JP2017206578A - 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、金属張積層板、樹脂基板、プリント配線基板、及び半導体装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、金属張積層板、樹脂基板、プリント配線基板、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低誘電正接を得つつ、樹脂残渣を抑制できる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、(A)ポリフェニレンエーテルと、(B)シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、当該(A)と反応する成分と、(C)充填材と、を含み、成分(A)の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリプレグ、金属張積層板、樹脂基板、プリント配線基板、及び半導体装置に関する。
現在の電子機器において、より高速伝送化、高密度集積化が進んでおりこれらの電子機器に用いられるプリント配線板はビルドアップ方式の多層プリント配線板が多く採用されている。
多層プリント配線板は、層間接続のために樹脂層にスルーホールが設けられ、その後、スルーホール等の内部と内層回路とを導通するためにメッキ処理が施される。このメッキ処理の際に、樹脂層を形成する樹脂材料による樹脂残渣が、スルーホール内にあると、導通不良の原因となる。そのため、メッキ処理の前に、薬液を用いて樹脂残渣を除去するデスミア処理が行われる。
ここで、薬液に対する樹脂層の溶解性が高すぎると、スルーホール周辺の樹脂層も溶解してしまい好ましくないが、一方で、樹脂層の溶解性が低いと樹脂残渣が発生し易くなるといった問題が生じる。
また、近年の電子機器の中には、高周波信号で作動するものが増加し、信号処理の高速化が進んでいる。そのため、高周波を使う必要性が高まることに伴い、電気信号の伝送損失、遅延が大きくなる傾向があった。そこで、より低誘電正接の樹脂材料を用いて樹脂層を形成することが望まれている。
特許文献1には、優れた誘電特性を得る観点から、ポリフェニレンエーテル、エポキシ樹脂、無機充填材を用いた樹脂組成物が開示されている。
特開2014−240474号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、樹脂残渣を低減しつつ低誘電正接を得る点で充分ではなかった。
本発明者が鋭意検討を行った結果、ポリフェニレンエーテルに特定の成分を組み合わせ、かつポリフェニレンエーテルの含有量を制御することにより、低誘電正接を得つつ、樹脂残渣を抑制できることが見出された。
本発明によれば、プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
(A)ポリフェニレンエーテルと、
(B)シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、当該(A)と反応する成分と、
(C)充填材と、
を含み、
成分(A)の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、キャリア基材と、上記キャリア基材上に設けられている、上記の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。
さらに、本発明によれば、上記熱硬化性樹脂組成物が繊維基材に含浸された、プリプレグが提供される。
さらに、本発明によれば、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、樹脂基板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記金属張積層板または上記樹脂基板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記プリント配線基板と、上記プリント配線基板の上記回路層上に搭載された、または上記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。
本発明によれば、低誘電正接を得つつ、樹脂残渣を抑制できる熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたキャリア付樹脂膜、プリプレグ、金属張積層板、樹脂基板、プリント配線基板、半導体装置が提供できる。
本実施形態におけるキャリア付樹脂膜の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における金属張積層板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
はじめに、本実施形態におけるプリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物(P)」とも呼ぶ。)について説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物(P)によるプリント配線基板における絶縁層としては、例えば、ビルドアップ層やソルダーレジスト層における絶縁層が挙げられる。
本実施形態においては、例えば、樹脂組成物(P)を用いて形成される熱硬化性樹脂膜を回路層上に積層し、これを熱硬化させることによりビルドアップ層やソルダーレジスト層における絶縁層が形成される。
樹脂組成物(P)は、例えば、溶剤を含むワニス状とすることができる。
一方で、樹脂組成物(P)は、フィルム状であってもよい。この場合、例えば、ワニス状の樹脂組成物(P)を塗布して得られる樹脂膜に対し溶剤除去処理を行うことにより、フィルム状の樹脂組成物(P)を得ることができる。なお、フィルム状の樹脂組成物(P)は、キャリア基材上に積層されてキャリア付樹脂膜を構成することができる。
樹脂組成物(P)は、(A)ポリフェニレンエーテルと、(B)シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、当該(A)と反応する成分と、(C)充填材と、を含む。
<成分(A)>
成分(A)は、ポリフェニレンエーテルである。成分(A)は、低誘電率及び低誘電正接の電気的特性を有する材料であり、これにより高周波特性に優れた樹脂層を形成することができる。また、成分(A)は、エーテル結合を有するため高温でも熱分解されにくく、また、親水性基が存在しないことにより、吸水性が低くなり、多湿環境下においても品質劣化がしにくい樹脂層を形成することができる。
成分(A)は、下記式(1)で表される構造単位を有するポリマーである。ポリマーに含まれる下記構造単位は1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
Figure 2017206578
(式中、R,R,R,Rは、互いに同じまたは異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、および置換されていてもよいアルコキシ基からなる群から選ばれるいずれかを表す。)
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
置換されていてもよいアルキル基の「アルキル基」は、例えば、炭素数が1以上6以下、好ましくは炭素数が1以上3以下の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基、エチル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルケニル基の「アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、エテニル基、1−プロペニル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルキニル基の「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられ、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアリール基の「アリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアラルキル基の「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、α−メチルベンジル基、2−ビニルフェネチル基、4−ビニルフェネチル基等が挙げられ、ベンジル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルコキシ基の「アルコキシ基」は、たとえば炭素数が1以上6以下、好ましくは炭素数が1以上3以下の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましい。
上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、及びアルコキシ基が置換されている場合、置換基を1または2以上有していてよい。
このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アルケニル基(例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
またさらに、成分(A)は、下記式(1a)で表される構造単位を有してもよい。
Figure 2017206578
(式中、R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R18は、同一又は異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基又はフェニル基である。−A−は、炭素数20以下の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水素基である。)
成分(A)は、一部又は全部を、ビニルベンジル基等のエチレン性不飽和基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、及びシリル基等で官能基化された変性ポリフェニレンエーテルとしてもよい。
また、成分(A)は両末端が、ヒドロキシ基、エポキシ基、またはエチレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、エテニル基、アリル基、メタアクリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基及びオクテニル基等のアルケニル基、シクロペンテニル基及びシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ビニルベンジル基及びビニルナフチル基等のアルケニルアリール基が挙げられる。また、両末端は、同一の官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。
低誘電正接及び樹脂残渣の低減のバランスを高度に制御する観点から、両末端が、ヒドロキシ基、またはメタアクリル基であることが好ましく、両末端のいずれもが、ヒドロキシ基、またはメタアクリル基であることがより好ましい。
成分(A)の重量平均分子量は、500以上4000以下であることが好ましく、1000以上3000以下であることがより好ましい。成分(A)の重量平均分子量を下限値以上とすることにより、得られる樹脂層の可撓性を良好にできる。一方、成分(A)の重量平均分子量を上限値以下とすることにより、薬液に対する溶解性を良好にできる。
成分(A)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である。樹脂固形分100重量部に対して、10重量部以上とすることにより、成分(A)による低誘電正接を得ることができ、35重量部以下とすることにより、樹脂残渣を抑制できる。成分(A)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、15重量部以上であることが好ましく、25重量部以上であることがより好ましく、一方、33重量部以下であることが好ましい。
なお、樹脂固形分とは、ワニスにおける(C)充填材及び溶媒を除いた樹脂成分のことである。
<成分(B)>
成分(B)は、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、当該成分(A)と反応する成分である。成分(B)は、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含めばよく、これらを併用してもよい。反応するとは、成分(A)が持つ官能基と、成分(B)が持つ官能基が加熱により化学反応を起こし、架橋を形成することである。成分(B)は、成分(A)と反応することにより、良好な誘電正接特性が得られるようになる。また、樹脂残渣を低減する観点から、成分(B)は、成分(A)よりも吸水率が高いものが好ましい。
成分(A)と成分(B)との組み合わせは、特に限定されないが、例えば成分(B)がシアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のいずれかである場合、成分(A)は両末端かつ/または−A−中にヒドロキシ基を持ったものであることが好ましく、成分(B)がマレイミド化合物であれば、成分(A)の両末端かつ/または−A−中にエチレン性不飽和基を持ったものであることが好ましい。
シアネートエステル樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネートエステル樹脂は、例えば、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂などのビスフェノール型シアネートエステル樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂;ビフェニルアルキル型シアネートエステル樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、ビスフェノールA骨格、またはノボラック骨格を有することが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂が好ましく、ノボラック型シアネートエステル樹脂がより好ましい。なかでも、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂を用いることにより、良好な低誘電正接が得られる。この理由としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂は、架橋点が少ないため、トリアジン環を形成した際に未反応のシアネート基が残りにくく、誘電特性を良好に維持しやすくなるためである。
ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、例えば、下記一般式(2)で示されるものを使用することができる。
Figure 2017206578
一般式(2)で示されるノボラック型シアネートエステル樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。平均繰り返し単位nは、とくに限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。平均繰り返し単位nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネートエステル樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することを抑制できる。また、平均繰り返し単位nは、とくに限定されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、プリプレグの成形性を向上させることができる。
また、シアネートエステル樹脂としては、下記一般式(3)で表わされるナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂も好適に用いられる。下記一般式(3)で表わされるナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂は、例えば、α−ナフトールあるいはβ−ナフトールなどのナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンなどとの反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。一般式(3)の繰り返し単位nは10以下の整数であることが好ましい。繰り返し単位nが10以下であると、より均一な絶縁層を得ることができる。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。
Figure 2017206578
(式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。)
シアネートエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、とくに限定されないが、Mw500以上が好ましく、Mw600以上がより好ましい。Mwが上記下限値以上であると、プリプレグを作製した場合にタック性の発生を抑制でき、プリプレグ同士が接触したとき互いに付着したり、プリプレグの転写が生じたりするのを抑制することができる。また、Mwは、とくに限定されないが、Mw4,500以下が好ましく、Mw3,000以下がより好ましい。Mwが上記上限値以下であると、シアネートエステル樹脂の環化反応が速くなるのを抑制でき、絶縁層に不良が生じたり、絶縁層と金属層とのピール強度が低下したりするのを抑制することができる。
シアネートエステル樹脂のMwは、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
また、シアネートエステル樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、異なるMwを有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
フェール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで変性した油変性レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
マレイミド化合物のマレイミド基は、5員環の平面構造を有し、マレイミド基の二重結合が分子間で相互作用しやすく極性が高いため、マレイミド基、ベンゼン環、その他の平面構造を有する化合物等と強い分子間相互作用を示し、分子運動を抑制することができる。そのため、樹脂組成物(P)は、マレイミド化合物を含むことにより、得られる絶縁層の線膨張係数を下げ、ガラス転移温度を向上させることができ、さらに、耐熱性を向上させることができる。
マレイミド化合物としては、分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物が好ましい。
分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレンジマレイミド、N,N'−ヘキサメチレンジマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド等の分子内に2つのマレイミド基を有する化合物、ポリフェニルメタンマレイミド等の分子内に3つ以上のマレイミド基を有する化合物等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらのマレイミド化合物の中でも、低吸水率である点等から、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
エポキシ樹脂の中でも、得られるプリント配線基板の耐熱性および絶縁信頼性をより一層向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、アラルキル型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
成分(B)としては、低誘電正接と樹脂残渣の低減の両立を図る観点から、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物のいずれかを含むことが好ましく、シアネートエステル樹脂を含むことがより好ましい。
成分(B)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、40重量部以上90重量部以下が好ましく、42重量部以上75重量部以下がより好ましく、65重量部以上90重量部以下がさらに好ましく、67重量部以上75重量部以下がより一層好ましい。
また、成分(B)のうち、シアネートエステル樹脂の含有量は、低誘電正接と樹脂残渣の低減の両立を一層図る観点から、樹脂固形分100重量部に対して、40重量部以上90重量部以下が好ましく、42重量部以上75重量部以下がより好ましい。
また、成分(B)のうち、エポキシ樹脂の含有量は、低誘電正接と樹脂残渣の低減の両立を一層図る観点から、樹脂固形分100重量部に対して、25重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましく、5重量部以下であることがさらに好ましく、エポキシ樹脂を含まないことがことさら好ましい。
<成分(C)>
成分(C)は、充填材である。充填材としては、有機充填材、無機充填材が挙げられるが、適度な弾性率、低誘電正接を得る観点から、無機充填材であることが好ましい。
無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、弾性率と低誘電正接、樹脂残渣の低減を両立する観点から、シリカがより好ましい。これらの中から、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
成分(C)の平均粒子径は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。成分(C)の平均粒子径が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁層作製時の作業性を向上させることができる。また、成分(C)の平均粒子径は、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。成分(C)の平均粒子径が上記上限値以下であると、ワニス中で成分(C)の沈降等の現象を抑制でき、より均一な樹脂層を得ることができる。また、プリント配線基板の回路寸法L/Sが20μm/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性に影響を与えるのを抑制することができる。
成分(C)の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
成分(C)は、平均粒子径が単分散のものを用いてもよいし、平均粒子径が多分散のものを用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散を1種類または2種類以上で併用してもよい。
成分(C)としては、シリカ粒子が好ましく、平均粒子径5.0μm以下のシリカ粒子が好ましく、平均粒子径0.1μm以上4.0μm以下のシリカ粒子がより好ましく、0.2μm以上2.0μm以下のシリカ粒子がさらに好ましい。これにより、成分(C)の充填性をさらに向上させることができる。
成分(C)の含有量は、樹脂組成物(P)の樹脂固形分100重量部に対して、150重量部以上、300重量部以下である。150重量部以上とすることにより、低誘電正接を得つつ良好な弾性率が得られる。一方、300重量部以下とすることにより、樹脂残渣を低減しつつ良好な弾性率が得られる。成分(C)の含有量は、樹脂組成物(P)の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは155重量部以上250重量部以下であり、より好ましくは160重量部以上230重量部以下である。また、高弾性率を得る観点から、成分(C)の含有量は、170重量部以上であることが好ましい。
ここで、樹脂組成物(P)による効果について詳述する。
樹脂組成物(P)は、成分(A)〜(C)を組み合わせ、成分(A)を特定の含有量で配合することによって初めて、低誘電正接と樹脂残渣の低減を実現できるものである。すなわち、成分(A)は低誘電正接が得られる樹脂として知られている一方で、吸水率が低いことが要因となり、薬液処理によっても除去されにくく、樹脂残渣の原因となる傾向があった。そのため、樹脂残渣を抑制する観点から、成分(A)の含有量を高くすることは困難であった。これに対し、樹脂組成物(P)は、成分(A)に対し吸水率が比較的高い成分(B)を組み合わせ、かつ成分(A)の含有量を制御することによって、樹脂残渣除去性を改善しつつも、誘電特性が改善できることが初めて見出された結果、完成されたものである。すなわち、樹脂組成物(P)は、従来なし得なかった低誘電正接と樹脂残渣減少の両立について、成分の組み合わせ及び含有量の制御によって初めて実現するものである。
このほか、必要に応じて、樹脂組成物(P)には硬化促進剤、カップリング剤を適宜配合することができる。
樹脂組成物(P)は、例えば、硬化促進剤を含むことができる。これにより、樹脂組成物(P)の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
硬化促進剤として用いられるオニウム塩化合物は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(5)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2017206578
(式(5)中、Pはリン原子、R、R、RおよびR10は、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す。)
硬化促進剤の含有量は、例えば、樹脂組成物(P)の樹脂固形分を100重量部としたとき、0.01重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物(P)の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤の含有量は、例えば、樹脂組成物(P)の樹脂固形分を100重量部としたとき、5重量部以下であることが好ましく、1重量部以下であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の保存性を向上させることができる。
さらに、樹脂組成物(P)は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は樹脂組成物(P)の調製時に直接添加してもよいし、(C)充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により(C)充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、得られる絶縁層の耐熱性を改良することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
これにより、(C)充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、得られる絶縁層の耐熱性をより向上させることができる。
シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。
カップリング剤の添加量は、(C)充填材の比表面積に依存するので特に限定されないが、樹脂組成物(P)の樹脂固形分を100重量部としたとき、0.01重量部以上2重量部以下が好ましく、0.05重量部以上1重量部以下がより好ましい。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、(C)充填材を十分に被覆することができ、得られる絶縁層の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、得られる絶縁層の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
さらに、樹脂組成物(P)には、本発明の目的を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加してもよい。
熱可塑性樹脂は、さらなる低誘電率、低誘電正接化のために用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは末端もしくは分子鎖中に特定の官能基を有したものでもよく、当該官能基としては、例えば、エポキシ基、ヒドロキシ基、アクリル基が挙げられる。その中でも、ヒドロキシ基、アクリル基で変性したポリブタジエンが好ましい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青等の無機顔料、フタロシアニン等の多環顔料、アゾ顔料等が挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチン等が挙げられる。
樹脂組成物(P)は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、N−メチルピロリドン等の有機溶剤中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニス(I)とすることができる。
樹脂ワニス(I)の固形分は、40質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上70質量%以下がより好ましい。これにより、樹脂ワニス(I)の作業性や成膜性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、例えば、ガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含まないものとすることができる。これにより、ビルドアップ層やソルダーレジスト層を形成するために適した樹脂組成物(P)を実現することができる。
・硬化物
樹脂組成物(P)を温度230℃で2時間加熱処理して得られる硬化物は、1GHzにおける誘電正接が、0.005以下であることが好ましく、0.0045以下であることがより好ましい。
また、上記硬化物の吸水率は、JIS C 6481に準じる方法で23±0.5℃、24時間の条件にて蒸留水中で吸湿させた場合において、0.10%以上0.40%以下であることが好ましく、0.12%以上0.30%以下であることがより好ましい。下限値以上とすることにより、樹脂残渣の発生を抑制することができ、上限値以下とすることにより、低誘電率、低誘電正接の特性を持ったプリント配線基板を得ることができるようになる。
また、樹脂組成物(P)を230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の25℃における弾性率は、基板の反りを低減し、低誘電正接特性を得る観点から、好ましくは5GPa以上、より好ましくは8GPa以上である。一方、得られる絶縁層の応力を緩和させたり、回路層等の他の部材との密着性を良好にする観点から、好ましくは、21Gpa以下であり、より好ましくは15Gpa以下であり、さらに好ましくは13GPa以下である。
このような弾性率を達成するためには、成分(A)〜(C)の含有量、硬化促進剤などの添加剤の種類や配合量等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
次に、キャリア付樹脂膜100について説明する。
図1は、本実施形態におけるキャリア付樹脂膜100の構成の一例を示す断面図である。キャリア付樹脂膜100は、プリント配線基板のビルドアップ層またはソルダーレジスト層における絶縁層を形成するために用いられる。図1に示すように、キャリア付樹脂膜100は、例えば、キャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられた樹脂膜10と、を備える。樹脂膜10は、本実施形態に係る樹脂組成物(P)により構成される。このため、上述したように、キャリア付樹脂膜100を用いて形成される絶縁層を備える半導体装置の信頼性を向上させることができる。
キャリア付樹脂膜100は、例えば、キャリア基材12上にワニス状の樹脂組成物(P)を塗布して塗布膜を形成した後、当該塗布膜に対して溶剤除去処理を行うことによって樹脂膜10を形成することにより製造することができる。キャリア基材12は、とくに限定されないが、例えば、PET(Poly ethylene terephthalate)や銅箔により構成される。また、樹脂膜10の膜厚は、とくに限定されないが、例えば、5μm以上300μm以下とすることができる。これにより、ビルドアップ層やソルダーレジスト層中の絶縁層の形成に適した樹脂膜10を実現することができる。
本実施形態においては、例えば、次のようにしてキャリア付樹脂膜100を用いてビルドアップ層やソルダーレジスト層中の絶縁層を形成することができる。まず、回路基板の導体回路パターンが設けられた面上に、樹脂膜10が回路基板と対向するようキャリア付樹脂膜100を貼付する。キャリア付樹脂膜100の貼付は、例えば、キャリア付樹脂膜100を回路基板上に積層した後、これを真空加熱加圧成形することにより行うことができる。次いで、キャリア基材12を、樹脂膜10から剥離する。次いで、回路基板上に残存した樹脂膜10を熱硬化させる。これにより、回路基板上に、導体回路パターンを覆うように、樹脂膜10を硬化して得られる硬化膜からなる絶縁層が形成されることとなる。
次に、プリプレグ、および樹脂基板について説明する。
プリプレグとは、プリント配線基板におけるビルドアップ層中の絶縁層やコア層中の絶縁層を形成するために用いられるものである。プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体を加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。
また、プリプレグは、本実施形態における熱硬化性樹脂組成物(P)(以下、樹脂組成物(P)とも呼ぶ。)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。
また、樹脂基板とは、プリント配線基板の絶縁層を形成するために用いられる。樹脂基板はプリプレグの硬化物を含むものであり、例えば、プリプレグを加熱硬化することによって得ることができる。
プリプレグの厚さは、例えば、20μm以上220μm以下である。プリプレグの厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスが特に優れ、薄型のプリント配線基板に適した樹脂基板を得ることができる。
つづいて、プリプレグの製造方法について説明する。
プリプレグは、例えば、本実施形態における樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物(P)を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、繊維基材を上記樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより上記樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、スプレーにより上記樹脂ワニスを繊維基材に吹き付ける方法、繊維基材の両面から樹脂組成物(P)からなる樹脂層(P)で繊維基材をラミネートする方法等が挙げられる。
図2は、本実施形態における金属張積層板200の構成の一例を示す断面図である。金属張積層板200は、プリプレグの硬化物(絶縁層301)、またはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物(絶縁層301)の片面または両面に金属箔105が設けられている。金属張積層板200は、プリント配線基板の絶縁層を形成するために用いることができる。
つづいて、上記で得られたプリプレグを用いた金属張積層板200の製造方法について説明する。プリプレグを用いた金属張積層板200の製造方法は、例えば以下の通りである。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔105を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔105を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔105を重ねる。
次いで、プリプレグと金属箔105とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板200を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
上記の加熱加圧成形するときの加熱温度は、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上240℃以下がより好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、加熱加圧成形後に、必要に応じて、恒温槽等で後硬化をおこなってもよい。後硬化の温度は、好ましくは150℃以上300℃以下であり、より好ましくは250℃以上300℃以下である。
また、この金属張積層板200または樹脂基板をコア基板として用いてプリント配線基板を得ることができる。
以下、プリプレグ、金属張積層板200および樹脂基板を製造する際に使用する各材料について詳細に説明する。
金属箔105を構成する金属としては、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金、亜鉛、亜鉛系合金、ニッケル、ニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバー、スーパーインバー等のFe−Ni系の合金、W、Mo等が挙げられる。これらの中でも、金属箔105を構成する金属としては、導電性に優れ、エッチングによる回路形成が容易であり、また安価であることから銅または銅合金が好ましい。すなわち、金属箔105としては、銅箔が好ましい。
また、金属箔105としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔105の厚みは、好ましくは0.5μm以上40μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上35μm以下である。
次いで、プリプレグに用いられる繊維基材について説明する。
繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材;ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。これらのうち、いずれかを使用することができる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性の樹脂基板を得ることができる。
繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上90μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上できる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物(P)の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
ガラス繊維基材として、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材が好適に用いられる。
次に、本実施形態に係るプリント配線基板300について説明する。図3および図4は、本実施形態におけるプリント配線基板300の構成の一例を示す断面図である。
プリント配線基板300は、例えば、図3に示すように、コア層311と、ソルダーレジスト層401と、を含む。また、プリント配線基板300は、例えば、図4に示すように、コア層311と、ビルドアップ層317と、ソルダーレジスト層401と、を含んでもよい。
なお、本実施形態において、ビアホール307とは層間を電気的に接続するための孔であり、貫通孔および非貫通孔いずれでもよい。
本実施形態に係るプリント配線基板300は、片面プリント配線基板であってもよいし、両面プリント配線基板または多層プリント配線基板であってもよい。両面プリント配線基板とは、絶縁層301の両面に金属層303を積層したプリント配線基板である。また、多層プリント配線基板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により、コア層311上に、ビルドアップ層317を2層以上積層したプリント配線基板である。
ここで、本実施形態に係るプリント配線基板300において、ビルドアップ層317における絶縁層305およびソルダーレジスト層401から選択される少なくとも一層が本実施形態に係る樹脂組成物(P)の硬化物により構成されており、ビルドアップ層317における絶縁層305およびソルダーレジスト層401から選択されるすべての層が本実施形態に係る樹脂組成物(P)の硬化物により構成されていることが好ましい。
金属層303は、例えば、回路層であり、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308と、電解金属めっき層309とを有する。
プリント配線基板300が、図4に示すような多層プリント配線基板の場合は、金属層303は、コア層311またはビルドアップ層317中の回路層である。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または絶縁層301の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。金属箔105または絶縁層301上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層309付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる無電解金属めっき膜308の除去により、金属箔105または絶縁層301上に金属層303を形成する。
金属層303の回路寸法は、ラインアンドスペース(L/S)で表わすとき、25μm/25μm以下とすることができ、特に15μm/15μm以下とすることができる。回路寸法を小さくし、微細配線にすると配線間の絶縁信頼性が低下する。しかし、本実施形態に係るプリント配線基板300は、ラインアンドスペース(L/S)15μm/15μm以下の微細配線が可能であり、ラインアンドスペース(L/S)10μm/10μm程度までの微細化を達成できる。
金属層303の厚みは、特に限定されないが、通常は、0.5μm以上40μm以下であることが好ましい。
コア層311中の絶縁層301(ビルドアップ層317を含まないプリント配線基板300中の絶縁層301も含む。)の厚さは、好ましくは0.025mm以上0.3mm以下である。絶縁層301の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスに優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層301を得ることができる。
ビルドアップ層317中の絶縁層305の厚さは、好ましくは0.015mm以上0.05mm以下である。絶縁層305の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスが特に優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層305を得ることができる。
つづいて、プリント配線基板300の製造方法の一例について説明する。
はじめに、上述した金属張積層板を準備する。
次いで、エッチング処理により、金属箔105の一部またはすべてを除去する。
次いで、絶縁層301にビアホール307を形成する。ビアホール307は、例えば、ドリル機やレーザー照射を用いて形成することができる。レーザー照射に用いるレーザーは、エキシマレーザー、UVレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。ビアホール307を形成後の樹脂残渣等は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤等により除去してもよい。
なお、エッチング処理による金属箔105の除去前に、絶縁層301にビアホール307を形成してもよい。
次いで、ビアホール307内、金属箔105または絶縁層301の表面に対して、薬液処理またはプラズマ処理を行う。
薬液処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用する方法等が挙げられる。また、プラズマ処理としては、対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して樹脂残渣を除去する方法等が挙げられる。
次に、ビアホール307内に金属層303を形成する。金属層303は、例えば、セミアディティブプロセス(SAP)またはモディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)により形成することができる。以下、具体的に説明する。
はじめに、無電解めっき法を用いて、金属箔105または絶縁層301の表面やビアホール307内に無電解金属めっき膜308を形成し、プリント配線基板300の両面の導通を図る。またビアホール307は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。無電解めっき法の例を説明する。例えば、まず金属箔105または絶縁層301の表面上やビアホール307内に触媒核を付与する。この触媒核としては、特に限定されないが、例えば、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができる。引き続き、この触媒核を核として、無電解めっき処理により無電解金属めっき膜308を形成する。無電解めっき処理には、例えば、硫酸銅、ホルマリン、錯化剤、水酸化ナトリウム等を含むものを用いることができる。なお、無電解めっき後に、100〜250℃の加熱処理を施し、めっき被膜を安定化させることが好ましい。120〜180℃の加熱処理が酸化を抑制できる被膜を形成できる点で、特に好ましい。また、無電解金属めっき膜308の平均厚さは、例えば、0.1〜2μm程度である。
次いで、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308上に所定の開口パターンを有するめっきレジストを形成する。この開口パターンは、例えば回路パターンに相当する。めっきレジストとしては、特に限定されず、公知の材料を用いることができるが、液状およびドライフィルムを用いることができる。微細配線形成の場合には、めっきレジストとしては、感光性ドライフィルム等を用いることが好ましい。感光性ドライフィルムを用いた一例を説明する。例えば、無電解金属めっき膜308上に感光性ドライフィルムを積層し、非回路形成領域を露光して光硬化させ、未露光部を現像液で溶解、除去する。硬化した感光性ドライフィルムを残存させることにより、めっきレジストを形成する。
次いで、少なくともめっきレジストの開口パターン内部かつ金属箔105および/または無電解金属めっき膜308上に、電気めっき処理により、電解金属めっき層309を形成する。電気めっき処理としては、通常のプリント配線基板で用いられる公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅等のめっき液中に浸漬させた状態で、めっき液に電流を流す等の方法を使用することができる。電解金属めっき層309は単層でもよく多層構造を有していてもよい。電解金属めっき層309の材料としては、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田のいずれか一種以上を用いることができる。
次いで、アルカリ性剥離液や硫酸または市販のレジスト剥離液等を用いてめっきレジストを除去する。
次いで、電解金属めっき層309が形成されている領域以外の金属箔105および/または無電解金属めっき膜308を除去する。例えば、ソフトエッチング(フラッシュエッチング)等を用いることにより、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308を除去することができる。ここで、ソフトエッチング処理は、例えば、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液を用いたエッチングにより行うことができる。これにより、金属層303を形成することができる。金属層303は、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308と、電解金属めっき層309と、により構成されることになる。
さらに、金属層303上に、必要に応じてビルドアップ層317を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返すことにより、多層にすることができる。そして、ソルダーレジスト層401を金属層303上に積層する。
以上により、本実施形態のプリント配線基板300が得られる。
つづいて、本実施形態に係る半導体装置400について説明する。図5および図6は、本実施形態における半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。プリント配線基板300は、図5および図6に示すような半導体装置400に用いることができる。半導体装置400の製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下のような方法がある。
はじめに、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子407を回路層の一部である接続端子上に半田バンプ410を介して固着させる。その後、半導体素子407、半田バンプ410等を封止材413で封止することによって、図5および図6に示す様な半導体装置400が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、上記実施形態では、半導体素子407と、プリント配線基板300の回路層とを半田バンプ410で接続したが、これに限られるものではない。例えば、半導体素子407とプリント配線基板300の回路層とをボンディングワイヤで接続してもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部は特に特定しない限り重量部を表す。また、それぞれの厚みは平均膜厚で表わされている。
・実施例及び比較例
表1に示す固形分割合で成分(A)〜(C)を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニス1を調製した。
成分(A)〜(C)としては、以下の材料を用いた
(A)ポリフェニレンエーテル1(SABICイノベーティブプラスチクスジャパン合同会社製、製品名SA−90−100、未変性ポリフェニレンエーテル樹脂、重量平均分子量 Mw=1,700)
ポリフェニレンエーテル2(SABICイノベーティブプラスチクスジャパン合同会社製、製品名SA−9000−100、末端メタアクリル基変性ポリフェニレンエーテル樹脂、重量平均分子量 Mw=1,700)
(B)シアネートエステル樹脂1(ロンザ社製、製品名BA−230S、ビスフェノールA型シアネート樹脂:固形分75重量%、メチルエチルケトン25重量% )
シアネートエステル樹脂2(ロンザ社製、製品名PT−30S、ノボラック型シアネート樹脂、固形分80重量%、メチルエチルケトン20重量% )
マレイミド化合物(大和化成社製、製品名BMI−2300、ポリフェニルメタンマレイミド)
エポキシ樹脂(日本化薬社製、製品名NC−3000H、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)
フェノール樹脂(日本化薬社製、製品名GPH−103、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂)
(C)シリカ粒子(アドマテックス社製、製品名SC2050、平均粒径0.5μm)
<評価>
・樹脂残渣、スルーホールの形状
得られた樹脂ワニス1を、ガラス織布(クロスタイプ♯1078、Eガラス、坪量48g/m)に塗布装置で含浸させ、140℃の熱風乾燥装置で10分間乾燥して、厚さ70μmのプリプレグ1を得た。
プリプレグ1の両面に極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を重ね合わせ、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形することにより、金属箔付き樹脂基板を得た。得られた金属箔付き樹脂基板のコア層(樹脂基板からなる部分)の厚みは、0.070mmであった。
得られた金属箔付き樹脂基板の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次いで、当該スルーホール内の樹脂残渣について、走査型電子顕微鏡、JSM−6501series(日本電子社製)を用いて、スルーホール上面から観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:樹脂残渣がなかった。
×:樹脂残渣があった。
また、スルーホールの形状についても、同様に確認し、以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:形状異常なし
×:過剰にデスミアされ、形がいびつであった
・誘電正接
上記樹脂ワニス1をキャリア基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布した後、140℃、3分間の条件で溶剤を除去して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。次に、得られた樹脂膜2枚を、樹脂膜同士が内側になるようにラミネートして、外側のPETフィルムを剥がす工程を2回繰り返し、総厚100μmの樹脂板としたのち、230℃で2時間加熱して硬化させた。得られた樹脂板について、周波数1GHzにおける誘電正接を、JIS C 6481に準じて測定した。測定は、3回行い、その平均値を算出した。
・弾性率
上記樹脂ワニス1をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、3分間の条件で溶剤を除去して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。次に、得られた樹脂膜2枚を、樹脂膜同士が内側になるようにラミネートして、外側のPETフィルムを剥がす工程を2回繰り返し、総厚100μmの樹脂板とした後、230℃で2時間加熱して硬化させた。得られた樹脂板について、周波数1GHz、温度25℃における弾性率(GPa)を、粘弾性測定装置(DMA−7e,PERKIN ELMER社製)を用いて測定した。
・吸水率
上記樹脂ワニス1をキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、140℃、3分間の条件で溶剤を除去して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。次に、得られた樹脂膜2枚を、樹脂膜同士が内側になるようにラミネートして、外側のPETフィルムを剥がす工程を2回繰り返し、総厚100μmの樹脂板とし、その後230℃で2時間加熱して硬化させた。得られた樹脂板の吸水率(%)について、JIS C 6481に準じる方法で23±0.5℃、24時間の条件で蒸留水中で吸湿させたのち、測定した。
Figure 2017206578
10 樹脂膜
12 キャリア基材
100 キャリア付樹脂膜
105 金属箔
200 金属張積層板
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
311 コア層
317 ビルドアップ層
400 半導体装置
401 ソルダーレジスト層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材

Claims (16)

  1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
    (A)ポリフェニレンエーテルと、
    (B)シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド化合物、及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、当該(A)と反応する成分と、
    (C)充填材と、
    を含み、
    成分(A)の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物の1GHzにおける誘電正接が、0.005以下である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物の吸水率(JIS C 6481に準拠)が、0.10%以上0.40%以下である、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 成分(C)の平均粒子径が、0.01μm以上5.0μm以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 成分(C)の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、150重量部以上300重量部以下である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 成分(C)がシリカ粒子を含む、請求項1乃至5いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 成分(B)の前記シアネートエステル樹脂が、ビスフェノールA骨格またはノボラック骨格を有する、請求項1乃至6いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 成分(A)の両末端が、ヒドロキシ基またはメタアクリル基を有する、請求項1乃至7いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 成分(A)の重量平均分子量が500以上4,000以下である、請求項1乃至8いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 成分(B)の前記エポキシ樹脂の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、25重量部以下である、請求項1乃至9いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. キャリア基材と、
    前記キャリア基材上に設けられている、請求項1乃至10いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。
  12. 請求項1乃至10いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物が繊維基材に含浸された、プリプレグ。
  13. 請求項12に記載のプリプレグの硬化物の少なくとも一面に金属層が配置された、金属張積層板。
  14. 請求項1乃至10いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、樹脂基板。
  15. 請求項13に記載の金属張積層板または請求項14に記載の樹脂基板の表面に回路層が形成された、プリント配線基板。
  16. 請求項15に記載のプリント配線基板と、
    前記プリント配線基板の前記回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
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