以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図5はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の連結具10は、一方の被掛止体を取り付けるリング部12と、他方の被掛止体を取り付けるフック部32を備えた本体14が設けられている。リング部12とフック部32は別体であり、互いに組み付けられて本体14となる。リング部12に取り付ける被掛止体は、例えばベルトや肩紐等の幅広の長尺部材であり、フック部32に取り付ける被掛止体は、例えばカバンや水筒等の小物、あるいは、いわゆるD環を介して取り付けられる幅広の長尺部材等である。
リング部12は、合成樹脂で一体に成形されたものであり、幅広な長尺部材が巻回されて取り付けられるベルト掛け16と、ベルト掛け16の両端に連続するコの字形の保持部18が設けられている。コの字形の保持部18の中心部18aはベルト掛け16に対してベルト挿通用の隙間を有して位置し、中心部18aはベルト掛け16から一番離れるように僅かに外側に湾曲している。ここで、外側とは、後述する軸部24の回転中心軸に対して側方に位置する場合を外側と称し、逆に、軸部24の回転中心側に位置する場合を、内側と称す。保持部18の中心部18aの中央の位置には、フック部32が取り付けられる係止孔20が設けられている。係止孔20は円錐の筒状で、保持部18の、ベルト掛け16に対面する側面と反対側の側面を貫通して形成されている。係止孔20の内径は、ベルト掛け16に近い端部が小さく、反対側の端部が大きい。保持部18の中心部18aには、ベルト掛け16の長手方向と平行に中心部18aを分割するようにスリット22が形成されている。スリット22は、係止孔20の両側に連続して設けられ、保持部18の長手方向に沿って所定長さに形成され、保持部18の、ベルト掛け16に対面する面と反対側の面を貫通するものである。スリット22の幅は、係止孔20に近いところよりも、係止孔20から離れた両端部が幅広に形成されている。
フック部32は、リング部12と同様に、合成樹脂で一体に成形されたものである。フック部32は、棒体をJ字形に湾曲させて形成され、棒体の直線部分である一方の端部32aは、リング部12の係止孔20に連結される後述する軸部24が設けられている。フック部32の、J字形に折り曲げられて湾曲する他方の端部32bは、棒体の直線部分の途中の側方の位置に達している。フック部32の棒体の、長手方向に交差する断面形状は、J字形に折り曲げられた内側に位置する部分が直線で形成され、外側に位置する部分が外側に膨出し、半円形状となっている。半円形状の、半円が膨出する突出幅は、端部32a,端部32bに近いほど薄く、J字形に湾曲している部分が一番厚く、強度が高くなっている。端部32bの内側面には、棒体の厚みが半分程度になった切欠部34が形成されている。
フック部32の端部32aには、リング部12の保持部18の係止孔20に挿通される軸部24が設けられている。軸部24は、フック部32の延長線上に連続して設けられ、軸部24は係止孔20の内側にゆとりを有して収容される四角柱状であり、先端には係止孔20から抜け落ちないためのフランジ部26が一周して側方に突出して設けられている。フランジ部26は、軸部24の軸方向に対して交差する形状が一方向に長い楕円である板状に設けられている。軸部24は、フランジ部26の長径上で、長径の中心と一方の端部の間に繋がるように設けられている。なおフック部32は、軸部24と反対側の長径の端部に向かってJ字形に折り曲げられている。
軸部24と、フック部32の端部32bの間にも、軸部24の側方に突出するフランジ部28が一周して設けられている。フランジ部26,28は互いに平行で、軸部24の軸方向に略直角に位置し、フランジ部26とフランジ部28の間隔は、保持部18の、ベルト掛け16に対面する面と反対側の面の間の長さよりもわずかに長く、つまり係止孔20の長さよりもわずかに長い。フランジ部28は、フランジ部26の長径よりも長い直径を有する正円であり、フランジ部28の中心は、フランジ部26の中心のフランジ部26に対して略直角な仮想線上に位置している。フランジ部28には、直径に沿って、一対のスリット30が設けられている。一対のスリット30は、軸部24の基端部から、互いに平行にフランジ部28の中心を通過して反対側の端部に貫通している。
フック部32の端部32aには、一対の板部36が設けられている。一対の板部36は互いに平行であり、フック部32がJ字形に折り曲げられた仮想の面に対して平行に、フック部32がJ字形に折り曲げられた方向に突出して設けられている。一対の板部36は互いに同形状であり、フランジ部28側の端部は、フランジ部28のスリット30の端縁部に連続し、反対側の端部36aは、フック部32から離れるに従って少しフランジ部28から離れる方向に傾斜し板部36の内側に僅かにくぼむ湾曲線であり、フック部32と反対側の側縁部36bも、板部36の内側にくぼむ湾曲線で形成されている。端部36aと側縁部36bで囲まれた角部分は、細くなって図面上の斜め下方に突出して、後述するカバー46の内面に係合する係合突起38となる。フック部32の端部32bと、板部36の係合突起38は互いに離間して対向し、離間した空間は、フック部32に物品を着脱する際に通過する挿通口40となる。
フック部32の挿通口40に対向する位置には、ばね部42が設けられている。ばね部42は、フランジ部26の長径上で、軸部24と反対側の端部に近い位置に設けられている棒状部材であり、フランジ部26から軸部24と同じ方向に、少し間隔を開けながら延出し、フランジ部28のスリット30を通過して、フック部32の端部32bの内側面に達している。ばね部42の長手方向に交差する断面形状は、フランジ部26に近い基端部42aはフランジ部26の長径方向に薄く形成され容易に弾性変形可能である。ばね部42の、反対側の先端部42bもフランジ部26の長径方向に薄く形成され、フック部32の端部32bの切欠部34の内側に接してフック部32の内側面に連続する。ばね部42の、長手方向の中間の部分は、基端部42aと先端部42bよりも厚い矩形の断面形状に形成され、外側面42cは長手方向に僅かに外側に膨出する曲線であり、図示しない内側面は僅かに内側に膨出する曲線であり、ばね部42は、中央が一番厚いアーモンド形になっている。ばね部42の先端部42bに近い部分には、フランジ部26の長径に対して交差する方向へ両側に突出する膨出部44が一対設けられ、ばね部42を中心とする矢印形状に形成されている。膨出部44は、板部36の係合突起38に、フック部32の端部32a側から重なるものである。
さらにばね部42は、フック部32が樹脂で一体に成形された工程では、フック部32の端部32bの外側に位置し、先端部42bに近づくほどフック部32の端部32bから離れる方向に傾斜して延出し、先端部42bがフック部32の端部32bから離れている。この後、連結具10を組み立てる工程で、ばね部42の基端部42aを弾性変形させて、フック部32の端部32bの内側に入れる。先端部42bがフック部32の端部32bに当接し、内側から当たる方向に付勢力が働く。この状態で、ばね部42の外側面42cを外側から押すと、基端部42aが弾性変形して先端部42bがフック部32の端部32bから離れ、挿通口40が開放される。押す力を解除すると、ばね部42は弾性力で復元してフック部32の端部32bに当接し、挿通口40が閉鎖される。
フック部32の端部32aには、板部36付近を覆う筒状のカバー46が設けられている。カバー46は、一対の板部36を覆う互いに平行な一対の側面46aと、一対の側面46aの側縁部同士を連結しフック部32の外側面を覆う外側面46bと、一対の側面46aの、外側面46bと反対側の側縁部同士を連結する連結部46cで形成された筒状である。側面46aの形状は、板部36とほぼ等しく、フック部32に取り付けた時にフランジ部28に接する直線状の端部と、この端部に連続する湾曲した側縁部と、直線状の端部の反対側に位置して凹状に湾曲した端部で囲まれて形成されている。一対の側面46aは、ばね部42の両側に位置し、ばね部42が挿通口40を開閉する弾性変形の方向と平行に対面し、ばね部42が一対の側面46aの間を弾性変形する際に、ばね部42が挿通口40を開閉する弾性変形の方向に沿ってその揺動方向をガイドする。従って、ばね部42は、一対の側面46aによって、挿通口40を開閉する方向にのみ弾性変形するようにその動作範囲が規制される。
外側面46bは、側面46aの直線状の端部に連続する直線状の端部を有し、この端部と反対側の端部は、側面46aの、凹状に湾曲した端部に繋がっている。外側面46bの反対側に位置した連結部46cは、一対の側面46aを連結する細い直線の棒状であり、側面46aの、湾曲した側縁部と湾曲して傾斜する端部から図面上の斜め下方に突出する角部分に繋がっている。連結部46cの下面は、外側面46bの長く突出した方の端部の延長線上に位置している。連結部46cと、一対の側面46aに囲まれた矩形の空間は、操作用窓部48となる。また、カバー46の内側面には、本体14に係止される図示しない係止部が設けられている。
カバー46をフック部32に取り付けた時、操作用窓部48はフランジ部28に繋がるものであり、操作用窓部48にばね部42の外側面42cが露出する。連結部46cは、ばね部42の外側面42cの一部を外側から覆うように位置する。これにより、ばね部42に内側から強い力が加えられた時、外側面42cが連結部46cに当接するため、先端部42bが端部32bを乗り越えてばね部42がフック部32の外側に向けて変形することを制限する。また、連結部46cとフック部32の端部32bの間の空間が、挿通口40となる。さらに、連結部46cは、操作用窓部48から露出するばね部42と挿通口40とを分断する。連結部46cの、側面46aに連続する一対の端部は、一対の板部36の係合突起38の外側に弾性変形させて嵌装し、係止される。これにより、カバー46がフランジ部28と反対側に移動することを防ぐ。なお、カバー46はフランジ部28よりも内径が小さく、装着状態でフランジ部28側へも移動することがない。カバー46の側面46aの、湾曲した側縁部と湾曲して傾斜する端部は、板部36の端部36aと側縁部36bに沿って取り付けられる。このように、カバー46をフック部32に取り付けた時、ばね部42は、一対の側面46aによって挿通口40を開閉する方向にのみ弾性変形するようにその動作範囲が規制されるとともに、連結部46cによってばね部42の開放と閉鎖を切り替える方向の変形範囲が制限される。
次に、この実施形態の連結具10の組立方法について説明する。フック部32は、樹脂で一体に成形された工程で端部32bの外側に位置しているばね部42を、ばね部42の基端部42aを弾性変形させてフック部32の端部32bの側方から回して端部32bの内側に入れる。この状態で、先端部42bがフック部32の端部32bに当接し、内側から当たる方向に付勢力が働く。ばね部42の先端部42bは、フック部32の端部32bの切欠部34の内側に嵌合されてフック部32の内側面に連続する。
次に、リング部12の係止孔20に、フック部32のフランジ部26をベルト掛け16の反対側から強い力で押し込む。係止孔20よりもフランジ部26の方が大きいため通過しないが、一定以上の力を加えるとリング部12の保持部18が弾性変形してスリット22が広がり、係止孔20の内径が広がり、通過可能となる。フランジ部26が通過した後は弾性変形が戻り、フランジ部26が係止されて抜け落ちず、リング部12とフック部32が取り付けられ、本体14となる。フック部32は、一対のフランジ部26,28の間の軸部24をリング部12の係止孔20に回転可能に保持され、抜けることがない。
次に、カバー46を本体14に取り付ける。取付方法は、ばね部42を押して弾性変形させ、開放した挿通口40にカバー46を、連結部46cとは反対側の端からフック部32に通し、移動させながらフランジ部28に近づける。すると、カバー46または板部36が弾性変形し、カバー46の内側面に係合突起38が差し込まれ、弾性変形が戻り、カバー46が本体14に取り付けられる。カバー46は、フランジ部28と係合突起38に保持されて、移動することがない。
次に、リング部12に、ベルトや肩紐等の幅広の長尺部材を取り付ける。長尺部材を、リング部12のベルト掛け16と保持部18の間の開口部に端部を差し込み、ベルト掛け16を巻き回して折り返し、バックルやカン等で取り付ける。フック部32には、他の被掛止体、例えばカバンや、水筒等の小物を取り付ける。まず、カバー46の操作用窓部48から露出しているばね部42の外側面42cを内側に向かって押す。するとばね部42の基端部42aが弾性変形し、ばね部42の先端部42bが、フック部32の端部32bから離れて、挿通口40が開放される。開放した挿通口40から、フック部32に被掛止体を通し、押す力を解除して、ばね部42の弾性変形を復元して挿通口40を閉鎖する。ばね部42の先端部42bと、フック部32の端部32bは小さい面積で互いに当接して閉鎖しているが、ばね部42は一対の板部36の内側面にわずかなゆとりを有して嵌合されているため、ばね部42が弾性変形する際にずれることがなく、確実にフック部32の端部32bに再び当接して閉鎖される。ばね部42の先端部42bに、フック部32の端部32bの側方へずれるような力が加えられると、板部36が押されて弾性変形して、ばね部42の先端部42bが端部32bから外れる恐れがあるが、板部36の外側にはカバー46が取り付けられているため板部36の弾性変形を防ぎ、ばね部42が外れることがない。不用意に挿通口40が開放されることがない。被掛止体が不要となった時は、同じ操作で外す。
この実施形態の連結具10によれば、一対の被掛止体を、高い取り付け強度で連結することができる。一方の被掛止体が取り付けられるリング部12と、他方の被掛止体を吊り下げるフック部32は、高い取り付け強度で取り付けられており、被掛止体に引き離す方向へ力が加えられても、外れることがない。また、被掛止体に捻じるような力が加えられても、不用意に連結が解除されることを防ぐものである。フック部32の挿通口40には、挿通口40を弾性変形により開閉するばね部42が、カバー46に一部が覆われて設けられ、ばね部42は、開閉する方向にのみ弾性変形するようにカバー46により規制され、被掛止体を着脱する時は簡単に開放され、その他の時は確実に閉鎖され、安全に連結を維持することができる。
その他、カバー46の操作用窓部48から、ばね部42の外側面42cが露出しているため、外側面42cを押して挿通口40が簡単に開放され、被掛止体をフック部32に着脱する操作が容易である。
連結具10は簡単な構造で、いろいろな用途に使用することができ、ベルトや肩紐など幅広の長尺部材に、高い取り付け強度でカバン等、所望の被掛止体を吊り下げて連結することができる。長尺部材が取り付けられるリング部12と、別部材を吊り下げるフック部32は、フック部32のフランジ部26がリング部12の保持部18に保持されて高い取り付け強度で取り付けられており、重いカバンを吊り上げることができる。カバンを保持して運搬する時は、ばね部42がカバー46に保護され、不用意に弾性変形することがなく、確実に挿通口40を閉鎖して安全である。特に、カバンを下ろしたり、再び持ち上げたりする際に、フック部32とカバンに捻じるような方向に力が加えられても、ばね部42がフック部32の外側に外れることがなく、不用意に連結が解除する恐れがなく、安全である。
また、本体14は、軸部24がリング部12の係止孔20の内側に回転可能に挿通されているため、フック部32はリング部12に対して軸周りに回転可能であり、カバンが肩ひもに対して回転する。このため、カバンが身体の動きに追従して円滑に移動し、身体の動きを妨げることがなく、歩行や走行が容易である。またカバンを下ろしたり持ち上げたりする際も、肩紐がねじれることがなく、使いやすいものである。フック部32の端部32bには、厚みが半分になった切欠部34が形成され、ばね部42の先端部42bが切欠部34に嵌合されて、フック部32の内側面にほぼ連続する形状となり、段差が無いため、フック部32に取り付けた掛止体が自由に角度を変えることができる。
次にこの発明の第二実施形態について図6〜8に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の連結具50のフック部32の、J字形に折り曲げられて湾曲する端部32bの内側面には、棒体の厚みが半分程度になった切欠部34が形成され、切欠部34の面には、差込突起33が所定の長さに突出して設けられている。差込突起33は、端部32bに連続し、端部32bの先端の幅より小さい突起であり端部32bの幅の中間付近に設けられている。
フック部32の端部32aには、リング部12の保持部18の係止孔20に挿通される軸部52が設けられている。軸部52は、フック部32の端部32aの延長線上に連続して設けられ、軸部52は係止孔20の内側にゆとりを有して収容される四角柱であり、フック部32よりも少し径が細い。軸部52の先端には、係止孔20から抜け落ちないためのフランジ部26が一周して側方に突出して設けられている。フランジ部26は、軸部52の軸方向に対して交差する形状が一方向に長い楕円である板状に設けられている。軸部52は、フランジ部26の長径上で、長径の中心と一方の端部の間に、設けられている。
フック部32の端部32aには、軸部52との境界部分に、段部54が設けられている。段部54は、フランジ部26の長径に対して略平行な一対の側面に各々設けられている。段部54は、フック部32の側面から突出する矩形の突起で形成されている。フランジ部26と段部54の間隔は、保持部18の、ベルト掛け16に対面する面と反対側の面の間の長さと、カバー46の長さを足した長さよりもわずかに長い。軸部52の、フランジ部26の他方の端部に対向する側面には、後述するばね部60の弾性変形を一定範囲で止める係合突起56が側方に突出して設けられている。係合突起56の、フランジ部26と反対側の位置には、係合突起56よりも突出量が大きい係合突起58が設けられている。
フック部32の挿通口40に対向する位置には、ばね部60が設けられている。ばね部60は、フランジ部26の長径上で、軸部52と反対側の端部に近い位置に設けられている棒状部材であり、フランジ部26から軸部52と同じ方向に、フランジ部26から離れるにつれて少し間隔を大きくしながら延出し、フック部32の端部32bの内側面に達している。ばね部60は、長手方向に交差する断面形状は矩形であり、フック部32と連続して環状となる内側面と外側面の間の幅が薄いものであり、全体が弾性変形しやすい形状となる。ばね部60の係合突起58に対向する部分は外側にコの字形に折り曲げられて、操作用突起62が設けられている。操作用突起62は、係合突起58と干渉しないように湾曲して設けられ、ばね部60を弾性変形させる操作用突起62となる。ばね部60の先端部60aには、フック部32の端部32bに形成された差込突起33が差し込まれる透孔65が設けられている。
ばね部60は、フック部32が樹脂で一体に成形された工程では、フック部32の外側に位置し、先端部60aに近づくほどフック部32の端部32bから離れる方向に傾斜して延出し、先端部60aがフック部32の端部32bから離れている。この後、連結具50を組み立てる工程で、ばね部60を弾性変形させてフック部32の端部32bの内側に入れる。先端部60aがフック部32の端部32bに当接し、内側から当たる方向に付勢力が働く。ばね部60の先端部60aは、フック部32の端部32bの切欠部34の内側に嵌合されてフック部32の内側面に連続し、また先端部60aの透孔65には、端部32bの差込突起33が差し込まれる。この状態で、ばね部60の操作用突起62を外側から押すと、ばね部60全体が弾性変形して先端部60aがフック部32の端部32bから離れ、挿通口40が開放される。押す力を解除すると、ばね部60は弾性力で復元してフック部32の端部32bに当接し、挿通口40が閉鎖される。
軸部52の、フック部32の端部32a近傍には、ばね部60の一部を覆う筒状のカバー46が設けられている。軸部52のフランジ部26に近い部分には、組立状態でリング部12が取り付けられ、カバー46は、リング部12とフック部32の間に取り付けられるものである。カバー46は、軸部52とばね部60に渡されて両側を覆う互いに平行な一対の側面46aと、一対の側面46aの側縁部同士を連結しフック部32の外側面を覆う外側面46bと、一対の側面46aの、外側面46bと反対側の側縁部同士を連結する連結部46cで形成された筒状体である。一対の側面46aは、ばね部60が一対の側面46aの間を弾性変形する際に、ばね部60が挿通口40を開閉する弾性変形の方向に沿ってその揺動方向をガイドする。側面46aの形状は略矩形であり、軸部52に取り付けた時にリング部12に接する直線の端部と、この端部に連続する湾曲した側縁部と、直線の端部の反対側に位置する傾斜した直線の端部で囲まれて形成されている。
外側面46bは、側面46aの直線状の端部に連続する直線状の端部を有し、この端部と反対側の端部は、側面46aの、傾斜した直線の端部よりも後述するフランジ部70側に位置し、直線状に形成されている。
連結部46cは、一対の側面46aを連結する細い直線の棒状であり、側面46aの、湾曲した側縁部と傾斜する端部で囲まれた角部分に連結されている。連結部46cと、一対の側面46aに囲まれた矩形の空間は、操作用窓部66となる。カバー46の、リング部12に接する端部には、一対の側面46a、外側面46b、操作用窓部66にわたって、側方に突出するフランジ部70が一周して設けられている。フランジ部70の、リング部12側の面には、リング部12の保持部18に形成された係止孔20に嵌合される半円筒部68が設けられている。半円筒部68は、操作用窓部66の反対側が切り欠かれている。
カバー46をフック部32に取り付けた時、操作用窓部66には操作用突起62がゆとりを有して嵌合されて外側へ突出する。連結部46cは、ばね部60の一部を外側から覆うように位置する。ばね部60に内側から強い力が加えられた時、ばね部60が連結部46cに当接するため、先端部60aが端部32bを乗り越えてばね部60がフック部32の外側に向けて変形することを制限する。また、連結部46cとフック部32の端部32bの間の空間が挿通口40となる。連結部46cは、操作用窓部66から露出するばね部60と挿通口40とを分断する。カバー46の外側面46bの端部は、フック部32の段部54に当接し、カバー46がリング部12と反対側に移動することを防ぐ。なお、フランジ部70はリング部12の係止孔20の周囲に当接し、リング部12側への移動することがない。
次に、この実施形態の連結具50の組立方法について説明する。フック部32は、樹脂で一体に成形した工程で端部32bの外側に位置しているばね部60を、弾性変形させてフック部32の端部32bの側方から回して内側に入れる。この時、フック部32の端部32bの差込突起33が、ばね部60の透孔65に差し込まれ、位置決めされる。先端部60aがフック部32の端部32bに当接し、内側から当たる方向に付勢力が働く。ばね部60の先端部60aは、フック部32の端部32bの切欠部34の内側に嵌合されてフック部32の内側面に連続する。
次に、フック部32の軸部52にカバー46を、軸部52の先端からフランジ部26を通過させ、カバー46の端部がフック部32の段部54に当接し、それ以上行かないように係止される。次に、リング部12の係止孔20に、フック部32のフランジ部26をベルト掛け16の反対側から強い力で押し込む。係止孔20よりもフランジ部26の方が大きいため通過しないが、一定以上の力を加えるとリング部12の保持部18が弾性変形してスリット22が広がり、係止孔20の内径が広がり、通過可能となる。フランジ部26が通過した後は弾性変形が戻り、フランジ部26が係止されて抜け落ちず、リング部12とフック部32が、カバー46を挟んだ状態で取り付けられる。
次に、リング部12に、ベルトや肩紐等の幅広の長尺部材を取り付ける。フック部32には、他の被掛止体を取り付ける。まず、カバー46の操作用窓部66から突出している操作用突起62を内側に向かって押す。するとばね部60が弾性変形し、ばね部60の先端部60aが、フック部32の端部32bから離れて、挿通口40が開放される。開放した挿通口40から、フック部32に被掛止体を通し、押す力を解除して、ばね部60の弾性変形を復元して挿通口40を閉鎖する。ばね部60の先端部60aの透孔65に、フック部32の端部32bの差込突起33が差し込まれ、互いに確実に連結され挿通口40が閉鎖される。ばね部60はカバー46の内側にわずかなゆとりを有して嵌合されているため、ばね部60が弾性変形する際にずれることがなく、確実にフック部32の端部32bに再び当接して、端部32bの差込突起33がばね部60の透孔65に差し込まれて閉鎖される。ばね部60の先端部60aに、フック部32の端部32bの側方へずれるような力が加えられても、カバー46の側面46aに当接するため、ずれる方向への弾性変形を防ぎばね部60が外れることがない。不用意に挿通口40が開放されることがない。被掛止体が不要となった時は、同じ操作で外す。
この実施形態の連結具50によれば、上記実施形態と同様の効果を有するものである。操作用突起62が、カバー46の操作用窓部66から突出しているため、押しやすく、より操作が簡単なものである。また、ばね部60から操作用突起62を突出させることにより、ばね部60を薄くすることができ、弾性変形を容易にすることができる。さらに、ばね部60の先端部60aの透孔65に、フック部32の端部32bの差込突起33が差し込まれて係止されるため、より確実に挿通口40が閉鎖される。
次にこの発明の第三実施形態について図9〜図11に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施から形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の連結具72は、リング部12とフック部32が合成樹脂で一体に成形されて本体14となっている。リング部12には、ベルトや紐等を巻き回すベルト掛け16と、ベルト掛け16の両端を保持する一対の保持部18が一体に設けられ、一対の保持部18はベルト掛け16に対して平行な側面を有する板部76に連続して設けられている。一対の保持部18は、板部76の一方の側縁部76aの両端部に連結されている。
板部76の、リング部12と反対側の側縁部76bには、フック部32が一体に設けられている。フック部32は、コの字形に折り曲げられた棒体で形成され、棒体の一方の端部32aは、板部76の側縁部76bの一方の端部に連結し、反対側の端部32bは、側縁部76bの他方の端部の近傍に所定の長さで離れて対向している。離間した空間は、フック部32に物品を着脱する際に通過する挿通口40となる。フック部32の、コの字形の中央部分は、板部76の側縁部76bに対してほぼ平行に位置し、側縁部76bより少し長く形成され、本体14が略台形状になっている。端部32bの内側面には、棒体の厚みが半分程度になった切欠部34が形成され、切欠部34の面には、差込突起33が所定の長さに突出して設けられている。差込突起33は、側縁部76bに対して平行な方向に、端部32aへ向かって突出している。差込突起33は、端部32bに連続し、端部32bの先端の幅より小さい突起であり端部32bの幅の中間付近に設けられている。差込突起33は、突出方向の断面形状は矩形であり、首部は細く、先端部が太い。
板部76の厚みよりもフック部32のあつみが大きく、板部76の側縁部76bには、フック部32との境界部分に段部78が設けられている。板部76の側縁部76bは、挿通口40に対向する部分が切り欠かれて短くなり、側縁部76aと側縁部76bを結ぶ側縁部76cは、側縁部76aから離れるにつれて、側縁部76bのフック部32が連結されている端部に近づくように傾斜している。
フック部32の挿通口40に対向する位置には、ばね部80が設けられている。ばね部80は、側縁部76cのベルト掛け16に近い位置に設けられている棒状部材であり、側縁部76cに沿って、ベルト掛け16から離れるにつれて少し間隔を大きくしながら延出し、フック部32の端部32bの内側面に達している。ばね部80は、長手方向に交差する断面形状は矩形であり、フック部32と連続して環状となる内側面と外側面の間の幅が薄いものであり、全体が弾性変形しやすい形状となる。ばね部80の、板部76の側縁部76cの途中に対向する部分には、操作用突起82が設けられている。操作用突起82は、ばね部80の板部76と反対側の側面から外側に突出し、突出方向の途中で折り曲げられてベルト掛け16の方へ延出している。ばね部80の先端部80aには、フック部32の端部32bに形成された差込突起33が差し込まれる透孔65が設けられている。
ばね部80は、本体14が樹脂で一体に形成された工程では、フック部32の外側に位置し、先端部80aに近づくほどフック部32の端部32bから離れる方向に傾斜して延出している。この後、連結具72を組み立てる工程で、ばね部80を弾性変形させてフック部32の端部32bの内側に入れる。先端部80aの透孔65には、端部32bの差込突起33が差し込まれる。この状態で、ばね部80の操作用突起82を外側から押すと、ばね部80全体が弾性変形して先端部80aがフック部32の端部32bから離れ、挿通口40が開放される。押す力を解除すると、ばね部80は弾性力で復元してフック部32の端部32bに当接し、挿通口40が閉鎖される。
板部76には、ばね部80の一部を覆う筒状のカバー84が設けられている。カバー84は、板部76とばね部80の両側を覆う互いに平行な一対の側面84aと、一対の側面84aの側縁部同士を連結しフック部32の端部32aの近傍を覆う外側面84bと、一対の側面84aの、外側面84bと反対側の側縁部同士を連結する連結部84cで形成された筒状体である。一対の側面84aは、ばね部80が一対の側面84aの間を弾性変形する際に、ばね部80が挿通口40を開閉する弾性変形の方向に沿ってその揺動方向をガイドする。カバー84の、本体14に取り付けた時にベルト掛け16側となる端部は、側面84aは、板部76の側縁部76bに沿う平面状であり、外側面84b、連結部84cは、側面84aの端部よりも保持部18の基端部を覆うように少し外側に達している。カバー84の、本体14に取り付けた時にフック部32側となる端部は、側縁部76bに沿って段部78に対向する形状になっている。連結部84cには、操作用突起82に対向する位置で上下に分断されて、操作用窓部86が設けられている。操作用窓部86からは、操作用突起82が外側に突出する。連結部84cは、ばね部80の一部を外側から覆うように位置する。ばね部80に内側から強い力が加えられた時、ばね部80が連結部84cに当接するため、先端部80aが端部32bを乗り越えてばね部80がフック部32の外側に向けて変形することを制限する。また、連結部84cとフック部32の端部32bの間の空間が挿通口40となる。フック部32側に位置する連結部84cは、操作用窓部86から露出するばね部80と挿通口40とを分断する。
次に、この実施形態の連結具72の組立方法について説明する。本体14は、樹脂で一体に成形した工程で端部32bの外側に位置しているばね部80を、弾性変形させてフック部32の端部32bの側方から回して内側に入れる。この時、フック部32の端部32bの差込突起33が、ばね部80の透孔65に差し込まれ、位置決めされる。先端部80aがフック部32の端部32bに当接し、内側から当たる方向に付勢力が働く。ばね部80の先端部80aは、フック部32の端部32bの切欠部34の内側に嵌合されてフック部32の内側面に連続する。次に、本体14の板部76にカバー84を、ベルト掛け16側からかぶせて取り付け、カバー84の端部が本体14の段部78に当接し、それ以上行かないように係止される。また、カバー84の内周面に形成された図示しない係止部が本体14に係止する。この状態で、ベルト掛け16は、カバー84の反対側の端部から外側に突出する。操作用突起82は、カバー84の操作用窓部86から外側に突出する。
次に、リング部12に、ベルトや肩紐等の幅広の長尺部材を取り付ける。フック部32には、他の被掛止体を取り付ける。まず、カバー84の操作用窓部86から突出している操作用突起82を内側に向かって押す。するとばね部80が弾性変形し、ばね部80の先端部80aが、フック部32の端部32bから離れて、挿通口40が開放される。開放した挿通口40から、フック部32に被掛止体を通し、押す力を解除して、ばね部80の弾性変形を復元して挿通口40を閉鎖する。ばね部80の先端部80aの透孔65に、フック部32の端部32bの差込突起33が差し込まれ、互いに確実に連結され挿通口40が閉鎖される。ばね部80はカバー84の内側にわずかなゆとりを有して嵌合されているため、ばね部80が弾性変形する際にずれることがなく、確実にフック部32の端部32bに再び当接して、端部32bの差込突起33がばね部80の透孔65に差し込まれて閉鎖される。ばね部80の先端部80aに、フック部32の端部32bの側方へずれるような力が加えられても、カバー84の側面84aに当接するため、ずれる方向への弾性変形を防ぎばね部80が外れることがない。不用意に挿通口40が開放されることがない。被掛止体が不要となった時は、同じ操作で外す。
この実施形態の連結具72によれば、上記実施形態と同様の効果を有するものである。本体14はベルト掛け16とフック部32が一体に設けられ、強い力で長尺部材とその他の物品を連結することができる。フック部32はコの字形に形成されて板部76の側縁部76bに沿って一方向に長い取り付け空間を形成するため、フック部32にも幅広の長尺部材を取り付けることができる。
なお、この実施形態の連結具72は、本体14の操作用突起82と、カバー84の操作用窓部86を、異なる形状にしても良い。例えば、図12、図13に示す連結具72は、操作用突起82がばね部80の板部76と反対側の側面から外側に突出し、突出方向の途中で折り曲げられてベルト掛け16の方へ延出し、先端部分は突出方向に厚く形成されている。カバー84の操作用窓部86は、連結部84cを分断することなく、連結部84cの側面に矩形の操作用窓部86が設けられている。操作用突起82が厚く形成されているため、連結部84cを分断して操作用窓部86をくぼむように形成しなくても、十分な長さで操作用窓部86から操作用突起82が突出することができる。これにより、カバー84の操作用窓部86周辺の強度を高めることができる。
なお、この実施形態の連結具72は、図14、図15に示すように、カバー84の外側面84bに、一対の側面84aの側面に対して平行なスリット85が設けられて2分割されてもよい。側面84aが分割されることによりカバー84は弾性変形しやすくなり、本体14への取り付けが容易となり、生産効率を上げることができる。
さらに、この実施形態の連結具72は、図16、図17に示すように、カバー84に、本体14のベルト掛け16を覆うバー覆い部88が一体に設けられてもよい。バー覆い部88は、ベルト掛け16を内側に嵌合する断面U字形の嵌合部であり、U字の開口部は側面84aに近い方向に開口している。バー覆い部88は、ベルト掛け16と保持部18を覆うようにコの字形に折り曲げられ、両端部が外側面84bと連結部84cに、一体に連結されている。側面84aの内側面には、本体14に係止される係止部90が設けられている。
ベルト掛け16にカバー84のバー覆い部88が重ねられて取り付けられることにより、ベルト掛け16の強度が高くなる。また連結具72の表面に本体14とカバー84の境界線である段差が少なくなり、外観が良好で、汚れが付着しない。またカバー84と本体14の取り付け強度も高い。
なお、この発明の連結具は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、フック部とカバー、ばね部の形状は適宜変更可能であり、カバーがばね部に確実に取り付けられるものであれば良い。カバーは筒状でなくてもよく、確実にばね部に取り付けられるものであればよく、コの字形等、側面の一部が切り欠かれたものでもよい。フック部に取り付ける被掛止物は、カメラ、ホイッスル、カバン、ケース等、色々なものに使用することができる。各部材の材料や色、表面処理、透明度などは自由に変更可能であり、デザインや必要な機能に合わせて適宜変更可能である。カバーを、本体と異なる色にしたり、透明にしたり、メッキ処理をしたり、加飾することで連結具のイメージを簡単に変えることができる。