以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるトンネル施工システム1の受変電設備の単線結線図である。図2(A)及び(B)は、トンネル施工重機に含まれるホイールジャンボ10及びコンクリート吹付機50の概略構成を示す。ここで、トンネル施工重機とは、トンネル101の施工に用いられる重機である。
トンネル施工システム1は、地山100をダイナマイト等の爆薬を用いて発破掘削してトンネル101を形成するためのものである。トンネル施工システム1は、ホイールジャンボ10及びコンクリート吹付機50を含む。ここで、ホイールジャンボ10が本発明の「削孔機」に対応する。
トンネル施工システム1では、その受電点111にて、外部(例えば電力会社)からの三相6,600Vの電力を受電する。電線である幹線112は、受電点111からトンネル101の坑口102まで延び、更に、トンネル101の坑口102からトンネル101の切羽103側に向けて延長されている。尚、本実施形態では、幹線112において、便宜上、受電点111側を上流側と称する一方、切羽103側を下流側と称する。
幹線112のうちトンネル101外に位置する部分には、受電点111より下流に向かって順に、断路器DS及び遮断器CBが介装されている。
トンネル101内には、複数(図1では3台)の変圧器113が、トンネル軸方向に沿って順に略等間隔に(例えば500m間隔で)設置されている。各変圧器113は、電線である支線114を介して、坑内の幹線112に接続されている。変圧器113は、1次側が6,600Vであり、2次側が例えば400〜440V程度である。
トンネル101内に位置する変圧器113にて例えば400〜440V程度に降圧された電力は、分電盤115を介して、ホイールジャンボ10及びコンクリート吹付機50に供給され得る。ここで、分電盤115と変圧器113とは電線116を介して接続されている。
図3は、扉121が開かれた状態の分電盤115の斜視図である。
分電盤115は、1つの面が開口した矩形箱状の筐体120と、筐体120の開口を塞ぐための開閉自在な扉121と、筐体120内に収納された遮断器122と、1次側電線123と、2次側電線124と、を有する。1次側電線123は、遮断器122の上流側(1次側)と電線116とを接続している。2次側電線124は、遮断器122の下流側(2次側)と、ホイールジャンボ10のケーブルリール15から繰り出された給電用ケーブル16(後述する図4参照)とを接続し得る。また、2次側電線124は、遮断器122の下流側(2次側)と、コンクリート吹付機50のケーブルリール58から繰り出された給電用ケーブル59(後述する図5参照)とを接続し得る。
遮断器122は、例えば、所定値以上の過大な電流が流れたときに1次側電線123及び2次側電線124に流れる電流を断つように構成されている。
2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126には、2次側電線124を流れる電流を測定するための電流センサ131(後述する図6参照)として、例えば架線電流計(クランプメータ)が設けられる。この架線電流計は、2次側電線124の電流による磁界を測ることによって2次側電線124の電流を間接的に測定し得る。尚、電流センサ131の種類は架線電流計に限らない。
分電盤115は、トンネル101内を走行可能な台車(図示せず)に搭載されてもよい。分電盤115は、トンネル101内における切羽103側に配置され得る。
図2(A)に示すように、ホイールジャンボ10は、アウトリガ(図示せず)を備える自走式のベースマシン11と、ベースマシン11の先端に設けられて切羽面の削孔を行う削孔用ドリフター12と、ベースマシン11の上部に上下揺動可能に支持され、かつ伸縮可能なブーム13と、ブーム13の先端に配置されたバスケット14とを備えている。バスケット14は、後述する削孔作業工程時(作業工程P1時)において作業監視用の作業員が配備される場所であり、また、後述する装薬作業工程時(作業工程P2時)において装薬作業を行う作業員が配置される場所である。バスケット14については、デッキプレート14aの周囲を手すり14bで囲うことによって作業員の安全を確保している。ここで、ブーム13及びバスケット14により、「高所作業用設備」の機能が実現され得る。
ここで、本実施形態では、ホイールジャンボ10が2つの削孔用ドリフター12と2つのバスケット14(ブーム13)とを備えるとして以下説明するが、削孔用ドリフター12とバスケット14(ブーム13)とについては、各々が1つずつであってもよく、又は、各々が3つ以上であってもよい。
ベースマシン11は、その走行駆動源としてエンジン(図示せず)を備えている。
また、ベースマシン11はケーブルリール15を備えている。ケーブルリール15は、削孔用ドリフター12及びブーム13を駆動するための電力を供給する給電用ケーブル16(後述する図4参照)を巻回するものである。尚、ケーブルリールの一例が特開2015−218060号公報に開示されている。
図4は、分電盤115からホイールジャンボ10への電力供給を示す図である。
本実施形態では、ベースマシン11は2つの電動モータ17を備えている。電動モータ17は、その最大使用電力が55kWである。尚、本実施形態では、ベースマシン11が2つの電動モータ17を備えているが、ベースマシン11が1つの電動モータ17のみを備えてもよく、又は、3つ以上の電動モータ17を備えてもよい。また、本実施形態では、電動モータ17の最大使用電力が55kWであるが、電動モータ17の最大使用電力はこれに限らない。
電動モータ17は電線18を介してケーブルリール15(換言すれば、給電用ケーブル16の下流側端部)に接続されている。給電用ケーブル16の上流側端部が分電盤115の2次側電線124に接続されると、分電盤115から、ケーブルリール15を介して、2つの電動モータ17に電力が供給される。電動モータ17は、削孔用ドリフター12及びブーム13の駆動源である。ここで、ホイールジャンボ10は、電気駆動の作動機器として電動モータ17を備えている。
尚、ホイールジャンボ(ドリルジャンボ)の一例が特開2000−170490号公報に開示されている。
図2(B)に示すように、コンクリート吹付機50は、アウトリガ(図示せず)を備える自走式のベースマシン51と、ベースマシン51の先端に設けられて起伏及び伸縮自在なアーム52と、アーム52に支持されてコンクリートを吹き付ける吹付ノズル53と、支保工建込用のエレクター54と、ベースマシン51の上部に上下揺動可能に支持され、かつ伸縮可能なブーム55と、ブーム55の先端に配置されたバスケット56とを備えている。バスケット56は、前述のバスケット14と同様の構成である。ブーム55及びバスケット56により「高所作業用設備」の機能が実現され得る。エレクター54の先端には、支保工を把持するための把持部57が設けられている。
ここで、本実施形態では、コンクリート吹付機50が2つのエレクター54と2つのバスケット56(ブーム55)とを備えるとして以下説明するが、エレクター54とバスケット56(ブーム55)とについては、各々が1つずつであってもよく、又は、各々が3つ以上であってもよい。また、本実施形態では、コンクリート吹付機50が1つの吹付ノズル53(アーム52)を備えるとして以下説明するが、吹付ノズル53(アーム52)については2つ以上であってもよい。
ベースマシン51は、その走行駆動源としてエンジン(図示せず)を備えている。
また、ベースマシン51はケーブルリール58を備えている。ケーブルリール58は、アーム52、エレクター54及びブーム55を駆動するための電力と、吹付ノズル53からコンクリートを吹き付けるための電力とを供給する給電用ケーブル59(後述する図5参照)を巻回するものである。
図5は、分電盤115からコンクリート吹付機50への電力供給を示す図である。
本実施形態では、ベースマシン51は2つの空気圧縮機(エアコンプレッサ)61,62と、コンクリートポンプ63と、図示しない油圧ポンプの駆動源となる電動モータ64とを備えている。空気圧縮機61は、その最大使用電力が75kWである。空気圧縮機62は、その最大使用電力が37kWである。コンクリートポンプ63は、その最大使用電力が30kWである。電動モータ64は、その最大使用電力が22kWである。尚、本実施形態では、ベースマシン51が2つの空気圧縮機61,62を備えているが、ベースマシン51が1つの空気圧縮機のみを備えてもよく、又は、3つ以上の空気圧縮機を備えてもよい。また、本実施形態では、ベースマシン51が1つのコンクリートポンプ63を備えているが、ベースマシン51が2つ以上のコンクリートポンプを備えてもよい。また、本実施形態では、ベースマシン51が1つの電動モータ64を備えているが、ベースマシン51が2つ以上の電動モータを備えてもよい。また、本実施形態では、空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64の最大使用電力が、それぞれ、75kW、37kW、30kW、及び22kWであるが、空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64の最大使用電力はこれらに限らない。
空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64は電線65を介してケーブルリール58(換言すれば、給電用ケーブル59の下流側端部)に接続される。給電用ケーブル59の上流側端部が分電盤115の2次側電線124に接続されると、分電盤115から、ケーブルリール58を介して、空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64に電力が供給される。空気圧縮機61,62、及びコンクリートポンプ63は、吹付ノズル53からコンクリートを空気と共に吹き付けるための駆動源(換言すればコンクリート及び空気を昇圧する昇圧手段)である。また、本実施形態では、電動モータ64を駆動源とする油圧ポンプ(図示せず)を油圧源として、油圧作動のアーム52、エレクター54及びブーム55が作動し得る。ここで、コンクリート吹付機50は、電気駆動の作動機器として、空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64を備えている。
尚、支保工建込用のエレクターを備えるコンクリート吹付機の一例が特開2007−217943号公報に開示されている。
図6は、作業工程判別システム2の概略構成を示す図である。
トンネル施工システム1は作業工程判別システム2を有している。
作業工程判別システム2は、電流センサ131と、処理装置132と、記録装置133と、表示装置134と、を備える。作業工程判別システム2のうち、処理装置132と、記録装置133と、表示装置134とについては、例えば、トンネル工事現場の詰所に配置され得る(すなわち、分電盤115より離れた位置に配置され得る)。
電流センサ131と処理装置132とは信号線160を介して接続されている。処理装置132と記録装置133とは信号線161を介して接続されている。処理装置132と表示装置134とは信号線163を介して接続されている。尚、本実施形態では、電流センサ131と、処理装置132と、記録装置133と、表示装置134とを信号線160〜162で接続することで相互間の通信を行っているが、この他、信号線160〜162の少なくとも1つを無線通信機器(送信機及び受信機)に変更して相互間の無線通信を行うようにしてもよい。
電流センサ131は、分電盤115の2次側電線124を流れる電流を測定するものである。電流センサ131は、2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126に設けられている。
処理装置132は、CPU、メモリ、ハードディスク等を備え、各種演算処理を行う。処理装置132は、電流測定値時系列データ生成部141、電流平均値算出部142、電流平均値時系列データ生成部143、電流ばらつき算出部144、電流ばらつき時系列データ生成部145、作業工程判別部146、作業工程時系列データ生成部147、時計148、及び、サイクルタイム測定部149を有する。
電流測定値時系列データ生成部141は、電流センサ131から得られる電流の測定値と時計148から得られる時刻とを関連付けて、分電盤115の2次側電線124を流れる電流の時系列データ(電流の測定値の時系列データ)を生成する。
電流平均値算出部142は、電流測定値時系列データ生成部141にて生成された電流の測定値の時系列データを用いて、所定時間における電流の平均値(電流の測定値の平均値)を算出する。この電流の平均値については、前記所定時間に含まれる1つの時刻と関連付けられる。
電流平均値時系列データ生成部143は、電流平均値算出部142にて算出された電流の平均値(前述のように時刻と関連付けられたもの)を用いて、分電盤115の2次側電線124を流れる電流の平均値の時系列データを生成する。
電流ばらつき算出部144は、電流測定値時系列データ生成部141にて生成された電流の測定値の時系列データと、電流平均値算出部142にて算出された電流の平均値(前述のように時刻と関連付けられたもの)とを用いて、前記所定時間における電流の統計的ばらつき(電流の測定値の統計的ばらつき)を算出する。この電流の統計的ばらつきについては、前記所定時間に含まれる1つの時刻と関連付けられる。ここで、統計的ばらつきは、分散、標準偏差、分散の定数倍の値、標準偏差の定数倍の値のいずれかであり得る。
電流ばらつき時系列データ生成部145は、電流ばらつき算出部144にて算出された電流の統計的ばらつき(前述のように時刻と関連付けられたもの)を用いて、分電盤115の2次側電線124を流れる電流の統計的ばらつきの時系列データを生成する。
作業工程判別部146は、電流平均値算出部142にて算出された電流の平均値(前述のように時刻と関連付けられたもの)、又は、電流ばらつき算出部144にて算出された電流の統計的ばらつき(前述のように時刻と関連付けられたもの)を用いて、前記所定時間における作業工程を判別する。この判別された作業工程については、前記所定時間に含まれる1つの時刻と関連付けられる。
作業工程時系列データ生成部147は、作業工程判別部146にて判別された作業工程(前述のように時刻と関連付けられたもの)を用いて、作業工程の時系列データを生成する。
サイクルタイム測定部149は、作業工程時系列データ生成部147にて生成された作業工程の時系列データを用いて、トンネル施工における作業サイクルのサイクルタイムを算出する。
記録装置133はプリンタと記憶装置との少なくとも一方を含む。記録装置133がプリンタを含む場合には、当該プリンタによって、前述の電流の測定値の時系列データ、電流の平均値の時系列データ、電流の統計的ばらつきの時系列データ、作業工程の時系列データ、及び、サイクルタイムの算出結果が紙等に印刷される。記録装置133が記憶装置を含む場合には、当該記憶装置が、前述の電流の測定値の時系列データ、電流の平均値の時系列データ、電流の統計的ばらつきの時系列データ、作業工程の時系列データ、及び、サイクルタイムの算出結果を記憶する。
表示装置134は、前述の電流の測定値の時系列データ、電流の平均値の時系列データ、電流の統計的ばらつきの時系列データ、作業工程の時系列データ、及び、サイクルタイムの算出結果を表示するものであり、例えばディスプレイである。
次に、作業工程判別システム2により実現される、トンネル施工における作業工程判別方法について、図7〜図11を用いて説明する。
図7は、分電盤115の電流センサ131によって得られた電流の測定値の時系列データと作業工程P1〜P6との関係を示す図である。図8は、作業工程P1〜P6と、作業工程P1〜P6にて用いられるトンネル施工重機(特に分電盤115から電力が供給されるホイールジャンボ10及びコンクリート吹付機50)との関係を示す図である。図9は、図7に示す電流の測定値の時系列データから得られた、作業工程P1〜P6における電流の平均値Qsa及び標準偏差σsを示す図である。図10は、作業工程判別フローを示すフローチャートである。図11は、作業工程判別結果の一例を示す図である。
本実施形態では、作業工程の判別が、主として前述の電流の平均値に基づいて行われるとして、以下説明する。尚、後述する本発明の第2実施形態では、作業工程の判別が、主として前述の電流の統計的ばらつきに基づいて行われる場合について説明する。後述する第2実施形態では、前述の統計的ばらつきとして標準偏差が用いられる。
本実施形態では、図10に示す作業工程判別フローを実行するに先立って、準備段階として、図10に示す作業工程判別フローにて用いられる複数の作業工程判別閾値を設定する。
図7は、前述の準備段階で取得された電流の測定値Qmの時系列データと作業工程P1〜P6との関係を示している。ここで、電流の測定値Qmの時系列データについては、前述の電流測定値時系列データ生成部141にて生成され得る。
ここで、図7に示す作業工程P1〜P6は、具体的には、以下の作業工程である。
P1:トンネル101の切羽103に発破孔を削孔する削孔作業工程。
P2:前述の発破孔にダイナマイト等の爆薬を装填する装薬作業工程。
P3:前述の爆薬を爆発させることによりトンネル101の切羽103を掘削する発破掘削工程と、この掘削によって発生したズリをトンネル101の切羽103側から坑口102側(トンネル101外)に搬出するズリ出し作業工程と、を含む掘削・ズリ出し作業工程。
P4(P41及びP42):トンネル101の切羽103及び/又は内壁面にコンクリートを吹き付けるコンクリート吹付作業工程。
P5:アーチ状の複数の支保工をトンネル軸方向に互いに間隔を空けて設置する支保工建込作業工程。
P6:片付け作業を含む、段取り替え作業工程。
本実施形態において、図7に示す作業サイクルC1は、前述の作業工程P1〜P6を含む。また、作業サイクルC1に続く作業サイクルC2も前述の作業工程P1〜P6を含む。尚、本実施形態では、作業サイクルC1,C2はロックボルト打設作業工程を含んでいないが、作業サイクルC1,C2がロックボルト打設作業工程を含んでもよい。また、前述の作業工程P4(P41及びP42),P5、及びロックボルト打設作業工程については、地山状況、トンネル施工方法、及びトンネル掘削方法等に応じて適宜省略可能であり、また、順序の入れ替えが可能である。尚、後述する第1及び第2の作業サイクルCm1,Cm2(図11及び図13参照)についても、前述の作業サイクルC1,C2と同様である。
本実施形態では、以上のような作業サイクルを繰り返すことで、トンネルの施工が進められる。
図7に示すように、時刻t10〜t11は作業工程P1である。時刻t11〜t12は作業工程P2である。時刻t12〜t13は作業工程P3である。時刻t13〜t14は作業工程P41(作業工程P4の一部)である。時刻t14〜t15は作業工程P5である。時刻t15〜t16は作業工程P42(作業工程P4の残部)である。時刻t16〜t20は作業工程P6である。作業サイクルC1のサイクルタイムは、時刻t10〜t20の間の時間(すなわち、作業サイクルC1の作業工程P1の開始時刻t10から作業サイクルC2の作業工程P1の開始時刻t20までの時間)である。
図8に示すように、本実施形態では、作業工程P1及びP2にてホイールジャンボ10が用いられる。作業工程P1及びP2では、図4に示すように、分電盤115からの2次側電線124が、ホイールジャンボ10のケーブルリール15の給電用ケーブル16に接続されている一方、コンクリート吹付機50のケーブルリール58の給電用ケーブル59に接続されていない。
図8に示すように、本実施形態では、作業工程P4及びP5にてコンクリート吹付機50が用いられる。作業工程P4及びP5では、図5に示すように、分電盤115からの2次側電線124が、コンクリート吹付機50のケーブルリール58の給電用ケーブル59に接続されている一方、ホイールジャンボ10のケーブルリール15の給電用ケーブル16に接続されていない。
尚、本実施形態では、作業工程P5にてコンクリート吹付機50が用いられるが、作業工程P5で用いられるトンネル施工重機はこれに限らない。作業工程P5では、ホイールジャンボ10、又は、図示しない支保工建込用のエレクターが用いられてもよい。ここで、支保工建込用のエレクターは、分電盤115から電力が供給されて作動可能であり、「高所作業用設備」として機能し得るものある。また、作業工程P5にてホイールジャンボ10が用いられる場合には、図4に示すように、分電盤115からの2次側電線124が、ホイールジャンボ10のケーブルリール15の給電用ケーブル16に接続される。
尚、図8に示す作業工程P3については、ズリ出し作業時に例えばホイールローダやズリ運搬ダンプなどの重機が用いられる。これら重機については、分電盤115から電力が供給されるものではないので、図8には記載していない。
作業工程P1では、分電盤115からホイールジャンボ10の2つの電動モータ17に電力が供給されて、削孔用ドリフター12及びブーム13が作動し得る。図9に示すように、この作業工程P1では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが156Aであり、当該電流の標準偏差σsが31Aであった。
作業工程P2では、分電盤115からホイールジャンボ10の2つの電動モータ17に電力が供給されて、ブーム13が作動し得る。図9に示すように、この作業工程P2では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが84Aであり、当該電流の標準偏差σsが8Aであった。
図9に示すように、作業工程P3では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが10Aであり、当該電流の標準偏差σsが2Aであった。
作業工程P4では、分電盤115からコンクリート吹付機50の空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64に電力が供給されて、吹付ノズル53からコンクリートが吹き付けられ得ると共に、アーム52及びブーム55が作動し得る。図9に示すように、この作業工程P4では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが202Aであり、当該電流の標準偏差σsが27Aであった。
作業工程P5では、分電盤115からコンクリート吹付機50の電動モータ64に電力が供給されて、エレクター54及びブーム55が作動し得る。図9に示すように、この作業工程P5では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが50Aであり、当該電流の標準偏差σsが5Aであった。尚、作業工程P5にてホイールジャンボ10が用いられる場合には、分電盤115からホイールジャンボ10の2つの電動モータ17に電力が供給されて、ブーム13が作動し得る。
図9に示すように、作業工程P6では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが15Aであり、電流の標準偏差σsが1Aであった。
図10に示す作業工程判別フローにて用いられる複数の作業工程判別閾値を設定について以下に詳しく説明する。
前述の複数の作業工程判別閾値(後述する上限閾値及び下限閾値)の設定は、前述の図9に示した作業工程P1〜P6における電流の平均値Qsa及び標準偏差σsに基づいて行われる。
ステップS3における上限閾値「229」は、作業工程P4における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの和(202+27)である。すなわち、作業工程P4におけるQsa+σsである。
ステップS3における下限閾値かつステップS5における上限閾値「187」は、作業工程P1における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの和(156+31)である。すなわち、作業工程P1におけるQsa+σsである。
ステップS5における下限閾値かつステップS8における上限閾値「175」は、作業工程P4における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの差(202−27)である。すなわち、作業工程P4におけるQsa−σsである。
ステップS8における下限閾値「125」は、作業工程P1における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの差(156−31)である。すなわち、作業工程P1におけるQsa−σsである。
ステップS10における上限閾値「92」は、作業工程P2における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの和(84+8)である。
ステップS10における下限閾値「76」は、作業工程P2における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの差(84−8)である。
すなわち、ステップS10における上限閾値と下限閾値とは、作業工程P2におけるQsa±σsである。
ステップS12における上限閾値「55」は、作業工程P5における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの和(50+5)である。
ステップS12における下限閾値「45」は、作業工程P5における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとの差(50−5)である。
すなわち、ステップS12における上限閾値と下限閾値とは、作業工程P5におけるQsa±σsである。
ステップS14における上限閾値「30」は作業工程P1、P2、P4、P5以外の作業工程(以下、「他作業」という)であるか否かを判定するためのものであり、例えば、作業工程P3及びP6における電流の平均値Qsaと標準偏差σsとに基づいて設定され得る。
このようにして設定された複数の作業工程判別閾値(上限閾値及び下限閾値)を用いて、図10に示す作業工程判別フローが実行される。
図10に示す作業工程判別フローは、所定時間毎(例えば1分毎)に実行される。
まず、ステップS1にて、所定時間毎(例えば1秒毎)に電流センサ131にて電流を測定する。
次に、ステップS2にて、所定時間(例えば1分間)における当該電流の平均値Qaを算出する。この電流の平均値Qaの算出は電流平均値算出部142にて行われる。ここで、電流の平均値Qaについては、それに対応する所定時間(例えば1分間)に含まれる1つの時刻と関連付けられている。尚、電流の平均値Qaは、以下の式(1)により求められる。
ここで、式(1)における「n」は、電流の平均値Qaの算出に用いられる電流の測定値Qmの個数(電流の測定データの個数)である。例えば、1秒毎に電流測定を行っている場合に、1分間における電流の平均値Qaを算出するには、60個の電流の測定値Qmが用いられる。この場合には、n=60となる。
次に、ステップS3にて、187A≦Qa≦229Aを満たすか否かを判定する。
187A≦Qa≦229Aを満たす場合には、ステップS4に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
187A≦Qa≦229Aを満たさない場合には、ステップS5に進み、175A<Qa<187Aを満たすか否かを判定する。
175A<Qa<187Aを満たす場合にはステップS6に進み、過去の作業工程判別結果を読み込む。ステップS6では、具体的には、作業工程時系列データ生成部147にて生成された作業工程の時系列データを読み込む。
次に、ステップS7では、過去の作業工程判別結果(換言すれば、作業工程の時系列データ)に基づいて、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻が作業工程P4であるか否かを判定する(換言すれば、作業工程P4であるか作業工程P1であるかを判別する)。具体的には、例えば、以下の項目(1)〜(3)のいずれかに該当する場合にステップS4に進んで、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、以下の項目(1)〜(3)のいずれにも該当しない場合にステップS9に進んで、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了する。
(1)ステップS7の判定の直前の時間帯では「他作業」と判別されており(後述するステップS15参照)、かつ、当該時間帯以前の時間帯では作業工程P2であると判別されているとき。
(2)ステップS7の判定の直前の時間帯では作業工程P5であると判別されているとき(後述するステップS13参照)。
(3)ステップS7の判定の直前の時間帯では作業工程P4であると判別されているとき。
尚、本実施形態において、ステップS7では、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻が作業工程P4であるか否かを判定しているが、この他、作業工程P1であるか否かを判定してもよい。具体的には、例えば、以下の項目(4)又は(5)に該当する場合にステップS9に進んで作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、以下の項目(4)又は(5)に該当しない場合にステップS4に進んで作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了してもよい。
(4)ステップS7の判定の直前の時間帯では「他作業」であると判別されており(後述するステップS15参照)、かつ、当該時間帯以前の時間帯では作業工程P4であると判別されているとき。
(5)ステップS7の判定の直前の時間帯では作業工程P1であると判別されているとき。
また、ステップS7にて、前述の項目(1)〜(3)のいずれかに該当する場合にステップS4に進んで、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、前述の項目(4)又は(5)に該当する場合にステップS9に進んで、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了し、前述の項目(1)〜(5)のいずれにも該当しない場合に、後述するステップS16に進んで、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程が不明であると判定して作業工程判別フローを終了してもよい。
ステップS5にて175A<Qa<187Aを満たさない場合には、ステップS8に進み、125A≦Qa≦175Aを満たすか否かを判定する。
125A≦Qa≦175Aを満たす場合には、ステップS9に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS8にて125A≦Qa≦175Aを満たさない場合には、ステップS10に進み、76A≦Qa≦92Aを満たすか否かを判定する。
76A≦Qa≦92Aを満たす場合には、ステップS11に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P2であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS10にて76A≦Qa≦92Aを満たさない場合には、ステップS12に進み、45A≦Qa≦55Aを満たすか否かを判定する。
45A≦Qa≦55Aを満たす場合には、ステップS13に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は作業工程P5であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS12にて45A≦Qa≦55Aを満たさない場合には、ステップS14に進み、Qa<30Aを満たすか否かを判定する。Qa<30Aを満たす場合には、ステップS15に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻は「他作業」であると判別して、作業工程判別フローを終了する。Qa<30Aを満たさない場合には、ステップS16に進み、電流の平均値Qaに関連付けられた時刻の作業工程は不明であると判定して、作業工程判別フローを終了する。
尚、前述のステップS3〜S16の処理については、作業工程判別部146にて実行される。
前述の作業工程判別フローを所定時間毎(例えば1分毎)に繰り返すことで、作業工程時系列データ生成部147にて、作業工程の時系列データを生成することができる。
図11は、作業工程時系列データ生成部147にて生成された作業工程の時系列データの一例を示している。図11に示すような作業工程の時系列データが、記録装置133を構成し得るプリンタによって紙等に印刷可能であり、また、表示装置134によって表示可能である。また、図11に示すような作業工程の時系列データが、記録装置133を構成し得る記憶装置に記憶可能である。
次に、トンネル施工におけるサイクルタイムの測定方法について、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、サイクルタイム測定フローを示すフローチャートである。図13は、作業工程判別結果と第1の作業サイクルCm1及び第2の作業サイクルCm2との関係を示す図である。ここで、図13に示す作業工程判別結果は図11と同一のものである。また、図12に示すサイクルタイム測定フローは、サイクルタイム測定部149にて実行され得る。
図12に示すように、サイクルタイム測定フローでは、まず、ステップS21にて、図13に示すような作業工程判別結果(作業工程の時系列データ)を用いて、第1の作業サイクルCm1の開始時刻t1Sを特定する。ここで、本実施形態では、第1の作業サイクルCm1の開始時刻t1Sは、第1の作業サイクルCm1中の作業工程P1の開始時刻に対応している。
次に、ステップS22にて、図13に示すような作業工程判別結果(作業工程の時系列データ)を用いて、第1の作業サイクルCm1に続く第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sを特定する。ここで、本実施形態では、第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sは、第2の作業サイクルCm2中の作業工程P1の開始時刻に対応している。また、第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sは、第1の作業サイクルCm1の終了時刻に対応している。また、第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sは、第1の作業サイクルCm1の作業工程P6の終了時刻に対応している。
次に、ステップS23では、特定された開始時刻t1S及びt2Sに基づいて、第1の作業サイクルCm1のサイクルタイム(換言すれば、作業サイクルの周期)を算出する。すなわち、時刻t1Sから時刻t2Sまでにかかった時間が、第1の作業サイクルCm1のサイクルタイムに対応する。
第2の作業サイクルCm2以降の作業サイクルについても同様にサイクルタイムの算出を行うことで、作業サイクルの推移を把握することができる。
ところで、図9に示したように、本発明者らは作業工程P1における電流の平均値Qsaが作業工程P2における電流の平均値Qsaよりも大きくなる傾向があるという新たな知見を得た。この新たな知見に基づいて、前述のステップS5、S8、及びS10の各々の上限閾値及び下限閾値が設定されている。
本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法は、トンネル施工における複数の作業工程を判別する方法である。トンネル施工における作業工程判別方法は、外部(トンネル施工重機外)からトンネル施工重機(ホイールジャンボ10及びコンクリート吹付機50)に供給される電流の平均値Qaに基づいて作業工程を判別する(図10参照)。これにより、複数の作業工程を判別する際に、トンネル施工重機毎に移動無線端末を設ける必要はなく、また、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における作業工程の判別やサイクルタイムの測定のためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工重機は削孔機(ホイールジャンボ10)とコンクリート吹付機50とを含む。また、トンネル施工の作業工程として、削孔機(ホイールジャンボ10)を用いてトンネル101の切羽103に発破孔を削孔する削孔作業工程(作業工程P1)と、コンクリート吹付機50を用いてトンネル101の切羽103及び/又はトンネル101の内壁面にコンクリートを吹き付けるコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)と、を含む。トンネル施工における作業工程判別方法では、電流の平均値Qaに基づいて削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別する(図10参照)。これにより、削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別する際に、削孔機(ホイールジャンボ10)とコンクリート吹付機50とにそれぞれ移動無線端末を設ける必要はなく、また、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別するためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法では電流の平均値Qaが第1の所定値(例えば図10のステップS3に記載の「187」A)以上である場合に、コンクリート吹付作業工程(作業工程P4)であると判別する一方、電流の平均値Qaが、当該第1の所定値未満である第2の所定値(例えば図10のステップS8に記載の「175」A)以下である場合に、削孔作業工程(作業工程P1)であると判別する(図10のステップS3、S4、S8及びS9参照)。これにより、簡易な方法で、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工重機は、高所作業用設備(ブーム13及びバスケット14)を備える削孔機(ホイールジャンボ10)を含む。また、トンネル施工の作業工程として、削孔機(ホイールジャンボ10)を用いてトンネル101の切羽103に発破孔を削孔する削孔作業工程(作業工程P1)と、高所作業用設備(ブーム13及びバスケット14)を用いて発破孔に爆薬を装填する装薬作業工程(作業工程P2)と、を含む。トンネル施工における作業工程判別方法では、電流の平均値Qaに基づいて削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別する(図10参照)。これにより、削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別する際に、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別するためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法では電流の平均値Qaが第1の所定値(例えば図10のステップS8に記載の「125」A)以上である場合に、削孔作業工程(作業工程P1)であると判別する一方、電流の平均値Qaが、当該第1の所定値未満である第2の所定値(例えば図10のステップS10に記載の「92」A)以下である場合に、装薬作業工程(作業工程P2)であると判別する(図10のステップS8〜S11参照)。これにより、簡易な方法で、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工におけるサイクルタイムの測定方法では、前述のトンネル施工における作業工程判別方法を用いて、トンネル施工における第1の作業サイクルCm1の開始時刻t1Sと、第1の作業サイクルCm1に続く第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sとを特定し(図12のステップS21、S22及び図13参照)、特定された第1の作業サイクルCm1の開始時刻t1Sと第2の作業サイクルCm2の開始時刻t2Sとに基づいて、第1の作業サイクルCm1のサイクルタイムを算出する(図12のステップS23及び図13参照)。これにより、簡易な方法で、サイクルタイムの測定を行うことができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工におけるサイクルタイムの測定方法では、前述のトンネル施工における作業工程判別方法を用いて、トンネル施工における第1の作業サイクルCm1中の削孔作業工程(作業工程P1)の開始時刻t1Sと、第1の作業サイクルCm1に続く第2の作業サイクルCm2中の削孔作業工程(作業工程P1)の開始時刻t2Sとを特定し(図12のステップS21、S22及び図13参照)、特定された第1の作業サイクルCm1中の削孔作業工程(作業工程P1)の開始時刻t1Sと第2の作業サイクルCm2中の削孔作業工程(作業工程P1)の開始時刻t2Sとに基づいて、第1の作業サイクルCm1のサイクルタイムを算出する(図12のステップS23及び図13参照)。これにより、トンネル施工で繰り返される削孔作業工程(作業工程P1)の開始時刻に基づいて、サイクルタイムを容易に把握することができる。
また本実施形態によれば、電流センサ131は、分電盤115の2次側電線124に設けられている。これにより、分電盤115に電気接続されるトンネル施工重機が例えばホイールジャンボ10からコンクリート吹付機50に切り替わるときに、この切り替えに応じて電流センサ131の取り外しや再取り付けを行う必要がない。すなわち、電流センサ131の着脱作業を要しないので、トンネル施工重機に供給される電流の測定作業を効率よく行うことができる。尚、電流センサ131の設置場所については、分電盤115に電気接続されるトンネル施工重機が前述のように切り替わるときに、この切り替えに応じて電流センサ131の取り外しや再取り付けを行う必要がない場所(すなわち、電流センサ131の着脱作業が発生しない場所)に設けることが好ましい。例えば、電流センサ131は、分電盤115の1次側電線123、1次側電線123に接続される支線114、及び、幹線112のいずれかに設けられてもよい。
また本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程の判別方法、及び、サイクルタイムの測定方法では、1つの電流センサ131のみで、トンネル施工重機に供給される電流の測定を行う。これにより、複数の作業工程を判別する際に、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における作業工程の判別やサイクルタイムの測定のためのシステム構成を簡素化することができる。
尚、本実施形態では、作業工程P1の開始時刻に基づいてサイクルタイムの算出を行っているが、サイクルタイムの算出時に用いられる時刻はこれに限らない。例えば、作業工程P1の終了時刻であってもよい。又は、作業工程P2、P4、及びP5の各々の開始時刻又は終了時刻であってもよい。すなわち、トンネル施工において周期的に繰り返される特定の作業工程の特定の時刻に基づいてサイクルタイムの算出を行うことが可能である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。ここでは、前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
前述の第1実施形態では、作業工程の判別が、主として電流の平均値Qaに基づいて行われていた。これに対し、本実施形態では、作業工程の判別が、主として電流の統計的ばらつきに基づいて行われる。尚、本実施形態では、前述の統計的ばらつきとして標準偏差σが用いられる。
本実施形態において作業工程判別システム2により実現される、トンネル施工における作業工程判別方法について図14を用いて説明する。図14は、本実施形態における作業工程判別フローを示すフローチャートである。
本実施形態では、図14に示す作業工程判別フローを実行するに先立って、準備段階として、図14に示す作業工程判別フローにて用いられる複数の作業工程判別閾値を設定する。
前述の図9に示したように、作業工程P1では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが156Aであり、当該電流の標準偏差σsが31Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は3.1Aであった。
また、前述の図9に示したように、作業工程P2では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが84Aであり、当該電流の標準偏差σsが8Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は0.8Aであった。
また、前述の図9に示したように、作業工程P3では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが10Aであり、当該電流の標準偏差σsが2Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は0.2Aであった。
また、前述の図9に示したように、作業工程P4では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが202Aであり、当該電流の標準偏差σsが27Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は2.7Aであった。
また、前述の図9に示したように、作業工程P5では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが50Aであり、当該電流の標準偏差σsが5Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は0.5Aであった。
また、前述の図9に示したように、作業工程P6では、分電盤115の電流センサ131にて測定される電流の平均値Qsaが15Aであり、当該電流の標準偏差σsが1Aであった。ゆえに、当該電流の標準偏差σsの10分の1(0.1σs)は0.1Aであった。
図14に示す作業工程判別フローにて用いられる複数の作業工程判別閾値を設定について以下に詳しく説明する。
前述の複数の作業工程判別閾値(後述する上限閾値及び下限閾値)の設定は、前述の図9に示した作業工程P1〜P6における標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)とに基づいて行われる。
ステップS33における上限閾値「34.1」は、作業工程P1における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との和(31+3.1)である。すなわち、作業工程P1における1.1σsである。
ステップS33における下限閾値かつステップS35における上限閾値「29.7」は、作業工程P4における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との和(27+2.7)である。すなわち、作業工程P4における1.1σsである。
ステップS35における下限閾値かつステップS38における上限閾値「27.9」は、作業工程P1における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との差(31−3.1)である。すなわち、作業工程P1における0.9σsである。
ステップS38における下限閾値「24.3」は、作業工程P4における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との差(27−2.7)である。すなわち、作業工程P4における0.9σsである。
ステップS40における上限閾値「8.8」は、作業工程P2における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との和(8+0.8)である。
ステップS40における下限閾値「7.2」は、作業工程P2における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との差(8−0.8)である。
すなわち、ステップS40における上限閾値と下限閾値とは、作業工程P2における1.1σsと0.9σsとである。
ステップS42における上限閾値「5.5」は、作業工程P5における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との和(5+0.5)である。
ステップS42における下限閾値「4.5」は、作業工程P5における電流の標準偏差σsとその10分の1の値(0.1σs)との差(5−0.5)である。
すなわち、ステップS42における上限閾値と下限閾値とは、作業工程P5における1.1σsと0.9σsとである。
ステップS44における上限閾値「3」は作業工程P1、P2、P4、P5以外の作業工程(すなわち、前述の「他作業」)であるか否かを判定するためのものであり、例えば、作業工程P3及びP6における電流の標準偏差σsに基づいて設定され得る。
このようにして設定された複数の作業工程判別閾値(上限閾値及び下限閾値)を用いて、図14に示す作業工程判別フローが実行される。
図14に示す作業工程判別フローは、所定時間毎(例えば1分毎)に実行される。
まず、ステップS31にて、所定時間毎(例えば1秒毎)に電流センサ131にて電流を測定する。
次に、ステップS32にて、所定時間(例えば1分間)における当該電流の平均値Qa及び標準偏差σを算出する。この電流の平均値Qa及び標準偏差σの算出は電流平均値算出部142及び電流ばらつき算出部144にて行われる。ここで、電流の平均値Qa及び標準偏差σについては、各々に対応する所定時間(例えば1分間)に含まれる1つの時刻と関連付けられている。尚、電流の平均値Qaは、前述の式(1)により求められる。また、電流の標準偏差σは、以下の式(2)により求められる。
ここで、式(2)における「n」は、電流の標準偏差σの算出に用いられる電流の測定値Qmの個数(電流の測定データの個数)である。例えば、1秒毎に電流測定を行っている場合に、1分間における電流の標準偏差σを算出するには、60個の電流の測定値Qmが用いられる。この場合には、n=60となる。
次に、ステップS33にて、29.7A≦σ≦34.1Aを満たすか否かを判定する。
29.7A≦σ≦34.1Aを満たす場合には、ステップS34に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
29.7A≦σ≦34.1Aを満たさない場合には、ステップS35に進み、27.9A<σ<29.7Aを満たすか否かを判定する。
27.9A<σ<29.7Aを満たす場合にはステップS36に進み、過去の作業工程判別結果を読み込む。ステップS36では、具体的には、作業工程時系列データ生成部147にて生成された作業工程の時系列データを読み込む。
次に、ステップS37では、過去の作業工程判別結果(換言すれば、作業工程の時系列データ)に基づいて、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻が作業工程P1であるか否かを判定する(換言すれば、作業工程P1であるか作業工程P4であるかを判別する)。具体的には、例えば、以下の項目(6)又は(7)に該当する場合にステップS34に進んで、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、以下の項目(6)又は(7)のいずれにも該当しない場合にステップS39に進んで、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了する。
(6)ステップS37の判定の直前の時間帯では「他作業」であると判別されており(後述するステップS45参照)、かつ、当該時間帯以前の時間帯では作業工程P4であると判別されているとき。
(7)ステップS37の判定の直前の時間帯では作業工程P1であると判別されているとき。
尚、本実施形態において、ステップS37では、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻が作業工程P1であるか否かを判定しているが、この他、作業工程P4であるか否かを判定してもよい。具体的には、例えば、以下の項目(8)〜(10)のいずれかに該当する場合にステップS39に進んで作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、以下の項目(8)〜(10)のいずれかに該当しない場合にステップS34に進んで作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了してもよい。
(8)ステップS37の判定の直前の時間帯では「他作業」と判別されており(後述するステップS45参照)、かつ、当該時間帯以前の時間帯では作業工程P2であると判別されているとき。
(9)ステップS37の判定の直前の時間帯では作業工程P5であると判別されているとき(後述するステップS43参照)。
(10)ステップS37の判定の直前の時間帯では作業工程P4であると判別されているとき。
また、ステップS37にて、前述の項目(6)又は(7)に該当する場合にステップS34に進んで、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P1であると判別して作業工程判別フローを終了する一方、前述の項目(8)〜(10)のいずれかに該当する場合にステップS39に進んで、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して作業工程判別フローを終了し、前述の項目(6)〜(10)のいずれにも該当しない場合に、後述するステップS46に進んで、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程が不明であると判定して作業工程判別フローを終了してもよい。
ステップS35にて27.9A<σ<29.7Aを満たさない場合には、ステップS38に進み、24.3A≦σ≦27.9Aを満たすか否かを判定する。
24.3A≦σ≦27.9Aを満たす場合には、ステップS39に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P4であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS38にて24.3A≦σ≦27.9Aを満たさない場合には、ステップS40に進み、7.2A≦σ≦8.8Aを満たすか否かを判定する。
7.2A≦σ≦8.8Aを満たす場合には、ステップS41に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P2であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS40にて7.2A≦σ≦8.8Aを満たさない場合には、ステップS42に進み、4.5A≦σ≦5.5Aを満たすか否かを判定する。
4.5A≦σ≦5.5Aを満たす場合には、ステップS43に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は作業工程P5であると判別して、作業工程判別フローを終了する。
ステップS42にて4.5A≦σ≦5.5Aを満たさない場合には、ステップS44に進み、σ<3Aを満たすか否かを判定する。σ<3Aを満たす場合には、ステップS45に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻は「他作業」であると判別して、作業工程判別フローを終了する。σ<3Aを満たさない場合には、ステップS46に進み、電流の標準偏差σに関連付けられた時刻の作業工程は不明であると判定して、作業工程判別フローを終了する。
尚、前述のステップS33〜S46の処理については、作業工程判別部146にて実行される。
前述の作業工程判別フローを所定時間毎(例えば1分毎)に繰り返すことで、作業工程時系列データ生成部147にて、前述の図11に示したような作業工程の時系列データを生成することができる。
トンネル施工におけるサイクルタイムの測定方法については、前述の第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
ところで、図9に示したように、本発明者らは作業工程P1における電流の標準偏差σs(統計的ばらつき)が作業工程P4における電流の標準偏差σs(統計的ばらつき)よりも大きくなる傾向があるという新たな知見を得た。この知見に基づいて、前述のステップS33、S35、及びS38の各々の上限閾値及び下限閾値が設定されている。
また、図9に示したように、本発明者らは作業工程P1における電流の標準偏差σs(統計的ばらつき)が作業工程P2における電流の標準偏差σs(統計的ばらつき)よりも大きくなる傾向があるという新たな知見を得た。この新たな知見に基づいて、前述のステップS33、S35、及びS40の各々の上限閾値及び下限閾値が設定されている。
特に本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法は、トンネル施工における複数の作業工程を判別する方法である。トンネル施工における作業工程判別方法では、電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)に基づいて作業工程を判別する(図14参照)。これにより、複数の作業工程を判別する際に、トンネル施工重機毎に移動無線端末を設ける必要はなく、また、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における作業工程の判別やサイクルタイムの測定のためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工重機は削孔機(ホイールジャンボ10)とコンクリート吹付機50とを含む。また、トンネル施工の作業工程として、削孔機(ホイールジャンボ10)を用いてトンネル101の切羽103に発破孔を削孔する削孔作業工程(作業工程P1)と、コンクリート吹付機50を用いてトンネル101の切羽103及び/又はトンネル101の内壁面にコンクリートを吹き付けるコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)と、を含む。トンネル施工における作業工程判別方法では、電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)に基づいて削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別する(図14参照)。これにより、削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別する際に、削孔機(ホイールジャンボ10)とコンクリート吹付機50とにそれぞれ移動無線端末を設ける必要はなく、また、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別するためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法では電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)が第1の所定値(例えば図14のステップS33に記載の「29.7」A)以上である場合に、削孔作業工程(作業工程P1)であると判別する一方、電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)が、当該第1の所定値未満である第2の所定値(例えば図14のステップS38に記載の「27.9」A)以下である場合に、コンクリート吹付作業工程(作業工程P4)であると判別する(図14のステップS33、S34、S38及びS39参照)。これにより、簡易な方法で、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)とコンクリート吹付作業工程(作業工程P4)とを判別することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工重機は、高所作業用設備(ブーム13及びバスケット14)を備える削孔機(ホイールジャンボ10)を含む。また、トンネル施工の作業工程として、削孔機(ホイールジャンボ10)を用いてトンネル101の切羽103に発破孔を削孔する削孔作業工程(作業工程P1)と、高所作業用設備(ブーム13及びバスケット14)を用いて発破孔に爆薬を装填する装薬作業工程(作業工程P2)と、を含む。トンネル施工における作業工程判別方法では、電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)に基づいて削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別する(図14参照)。これにより、削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別する際に、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がない。ゆえに、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別するためのシステム構成を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程判別方法では電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)が第1の所定値(例えば図14のステップS33に記載の「29.7」A)以上である場合に、削孔作業工程(作業工程P1)であると判別する一方、電流の統計的ばらつき(標準偏差σ)が、当該第1の所定値未満である第2の所定値(例えば図14のステップS40に記載の「8.8」A)以下である場合に、装薬作業工程(作業工程P2)であると判別する(図14のステップS33、S34、S40及びS41参照)。これにより、簡易な方法で、トンネル施工における削孔作業工程(作業工程P1)と装薬作業工程(作業工程P2)とを判別することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図15〜図18を用いて説明する。
図15は、本実施形態におけるトンネル施工システム1の受変電設備の単線結線図である。図16は、分電盤115からホイールジャンボ10への電力供給を示す図である。図17は、分電盤115からコンクリート吹付機50への電力供給を示す図である。図18は、作業工程判別システム2の概略構成を示す図である。
前述の第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、トンネル101内に位置する変圧器113にて例えば400〜440V程度に降圧された電力は、分電盤115a,115bを介してホイールジャンボ10とコンクリート吹付機50とに各別に供給され得る。ここで、分電盤115a,115bと変圧器113とは電線116を介して接続されている。
分電盤115a,115bの構成は、前述の分電盤115の構成と同様である。分電盤115aの2次側電線124は、遮断器122の下流側(2次側)と、ホイールジャンボ10のケーブルリール15から繰り出された給電用ケーブル16とを接続し得る。分電盤115bの2次側電線124は、遮断器122の下流側(2次側)と、コンクリート吹付機50のケーブルリール58から繰り出された給電用ケーブル59とを接続し得る。
分電盤115aの2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126には、2次側電線124を流れる電流を測定するための電流センサ131aとして、例えば架線電流計(クランプメータ)が設けられる。この架線電流計は、分電盤115aの2次側電線124の電流による磁界を測ることによって分電盤115aの2次側電線124の電流を間接的に測定し得る。尚、電流センサ131aの種類は架線電流計に限らない。
分電盤115bの2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126には、2次側電線124を流れる電流を測定するための電流センサ131bとして、例えば架線電流計(クランプメータ)が設けられる。この架線電流計は、分電盤115bの2次側電線124の電流による磁界を測ることによって分電盤115bの2次側電線124の電流を間接的に測定し得る。尚、電流センサ131bの種類は架線電流計に限らない。
分電盤115a,115bは、トンネル101内を走行可能な台車(図示せず)に搭載されてもよい。分電盤115a,115bは、トンネル101内における切羽103側に配置され得る。
図16に示すように、ホイールジャンボ10のケーブルリール15から繰り出された給電用ケーブル16の上流側端部が分電盤115aの2次側電線124に接続されると、分電盤115aから、ケーブルリール15を介して、2つの電動モータ17に電力が供給される。
図17に示すように、コンクリート吹付機50のケーブルリール58から繰り出された
給電用ケーブル59の上流側端部が分電盤115bの2次側電線124に接続されると、分電盤115bから、ケーブルリール58を介して、空気圧縮機61,62、コンクリートポンプ63、及び電動モータ64に電力が供給される。
図18に示すように、作業工程判別システム2は、前述の処理装置132、記録装置133、及び表示装置134に加えて、電流センサ131a,131bを備える。電流センサ131a,131bと処理装置132とは信号線160a,160bを介して接続されている。尚、本実施形態では、電流センサ131a,131bと、処理装置132と、記録装置133と、表示装置134とを信号線160a,160b,161,162で接続することで相互間の通信を行っているが、この他、信号線160a,160b,161,162の少なくとも1つを無線通信機器(送信機及び受信機)に変更して相互間の無線通信を行うようにしてもよい。
電流センサ131aは、分電盤115aの2次側電線124を流れる電流を測定するものである。電流センサ131aは、分電盤115aの2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126に設けられている。
電流センサ131bは、分電盤115bの2次側電線124を流れる電流を測定するものである。電流センサ131bは、分電盤115bの2次側電線124のうち筐体120内に位置する部分126に設けられている。
電流測定値時系列データ生成部141は、電流センサ131a,131bから得られる電流の測定値と時計148から得られる時刻とを関連付けて、分電盤115a,115bの2次側電線124を流れる電流の時系列データ(電流の測定値の時系列データ)を生成する。
本実施形態におけるトンネル施工における作業工程の判別方法とサイクルタイムの測定方法とについては前述の第1及び第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
特に本実施形態によれば、トンネル施工における作業工程の判別方法、及び、サイクルタイムの測定方法では、1つの電流センサ131aを用いて、作業工程P1であるか作業工程P2であるかの判別を行うことができ、また、1つの電流センサ131bを用いて、作業工程P4であるか作業工程P5であるかの判別を行うことができる。ゆえに、各作業工程に対応する電流センサを各別に設ける必要がないので、トンネル施工における作業工程の判別やサイクルタイムの測定のためのシステム構成を簡素化することができる。
図19は、本発明の第4実施形態における作業工程判別システム2の概略構成を示す図である。前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、作業工程判別システム2は、前述の電流センサ131、処理装置132、記録装置133、及び表示装置134に加えて、処理装置150を備える。処理装置150は、分電盤115の近傍に配置され得る。処理装置150は、トンネル101内を走行可能な台車(図示せず)に搭載されてもよい。当該台車に処理装置150に搭載される場合には、当該台車に分電盤115が搭載されてもよい。処理装置150は、トンネル101内における切羽103側に配置され得る。電流センサ131と処理装置150とは信号線163を介して接続されている。
処理装置150は、CPU、メモリ、ハードディスク等を備え、各種演算処理を行う。処理装置150は、電流測定値時系列データ生成部151、時計152、及び、カード装着部153を有する。
電流測定値時系列データ生成部151は、電流センサ131から得られる電流の測定値と時計152から得られる時刻とを関連付けて、分電盤115の2次側電線124を流れる電流の時系列データ(電流の測定値の時系列データ)を生成する。
カード装着部153は、前述の電流の時系列データの格納先として使用するメモリーカード(図示せず)を着脱可能に装着するためのものである。
処理装置132は、カード装着部155を有する。カード装着部155は、前述のメモリーカードを着脱可能に装着するためのものであり、当該メモリーカードに格納された前述の電流の時系列データは、カード装着部155を介して、処理装置132に伝達される。
特に本実施形態によれば、分電盤115の2次側電線124を流れる電流の時系列データをメモリーカードに格納しておき、後日、処理装置132を用いて前述の作業工程の判別やサイクルタイムの測定をまとめて行うことができる。
尚、本実施形態では、記憶媒体の一例としてメモリーカードを用いて説明したが、記憶媒体はこれに限らない。例えば、USBメモリや光ディスクであってもよい。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と同様に電流センサ131が1つであるが、この他、前述の第2実施形態のように電流センサが複数ある場合には、各電流センサに、前述の処理装置150を信号線163を介して接続してもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態を組み合わせて、トンネル施工における作業工程判別方法において、電流の平均値Qa及び統計的ばらつき(標準偏差σ)に基づいて複数の作業工程を判別してもよいことは言うまでもない。
また、前述の第2実施形態では、統計的ばらつきの一例として標準偏差を用いて説明したが、統計的ばらつきは標準偏差に限らず、分散、分散の定数倍の値、標準偏差の定数倍の値のいずれかであり得る。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。