JP2017210152A - 車体の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリュ部材による複数の車体構成部材間の接合部において、周辺部品等の物体の保護を図ることを課題とする。【解決手段】接合面部19a,22,63を有する複数の車体構成部材16,22,30と、これらの車体構成部材を前記接合面部19a,22,63で接合するスクリュ部材70とを有する車体の接合構造において、前記車体構成部材16,22,30のうち前記スクリュ部材70の先端76側の車体構成部材30に、該車体構成部材の接合面部63より突出するスクリュ部材70の突出部を挟んで対向する一対の壁部61,67を設ける。【選択図】図6
Description
本発明は、スクリュ部材を用いた車体の接合構造に関し、車体の生産技術分野に属する。
近年、自動車の生産技術分野では、燃費性能の更なる向上等を図るために車体の軽量化がますます要求されており、これに伴って、車体構成部材の材料として、アルミニウム系材料等の軽量材料の需要が高まっている。従来から用いられている鋼材等の鉄系材料と軽量材料とを併用して車体を構成する場合、異種材料からなる車体構成部材間の接合を行う必要がある。
異種金属材料間の接合は、溶接によっては困難であることから、一般には、SPR(セルフピアシングリベット)やブラインドリベットなどを用いて行われる。
SPRによる接合は、重ね合わされた複数の金属板をレシーバとダイによって挟み込んだ状態で、レシーバに装填されたリベットを金属板に打ち込んで、リベットの先端部をダイの形状に合わせて拡開させることで行われる。この接合方法では、金属板に下穴を開ける必要がない利点がある一方、被接合部の両側に上記のレシーバ及びダイがセットされるスペースを確保できる場合にしか適用できない欠点がある。また、高張力鋼板(ハイテン)等、高強度の材料にはリベットを打ち込めないこともある。
ブラインドリベットによる接合は、ツールの先端に装着されたリベットを、金属板に予め形成された下穴に差し込んで、金属板の一方側から他方側へ貫通させた後、ツールを前記一方側に引き込んで、金属板の前記他方側においてリベットを加締めることで行われる。この接合方法では、金属板の片側からの作業で接合を行える利点がある一方、金属板に下穴を開ける手間がかかる欠点がある。
このような事情から、その他の接合技術を用いて、異種材料からなる車体構成部材間の接合を行うことが検討ないし実用化されている。
そのような接合技術の一種として、特許文献1には、下穴を有しない複数の被接合部材に対してねじ穴を形成しながらねじ込むセルフタッピング式のスクリュ部材に関する技術が開示されている。
この特許文献1に開示されたセルフタッピング式のスクリュ部材は、その先端を被接合部材に圧着させて高速回転させることにより、その先端部と被接合部材の接触面との間に摩擦熱を発生させて、この熱により周囲の母材を塑性化させながらねじ込むものである。このスクリュ部材が被接合部材を貫通するとき、塑性化した母材がスクリュ部材に沿って軸方向に伸張されることで、軸方向に長いねじ穴が形成されるため、ねじ代が増大された強固な接合が可能になる。
この種のスクリュ部材を用いた接合技術を車体構成部材間の接合に適用すれば、車体構成部材の被接合部に下穴を開けることなく、該被接合部の片側からの作業によって接合を行うことができると共に、異種材料からなる車体構成部材間を強固に接合することが可能になる。
しかしながら、車体構成部材間の接合に上記のスクリュ部材を用いる場合、該スクリュ部材の鋭利な先端が車体構成部材の被接合部から突出した状態となるため、該被接合部の周囲に配設されるハーネス等の周辺部品が組付け時やメンテナンス時にスクリュ部材の先端に接触して傷つく可能性がある。
そこで、本発明は、スクリュ部材による複数の車体構成部材間の接合部において、周辺部品等の物体の保護を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車体の接合構造は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明に係る車体の接合構造は、
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部を挟んで対向する一対の壁部が設けられていることを特徴とする。
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部を挟んで対向する一対の壁部が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材は、互いに対向する第1側面部及び第2側面部と、該第1及び第2側面部の一方側の端部同士をつなぐ連絡面部と、前記第1側面部の他方側の端部から反連絡面部側に延びて、前記接合面部を形成するフランジ部と、前記第1側面部に対向するように前記フランジ部から延びる折返し部とを有し、
前記一対の壁部は、前記第1側面部と前記折返し部であることを特徴とする。
前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材は、互いに対向する第1側面部及び第2側面部と、該第1及び第2側面部の一方側の端部同士をつなぐ連絡面部と、前記第1側面部の他方側の端部から反連絡面部側に延びて、前記接合面部を形成するフランジ部と、前記第1側面部に対向するように前記フランジ部から延びる折返し部とを有し、
前記一対の壁部は、前記第1側面部と前記折返し部であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記一対の壁部は、前記スクリュ部材の側面視で前記突出部の全長にオーバラップするように設けられていることを特徴とする。
前記一対の壁部は、前記スクリュ部材の側面視で前記突出部の全長にオーバラップするように設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記スクリュ部材は前記車体構成部材の接合面部に直交させてねじ込まれ、
前記一対の壁部は車体構成部材の接合面部に対して傾斜状に設けられていることを特徴とする。
前記スクリュ部材は前記車体構成部材の接合面部に直交させてねじ込まれ、
前記一対の壁部は車体構成部材の接合面部に対して傾斜状に設けられていることを特徴とする。
また、本願の請求項5に記載の発明に係る車体の接合構造は、
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の先端部を囲む筒状の壁部が設けられていることを特徴とする。
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の先端部を囲む筒状の壁部が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記接合面部の厚さは、前記壁部の厚さよりも大きいことを特徴とする。
前記接合面部の厚さは、前記壁部の厚さよりも大きいことを特徴とする。
さらに、本願の請求項7に記載の発明に係る車体の接合構造は、
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部から前記スクリュ部材の先端側に突出した突起部が設けられ、
前記スクリュ部材の先端部は、前記突起部の内部に位置することを特徴とする。
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部から前記スクリュ部材の先端側に突出した突起部が設けられ、
前記スクリュ部材の先端部は、前記突起部の内部に位置することを特徴とする。
またさらに、本願の請求項8に記載の発明に係る車体の接合構造は、
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部に対し、その側方からの物体の当接を阻止する壁部が設けられていることを特徴とする。
接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部に対し、その側方からの物体の当接を阻止する壁部が設けられていることを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明によれば、車体構成部材の接合面部より突出したスクリュ部材の突出部が、前記車体構成部材に設けられた一対の壁部間に挟み込まれるため、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材の突出部にその側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材との間に前記壁部が介在されることで、スクリュ部材の先端と前記物体との接触が抑制され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、車体構成部材における第1側面部の端部から延びるフランジ部と他の車体構成部材とがスクリュ部材によって接合される場合において、第1側面部に対向する折返し部がフランジ部から延びるように設けられることで、該折返し部が延びる方向への車体構成部材の曲げ変形の抑制を図りつつ、該折返し部と第1側面部を利用して、これらの間に、フランジ部から突出したスクリュ部材の突出部が挟み込まれることで、スクリュ部材の突出部に側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材先端との接触が抑制され、これにより、該物体の保護を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、スクリュ部材の突出部とその側方から接近する周辺部品等の物体との接触が、突出部の全長に亘って効果的に抑制されるため、スクリュ部材の先端と前記物体との接触をより効果的に抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、車体構成部材の接合面部に直交させてねじ込まれたスクリュ部材の突出部が、接合面部に対して傾斜状に設けられた一対の壁部間に挟み込まれるため、スクリュ部材の突出部と、その側方から接近する周辺部品等の物体との接触が一対の壁部によって阻止されることで、スクリュ部材の先端への物体の接触を抑制できる。また、少なくとも一方の壁部がスクリュ部材の先端部に対向するような傾斜状態で設けられる場合、該壁部が、スクリュ部材に対して先端側から接近する物体とスクリュ部材の先端との間に介在されることで、スクリュ部材の先端に対する物体の接触をより効果的に抑制することができる。
また、本願の請求項5に記載の発明によれば、車体構成部材の接合面部より突出したスクリュ部材の先端部が、前記車体構成部材に設けられた筒状の壁部に囲まれるため、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材の先端部にその側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材との間に前記壁部が介在される。また、スクリュ部材に対するその先端側からの物体の接近は、壁部の端面によって阻止され得る。したがって、スクリュ部材の先端と前記物体との接触が筒状の壁部によって効果的に抑制され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記接合面部の厚さが前記壁部の厚さよりも大きいことにより、接合面部とこれを貫通するスクリュ部材との間のねじ代の増大を図ることができ、これにより、複数の車体構成部材間を強固に接合することができる。
さらに、本願の請求項7に記載の発明によれば、車体構成部材の接合面部より突出したスクリュ部材の先端部が、車体構成部材において接合面部から突出して設けられた突起部の内部に位置するため、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材の先端部にその側方又は先端側から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材の先端部との間に前記突起部が介在される。したがって、スクリュ部材の先端と前記物体との接触が突起部によって効果的に抑制され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
またさらに、本願の請求項8に記載の発明によれば、車体構成部材の接合面部の周辺部における部品の組付け時やメンテナンス時等において、接合面部より突出したスクリュ部材の突出部に対し、その側方から周辺部品等の物体が接近するとき、前記車体構成部材に設けられた壁部によって、スクリュ部材の突出部に対する前記物体の接触が阻止され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る車体の接合構造の詳細を実施形態毎に説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、「下」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、車両の前進走行時の進行方向を「前」とした場合における車体の各方向を指すものとする。また、添付図面では、車体幅方向に符号「X」、車体前後方向に符号「Y」、車体上下方向に符号「Z」を付している。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係る車体の接合構造を有する自動車1は、フロアパネル2、左右一対のサイドシル4、左右一対のヒンジピラー10、ダッシュパネル20及びトーボード22を備えている。
図1に示すように、第1実施形態に係る車体の接合構造を有する自動車1は、フロアパネル2、左右一対のサイドシル4、左右一対のヒンジピラー10、ダッシュパネル20及びトーボード22を備えている。
なお、図1においては、車体右側のサイドシル4及びヒンジピラー10のみが図示されているが、車体左側にも同様のサイドシル4及びヒンジピラー10が設けられている。
フロアパネル2は、車室内空間の床面を構成する部材である。フロアパネル2の車体幅方向X中央部には、車体前後方向Yに延びるフロアトンネル2aが設けられており、該フロアトンネル2a内に、排気管やハーネス等が配設されている。フロアパネル2及びトーボード22の上面には、車体前後方向Yに延びる左右一対のフロアレインフォースメント16が接合されている。
サイドシル4は、フロアパネル2の車体幅方向Xの端部に沿って車体前後方向Yに延びるように設けられている。ヒンジピラー10は、サイドシル4の前端部から車体上方側に延びるように設けられている。
ダッシュパネル20は、左右のヒンジピラー10間に亘って車体幅方向Xに延びるように配設されており、これにより、車室内空間とエンジンルームを車体前後方向Yに仕切っている。
トーボード22は、フロアパネル2とダッシュパネル20とに跨がって配設されている。トーボード22は、車体前方側に向かって車体上方側に傾斜して配置されている。トーボード22の後端部はフロアパネル2の前端部に例えば溶接により接合され、トーボード22の前端部はダッシュパネル20の下端部に例えば溶接により接合されている。
図2は、トーボード22の車体右側部分及びその周辺部を車体下方側から見た底面図である。
図2に示すように、自動車1は、ダッシュパネル20(図1参照)から車体前方側へ延びる左右一対のフロントサイドフレーム24、フロアパネル2の下面に沿って車体前後方向Yに延びる左右一対のフロアフレーム26、及び、フロントサイドフレーム24の後端部をフロアフレーム26の前端部とサイドシル4の前端部とに連結させる左右一対のトルクボックス30を更に備えている。
なお、図2には、車体右側のフロントサイドフレーム24、フロアフレーム26及びトルクボックス30のみが図示されているが、車体左側にも、同様のフロントサイドフレーム24、フロアフレーム26及びトルクボックス30が設けられている。
フロントサイドフレーム24とフロアフレーム26は、車体幅方向Xにおいて互いに略同じ位置で且つサイドシル4よりも内側に配置されている。また、フロントサイドフレーム24は、車体上下方向Zにおいてサイドシル4及びフロアフレーム26よりも上側に配置されている。フロアパネル2を挟んでフロアフレーム26の車体上方側には上記のフロアレインフォースメント16(図1参照)が配設されている。
トルクボックス30は、車体前後方向Yに延びる前後フレーム部32と、車体幅方向Xに延びる横フレーム部33とを有する。トルクボックス30は、例えばアルミニウム合金からなり、例えばダイカストによって一体に成形されている。
前後フレーム部32は、トーボード22の下面及びフロアパネル2の前端部の下面に沿って車体前後方向Yに延びるように配設されている。前後フレーム部32は、前端部においてフロントサイドフレーム24の後端部に連結され、後端部においてフロアフレーム26の前端部に連結されている。
車体前方側からフロントサイドフレーム24に入力された衝撃荷重は、トルクボックス30の前後フレーム部32及びフロアフレーム26を経由してフロアパネル2やリヤサイドフレーム(図示せず)等に伝達され、これにより、車体後方側への効果的な荷重分散が実現される。
横フレーム部33は、前後フレーム部32から車体幅方向X外側に延びるように設けられ、その外側の端部においてサイドシル4の前端部に接合されている。このようにして、横フレーム部33は、前後フレーム部32とサイドシル4とに跨がって設けられている。
以上のようにしてフロントサイドフレーム24とサイドシル4とがトルクボックス30を介して相互に連結されることで、フロントサイドフレーム24のねじれが抑制され、これにより、自動車1の走行安定性の向上が図られている。また、車体前方側からフロントサイドフレーム24に入力された衝撃荷重がトルクボックス30を経由してサイドシル4に伝達されることで、車体後方側へのより効果的な荷重分散が可能となっている。
図3に示すように、横フレーム部33は、トーボード22の前端部の車体前下方側に間隔を空けて対向し、車体前方側に向かって車体上方側に傾斜して配置された傾斜面部41、傾斜面部41の前端から車体上方側に延びる前面部42、傾斜面部41の後端から車体後方側へ略水平に延びる下面部43、下面部43の後端から車体上方側に延びて、前面部42の車体後方側に間隔を空けて対向配置された後面部44、及び、後面部44の上端から車体後方側に延びるフランジ部45、及び、フランジ部45の後端から車体下方側に延びる折返し部46を備えている。
このようにして、横フレーム部33は、全体として、車体上方側に開放すると共に車体幅方向Xに延びる溝状に形成されている。横フレーム部33の下面部43は、車体前後方向Yにおいてトーボード22の前端とオーバラップして配置されており、傾斜面部41及び前面部42は、トーボード22の前端よりも車体前方側に配置されている。横フレーム部33の上面開放部において、トーボード22の前端よりも車体前方側の部分は、蓋部材50によって塞がれている。
後面部44は、車体上下方向Zに沿って配置されており、フランジ部45は、トーボード22の下面に沿って、車体前方側に向かって車体上方側へ傾斜して配置されている。これにより、後面部44とフランジ部45との間には、横フレーム部33の長さ方向(車体幅方向X)から見て鋭角のコーナ部K5(図7参照)が形成されている。
折返し部46は、車体上下方向Zに沿って、後面部44に略平行に配置されている。これにより、フランジ部45と折返し部46との間には、横フレーム部33の長さ方向(車体幅方向X)から見て鈍角のコーナ部K6(図7参照)が形成されている。
フランジ部45は、後述するセルフタッピング式のスクリュ部材70によってトーボード22の下面に接合されている。なお、トーボード22とフランジ部45との接合には、スクリュ部材70に加えて接着剤が併用されてもよい。
蓋部材50は、例えば鋼板で構成されている。蓋部材50は、横フレーム部33の傾斜面部41の車体上方側に配置された上面部51、上面部51の前端から車体下方側に延びる前側フランジ部52、及び、上面部51の後端から車体上方側に延びる後側フランジ部53を備えている。
蓋部材50の前側フランジ部52は、横フレーム部33の前面部42に例えばSPR(セルフピアシングリベット)またはスクリュ部材によって接合され、後側フランジ部53は、例えば溶接によってダッシュパネル20を介してトーボード22の前端部に接合されている。これにより、トーボード22、横フレーム部33及び蓋部材50の間に、車体幅方向Xに連続する閉断面が形成されている。
図2及び図3に示すように、前後フレーム部32は、フロアフレーム26との連結部から車体前方側へ車体前後方向Yに沿って略水平な直線状に延びる第1直線部としての後方側水平部34と、後方側水平部34の前端に湾曲部35を介して連なり、車体前方側に向かって車体上方側へ傾斜した方向に沿って直線状に延びる第2直線部としての前方側傾斜部36とを有する。
前後フレーム部32は、横フレーム部33との接続部よりも車体後方側部分において、トーボード22又はフロアパネル2を挟んで、上記のフロアレインフォースメント16(図1参照)に接合されている。
図4に示すように、フロアレインフォースメント16は、車体下方側に開放した断面ハット状の部材であり、例えば高張力鋼板からなる。フロアレインフォースメント16は、トーボード22又はフロアパネル2に対向する上面部17、該上面部17の車体幅方向Xの両端部からそれぞれ下方に延びる一対の側面部18a,18b、及び、これらの側面部18a,18bの下端からそれぞれ外方へ車体幅方向Xに延びる一対のフランジ部19a,19bを有する。
トルクボックス30の前後フレーム部32は、車体前後方向Yにおいてフロアレインフォースメント16とオーバラップする部分において、車体上方側に開放した概ねハット状の断面形状を有する。
より具体的に、前後フレーム部32は、互いに対向する第1側面部61及び第2側面部62と、該第1及び第2側面部61,62の下端同士を繋ぐ連絡面部としての下面部60と、第1側面部61の上端から外方(反下面部60側)へ車体幅方向Xに延びる第1フランジ部63と、第2側面部62の上端から外方(反下面部60側)へ車体幅方向Xに延びる第2フランジ部64とを有する。
また、前後フレーム部32は、第1フランジ部63における反第1側面部61側の端部から車体下方側に延びる第1折返し部67と、第2フランジ部64における反第2側面部62側の端部から車体下方側に延びる第2折返し部68とを更に有する。このように車体上下方向Zに延びる第1折返し部67及び第2折返し部68が設けられることにより、前後フレーム部32の車体上下方向Zへの曲げに対する剛性が高められる。
なお、第1折返し部67及び第2折返し部68は、車体幅方向Xにおける第1フランジ部63又は第2フランジ部64の中間部から車体下方側に延びるように設けられてもよい。
前後フレーム部32の長さ方向から見て、第1フランジ部63と第1側面部61との間、第2フランジ部64と第2側面部62との間、第1フランジ部63と第1折返し部67との間、及び、第2フランジ部64と第2折返し部68との間に形成される各コーナ部K1,K2,K3,K4の角度は、略直角又は直角よりも僅かに大きな鈍角(例えば92°〜95°程度)とされている。これらのコーナ部K1〜K4の角度が鈍角とされた場合、金型の抜き勾配が確保される。
なお、前後フレーム部32は、フロアレインフォースメント16の前端よりも車体前方側部分においては、上記と同様の第1及び第2側面部61,62並びに下面部60からなるコ字状の断面形状を有している。
前後フレーム部32は、複数のセルフタッピング式のスクリュ部材70を用いて、トーボード22又はフロアパネル2を介してフロアレインフォースメント16に接合されている。なお、前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合には、スクリュ部材70に加えて接着剤が併用されてもよい。
複数のスクリュ部材70は、前後フレーム部32及びフロアレインフォースメント16の長さ方向において、これらの接合強度が十分に確保され得るような適当な間隔を空けて打ち込まれている。
図5及び図6を参照しながら、トーボード22を挟んだフロアレインフォースメント16のフランジ部19aと前後フレーム部32の第1フランジ部63との接合部を例に挙げて、スクリュ部材70による接合について具体的に説明する。
スクリュ部材70は、上述した特許文献1(特表平4−506243号公報)に開示されたスクリュ部材と同様、下穴が形成されていない複数の被接合部材(図5に示す例では、フロアレインフォースメント16のフランジ部19a、トーボード22、トルクボックス30の前後フレーム部32の第1フランジ部63)に対してねじ穴を形成しながらねじ込まれるタイプのものである。
スクリュ部材70は、頭部71と、頭部71から延びる軸部74とを有する。頭部71における軸部74側の面には、軸部74の基端部を囲む周溝72(図6参照)が形成されている。軸部74は、その基端部から中間部にかけて設けられたねじ部75と、鋭利な先端76とを有する。
トーボード22を介してフロアレインフォースメント16と前後フレーム部32とが接合されるとき、スクリュ部材70は、高速回転されながら、下穴が形成されていないフロアレインフォースメント16のフランジ部19a、トーボード22、前後フレーム部32の第1フランジ部63に対して、車体上方側(フロアレインフォースメント16側)から打ち込まれる。
スクリュ部材70の軸部74がフロアレインフォースメント16のフランジ部19a、トーボード22、前後フレーム部32の第1フランジ部63を貫通するとき、これらの接合面部19a,22,63における軸部74に対する接触面と、軸部74の外周面との間に摩擦熱が発生し、この熱により軸部74の周囲で塑性化した接合面部19a,22,63にねじ穴が形成されながら、該ねじ穴にスクリュ部材70がねじ込まれる。
このように、スクリュ部材70は、母材を塑性化させながら打ち込まれるため、高張力鋼板からなる硬いフロアレインフォースメント16を容易に貫通することができる。
前後フレーム部32の第1フランジ部63には、スクリュ部材70の軸部74の貫通時に塑性化した母材が軸部74に沿って軸方向の先端側に伸張されることで、車体下方側に突出した突出部63aが形成される。また、フロアレインフォースメント16のフランジ部19aには、スクリュ部材70の軸部74の貫通時に塑性化した母材が軸方向に伸張されることで、車体上方側に突出してスクリュ部材70の周溝72に収容される突出部19cが形成される。
これにより、スクリュ部材70がねじ込まれる接合面部19a,22,63において、軸方向に長いねじ穴が形成されることで、ねじ代が増大されるため、鋼板からなるフロアレインフォースメント16及びトーボード22に対して、アルミニウム合金からなるトルクボックス30の前後フレーム部32を強固に接合できる。
また、この種のスクリュ部材70を用いることで、接合面部19a,22,63に下穴を開けることなく、車体上方側からの作業のみによって接合面部19a,22,63間を接合できる。
図6に示すように、各スクリュ部材70は、前後フレーム部32の第1フランジ部63に直交させてねじ込まれている。第1フランジ部63を貫通したスクリュ部材70の軸部74の先端側部分は、第1フランジ部63から車体下方側に突出している。このようなスクリュ部材70の突出部は、互いに対向する第1側面部61と第1折返し部67との間に挟み込まれている。
スクリュ部材70の先端76は、第1側面部61の下端及び第1折返し部67の下端よりも車体上方側に位置している。すなわち、第1側面部61と第1折返し部67が対向する方向、すなわち車体幅方向Xから見て、第1側面部61と第1折返し部67は、スクリュ部材70の突出部の全長にオーバラップしている。これにより、第1側面部61及び第1折返し部67は、スクリュ部材70の突出部に対しその側方からの周辺部品等の物体の当接を阻止する壁部として機能する。
以上においては、トーボード22を介した接合部及びその周辺部の構成について説明したが、フロアパネル2を介した接合部(図2及び図3参照)及びその周辺部の構成も同様である。
また、図4に示すように、前後フレーム部32の第2フランジ部64も、第1フランジ部63と同様に、複数のスクリュ部材70によって、トーボード22又はフロアパネル2を介して、フロアレインフォースメント16のフランジ部19bに接合されている。第2フランジ部64にも、第1フランジ部63と同様に、車体下方側に突出した突出部64aが形成されており、これにより、スクリュ部材70とのねじ代の増大が図られている。
第2側面部62及び第2折返し部68は、第2フランジ部64から車体下方側に突出したスクリュ部材70の突出部を車体幅方向Xの両側から挟み込むように配置されており、第1側面部61及び第1折返し部67と同様、スクリュ部材70の突出部に対しその側方からの周辺部品等の物体の当接を阻止する壁部として機能している。
したがって、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、前後フレーム部32の第1フランジ部63及び第2フランジ部64を貫通するスクリュ部材70の先端側の突出部にその側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70の突出部との間に第1側面部61、第1折返し部67、第2側面部62又は第2折返し部68が介在されることで、スクリュ部材70の突出部の全長に亘って、該突出部に対する前記物体の接触が阻止され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
また、車体幅方向Xに関して、第1折返し部67の下端と第1側面部61との隙間、及び、第2折返し部68の下端と第2側面部62との隙間は例えば10mm程度とされている。そのため、これらの隙間よりも大きな物体がスクリュ部材70に対してその先端76側から接近することは、第1折返し部67又は第2折返し部68の下端によって阻止され、これにより、当該物体の保護を図ることができる。
前後フレーム部32において、第1フランジ部63の厚さは、第1折返し部67の厚さよりも大きく、第2フランジ部64は第1フランジ部63と同様の厚さを有し、第2折返し部68は第1折返し部67と同様の厚さを有する。これにより、第1折返し部67及び第2折返し部68の薄肉化によりトルクボックス30の軽量化を図りつつ、第1フランジ部63及び第2フランジ部64の厚肉化により、スクリュ部材70とのねじ代の増大を図ることができ、これにより、前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との間の接合強度を高めることができる。
また、前後フレーム部32において、第1側面部61、第2側面部62及び下面部60の厚さは、第1フランジ部63及び第2フランジ部64の厚さ以上とされており、これにより、第1側面部61、第2側面部62及び下面部60と、トーボード22又はフロアパネル2との間に形成される閉断面の断面変形の抑制が図られている。
図7は、トルクボックス30の横フレーム部33とトーボード22との接合部を示す拡大断面図である。この接合においては、上記と同様の複数のスクリュ部材70によって、横フレーム部33のフランジ部45がトーボード22に接合されている。
この接合において、複数のスクリュ部材70は、横フレーム部33の長さ方向において、これらの接合強度が十分に確保され得るような適当な間隔を空けて打ち込まれている。各スクリュ部材70は、トーボード22及びフランジ部45に対して、車体上方側(トーボード22側)から打ち込まれている。
フランジ部45には、スクリュ部材70の軸部74の貫通時に塑性化した母材が軸部74に沿って軸方向の先端側に伸張されることで、車体下方側に突出した突出部45aが形成されている。また、トーボード22には、スクリュ部材70の軸部74の貫通時に塑性化した母材が軸方向に伸張されることで、車体上方側に突出してスクリュ部材70の周溝72に収容される突出部22aが形成されている。
これにより、スクリュ部材70がねじ込まれる接合面部22,45において、軸方向に長いねじ穴が形成されることで、ねじ代が増大されるため、鋼板からなるトーボード22に対して、アルミニウム合金からなるトルクボックス30の横フレーム部33を強固に接合できる。
各スクリュ部材70は、上記の接合面部22,45に直交させてねじ込まれている。これにより、車体側面視において、各スクリュ部材70の軸心L1は、前後フレーム部32の第1フランジ部63に対して直角に配置されている。
各スクリュ部材70の軸部74の先端側部分は、フランジ部45から車体下方側に突出している。このようなスクリュ部材70の突出部は、後面部44と折返し部46とによって車体前後方向Yの両側から挟み込まれている。
スクリュ部材70の下端は、折返し部46の下端よりも車体上方側に位置している。スクリュ部材70の軸心L1及び車体幅方向Xに直角な方向から見て、後面部44と折返し部46は、スクリュ部材70の突出部の全長にオーバラップしている。
以上のような位置関係により、後面部44と折返し部46は、スクリュ部材70の突出部に対し車体前後方向Yからの周辺部品等の物体の当接を阻止する壁部として機能している。
したがって、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、横フレーム部33のフランジ部45を貫通するスクリュ部材70の先端側の突出部にその側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70の突出部との間に後面部44又は折返し部46が介在されることで、スクリュ部材70の突出部の全長に亘って、該突出部に対する前記物体の接触が阻止され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
また、上述したように、フランジ部45と後面部44との間には、車体側面視において鋭角のコーナ部K5が形成されており、フランジ部45に直交したスクリュ部材70の軸心L1に対して、後面部44が交差している。これにより、後面部44は、トーボード22及びフランジ部45を貫通するスクリュ部材70の先端76に対向する対向壁部を構成している。
そのため、スクリュ部材70にその先端側、すなわち車体前下方側から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70との間に後面部44が介在されることで、スクリュ部材70の先端と前記物体との接触が抑制され、これにより、該物体の保護を図ることができる。
さらに、車体前後方向Yに関して、折返し部46の下端と後面部44との隙間は例えば10mm程度とされている。そのため、これらの隙間よりも大きな物体が車体下方側からスクリュ部材70の先端76に接近することは、折返し部46の下端によって阻止され、これにより、当該物体の保護を図ることができる。
横フレーム部33において、フランジ部45の厚さは、折返し部46の厚さよりも大きい。これにより、折返し部46の薄肉化によりトルクボックス30の軽量化を図りつつ、フランジ部45の厚肉化により、スクリュ部材70とのねじ代の増大を図ることで、横フレーム部33とトーボード22との間の接合強度を高めることができる。
また、横フレーム部33において、傾斜面部41、前面部42、下面部43(図3参照)及び後面部44の厚さは、フランジ部45の厚さ以上とされており、これにより、傾斜面部41、前面部42、下面部43及び後面部44と、トーボード22との間に形成される閉断面(図3参照)の断面変形の抑制が図られている。
[第2実施形態]
図8を参照しながら、第2実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図8において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図8を参照しながら、第2実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図8において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
第2実施形態では、トルクボックス30の前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合部の構成が第1実施形態と異なる。
図8は、第2実施形態における前後フレーム部32の第1フランジ部63とフロアレインフォースメント16のフランジ部19aとの接合部及びその周辺部を示す拡大断面図である。
なお、図示は省略するが、前後フレーム部32の第2フランジ部64とフロアレインフォースメント16のフランジ部19bとの接合部も、図8に示す接合部と同様の接合構造を有する。
図8に示すように、第2実施形態では、前後フレーム部32に、第1フランジ部63から車体下方側に突出した筒状の壁部260が設けられている。壁部260は、スクリュ部材70が打ち込まれる接合位置に合わせて、車体前後方向Yに間隔を空けて複数設けられている。
これらの壁部260は、第2フランジ部64においても同様に設けられているが、以下の説明においては、第1フランジ部63に設けられた壁部260及びこれに関連する構成について説明する。
各壁部260は、第1フランジ部63においてスクリュ部材70が貫通する部分の周囲から車体下方側に突出している。壁部260は、例えば断面円形の円筒状に形成されている。ただし、壁部260の断面形状は円形に限定されるものでなく、例えば角筒状又はその他の筒状の壁部260が設けられてもよい。
壁部260の内径は、スクリュ部材70の軸部74の外径及び突出部63aの外径よりも大きく、具体的には、例えば10mm程度とされている。
第1フランジ部63の下面からの壁部260の突出高さは、第1フランジ部63の下面からのスクリュ部材70の突出量よりも大きい。これにより、壁部260は、スクリュ部材70の側面視において、第1フランジ部63からのスクリュ部材70の突出部の全長にオーバラップしている。
以上のように構成された壁部260で囲まれた内部空間に、スクリュ部材70の先端76が位置している。これにより、スクリュ部材70の突出部全体が壁部260に囲まれている。
そのため、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材70の先端76にその側方から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70との間に筒状の壁部260が介在される。また、スクリュ部材70に対するその先端76側からの物体の接近は、壁部260の下端面によって阻止され得る。したがって、スクリュ部材70の先端76と前記物体との接触が筒状の壁部260によって効果的に抑制され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
なお、第2実施形態の説明では、トルクボックス30の前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合部の構成について説明したが、トルクボックス30の横フレーム部33のフランジ部45に同様の筒状の壁部260が設けられてもよく、この場合、この壁部260によって、フランジ部45とトーボード22との接合に用いられるスクリュ部材70の先端部が囲まれることで、同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
図9を参照しながら、第3実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図9において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図9を参照しながら、第3実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図9において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
第3実施形態では、トルクボックス30の前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合部の構成が第1実施形態と異なる。
図9は、第3実施形態における前後フレーム部32の第1フランジ部63とフロアレインフォースメント16のフランジ部19aとの接合部及びその周辺部を示す拡大断面図である。
なお、図示は省略するが、前後フレーム部32の第2フランジ部64とフロアレインフォースメント16のフランジ部19bとの接合部も、図9に示す接合部と同様の接合構造を有する。
図9に示すように、第3実施形態では、前後フレーム部32に、第1フランジ部63から車体下方側に突出した突起部360が設けられている。突起部360は、スクリュ部材70が打ち込まれる接合位置に合わせて、車体前後方向Yに間隔を空けて複数設けられている。
これらの突起部360は、第2フランジ部64においても同様に設けられているが、以下の説明においては、第1フランジ部63に設けられた突起部360及びこれに関連する構成について説明する。
突起部360は、トルクボックス30の離型時にエジェクタピンによって押し込まれる部位である。突起部360は、第1フランジ部63における周辺部に比べて大きな厚さを有することにより、前記エジェクタピンによる押圧時の第1フランジ部63の変形が抑制されている。
突起部360は、少なくとも、第1フランジ部63においてスクリュ部材70が打ち込まれる箇所に設けられている。各突起部360は、例えば円柱状に形成されている。ただし、突起部360の断面形状は円形に限定されるものでなく、例えば角柱状又はその他の柱状の突起部360が設けられてもよい。
突起部360の外径は、スクリュ部材70の軸部74の外径よりも大きい。第1フランジ部63の下面からの突起部360の突出高さは、第1フランジ部63の下面からのスクリュ部材70の突出量よりも大きい。これにより、第1フランジ部63に打ち込まれたスクリュ部材70は、突起部360を貫通することなく、スクリュ部材70の先端76は、突起部260の内部に位置している。
以上のように構成された突起部360は、スクリュ部材70の突出部を径方向外側から覆う外周被覆部361と、スクリュ部材70の先端76を覆う先端被覆部362とを有する。したがって、エジェクタピンによって押圧される高剛性部としての突起部360を利用して、スクリュ部材70の先端部の露出を回避できる。
そのため、周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材70の先端部にその側方又は先端76側から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70との間に突起部360の外周被覆部361又は先端被覆部362が介在されることで、スクリュ部材70の先端76と前記物体との接触が突起部360によって効果的に抑制され、これにより、該物体の損傷を抑制することができる。
なお、第3実施形態の説明では、トルクボックス30の前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合部の構成について説明したが、トルクボックス30の横フレーム部33のフランジ部45に同様の突起部360が設けられてもよく、この場合、この突起部360によって、フランジ部45とトーボード22との接合に用いられるスクリュ部材70の先端部の露出が回避されることで、同様の効果が得られる。
[第4実施形態]
続いて、図10〜図13を参照しながら、第4実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図10〜図13において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
続いて、図10〜図13を参照しながら、第4実施形態に係る車体の接合構造について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図10〜図13において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図10に示すように、第4実施形態においても、トルクボックス30は、前後フレーム部32と横フレーム部33を備え、前後フレーム部32は、後方側水平部34,湾曲部35及び前方側傾斜部36を有している。すなわち、図11に示すように、前後フレーム部32は、湾曲部35において湾曲していると共に、前方側傾斜部36が車体前後方向Y(水平方向)に対して車体上下方向Zに傾斜して配置されている。
そのため、車体前方側からフロントサイドフレーム24を経由してトルクボックス30の前後フレーム部32に衝撃荷重が入力されたとき、該前後フレーム部32には、水平方向に対する前方側傾斜部36の傾斜角度を増大させるような曲げモーメントが発生しやすく、これにより湾曲部35に応力が集中しやすい。
そこで、第4実施形態では、図10〜図12に示すように、次に説明するような第1リブ65及び第2リブ66が前後フレーム部32に設けられており、これにより、前後フレーム部32の剛性の向上が図られている。したがって、上記のような曲げモーメント発生時において、前後フレーム部32の湾曲部35及び前方側傾斜部36における断面変形が抑制されると共に、湾曲部35への応力集中が抑制されることで、湾曲部35で屈曲変形するような前後フレーム部の座屈が抑制される。これにより、フロントサイドフレーム24から前後フレーム部32を経由した車体後方側への荷重伝達を良好に行うことができる。
第1リブ65は、第1側面部61及び第1フランジ部63間に跨がって設けられ、第2リブ66は、第2側面部62及び第2フランジ部64間に跨がって設けられている。第1リブ65及び第2リブ66は、それぞれ、前後フレーム部32における湾曲部35から前方側傾斜部36にかけて、前後フレーム部32の長さ方向に間隔を空けて複数ずつ設けられている。
複数の第1リブ65は、それぞれ車体前後方向Yに直角な面に沿って、互いに平行に配置されている。複数の第2リブ66も、それぞれ車体前後方向Yに直角な面に沿って、互いに平行に配置されている。このように、全ての第1リブ65及び第2リブ66が平行に形成されているため、ダイカストにおける金型の面数の低減を図りつつ、全ての第1リブ65及び第2リブ66を容易に成形することができ、これにより、金型構造の簡素化ひいては生産性の向上を図ることができる。
図13に示すように、前後フレーム部32の第1フランジ部63を貫通する各スクリュ部材70の先端側の突出部は、第1フランジ部63に対して傾斜状に設けられた一対の第1リブ65間に、車体前後方向Yの両側から挟まれるように配置されている。
また、各スクリュ部材70は、上記の接合面部19a,22,63に直交させてねじ込まれている。これにより、車体側面視において、各スクリュ部材70の軸心L2は、前後フレーム部32の第1フランジ部63に対して直角に配置されている。
これに対して、前後フレーム部32において第1フランジ部63から車体下方側へ突出した各第1リブ65は、車体側面視において、車体上下方向Zに沿って、すなわち第1フランジ部63に対して傾斜した方向に沿って配置されている。これにより、各第1リブ65と、第1フランジ部63における当該第1リブ65の上端から車体後下方側に延びる部分との間には、車体側面視において鋭角のコーナ部K7が形成されている。
第1リブ65は、スクリュ部材70の軸心L2と交差するように設けられている。ただし、第1リブ65とスクリュ部材70の軸心L2は必ずしも交差しなくてもよく、スクリュ部材70の軸心L2から僅かに車体上方側にずれた位置に、第1リブ65の下端が配置されていてもよい。
図12に示すように、前後フレーム部32の長さ方向から見て、スクリュ部材70における第1フランジ部63からの突出部分全体は、第1リブ65とオーバラップするように配置されている。
第1リブ65は、前後フレーム部32の長さ方向から見て三角形状とされており、第1リブ65の車体幅方向X寸法は、車体下方側に向かうに従って小さくなっている。ただし、第1リブ65の具体的な形状は特に限定されるものでない。
以上のようなスクリュ部材70と第1リブ65との位置関係により、図13に示すように、スクリュ部材70の車体前方側に隣接する第1リブ65は、スクリュ部材70の先端に対向する対向壁部を構成している。
前後フレーム部32の第2フランジ部64も、第1フランジ部63と同様に、複数のスクリュ部材70によって、トーボード22又はフロアパネル2を介して、フロアレインフォースメント16のフランジ部19bに接合されている。また、この接合に用いられるスクリュ部材70は、車体前後方向Yに隣接する一対の第2リブ66間に挟まれており、第2リブ66の構成及びスクリュ部材70との位置関係は、第1リブ65と同様である。したがって、スクリュ部材70の車体前方側に隣接する第2リブ66も、スクリュ部材70の先端に対向する対向壁部を構成している。
以上のように、前後フレーム部32の第1フランジ部63及び第2フランジ部64を貫通するスクリュ部材70の突出部は、該突出部を車体前後方向Yの両側から一対の第1リブ65又は一対の第2リブ66によって挟み込まれることで、ハーネス等の周辺部品の組付け時やメンテナンス時等において、スクリュ部材70の突出部と、その車体前後方向Yから接近する周辺部品等の物体との接触が一対の第1リブ65又は一対の第2リブ66によって阻止されることで、スクリュ部材70の先端への物体の接触を抑制できる。
また、各スクリュ部材70の先端76には、その車体前方側に隣接する第1リブ65又は第2リブ66が対向するため、スクリュ部材70にその先端側、すなわち車体前下方側から接近する周辺部品等の物体とスクリュ部材70の先端76との接触が抑制される。
さらに、車体前後方向Yに隣接する第1リブ65間ないし第2リブ66間の間隔よりも大きな物体については、車体上下方向Zの真下からスクリュ部材70の先端76に接近する場合にも、第1リブ65又は第2リブ66に干渉することで、スクリュ部材70の先端76との接触を抑制できる。
以上のようにしてスクリュ部材70の先端76との物体の接触が第1リブ65及び第2リブ66によって阻止されることで、当該物体の損傷を効果的に防止することができる。
また、上記のように前後フレーム部32の補強のために設けられた第1リブ65と第2リブ66を利用して、スクリュ部材70の先端76からの物体の保護を図ることができるため、この保護のための専用の壁部をトルクボックス30に設ける必要がなく、これにより、トルクボックス30の構造の簡素化を図ることができる。
さらに、車体幅方向Xからスクリュ部材70の先端76への物体の接近は、第1折返し部67又は第2折返し部68(図12)によって効果的に阻止されるため、スクリュ部材70の先端76との接触による物体の損傷をより効果的に抑制できる。
ただし、第4実施形態において、第1折返し部67及び第2折返し部68は必ずしも設けられなくてもよく、この場合においても、車体幅方向Xからの物体の接近は、第1リブ65又は第2リブ66との干渉によって抑制され得る。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、前後フレーム部32と横フレーム部33を有するトルクボックス30を例に挙げて本発明を説明したが、トルクボックス30の具体的構成は特に限定されるものでなく、例えば、横フレーム部33のみを有するトルクボックス、又は、前後フレーム部32のみを有するトルクボックスに本発明を適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、トーボード22又はフロアパネル2を介したトルクボックス30の前後フレーム部32とフロアレインフォースメント16との接合部、並びに、トルクボックス30の横フレーム部33とトーボード22との接合部を例に挙げて本発明を説明したが、その他の複数の車体構成部材間の接合部に本発明を適用することも可能である。
さらに、上述の実施形態では、セルフタッピング式のスクリュ部材70による接合部を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、セルフタッピング式でないスクリュ部材による接合部にも適用可能である。
またさらに、上述の実施形態では、異種金属材料からなる車体構成部材間の接合部に本発明を適用する例を説明したが、本発明は、同種材料からなる車体構成部材間の接合部にも同様に適用できる。
以上のように、本発明によれば、スクリュ部材による複数の車体構成部材間の接合部において、周辺部品等の物体の保護を図ることが可能となるから、スクリュ部材を用いて複数の車体構成部材間が接合される自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
2 フロアパネル(接合面部)
4 サイドシル
10 ヒンジピラー
16 フロアレインフォースメント
19a,19b フランジ部(接合面部)
20 ダッシュパネル
22 トーボード(接合面部)
24 フロントサイドフレーム
26 フロアフレーム
28 リヤサイドフレーム
30 トルクボックス
32 前後フレーム部
33 横フレーム部
34 後方側水平部(第1直線部)
35 湾曲部
36 前方側傾斜部(第2直線部)
41 傾斜面部
42 前面部
43 下面部
44 後面部
45 フランジ部(接合面部)
46 折返し部
50 蓋部材
60 下面部(連絡面部)
61 第1側面部
62 第2側面部
63 第1フランジ部(接合面部)
64 第2フランジ部(接合面部)
65 第1リブ
66 第2リブ
67 第1折返し部
68 第2折返し部
70 スクリュ部材
71 頭部
74 軸部
76 先端
260 筒状の壁部
360 突起部
2 フロアパネル(接合面部)
4 サイドシル
10 ヒンジピラー
16 フロアレインフォースメント
19a,19b フランジ部(接合面部)
20 ダッシュパネル
22 トーボード(接合面部)
24 フロントサイドフレーム
26 フロアフレーム
28 リヤサイドフレーム
30 トルクボックス
32 前後フレーム部
33 横フレーム部
34 後方側水平部(第1直線部)
35 湾曲部
36 前方側傾斜部(第2直線部)
41 傾斜面部
42 前面部
43 下面部
44 後面部
45 フランジ部(接合面部)
46 折返し部
50 蓋部材
60 下面部(連絡面部)
61 第1側面部
62 第2側面部
63 第1フランジ部(接合面部)
64 第2フランジ部(接合面部)
65 第1リブ
66 第2リブ
67 第1折返し部
68 第2折返し部
70 スクリュ部材
71 頭部
74 軸部
76 先端
260 筒状の壁部
360 突起部
Claims (8)
- 接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部を挟んで対向する一対の壁部が設けられていることを特徴とする車体の接合構造。 - 前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材は、互いに対向する第1側面部及び第2側面部と、該第1及び第2側面部の一方側の端部同士をつなぐ連絡面部と、前記第1側面部の他方側の端部から反連絡面部側に延びて、前記接合面部を形成するフランジ部と、前記第1側面部に対向するように前記フランジ部から延びる折返し部とを有し、
前記一対の壁部は、前記第1側面部と前記折返し部であることを特徴とする請求項1に記載の車体の接合構造。 - 前記一対の壁部は、前記スクリュ部材の側面視で前記突出部の全長にオーバラップするように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体の接合構造。
- 前記スクリュ部材は前記車体構成部材の接合面部に直交させてねじ込まれ、
前記一対の壁部は車体構成部材の接合面部に対して傾斜状に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体の接合構造。 - 接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の先端部を囲む筒状の壁部が設けられていることを特徴とする車体の接合構造。 - 前記接合面部の厚さは、前記壁部の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車体の接合構造。
- 接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部から前記スクリュ部材の先端側に突出した突起部が設けられ、
前記スクリュ部材の先端部は、前記突起部の内部に位置することを特徴とする車体の接合構造。 - 接合面部を有する複数の車体構成部材と、これらの車体構成部材を前記接合面部で接合するスクリュ部材とを有する車体の接合構造であって、
前記車体構成部材のうち前記スクリュ部材の先端側の車体構成部材には、該車体構成部材の接合面部より突出するスクリュ部材の突出部に対し、その側方からの物体の当接を阻止する壁部が設けられていることを特徴とする車体の接合構造。
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| JP2016105534A JP2017210152A (ja) | 2016-05-26 | 2016-05-26 | 車体の接合構造 |
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2016
- 2016-05-26 JP JP2016105534A patent/JP2017210152A/ja active Pending
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