JP2017215062A - 間接熱交換冷水循環システム - Google Patents

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紀明 土谷
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Abstract

【課題】自然エネルギーや排熱による1つの熱源を、温度の異なる複数の貯蔵室等の熱源利用空間に利用できかつ各熱源利用空間の空気が混合されない、間接熱交換冷水循環システムを提供する。
【解決手段】冷熱源(2)が配置されている、閉鎖空間又は開放空間である1つの熱源空間(1)と、閉鎖空間である複数の熱利用空間(3A,3B)と、前記熱源空間(1)内に設置されかつ循環水流路を具備する熱交換装置(5a,5b,5c)と、前記複数の熱利用空間(3A,3B)内に配置されかつ循環水流路を具備する冷熱放出装置(7A,7B)と、前記複数の熱利用空間(3A,3B)の各々と、前記熱交換装置(5a,5b,5c)との間で冷水を循環させるためにそれぞれ連結された循環パイプ(6a,6b)及び循環ポンプ(8)と、を有し、熱利用空間(3A,3B)の各々の温度が設定可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、排熱や自然エネルギーを利用して熱交換装置による熱交換を行う間接熱交換冷水循環システム関する。
物の貯蔵・保存や住環境の整備等には、空間の温度管理が不可欠である。温度管理には一般に電気・ガス・石油等のエネルギーが用いられるが、いずれも環境に負荷がかかるうえにコストも大きくなり、好ましくない。特に昨今は二酸化炭素排出量削減の要請からも、環境負荷の少ない温度管理方法が求められており、電気・ガス・石油の分野では、排熱を利用した環境対策製品の開発が進んでいる。
北海道や高地などでは、冬期には最高気温が氷点下を下回る日が続き、大量の雪が降り、水は自然に凍結する。このような雪や氷が解けるためには一定の融解熱が必要であり、周囲の空気から熱を奪うため、空気の温度が低下する。この融解熱を利用すれば、環境負荷もほとんどかからず、低コストで空間の温度管理をすることができる。
従来からの雪や氷の利用方法は、雪や氷を大量に運び入れた氷室の中に貯蔵物を置く自然対流方式が最も単純で、古くから利用されていた。
また、雪や氷の利用方法としては図4に示す直接熱交換冷風方式も知られている。
図4(a)(b)は、直接熱交換冷風方式による貯蔵システムの構成例を模式的に表した平面概略図及び正面概略図である。図4(c)は、直接熱交換冷風方式による貯蔵システムの別の構成例を模式的に表した平面概略図である。図中の矢印は空気の流れる方向を表す。
図4(a)(b)及び(c)に示す構成例では、タンクに水を封入し、冬期の寒気で氷結させた氷タンク130を冷熱源として利用している。図4(a)(b)に示すように、氷タンク130を設置した氷室100と、保冷したい貯蔵物140を収納した貯蔵室110とを分離し、ダクトファン120a、120bを用いて氷室100と貯蔵室110との間で空気を循環させることにより貯蔵室内の空間を冷やすことができる。貯蔵室110内の空気は、吸入ダクトファン120aにより氷室100に入り込まれ、氷室100内で冷却される。冷却された空気は、送出ダクトファン120bにより氷室100から貯蔵室110に送り込まれるため、貯蔵室110を冷却することができる。
図4(c)に示す構成例は、氷タンク130を設置した1つの氷室100に対し、2つの貯蔵室110を備える。このように、自然対流方式と異なり、氷室100とそれぞれの貯蔵室110の間の壁に吸入ダクトファン120a及び送出ダクトファン120bを設置することにより、1つの氷室100から2以上の貯蔵室110に空気を送ることができる。各貯蔵室の貯蔵温度が異なる場合には、電熱ヒーターなどを使用して温度管理を行う。
この直接熱交換冷風方式では、貯蔵室110の空気を直接氷室100の空気と接触させて熱交換させているため、「直接」と称している。
特許文献1で提案されている移動式氷室とその使用方法は、直接熱交換冷風方式によるものであり、冬期に寒冷地で氷結させた自然氷を、寒冷地以外の夏期の冷房、冷蔵等に容易に使用できるようにした移動式氷室である。
また、暖房の分野では、寒冷地では以前から、温熱源により加温した温水を住宅内に循環させ、パネルラジエーターや床暖房等の端末から放熱することによる温水暖房システム(いわゆるセントラルヒーティング)がよく使用されている。特許文献2に示す発明は、そのような温水暖房システムの一例である。
特開2009−127894 特開平6−323557
自然対流方式では、雪や氷の利用目的としては貯蔵という目的でしか利用することができず、しかも氷室と貯蔵空間が同一空間であるため、1つの氷室に対し1つの貯蔵空間しか利用することができず、効率的でなかった。
直接熱交換冷風方式では、1つの氷室で複数の貯蔵空間を利用したり、貯蔵以外にも冷房等複数の目的に利用したりできる。しかし、複数の貯蔵室の温度を変えて利用する場合には、各貯蔵室で電熱ヒーターを使用して温度管理を行うため、温度調整が難しいだけでなく、せっかく自然エネルギーを利用して冷蔵したものを電気エネルギーで加温することになるという問題があった。
また、氷室から送出された空気は各貯蔵室等で放出され、各貯蔵室等の空気が氷室に放出されるという循環であるため、氷室及び各貯蔵室等の空気は氷室の中で混合されることになり、例えば生鮮品や発酵食品等、貯蔵物の種類によっては衛生管理上又は品質管理上好ましくないという問題があった。
本発明の目的は、自然エネルギーによる1つの熱源を、温度の異なる複数の貯蔵室等の熱源利用空間に利用できかつ各熱源利用空間の空気が混合されない、間接熱交換冷水循環システムを提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
本発明の態様は、間接熱交換冷水循環システムであって、冷熱源(2)が配置されている閉鎖空間又は開放空間である1つの熱源空間(1)と、閉鎖空間である複数の熱利用空間(3A,3B)と、前記熱源空間(1)内に設置されかつ循環水流路(5a1)を具備する熱交換装置(5a,5b,5c)と、前記複数の熱利用空間(3A,3B)内に配置されかつ循環水流路(7B1)を具備する冷熱放出装置(7A,7B)と、前記複数の熱利用空間(3A,3B)の各々と、前記熱交換装置(5a,5b,5c)との間で冷水を循環させるためにそれぞれ連結された循環パイプ(6a,6b)及び循環ポンプ(8)と、を有することを特徴とする。
上記の態様において、前記複数の熱利用空間(3A,3B)の各々の温度が、さらに前記熱交換装置(5a,5b,5c)の熱交換性能により設定可能であることを特徴とする。
上記の態様において、前記熱源空間(1)が閉鎖された屋内空間であり、前記冷熱源(2)が氷又は雪であることを特徴とする。
上記の態様において、前記熱源空間(1)が開放された屋外空間であり、前記冷熱源(2)が積雪であることを特徴とする。
上記の態様において、前記熱利用空間(3A,3B)が、農水産物又はその加工品の貯蔵室であることを特徴とする。
上記の態様において、前記冷熱放出装置(7A,7B)が既設の温水暖房用端末であることを特徴とする。
本発明の間接熱交換空気循環システムによれば、自然エネルギーによる1つの冷熱源を、貯蔵室や住居スペース等の複数の熱利用空間で利用することができる。その際、それぞれの熱利用空間で異なる温度に設定して利用することができる。
また、それぞれの熱利用空間同士の空気や、熱源空間と熱利用空間の空気が混じり合わないため、衛生管理上又は品質管理上好適である。
さらに、既設の温水暖房用端末を冷熱放出装置として利用することにより、冬は暖房用に使用していた温水暖房用端末を冷房用に使用することができる。
図1(a)(b)は、本発明による間接熱交換冷水循環システムの構成例を模式的に表した平面概略図及び正面概略図である。但し、図1(a)においては屋根部分及び氷タンクを、図1(b)においては正面側壁部及び貯蔵物を省略している。 図2(a)(b)は、図1に示した構成例の熱交換装置の平面概略図及び正面概略図である。 図3(a)(b)は、図1に示した構成例の冷熱放出装置の側面概略図及び正面概略図である。 図4(a)(b)は、直接熱交換冷風方式による貯蔵システムの構成例を模式的に表した平面概略図及び正面概略図である。図4(c)は、直接熱交換冷風方式による貯蔵システムの別の構成例を模式的に表した平面概略図である。
以下、図面を参考にしつつ、本発明による間接熱交換冷水循環システムについて詳細に説明する。また、本発明による間接熱交換冷水循環システムは、熱利用空間の空気を熱源空間の空気と直接接触させて熱交換させるのではなく、熱交換装置、冷熱放出装置、及び循環水を介して非接触で熱交換させるので、「間接」と称している。本発明における「熱源」は冷熱源を意味し、「熱利用空間」は冷熱利用空間を意味する。また「冷水」又は「循環水」の「水」については、純水のみを意味するものではなく、不凍液又は不凍液と純水の混合物も含む。
図1(a)(b)は、本発明による間接熱交換冷水循環システムの構成例を模式的に表した平面概略図及び正面概略図である。但し、図1(a)においては屋根部分及び氷タンクを、図1(b)においては正面側壁部及び貯蔵物を省略している。図中の矢印は循環水の流れる方向を表す。
図1(a)(b)に示す構成例の間接熱交換空気循環システムは、閉鎖空間である1つの熱源空間1及び複数の熱利用空間3A、3Bを備える。熱利用空間3A、3Bは一例として2つとしているが、3つ以上の任意の数とすることができる。熱源空間1は、一例として貯氷室であるので、以下「貯氷室1」として説明する。熱利用空間3A、3Bは一例として貯蔵室であるので、以下「貯蔵室3A、3B」として説明する。貯氷室1内には、冷熱源2及び熱交換装置5a、5b、5cを備える。冷熱源2は、自然エネルギーを利用して生成したものであり、一例として氷タンクであるので、以下「氷タンク2」として説明する。貯蔵室3A、3B内には、それぞれ冷熱放出装置7A、7Bを備える。
氷タンク2は、貯氷室1に設置した複数段からなる棚に積み重ねて並べられたタンク内に封入した水を冬期の寒気を利用して凍らせたものである。この氷タンク2の氷が融解する際に周囲の空気から熱を奪うことで貯氷室1内の空気を冷却することができる。
貯氷室1内に設けられた熱交換装置5a、5b、5cと、貯蔵室3A内に設けられた冷熱放出装置7Aは、循環パイプ6a、6bで繋がっている。循環パイプ6a、6bは、熱交換装置5a、5b、5cと貯蔵室3Aとの中間位置で分岐し、貯蔵室3B内に設けられた冷熱放出装置7Bとも繋がっている。熱交換装置5aと5b、熱交換装置5bと5cは、それぞれ連結パイプ9a、9bで繋がっている。ポンプ8の作用により、熱交換装置5a、5b、5c、循環パイプ6a、6b、冷熱放出装置7A、7B、連結パイプ9a、9b内を循環水が循環している。熱交換装置5a、5b、5cを通った循環水は循環パイプ6aに入り、途中で分岐して冷熱放出装置7A、7Bにそれぞれ送り込まれる。循環水は冷熱放出装置7A、7Bを通過後、循環パイプ6bに送り込まれ、冷熱放出装置7Aを通過した循環水と冷熱放出装置7Bを通過した循環水は合流する。その後、再び熱交換装置5a、5b、5cに送り込まれる。
循環パイプ6bに送出された循環水は、熱交換装置5a、5b、5cを通る際に冷却されるため、冷熱放出装置7A、7Bには循環パイプ6aから冷却された循環水がそれぞれ送出される。冷熱放出装置7A、7Bの熱交換能により貯蔵室3A、3Bの空気が冷却され、貯蔵物4A、4Bを保冷することができる。熱交換装置5a、5b、5cの具体的構成については、図2を参照して後述する。冷熱放出装置7A、7Bの具体的構成については、図3を参照して後述する。
循環水は、貯氷室1及び貯蔵室3A、3Bの空気と直接接触して熱交換を行うのではなく、熱交換装置5a、5b、5cを通過することにより、熱交換装置5a、5b、5cの表面部材を介して非接触で貯氷室1の空気との間で熱交換を行い、さらに冷熱放出装置7A、7Bを通過することにより、冷熱放出装置7A、7Bの表面部材を介して非接触で貯蔵室3A、3Bの空気との間で熱交換を行う。そのため、貯蔵室3Aの空気と貯蔵室3Bの空気が混じり合うことはない。また、貯蔵室3A、3Bの各々の空気と貯氷室1の空気が混じり合うこともない。これにより本システムでは、貯蔵室3A、3Bに貯蔵する貯蔵物4A、4Bが、衛生面及び品質面において互いに影響を及ぼすことはなく、貯氷室1の空気に影響されることもない。このことは、貯蔵物4A、4Bが例えば肉、魚介、酒、チーズ等の農水産物及びその加工品の場合に好適である。特に、空気中の菌を利用したり空気中の菌に影響されたりする発酵食品などにおいてはさらに好適である。
図2(a)(b)は、図1に示した構成例の熱交換装置の平面概略図及び正面概略図である。図2に示す熱交換装置は図1に示した熱交換装置5aであるが、熱交換装置5b、5cも熱交換装置5aと同様の構成である。
図2(a)(b)に示すように、熱交換装置5aは、薄型の略長方形状の熱交換パネルであり、熱交換装置5aの内部には、熱交換装置5aの幅方向に何度も蛇行する循環水流路5a1が形成されている。
貯蔵室3A、3Bから循環パイプ6bに送出された循環水は、まず熱交換装置5aの端部に設けられた熱交換装置入口5a2から熱交換装置5aの内部に流入し、パネル内を幅方向に何度も蛇行する循環水流路5a1を通り、熱交換装置出口5a3に到達する。その後、熱交換装置5aと熱交換装置5bを繋ぐ連結パイプ9aを介して熱交換装置5bに到達し、熱交換装置5b内を同様に通過する。その後、熱交換装置5bと熱交換装置5cを繋ぐ連結パイプ9bを介して熱交換装置5cに到達し、熱交換装置5c内を同様に通過する。
熱交換装置5a内で幅方向に何度も蛇行する循環水流路5a1を通ることにより、循環水と貯氷室1内の冷たい空気との熱交換が効率よく行われ、循環水を冷却することができる。熱交換装置5b、5cについても同様である。
熱交換装置5a、5b、5cの形状、大きさ、数量、配置及び循環水流路の方向等は特に限定しないが、熱交換が効率よく行われるためには、熱交換装置5a、5b、5cが、氷タンク2に囲まれていることが好ましい。なお、熱交換装置5a、5b、5cの下端面を床に接触させると熱交換のための表面積が少なくなるので好ましくない。従って、例えば熱交換装置5a、5b、5cの下端面の両端部に脚部(図示せず)を設けるなどして床との間に空間を設け、床と接触しないように設置することが好適である。
図示の例では、熱交換装置5a、5b、5cの3つの熱交換装置の各々の全体形状が略長方形状のパネルである。一例として、熱交換装置5a、5b、5cの各々が氷タンク2の棚と同程度の面積の薄型の形状であり、氷タンク2の棚の下段に配置されている。この例では、熱交換装置5a、5b、5cを配置するために棚と別に場所を確保する必要がなく、かつ、熱交換装置5a、5b、5cが氷タンク2の直下に配置されるため、効率よく熱交換を行うことができる。
図3(a)(b)は、図1に示した構成例の冷熱放出装置の側面概略図及び正面概略図である。図3に示す冷熱放出装置は図1に示した冷熱放出装置7Bであるが、冷熱放出装置7Aも冷熱放出装置7Bと同様の構成である。
図3(a)(b)に示すように、冷熱放出装置7Bは、薄型の略長方形状の熱交換パネルであり、冷熱放出装置7Bの内部には、冷熱放出装置7Bの幅方向に何度も蛇行する循環水流路7B1が形成されている。
熱交換装置5cから循環パイプ6aに送出された循環水は、まず冷熱放出装置7Bの端部に設けられた冷熱放出装置入口7B2から冷熱放出装置7Bの内部に流入し、冷熱放出装置7B内を幅方向に何度も蛇行する循環水流路7B1を通り、冷熱放出装置出口7B3に到達する。
冷熱放出装置7B内で幅方向に何度も蛇行する循環水流路7B1を通ることにより、冷たい循環水と貯蔵室3B内の空気との熱交換が効率よく行われ、貯蔵室3B内の空気を冷却することができる。
図示の例では、冷熱放出装置7A、7B各々の全体形状が薄型の略パネル状であり、それぞれ貯蔵室3A、4B内に1つずつ配置されているが、冷熱放出装置7A、7Bの形状、大きさ、数量、配置及び循環水流路の方向等は特に限定しない。
熱交換装置5a、5b、5c、循環パイプ6a、6b、冷熱放出装置7A、7B、連結パイプ9a、9bの素材は特に限定しない。熱交換装置5a、5b、5c、冷熱放出装置7A、7B及び、連結パイプ9a、9bは、アルミニウム板、アルミニウム管など、熱伝導の良い素材であることが好ましい。また、貯氷室1と離れた場所に貯蔵室3A、3Bを設置する場合には、循環パイプ6a、6bは熱伝導の低い素材で構成したり、断熱性の高い素材で被覆したりすると、貯氷室1と貯蔵室3A、3Bの間での冷熱の損失が少なくなり好適である。
循環水は、熱交換装置、パイプ等の内部で凍結し、破裂するのを防止するため、不凍液を用いることが好適である。例えば、エチレングリコール又はプロピレングリコール等を主成分とする、水との混合物が用いられるが、これに限定しない。また、錆止め剤を添加するとさらに好適である。
1つの貯蔵室3Bの温度は、必要に応じて、ポンプ8の送液量及び/又は熱交換装置5a、5b、5c、冷熱放出装置7Bの熱交換性能を適切に設定することにより設定できる。ポンプ8の送液量を変更することにより、熱交換装置5a、5b、5c、冷熱放出装置7Bにおける循環水の滞留時間を変更することができる。滞留時間が長ければ熱交換量が大きくなり、滞留時間が短ければ熱交換量が小さくなる。ポンプ8の送液量の変更は、速やかにかつ容易に行うことができるので好適である。熱交換装置5a、5b、5c、冷熱放出装置7Bの熱交換性能は、熱交換を行う表面積及び循環水の滞留時間を変更することにより変更できる。例えば熱交換パネル5a、5b、5c、冷熱放出装置7Bの外郭寸法及びパネル枚数、循環水流路5a1、7B1の長さ(蛇行の回数)等を変更する。別の貯蔵室3Aの温度についても同様の方法で別個に設定することができる。
例えば、貯蔵室3Bの温度を、貯氷室1の温度である0〜1℃としたい場合は、ポンプ8の送液量を最小にして熱交換装置5a、5b、5cにおける滞留時間を長くする。また、熱交換装置5a、5b、5cの外郭寸法を大きくするか、枚数を増やすか、かつ/又は循環水流路5a1の蛇行回数を多くしてもよい。また、冷熱放出装置7B外郭寸法を大きくするか、枚数を増やすか、かつ/又は循環水流路7B1の蛇行回数を多くし、貯蔵室3Bにおける熱交換効率を上げてもよい。
また、冷熱放出装置7A、7Bに流入する循環水の量を変更することによって温度を調節することもできる。例えば、貯蔵室Bの温度を少し高めにしたい場合は、冷熱放出装置入口7B2を狭くし、冷熱放出装置7Bに流入する循環水量を少なくすることによって貯蔵室Bに放出される冷熱を少なくし、温度を調節することができる。図示しなかったが、冷熱放出装置入口7B2の開口の大きさをバルブ等で調節できる構成であることが好適である。
このように、ポンプの送液量及び、熱交換装置及び冷熱放出装置の熱交換性能を変更することにより、各々の貯蔵室の温度を所望する温度に設定することができる。すなわち、1つの貯氷室1を用いて複数の貯蔵室を異なる温度で管理することができる。従って、従来技術のように各貯蔵室の温度を変えるために電熱ヒーターなどは不要である。
熱利用空間は貯蔵室に限られない。別の実施形態として、住居スペースを熱利用空間としてもよい。これにより冷房としての利用も可能である。貯氷室に設けられた熱交換装置と住居スペースに設けられた冷熱放出装置を循環する循環パイプを設置し、ポンプの働きにより循環水を循環させる。熱交換装置により貯氷室内の空気と循環水の間で熱交換が起こり、循環水は冷却され、冷熱放出装置により住居スペースの空気と循環水との間で熱交換が起こり、住居スペースは冷却される。
さらに別の実施形態として、住居スペース等に既設の温水暖房用端末を冷熱放出装置として利用してもよい。寒冷地では温水暖房(セントラルヒーティング)の端末として、住居スペースの各部屋にパネルラジエーター等が設置されていることが多い。既設のパネルラジエーター等を冷熱放出装置として利用することにより、冬期には暖房設備として使用されていたパネルラジエーター等の温水暖房用端末を、夏期には冷房設備として利用することができる。
図示の例では閉鎖空間である貯氷室を熱源空間とし、氷タンクを設置して冷熱源としているが、降雪地域であれば冬期には降雪を冷熱源として利用することができる。例えば、閉鎖空間である屋内に雪を運び入れて貯蔵した熱源空間や、天井付き貯雪施設の天井を一時的に開放して積雪させた後に天井を閉じて雪を貯蔵した熱源空間でもよい。
また別の例として、開放空間である屋外の積雪場所又は雪溜め場所を熱源空間とし、熱交換装置を設置してもよい。屋外に設置した熱交換装置と閉鎖空間である屋内の熱利用空間を循環パイプで連結する。熱交換装置により屋外の空気と循環水の間で熱交換が起こり、循環パイプ内の循環水は冷却され、熱利用空間に運ばれる。熱利用空間内に設置された冷熱放出装置により、冷熱利用空間内の空気と循環水の間で熱交換が起こり、熱利用空間は冷却される。自然物である降雪を直接冷熱源として利用できるため、より環境に優しい。
以上に述べた本発明の実施形態は一例を示したものであり、これら以外にも種々の公知技術を適用した多様な変形形態が可能であり、それらについても本発明に含まれるものとする。
10:間接熱交換冷水循環システム
1:熱源空間(貯氷室)
2:冷熱源(氷タンク)
3A、3B:熱利用空間(貯蔵室)
4A、4B:貯蔵物
5a、5b、5c:熱交換装置
5a1:循環水流路
5a2:熱交換装置入口
5a3:熱交換装置出口
6a、6b:循環パイプ
7A、7B:冷熱放出装置
7B1:循環水流路
7B2:冷熱放出装置入口
7B3:冷熱放出装置出口
8:ポンプ
9a、9b:連結パイプ
100 氷室
110 貯蔵室
120a 吸入ダクトファン
120b 送出ダクトファン
130 氷タンク
140 貯蔵物

Claims (6)

  1. 冷熱源(2)が配置されている、閉鎖空間又は開放空間である1つの熱源空間(1)と、
    閉鎖空間である複数の熱利用空間(3A,3B)と、
    前記熱源空間(1)内に設置されかつ循環水流路(5a1)を具備する熱交換装置(5a,5b,5c)と、
    前記複数の熱利用空間(3A,3B)内に配置されかつ循環水流路(7B1)を具備する冷熱放出装置(7A,7B)と、
    前記複数の熱利用空間(3A,3B)の各々と、前記熱交換装置(5a,5b,5c)との間で冷水を循環させるためにそれぞれ連結された循環パイプ(6a,6b)及び循環ポンプ(8)と、を有することを特徴とする、
    間接熱交換冷水循環システム。
  2. 前記複数の熱利用空間(3A,3B)の各々の温度が、さらに前記熱交換装置の熱交換性能により設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の間接熱交換冷水循環システム。
  3. 前記熱源空間(1)が閉鎖された屋内空間であり、前記冷熱源(2)が氷又は雪であることを特徴とする請求項1又は2に記載の間接熱交換冷水循環システム。
  4. 前記熱源空間(1)が開放された屋外空間であり、前記冷熱源(2)が積雪であることを特徴とする請求項1又は2に記載の間接熱交換冷水循環システム。
  5. 前記熱利用空間(3A,3B)が、農水産物又はその加工品の貯蔵室であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の間接熱交換冷水循環システム。
  6. 前記冷熱放出装置(7A,7B)が既設の温水暖房用端末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の間接熱交換冷水循環システム。
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