JP2017204973A - 欠相検知システム、欠相検知装置および欠相検知方法 - Google Patents

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祥吾 三浦
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【課題】設備構成や負荷状況によらずに地落や短絡を伴わない1相開放故障を機械的に検知する。【解決手段】実施形態の欠相検知システムは、3相静止誘導電気機器、電流検知器、平均化部および判定部を備える。3相静止誘導電気機器は相毎の配線に励磁電流が流される1次側回路を有する。電流検知器は3相静止誘導電気機器の1次側回路の各相の励磁電流を検知する。平均化部は電流検知器により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化する。判定部は平均化部により平均化された励磁電流に基づいて励磁電流の検知元の1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、欠相検知システム、欠相検知装置および欠相検知方法に関する。
発電所などの発電施設では、3相交流の高電圧を変圧する変圧器に保護継電器が接続されており、地落や短絡の事象発生時の対応が図られている。
ところで、変圧器の1次側に接続されている碍子などが破損して3相のうちの例えば1相が欠相すること(以下これを「1相開放故障」と称す)がまれにある。
3相変圧器における1相開放故障は、開放した相にも電圧が誘起されるため、発見が難しく、例えば変圧器の1次側に1相開放故障が発生し、異常電流の値が保護継電器の設定値まで到達するような場合は、検知可能である。
しかしながら、地落や短絡を伴わない1相開放故障が発生すると、設備構成や負荷状況によっては保護継電器の設定値まで値が変動しない場合があり、このような場合は1相開放故障を検知できないことがある。
このため従来は機械的な検知のほか、人為的な検知を組み合わせて地落や短絡を伴わない1相開放故障を検知するよう対応を図っている。
特開2015−006076号公報
従来、地落や短絡を伴わない1相開放故障が発生した場合に、設備構成や負荷状況によっては保護継電器の設定値まで値が変動しないことがあり、この場合は1相開放故障を検知できず、人為的な検知を組み合わせて対応していた。
本発明が解決しようとする課題は、設備構成や負荷状況によらずに地落や短絡を伴わない1相開放故障を機械的に検知することができる欠相検知システム、欠相検知装置および欠相検知方法を提供することにある。
実施形態の欠相検知システムは、3相静止誘導電気機器、電流検知器、平均化部および判定部を備える。3相静止誘導電気機器は相毎の配線に励磁電流が流される1次側回路を有する。電流検知器は3相静止誘導電気機器の1次側回路の各相の励磁電流を検知する。平均化部は電流検知器により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化する。判定部は平均化部により平均化された励磁電流に基づいて励磁電流の検知元の1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する。
実施形態の欠相検知システムの構成を示す図である。 雑音成分(高周波成分)を含む信号を示す図である。 アナログフィルタにより高周波成分を減衰させた信号を示す図である。 デジタルフィルタにより高周波成分を減衰させた信号を示す図である。 サンプリング動作を説明するための図である。 極微弱な真の電流成分を示す図である。 欠相検知システムの第1変形例を示す図である。 欠相検知システムの第2変形例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
図1は一つの実施の形態の欠相検知システムを機能的に示す図である。
図1に示すように、第1実施形態の欠相検知システムは、3相静止誘導電気機器としての変圧器1と、この変圧器1の1次側回路2の各相の配線4a、4b、4cに配置された電流検出器5と、いずれかの配線4a、4b、4cに接続された計器用変圧器PT(Potential Transformer)と、この計器用変圧器PTと各相の変流器5が接続される欠相検知装置6とを有する。
変圧器1は、外部へ続く3つの相の配線4a、4b、4cおよびコイルを含む1次側回路2と、この1次側回路2のコイルにより電圧が誘起されるコイルを有する2次側回路3とを有する。1次側回路2のコイルと2次側回路3のコイルは磁気的に結合されている。なお図示していないが変圧器1は磁束の通り道である鉄心を有する。
この変圧器1では1次側回路2の各配線4a、4b、4cに励磁電流が流されることで、1次側回路2と2次側回路3のコイルの巻線比に応じた電力が2次側回路3に誘起される。計器用変圧器PTは、基準電圧Vrefを取得するための測定用の機器であり、ここでは1次側回路2のいずれかの配線(例えば配線44cなど)に印加される交流電圧を検出するものとする。
計器用変圧器PTが検出した基準電圧Vrefを欠相検知装置6に入力する際に、電圧を補正する必要があるため電圧調整器69を設ける。また補正された電圧にはノイズ成分がのっているため、アナログフィルタ63、AD変換器64、デジタルフィルタ65などを設けることにより、電圧調整器69により補正された電圧からノイズ成分をフィルタリングする。
電流検出器5は、各相の配線4a、4b、4cに流れる電流を検知する。電流検出器5には、例えばホール素子形CT(鉄心を持つCT)、ファラデー効果を利用する光CTなどを用いる。CTはカレントトランスファ(電流変換器)の略称である。
欠相検知装置6は各相の電流検知器5により検出される励磁電流を基に、励磁電流の検知元の1次側回路2の該当する相の配線4a、4b、4cが開放状態か否かを判定し、開放状態の配線が存在した場合その旨を警報出力する。
欠相検知装置6は、入力変換器61、フィルタ部62、平均化部66、判定部67、警報出力部68を有する。
入力変換器61は入力される励磁電流(電流の信号)を電圧の信号へ変換する。フィルタ部62はアナログフィルタ63、AD変換器64、デジタルフィルタ65を有する。
アナログフィルタ63は入力される励磁電流を変換した電圧の信号に含まれるノイズ成分(例えば10アンペア程度の電流を電圧に変換した成分)を減衰させる。
AD変換器64はアナログフィルタ63によりノイズ成分(高周波成分)が減衰される励磁電流(アナログの信号)をデジタルの信号に変換するアナログデジタル変換器である。
デジタルフィルタ65はAD変換器64により変換されたデジタルの信号に含まれるノイズ成分(高周波成分)をフィルタリングする。つまりフィルタ部62は入力変換器61により変換された電圧信号の高周波成分を減衰させるバンドパスフィルタである。これにより測定誤差を低減することができる。
平均化部66は電流検知器5により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化する。より具体的には、平均化部66はフィルタ部62から出力された相毎の信号を、所定タイミング、例えば基準電圧Vrefの周波数の1周期に同期させて複数サンプリングし、サンプリングした複数の信号の値を所定動作期間(例えば2秒間など)毎に平均化することで、信号の雑音成分を低減し雑音成分に埋れている真の電流成分を引き立たせる。例えば10A程度の雑音の中から0.2A程度の電流を検知可能にする。
判定部67は平均化部66により平均化された励磁電流に基づいて前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する。
より具体的には、判定部67は平均化部66により平均化された各相それぞれの励磁電流の成分について真の電流成分が現れているか否かによって励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cが開放状態(少なくとも1相が開放故障)か否かを判定する。そして判定の結果、開放状態の配線が存在する場合(この例では配線4b)、当該配線4bが開放状態であることを示す警報信号を警報出力部68へ出力する。
つまり判定部67は10A程度の雑音が載った信号を平均化した結果、0.2A程度の極微弱な電流が検知できない場合は当該配線が開放状態であるものと判定し警報信号を警報出力部68へ出力する。なお平均化の結果、0.2A程度の極微弱な電流が検知できた場合は当該配線が接続状態(未開放状態)であるものと判定し警報信号を出力しない。
警報出力部68は例えばスピーカやブザー、あるいは表示装置などであり、判定部67から受信された警報信号により、配線4bが開放状態であることを警報出力する報知部である。図1の例のように配線4bに断線箇所Pがある場合、配線4bが開放状態であることが警報音や警報表示などで報知される。
以下、図2乃至図6を参照してこの実施形態の欠相検知システムの動作を説明する。
通常、発電施設では、2次側回路3を無負荷にした状態で1次側回路2に励磁電流を流し、運転前の動作チェックを行う。
この場合、1次側回路2の各相の配線4a、4b、4cに励磁電流を流すと、各電流検出器5により励磁電流が検知され、欠相検知装置6に入力される。
欠相検知装置6では、入力変換器61は、入力された励磁電流(電流の信号)を、図2に示すような雑音成分(高周波成分)21を含む電圧の信号へ変換しフィルタ部62へ出力する。なお欠相のない信号には、雑音成分(高周波成分)21に埋れた中に真の電流成分22が含まれているので、この信号の有無を検出することで、欠相の有無を判定できる。
フィルタ部62では、アナログフィルタ63により、図3に示すように、入力変換器61から入力されたアナログの電圧信号の高周波成分を減衰させた信号23を生成し、さらに図4に示すように、デジタルの電圧信号の高周波成分を減衰させた信号24を生成し、平均化部66へ出力する。
平均化部66はフィルタ部62から出力された相毎の信号24を、基準電圧Vrefの周期に合わせて複数サンプリングし所定期間(動作期間)毎に平均化する。基準電圧Vrefは1次側回路2のいずれかの配線(この例では配線4c)に印加される交流電圧または通常の商用交流電圧(100V、50Hzの正弦波の信号)などを用いるものとする。
この場合、図5に示すように、平均化する動作期間Sを例えば2秒間とすると、基準電圧Vrefの周波数が例えば50Hzの場合には基準電圧Vrefの周期S1〜S100まで、対象信号を100回サンプリングし、動作期間Sの平均値(S1+S2+S3+…S99+S100/100)を算出する。
対象信号に、完全にランダムな雑音が含まれている場合には平均化により雑音成分が相殺されて誤差電流が1/10程度に低減する。究極的には、図6に示すように、雑音成分がほぼ収束した励磁電流だけの信号25(真の電流成分)が得られる。
判定部67は平均化部66により平均化された各相それぞれの信号について、真の電流成分が現れているか否かによって励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cのいずれかが開放状態か否かを判定する。
つまり真の電流成分が現れている場合は該当する1次側回路2の配線、この例では配線4a、4cは未開放状態であり、真の電流成分が現れていない場合は該当する1次側回路2の配線4bは開放状態であると判定できる。
この判定の結果、開放状態の配線が存在する場合(この例では配線4b)、判定部67は1次側回路2に開放状態の配線が存在することを示す警報信号を警報出力部68へ出力する。判定部67からの警報信号を受信した警報出力部68は警報出力を行う。
以上説明したようにこの実施形態によれば、フィルタ部62および/または平均化部66により各相の励磁電流の雑音成分(測定誤差)を低減することで、極微小な励磁電流の測定が可能となる。換言すると、ランダム雑音、白色雑音などの影響を低減し、例えば0.2A程度の微小な励磁電流の検知が可能になる。
この結果、変圧器1の2次側回路3が無負荷状態のときに1次側回路2の各配線4a、4b、4cの開放、つまり3相のうちの少なくとも一つの欠相を検知することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、設備構成や負荷状況によらずに地落や短絡を伴わない1相開放故障を機械的に検知することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記実施形態では、欠相検知装置6は、入力変換器61、フィルタ部62、平均化部66、判定部67、警報出力部68を備えたが、警報出力部68を外部要素として、図7に示すように、欠相検知装置6は、例えば入力変換器61、平均化部66、判定部67を備えるようにしてもよい。
この場合、平均化部66は電流検知器5により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化し、判定部67は平均化部66により平均化された励磁電流に基づいて励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cが開放状態か否かを判定する。
また、図8に示すように、入力変換器61、フィルタ部62、判定部67を備えるようにしてもよい。この場合、フィルタ部62は電流検知器5により検知される各相の励磁電流に含まれる高周波成分を減衰させ、判定部67はフィルタ部62により高周波成分が減衰された励磁電流に基づいて励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cが開放状態か否かを判定する。
さらに、無負荷状態でも回路にはインピーダンス成分が若干存在するため1次側回路2の配線が開放/未開放の状態にかかわらず各相には電圧が生じる。この電圧に対して位相が90°遅れた成分が電流なので、この電流と電圧の位相の関係に着目する。
この場合、各相に生じる電圧を検出する電圧検出部を設け、この電圧検出部により検出された各相の電圧と電流検知器5により検知される各相の励磁電流との位相関係に基づいて、励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cが開放状態か否かを判定することができる。
この場合、判定部67は、電圧検出部により検出された相毎の電圧に対する90°遅れ成分の電流の有無を確認することで、励磁電流の検知元の1次側回路2の配線4a、4b、4cが開放状態か否かを判定することができる。
すなわち、各相に生じる電圧の90°遅れ成分の電流が検出された場合、その相の配線は開放状態ではなく、90°遅れ成分の電流が検出されない場合(未検出の場合)、その相の配線は開放状態であることが判定できる。この場合、欠相検知装置6は、入力変換器31、電圧検出部、判定部37を備える構成となる。
さらに、上記実施形態では、電流検知器として一般的な鉄心CTを用いた例について説明したが、通常の励磁電流の検知には使用しないような、例えば0.2A程度の極微少な電流を検出する欠相検知専用の光CTを各配線4a、4b、4cに配置することで、雑音成分はサチレーションしてしまい検出できないものの、微弱な励磁電流のみを検出することができる。
電流検知部を光CTとすることで、欠相検知装置6へのケーブルを細くすることができる。また、光ファイバーの巻数に応じて低電圧領域での検出が可能になるので、例えばガス絶縁開閉装置(GIS機器)として使用する際に、軽重量にすることができる。
また上記実施形態に示した欠相検知装置6の各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。
電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
1…変圧器、2…1次側回路、3…2次側回路、4a,4b,4c…配線、5…電流検出器、6…欠相検知装置、61…入力変換器、62…フィルタ部、63…アナログフィルタ、64…AD変換器、65…デジタルフィルタ、66…平均化部、67…判定部、68…警報出力部、69…電圧調整器。

Claims (8)

  1. 相毎の配線に励磁電流が流される1次側回路を有する3相静止誘導電気機器と、
    前記3相静止誘導電気機器の前記1次側回路の各相の励磁電流を検知する電流検知器と、
    前記電流検知器により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化する平均化部と、
    前記平均化部により平均化された励磁電流に基づいて前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する判定部と
    を具備する欠相検知システム。
  2. 相毎の配線に励磁電流が流される1次側回路を有する3相静止誘導電気機器と、
    前記3相静止誘導電気機器の前記1次側回路の各相の配線に流れる励磁電流を検知する電流検知器と、
    前記電流検知器により検知される各相の励磁電流に含まれる高周波成分を減衰させるフィルタ部と、
    前記フィルタ部により高周波成分が減衰された励磁電流に基づいて前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する判定部と
    を具備する欠相検知システム。
  3. 相毎の配線に励磁電流が流される1次側回路を有する3相静止誘導電気機器と、
    前記3相静止誘導電気機器の前記1次側回路の各相の配線に流れる励磁電流を検知する電流検知器と、
    各相に生じる電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部により検出された各相の電圧と前記電流検知器により検知される各相の励磁電流との位相関係に基づいて、前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する判定部と
    を具備する欠相検知システム。
  4. 前記判定部による判定の結果、前記1次側回路の配線が開放状態であった場合、その旨を報知する報知部をさらに具備する請求項1乃至3いずれか1項に記載の欠相検知システム。
  5. 3相静止誘導電気機器の1次側回路の各相の配線に配置された電流検知器により検知される相毎の励磁電流を所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化する平均化部と、
    前記平均化部により平均化された励磁電流に基づいて前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する判定部と
    を具備する欠相検知装置。
  6. 前記判定部による判定の結果、前記1次側回路の配線が開放状態であった場合、その旨を報知する報知部をさらに具備する請求項5記載の欠相検知装置。
  7. 3相静止誘導電気機器の1次側回路の各相の励磁電流を電流検知器が検知し、
    検知した相毎の励磁電流を平均化部が所定タイミングで複数サンプリングし所定期間毎に平均化し、
    平均化した励磁電流に基づいて判定部が前記励磁電流の検知元の前記1次側回路の配線が開放状態か否かを判定する欠相検知方法。
  8. 前記判定の結果、前記1次側回路の配線が開放状態であった場合、その旨を報知する請求項7記載の欠相検知方法。
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