図1に、リペアユニットを含むシステム(リペア装置)の全体構成の概略を平面図により示している。図2に、システムの全体構成の概略を正面図により示している。このシステム(リペア装置)1は、導電性ボールBが搭載されたワークWの導電性ボールBの搭載欠陥の処理(リペア)をするリペアユニット30を含む。ワークWは、回路基板、半導体チップを製造するウエハ、ウエハレベルCSP(Chip Size Package)などを含み、導電性ボールBが搭載されるすべての基板、パッケージを含む。導電性ボールBの搭載欠陥とは、導電性ボールBが搭載されていない電極(搭載ミス、搭載抜け、搭載漏れ)が発見されること、ワークWの予定されていない位置に導電性ボール(余剰ボール)が発見されることなどを示す。余剰ボールは、1つの電極Eに複数の導電性ボールBの搭載が発見されることや、変形していたり、サイズが異なる導電性ボールが発見されることも含む。
リペアユニット30は、搭載状態を検査し、搭載欠陥(搭載ミス)がある場合は、搭載抜け(搭載漏れ)したワークWの電極E上にフラックスを塗布して導電性ボールBを搭載したり、余剰に搭載されたボールBをワークWから排除して、所定の位置(電極E上)に導電性ボールBを再搭載する機能を含む。
リペア装置1は、処理対象のワークWをステージ11に搭載し、リペアユニット30にワークWのリペア処理が必要な個所を相対的に移動するステージユニット10と、リペアユニット30で処理を行う前にワークWの表面全体の状態を観察して搭載欠陥の場所を特定する検査ユニット(観察ユニット)20と、ストッカーやベルトコンベアからワークWを受け入れる受入ユニット2と、受入ユニット2からワークWをステージ11に搭載するハンドユニット2aと、リペアユニット30における処理が終了したワークWを排出する排出ユニット3と、排出ユニット3にワークWを移動するハンドユニット3aと、これらのユニットの動きを制御する制御装置70とを有する。ステージユニット10は、ワークWが搭載されたステージ11を左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動して、検査ユニット20でワークWの搭載欠陥を観察した後、搭載欠陥の処理が必要な個所をリペアユニット30の下で位置合わせし、リペアユニット30で搭載欠陥を1か所ずつ処理する。
このリペア装置1において処理の対象となるワークWの一例は、複数のICチップが形成されたウエハ、1または複数のICチップを搭載した基板、あるいは、それらの基板を製造するための基板プレートなどであり、少なくとも一方の面の少なくとも一部に導電性ボールBが配置(搭載)されたものである。ワーク(ワークピース)Wはプリント配線板、半導体基板、積層型の半導体装置、ガラス基板などであってもよい。積層型の半導体基板は、インターポーザにチップ(半導体集積回路装置)が搭載された状態でエポキシ樹脂などの適当なモールド樹脂により一体でパッケージングされたもの、コアレス基板にチップが搭載された状態でパッケージングされたもの、さらには、WLPなどを含む。以下の説明のワークWは積層型半導体装置であり、ワークWの表面(実装面)には複数の電極Eが所定のパターンで形成され、上流のボール搭載装置により導電性ボールBが搭載されている。
ワークWの表面に形成された複数の電極Eに搭載される導電性ボールBは、電気的な接続を得るための電極(バンプ)として機能するものであり、その直径は例えば1mm以下具体的には10〜500μm程度である。本例の導電性ボールは、60μm程度の半田ボールである。
ステージユニット10は、本体ベース4に対し、ステージ11をX方向に移動するXユニット12と、ステージ11をY方向に移動するYユニット13とを含む。ステージユニット10は、ステージ11をXY面内で回転させたり、上下方向(Z方向)に移動させたりする機能を含んでいてもよい。ステージユニット10は、各ピックアップユニット41、51および61のノズル44、54および64のX−Y方向およびZ方向の位置を検出するキャリブレーションユニット16を含む。
検査ユニット20は、ステージユニット10に搭載されたワークWの表面全体の状態を観察する2台の検査カメラユニット(観察カメラユニット)21および22と、ワークWの搭載欠陥をオペレータが監視(目視、修正)するためのベリファイカメラユニット23とを含む。検査カメラユニット21および22は、それぞれのカメラをZ方向に移動するユニット21aおよび22bを含み、ベリファイカメラユニット23も、カメラをZ方向に移動するユニット23aを含む。ワークWを搭載したステージ11は検査ユニット20の下で組織的に動いてワークWの全域を検査ユニット20が観察し、検査ユニット20により搭載欠陥の場所を特定する。
検査カメラユニット21および22は、Y方向に延びる第1のフレーム5にY方向に2台並んで設置されている。検査カメラユニット21は、カメラ駆動ユニット24により第1のフレーム5に沿ってY方向に移動可能に支持されている。カメラ駆動ユニット24により2台の検査カメラユニット21および22の距離(ピッチ)を変更することにより、サイズの異なるワークWに対しても効率的にワークWの表面全体を検査できる。ベリファイカメラ23は、ベース4に固定されてY方向に延びる第2のフレーム6と第1のフレーム5とを接続するX方向に延びた接続フレーム7に固定されている。
リペアユニット30は、検査ユニット20により位置が特定された搭載欠陥のそれぞれを個別に処理する。リペアユニット30は、ワークWの導電性ボールBが搭載されていない個々の電極E上にフラックスFを転写(塗布)するフラックス転写ユニット(フラックス塗布ユニット)40と、フラックスFが転写された電極Eのそれぞれの上に導電性ボールBを1つずつ搭載するボール搭載ユニット50と、ワークW上に発見された余剰ボールを個々に、1つずつ除去(排除)する余剰ボール除去ユニット60とを含む。フラックス塗布ユニット40、ボール搭載ユニット50および余剰ボール除去ユニット60は、X方向に沿ってこの順番にそれぞれ接続フレーム7に固定されている。
リペアユニット30は、検査ユニット20とは別に、フラックス転写ユニット40、ボール搭載ユニット50および余剰ボール除去ユニット60のそれぞれのピックアップユニットに隣接して配置され、処理対象の搭載欠陥の位置を、それぞれのユニットの処理の前に再確認するアライメントカメラユニット(個別カメラユニット)39を含む。それぞれのユニットの近傍に設けられたアライメントカメラユニット39により、リペア処理前に、リペア処理対象の位置を個別に、さらに高精度で確認して処理対象の位置合わせを行う。
たとえば、余剰ボール除去ユニット60は、ピックアップユニット61に接近した位置、具体的には隣り合う位置に、余剰ボール除去ユニット60のピックアップユニット61に対するワークWの処理対象の位置決めを行うアライメントカメラユニット39を含む。ピックアップユニット61に対する移動距離が短い位置に設置されたアライメントカメラユニット39により除去すべき余剰ボールB1の位置を認識することにより、認識した位置からピックアップユニット61の下までの移動距離が短くなる。このため、処理対象の余剰ボールB1と、それをピックアップするピックアップユニット61の先端との位置合わせを、より高精度で行うことが可能となる。フラックス転写ユニット40およびボール搭載ユニット50も、同様にアライメントカメラ39を備えており、上記と同様に、個々のユニットで処理するための位置決め精度を向上できる。
リペアユニット30は、フラックス転写ユニット40の下方をY方向に出入りするフラックス供給トレイ(フラックストレイ)31を有する。フラックス転写ユニット40は、フラックストレイ31からフラックスFをピックアップしてワークWの電極Eに転写するピックアップユニット41と、ピックアップユニット41をZ方向に移動することにより先端49を上下に移動する駆動ユニット43とを含む。搭載欠陥の処理のための対象物(処理対象物)であるフラックスFを転写するピックアップユニット41の先端部分は、先細りになった針状部材(ニードル、転写ノズル、転写ピン)であり、ピックアップユニット41は、先端49を支持する部材である転写ピン44と、転写ピン44が上下に摺動する支持ユニット45と、支持ユニット45を保持するホルダー48とを含み、ホルダー48を駆動ユニット43が制御ユニット75の制御により上下に動かす。支持ユニット45の一例はリニアセンサである。
リペアユニット30は、さらに、ボール搭載ユニット50の下方をY方向に出入りするボール供給トレイ(ボールトレイ)32を有する。ボール搭載ユニット50は、ボールトレイ32から導電性ボールBをピックアップして、フラックスFが塗布されたワークWの電極Eに搭載するピックアップユニット51と、ピックアップユニット51をZ方向に移動することにより先端59を上下に移動する駆動ユニット53とを含む。
ピックアップユニット51は、吸引ノズル54と、吸引ノズル54を上下に摺動するように支持する支持ユニット55と、支持ユニット55を保持するホルダー58とを含み、ホルダー58を駆動ユニット53が制御ユニット76の制御により上下に動かす。支持ユニット55の一例はリニアセンサである。
リペアユニット30は、さらに、余剰ボール除去ユニット60の下方をY方向に出入りするクリーニングユニット80を有する。余剰ボール除去ユニット60は、ワークWから余剰ボールB1をピックアップしてクリーニングユニット80に廃棄するピックアップユニット61と、吸引ノズル64と、吸引ノズル64を上下に摺動するように支持する支持ユニット65と、支持ユニット65を保持するホルダー68とを含み、ホルダー68を駆動ユニット63が制御ユニット77の制御により上下に動かす。支持ユニット65の一例はリニアセンサである。
制御装置(制御ユニット)70は、CPUおよびメモリを含み、ステージ11に搭載されたワークWを検査ユニット20により検出(観察)して、ワークWの搭載欠陥の位置を特定する機能(欠陥検出機能、欠陥位置特定機能)71と、検出された搭載欠陥を1つずつリペアユニット30によりリペアする機能(リペア機能)72とを含む。リペア機能72は、フラックス転写ユニット40、ボール搭載ユニット50および余剰ボール除去ユニット60をそれぞれ制御する制御ユニット75、76および77を含む。
図3に、搭載欠陥のいくつかの例を模式的に示している。図3(a)は、正常状態であり、すべての電極E上に導電性ボールBが一対一で搭載されている。図3(b)は、搭載欠陥の1つである搭載漏れを示す。電極E1上に導電性ボールBが搭載されていない。リペアユニット30は、搭載漏れの電極E1上に、フラックス転写ユニット40によりフラックスFを転写した後、ボール搭載ユニット50により導電性ボールBを搭載する。
図3(c)は、搭載欠陥の1つである余剰ボールB1を示す。この例は位置ずれであり、電極E1の位置からずれて搭載された余剰ボールB1がある。リペアユニット30は、余剰ボール除去ユニット60により、ずれて搭載されたボールB1をワークW上から除去する。続いて、フラックス転写ユニット40よりこの電極E1上にフラックスFを転写し、ボール搭載ユニット50により導電性ボールBを搭載する。図3(d)も余剰ボールの例である。この例は過剰搭載であり、電極E1の位置に2つの導電性ボールB1およびB2が搭載されている。リペアユニット30は、ボール除去ユニット60により、この電極E1上の導電性ボールB1およびB2をそれぞれ取り除く。続いて、フラックス転写ユニット40よりこの電極E1上にフラックスFを転写し、ボール搭載ユニット50により導電性ボールBを搭載する。余剰の導電性ボールB2を除去した後に、導電性ボールB1の状態が正常と判断される場合は、ボールB1の除去および新たな導電性ボールの搭載を省略してもよい。
図4に、余剰ボールの他の例を示している。電極Eとは無関係な位置に余剰ボールB1が搭載されている。検査ユニット20により、余剰ボールB1が発見されると、ベリファイカメラ23により得られた画像によりオペレータが余剰ボールB1であることを確認でき、オペレータが余剰ボールB1の除去を含むリペア処理の開始を指示できる。オペレータを介さずに検査カメラユニット21および22で観察された結果に基づいてシステム1(制御ユニット70)が自動的にリペアユニット30を用いてリペア処理を開始してもよい。
図5に、リペアユニット30の余剰ボール除去ユニット60の構成と動きとを示している。余剰ボールB1をピックアップするピックアップユニット61の先端は、先細りで処理対象物である余剰ボール(導電性ボール)B1を吸引する吸引ノズル64であり、ピックアップユニット61は、先端69を支持する部分(支持部材、支持部分)である吸引ノズル64と、吸引ノズル64を上下に摺動するように支持する支持ユニット65と、支持ユニット65を保持するホルダー(キャリッジ)68とを含み、ホルダー68を駆動ユニット63が制御ユニット77の制御により上下に動かす。駆動ユニット63は、エンコーダなどを用いて駆動ユニット63がホルダー68の駆動量(変位量、移動量)を制御ユニット77にフィードバックする駆動量検出ユニット66を含む。
支持ユニット65は接触センサまたは接触式変位センサ(摺動式リニアセンサ)であり、高精度のリニアセンサであれば、先端69の摺動を0.1μm程度の精度で検出し、変位を1μm程度の精度で測定することができる。リニアセンサ65の検出精度は、一例であり、ピックアップする対象物により精度は変更できる。この余剰ボール除去ユニット60においては、支持ユニットであるリニアセンサ65がピックアップユニット61の先端69が処理対象物ある余剰ボールB1に接触したことを検出する接触検出ユニットとしても動作する。摺動式または接触式のリニアセンサ65は、本体65aに対して摺動するセンサヘッド(プローブ)65bと、本体65aに対するヘッド65bの変位の有無と変位量(摺動距離)とを検出して制御ユニット77にフィードバックする検出ユニット65cとを含む。
低摺動抵抗型のリニアセンサ65としては、マグネットスケールタイプのリニアセンサが市販されている。渦電流センサ、エンコーダ、静電容量センサ、光学センサなどの他のタイプのリニアセンサであってもよい。
ピックアップユニット61は、さらに、吸引ノズル64の先端69に吸引(吸着)用の負圧を形成するために、吸引ノズル64を外部の真空ポンプなどの負圧を生成するユニット(不図示)と接続するコネクタ67と、コネクタ67を介して吸引ノズル64からの空気のフローを検出するフローセンサ67aとを含む。フローセンサ67aにより吸引ノズル64の先端69に導電性ボールBが吸着されているか否かを判断できる。吸引ノズル64は、コネクタ67を介してリニアセンサ65のセンサヘッド65bに接続されており、駆動ユニット63により、リニアセンサ65を介して上下に移動する。
余剰ボール除去ユニット60を制御する制御ユニット77は、駆動ユニット63によりピックアップユニット61を第1の速度V1で下降させる第1の動作M1を行う第1のユニット77a、第1の速度V1より遅い第2の速度V2でピックアップユニット61を上昇させる第2の動作M2を行う第2のユニット77b、第2の動作M2の前に、第2の速度V2よりも速い第3の速度V3でピックアップユニット61を上昇させる第3の動作M3を行う第3のユニット77c、第1の動作M1の前および第2の動作M2の後に、第1の速度V1より速い第4の速度V4でピックアップユニット61を上下させる第4の動作M4を行う第4のユニット77dを含む。なお、図5(b)〜(e)は、制御ユニット77の図示を省略している。
図5(a)に示すように、まず、余剰ボール除去ユニット60のアライメントカメラユニット39により確認された位置へワークWを移動し、除去対象の導電性ボールB1が吸引ノズル64の真下となるようにワークWをセットする。第4のユニット77dが、駆動ユニット63によりピックアップユニット61、具体的にはホルダー68を、ワークWが移動する際にホルダー68がセットされる上方のホームポジションから速度(第4の速度)V4、たとえば200mm/sで、予め設定された高さまで降下し(第4の動作M4)、設定された高さに到達すると降下速度を第4の速度V4より遅い第1の速度V1、たとえば20mm/sに切り替える(第1の動作M1)。速度を切り替える高さは、ピックアップユニット61の先端69が余剰ボールB1に接触することがない高さ、たとえば、ワークWの表面から導電性ボールの3〜10倍程度に設定される。速度を切り替える高さ(位置)は、処理対象の余剰ボールB1の存在形態や形状により自動的に変更してもよい。
図5(b)に示すように、速度V1で降下中に、先端69が、余剰ボールB1に当たる(接触する)と、吸引ノズル64に除去ボール(余剰ボール)B1が密着し、フローメータ(フローセンサ)67aによりボールB1が吸着したことを検出できる。また、先端69が導電性ボールB1に接触すると、リニアセンサ65のセンサヘッド65bが本体65aに対して変位する。このため、ユニット77aは、リニアセンサ65が接触センサとして先端69がボールB1に到達したことを示す結果、および/またはフローセンサ67aにより先端69にボールB1が密着した結果を使用して、駆動ユニット63を停止する。この例においては、リニアセンサ65の感度が高いので、リニアセンサ65により駆動ユニット63を停止し、フローセンサ67aの結果により先端69にボールBが吸着しているか否かを判断する。この際、リニアセンサ65のセンサヘッド65bは、ホルダー68が停止するまで摺動距離SDだけ変位する。
フローセンサ67aのみの検出で先端69がボールB1に接触したことを判断することは可能であるが、フローセンサ67aにより接触を検出した後、即座に、駆動ユニット63を停止しないと先端69がボールB1に食い込んだり、先端69がボールB1をワークWに押し込む可能性があり、除去対象の余剰ボールB1を除去し難くなる可能性がある。このため、駆動ユニット63の降下速度を非常に低く、たとえば、1mm/s以下に設定し、フローセンサ67aが動作した後に先端69がほとんど降下しないようにする必要がある。
センサヘッド65bが摺動するリニアセンサ65を採用することにより、リニアセンサ65が先端69の接触を感知してから摺動可能な距離内で駆動ユニット63を停止すれば、上記のようなトラブルは防止できる。したがって、先端69を余剰ボールB1に接触させる工程において、ピックアップユニット61の降下速度を大幅に高速化でき、余剰ボールB1の除去作業に要する時間を短縮できる。
リニアセンサ65の検出ユニット65cは、リニアセンサ65のセンサヘッド65bの摺動距離SDを測定して、ユニット77aにフィードバックする。摺動距離SDは、吸引ノズル64の先端69が導電性ボールB1に当たってからホルダー68が停止するまでにホルダー68が降下した距離に相当する。
図5(c)に示すように、第3のユニット77cは、駆動ユニット63によりホルダー68を、第3の速度V3、たとえば降下速度V1と同じ20mm/sで、摺動距離SDだけ上昇する(第3の動作M3)。ホルダー68が停止した位置からリニアセンサ65が摺動した距離SDだけホルダー68を上昇しても、リニアセンサ65のセンサヘッド65bがリニアセンサ65内のホームポジションに戻るだけでありセンサヘッド65bは動かない。このため、センサヘッド65bの先に装着された吸引ノズル64の先端69は上昇せず、除去ボール(余剰ボール)B1と先端69との位置は変わらない。したがって、摺動距離SDだけ比較的速い速度でホルダー68を上昇することによる弊害はなく、ホルダー68の上昇に要する時間を短縮できる。また、低摺動抵抗型のリニアセンサ65を採用することによりホルダー68が停止するまでにリニアセンサ65が摺動する距離SDが長くなっても、摺動距離SDだけ比較的高速で引き上げることにより、摺動距離SDが長くなるディメリットは解消でき、分解能の高いリニアセンサ65を採用できる。
図5(d)に示すように、第2のユニット77bは、摺動距離SDだけホルダー68を上昇した後、駆動ユニット63によりホルダー68を、非常に低い(遅い)速度(第2の速度)V2、たとえば、0.05mm/sに切り替えて上昇する(第2の動作M2)。先端69を引き上げる際は、先端69が吸引した余剰ボールB1がワークWに残ったり、落下して再付着しないように低速度で、ゆっくりと(徐々に)ワークWまたは隣接した導電性ボールBから離す(剥がす、分離する)必要がある。この余剰ボール除去ユニット60においては、吸引ノズル64をワークWから低速V2で、徐々に引き上げる第2の動作M2に先立って、摺動距離SDだけ、速度V2よりも高速の速度V3でホルダー68を引き上げることにより、余剰ボールB1を除去する処理に要する時間を短縮できる。
図5(e)に示すように、第4のユニット77dは、先端69がワークWから所定の距離D1だけ離れると、駆動ユニット63によりホルダー68を上昇する速度を第2の速度V2から、それよりも早い速度(第4の速度)V4、たとえば、ホームポジションから下降する速度と同じ200mm/sで上昇させる(第4の動作M4)。余剰ボールB1が吸着した先端69がワークWに影響を与えない範囲に上昇した後は、ホルダー68を下降したときと同様に高速でホルダー68を上昇することにより、上昇に要する時間を短縮できる。
上昇速度を高速に切り替える位置(第1の変位)D1は、余剰ボールB1の直径の1〜20倍程度が望ましく、上限は、直径の3倍または2.5倍程度であることが望ましい。たとえば、距離D1は,0.06〜0.15mmである。この距離D1は、予め設定してあってもよく、摺動距離SDなどにより自動的に設定してもよく、移動時間により判断してもよい。吸引ノズル64の先端69またはそれに相当する位置を検出する光学的あるいはその他のタイプのセンサを設けて、先端69の変位(第1の変位)D1を取得して、ワークW等から分離中か否かを判断してもよい。
上述した各速度V1〜V4は一例であり、たとえば、余剰ボールB1に接触するまで下降する第1の速度V1は、0.5〜100mm/s、さらに1〜50mm/sが望ましく、余剰ボールB1をワークWから引き剥がす際に上昇する第2の速度V2は、0.05〜5mm/s、さらに0.1〜1mm/sが好ましい。摺動距離SDだけ高速に上昇させる第3の速度V3は、1〜100mm/s、さらに5〜50mm/sが望ましい。ホームポジションから下降する速度およびホームポジションへ上昇する速度は、20〜2000mm/sである。
余剰ボール除去ユニット60が余剰ボールB1をピックアップしてホームポジションまで上昇すると、余剰ボール除去ユニット60の下方にクリーニングユニット80が移動する。駆動ユニット63は、ホルダー68を降下させて、吸引ノズル64の先端69をクリーニングユニット80に挿入し、吸引ノズル64の先端69に吸着した余剰ボール(導電性ボール)B1を除去する。
図6に、吸着ノズル(吸引ノズル)64の先端69を拡大し、先端の部分を断面により示している。図6(a)に示すように、吸引ノズル64は、外径が余剰ボール(導電性ボール)B1の直径と同程度または若干大きな管状または先細りの円筒状で、内部に軸方向に沿って余剰ボールB1を吸引するために先端69を負圧にする流路(吸引孔)91を含む。吸引ノズル64は、少なくとも先端部分92が先端69に向かって先細りになっている方が、除去対象の余剰ボールB1のみに対してアクセス(アプローチ)しやすい。吸引ノズル64の先端69の内側は、吸引孔91が先端69に向けてテーパー状に拡張した吸着面93を含む。
図6(b)に示すように、テーパー状に先端69に向かって内部が広がる吸着面93を設けることにより、余剰ボールB1(導電性ボールB)は先端69ではなく吸着面93に接する。このため、吸引孔91を広げずに先端69に導く形状と比較し、鋭角になりやすい先端69が余剰ボールB1に接して余剰ボールB1が先端69に食い込んで、先端69から離れにくくなる可能性を抑制できる。また、先端69に向かってテーパー状に広がった吸着面93は、余剰ボールB1の球面とフィットしやすく、余剰ボールB1の球面との接触を安定して保持できる。吸着面93は、平面であってもよく、内側に凸の曲面であってもよく、凹面であってもよい。
図7に、クリーニングユニット80の概略構成を示している。図7(a)は、クリーニングユニット80の正面図であり、図7(b)は、側面図である。クリーニングユニット80は、挿入された余剰ボール除去ユニット60のノズル64の先端69をクリーニングする回転ブラシ81と、回転ブラシ81を回転駆動するモータ82と、回転ブラシ81が収納されたハウジング83と、ハウジング83内を負圧にする負圧ユニット84とを含む。負圧ユニット84は、ハウジング83の側壁に形成された吸引ダクト85および吸気口86と、真空ポンプなどの負圧発生部(不図示)とを含む。ハウジング83は、上壁に、除去ノズルが出入りする開口87を含む。回転ブラシ81は、回転軸89方向に延びる複数の毛88の束を含み、吸引ノズル64に対して回転軸89が直交し、回転ブラシ81の頂点に対して回転方向の後側BWで回転ブラシの毛88が吸引ノズル64に接触するように偏心して配置されている。
クリーニングユニット80に除去ユニット60の吸引ノズル64を挿入し、吸引ノズル64による吸引を解除するとともに、吸引ノズル64の先端69を回転ブラシ81の毛88に接触させることにより、吸引ノズル64の先端69に保持された余剰ボールB1を、素早く、確実に取り除くことができる。余剰ボールB1は、回転ブラシ81によりハウジング83の下方に向かって掃き落とされる(掻き落とされる)ため、開口87等から周囲に飛び散ることを抑制できる。さらに、ハウジング83内は負圧ユニット84により負圧にされているため、掻き落とされた余剰ボールB1が、ハウジング83の外に飛び出すことをさらに抑制できる。回転ブラシ81は、回転軸89が吸引ノズル64と平行になるように配置してもよく、回転ブラシ81の毛88の方向を回転軸89に対して直交するように配置してもよい。回転ブラシ81の毛88は、樹脂細線や金属細線などで形成できる。回転ブラシ81に代えて、先端69に対して上下や左右等に振動(搖動)するブラシを採用してもよい。
図8に、リペア装置1における処理をフローチャートにより示している。ステップ100において、制御ユニット70の欠陥検出機能71により、検査ユニット20がステージユニット10に搭載されたワークWを観察し、ワークWの導電性ボールBの搭載欠陥の場所と種類とを特定して記録する。その後、ステップ101以降において、特定された搭載欠陥のリペアを1つ1つ行う。
ステップ101において、リペア対象となった搭載欠陥が、余剰ボールB1を含むものであれば、ステップ102において、制御ユニット70は、ステージユニット10によりワークWのリペア対象の位置が余剰ボール除去ユニット60のアライメントカメラユニット39の真下に位置するようにワークWを移動する。制御ユニット70は、アライメントカメラユニット39により余剰ボールB1の位置を確認する。ステップ103において、アライメントカメラユニット39により、余剰ボールB1の確認された位置がピックアップユニット61の真下になるようにステージユニット10を移動する。
ステップ104において、制御ユニット70のユニット77は、余剰ボール除去ユニット60のピックアップユニット61を、速度V4から速度V1に切り替えて降下し、摺動距離SDだけ高速の速度V3で上昇し、その後、低速の速度V2に切り替え、さらに、高速の速度V4に切り替えてワークWから余剰ボールB1をピックアップする(ステップ120)。次に、ステップ105において、制御ユニット70は、クリーニングユニット80をピックアップユニット61の下方に移動して、吸引ノズル64の先端69からワークWから除去されたボールB1を除去する。
図9に、ピックアップユニット61を下上する具体的な処理を示している(ステップ120)。ステップ121において、制御ユニット77が、駆動ユニット63によりピックアップユニット61を第4の速度V4で高速で降下させ(第4の動作)、ステップ122で降下速度を中速の第1の速度V1に切り替え、支持ユニット65を先端69が処理対象物である余剰ボールB1に接触するまで下降する(第1の動作)。ステップ123において、リニアセンサ65により先端69が余剰ボールB1に当たって停止したことを検出すると、駆動ユニット63により降下を停止し、停止するまでにリニアセンサ65が摺動した距離SDを検出する。
ステップ124において、制御ユニット77は、駆動ユニット63により、ホルダー68を、次の過程の、余剰ボールB1をゆっくりと引き上げる上昇速度(第2の速度)V2より速い、第1の速度V1と同程度の速度(第3の速度)V3で、摺動距離SDだけ上昇する(第3の動作)。
ステップ125において、制御ユニット77は、吸着した余剰ボールB1がワークWから離れるまで、最もゆっくりした速度である第2の速度V2でホルダー68を上昇する(第2の動作)。ステップ126において、吸着した余剰ボールB1がワークWから完全に離れると、制御ユニット77は、駆動ユニット63によりホルダー68を第2の速度V2より速い第4の速度V4で上昇する(第4の動作)。このようなシーケンスでホルダー68(支持ユニット65)を下降および上昇させることにより、吸引ノズル64の先端69で余剰ボール(導電性ボール)B1を吸引でき、そのために要する時間を短縮できる。
ステップ106において、余剰ボールB1を除去することにより搭載欠陥が解消される場合は、ステップ113へ移行し、次の搭載欠陥の処理を開始する。一方、余剰ボールB1を除去した位置にフラックス転写およびボール搭載が必要であれば、ステップ107に移行して、導電性ボールBを再搭載する処理を行う。ステップ107において、フラックス転写ユニット40は、余剰ボールB1を除去した電極E1または搭載漏れのある電極E1にフラックスFを転写する。具体的には、制御ユニット70は、フラックストレイ31をピックアップユニット41の下に移動し、ステップ108において、ピックアップユニット41を下降および上昇させて、フラックストレイ31からフラックスFをピックアップする。次に、制御ユニット70は、フラックストレイ31を退避位置に移動し、フラックス転写ユニット40の下にワークWを移動して、アライメントカメラユニット39により確認された、導電性ボールBが搭載されていない電極E1に対し、ステップ109によりピックアップユニット41の先端49を下降および上昇させて、ピックアップしたフラックスFを転写する。
次に、ステップ110において、ボール搭載ユニット50が、フラックスFが転写された電極E上に導電性ボールBを搭載する。具体的には、制御ユニット70は、ボールトレイ32をボール搭載ユニット50のピックアップユニット51の下方に移動し、ステップ111により、ピックアップユニット51を下降および上昇してボールトレイ32から導電性ボールBをピックアップする。続いて、ボールトレイ32を退避位置に移動し、ボール搭載ユニット50の下にワークWを移動して、アライメントカメラユニット39により確認された、フラックスFが転写された電極Eに対し、ステップ112において、ピックアップユニット51の先端59を下降および上昇させて、ピックアップした導電性ボールBを電極E上に搭載する。
ステップ113において、処理すべき次の搭載欠陥があれば、ステップ101に戻って、すべての搭載欠陥の処理が終了するまでリペアを続ける。全ての搭載欠陥がリペアされると、ステージユニット10は、ワークWを排出ユニット3に受け渡し、リペア装置1から排出される。
以上においては、ステップ120を余剰ボール除去の工程に対して実施する方法を説明したが、ステップ120をフラックス転写およびボール搭載の処理に対して行うようにしてもよい。さらに、フラックス転写およびボール搭載の各工程に対して処理対象物であるフラックスや導電性ボールのピックアップと、その後の処理とにステップ120を実施してもよく、どちらか一方であってもよい。また、フラックス転写およびボール搭載の工程においては、ステージユニット10のキャリブレーションユニット16により、予め転写ノズル44の先端49および吸引ノズル54の先端59のXY位置の補正を行っておくことにより、アライメントカメラ39による処理位置の再確認を行わずにリペア処理を行ってもよい。
なお、上記では、吸引ノズル64を摺動支持するリニアセンサ65を、先端69が余剰ボールB1などの処理対象物に接触したことを検出する接触センサとして使用しているが、フローセンサなどの他のセンサを接触センサとして使用してもよい。
また、上記ではリペアユニット30が独立したシステム(リペア装置)1を例に説明しているが、リペアユニット30の上流に配置されたボール搭載装置と、フラックス塗布装置とを含むシステムであってもよい。ボール搭載装置の一例は、ワークWに複数の導電性ボールBを、マスクなどを用いて搭載する装置であり、リペアユニット30の上流に配置される。フラックス塗布装置の一例は、ワークWにマスクなどを用いてフラックスを塗布する装置であり、ボール搭載装置の上流に配置される。