JP2017208322A - 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
また、リチウム二次電池の負極としては、リチウム金属、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金など)、炭素材料が知られている。特に、炭素材料のうち、例えばコークス、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)等のリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料を用いた非水系電解液二次電池が広く実用化されている。上記の負極材料はリチウム金属と同等の極めて卑な電位でリチウムと電子を貯蔵・放出するために、特に高温下において、多くの溶媒が還元分解を受ける可能性を有しており、負極材料の種類に拠らず負極上で電解液中の溶媒が一部還元分解してしまい、分解物の沈着、ガス発生、電極の膨れにより、リチウムイオンの移動が妨げられ、特に高温下での高温保存特性などの電池特性を低下させる問題や電極の膨れにより電池が変形するなどの問題があった。更に、リチウム金属やその合金、スズ又はケイ素等の金属単体や酸化物を負極材料として用いたリチウム二次電池は、初期の容量は高いもののサイクル中に微粉化が進むため、炭素材料の負極に比べて非水溶媒の還元分解が加速的に起こり、特に高温下において電池容量や高温保存特性のような電池性能が大きく低下することや電極の膨れにより電池が変形するなどの問題が知られている。
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、前記一般式(I)で表される化合物を非水電解液中に含有することを特徴とする。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル、及びアミドからなる群より選ばれる一種以上が好適に挙げられ、二種以上がさらに好適である。高温下で電気化学特性が相乗的に向上するため、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることがさらに好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることがもっとも好ましい。
特にフッ素原子を有する環状カーボネートを10〜35体積%の範囲で含有する場合、一般式(I)で表される第3級カルボン酸エステルを10〜40体積%の範囲で含有させると高温、高電圧下での高温保存特性を一段と向上させることができるので好ましい。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)〜(G)の化合物が挙げられる。
リチウム塩の具体例としては、リチウム ビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)、及びリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート(LiDFOP)から選ばれる少なくとも一種のシュウ酸骨格を有するリチウム塩、LiPO2F2やLi2PO3F等のリン酸骨格を有するリチウム塩、リチウム トリフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ボレート(LiTFMSB)、リチウム ペンタフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ホスフェート(LiPFMSP)、リチウム メチルサルフェート(LMS)、リチウムエチルサルフェート(LES)、リチウム 2,2,2−トリフルオロエチルサルフェート(LFES)、及びFSO3Liからなる群より選ばれる一種以上のS(=O)基を有するリチウム塩が好適に挙げられ、LiBOB、LiDFOB、LiTFOP、LiDFOP、LiPO2F2、LiTFMSB、LMS、LES、LFES、及びFSO3Liからなる群より選ばれるリチウム塩を一種以上含むことがより好ましい。
本発明に使用される電解質塩としては、下記のリチウム塩が好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2〔略してFSIと称する〕、LiN(SO2CF3)2〔略してTFSIと称する〕、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩等が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも一種のリチウム塩が好適に挙げられ、これらの一種又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水電解液に対して前記一般式(I)で表される第3級カルボン酸エステルを添加することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の第1の蓄電デバイスであるリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiCo1−xMxO2(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、及びLiNi0.5Mn1.5O4から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
特にNiを含む正極活物質の場合にNiの触媒作用により正極表面での非水溶媒の分解が起き、高温高電圧保存環境下での容量維持率低下やガス発生の増加を引き起こすが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電気化学特性の低下を抑制することができるので好ましい。特に、正極活物質中の全遷移金属元素の原子濃度に対するNiの原子濃度の割合が、30atomic%を超える正極活物質を用いた場合に上記効果が顕著になるので好ましく、50atomic%以上が更に好ましく、75%以上が特に好ましい。具体的には、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.5Mn1.5O4、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2等が好適に挙げられる。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換したり、又はこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO4又はLiMnPO4が好ましい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記の正極活物質と混合して用いることもできる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、上限としては、4g/cm3以下が好ましい。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが更に好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。
複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合或いは結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、例えば鱗片状天然黒鉛粒子に圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、球形化処理を施した黒鉛粒子を用いることにより、負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm3以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と正極活物質からの金属溶出量の改善と、充電保存特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)はコア材よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、高温高電圧での保存特性が一段と良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することが出来る。
高結晶性の炭素材料を使用すると、高温高電圧での充電保存時において非水電解液と反応し、容量維持率を低下させ、ガス発生を増加させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの特性が良好となる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、特に好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、上限としては、2g/cm3以下が好ましい。
電池用セパレータとしては、特に制限はされないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層又は積層の微多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
本発明の第2の蓄電デバイスは、本願発明の非水電解液を含み、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。本発明の一例は、電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は概ね表面積に比例して増加する。
本発明の第3の蓄電デバイスは、本願発明の非水電解液を含み、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応に伴うエネルギー貯蔵が可能である。
本発明の第4の蓄電デバイスは、本願発明の非水電解液を含み、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF6等のリチウム塩が含まれる。
本発明の新規物質である化合物は、下記一般式(VII)〜(IX)で表される。
(b)2−ハロゲン化スルホラン化合物と、亜リン酸トリエチルを反応させる方法(「以下、(b)法」ともいう)。
a法で用いられる塩基としては、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウム、エチルマグネシウムブロミド又はリチウムヘキサメチルジシラジドなど有機金属試薬が好適に挙げられ、その使用量としては、スルホラン化合物1モルに対して、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、もしくはジオキサンなどのエーテル、又はトルエンもしくはキシレンなどの芳香族が好適に挙げられる。その使用量としては、スルホラン化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部〜100質量部、より好ましくは10質量部〜80質量部である。
反応温度や操作手順としては、スルホラン化合物と溶媒に対し、−78℃〜0℃の間で塩基を滴下した後、0℃〜室温付近でクロロリン酸ジエチルを滴下することが好ましい。クロロリン酸ジエチルの使用量としては、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。
b法で用いられる2−ハロゲン化スルホラン化合物としては、米国特許2656362などに記載の公知の方法により得ることができる。この2−ハロゲン化スルホラン化合物に対し、溶媒の存在下又は非存在下、亜リン酸トリエチルを反応させることができる。溶媒を用いる場合は、特に限定されないがテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、もしくはジオキサンなどのエーテル、ジメチルカーボネート、もしくは酢酸エチルなどのエステル、又はトルエンもしくはキシレンなどの芳香族が好適に挙げられる。亜リン酸トリエチルの使用量としては、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。操作手順としては、ハロゲン化スルホラン化合物に対し、0℃〜200℃、好ましくは30℃〜180℃、更に好ましくは、70℃〜150℃の間で滴下して反応させることができる。
c法で用いられる3−ハロゲン化スルホラン化合物は、米国特許4656289などに記載の公知の方法により得ることができる。この23−ハロゲン化スルホラン化合物に対し、溶媒の存在下又は非存在下、亜リン酸トリエチルを反応させることができる。溶媒を用いる場合は、特に限定されないがテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、もしくはジオキサンなどのエーテル、ジメチルカーボネート、もしくは酢酸エチルなどのエステル、又はトルエンもしくはキシレンなどの芳香族が好適に挙げられる。亜リン酸トリエチルの使用量としては、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。操作手順としては、ハロゲン化スルホラン化合物に対し、0℃〜200℃、好ましくは30〜180℃、更に好ましくは、70℃〜150℃の間で滴下して反応させることができる。
d法で用いられる3−ヒドロキシスルホラン化合物は、Langmuir,2016,vol.32,#3,p.765−771などに記載の公知の方法により得ることができる。d法で用いられる塩基としては、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウム、エチルマグネシウムブロミドもしくはリチウムヘキサメチルジシラジドなどの有機金属試薬、又はトリエチルアミン、ピリジン、もしくは4−ジメチルアミノピリジンなどが好適に挙げられ、その使用量としては、スルホラン化合物1モルに対して、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、もしくはジオキサンなどのエーテル、ジメチルカーボネート、もしくは酢酸エチルなどのエステル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、もしくはクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、又はトルエンもしくはキシレンなどの芳香族が好適に挙げられる。その使用量としては、スルホラン化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部〜100質量部、より好ましくは10質量部〜80質量部である。
反応温度や操作手順としては、3−ヒドロキシスルホラン化合物と溶媒に対し、−78℃〜0℃の間で塩基を滴下した後、0℃付〜室温近でクロロリン酸ジエチルを滴下することが好ましい。クロロリン酸ジエチルの使用量としては、0.8〜3モル、好ましくは0.9〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モルである。
以下、本発明で用いる化合物の合成例を示すが、これらの合成例に限定されるものではない。
500mL四口フラスコに1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン(10.00g、83.2mmol)とTHF(100mL)を室温下で混合し、ドライアイス−アセトン浴にて−78℃に冷却した。1.6Mノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液(54.6mL)を15分かけて滴下し、−78℃で20分攪拌した。その後、クロロリン酸ジエチル(15.07g、87.4mmol)を15分かけて滴下し、室温まで昇温した後、3時間攪拌した。反応終了後に水40ml加え、酢酸エチル40mLで3回抽出し、飽和食塩水40mLで洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精製し、無色油状物2.96gを得た。(収率:13%)
得られたジエチル(1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−2−イル)ホスホナートについて、1H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ4.34−4.18(4H,m),3.45−3.36(1H,m),3.17−3.13(2H,m),2.56−2.31(3H,m),2.22−2.10(1H,m),1.40−1.35(6H,t,J=7.2Hz).
100mL四口フラスコに4−ブロモ−1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル アセテート(10.48g、40.8mmol)とトルエン40mLの溶液に亜リン酸トリエチル(6.77g、40.8mmol)を室温下で加えた後、120℃で4h加熱攪拌した。反応液を濃縮後、得られた固体をDMC/ヘキサン=1/1にて再結晶を行い、白色の固体4.01gを得た。(収率:31%)
得られた4−(ジエトキシホスホリル)1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル アセテートについて、1H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。結果を以下に示す。(収率:13%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ5.30−5.28(2H,m),4.21−4.14(4H,q,J=7.2Hz),3.33−3.28(2H,m),3.27−3.22(2H,m),1.62(3H,s),1.34(6H,t,J=7.2Hz).
500mL四口フラスコに3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(4.33g、31.8mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.388g、3.20mmol)、トリエチルアミン(3.54g、35.0mmol)、および酢酸エチル200mLを室温下で混合した後、氷浴にて10℃に冷却した。その後、クロロリン酸ジエチル(5.76g、33.4mmol)を15分かけて滴下し室温まで昇温した後、6時間攪拌した。反応終了後水10mL加えて分液し、水10mLで洗浄した有機層を濃縮後、カラムクロマトグラフィーで精製し無色油状物2.45gを得た。(収率:28%)
得られた1,1−ジオキシドテトレヒドロチオフェン−3−イル ジエチルホスフェートについて、1H−NMRの測定を行い、その構造を確認した。結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ5.23−5.17(1H,m),4.17−4.09(4H,m)、3.41−3.27(3H,m),3.18−3.12(1H,m),2.62−2.54(1H,m),2.54−2.43(1H,m),1.35(6H,t,J=7.1Hz).
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。正極の集電体を除く部分の密度は3.6g/cm3であった。また、人造黒鉛(d002=0.335nm、負極活物質);90質量%、アセチレンブラック(導電剤);5質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。負極の集電体を除く部分の密度は1.5g/cm3であった。また、この電極シートを用いてX線回折測定した結果、黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比〔I(110)/I(004)〕は0.1であった。
ポリプロピレン(3μm)/ポリエチレン(5μm)/ポリプロピレン(3μm)の3層構造からなる積層微多孔フィルムの両面に、ベーマイト粒子とエチレン−酢酸ビニル共重合体を有する耐熱層(3μm)を形成し、総厚みが17μmのセパレータを作製した。
上記で得られた正極シート、セパレータ、負極シートを順に積層し、表1及び表2に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート型電池を作製した。
<初期の放電容量>
上記の方法で作製したラミネート電池を用いて、25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.4Vまで3時間充電し、1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電して、初期の放電容量を求めた。
<高温充電保存試験>
次に、このラミネート電池を60℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で終止電圧4.4Vまで3時間充電し、4.4Vに保持した状態で5日間保存を行った。その後、25℃の恒温槽に入れ、一旦1Cの定電流下終止電圧2.75Vまで放電した。
<高温充電保存後の放電容量>
更にその後、初期の放電容量の測定と同様にして、高温充電保存後の放電容量を求めた。
<高温充電保存後の容量維持率>
高温充電保存後の容量維持率を下記の式により求めた。
高温充電保存後の放電容量維持率(%)=(高温充電保存後の放電容量/初期の放電容量)×100
〔高温充電保存後のガス発生量の評価〕
高温充電保存後のガス発生量はアルキメデス法により測定した。ガス発生量は、比較例1のガス発生量を100%としたときを基準とし、相対的なガス発生量を調べた。
また、電池の作製条件及び電池特性を表1及び表2に示す。
実施例1及び比較例1で用いた正極活物質に変えて、LiNi0.5Mn1.5O4(正極活物質)を用いて、正極シートを作製した。非晶質炭素で被覆されたLiNi0.5Mn1.5O4;94質量%、アセチレンブラック(導電剤);3質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、正極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を4.9V(正極の電位が満充電状態においてLi基準で4.8V)、放電終止電圧を2.7Vとしたこと、非水電解液の組成を所定のものに変えたことの他は、実施例1及び比較例1と同様にラミネート型電池を作製し、電池評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1で用いた負極活物質に変えて、チタン酸リチウムLi4Ti5O12(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。チタン酸リチウムLi4Ti5O12;80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を2.8V、放電終止電圧を1.2Vとしたこと、非水電解液の組成を所定のものに変えたことの他は、実施例1と同様にラミネート電池を作製し、電池評価を行った。結果を表4に示す。
以上より、本願発明の蓄電デバイスを、高電圧で使用した場合の効果は、非水電解液中に、一般式(I)〜(VI)で表される化合物を含有する場合に特有の効果であることが判明した。
Claims (4)
- 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、下記一般式(I)で表される少なくとも一種の化合物を含有する蓄電デバイス用非水電解液。
(式中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、P(=O)(OR7)2基、OP(=O)(OR8)2基、OC(=O)R9基、又はOS(=O)2R10基を示し、R7〜10は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示し、Lは炭素数1〜8の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい脂肪族の2価の連結基又は酸素原子を示す。ただし、R1〜R6のうち少なくとも1つがP(=O)(OR7)2、OP(=O)(OR8)2基である。) - 前記一般式(I)の化合物が、下記一般式(II)〜(VI)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
(式中、R11〜R17はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、OC(=O)R19基、OP(=O)(OEt)2基、P(=O)(OEt)2基、又はOS(=O)2R20基を示し、R18〜R20は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示す。)
(式中、R21〜R27はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、OC(=O)R29基、OP(=O)(OEt)2基、P(=O)(OEt)2基、又はOS(=O)2R30基を示し、R28〜R30は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示す。)
(式中、R31〜R35はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキル基を示し、R36は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示す。)
(式中、R41〜R45はそれぞれ独立に一般式(IV)で定義したR31〜R35と同義であり、R46は一般式(IV)で定義したR36と同義である。)
(式中、R51〜R57はそれぞれ独立にそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、OC(=O)R59基、OP(=O)(OEt)2基、又はOS(=O)2R60を示し、R58〜R60基は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示す。) - 正極、負極、及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、該非水電解液が請求項1又は2に記載の非水電解液であることを特徴とする蓄電デバイス。
- 一般式(VII)〜(IX)で表される化合物。
(式中、R61〜R67はそれぞれ独立に一般式(II)で定義したR11〜R17と同義である。)
(式中、R71〜R77はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、OC(=O)R29基、OP(=O)(OEt)2基、P(=O)(OEt)2基、又はOS(=O)2R30基を示し、R28〜R30は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数6〜12のハロゲン化アリール基を示す。ただし、R71〜R77の全てが水素原子の場合を除く。)
(式中、R81〜R87はそれぞれ独立にそれぞれ独立に一般式(VI)で定義したR51〜R57と同義である。)
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