JP2017206326A - エレベータ用非常時利用者検知装置 - Google Patents

エレベータ用非常時利用者検知装置 Download PDF

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Kohei Yaginuma
晃平 柳沼
山崎 浩
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浩 山崎
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Abstract

【課題】エレベータの利用者が所持する携帯通信端末を有効に活かし、乗りかごの走行ができない非常時でもかご内での利用者の閉じ込め状況を適確に検知でき、対応の優先度を決定して実用上での救出に有効となるエレベータ用非常時利用者検知装置を提供する。【解決手段】このエレベータ用非常時利用者検知装置では、乗りかご1内に設けた電波検知装置3が非常時に起動して乗りかご1内の利用者9の携帯通信端末10から基地局11へ送信した所定の閾値以上の上り電波12を受信して検知し、検知結果を制御盤6へ送信し、制御盤6が乗りかご1の操作盤におけるインターホン2の呼び出し通話の有無、並びに電波検知装置3における上り電波12の検知の有無に応じて利用者9への救出の対応優先度を設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、非常時にエレベータの利用者が所持する携帯通信端末を操作して無線通信により基地局へ送信する上り電波を受信して乗りかご内に利用者が閉じ込められている状態を検知する電波検知装置を有するエレベータ用非常時利用者検知装置に関する。
従来、エレベータでは、何らかの異常が発生して乗りかごの走行が困難になった場合、エレベータを保守管理する建物の管理室の管理人や管理会社の担当者(エレベータの所有者である場合を含む)が初期的に乗りかご内に利用者(乗客)が閉じ込められているか否かを確認し、仮に乗りかご内に利用者が閉じ込められているのを確認すれば、例えばその担当者が迅速に専用の保守点検業者をエレベータ設置場所(現場)に出動させ、保守点検業者が各種の救出作業を行って利用者を乗りかご内から救出する手筈になっている。
一般的には、エレベータの乗りかご内に利用者が閉じ込められた場合には、その利用者が乗りかごの操作盤に設けられている非常用のインターホンの呼び出し釦を押下すれば、エレベータが設置されている建物の管理室の管理人や、或いは通信回線を介してエレベータと接続されている保守管理を行う管理会社の監視センタにおける担当者(オペレータ)と通話を行うことにより、利用者が乗りかご内の状況を直接連絡することができるようになっている。
ところが、乗りかご内に閉じ込められた利用者が背の低い子供であったり、車椅子を利用して座ったまま動けない状況であったり、或いは体調不良や怪我等により操作できない状態にあれば、一般的に非常用のインターホンの呼び出し釦は操作盤の上方に設けられているため、インターホンを使用できないという状況が起こり得る。こうした状況で乗りかご内での閉じ込めが発生すると、利用者がインターホンの呼び出し釦を押下できずに閉じ込め時間が長くなってしまう虞がある。
そこで、こうした状況を回避するための周知技術として、エレベータの利用者が汎用的に携帯通信端末を所持している可能性が高い(総務省調査によれば2015年3月末時点における日本国内の携帯通信端末の対人口普及率は138.6%となっている)点に留意し、予めエレベータの乗りかご内に携帯通信端末による無線通信と通信可能な電波検知装置を設けておき、使用者が所持する携帯通信端末を操作して基地局へ向けて無線通信した上り電波を電波検知装置で検知することで乗りかご内の利用者の存在を確認するようにした技術も提案されている。係る周知技術として、かご内の異常をより正確に検出することができる「エレベータの監視装置」(特許文献1参照)が挙げられる。
特開2012−51661号公報
上述した特許文献1に係る技術では、非常時に乗りかご内で閉じ込め状態にある利用者が所持する携帯通信端末からの上り電波を電波検知装置で適確に検知し得るように、携帯通信端末への基地局からの下り電波を遮断するための電波吸収シート等のシールド装置を乗りかごに備えるようにしているが、最近の携帯通信端末の汎用例である携帯電話機の場合には無線通信のカバーエリアを広くするために基地局を密に設置しており、大規模な建物の場合には同じ建物内に基地局が設置されている場合も稀ではないため、エレベータの乗りかご内を無線通信の圏外となるように基地局からの下り電波を遮断することが困難な状況となっている。
また、最近の携帯電話機の通信方式の場合には、エレベータの乗りかご内が無線通信の圏外となったとしても、携帯電話機が基地局からの下り電波に含まれるパイロット信号(基地局のセルを識別したり、基地局と同期を取ったりするための電波信号)を受信し、接続する基地局を決定してから基地局に対して接続要求の上り電波を送信するため、特許文献1記載の技術を有効に適用することは困難となっている。
更に、特許文献1に係る技術では、非常時に乗りかご内で利用者の閉じ込めを検知した場合には、乗りかごを他の階に移動させてエレベータの出入口を開動作状態にするものであるが、エレベータに何らかの異常が発生して乗りかごの走行ができなくなった場合には一連の動作を行うことができず、こうした状況下での対応が考慮されていない上、強い地震等の大規模災害が発生して多数のエレベータが停止するような状況下での対応についても配慮されていない。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、エレベータの利用者が所持する携帯通信端末を有効に活かし、乗りかごの走行ができない非常時でも乗りかご内での利用者の閉じ込め状況を適確に検知でき、対応の優先度を決定して実用上での救出に有効となるエレベータ用非常時利用者検知装置を提供することにある。
上記技術的課題を解決するため、本発明は、エレベータの乗りかごに設けられると共に、当該エレベータ内の利用者が所持する携帯通信端末と基地局間で行われる無線通信の上り電波を受信する電波検知装置を有するエレベータ用非常時利用者検知装置において、電波検知装置は、乗りかごが走行できない非常時に当該乗りかご内の利用者の携帯通信端末が送信する上り電波を受信し、所定の閾値以上の信号強度の上り電波を検知し、当該検知した結果をエレベータ制御装置へ送信し、エレベータ制御装置は、非常時に利用者による乗りかごの操作盤に設けられた非常用のインターホンの呼び出し通話の有無、及び電波検知装置から受信する所定の閾値以上の信号強度の上り電波の検知の有無に応じて当該乗りかご内の当該利用者への救出の対応優先度を設定することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、エレベータの利用者が所持する携帯通信端末を有効に活かし、乗りかごの走行ができない場合でも乗りかご内での利用者の閉じ込め状況を適確に検知でき、対応の優先度を決定して実用上での救出に有効となる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置を含むエレベータシステムの基本構成を示すブロック図である。 図1に示すエレベータ用非常時利用者検知装置に含まれる電波検知装置の細部構成を示したブロック図である。 エレベータの利用者が所持する一般的な携帯通信端末における無線通信で使用される周波数帯域を例示した模式図である。 エレベータの乗りかご内で携帯通信端末により無線通信を行っていない場合の上り電波の周波数に対する信号強度の関係で示される周波数スペクトラムを例示した模式図である。 エレベータの乗りかご内で携帯通信端末により無線通信を行っている場合の上り電波の周波数に対する信号強度の関係で示される周波数スペクトラムを例示した模式図である。 図1に示すエレベータ用非常時利用者検知装置における電波検知装置を利用した制御盤による利用者救出の対応優先度設定に係る動作処理を示したフローチャートである。
以下に、本発明のエレベータ用非常時利用者検知装置について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置を含むエレベータシステムの基本構成を示すブロック図である。
図1を参照すれば、このエレベータシステムは、よく知られているように、図示されない昇降路における多階床間を昇降する乗りかご1と釣合い錘とが機械室やそれに相応する昇降路の一角に設けられた巻上機のモータの回転軸に連結されたシーブを介して主ロープで連結され、エレベータ制御装置としての制御盤6によって巻上機のモータを駆動制御することで主ロープを介して乗りかご1及び釣合い錘に駆動力が伝動される結果、乗りかご1と釣合い錘とが相反する方向にシーソ式で昇降するようになっている他、制御盤6は通信回線7を介して表示部としての監視卓81を有する監視センタ8に接続され、乗りかご1内に設けられた操作盤には非常用のインターホン2及び呼び出し釦21が備えられ、操作盤と乗りかご1内に設けられた電波検知装置3と乗りかご1の床面に設けられた荷重センサ4とがテールコード5により制御盤6に接続されて構成されている。
このうち、電波検知装置3は、エレベータの乗りかご1が何等かの要因で走行できなくなった非常時に制御盤6により起動され、乗りかご1内の利用者9が所持する携帯電話機等の携帯通信端末10が送信する無線通信による上り電波12を受信し、所定の閾値以上の信号強度の上り電波12を検知し、検知した結果を制御盤6へ送信する。携帯通信端末10は基地局11への上り電波12を送信可能である他、基地局11からの下り電波13を受信可能となっている。制御盤6は、エレベータが故障した場合に通信回線7を介して監視センタ8の監視卓81へ自動的に接続を行ってエレベータの状態を伝送し、乗りかご1内に設けられた操作盤のインターホン2と監視卓81のオペレータとの間に双方向の通話を提供する。荷重センサ4は、乗りかご1に乗り込んだ利用者9の重量を計測する。
また、制御盤6は、乗りかご1が走行できない非常時に利用者9による乗りかご1の操作盤に設けられた非常用のインターホン2の呼び出し通話の有無、及び電波検知装置3から受信する所定の閾値以上の信号強度の上り電波12の検知の有無に応じて乗りかご1内の利用者9への救出の対応優先度を設定する。具体的には、後文で詳述するように、インターホン2の呼び出し通話が有りで上り電波12の検知が無しの場合、並びにインターホン2の呼び出し通話が無しで上り電波12の検知が有りの場合を最優先救出対応、インターホン2の呼び出し通話が有りで上り電波12の検知が有り場合を優先救出対応、インターホン2の呼び出し通話が無しで上り電波12の検知が無い場合を通常救出対応とし、ここでの救出の対応優先度を設定した結果を通信回線7を経由して監視センタ8の監視卓81へ表示する制御を行う。即ち、上述した携帯通信端末10、電波検知装置3、並びに制御盤6は、合わせて機能構成上でエレベータ用非常時利用者検知装置と呼ばれても良い。
図2は、実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置に含まれる電波検知装置3の細部構成を示したブロック図である。また、図3は利用者9が所持する一般的な携帯通信端末10における無線通信で使用される周波数帯域を例示した模式図である。更に、図4は乗りかご1内で携帯通信端末10により無線通信を行っていない場合の上り電波12の周波数に対する信号強度の関係で示される周波数スペクトラムを例示した模式図である。加えて、図5は乗りかご1内で携帯通信端末10により無線通信を行っている場合の上り電波12の周波数に対する信号強度の関係で示される周波数スペクトラムを例示した模式図である。
ここでは、図2を参照して電波検知装置3の細部構成及び動作を説明する前に、一般的な携帯通信端末10の通信方法を図3〜図5を参照して説明する。図3は、KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社で使用されているCDMA 1X(CDMA2000 1xMC)通信方式において使用している周波数帯域を例示したものである。日本では携帯通信端末10と基地局11との間は、周波数分割多元接続(FDMA)方式で無線通信が行われている。ここでは、携帯通信端末10から送信されて基地局11で受信される815MHz〜845MHz帯域の電波を上り電波12と称し、基地局11から送信されて携帯通信端末10で受信される860MHz〜890MHz帯域の電波を下り電波13と称している。上り電波12は携帯通信端末10から基地局11に接続する際や、通話等を行う際に携帯通信端末10から発信される電波であり、最大0.6W程度の出力である。
また、図4に示される携帯通信端末10が通話等の無線通信を行っていない場合の上り電波12の周波数スペクトラムを参照すれば、ここでは無線通信を行っていないため、信号強度は閾値S未満の一定な低レベルに維持される様子を示している。これに対し、図5に示される携帯通信端末10が通話等の無線通信を行っている場合の上り電波12の周波数スペクトラムを参照すれば、ここでは例えば通話を行っているため、通話接続を行っている間、信号強度は上り電波12の周波数帯域中で約2MHz幅の閾値Sを超えたレベルの波形が基地局11に向かって送信されている様子を示している。因みに、下り電波13については基地局11に接続している携帯通信端末10の全台数に向けて常時送信されており、下り電波13の帯域をほぼ全部使用している。携帯通信端末10では、この下り電波13に基づいて基地局11を発見するためのパイロット信号や携帯通信端末10を呼び出すためのページング信号、更に基地局11側からの音声やデータを取り出している。
次に、図2を参照すれば、電波検知装置3は、基本機能として各通信事業者において使用されている携帯通信端末10から基地局11に向かって送信される上り電波12のみを受信検知するものである。こうした機能を果たすために、電波検知装置3は、上り電波12に対する受信用のアンテナ31と、各通信事業者が使用している携帯通信端末10の上り電波12の周波数の情報を記憶した周波数記憶部33と、周波数記憶部33からの周波数の情報に基づいて所定の周波数の信号を発振する発振部34と、アンテナ31で受信された上り電波12に係る電波周波数信号を予め設定された周波数帯域で発振された発振信号との間で混合乗算して周波数変換した信号を出力するミキサ35と、ミキサ35で周波数変換された信号を所定のサンプリング周波数及びビット数によりデジタルデータのデジタルサンプルデータに変換するA/D変換部36と、A/D変換部36から出力されるデジタルサンプルデータを所定のサンプル周波数毎に高速フーリエ変換した結果の実部と虚部とをそれぞれ二乗して加算したデータによりパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出部37と、各部の動作を制御すると共に、パワースペクトル算出部37からのパワースペクトルに基づいて携帯通信端末10からの上り電波12の有無を判定した結果を示す電波判定信号38を出力する制御部32と、を備えて構成される。
このうち、アンテナ31は乗りかご1内に設置されており、利用者9が使用する携帯通信端末10からの上り電波12を受信する機能を持つ。乗りかご1内では携帯通信端末10からの上り電波12は最大0.6Wで送信されるため、アンテナ31は低利得の簡易な構成で良い。例えば乗りかご1内で露呈されて突出するホイップアンテナやスモールループアンテナや、電波検知装置3を構成するプリント基板上に設けたマイクロストリップアンテナやパッチアンテナ等の内蔵型アンテナでも良い。周波数記憶部33は、制御部32からの指示に基づいて各通信事業者が使用している携帯通信端末10の上り電波12の周波数の情報を発振部34に伝送する。発振部34は、周波数記憶部33からの周波数の情報に基づいて所定の周波数の信号を発信する機能を持ち、周波数シンセサイザやPLL(位相ロックループ)回路等で構成されている。ミキサ35は、アンテナ31で受信した携帯通信端末10の上り電波12の電波周波数信号と発振部34からの発振信号とを混合乗算して周波数変換を行う。尚、後段のA/D変換部36でA/D変換する際の不要信号を減らすため、ミキサ35の出力箇所に所定の帯域、例えばA/D変換のサンプリング周波数以上の信号をカットするローパスフィルタを設けることが好ましい。
A/D変換部36は、ミキサ35で周波数変換された信号を所定のサンプリング周波数及びビット数によりデジタルデータのデジタルサンプルデータに変換する。例えば、発振部34が815MHzで発振している場合、ミキサ35からは815MHz以上の周波数が0Hzからの信号に変換されて出力される。ここで、サンプリング周波数2MHzでA/D変換を行ったとすると、デジタルサンプルデータとしては800MHz〜852MHzまでの受信信号として得られることになる。また、ミキサ35から出力される信号の周波数を変えることにより、信号の周波数から信号の周波数にA/D変換部36のサンプリング周波数を加えた周波数の帯域のデジタルサンプルデータとして得られることになる。パワースペクトル算出部37は、A/D変換部36から出力されたデジタルサンプルデータを所定のサンプル数毎に高速フーリエ変換を行い、変換を行った結果の実部と虚部とをそれぞれ二乗して加算したデータによりパワースペクトルを算出する。算出したパワースペクトルは制御部32に送られる。
制御部32は、周波数記憶部33で指定した周波数におけるパワースペクトルに基づいて、携帯通信端末10からの上り電波12の有無を判定した結果を示す電波判定信号38を出力する。携帯通信端末10から上り電波12が発信されていなければ、上り電波12の周波数帯域のパワースペクトルは図4に示したような波形になっており、パワースペクトルの最大値は予め定めた閾値Sを超えず、制御部32は携帯通信端末10から上り電波12が発信されていない上り電波12無しの状態と判定する。これに対し、携帯通信端末10から上り電波12が発信されていれば、上り電波12の周波数帯域のパワースペクトルは図5に示したような波形になっており、パワースペクトルの最大値が予め定めた閾値Sを超えるため、制御部32は携帯通信端末10から上り電波12が発信されている上り電波12有りの状態と判定する。ここで、閾値Sの設定は、携帯通信端末10からの送信電波が存在しない状態(ノイズフロア)と、電波検知装置3を設置して携帯通信端末10からの上り電波12を確認する試験時に検出したパワースペクトルの最大値との中間の値とする手法が挙げられる。
尚、A/D変換部36のサンプリング周波数は、可能であれば上り電波12の周波数帯域(30MHz)相当であることが上り電波12の検知時間の短縮のために望ましいものの、このような高いサンプルレートのA/D変換素子は高価であり、また一度に大量のデジタルサンプルデータが生成されるため、パワースペクトラムの算出にも計算能力が必要となってしまう。そこで、A/D変換部36のサンプリング周波数は上述したように数MHzの仕様とし、周波数記憶部33には各通信事業者が使用している携帯通信端末10の上り電波12の周波数の情報は、サンプリング周波数を順次加えた周波数群(サンプリング周波数が2MHzの場合、815MHz、817MHz、819MHz、…、843MHz)を記憶し、制御部32は周波数記憶部33よりこの周波数群を順次出力するように制御し、その結果制御した周波数群分のパワースペクトル群をパワースペクトル算出部37より受け取るようにしても良い。また、電波検知装置3の各部構成のうち、発振部34とミキサ35とA/D変換部36とを纏めた機材が「ソフトウェアラジオフロントエンド」として市販されている。特に、DVB−T(Digital Video Broadcasting Terrestrial)規格の地上デジタルテレビジョン放送をパソコンで受信するために使用される「ワンセグメント放送受信用チューナー」の中には、受信周波数範囲が約60MHz〜2200MHzと広帯域であり、サンプリング周波数が2.048MHzであり、サンプリングのビット数が8ビットであるタイプを適用する場合を例示できる。
図6は、実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置における電波検知装置3を利用した制御盤6による利用者救出の対応優先度設定に係る動作処理を示したフローチャートである。但し、ここでは図1に示したように利用者9が携帯通信端末10を所持して乗りかご1内に乗り込んだ状態と乗りかご1内に利用者9がいない状態との双方の適用を想定している。
図6を参照すれば、利用者救出の対応優先度設定に係る動作処理では、まず制御盤6が何らかの要因により乗りかご1が走行できない状況になったか否かの判別をエレベータ故障・停止であるか否かの判定(ステップS1)により行う。この判定の結果、エレベータ故障・停止でなければこの判定の前に戻って処理を繰り返すが、エレベータ故障・停止であれば電波検知装置3を起動して乗りかご1内の利用者9が携帯通信端末10を操作して無線通信により発信される基地局11へ送信する上り電波12を検知するための携帯上り電波12の探索開始(ステップS2)の処理を行った後、利用者9が乗りかご1内の操作盤の非常用の呼び出し釦21を押下してインターホン2による通話を行っているか否かの判別をインターホン通話有りか否かの判定(ステップS3)により行う。因みに、利用者9が呼び出し釦21を押下してインターホン2による通話を行う場合、監視センタ8の監視卓81のオペレータがインターホン2を介して通話を開始したかを確認することになる。この判定の結果、インターホン通話有りであれば引き続いて電波検知装置3からの電波判定信号38に基づいて乗りかご1内の利用者9が携帯通信端末10を操作して上り電波12を発信しているか否かの判別を携帯上り電波検知有りか否かの判定(ステップS4)により行うが、インターホン通話無しの場合にも同様に引き続いて電波検知装置3からの電波判定信号38に基づいて携帯上り電波検知有りか否かの判定(ステップS7)を行う。尚、上り電波12の探索検知は常に実施せず、上述したように必要に応じて電波検知装置3を立ち上げる構成にした方が省エネルギー化が図られる。また、例えばステップS3でインターホン通話有りを検知した場合は、少なくともオペレータとの通話が可能であり、一定以上の安全が確保できていると判断できる場合には、インターホン通話無しの場合に上り電波12の探索検知開始の処理を行う構成にしても良い。こうした場合には、より省エネルギー化が図られる。
前者の携帯上り電波検知有りか否かの判定(ステップS4)の結果、インターホン2での通話有りで携帯通信端末10からの上り電波12を検知していれば利用者9がインターホン2以外にも携帯通信端末10による外部との意思疎通が確保されていると判断し、優先救出対応として保守員を出動させ、確認した上で利用者9を救出させる優先出動、確認(ステップS6)の設定表示処理を行ってから電波検知装置3を非起動状態(スリープ状態)にした上で最初のエレベータ故障・停止であるか否かの判定(ステップS1)の前に戻って以降の処理を繰り返すが、インターホン2での通話有りで携帯通信端末10からの上り電波12を検知していなければ利用者9がインターホン2での通話を行っているものの、外部との意思疎通がインターホン2のみでしか行うことができないと判断し、最優先救出対応として保守員を出動させ、確認した上で利用者9を速やかに救出させるための最優先出動、確認(ステップS5)の設定表示処理を行ってから電波検知装置3を非起動状態(スリープ状態)にした上で最初のエレベータ故障・停止であるか否かの判定(ステップS1)の前に戻って以降の処理を繰り返す。尚、繰り返す周期が短い場合は、電波検知装置3はスリープさせず、一旦エレベータ故障・停止を検知したら暫く起動させ続ける構成としても良い。この場合、再度ステップS1でエレベータ故障・停止を検知したとしても、改めて起動させる必要はない。
また、後者の携帯上り電波検知有りか否かの判定(ステップS7)の結果、インターホン2での通話無しで携帯通信端末10からの上り電波12を検知していれば利用者9が何らかの理由によりインターホン2の呼び出し釦21を押下操作することができず、代わりに携帯通信端末10を使用して外部との意思疎通を図っていると判断し、最優先救出対応として保守員を出動させ、確認した上で利用者9を速やかに救出させるための最優先出動、確認(ステップS5)の設定表示処理を行ってから電波検知装置3を非起動状態(スリープ状態)にした上で最初のエレベータ故障・停止であるか否かの判定(ステップS1)の前に戻って以降の処理を繰り返すが、インターホン2での通話無しで携帯通信端末10からの上り電波12を検知していなければ乗りかご1内に閉じ込められた利用者9がいないと判断し、通常救出対応として保守員を出動させ、確認するための通常出動、確認(ステップS8)の設定表示処理を行ってから電波検知装置3を非起動状態(スリープ状態)にした上で最初のエレベータ故障・停止であるか否かの判定(ステップS1)の前に戻って以降の処理を繰り返す。因みに、通常出動、確認(ステップS8)の設定表示処理に際して、例えば図1に示したような乗りかご1に設けた荷重センサ4で乗りかご1内の利用者9の重量を検知した結果に基づいて制御盤6が乗りかご1内の利用者9の閉じ込めの有無を判別すれば、一層乗りかご1内の利用者9の閉じ込め状況についての検知機能の精度を向上させることができる。その他、汎用的に乗りかご1内に設けられる図示しない監視カメラや人感センサ等を適用して乗りかご1内の利用者9の閉じ込めの有無を判別するようにしても、同様に乗りかご1内の利用者9の閉じ込め状況についての検知機能の精度を向上させることができる。また、ステップS5、ステップS6、ステップS8の設定表示処理の後、ステップS1に戻ってから利用者救出の対応優先度が前回と異なる場合にのみ、設定表示処理を更新する構成とすれば、通信コストの低減化が期待できる。
以上に説明したように、実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置によれば、制御盤6によりエレベータの乗りかご1内に設けられた電波検知装置3を乗りかご1の走行ができなくなった場合に起動させるようにした上、エレベータの乗りかご1に設置されたインターホン2と利用者9が所持する携帯通信端末10からの上り電波12の検知とを利用し、エレベータの乗りかご1内の利用者9の存在と携帯通信端末10の使用による外部との意思疎通の通信状況を確認した上で、エレベータの非常時における利用者救出の対応要否や利用者救出の対応優先度設定を決定し、救出の対応優先度を設定した結果を通信回線7を介して遠隔地の監視センタ8の監視卓81に表示することができる。この結果、エレベータの利用者9が所持する携帯通信端末10を有効に活かし、乗りかご1の走行ができない非常時でも乗りかご1内での利用者9の閉じ込め状況を適確に検知でき、対応の優先度を決定して実用上での救出に有効となる。また、制御盤6は救出の対応優先度を設定した結果を制御盤6に対して通信接続可能なその他の端末装置に付設される表示部へ表示する制御を行うようにしても良い。こうした場合には必ずしも遠隔地でない大きな同一の建物等の管理室に設置された端末装置の表示部でも確認できるため、監視員・管理人等が専用の保守点検業者へ即座に報知することで迅速に救出を行うことが可能となる。尚、インターホン通話の有無と携帯通信端末10の使用による上り電波12の検知の有無との組み合わせ(最大4つ)に基づいて、状況に合った利用者救出の対応優先度を設定することが目的であるため、上記4つの組み合わせにどの優先度を対応させるかはエレベータの設置環境や利用者環境、広域災害の有無等によって適宜変更しても良い。
尚、上述した実施例に係るエレベータ用非常時利用者検知装置は、上述したように乗りかご1内の利用者9の閉じ込め状況についての検知機能の精度を種々変更できる他、図1を参照して説明したエレベータシステムについても乗りかご1を2系統以上で並設した構成とできる等、種々変更可能であるため、本発明のエレベータ用非常時利用者検知装置は実施例で開示した内容のものに限定されない。
1 乗りかご
2 インターホン
3 電波検知装置
4 荷重センサ
5 テールコード
6 制御盤
7 通信回線
8 監視センタ
9 利用者
10 携帯通信端末
11 基地局
12 上り電波
13 下り電波
21 呼び出し釦
31 アンテナ
32 制御部
33 周波数記憶部
34 発振部
35 ミキサ
36 A/D変換部
37 パワースペクトル算出部
38 電波判定信号
81 監視卓

Claims (4)

  1. エレベータの乗りかごに設けられると共に、当該エレベータ内の利用者が所持する携帯通信端末と基地局間で行われる無線通信の上り電波を受信する電波検知装置を有するエレベータ用非常時利用者検知装置において、
    前記電波検知装置は、前記乗りかごが走行できない非常時に当該乗りかご内の前記利用者の前記携帯通信端末が送信する前記上り電波を受信し、所定の閾値以上の信号強度の前記上り電波を検知し、当該検知した結果をエレベータ制御装置へ送信し、
    前記エレベータ制御装置は、前記非常時に前記利用者による前記乗りかごの操作盤に設けられた非常用のインターホンの呼び出し通話の有無、及び前記電波検知装置から受信する前記所定の閾値以上の信号強度の前記上り電波の検知の有無に応じて当該乗りかご内の当該利用者への救出の対応優先度を設定することを特徴とするエレベータ用非常時利用者検知装置。
  2. 請求項1記載のエレベータ用非常時利用者検知装置において、
    前記エレベータ制御装置は、前記インターホンの呼び出し通話が有りで前記上り電波の検知が無しの場合、並びに当該インターホンの呼び出し通話が無しで当該上り電波の検知が有りの場合を最優先救出対応、当該インターホンの呼び出し通話が有りで当該上り電波の検知が有り場合を優先救出対応、当該インターホンの呼び出し通話が無しで当該上り電波の検知が無い場合を通常救出対応とすることを特徴とするエレベータ用非常時利用者検知装置。
  3. 請求項1又は2記載のエレベータ用非常時利用者検知装置において、
    前記エレベータ制御装置は、前記救出の対応優先度を設定した結果を通信接続可能な端末装置に付設される表示部へ表示する制御を行うことを特徴とするエレベータ用非常時利用者検知装置。
  4. 請求項1記載のエレベータ用非常時利用者検知装置において、
    前記電波検知装置は、前記上り電波を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された前記上り電波に係る電波周波数信号を予め設定された周波数帯域で発振された発振信号との間で混合乗算して周波数変換した信号を出力するミキサと、前記ミキサで前記周波数変換された信号を所定のサンプリング周波数及びビット数によりデジタルデータのデジタルサンプルデータに変換するA/D変換部と、前記A/D変換部から出力される前記デジタルサンプルデータを所定のサンプル周波数毎に高速フーリエ変換した結果の実部と虚部とをそれぞれ二乗して加算したデータによりパワースペクトルを算出するパワースペクトル算出部と、前記パワースペクトル算出部からの前記パワースペクトルに基づいて前記携帯通信端末からの前記上り電波の有無を判定した結果を示す電波判定信号を出力する制御部と、を備え、
    前記エレベータ制御装置は、前記制御部からの前記電波判定信号に基づいて前記上り電波検知の有無を判別することを特徴とするエレベータ用非常時利用者検知装置。
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