JP2017206652A - 熱硬化性樹脂組成物、硬化物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、光半導体装置、並びにプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び中空粒子を含有する。以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂は、水素原子が直接ケイ素原子に結合した基(Si−H)であるヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂であれば特に限定されない。
(GPC条件)
ポンプ:L−6200型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:TSKgel―G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)
検出器:L−3300RI型(株式会社日立製作所製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:30℃
流量:1.0mL/分
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、アルケニル基含有シリコーン樹脂を含有する。該アルケニル基は、上述したヒドロシリル基含有シリコーン樹脂が有するヒドロシリル基と、好ましくは硬化触媒の存在下、付加反応することで熱硬化性樹脂組成物の硬化物を形成することができる。
アルケニル基当量が上記範囲内であれば、硬化後の樹脂の構造は架橋密度の高いものとなる。
Y=MI2×100/X
本実施形態にかかる樹脂組成物は、シリコーン樹脂(X)を含有することが好ましい。シリコーン樹脂(X)は、25℃で固体状のシリコーン樹脂である。本明細書において、25℃で固体状とは、軟化点が25℃を超えるものをいう。シリコーン樹脂の軟化点は、例えば、測定装置として、TMA−120型(セイコーインスツル株式会社製、製品名)を用い、測定モードをPenetration(針入モード)とし、昇温速度が10℃/分、荷重が98.1mN(10gf)の条件で測定することができる。シリコーン樹脂(X)を含有することで、樹脂組成物は、タブレット形状とした場合の硬度が高くなり、取扱性に優れるものとなる。
この範囲であれば、トランスファー成形に用いる際の取扱いがより容易となる傾向にある。
反応性の観点から、本実施形態の樹脂組成物中にはシリコーン樹脂のヒドロシリル化反応を促進する硬化触媒を含有することが好ましい。硬化触媒としては、例えば、カルステッド触媒;白金の単体;担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体;白金−オレフィン錯体;白金−ビニルシロキサン錯体;白金−ホスフィン錯体;白金−ホスファイト錯体及びジカルボニルジクロロ白金が挙げられる。これらの硬化触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態にかかる熱硬化性樹脂組成物には、その硬化物に用途に応じた色を付加するために、顔料を含有していても良い。本実施形態に係る顔料は、作製される熱硬化性樹脂組成物の硬化物の使用目的に応じて選択することができる。顔料としては、例えば、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、紫(菫)色顔料、青色顔料及び緑色顔料が挙げられる。顔料は、アゾ顔料、レーキ顔料又は蛍光顔料であってもよい。なお、本明細書では「顔料」とは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物に色を付加するために用いられるものであればよく、粒子の大きさ、溶媒への溶解性等は特に限定されない。
成物の成型性が低下する傾向がある。
本実施形態にかかる熱硬化性樹脂組成物は中空粒子を含む。中空粒子は、内部に空隙部を有する粒子であり、外殻を構成する物質は特に限定されない。中空粒子は、入射光を表面及び内壁で屈折及び反射するため、白色顔料として有用である。中空粒子としては、無機中空粒子、有機中空粒子等が挙げられる。無機中空粒子としては、無機ガラス、シリカ等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸カルシウム、炭酸ニッケル等の金属塩などを好適に用いることができ、具体的には、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラスの粒子等が挙げられる。有機中空粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂及びこれらの架橋体を好適に用いることができる。耐熱性及び耐圧強度が高く、熱処理や樹脂組成物調整工程での粒子の破壊をより抑制する観点から、中空粒子の外殻は、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材質から構成されることが好ましい。
本実施形態に係る屈折率は、温度25℃におけるd線(587.562nm、He)の光に対する値を示すものである。屈折率は、臨界角法、プリズムカップリング法、ベッケ法、vブロック法等の原理に従い、種々の屈折計を用いて測定することができる。測定装置としては、分光計、アッベ屈折計、プルリッヒ屈折計、エリプソメーターが挙げられる。屈折率の測定方法は、測定対象物の性状(固体、液体等)に合わせて選択することができる。また、測定対象物が固体である場合には、その形状が薄膜、バルク又は粉体により屈折率の測定方法を選択することができる。例えば、測定対象物が固体の場合、測定対象物を公知の方法で薄膜化してアッベ屈折計又はエリプソメーターを用いて測定することができる。無機酸化物等の白色顔料の屈折率は、白色顔料を構成する成分の形状(バルクや薄膜)における測定値を適用してもよい。白色顔料が粉体である場合には、ベッケ法が用いられる。本明細書において、熱硬化性樹脂の屈折率は、Vブロック法(測定装置:KPR、カルニュー光学製)により、白色顔料の屈折率は、ベッケ法(標準溶液と比較する方法)により測定したものである。なお、中空粒子については、空気や不活性ガスによって空隙部が満たされているため、空隙部の屈折率として、空気又は不活性ガスの屈折率に相当する「1.0〜1.1」の数値を適用することができる。
熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外に、無機充填剤、カップリング剤、硬化遅延剤、シリコーン樹脂以外の熱硬化性樹脂、酸化防止剤、離型剤、分散剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤を更に含有することができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を光反射材料として用いる場合、硬化後の光反射率が、波長440〜700nmのいずれかにおいて80%以上となることが好ましい。光反射率が80%以上であれば、光半導体装置の輝度をより向上できる。また、青色発光ダイオードを用いた光半導体装置に好適とする観点から、硬化後の波長460nmにおける光反射率が、80%以上となることが好ましく、90%以上となることがより好ましい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような混練工程及び粉砕工程を備えていてもよい。
熱硬化性樹脂組成物は、先に例示した各種成分を均一に分散混合することによって調製することができ、混合手段、混合条件等は特に制限されない。調製方法としては、例えば、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー、らいかい機、自転と公転を組み合わせた攪拌混合機等の装置を用いて各種成分を混練する方法が挙げられる。混練形式についても特に限定されないが、作業が容易な観点から溶融混練とすることが好ましく、工程の簡略化の観点から、混練は15〜30℃で実施されることが好ましい。加熱を要する際は、例えば、30〜100℃の温度範囲であってもよい。溶融混練の温度が30℃以上であると、各種成分をより十分に溶融混練することが可能であり、分散性がより向上する傾向がある。一方、溶融混練を100℃以下で実施すると、樹脂組成物の高分子量化をより抑制でき、基板等の成形品を成形する前に樹脂組成物が硬化してしまうことをより抑制できる。混錬時間は5〜40分間であってもよく、10〜30分間であってもよい。溶融混練の時間が5分間以上であると、基板等の成形時に金型から樹脂が染み出すことをより抑制でき、40分間以内であると、樹脂組成物の高分子化を制御し易く、成形前に樹脂組成物が硬化することをより抑制できる。
粉砕工程では、例えば、熱硬化性樹脂組成物を乾式粉砕する。乾式粉砕は、例えば、高速攪拌ミル、ヘンシェルミキサ、パワーミル、ジェットミル、ロールグラニュレータ等の粉砕装置を用いて行うことができる。これらの粉砕装置は、目的の粉末粒径により使い分けることができる。
本実施形態の硬化物は、上述の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させることで形成することができる。熱硬化の条件は特に限定はないが、例えば、温度170〜200℃で、60〜300秒間加熱することにより硬化できる。熱硬化は後述の成形法に含まれる工程の一部として行ってもよい。
本実施形態に係る光半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有する。凹部の底面が光半導体素子搭載部(光半導体素子搭載領域)であり、凹部の壁面、すなわち凹部の内周側面の少なくとも一部が本実施形態の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体からなるものである。
本実施形態に係る光半導体装置は、上記光半導体素子搭載用基板と、当該光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子とを有する。より具体的な例として、上記光半導体素子搭載用基板と、光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、凹部を充填して光半導体素子を封止する封止樹脂部とを備える光半導体装置が挙げられる。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
シリコーン樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて下記条件で測定した。
(GPC条件)
ポンプ:L−6200型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:TSKgel―G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)
検出器:L−3300RI型(株式会社日立製作所製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:30℃
流量:1.0mL/分とした。
「FT−NMR AV400M」(ブルカー・バイオスピン株式会社製、商品名)を用いて、シリコーン樹脂の1H−NMR測定を行い、シリコーン樹脂中のアルケニル基及びアルキル基の含有量を測定した。測定条件は、シリコーン樹脂を0.5質量%含むように調整した重クロロホルム溶液を用い、積算回数(NS)を32とした。
JIS K 0070:1992に従い、ヨウ素価を測定した。測定されたヨウ素価及び(1)にて測定した重量平均分子量からアルケニル基当量を算出した。
以下の手順に従い、アルケニル基含有シリコーン樹脂、ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂及びメチルフェニルシリコーン樹脂を得た。
(合成例1)
フェニルトリクロロシラン100g、両末端ジメチルクロロシラン−ポリジメチルシロキサン53g及びメチルビニルジクロロシラン8.5gをトルエン200gに溶解した溶液を、発熱しないようにゆっくり水1000g中に滴下し加水分解した。次いで、還流条件で60分攪拌した後、有機層を水酸化カリウムで中和し、共沸脱水後、トルエン等の溶剤を留去し、無色液状のアルケニル基含有シリコーン樹脂を得た。Mwは3685であり、アルケニル基当量1585g/molであった。
ビニルトリメトキシシラン425g、メチルトリエトキシシラン1.2g、イソプロピルアルコール120g、トルエン240g、濃塩酸1.18g及び蒸留水31.4gを1000mlフラスコに加えて、170℃で時間にわたって還流しながら攪拌した。次にトルエンを減圧留去し、無色透明のアルケニル基含有シリコーン樹脂を得た。得られた樹脂は50%のアセトン溶液として保存した。Mwは4000であり、アルケニル基当量は85であった。
フェニルトリクロロシラン100g、両末端ジメチルクロロシラン−ポリジメチルシロキサン53g及びメチルジクロロシラン6.9gをトルエンに溶解した溶液を、発熱しないようにゆっくり水1000g中に滴下し加水分解した。次いで、還流条件で60分攪拌した後、有機層を水酸化カリウムで中和し、共沸脱水後、トルエン等の溶剤を留去し、無色透明のヒドロシリル基含有シリコーン樹脂を得た。Mwは3865であった。
メチルトリエトキシシラン89.2g、フェニルトリエトキシシラン99g、イソプロピルアルコール23.6g、トルエン23.6g、濃塩酸0.28g及び蒸留水36gを500mLフラスコに加えて、110℃で3時間にわたって還流しながら攪拌した。次に、トルエンを減圧留去することにより無色固形のメチルフェニルシリコーン樹脂を得た。次いでトリエトキシハイドロシラン23gを加えて、170℃で3時間にわたって加熱反応しアルコキシシランを縮合して得られたシリコーン樹脂の軟化点は89℃であり、Mwは2600であり、ケイ素原子に結合しているアリール基の割合は34%であった。
<光反射用熱硬化性樹脂組成物の調整>
表1及び表2に示す配合割合に従って、各成分を配合し、らいかい機によって室温で十分に混練分散することによって粉末状の熱硬化性白色樹脂組成物を得た。
<熱硬化物の成型>
実施例1〜6、比較例1〜2で得られた熱硬化性樹脂組成物を、金型温度180℃、圧力14MPa、硬化時間300秒の条件でトランスファー成型し、厚さ3mm、厚さ0,6mm、厚さ0.3mmの三種類の試験片を作製した。
上記で得られた熱硬化物の試験片を用い、積分球型分光硬度計CM600d(コニタミノルタ株式会社製)を用いて、波長460nmにおける光反射率を測定した。また、厚み3.0mmの試験片で測定した初期反射率(R1)に対する厚み0.3mmの試験片で測定した初期反射率(R2)の差((R2−R1)/R1)を算出した。
*1:アルケニル基含有シリコーン樹脂(合成例1)
*2:アルケニル基含有シリコーン樹脂(合成例2)
*3:ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF484)
*4:ヒドロシリル基含有熱硬化性シリコーン樹脂(合成例3)
*5:メチルフェニルシリコーン樹脂(合成例4、シリコーン樹脂(X))
*6:トリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製、商品名:KBM−1003)
*7:白金(0)−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体(和光純薬工業株式会社製、白金1.7質量%)
*8:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:FB−950、中心粒径26μm)
*9:溶融シリカ(デンカ株式会社製、商品名:S440−4、中心粒径6μm)
*10:溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:SO−25R、中心粒径1μm)
*11:酸化チタン(石原産業株式会社製、商品名:CR63、中心粒径0.2μm)
*12:酸化亜鉛(株式会社アドマッテクス製、商品名AO−802)
*13:中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:S60−HS、中心粒径27μm、空隙部の屈折率1.0〜1.1)
*14:中空粒子(住友スリーエム社製、商品名:iM30K、中心粒径15μm、空隙部の屈折率1.0〜1.1)
Claims (13)
- ヒドロシリル基含有シリコーン樹脂、アルケニル基含有シリコーン樹脂及び空隙部の屈折率が1.0〜1.1である中空粒子を含む熱硬化性樹脂組成物。
- 前記中空粒子の外殻が、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記中空粒子が粒径0.1〜100μmの粒子を含む請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記中空粒子の含有量が、熱硬化性樹脂合計100質量部に対して10〜80質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の顔料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- タブレット状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成される、硬化物。
- 底面及び壁面から構成される凹部を有し、当該凹部の前記底面が光半導体素子の搭載部であり、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部に請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有する、光半導体素子搭載用基板。
- 基板と、当該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子とを備え、
前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との間に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物から形成された成形体を有する、光半導体素子搭載用基板。 - 底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板の製造方法であって、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部を、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いてトランスファー成形又はコンプレッション成形して形成する工程を備える、光半導体素子搭載用基板の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の光半導体素子搭載用基板と、当該光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、を備える、光半導体装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備える、光学部材用プリント配線板。
- 請求項12に記載の光学部材用プリント配線板と、光半導体素子と、該光半導体素子を封止するための封止樹脂と、を備える、光半導体装置。
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