JP2017207191A - 油圧機器用油圧回路 - Google Patents

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俊希 宮島
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Abstract

【課題】プーリー機構に対し常時駆動ポンプによってベース油圧を供給しながら、電動ポンプによってプーリー変速比制御に必要な油圧を交互に供給する油圧回路において、電動ポンプを駆動するモータを小型化する。
【解決手段】両プーリー間でオイルを交互に移動させる第2ポンプ20とDNプーリーPu2との間に、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって調圧対象を一定値に調圧するリミットバルブ30を設ける。リミットバルブ30の調圧対象は、第2ポンプ20のポートP22側の圧力PAとし、フィードバック圧としてDRプーリー駆動圧PDRを、パイロット圧として点第2ポンプ20のポートP22側の圧力PAをそれぞれ導入する。また、リミットバルブ30の弁体31において圧力PAが作用する作用面積S1と、DRプーリー駆動圧PRが作用する作用面積S2を互いに等しくする。
【選択図】図1

Description

本発明は油圧機器用油圧回路に関し、より詳細には一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を常時供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧機器用油圧回路に関するものである。
従来、第2プーリーに対しベルト容量保持に必要な油圧(セカンダリ圧)を供給する第1電動ポンプと、第1プーリーと第2プーリーとの間で変速に必要なオイルを交互に移動させる第2電動ポンプとを備え、これら2個の電動ポンプを用いて第1プーリーの駆動圧(プライマリ圧)と第2プーリーの駆動圧(セカンダリ圧)を、圧力制御弁・リニアソレノイド等を介さずに直接制御するように構成されたベルト式無段変速機(CVT)用油圧回路が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記CVT用油圧回路は、第1電動ポンプを駆動する第1モータを制御するための第1制御器と、第2電動ポンプを駆動する第2モータを制御するための第2制御器とを別個独立に備えている。第1制御器は、実セカンダリ圧を目標セカンダリ圧に一致させるフィードバック制御に、第2電動ポンプへの変速流量変化に対応させるフィードフォワード補償を加えながら第1モータを制御することとしている。一方、第2制御器は、第1プーリーの駆動圧が最低プライマリ圧を下回らないように第2電動ポンプの変速流量を制限しながら第2モータを制御することとしている。
特開2000−193075号公報
ところで、急停止又はキックダウンのように極めて短時間に変速比(プーリーレシオ)を変える場合、高いプーリー駆動圧(油圧)を極めて短時間に発生させる必要がある。高い油圧を電動ポンプで発生させるためには、大きなトルク(動力)を発生させるモータが必要となる。
上記特許文献1に記載のCVT用油圧回路の場合、2個の電動ポンプを用いて第1プーリーの駆動圧(プライマリ圧)と第2プーリーの駆動圧(セカンダリ圧)を直接制御するように構成されているため、急停止又はキックダウン等の急変速に必要なプライマリ圧及びセカンダリ圧をそれぞれ瞬時に確保することが出来るものと考えられる。
しかし、上記油圧回路の場合、プーリーにかける油圧エネルギーの全てを2個のモータ(第1及び第2モータ)から供給しているため、急停止又はキックダウンにおいて第2モータの駆動トルクは必然的に大きくなる。同様に、車両の全開発進や登り坂において第1モータの駆動トルクは必然的に大きくなる。
その結果、全ての走行状況においてプーリーに求められる油圧エネルギーの全てを第1及び第2モータから賄う場合、各モータのサイズ及び重量、ひいては油圧回路全体の寸法及び重量が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を常時供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧回路において、第2ポンプを駆動するモータの小型化が可能な油圧機器用油圧回路を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る油圧機器用油圧回路は、一対で動作する第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)と、前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となるベース油圧を常時供給する第1ポンプ(10)と、前記第1及び第2油圧機器の間でオイルを交互に移動させる第2ポンプ(20)と、前記第1ポンプ(10)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第1ライン(1)と、前記第2ポンプ(20)と前記第1油圧機器(Pu1)を接続する第2ライン(2)と、前記第2ポンプ(20)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第3ライン(3)と、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって調圧対象を一定値に調圧する第1バルブ(30)とを備えた油圧回路であって、前記第1バルブ(30)は前記第2ポンプ(20)と前記第2油圧機器(Pu2)との間に配置され、前記フィードバック圧として前記第2ポンプ(20)の前記第2油圧機器(Pu2)側の圧力(PA)を取り込むと共に、パイロット圧として前記第1油圧機器(Pu1)の駆動圧(PDR)を取り込むことを特徴とする。
上記構成では、第1バルブ(30)のパイロット圧は第1油圧機器の駆動圧(PDR)であり、これは第2ポンプ(20)の第1油圧機器(Pu1)側の圧力である。また、同フィードバック圧(調圧対象の圧力)は、第2ポンプ(20)の第2油圧機器(Pu2)側の圧力(PA)である。つまり、第1バルブ(30)は、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を取り込みながら、その差圧(P20)によって駆動されることとなる。従って、調圧対象の圧力(PA)を調圧することは、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を調圧することに等しくなる。
従って、例えば、調圧対象の圧力(PA)、すなわち第2油圧機器の駆動圧(PDN)が第1油圧機器の駆動圧(PDR)より大きい場合であって、第2ポンプ(20)の差圧(P20)が予め設定した値(設定圧)を超える場合、第1バルブ(30)は調圧対象の圧力(PA)を下げ、これにより、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値(f(X1)、f(X2))に調圧することが可能となる。すなわち、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値以下に制限することが可能となる。
これにより、急停止又はキックダウン等の急変速状態において第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)のトルク増大(出力増大)を抑えることが可能となる。その結果、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)の小型化が可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第2の特徴は、前記第1バルブ(30)は、外周面に凹凸が形成された弁体(31)、該弁体が摺動するボディ(32)、及び該弁体を付勢するスプリング(33)によって構成され、前記第2ポンプ(20)の第2油圧機器(Pu2)側の圧力(PA)及び前記第1油圧機器(Pu1)の駆動圧(PDR)が前記弁体(31)の両軸端にそれぞれ作用することである。
上記構成では、スプリング(33)の荷重圧(f(X))と第2ポンプ(20)の差圧(P20)とが弁体(31)に対し同時に作用している。従って、第2ポンプ(20)の差圧(P20)がスプリング(33)の初期荷重圧(f(0))を上回るときに、弁体(31)が軸方向に素早く動き始める。そして、スプリング(33)の荷重圧(f(X))と第2ポンプ(20)の差圧(P20)が釣り合う位置で、弁体(31)は静止する。このことは、第1バルブ(30)によって第2ポンプ(20)の差圧(P20)をスプリング(33)の荷重圧(f(X))に等しくする(調圧する)ことが可能であることを示している。
従って、例えば、第2ポンプ(20)の差圧(P20)がスプリング(33)の荷重圧(f(X))に釣り合うときに、弁体(31)に形成された凸部(31a)によって一のポート(P4)を閉じ、又は凹部(31b)によってポート間(P3−P2)を連通することにより、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値(f(X))に調圧することが可能となる。これにより、第2油圧機器の駆動圧(PDN)が第1油圧機器の駆動圧(PDR)より大きい場合に、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)のトルク増大(出力増大)を抑えることが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第3の特徴は、前記第1バルブ(30)は内部に第1油路(P4−P3)及び第2油路(P3−P2)を有すると共に、前記弁体(31)が該第1油路を閉じる第1バルブ位置(B)ならびに前記弁体(31)が該第2油路を開ける第2バルブ位置(C)を有することである。
上記構成では、第1バルブ(30)は、調圧対象である第2ポンプ(20)の差圧(P20)に対して異なる2つの制限値又は調圧値(f(X1)、f(X2))を持つこととなる。これにより、例えば、第2ポンプ(20)を流れるオイルの方向(第1油圧機器(Pu1)に流入する方向、或いは第1油圧機器(Pu1)から流出する方向)に応じて、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を制限値以下に抑えることが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第4の特徴は、前記第2ポンプ(20)の前記第2油圧機器(Pu2)側の圧力(PA)が作用する前記弁体(31)の作用面積(S1)と、前記第1油圧機器(Pu1)の駆動圧(PDR)が作用する前記弁体(31)の作用面積(S2)は互いに等しいことである。
上記構成では、第2ポンプ(20)の差圧(P20)と弁体(31)の移動量(X)との関係が単純化(直線化)される。これにより、第2ポンプ(20)の差圧(P20)に対する制限値(f(X))を容易に設定することが出来るようになる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第5の特徴は、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって第1ポンプ(10)の吐出圧を第2油圧機器(Pu2)の駆動圧(PDN)に調圧する第2バルブ(40)と、前記第2バルブ(40)に対しパイロット圧を供給するリニアソレノイド(50)と、前記リニアソレノイド(50)に対し元圧を供給する第3バルブ(60)とを備えることである。
上記構成では、モータに依らずに第1ポンプ(10)の吐出圧を所望の圧力に素早く調圧することが可能となる。これにより、機器の駆動上最低限必要となるベース油圧源を機械的に構成することが可能となる。これは油圧回路全体の小型化に寄与することとなる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第6の特徴は、前記第1バルブ(30)にフィードバック圧を供給する第5ライン(5)が逆止弁(9)を介して前記第1ライン(1)に接続することである。
上述した通り、例えば、第2油圧機器の駆動圧(PDN)が第1油圧機器の駆動圧(PDR)より大きい場合であって、第2ポンプ(20)の差圧(P20)が設定圧を超える場合、第1バルブ(30)の弁体(31)が軸方向に移動して第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値(f(X1)、f(X2))に調圧する。そして、その差圧(P20)が一定値を下回るときに、第1バルブ(30)の弁体(31)は軸方向逆向きに移動して元の位置(バルブ位置A)に戻り始める。
この場合、第5ライン(5)中のオイルは弁体(31)の移動(戻り)の妨げとなる。最悪の場合、弁体(31)が元の位置(バルブ位置A)に戻る(復帰する)ことが出来なくなる。
そこで、第5ライン(5)は逆止弁(9)を介して第1ライン(1)に接続する。これにより、第5ライン(5)のライン圧(PA)が第2油圧機器の駆動圧(PDN)より高くなる場合、逆止弁(9)が開くことになる。逆止弁(9)が開くことにより、第5ライン(5)中の余剰圧力に係るオイルは逆止弁(9)を介して排出されるようになる。これにより、第1バルブ(30)は正常に復帰することが出来るようになる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第7の特徴は、前記第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)は、一対のプーリー機構である。
上記構成では、プーリーの摩擦伝動に最低限必要とされるベース油圧は第1ポンプ(10)によって安定に供給されるようになる。他方、プーリー変速比制御に必要な油圧は第2ポンプ(20)によって素早く供給されるようになる。また、第2油圧機器の駆動圧(PDN)が第1油圧機器の駆動圧(PDR)より大きい場合であって、第2ポンプ(20)の差圧(P20)が設定圧を超える場合に、第1バルブ(30)が瞬時に作動して第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値以下に制限する。これにより、第2油圧機器の駆動圧(PDN)が第1油圧機器の駆動圧(PDR)より大きい場合に、第2ポンプ(20)の差圧(P20)を一定値以下に制限することが可能となる。その結果、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)のトルク増大(出力増大)を抑えることが可能となる。これにより、モータ(M)の小型化が可能となると共に、モータ(M)の出力が小さい場合であってもキックダウン・急停止等の素早い変速比制御が可能となる。
本発明の油圧機器用油圧回路によれば、一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を常時供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧回路において、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)を小型化することが可能となる。
本実施形態に係る油圧回路の構成を簡略化して示した説明図である。 本実施形態に係るリミットバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係るリミットバルブのバルブ位置を示す説明図である。 プーリー制御装置が実プーリー位置を目標プーリー位置に等しくするように、第2ポンプのモータを制御した際の各データの時系列変化を示すグラフである。 本実施形態に係る位置指令及び外力を示す説明図である。 本実施形態に係るリミットバルブのバルブ位置Aにおける本油圧回路の動作を示す説明図である。 本実施形態に係るリミットバルブのバルブ位置Bにおける本油圧回路の動作を示す説明図である。 本実施形態に係るリミットバルブのバルブ位置Cにおける本油圧回路の動作を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る油圧回路100の構成を簡略化して示した説明図である。
この油圧回路100は、第1ポンプ10及び第2ポンプ20を併用してベルト式無段変速機(以下、「CVT」ともいう。)のドライブプーリー(以下、「DRプーリー」という。)Pu1及びドリブンプーリー(以下、「DNプーリー」という。)Pu2にオイル(油圧)を供給するCVT用油圧回路である。第1ポンプ10はCVTの摩擦伝動に最低限必要とされる圧力(=一定値)をDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2へ供給する。一方、第2ポンプ20はオイルを両プーリーPu1,Pu2間で交互に移動することにより、CVTの変速比制御に必要とされる圧力(以下、「変速比圧」ともいう。)をDRプーリーPu1又はDNプーリーPu2へ交互に供給する。
特に、第2ポンプ20とDNプーリーPu2との間には、ポンプ差圧制限機構110(一点鎖線にて囲まれた部分)が設けられている。詳細については後述するが、このポンプ差圧制限機構110は、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRより大きい場合であって、第2ポンプ20の差圧P20が予め設定した値(設定圧)を超える場合に、第2ポンプ差圧P20を一定値以下に制限するように構成されている。
第2ポンプ差圧P20が一定値以下に制限されることにより、例えば巡行状態から急停止又はキックダウン等の急変速状態において第2ポンプ20を駆動するモータMのトルク(出力)が増大することを好適に抑えることができるようになる。これによりモータMを小型化することが可能となる。なお、ここで言う「第2ポンプ差圧P20」とは、ポートP22に対するポートP21のポート間圧力差を意味する。本油圧回路100では、第2ポンプ差圧P20は「DRプーリー駆動圧PDR」と「点Aの圧力PA」との差(すなわち、P20=PDR−PA)に等しくなる。以降において、DRプーリー駆動圧PDRが点Aの圧力PAより高くなる方向を「差圧プラス方向」と、同低くなる方向を「差圧マイナス方向」と言う場合がある。
また、点Aの圧力PAは、リミットバルブ30の第3ポートP3と第4ポートP4が連通している場合、DNプーリー駆動圧PDNに常に等しくなる。
上記油圧回路100の構成として、第1ポンプ10とDNプーリーPu2とを接続する第1ライン1と、第2ポンプ20とDRプーリーPu1とを接続する第2ライン2と、第2ポンプ20とDNプーリーPu2とを接続する第3ライン3と、第2ライン2から分岐してリミットバルブ30に接続する第4ライン4と、第3ライン3から分岐してリミットバルブ30に接続する第5ライン5と、リミットバルブ30とリザーバ7とを接続する第6ライン6と、オイルを貯留するリザーバ7と、点Aの圧力がDNプーリー駆動圧PDNを超える場合に第5ライン5と第1ライン1を連通させる逆止弁9と、エンジンEによって常時駆動される第1ポンプ10と、モータMによって駆動される第2ポンプ20と、一定条件下で第2ポンプ20の差圧P20を一定値以下に制限するリミットバルブ30と、DNプーリー駆動圧PDNを設定圧に調圧するPDNレギュレータバルブ40と、PDNレギュレータバルブ40の調圧基準圧(設定圧)となるパイロット圧を供給するPDNソレノイドバルブ50と、PDNソレノイドバルブ50に元圧を供給するクラッチリデューシングバルブ60と、を具備して構成されている。以下、各構成について更に詳細に説明する。
第1ライン1は、第1ポンプ10から吐出されるオイルをDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に移送するための油路である。第1ライン1と第3ライン3は、図中の点C1で連通している。従って、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、一部がDNプーリーPu2に供給され、残りが第3ライン3を通って第2ポンプ20に供給される。第2ポンプ20に供給されたオイルは、第2ポンプ20によって昇圧された後、第2ライン2を通ってDRプーリーPu1に供給される。
第2ライン2は、変速比圧(第2ポンプ差圧P20)に係るオイルをDRプーリーPu1に移送するための油路である。第2ライン2のライン圧(つまり、DRプーリー駆動圧PDR)は、第4ライン4を介してリミットバルブ30にパイロット圧として供給される。
第3ライン3は、第2ポンプ20とリミットバルブ30を接続する第3ライン3aと、リミットバルブ30と第1ライン1を接続する第3ライン3bとから構成される。第3ライン3は、第2ライン2と同様に、変速比圧(第2ポンプ差圧P20)に係るオイルをDNプーリーPu2に移送するための油路である。
第3ライン3aのライン圧(つまり、点Aの圧力PA)は、第5ライン5を介してリミットバルブ30にフィードバック圧として供給される。従って、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)は、第4ライン4及び第5ライン5を介してリミットバルブ30の弁体31(図2)に常時作用している。
リミットバルブ30は、外部に5つのポートP1〜P5とを有し、第3ポートP3と第4ポートP4を連通する第1油路と、第3ポートP3と第2ポートP2を連通する第2油路とを選択的に切り替えるように構成されている。
また、リミットバルブ30は、後述するAからCにて示される3つのバルブ位置を有している。従って、詳細については後述するが、第2ポンプ差圧P20が差圧マイナス方向において設定圧を超える場合、弁体がバルブ位置AからB又はCに移動して、第4ポートP4(第3ライン3)を絞りながら閉じる又は第2ポートP2(第6ライン6)を開としてリザーバ7にオイルをドレインするように構成されている。
つまり、リミットバルブ30は、点Aの圧力PAをフィードバック圧として且つDRプーリー駆動圧PDRをパイロット圧として導入して、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が差圧マイナス方向において設定圧を超える場合に、第2ポンプ差圧P20を一定値以下に制限(調圧)するように動作する。従って、リミットバルブ30の調圧対象は、点Aの圧力PAである。なお、弁体31(図2)において点Aの圧力PAが作用する作用面積S1とDRプーリー駆動圧PDRが作用する作用面積S2は、互いに等しくなるように設定されている。そのため、リミットバルブ30が点Aの圧力PAを調圧することは、結果的に第2ポンプ差圧P20を調圧することに等しくなる。
PDNレギュレータバルブ40は、第1ポンプ10の吐出圧を元圧及びフィードバック圧として取り込み、フィードバック圧とパイロット圧及びスプリング荷重圧との力の釣り合いによって、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧する。なお、パイロット圧はPDNソレノイドバルブ50によって供給される。
PDNソレノイドバルブ50は、クラッチリデューシングバルブ60の出口圧を元圧として、リニアソレノイドによって指令値(PDNCMD)に等しくなるように調圧し、その出力値をパイロット圧としてPDNレギュレータバルブ40に出力する。
クラッチリデューシングバルブ60は、第1ポンプ10の吐出圧を元圧とし且つ出口圧をフィードバック圧として取り込み、フィードバック圧とスプリング荷重圧との力の釣り合いによって、出口圧をスプリング荷重圧に等しくなるように調圧する。
従って、上記PDNレギュレータバルブ40、PDNソレノイドバルブ50及びクラッチリデューシングバルブ60によって、第1ポンプ10の吐出圧を安定に且つ素早く指令値(PDNCMD)に等しくすることが可能となる。
第1ポンプ10は、容積型ポンプ、例えば内接ギヤポンプである。DRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対し、CVTの摩擦伝動に最低限必要されるベース油圧を供給する。
第2ポンプ20は、一方のプーリーから他方のプーリーへ交互に変速比制御に必要なオイルを移動させる往復式ポンプである。従って、オイルがDRプーリーPu1へ供給される場合、ポートP21は吐出口となり、ポートP22は吸込口となる。他方、オイルがDNプーリーPu2へ供給される場合、ポートP22は吐出口となり、ポートP21は吸込口となる。
また、本実施形態では、第2ポンプ20のオイル流量(第2ポンプ流量)Q20は、DRプーリーPu1のオイル流量(DRプーリー流量)QDRに殆ど等しくなる。すなわち、DRプーリーPu1から流出する(戻って来る)オイルの殆どは、第2ポンプ20を経由して点Aに流入する。他方、DRプーリーPu1へ流入する(送り出される)オイルの殆どは、第2ポンプ20を経由して点Aから流出する。
プーリー制御装置PCUは、実プーリー位置PISAを目標プーリー位置PISTに追従する(近付ける)ように第2ポンプ20のモータMの出力(動力)を制御する。これについては、図4を参照しながら後述する。
図2は、本実施形態に係るリミットバルブ30を示す要部断面説明図である。なお、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第3ライン3a,3b、第4ライン4、第5ライン5、第6ライン6)についても併せて図示されている。
リミットバルブ30は、弁体31とボディ32とスプリング33とから構成されている。弁体31には軸方向左側から順に、第4ポートP4を絞る又は閉じるための第1周状凸部31aと、第4ポートP4と第3ポートP3又は第3ポートP3と第2ポートP2を選択的に連通する第1周状凹部31bと、第2ポートP2を絞る又は閉じるための第2周状凸部31cと、がそれぞれ形成されている。
ボディ32には軸方向右側から順に、第4ライン4を介して第2ポンプ20のポートP21の圧力(=DRプーリー駆動圧PDR)を導入するための第1ポートP1と、第6ライン6を介してオイルをリザーバ7にドレインするための第2ポートP2と、DRプーリーPu1からオイルを授受するための第3ポートP3と、DNプーリーPu2からオイルを授受するための第4ポートP4と、第5ライン5を介して第2ポンプ20のポートP22の圧力(=点Aの圧力PA)を導入するための第5ポートP5とがそれぞれ形成されている。さらに弁体31が突き当たる左エンド部32aと、スプリング33が突き当たる右エンド部32bとがそれぞれ形成されている。
弁体31において、第2ポンプ20のポートP22の圧力が作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S1と、第2ポンプ20のポートP21の圧力が作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S2は等しくなっている。これにより、第2ポンプ差圧P20と弁体31の移動量Xとの関係が単純化されることになる。例えば、弁体31の移動量がXのときのスプリング荷重をK・(X0+X)(K:バネ定数、X0:初期収縮量)とするとき、弁体31が静止するときの力の釣り合いは、PA×S1=PDR×S2+K・(X0+X)、すなわち、PA−PDR=(K/S1)・(X0+X)(≡f(X))、となる。すなわち、弁体31が静止するときのスプリング荷重圧f(X)が、第2ポンプ差圧P20の制限値(リミット値)に等しくなる。
従って、リミットバルブ30が制限する第2ポンプ差圧P20の第1制限値として、弁体31の移動量XがX1となる時のスプリング荷重圧f(X1)(=(K/S1)・(X0+X1))を設定することが可能である。X1は、第1周状凸部31aが第4ポートP4開口を閉じる直前における弁体31の左エンド部32aからの移動量である。この場合、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1)に等しくなるときに第4ポートP4が閉じられることになる。
この第1制限値は、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRより大きい場合であって、オイルがDRプーリーPu1に流入している場合に、リミットバルブ30が制限する第2ポンプ差圧P20である。
リミットバルブ30が制限するその他の第2ポンプ差圧P20の第2制限値として、弁体31の移動量XがX2となる時のスプリング荷重圧f(X2)(=(K/S1)・(X0+X2))を設定することが可能である。X2は、第2周状凸部31cが第2ポートP2開口を開ける直前における弁体31の左エンド部32aからの移動量である。この場合、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X2)に等しくなるときに第2ポートP2が開けられ、オイルが第6ライン6を介してリザーバ7にドレインされることになる。
この第2制限値は、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRより大きい場合であって、オイルがDRプーリーPu1から流出している場合に、リミットバルブ30が制限する第2ポンプ差圧P20である。
図3は、本実施形態に係るリミットバルブ30のバルブ位置を示す説明図である。
バルブ位置Aでは、初期スプリング荷重圧f(0)(=(K/S1)・(X0))が第2ポンプ差圧P20を上回っており、弁体31がスプリング33に押されて左エンド部32aに突き当たっている状態である。この場合、第4ポートP4及び第3ポートP3がともに開いた状態である。従って、第3ライン3は開いた状態(連通状態)にある。なお、この初期スプリング荷重圧f(0)のことを単に「設定圧」と言う場合がある。
バルブ位置Bは、第1周状凸部31aによって第4ポートP4が閉じられる直前の状態である。バルブ位置Aにおいて、第2ポンプ差圧P20が初期スプリング荷重圧f(0)を上回るとき、弁体31は軸方向右側に移動し始める。弁体31が移動することにより第4ポートP4が絞られる。第4ポートP4が絞られることによって点Aの圧力PAが低下するようになる。最終的に弁体31は、第1周状凸部31aによって第4ポートP4が閉じられるバルブ位置Bを中心にバランスするようになる。弁体31がバルブ位置Bを中心にバランスする場合、第2ポンプ差圧P20は一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧される。
なお、バルブ位置Bにおいて、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1)より小さくなると、弁体31がスプリング33によって軸方向左側へ押されバルブ位置A側に戻り始める。
バルブ位置Cは、第2周状凸部31cによって第2ポートP2が開けられた直後の状態である。バルブ位置Bにおいて第4ポートP4が閉じられてもなお、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1)を上回っている場合は、弁体31はバルブ位置Bを通過してさらに軸方向右側に移動し始める。そして、弁体31は、スプリング荷重圧f(X2)と第2ポンプ差圧P20が釣り合うバルブ位置Cを中心にバランスするようになる。弁体31がバルブ位置Cを中心にバランスする場合、オイルはリザーバ7にドレインされると共に、第2ポンプ差圧P20は一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に調圧される。
なお、バルブ位置Cにおいて、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X2)より小さくなると、弁体31がスプリング33によって軸方向左側へ押されバルブ位置A側に戻り始める。
以上の通り、第2ポンプ差圧P20が初期スプリング荷重圧f(0)を超えると、弁体31は軸方向右側に移動して、先ず第3ライン3の開閉に係る第4ポートP4を絞りながら第2ポンプ差圧P20を一定値(=f(X1))に調圧する。そして、第4ポートP4が閉じられてもなお、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1)より大きい場合は、更に軸方向右側に移動して第6ライン6の開閉に係る第2ポートP2を開け、オイルをドレインしながら第2ポンプ差圧P20を一定値(=f(X2))に調圧する。
このように、リミットバルブ30は、第2ポンプ20を流れるオイルの方向に応じて、バルブ位置AからBへ作動し、或いはバルブ位置AからCへ作動して、第2ポンプ差圧P20を一定値に調圧する。
図4は、プーリー制御装置PCUが実プーリー位置PISAを目標プーリー位置PIST(図5(a))に等しくなるように、第2ポンプ20のモータMを制御した際の各データの時系列変化を示すグラフである。
なお、図5(a)に示されるように、目標プーリー位置PISTとして、最小プーリー位置Lから最大プーリー位置4Lを経由して最小プーリー位置Lに戻る周期8Tの2サイクル正弦波振動を与えた。ここでの実プーリー位置PISAは、DRプーリーPu1の位置としている。
また、DRプーリーPu1からDNプーリーPu2へのベルトを介した力の伝達を模擬するため、DRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対し、図5(b)に示される外力が負荷されている。外力は、時刻2Tから10Tでは、巡行状態を模擬するため、振幅F/4且つ周期4Tの2サイクル正弦波荷重が負荷されている。一方、時刻10Tから18Tでは、急停止又はキックダウン等の急変速状態を模擬するため、振幅4F且つ周期4Tの2サイクル正弦波荷重が負荷されている。
再び図4に戻り、データは、上から順に、プーリー流量QDR,QDN及び第2ポンプ流量Q20、プーリー駆動圧PDR,PDN及び指令値PDNCMD、第2ポンプ差圧P20及び点Aの圧力PA、並びにリミットバルブ30のバルブ位置に関する時刻2Tから時刻18Tにおける時系列変化をそれぞれ示している。以下、各データについて説明する。
先ず図5(a)について、実プーリー位置PISAは目標プーリー位置PISTに殆ど一致していることが分かる。なお、実プーリー位置PISAはDRプーリーPu1のピストンのストロークに対応し、実プーリー位置PISAがプラス方向に変位する場合、DRプーリーPu1のピストンは伸長してDRプーリーPu1の2つの円錐面の間隔は狭まるから、プーリー溝幅は縮小する。他方、実プーリー位置PISAがマイナス方向に変位する場合、プーリー溝幅は拡大する。
次に図4(a)及び図5(a)について、オイルがDRプーリーPu1へ流入している間(オイルがDNプーリーPu2から流出している間)、実プーリー位置PISAは、プーリー溝幅が縮小する方向に増加する。他方、オイルがDRプーリーPu1から流出している間(オイルがDNプーリーPu2へ流入している間)、実プーリー位置PISAは、プーリー溝幅が拡大方向に減少する。
この場合、第2ポンプ流量Q20は、DRプーリー流量QDRに殆ど等しくなる。
次に図4(b)及び図5(b)について、本実施形態におけるDNプーリー駆動圧PDNは、PDNレギュレータバルブ40等によって指令値PDNCMD(=2a[bar])に調圧される。一方、DRプーリー駆動圧PDRは、DNプーリー駆動圧PDNに、所定の正弦波状圧力が付加された圧力に等しくなる。なお、この「正弦波状圧力」とは、リミットバルブ30による制限が加えられていない第2ポンプ差圧P20のことを意味している。
なお、本実施形態において、外力F、DRプーリー駆動圧PDR及びDNプーリー駆動圧PDNの間には、PDR=PDN+kF(kは正の定数)、という関係が成立する。すなわち、DRプーリー駆動圧PDRは、DNプーリー駆動圧PDNと外力Fにより引き起こされる圧力差との和に常に等しくなる。従って、DRプーリー駆動圧PDRは、リミットバルブ30の動作に関係なく、DNプーリー駆動圧PDNと外力Fによって一意的に決定される。
次に図4(c)について、時刻2Tから10Tにおける差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20は、0.3a[bar]未満に設定されている。一方、時刻10Tから18Tにおける差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20は、0.3a[bar]以下に設定されている。
特に、時刻t1(>12T)からt2(<14T)において、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が一定値(=f(X1))に制限されている。これは、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が設定圧(初期スプリング荷重圧f(0))を超えたことによりリミットバルブ30が作動して差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20を一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に制限したためである。
この場合、リミットバルブ30は、第4ポートP4を絞ることにより点Aの圧力PAを低下させる。点Aの圧力PAが低下することにより、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧されることになる。
同様に、時刻t3(>16T)からt4(<18T)において、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が一定値(=f(X2))に制限されている。これは、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が設定圧(=初期スプリング荷重圧f(0))を超えたことによりリミットバルブ30が作動して差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20を一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に制限したためである。
この場合、リミットバルブ30は、第2ポートP2を開けてオイルをリザーバ7にドレインすることにより、点Aの圧力PAを低下させる。点Aの圧力PAが低下することにより、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に調圧されることになる。
次に図4(d)について、オイルがDRプーリーPu1に流入している場合(QDR>0)であって、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が設定圧(初期スプリング荷重圧f(0))を超える場合、リミットバルブ30はバルブ位置AからBへ動作して、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20を一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧する。
逆に、オイルがDRプーリーPu1から流出している場合(QDR<0)であって、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20が設定圧を超える場合、リミットバルブ30はバルブ位置AからCへ動作して、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20を一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に調圧する。
図6は、リミットバルブ30のバルブ位置Aにおける本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、図中の一点鎖線はDRプーリー駆動圧PDRに等しい圧力範囲を示し、実線はDNプーリー駆動圧PDNに等しい圧力範囲を示している。以降において同じ。
この場合、リミットバルブ30は非作動状態である。リミットバルブ30において第3ポートP3と第4ポートP4が連通している。第1ポンプ10がCVTの摩擦伝動に最低限必要となるベース油圧(=PDN)を供給しながら、第2ポンプ20が変速比圧に係るオイルをDRプーリーPu1からDNプーリーPu2へ或いはDNプーリーPu2からDRプーリーPu1へ交互に供給している。
図7は、リミットバルブ30のバルブ位置Bにおける本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、図中の点線は点Aの圧力PAである。以降において同じ。
この場合、第2ポンプ20におけるオイルの流れる方向は、オイルがDRプーリーPu1に流入している方向である。すなわち、DRプーリー流量QDRは正の状態である。また、第2ポンプ差圧P20の方向は、差圧マイナス方向である。
リミットバルブ30は、バルブ位置Bで作動している。すなわち、第4ポートP4を絞りながら点Aの圧力PAを調圧し、これにより差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)を一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧している。これにより、第2ポンプ20を駆動するモータMのトルク増大が好適に抑えられる。
なお、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が一定値(=スプリング荷重圧f(X1))より小さくなると、リミットバルブ30がバルブ位置Aに戻る。
図8は、リミットバルブ30のバルブ位置Cにおける本油圧回路100の動作を示す説明図である。
この場合、第2ポンプ20におけるオイルの流れる方向は、オイルがDRプーリーPu1から流出している方向である。すなわち、DRプーリー流量QDRは負の状態である。また、第2ポンプ差圧P20の方向は、差圧マイナス方向である。
リミットバルブ30は、バルブ位置Cで作動している。すなわち、第2ポートP2を開けてオイルをリザーバ7にドレインしながら点Aの圧力PAを調圧し、これにより差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)を一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に調圧している。これにより、第2ポンプ20を駆動するモータMのトルク増大が好適に抑えられる。
なお、差圧マイナス方向の第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が一定値(=スプリング荷重圧f(X2))より小さくなると、リミットバルブ30がバルブ位置Aに戻る。
なお、オイルが第2ポートP2を介してリザーバ7にドレインされている間、オイルは第5ライン5にも充填される。これにより、点Aの圧力PAがDNプーリー駆動圧PDNより一時的に高くなる。この場合、逆止弁9が閉状態から開状態となる。逆止弁9が開状態となることにより、DNプーリー駆動圧PDNを超える余剰圧力に係るオイルは、DNプーリーPu2側に排出されるようになる。これにより、リミットバルブ30はバルブ位置Aに戻ることが出来るようになる。
以上、本油圧回路100によれば、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRがより小さい場合(第2ポンプ差圧P20が差圧マイナス方向の場合)であって、第2ポンプ差圧P20が予め設定した値(設定圧)を超える場合、リミットバルブ30が第2ポンプ差圧P20を一定値に調圧するように動作する。すなわち、オイルがDRプーリーPu1に流入している場合は、リミットバルブ30は第4ポートP4を絞りながら第2ポンプ差圧P20を一定値(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧する。他方、オイルがDRプーリーPu1から流出している場合は、リミットバルブ30は第2ポートP2を開けてオイルをリザーバ7にドレインしながら一定値(=スプリング荷重圧f(X2))に調圧する。その結果、急停止又はキックダウン等の急変速状態においてモータMのトルク増大(出力増大)を好適に抑えることができるようになる。これによりモータMの小型化が可能となる。
このように、本油圧回路100は、第2ポンプ20を駆動するモータMを小型化しながら急停止又はキックダウン等の素早い変速比制御が可能となる。
1 第1ライン
2 第2ライン
3 第3ライン
4 第4ライン
5 第5ライン
6 第6ライン
7 リザーバ
9 逆止弁
10 第1ポンプ
20 第2ポンプ
30 リミットバルブ(第1バルブ)
40 PDNレギュレータバルブ(第2バルブ)
50 PDNソレノイドバルブ(リニアソレノイド)
60 クラッチリデューシングバルブ(第3バルブ)
100 油圧回路

Claims (7)

  1. 一対で動作する第1及び第2油圧機器と、
    前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となるベース油圧を常時供給する第1ポンプと、
    前記第1及び第2油圧機器の間でオイルを交互に移動させる第2ポンプと、
    前記第1ポンプと前記第2油圧機器を接続する第1ラインと、
    前記第2ポンプと前記第1油圧機器を接続する第2ラインと、
    前記第2ポンプと前記第2油圧機器を接続する第3ラインと、
    フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって調圧対象を一定値に調圧する第1バルブと、を備えた油圧回路であって、
    前記第1バルブは前記第2ポンプと前記第2油圧機器との間に配置され、前記フィードバック圧として前記第2ポンプの前記第2油圧機器側の圧力を取り込むと共に、パイロット圧として前記第1油圧機器の駆動圧を取り込むことを特徴とする油圧機器用油圧回路。
  2. 前記第1バルブは、外周面に凹凸が形成された弁体、該弁体が摺動するボディ、及び該弁体を付勢するスプリングによって構成され、
    前記第2ポンプの前記第2油圧機器側の圧力及び前記第1油圧機器の駆動圧が前記弁体の両軸端にそれぞれ作用することを特徴とする請求項1に記載の油圧機器用油圧回路。
  3. 前記第1バルブは内部に第1油路及び第2油路を有すると共に、前記弁体が該第1油路を閉じる第1バルブ位置ならびに前記弁体が該第2油路を開ける第2バルブ位置を有することを特徴とする請求項2に記載の油圧機器用油圧回路。
  4. 前記第2ポンプの前記第2油圧機器側の圧力が作用する前記弁体の作用面積と、前記第1油圧機器の駆動圧が作用する前記弁体の作用面積は互いに等しいことを特徴とする請求項2又は3に記載の油圧機器用油圧回路。
  5. フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第2油圧機器の駆動圧を前記ベース油圧に調圧する第2バルブと、
    前記第2バルブに対し前記ベース油圧に係るパイロット圧を供給するリニアソレノイドと、
    前記リニアソレノイドに対し元圧を供給する第3バルブとを備えることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  6. 前記第1バルブに前記フィードバック圧を供給する第5ラインが逆止弁を介して前記第1ラインに接続することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  7. 前記第1及び第2油圧機器は、一対のプーリー機構であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
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