JP2017210094A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
特に、ランフラットタイヤのカーカスコードにレーヨン繊維を用いた場合、ランフラット走行時にカーカスコードのレーヨン繊維が乾熱酸化劣化することで、耐久性の低下、及び高速操安性の低下を招く。
サイドウォール部におけるカーカス層のタイヤ幅方向内側に断面三日月形状のサイド補強ゴム層が配置されていることが好ましい。
図1に示す空気入りタイヤ(以下、単にタイヤともいう)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、左右一対のサイドウォール部16と、左右一対のビード部18とを主な構成部分として有する。両サイドウォール部16にトレッド部12が連なる。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。
更に、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわち、タイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。図1の符号CLは、タイヤ赤道面のことであり、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ10の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ10のタイヤ幅の中心を通る平面である。
タイヤ10のタイヤ幅方向における最大幅Wmは、タイヤサイド39のタイヤ幅方向における最大長さを示す位置である最大幅位置39a間の距離のことである。タイヤの最大幅位置39aを中心としてタイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±30(%)の範囲内にある領域をサイドトレッドという。
カーカス層20は、カーカスコード(補強コード)として、複数本の有機繊維コードが配列され、コードコーティングゴムで被覆された構成である。有機繊維コードは、後述の芳香族系オキサジアゾール化合物コードで構成されている。
また、カーカス層20は、1つのシート材で構成されても、複数のシート材で構成されてもよい。複数のシート材で構成する場合、カーカス層20は継部(スプライス部)を有することになる。なお、カーカス層20については後に詳細に説明する。
これらゴムに配合するカーボンブラックとしては、例えば、ヨウ素吸着量が20〜100(g/kg)、好ましくは20〜50(g/kg)であり、DBP吸収量が50〜135(cm3/100g)、好ましくは50〜100(cm3/100g)であり、かつCTAB吸着比表面積が30〜90(m2/g)、好ましくは30〜45(m2/g)であるものが用いられる。
また、使用する硫黄の量は、例えば、ゴム100質量部に対して1.5〜4.0質量部であり、好ましくは2.0〜3.0質量部である。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードが、例えば、スチールコードであり、上述のコードコーティングゴム等で被覆して構成されている。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、ベルト層22に関し、補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が、例えば、24〜35°であり、好ましくは27〜33°である。これにより、高速耐久性を向上させることができる。
ベルト補助補強層24は、補強コードとして、例えば、1本又は複数本の有機繊維コードが引き揃えられ、上述のコードコーティングゴム等で被覆された帯状部材である。ベルト補助補強層24は、帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成されたタイヤ周方向のベルト補助補強層である。ベルト補助補強層24は、タイヤ周方向に螺旋状に配置されている。
なお、ベルト補助補強層24については、上述のフルカバー24a及びエッジカバー24bのうち、いずれか一方だけでもよい。
ベルト補助補強層24の有機繊維コードには、例えば、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)繊維、アラミド繊維、アラミド繊維とナイロン66繊維とからなる複合繊維(アラミド/ナイロン66ハイブリッドコード)、PEN繊維、POK(脂肪族ポリケトン)繊維、耐熱PET繊維、及びレーヨン繊維等が用いられる。
そして、カーカス層20とサイドウォールゴム層13及びリムクッションゴム層36との間には追加補強層42が設けられている。なお、追加補強層42は必ずしも必要ではないが、追加補強層42を設けることにより、ランフラット走行時の耐久性を更に改善することができる。
カーカス層20は、図2に示すように、ゴム層50と、補強コードとして複数本のカーカスコード52を有し、複数本のカーカスコード52が引き揃えて配列されてゴム層50に被覆された帯状部材である。例えば、ゴム層50は上述のコードコーティングゴムで構成される。
カーカスコード52は、芳香族系オキサジアゾール化合物コードで構成される。カーカス層20では、カーカスコードとして芳香族系オキサジアゾール化合物コードが複数本の配列されている。芳香族系オキサジアゾール化合物コードの構成は、1本(単糸)に限定されるものではなく、複数本撚ったものでもよい。
上撚り係数Kが2200を超えると、更なる耐久性の改善効果が得られない。加えて、剛性が低下してしまうため、操縦安定性が低下する。一方、上撚り係数Kが1800未満では、芳香族系オキサジアゾール化合物コードの耐疲労性が悪化するため、タイヤの耐久性が低下する。ランフラットタイヤの場合にも、タイヤの耐久性が低下する。
上撚り係数Kは、K=N×D1/2で表されるものである。ここで、Nは撚り数(回/10cm)、Dは総繊度(dtex)である。上撚り係数Kの単位は(回・(dtex)1/2)/10cmである。
カーカス層20のカーカスコード52は、高速耐久性を重視する場合、タイヤ周方向に対するカーカス角度が80°〜88°であることが好ましい。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、下記に示す一般構造式で表されるオキサジアゾール芳香族で構成される。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、温度120℃での剛性E(120℃)と温度25℃での剛性E(25℃)の剛性比E(120℃)/E(25℃)が0.7〜0.9であることが好ましい。剛性比E(120℃)/E(25℃)を0.7〜0.9とすることにより、高速走行時の操縦安定性を確保することができる。
温度120℃での剛性E(120℃)と温度25℃での剛性E(25℃)は、温度以外は同じ測定条件で、芳香族系オキサジアゾール化合物コードについて強度(cN/dtex)と伸びの関係を求めることで得ることができる。芳香族系オキサジアゾール化合物コードの強度(cN/dtex)と伸びの関係に基づき、温度25℃での最大の強度を剛性E(25℃)とし、温度120℃での最大の強度を剛性E(120℃)とする。
なお、アラミド繊維は破断伸びが3%程度である。
破断伸びについては、温度20℃で、芳香族系オキサジアゾール化合物コードについて強度(cN/dtex)と伸びの関係を求める際に、芳香族系オキサジアゾール化合物コードが破断する迄の強度を求めることにより、破断伸びを得ることができる。
初期剛性比は、芳香族系オキサジアゾール化合物コード及びナイロンコードについて、それぞれ同じ測定条件で強度(cN/dtex)と伸びの関係を求める。芳香族系オキサジアゾール化合物コード及びナイロンコードの各強度(cN/dtex)と伸びの関係を用いて、伸びが0〜2%の領域における、芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enを求める。剛性Eoと剛性Enは、伸びが0〜2%の領域における強度(cN/dtex)に相当する。なお、ナイロンコードは、ナイロン66で構成されたものである。
タイヤ10では、カーカス層20を1層設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、カーカス層20は1層以上あってよく、複数層、例えば、2層有する構成でもよい。
なお、タイヤ10は、加硫工程を含む一般的な製造方法で製造することができる。
第1液は、(a)エポキシ化合物、(b)スチレン/ブタジエン比が5/95〜45/55(質量比)のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックス及び(c)下記式(1)で示される熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂を、成分(a)エポキシ化合物、(b)SBRラテックス及び(c)熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂を固形分質量比で、(1)0.1≦(a)/〔(b)+(c)〕≦2及び(2)(c)/(b)≦2の割合で配合されたものである。
(1)0.1≦(a)/〔(b)+(c)〕≦2及び(2)(c)/(b)≦2特に好ましい配合は、各固形分がSBRラテックス100質量部に対し、エポキシ化合物20〜70質量部及び熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂10〜100質量部である。
エポキシ化合物は、グリシジル基を分子中に1個又はそれ以上有する公知のエポキシ化合物、好ましくはグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のポリオール系エポキシ化合物である。第1液中のエポキシ化合物の配合量が少な過ぎるとゴム層50との十分な接着性が得られない虞があり、逆に多過ぎると第1液の安定性を低下させる虞があるので好ましくない。
第1液に第三の成分として配合される熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂は上記式(1)のXが2個の水酸基を有するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の活性水素残基である。
第1液中に配合される熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂の配合量が少な過ぎるとゴム層50との接着力が低下する虞があり、逆に多過ぎるとカーカスコードが硬くなり、耐疲労性低下の虞があるので好ましくない。
RF初期縮合物に混合するゴムラテックス(L)は、被覆ゴム層を構成するゴムの種類に応じて適宜選択することができる。ゴムラテックスとしては、例えば、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマー(VP)ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)ラテックス、天然ゴムラテックス等が例示される。特にVPラテックスが接着性の観点から好ましい。また、VPラテックスにはSBRラテックス又は天然ゴムラテックスを適宜混合して用いることができる。
第2液の処理方法は従来の方法と同じとすることができる。芳香族系オキサジアゾール化合物コード等への付着量は好ましくは2〜6質量%である。処理された芳香族系オキサジアゾール化合物コード等は、例えば、温度80〜150℃で乾燥され、更に、例えば、温度200〜250℃で熱処理される。
本実施例においては、下記表2に示す構成の実施例1〜実施例5及び比較例1の空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)を作製し、各タイヤについて、荷重耐久性及び高速操縦安定性を評価した。荷重耐久性及び高速操縦安定性の評価結果を下記表2に示す。
タイヤは、複数本の芳香族系オキサジアゾール化合物コード、又は複数本のレーヨンコードが配置されたカーカス層を2層有するランフラットタイヤとした。ランフラットタイヤの構成は図1に示すものとした。
下記表2の「有機繊維コード構造」の欄において、「/2」は2本撚ったものであることを示す。
下記表2の「カーカス構造」の欄は、カーカス層の構造を示すものであり、カーカス層は2層構造である。このため、「カーカス構造」の欄に2層と記した。
カーカス層は、下記表1に示す未加硫ゴム配合物を用いて、芳香族系オキサジアゾール化合物コード又はレーヨンコードと、未加硫ゴム配合物を一体化加硫(加硫条件170℃×20分間)して得た。
芳香族系オキサジアゾール化合物コード又はレーヨンコードに、下記表2に示すように、第1液、第2液、又は第1液と第2液を用いて被覆処理を施した。
(a)エポキシ化合物:グリセロールポリグリシジルエーテル、(b)ゴムラテックス:スチレン/ブタジエン比が23/77(質量比)のSBRラテックス、(c)ウレタン樹脂:熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂A
配合は、固形分質量部で、(a)エポキシ化合物を100、(b)ゴムラテックスを100、(c)ウレタン樹脂を100とした。配合比を、固形分質量比で、(a)/[(b)+(c)]=0.50、(c)/(b)=1.00とした。
熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂Aの製造
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(NCO含有量31.5%)100部とビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加物31.2部を85℃で30分間反応させ、遊離イソシアネート18.7%のウレタンプレポリマーを得た。次にジオキサン65部、ε−カプロラクタム50部、トリエチルアミン0.2部を添加した後、系内温度75℃で120分間反応させ、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとビスフェノールAのエチレンオキサイド4モル付加物の合計に対して遊離イソシアネート5.5%の部分ブロックドプレポリマーを得た。次に、濃度30%のタウリンソーダ水溶液84部を系内温度40℃で加え、40〜45℃で30分間反応させた。その後固形分30%になるように水希釈とジオキサンの除去を行い、熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂Aを得た。
「エポキシ+RFL」は、上述の「エポキシ」と「RFL」を連続して行い、芳香族系オキサジアゾール化合物コードに第1液と第2液を被覆した。
高速操縦安定性は、以下のようにして測定して評価した。
実施例1〜実施例5及び比較例1の各タイヤを、リムサイズ18×8JJのリムに内圧250kPaで組んだ後、各試験タイヤを排気量2500ccの乗用車に装着し、訓練された5名のドライバーにてテストコースを走行してフィーリングを評価した。
結果は、比較例1との相対比較にて、以下の判定基準をもとに5点法で採点し、平均点で表した。下記表2に示す「高速操縦安定性」の欄の数値は、3.0が基準であり、5.0に近い程、高速操縦安定性が優れていることを意味する。
判定基準
5:すばらしい、4:優れる、3.5:やや優れる、3:基準同等、2.5:やや劣る(実用下限)、2:劣る、1:大きく劣る
実施例1〜実施例5及び比較例1の各タイヤを、リムサイズ18×8JJのリムに組み付けた後、空気を抜いた状態で排気量2500ccの後輪駆動車の後輪右側に装着した。この状態で、楕円形の周回コースを90km/hの速度で反時計廻りに走行し、テストドライバーがタイヤ故障による異常振動を感じ、走行を中止するまでの走行距離を測定した。荷重耐久性は、比較例1を100とする指数値にて評価した。
なお、下記表2に示す「荷重耐久性」の欄の数値は、数値が大きい程、荷重耐久性が優れ、ランフラット耐久性が優れていることを意味する。
実施例5は上撚り係数が2500であり、実施例5は上撚り係数が1700の実施例2よりも荷重耐久性について更に良好な結果が得られたが、剛性が低下し、高速操縦安定性について比較例1と同程度となった。
実施例1及び実施例3はディップ処方が「エポキシ」であり、実施例3は、上撚り係数が2100であり、好ましい範囲にある。実施例3は、上撚り係数が1700の実施例1よりも荷重耐久性について更に良好な結果が得られた。
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
22a 内側ベルト層
22b 外側ベルト層
24 ベルト補助補強層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
50 ゴム層
52 カーカスコード
Claims (4)
- 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在させた1層以上のカーカス層を有する空気入りタイヤであって、
前記カーカス層は、カーカスコードとして芳香族系オキサジアゾール化合物コードが複数本の配列されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に断面三日月形状のサイド補強ゴム層が配置されている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカスコードは、前記芳香族系オキサジアゾール化合物コードが第1液と第2液で被覆されたディップ処理コードであり、
前記第1液は(a)エポキシ化合物、(b)スチレン/ブタジエン比が5/95〜45/55(質量比)のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックス及び(c)式(1)
(式中Aは官能基数3〜5の有機ポリイソシアネート化合物のイソシアネート残基を示し、Yは熱処理によりイソシアネート基を遊離するブロック剤化合物の活性水素残基を示し、Zは分子中、少なくとも1個の活性水素原子及び少なくとも1個のアニオン形成性基を有する化合物の活性水素残基を示し、Xは2個の水酸基を有し、平均分子量が5000以下のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の活性水素残基であり、nは2〜4の整数であり、p+mは2〜4の整数(m≧0.25)である)で示される熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂を、成分(a)エポキシ化合物、(b)SBRラテックス及び(c)熱反応型水溶性ポリウレタン樹脂を固形分質量比で、
(1)0.1≦(a)/〔(b)+(c)〕≦2及び(2)(c)/(b)≦2の割合で配合されたものであり、
前記第2液は、レゾルシン・ホルマリン縮合物及びゴムラテックスからなるものである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記カーカス層の前記カーカスコードは、上撚り係数が1800〜2200であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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