JP2017210146A - パターン導電体、発熱用導電体、導電体付きシート、発熱板、乗り物および建築物 - Google Patents

パターン導電体、発熱用導電体、導電体付きシート、発熱板、乗り物および建築物 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン導電体において、電波の透過を可能にしながら、発熱むらを生じにくくする。【解決手段】電波透過領域Tと、電波不透過領域Sと、を含むパターン導電体40が、開口43を形成するメッシュ状のパターンで配置された線状導電体41を有する。電波透過領域Tにおける開口43の面積は、電波不透過領域Sにおける開口43の面積より大きい。電波透過領域Tにおける開口43の最大内幅は、電波不透過領域Sにおける開口43の最大内幅より大きい。電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅は、電波不透過領域Sにおける線状導電体41の線幅より大きい。【選択図】図4

Description

本発明は、パターン導電体、このパターン導電体を含む発熱用導電体、発熱用導電体を有する導電体付きシート、および、発熱用導電体または導電体付きシートを備える発熱板に関する。また、本発明は、発熱板を備える乗り物および建築物に関する。
従来から、規則的または不規則的なパターンを有するパターン導電体が、広く用いられている。パターン導電体は、例えば、車両のフロントウィンドウ(windshield;風防ガラス)に用いられるデフロスタ(霜取り装置)や窓用の暖房器具、あるいはタッチパネルセンサ等に利用されている。これらに用いられているパターン導電体は、通電されることによって、発熱して霜取りや暖房器具として、またはセンサとして機能する。例えば、特許文献1では、パターン導電体が、透視性を有した発熱板に組み込まれて窓ガラスに利用されている。この発熱板において、パターン導電体は、通電によってその抵抗加熱により昇温する。発熱板からなる窓ガラスの昇温により、窓ガラスの曇りを取り除いたり、窓ガラスに付着した雪や氷を溶かしたり、または、水滴を蒸発させたりすることで、乗員の視界を確保することができる。
韓国特許公開公報10−2009−0113757号
このような用途に用いられるパターン導電体は、発熱板の全体を均一に発熱させるよう、発熱むらを小さくすることが求められている。このため、パターン導電体を、均一かつ高密度に配置することで、発熱むらを生じにくくしている。
ここで、昨今におけるGPS(Global Positioning System、グローバルポジショニングシステム)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication system、道路交通情報通信システム)、ETCシステム(Electronic Toll Collection System、電子料金収受システム)等の普及にともない、多くの車両が、窓ガラスを用いて区画される車内に、電波を送信または受信する通信機を有している。この通信機は、通常、フロントガラスに対面して車内に設置される。
しかしながら、特許文献1の発熱板によって形成されたフロントガラスは、パターン導電体を含んでいる。パターン導電体は、線状の導電体を高密度に配置することで形成されている。したがって、このパターン導電体が電波を遮蔽し、フロントガラスを介した電波の送受信が規制され得る。パターン導電体を設置しない領域をフロントガラスに設けた場合には、当該領域で電波の送受信を行うことが可能となる。ただし、当該領域にパターン導電体が存在しないので、パターン導電体は当該領域において発熱せず、当該領域を介して視界を確保することが困難になる。すなわち、パターン導電体による発熱と電波の透過が両立できていない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、電波の透過を可能にしながら、発熱むらを生じにくくするパターン導電体を提供することを目的とする。
本発明におけるパターン導電体は、
電波透過領域と、電波不透過領域と、を含むパターン導電体であって、
開口を形成するメッシュ状のパターンで配置された線状導電体を有し、
前記電波透過領域における開口の面積は、前記電波不透過領域における開口の面積より大きく、
前記電波透過領域における開口の最大内幅は、前記電波不透過領域における開口の最大内幅より大きく、
前記電波透過領域における線状導電体の線幅は、前記電波不透過領域における線状導電体の線幅より大きい。
本発明のパターン導電体において、前記電波透過領域における開口の面積は、1mm以上20mm以下であってもよい。
本発明のパターン導電体において、前記電波透過領域における開口の最大内幅は、1.4mm以上28mm以下であってもよい。
本発明のパターン導電体において、前記電波透過領域における線状導電体の線幅は、5μm以上15μm以下であってもよい。
本発明のパターン導電体において、前記電波不透過領域における開口の面積は、0.005mm以上0.16mm以下であってもよい。
本発明のパターン導電体において、前記電波不透過領域における開口の最大内幅は、0.07mm以上0.8mm以下であってもよい。
本発明のパターン導電体において、前記電波不透過領域における線状導電体の線幅は、2μm以上10μm以下であってもよい。
本発明における発熱用導電体は、
上述したいずれかのパターン導電体と、
一対のバスバーと、を備え、
前記パターン導電体は、前記一対のバスバーを連結する。
本発明の発熱用導電体において、前記電波透過領域は、前記一対のバスバーのうち少なくとも一方に隣接して設けられていてもよい。
本発明の発熱用導電体において、前記電波透過領域は、前記一対のバスバーの間であって、各バスバーから10cm以内の領域に存在してもよい。
本発明における導電体付きシートは、
上述したいずれかの発熱用導電体と、
前記発熱用導電体を支持する基材フィルムと、を備える。
本発明の発熱板は、
一対の基板と、
前記一対の基板の間に設けられた、上述したいずれかの発熱用導電体、または、上述した導電体付きシートと、を備える。
本発明の乗り物は、上述した発熱板を備える。
本発明の建築物は、上述した発熱板を備える。
本発明によれば、パターン導電体において、電波の透過を可能にしながら、発熱むらを生じにくくすることができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、発熱板を備えた乗り物を概略的に示す斜視図である。特に図1では、乗り物の例として発熱板を備えた自動車を概略的に示している。 図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った発熱板の断面図である。 図4は、発熱板のパターン導電体のパターン形状の一例を示す平面図である。 図5は、発熱板のパターン導電体のパターン形状の他の一例を示す平面図である。 図6は、パターン導電体のパターン形状の拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「導電体付シート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「導電体付シート」は、「導電体付板(基板)」や「導電体付フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図5は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、発熱板を備えた自動車を概略的に示す図であり、図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った発熱板の断面図である。
図1に示されているように、乗り物の一例としての自動車1は、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等の窓ガラスを有している。ここでは、フロントウィンドウ5が発熱板10で構成されているものを例示する。また、自動車1はバッテリー等の電源7を有している。
さらに、フロントウィンドウ5等によって区画される自動車の車内に、通信機6が設けられている。通信機6は、代表的には、GPS(Global Positioning System、グローバルポジショニングシステム)、VICS(Vehicle Information and Communication system、道路交通情報通信システム)、ETCシステム(Electronic Toll Collection System、電子料金収受システム)等を利用するために設置されている。尚、通信機6としては、前記のもの以外に、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、無線電話機等を適用することもできる。通信機6は、通信機6に応じた周波数及び変調方式の電波を送信、受信、又は、送受信し、車外との間で情報を通信する。図示された例において、通信機6は、フロントウィンドウ5に対面する位置に配置されている。すなわち、通信機6は、フロントウィンドウ5をなす発熱板10を介した電波による通信を、意図されている。
この発熱板10をその板面の法線方向から見たものを図2に示す。また、図2の発熱板10のIII−III線に対応する断面図を図3に示す。図3に示された例では、発熱板10は、一対の基板11,12と、一対の基板11,12の間に配置された導電体付シート20と、基板11,12と導電体付シート20とを接合する接合層13,14と、を有している。なお、図1および図2に示した例では、発熱板10は湾曲しているが、その他の図では、図示の簡略化および理解の容易化のために、発熱板10および基板11,12を平板状に図示している。
導電体付きシート20は、基材フィルム21と、基材フィルム21の一方の基板11に対面する面上に設けられた発熱用導電体30と、を有する。発熱用導電体30は、線状導電体31を有するパターン導電体33と、パターン導電体33に通電するための一対のバスバー35と、を有する。
また、図1及び図2によく示されているように、発熱板10は、発熱用導電体30に通電するための配線部15を有している。図示された例では、バッテリー等の電源7によって、配線部15から導電体付きシート20のバスバー35を介して発熱用導電体30に通電し、発熱用導電体30を抵抗加熱により発熱させる。発熱用導電体30で発生した熱は基板11,12に伝わり、基板11,12が温められる。これにより、基板11,12に付着した結露による曇りを取り除くことができる。また、基板11,12に雪や氷が付着している場合には、この雪や氷を溶かすことができる。したがって、乗員の視界が良好に確保される。尚、図示は省略するが、通常は、配線部15は電源7と発熱用導電体30のバスバー35との間に開閉器が挿入(直列に接続)される。そして、発熱板10の加熱が必要な時のみ開閉器を閉じて発熱用導電体30に通電する。
以下、発熱板10の各構成要素について説明する。
まず、基板11,12について説明する。基板11,12は、図1で示された例のように自動車のフロントウィンドウに用いる場合、乗員の視界を妨げないよう可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。このような基板11,12の材質としては、ソーダライムガラスや青板ガラスが例示できる。基板11,12の可視光透過率は90%以上であることが好ましい。ここで、基板11,12の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。なお、基板11,12の一部または全体に着色するなどして、この一部分の可視光透過率を低くしてもよい。この場合、太陽光の直射を遮ったり、車外から車内を視認しにくくしたりすることができる。
また、基板11,12は、1mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。このような厚みであると、強度及び光学特性に優れた基板11,12を得ることができる。一対の基板11,12は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。
次に、接合層13,14について説明する。一方の接合層13が、一方の基板11と導電体付きシート20との間に配置され、一方の基板11と導電体付きシート20とを互いに接合する。他方の接合層14が、他方の基板12と導電体付きシート20との間に配置され、他方の基板12と導電体付きシート20とを互いに接合する。
このような接合層13,14としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。また、接合層13,14は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。典型的な接合層としては、ポリビニルブチラール(PVB)からなる層を例示することができる。接合層13,14の厚みは、それぞれ0.15mm以上1mm以下であることが好ましい。一対の接合層13,14は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるように
してもよい。
なお、発熱板10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、発熱板10の基板11,12、接合層13,14、後述する導電体付きシート20の基材フィルム21の、少なくとも一つに何らかの機能を付与するようにしてもよい。発熱板10に付与され得る機能としては、一例として、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、赤外線遮蔽(反射)機能、紫外線遮蔽(反射)機能、防汚機能等を例示することができる。
次に、導電体付きシート20について説明する。導電体付きシート20は、基材フィルム21と、基材フィルム21の一方の基板11に対面する面上に設けられた発熱用導電体30と、を有する。導電体付きシート20は、基板11,12と略同一の平面寸法を有して、発熱板10の全体にわたって配置されている。以下、導電付シート20の各構成要素について説明する。
基材フィルム21は、発熱用導電体30を支持する基材として機能する。基材フィルム21は、可視光線波長帯域の波長(380nm〜780nm)を透過する一般に言うところの透明である電気絶縁性のフィルムである。基材フィルム21としては、可視光を透過し、発熱用導電体30を適切に支持し得るものであればいかなる材質のものでもよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン等を挙げることができる。また、基材フィルム21は、光透過性や、発熱用導電体30の適切な支持性等を考慮すると、0.03mm以上0.20mm以下の厚みを有していることが好ましい。
なお、「透明」とは、当該基材フィルムを介して当該基材フィルムの一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
次に、図4および図5を参照しながら、発熱用導電体30について説明する。図4および図5は、導電体付きシート20をそのシート面の法線方向から示す平面図である。図4および図5は、発熱用導電体30の互いに異なる例を示している。
図4において、発熱用導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35に間に配置されたパターン導電体40と、を有している。バスバー35は、対応する配線部15と電気的に接続されている。一対のバスバー35間には、配線部15と接続された電源7の電圧が印加されるようになる。パターン導電体40は、所定のパターンで配置された線状導電体41によって形成されている。パターン導電体40は、一対のバスバー35間を結ぶようにそれぞれ電気的に接続されている。パターン導電体40は、配線部15及びバスバー35を介して電圧を印加されると、抵抗加熱によって発熱する。そして、この熱が接合層13,14を介して基板11,12に伝わることで、基板11,12が温められる。
パターン導電体40は、種々のパターンで配列することができる。図4に示された例では、パターン導電体40は、線状導電体41が多数の開口43を画成するメッシュ状のパターンで配置されることによって形成されている。パターン形状の拡大図である図6に示すように、パターン導電体40は、2つの分岐点42の間を延びて、開口43を画成する複数の接続要素44を含んでいる。すなわち、パターン導電体40の線状導電体41は、両端において分岐点42を形成する多数の接続要素44の集まりとして構成されている。とりわけ図示された例では、分岐点42において、3つの接続要素44が等角度で接続されることにより、6つの接続要素44で囲まれたハニカム状の開口43が多数画成されている。
図示された例では、パターン導電体40は、ハニカム状の開口43が一定の面内配列周期を以って規則的に配置されたメッシュパターンを有しているが、このようなメッシュパターンに限られず、三角形、矩形等の同一形状の開口43が規則的に配置されたメッシュパターン、異形状の開口43が規則的に配置されたメッシュパターン、平面面内にランダムな位置で分布した母点によるボロノイ図形から成る所謂ボロノイメッシュのような、異形状の開口43が一定の面内配列周期を持たない不規則的に配置されたメッシュパターン等、種々のメッシュパターンを用いることができる。
また、パターン導電体40には、電波透過領域Tと、電波不透過領域Sと、を含んでいる。電波透過領域Tと電波不透過領域Sとでは、線状導電体41が異なるパターンで配置されている。図示された例においては、電波透過領域Tおよび電波不透過領域Sは、いずれもハニカム状の開口43が規則的に配置されたメッシュパターンを有している。ただし、図6に示すように、電波透過領域Tにおける開口43の面積Aは、電波不透過領域Sにおける開口43の面積Aより大きくなっている。また、電波透過領域Tにおける開口43の最大内幅Dは、電波不透過領域Sにおける開口43の最大内幅Dより大きくなっている。さらに、電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅Wは、電波不透過領域Sにおける線状導電体41の線幅Wより大きくなっている。なお、面積、最大内幅及び線幅の比較は、全体の傾向を反映し得る数量の平均値で行うことができる。例えば、乗り物用にデフロスタとして使用される発熱板においては、面積、最大内幅及び線幅は、透視性により影響を与え得る最も大きい方から20個の測定値の平均により、大小を比較することができる。
電波透過領域Tにおいては、通信機6が送受信する電波を透過するための開口43の面積や最大内幅及び線幅は、通信機6で送受信する電波の周波数に応じた寸法に設計するが、前記に例示の如き通常の通信機の場合であれば、開口43の面積は1mm以上、開口43の最大内幅は1.4mm以上となっていることが好ましい。しかしながら、開口43の面積や最大内幅が大きすぎると発熱むらが発生する原因となるので、電波透過領域Tにおいて、開口43の面積は20mm以下、開口43の最大内幅は28mm以下とすることが好ましい。
また、電波不透過領域Sにおいては、全体を均一に発熱させるため、開口43の面積は0.16mm以下、開口43の最大内幅は0.8mm以下となっていることが好ましい。しかしながら、開口43の面積や最大内幅が小さすぎるとパターン導電体40を介した透視性が悪化するので、電波不透過領域Sにおいて、開口43の面積は0.005mm以上、開口43の最大内幅は0.07mm以上とすることが好ましい。
さらに、電波透過領域Tと電波不透過領域Sとの抵抗の違いに基づく発熱量の差を小さくするため、電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅Wは、5μm以上15μm以下であり、電波不透過領域Sにおける線状導電体41の線幅Wは、2μm以上10μm以下であることが好ましい。
ところで、ここで説明するパターン導電体40では、パターン導電体40の開口率(非被覆率)は、電波透過領域Tにおいて、電波不透過領域Sよりも、高くなっている。ここで開口率とは、パターン導電体40をなす線状導電体41によって被覆されていない領域の面積比率〔%〕のことである。言い換えると、発熱板10の板面への法線方向からの観察において、線状導電体41が配置されていない面積の割合、すなわち線状導電体41によって被覆されていない面積の割合〔%〕のことである。このようなパターン導電体40によれば、電波透過領域Tにおいて、電波が発熱板10を透過しやすくすることができる。その一方で、電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅は、比較的太くなっている。したがって、開口率の高い電波透過領域Tにおいても、十分な発熱量を確保することができる。すなわち、電波透過領域Tにおいても、発熱によって曇りを除去し、更に雪や氷を溶かすことができるので、発熱板を介した良好な視界を確保することが可能となる。なお、電波不透過領域Sにおいては、当然に、十分な発熱を行って極めて良好な視認性を確保することが可能である。
本件発明者が実験を繰り返したところ、パターン導電体が発熱板の透視性に与える影響は、開口の面積が小さい電波不透過領域Sよりも、むしろ開口の面積が大きい電波透過領域Tにおいて、顕著となった。たとえ開口の面積が大きくても、パターン導電体をなす線状導電体の線幅が大きくなると、個々の線状導電体の存在が視認されてしまう。したがって、電波透過領域Tを介した視野は、違和感を生じさせることになる。その一方で、電波不透過領域Sでは、開口の面積が小さいことからパターン導電体が全体的な色調の変化等を生じさせ得るものの、線状導電体の線幅が小さくなっているので、パターン導電体をなす個々の線状導電体の存在は認識されにくくなる。したがって、発熱板の電波透過領域Tを介した透視よりも、発熱板の電波不透過領域Sを介した透視の方が、結果として、パターン導電体の存在を意識させることなく、より良好な視野を提供することができる。
このような知見から、線状導電体の存在が視認されやすい電波透過領域Tは発熱板10における隅に、本実施形態においては一対のバスバー35のうち少なくとも一方に隣接して設けられることが好ましい。あるいは、電波透過領域Tは、一対のバスバー35の間であって、各バスバーから10cm以内の領域に存在することが好ましい。すなわち、透視性を比較的悪化させやすい電波透過領域Tを発熱板10の隅に配置し、視認性を比較的悪化させにくい電波不透過領域Sを発熱板10の中心部に配置することが好ましい。このような配置によれば、発熱板10を介した透視性の悪化を抑制することができる。
なお、電波透過領域Tは、図4のように一対のバスバー35に隣接する領域全体に設けられなくてもよい。例えば、図5に示すように、電波透過領域Tは、一対のバスバー35の一部にのみ隣接して設けられてもよい。また、電波透過領域Tとバスバー35との間に、電波不透過領域Sが設けられていてもよい。この場合、透視性を比較的悪化させやすい電波透過領域Tを通信機6に対面する位置にのみ設けることで、発熱板全体の透視性を悪化させにくくすることができる。
パターン導電体40は、上述したように不透明な金属材料を用いて形成され得る。その一方で、パターン導電体40によって覆われていない基材フィルム21上の領域の割合、すなわち開口率は、電波透過領域Tおよび電波不透過領域Sともに、70%以上90%以下程度と高くなっている。このため、パターン導電体40が設けられている領域は、全体として透明に把握され、パターン導電体40の存在が発熱板10の透視性を害さないようになっている。
また、上述したような幅Wを有する線状導電体41は十分に細線化されているので、パターン導電体40を効果的に不可視化することができる。また、線状導電体41の高さ(厚さ)H、すなわち、基材フィルム21のシート面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hは、2μm以上20μm以下とすることが好ましい。このような高さ(厚さ)Hを有する線状導電体41によれば、適切な抵抗値を有しつつ十分な導電性を確保することができる。
以上のようなパターン導電体40を構成するための材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン等の金属、及び、ニッケル−クロム合金、真鍮、青銅等のこれら例示の金属の中から選択した二種以上の金属の合金の一以上を例示することができる。
また、図3に示されたように、線状導電体41は、導電性金属層46、導電性金属層46の表面のうち、基材フィルム21に対向する側の面を覆う第1の暗色層47、導電性金属層46の表面のうち、基板11に対向する側の面及び両側面を覆う第2の暗色層48を含むようにしてもよい。優れた導電性を有する金属材料からなる導電性金属層46は、比較的高い反射率を呈する。そして、発熱用導電体30の線状導電体41をなす導電性金属層46によって光が反射されると、その反射した光が視認されるようになり、乗員の視界を妨げる場合がある。また、外部から導電性金属層46が視認されると、意匠性が低下する場合がある。そこで、第1及び第2の暗色層47,48が、導電性金属層46の表面の少なくとも一部分を覆っている。第1及び第2の暗色層47,48は、導電性金属層46よりも可視光の反射率が低い層であればよく、例えば黒色等の暗色の層である。この暗色層47,48によって、導電性金属層46が視認されづらくなり、乗員の視界を良好に確保することができる。また、外部から見たときの意匠性の低下を防ぐことができる。
なお、前述したように、発熱板10を介した透視性を確保する観点から、発熱用導電体30の線状導電体41は、好ましくは開口率が高くなるように、基材フィルム21上に形成される。このため、図3に示すように、接合層13と導電体付きシート20の基材フィルム21とは、線状導電体41の非被覆部、すなわち隣り合う線状導電体41の間となる領域を介して接触している。このため、発熱用導電体30は、接合層13内に埋め込まれた状態となっている。
次に、発熱板10の製造方法の一例について、説明する。
まず、基材フィルム21上に第1の暗色層47を形成するようになる暗色膜を設ける。
次に、導電性金属層46を形成するようになる金属膜を暗色膜上に設ける。金属膜は、公知の方法で形成され得る。例えば、銅箔等の金属箔を貼着する方法、電界めっき及び無電界めっきを含むめっき法、スパッタリング法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、又はこれらの二以上を組み合わせた方法を採用することができる。
その後、金属膜上に、レジストパターンを設ける。レジストパターンは、形成されるべき導電体30に対応した形となっている。このレジストパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより形成することができる。
次に、レジストパターンをマスクとして、金属膜及び暗色膜をエッチングする。このエッチングにより、金属膜及び暗色膜がレジストパターンと略同一のパターンにパターニングされる。この結果、パターニングされた金属膜から、線状導電体41の一部をなすようになる導電性金属層46が、形成される。また、パターニングされた暗色膜から、線状導電体41の一部をなすようになる第1の暗色層47が、形成される。
なお、エッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。その後、レジストパターンを除去する。
その後、導電性金属層46の第1の暗色層47が設けられた面と反対側の面及び側面に第2の暗色層48を形成する。第2の暗色層48は、例えば導電性金属層46をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層46をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる第2の暗色層48を形成することができる。また、導電性金属層46の表面に第2の暗色層48を設けるようにしてもよい。また、導電性金属層46の表面を粗化して第2の暗色層48を設けるようにしてもよい。
以上の工程によって、パターン導電体40を有する発熱用導電体30が作製される。
最後に、発熱用導電体30の側から接合層13及び基板11を積層して、導電体付きシート20と基板11とを接合する。同様に、基材フィルム21の側から接合層14及び基板12を積層して、導電体付きシート20と基板12とを接合する。これにより、図3に示した発熱板10が作製される。
以上に説明してきたように、本実施の形態によるパターン導電体40は、電波透過領域Tと、電波不透過領域Sと、を含み、開口43を形成するメッシュ状のパターンで配置された線状導電体41を有し、電波透過領域Tにおける開口43の面積は、電波不透過領域Sにおける開口43の面積より大きく、電波透過領域Tにおける開口43の最大内幅は、電波不透過領域Sにおける開口43の最大内幅より大きく、電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅は、電波不透過領域Sにおける線状導電体41の線幅より大きい。このようなパターン導電体40によれば、開口43の面積および最大内幅の違いから、電波不透過領域Sでは電波を透過させなくても、電波透過領域Tでは電波を透過させることができ、線状導電体41の線幅の違いから、電波透過領域Tと電波不透過領域Sとの間の発熱量の差を生じにくくし、発熱むらを抑制することができる。すなわち、パターン導電体40において、電波の透過を可能にしながら、発熱むらを生じにくくすることができる。
また、本実施の形態によるパターン導電体40によれば、電波透過領域Tにおける、開口43の面積は1mm以上20mm以下であり、開口43の最大内幅は1.4mm以上28mm以下である。このようなパターン導電体40によれば、電波透過領域Tにおいて電波を透過させながら、発熱むらの発生を抑制することができる。
さらに、本実施の形態によるパターン導電体40によれば、電波不透過領域Sにおける、開口43の面積は0.005mm以上0.16mm以下であり、開口43の最大内幅は0.07mm以上0.8mm以下である。このようなパターン導電体40によれば、十分な透視性を有しながら、発熱むらを抑制することができる。
また、本実施の形態によるパターン導電体40によれば、電波透過領域Tにおける線状導電体41の線幅Wは、5μm以上15μm以下であり、電波不透過領域Sにおける線状導電体41の線幅Wは、2μm以上10μm以下である。このようなパターン導電体40によれば、電波透過領域Tと電波不透過領域Sとの間の発熱量の差を小さくすることができ、したがって、電波透過領域Tと電波不透過領域Sとの間の発熱むらを抑制することができる。
さらに、本実施の形態による発熱用導電体30によれば、電波透過領域Tは、一対のバスバー35のうち少なくとも一方に隣接して設けられている。あるいは、電波透過領域Tは、一対のバスバー35の間であって、各バスバーから10cm以内の領域に存在する。このような発熱用導電体30によれば、視認性を比較的悪化させやすい電波透過領域Tを発熱用導電体30の隅に、透視性を比較的悪化させにくい電波不透過領域Sを発熱用導電体30の中心部に、それぞれ配置することができる。したがって、発熱用導電体30を介した透視性の悪化を避けることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
上述した実施の形態では、発熱板10が、基材フィルム21を有している導電体付きシート20を備える例を示したが、製造過程において基材フィルム21を剥離させる等によって、発熱板10中に基材フィルム21を有さないようにしてもよい。この場合、発熱板10の全体を薄型にすることができ、また軽量化することができる。さらに、発熱用導電体30から生じる熱を、発熱板10全体により早く伝達させることもできる。
前述した実施の形態において、発熱板10が曲面状に形成されている例を示したが、この例に限られず、発熱板10が、平板状に形成されていてもよい。
発熱板10は、自動車1のリアウィンドウ、サイドウィンドウやサンルーフに用いてもよい。また、自動車以外の、鉄道車両、航空機、船舶、宇宙船等の乗り物の窓或いは扉の透明部分に用いてもよい。
さらに、発熱板10は、乗り物以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅の窓或いは扉の透明部分、建物の窓又は扉、冷蔵庫、展示箱、戸棚等の收納乃至保管設備の窓あるいは扉の透明部分等に使用することもできる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 自動車
5 フロントウィンドウ
6 通信機
7 電源
10 発熱板
11 基板
12 基板
13 接合層
14 接合層
15 配線部
20 導電体付きシート
21 基材フィルム
30 発熱用導電体
35 バスバー
40 パターン導電体
41 線状導電体
42 分岐点
43 開口
44 接続要素
46 導電性金属層
47 第1の暗色層
48 第2の暗色層
T 電波透過領域
S 電波不透過領域

Claims (14)

  1. 電波透過領域と、電波不透過領域と、を含むパターン導電体であって、
    開口を形成するメッシュ状のパターンで配置された線状導電体を有し、
    前記電波透過領域における開口の面積は、前記電波不透過領域における開口の面積より大きく、
    前記電波透過領域における開口の最大内幅は、前記電波不透過領域における開口の最大内幅より大きく、
    前記電波透過領域における線状導電体の線幅は、前記電波不透過領域における線状導電体の線幅より大きい、パターン導電体。
  2. 前記電波透過領域における開口の面積は、1mm以上20mm以下である、請求項1に記載のパターン導電体。
  3. 前記電波透過領域における開口の最大内幅は、1.4mm以上28mm以下である、請求項1または2に記載のパターン導電体。
  4. 前記電波透過領域における線状導電体の線幅は、5μm以上15μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパターン導電体。
  5. 前記電波不透過領域における開口の面積は、0.005mm以上0.16mm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパターン導電体。
  6. 前記電波不透過領域における開口の最大内幅は、0.07mm以上0.8mm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパターン導電体。
  7. 前記電波不透過領域における線状導電体の線幅は、2μm以上10μm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパターン導電体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のパターン導電体と、
    一対のバスバーと、を備え、
    前記パターン導電体は、前記一対のバスバーを連結する、発熱用導電体。
  9. 前記電波透過領域は、前記一対のバスバーのうち少なくとも一方に隣接して設けられている、請求項8に記載の発熱用導電体。
  10. 前記電波透過領域は、前記一対のバスバーの間であって、各バスバーから10cm以内の領域に存在する、請求項8または9に記載の発熱用導電体。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の発熱用導電体と、
    前記発熱用導電体を支持する基材フィルムと、を備えた、導電体付きシート。
  12. 一対の基板と、
    前記一対の基板の間に設けられた、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の発熱用導電体、または、請求項11に記載の導電体付きシートと、を備えた、発熱板。
  13. 請求項12に記載の発熱板を備えた、乗り物。
  14. 請求項12に記載の発熱板を備えた、建築物。
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