要素11の軸方向がネジ軸部2(第2ネジ要素)の軸方向と一致するように第1雄ネジ要素11を、連結軸Lを中心に上方へ回転させる。これにより、雄ネジ部材1全体が水平姿勢となる(図4(b)参照)。
次いで、ネジ軸部2を、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面し且つ雄ネジ切除領域2Bが雌ネジ形成領域4Aに対面する非螺合姿勢にする。本実施形態では、扁平形状の摘まみ部3を適用し、摘まみ部3の厚み方向が上下となる水平状態でネジ軸部2が螺合姿勢になり、雄ネジ部材1全体を水平姿勢に維持したまま摘まみ部3を水平状態から軸周りにほぼ90°回転させた直立状態でネジ軸部2が非螺合姿勢になるように設定している。したがって、摘まみ部3をユーザが例えば親指と人差し指で摘まんで、摘まみ部3の厚み方向が左右方向(幅方向)となる直立状態にすることで、ネジ軸部2を非螺合姿勢にすることができる(図3(b)参照)。
引き続いて、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で、雄ネジ部材1全体を雌ネジ部材4に向かって押し込み、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43に差し込む。この際、ネジ軸部2は非螺合姿勢にあるため、ネジ軸部2の先端部の所定領域に設定している雄ネジ形成領域2Aが、雌ネジ部材4の内周面の所定領域に設定している雌ネジ形成領域4Aに対面せず、これら雄ネジ形成領域2A及び雌ネジ形成領域4A同士が干渉する事態を回避して、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43に差し込む処理をスムーズに行うことができる(図7(b)参照)。また、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43にある程度差し込んだ時点で、図7(a)に示すように、摘まみ部3がベース部材5(ベース本体51)に当たり、雄ネジ部材1のそれ以上同一方向(雄ネジ部材1を雌ネジ部材4に差し込む方向)への移動が規制される。なお、図7(b)は、同図(a)の矢印A方向から見た要部拡大模式図である。
そして、図8(a)に示すように、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43に差し込んだ状態で、ユーザが摘まみ部3を直立状態から水平状態に変更する操作力を付与することによって、ネジ軸部2が非螺合姿勢から螺合姿勢になり、雄ネジ部材1を雌ネジ部材4に螺合させることができる。具体的には、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で所定方向にほぼ90°回転させると、摘まみ部3は直立状態から水平状態になり、これに伴って雄ネジ部材1全体がほぼ90°回転し、雄ネジ部材1は、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ形成領域4Aに対面し且つ雄ネジ切除領域2Bが雌ネジ切除領域4Bに対面する螺合姿勢になり、相互に対面する雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sと雌ネジ形成領域4Aの雌ネジ4Sが相互に螺合する(図8(b)参照)。より具体的には、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で所定方向に回転させると、その回転角度が90°未満(例えば45°程度)となる時点で、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ形成領域4Aに対面し始めて、回転角度が90°に近付くにしたがって雌ネジ形成領域4Aに対面する雄ネジ形成領域2Aの割合が増加し、螺合深さが漸次深くなり、回転角度が90°又はほぼ90°となった時点で、雄ネジ形成領域2Aの全体またはほぼ全体が雌ネジ形成領域4Aに対面し、螺合深さが最も深くなる。なお、図8(b)は、同図(a)の矢印A方向から見た要部拡大模式図である。なお、図7(b),図8(b)では、摘まみ部3及びベース部材5を省略している。
以上の処理手順を経ることによって、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、雄ネジ部材1を雌ネジ部材4に螺合させた施錠状態になり、第1開閉体D1及び第2開閉体D2の相対移動を規制することができる。なお、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で所定方向に回転させる角度が90°未満であっても、雄ネジ形成領域2Aの一部が雌ネジ形成領域4Aに対面すれば、雄ネジ形成領域2Aのうち雌ネジ形成領域4Aに対面する部分の雄ネジ2Sが、雌ネジ形成領域4Aの雌ネジ4Sに螺合が螺合することで、ネジ締り錠Xは施錠状態になる。したがって、本実施形態に係るネジ締り錠Xによれば、非螺合状態にあるネジ軸部2を所定方向に回転させる角度が90°に満たない場合であっても、雄ネジ形成領域2Aの一部が雌ネジ形成領域4Aに対面する角度(本実施形態であれば45°程度)まで回転させる操作力を付与することで、施錠状態になる。
また、本実施形態に係るネジ締り錠Xでは、施錠処理時において、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で所定方向に回転させて、その回転角度が90°に近付くにつれて、螺合深さが漸次深くなることから、前記回転角度が90°に近付くにつれて操作抵抗も漸次増大する。したがって、ユーザが操作抵抗を感じ始めてからある程度その操作抵抗が大きくなったと感じた時点(前記回転角度が90°に満たない時点であってもよい)で、摘まみ部3を回転させる操作を停止することによって、雄ネジ部材1と雌ネジ部材4の適度な螺合深さを確保することができる。
なお、施錠処理時において、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で所定方向に90°を越える角度まで回転させようとすると、その直前(回転角度が90°またはほぼ90°である時点)まで雌ネジ形成領域4Aに対面していた雄ネジ形成領域2Aの一部が雌ネジ切除領域4Bに対面し始めることになる。そして、雄ネジ形成領域2Aのうち雌ネジ切除領域4Bに対面する部分では、雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sが雌ネジ4Sに螺合し得ず、過度に大きな操作抵抗が生じることで、摘まみ部3を含む雄ネジ部材1全体のそれ以上同一方向への回転を制限することができる。
一方、本実施形態に係るネジ締り錠Xの施錠状態を解除するには、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で施錠処理時とは逆方向へ90°またはほぼ90°回転させる操作力を付与すればよい。この操作力によって、摘まみ部3が水平状態から直立状態に変更し、ネジ軸部2が螺合姿勢から非螺合姿勢になり、雄ネジ部材1と雌ネジ部材4の螺合状態を解除することができる。すなわち、摘まみ部3を水平状態から直立状態に変更すると、雄ネジ部材1は、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面し且つ雄ネジ切除領域2Bが雌ネジ形成領域4Aに対面する非螺合姿勢になり、雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sと雌ネジ形成領域4Aの雌ネジ4Sの螺合状態が解除される(図7(b)参照)。より具体的には、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で当該摘まみ部3を直立状態に起こす方向に回転させると、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面し始めて、摘まみ部3が直立状態に近付くにしたがって雌ネジ切除領域4Bに対面する雄ネジ形成領域2Aの割合が増加し、螺合深さが漸次浅くなり、摘まみ部3が直立状態になった時点で、雄ネジ形成領域2Aの全体またはほぼ全体が雌ネジ切除領域4Bに対面し、螺合状態が完全に解除される。
以上の処理手順を経ることによって、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、雄ネジ部材1と雌ネジ部材4の螺合状態を解除した状態になる。そして、ユーザが摘まみ部3を摘まんだ状態で、雄ネジ部材1全体をユーザ側(手前側)に引っ張ると、雄ネジ部材1を雌ネジ部材4から抜き外すことができる(図7(a)参照)。この際、ネジ軸部2は非螺合姿勢にあるため、ネジ軸部2の先端部の所定領域に設定している雄ネジ形成領域2Aが、雌ネジ4Sの内周面の所定領域に設定している雌ネジ形成領域4A部材に対面せず、これら雄ネジ形成領域2A及び雌ネジ形成領域4A同士が干渉する事態を回避して、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43から引き抜く処理をスムーズに行うことができる。また、雄ネジ部材1全体をユーザ側にある程度引っ張った時点で、雄ネジ形成領域2Aの雄ネジ2Sがベース部材5(ボス部52)に当たり、雄ネジ部材1のそれ以上同一方向(雄ネジ部材1を雌ネジ部材4から抜き外す方向)への移動が規制される。この時点で、雄ネジ部材1のうち摘まみ部3を含む第1雄ネジ要素11全体が、ベースよりも手前に位置付けられて露出した状態にある(図3(b)参照)。
実施形態では、摘まみ部3を直立状態にすることでネジ軸部2が非螺合姿勢になるように設定しているため、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4の内周面43から引き抜く操作によって第1雄ネジ要素11全体をユーザ側に引っ張り出し終えた時点で、摘まみ部3は直立状態にある(図3(b)参照)。この摘まみ部3を直立状態から水平状態に変更する操作力をユーザが付与すると(図4(b)参照)、摘まみ部3を含む第1雄ネジ要素11全体が連結軸Lを枢支点として垂下した姿勢に変更し、雄ネジ部材1は中折れ状態になる(図5参照)。
このように、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、雄ネジ部材1として、ネジ軸部2の先端部において軸周りに対向する2つの領域を、雄ネジ2Sの溝の深さまで切除された雄ネジ切除領域2Bに設定し、且つ軸周りにおいてこれら雄ネジ切除領域2B同士の間を雄ネジ2Sが形成された雄ネジ形成領域2Aに設定したものを適用するとともに、雌ネジ部材4として、雌ネジ部材4の内周面43において軸周りに対向する2つの領域を、雌ネジ4Sの溝の深さまで切除された雌ネジ切除領域4Bに設定し、且つ軸周りにおいてこれら雌ネジ切除領域4B同士の間を雌ネジ4Sが形成された雌ネジ形成領域4Aに設定したものを適用し、ネジ軸部2を、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面し且つ雄ネジ切除領域2Bが雌ネジ形成領域4Aに対面する非螺合姿勢と、雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ形成領域4Aに対面し且つ雄ネジ切除領域2Bが雌ネジ切除領域4Bに対面する螺合姿勢との間で変更可能に構成している。
このような本実施形態に係るネジ締り錠Xによれば、雄ネジ部材1のネジ軸部2を非螺合姿勢にして雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ切除領域4Bに対面する状態を確保することで、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4に向かってスムーズに挿入して差し込むことができるとともに、ネジ軸部2の先端部を雌ネジ部材4に差し込んだ状態で、雄ネジ部材1のネジ軸部2を非螺合姿勢から雄ネジ形成領域2Aが雌ネジ形成領域4Aに対面する螺合姿勢に変更することによって、雄ネジ部材1のうち雄ネジ形成領域2Aにのみ形成されている雄ネジ2Sを、雌ネジ部材4のうち雌ネジ形成領域4Aにのみ形成されている雌ネジ4Sに螺合させることができ、バネなどの付勢部材を要することなく、簡単な構成でありながら適切な施錠状態を実現することが可能である。
特に、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、雄ネジ部材1のネジ軸部2の外周面において対向する2つの領域を雄ネジ切除領域2Bに設定し、これら2つの雄ネジ切除領域2B同士の間を雄ネジ形成領域2Aに設定するという第1条件と、雌ネジ部材4の内周面43において対向する2つの領域を雌ネジ切除領域4Bに設定し、これら2つの雌ネジ切除領域4B同士の間を雌ネジ形成領域4Aに設定するという第2条件を満たすものであるため、ユーザが雄ネジ部材1全体を軸周りにほぼ90°回転させる所定の操作力を付与することで雄ネジ部材1のネジ軸部2を非螺合姿勢から螺合姿勢へ変更することができ、ユーザが雄ネジ部材1全体を軸周りに一回転以上回転させる操作力が要求される従来のネジ締り錠と比較して、施錠処理を簡単に行うことができる。また、実施形態に係るネジ締り錠Xであれば、ユーザが雄ネジ部材1全体を軸周りにほぼ90°回転させる所定の操作力を付与することで雄ネジ部材1のネジ軸部2を螺合姿勢から非螺合姿勢へ変更することができ、施錠を解除する処理も、ユーザが雄ネジ部材1全体を軸周りに一回転以上回転させる操作力が要求される従来のネジ締り錠と比較して簡単に行うことができる。
加えて、本実施形態に係るネジ締り錠Xによれば、雄ネジ2S又は雌ネジ4Sの溝の深さまで切除された領域である雄ネジ切除領域2B及び雌ネジ切除領域4Bを利用して、雄ネジ部材1と雌ネジ部材4が相互に螺合する状態や相互に螺合しない状態を、ユーザが上述の操作力を付与することによって実現することができ、例えばバネ等の付勢力によって良好な螺合状態を実現する態様と比較して、適切な付勢力を設計する手間も不要であり、構造の簡素化及びコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、非螺合姿勢にあるネジ軸部2を雌ネジ部材4の内周面43に差し込んだだけの状態(ネジ軸部2は非螺合姿勢のまま)であっても、第1開閉体D1及び第2開閉体D2の相対移動を若干あそびのある状態で制限することができる。このような状態を「仮ロック状態」とすれば、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、仮ロック状態にしてから、ネジ軸部2を非螺合姿勢から螺合姿勢に変更することで、第1開閉体D1及び第2開閉体D2の相対移動をほぼ皆無に制限するロック状態になる。したがって、第1開閉体D1及び第2開閉体D2の相対移動をある程度制限すればよい場面等では、ネジ締り錠Xを仮ロック状態にすることで足り、施錠レベルに応じて、仮ロック状態とロック状態を使い分けることが可能である。
また、本実施形態に係るネジ締り錠Xでは、雄ネジ部材1の基端部に扁平形状の摘まみ部3を設け、摘まみ部3の厚み方向が上下となる水平状態でネジ軸部2が螺合姿勢になり、摘まみ部3を水平状態に対してほぼ90°回転させた直立状態でネジ軸部2が非螺合姿勢になるように構成しているため、ユーザが手のひらを下に向けた自然な格好(手のひらを横に向けて親指を人差し指よりも上側にする必要のない格好)で摘まみ部3を親指と人差し指で摘まんで直立状態にすることで、ネジ軸部2が非螺合姿勢になり、ネジ軸部2を非螺合姿勢にして行う雌ネジ部材4に対する雄ネジ部材1の差込処理をスムーズに行うことができる。また、差込処理に続いて、直立状態にある摘まみ部3を倒伏させる方向にほぼ90°回転させる操作力を付与することで、摘まみ部3が水平状態になり、これに伴って、ネジ軸部2が非螺合姿勢から螺合姿勢に変更して、雄ネジ部材1及び雌ネジ部材4を相互に螺合させることができる。
また、本実施形態に係るネジ締り錠Xは、施錠・解錠が要求される開閉体D1,D2同士の間に設けられるものであり、特に、木製枠を有する開閉体の導入事例が増加傾向にある建築物において、上述の木製枠F1,F2に本実施形態に係るネジ締り錠Xを適用することで、上述のメリットを得ることができ、実用性・使い勝手が格段に向上する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、雄ネジ部材における雄ネジ形成領域と雄ネジ切除領域をネジ軸部の軸周りにほぼ90°ピッチで交互に設定した態様を例示したが、ネジ軸部の軸周りにおける雄ネジ形成領域を雄ネジ切除領域よりも大きく設定、あるいは小さく設定する等、ネジ軸部の軸周りにおける雄ネジ形成領域と雄ネジ切除領域の比率を適宜調整することができる。雌ネジ部材の内周面における雌ネジ形成領域及び雌ネジ切除領域の比率も雄ネジ部材に応じて適宜調整することができる。
また、ネジ軸部における雄ネジ形成領域及び雄ネジ切除領域の軸方向に沿った寸法は、雌ネジ部材の軸方向に沿った雌ネジ形成領域や雌ネジ切除領域の寸法に応じて適宜設定すればよい。
上述の実施形態では、基端部に扁平形状の摘まみ部を有し、摘まみ部の厚み方向が上下となる水平状態でネジ軸部が螺合姿勢になり、摘まみ部を水平状態に対してほぼ90°回転させた直立状態でネジ軸部が非螺合姿勢になる態様を例示したが、摘まみ部を水平状態にすることでネジ軸部が非螺合姿勢になり、摘まみ部を直立状態にすることでネジ軸部が螺合姿勢になるように設定しても構わない。なお、ネジ軸部の軸周りにおける雄ネジ形成領域と雄ネジ切除領域の比率が相互に異なるように設定した構成であれば、摘まみ部を水平状態と直立状態の間で切り替える操作が、ネジ軸部の螺合姿勢・非螺合姿勢の変更に直結しなくなる。この場合、摘まみ部として、例えば単純な棒状のもの等、扁平状以外の形状のものを適用してもよい。
また、ネジ軸部が螺合姿勢であることを示す目印を雄ネジ部材の適宜箇所に設けたり、施錠時のネジ軸部の回転方向、開錠時のネジ軸部の回転方向の何れか一方、又は両方を示す目印を雄ネジ部材の適宜箇所に設けることもできる。
特に、雄ネジ部材として、軸周りの特定の位置でのみ雌ネジ部材への挿脱を許容する挿脱規制部を備えたものを適用することができる。具体例としては、雄ネジ部材の所定箇所(例えばネジ軸部のうち雄ネジ形成領域や雄ネジ切除領域が設定されている領域よりも基端部側の所定箇所)における外周面の一部に、径方向に突出する突起部を設け、この突起部を挿脱規制部として機能させることができる。この場合、上述の実施形態におけるベース部材の雄ネジ支持孔に、雄ネジ部材の突起部の通過を許容する凹部を軸方向に連続して形成し、凹部に突起部が若干あそびのある状態で嵌合する姿勢に雄ネジ部材を設定すれば、雄ネジ部材が自ずと非螺合姿勢になり、当該姿勢にある雄ネジ部材を雌ネジ部材にスムーズに差し込むことができる。なお、雄ネジ部材を雄ネジ部材に差し込んだ時点で、雄ネジ部材の突起部がベース部材の雄ネジ支持孔を完全に通過するように、雄ネジ部材における軸方向に沿った突起部の形成領域を設定している。これにより、雄ネジ部材を雌ネジ部材に差し込んだ後に非螺合姿勢から螺合姿勢に変更する施錠処理、及び雄ネジ部材を螺合姿勢から非螺合姿勢に変更する解錠処理もスムーズに行うことができる。また、雄ネジ部材を雌ネジ部材から引き抜く際も、ベース部材の凹部に突起部が若干あそびのある状態で嵌合する姿勢に雄ネジ部材を設定することで、当該引き抜き処理もスムーズに行うことができる。
本発明では、施錠時や開錠時にユーザが操作力を直接付与する操作部として、摘まみ部に代えて、例えばユーザが1本または複数本の指を掛けることが可能な指掛け部や、ハンドル状あるいはレバー状のもの等、適宜のものを適用することが可能である。
また、上述の実施形態では中折れタイプの雄ネジ部材を例示したが、中折れしないタイプの雄ネジ部材を例示してもよい。この場合、開錠状態で雄ネジ部材全体を開閉体から抜き出して垂下姿勢となるように設定することも可能である。
本発明に係るネジ締り錠は、木製以外の枠に設けたり、引き戸以外の開閉体(窓等)に設けることができる。また、雌ネジ部材を、雄ネジ部材が設けられた開閉体によって開閉される開口部の仕切り枠(開口枠)に配置してもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…雄ネジ部材
2…ネジ軸部
2A…雄ネジ形成領域
2B…雄ネジ切除領域
2S…雄ネジ
3…摘まみ部
4…雌ネジ部材
4A…雌ネジ形成領域
4B…雌ネジ切除領域
4S…雌ネジ
D1,D2…開閉体(第1開閉体,第2開閉体)
F1,F2…枠(第1木製枠,第2木製枠)
X…ネジ締り錠

Claims (6)

  1. 所定の移動スペース範囲内で移動可能な開閉体の枠に設けられ且つ当該開閉体を厚み方向に貫通する姿勢で配置されるネジ軸部を有する雄ネジ部材と、前記ネジ軸部の先端部に設けた雄ネジに螺合可能な雌ネジを内周面に有する雌ネジ部材とを備え、
    前記雄ネジ部材は、前記ネジ軸部の先端部において軸周りに対向する2つの領域を、前記雄ネジの溝の深さまで切除された雄ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雄ネジ切除領域同士の間を前記雄ネジが形成された雄ネジ形成領域に設定したものであり、
    前記雌ネジ部材は、前記雌ネジ部材の内周面において軸周りに対向する2つの領域を、前記雌ネジの溝の深さまで切除された雌ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雌ネジ切除領域同士の間を前記雌ネジが形成された雌ネジ形成領域に設定したものであり、
    前記ネジ軸部を、前記雄ネジ形成領域が前記雌ネジ切除領域に対面し且つ前記雄ネジ切除領域が前記雌ネジ形成領域に対面する非螺合姿勢と、前記雄ネジ形成領域が前記雌ネジ形成領域に対面し且つ前記雄ネジ切除領域が前記雌ネジ切除領域に対面する螺合姿勢との間で変更可能に構成していることを特徴とするネジ締り錠。
  2. 前記雄ネジ部材は、基端部に扁平形状の摘まみ部を有し、前記摘まみ部の厚み方向が上下となる水平状態で前記ネジ軸部が螺合姿勢になり、前記摘まみ部を前記水平状態に対してほぼ90°回転させた直立状態で前記ネジ軸部が非螺合姿勢になる請求項1に記載のネジ締り錠。
  3. 前記雄ネジ部材は、軸周りの特定の位置でのみ前記雌ネジ部材への挿脱を許容する挿脱規制部を有するものである請求項1又は2に記載のネジ締り錠。
  4. 前記雄ネジ部材は、前記開閉体の木製枠に設けられ且つ当該木製枠を厚み方向に貫通する姿勢で配置されるものである請求項1乃至3の何れかに記載のネジ締り錠。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のネジ締り錠を構成し、雄ネジを先端部に設けたネジ軸部を有する雄ネジ部材であって、
    前記ネジ軸部の先端部において軸周りに対向する2つの領域を、前記雄ネジの溝の深さまで切除された雄ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雄ネジ切除領域同士の間を前記雄ネジが形成された雄ネジ形成領域に設定したものであることを特徴とする雄ネジ部材。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載のネジ締り錠を構成し、雌ネジを内周面に有する雌ネジ部材であって、
    当該雌ネジ部材の内周面において軸周りに対向する2つの領域を、前記雌ネジの溝の深さまで切除された雌ネジ切除領域に設定し、且つ軸周りにおいてこれら雌ネジ切除領域同士の間を前記雌ネジが形成された雌ネジ形成領域に設定したものであることを特徴とする雌ネジ部材。
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