JP2017217455A - 生理用品 - Google Patents
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Abstract
Description
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
血球凝集剤を含有する血球凝集剤含有領域と、
液膜開裂剤を含有する液膜開裂剤含有領域とが配されている、生理用品を提供するものである。
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C1を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品を提供するものである。
[化合物C1]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である化合物。
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C2を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品を提供するものである。
[化合物C2]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である化合物。
高吸収性ポリマーによる水分の吸収速度や吸収量が、水分の種類によって異なる理由を本発明者が種々検討したところ、以下に述べる事実が判明した。血液は血漿等の液体成分と赤血球等の非液体成分に大別されるところ、高吸収性ポリマーに吸収される成分は血漿等の液体成分である。図2(a)に示すとおり、経血1が高吸収性ポリマー4に接触すると、経血1中の液体成分2のみが高吸収性ポリマー4に吸収され、非液体成分3である赤血球は高吸収性ポリマー4に吸収されない。高吸収性ポリマー4への液体成分2の吸収が進行すると、図2(b)に示すとおり、高吸収性ポリマー4に吸収されない非液体成分3が、高吸収性ポリマー4の表面に蓄積して被膜5を形成する。この被膜5の形成に起因して、高吸収性ポリマー4の液吸収阻害が生じ、吸収速度が低下する。また被膜5の形成に起因して、高吸収性ポリマー4の膨潤阻害も生じ、吸収量が低下する。
本発明で用いられる血球凝集剤は、血液中の赤血球を凝集させ、血球が凝集した凝集塊と血漿成分が分離されるよう作用するものである。
望ましい血球凝集剤としては、例えば以下の性質を有するものが挙げられる。
即ち、擬似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成するものである。
型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、60秒間)を用いて測定した粘度が25℃で8mPa・sになるように脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調整したものである。
血球凝集剤としては、国際公開第2016/093233号に記載のものを任意に用いることができる。
流動電位 = (X+0.190※)×1000
(※ 溶媒の生理食塩水に要した滴定量)
そこで、第4級アンモニウム塩ポリマーのIOB値は、0.6以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、2.1以上であることが更に好ましく、2.2以上であることが一層好ましい。また、カチオン性ポリマーのIOB値は、4.6以下であることが好ましく、3.6以下であることが更に好ましく、3以下であることが一層好ましい。IOB値は、1.8以上3.6以下であることがより好ましく、2.1以上3.6以下であることが更に好ましく、2.2以上3以下であることが一層好ましい。
液膜開裂剤とは、液、例えば、経血等の高粘性の排泄液が不織布に触れて不織布の繊維間ないしは繊維表面に形成される液膜を開裂させたりして、液膜の形成を阻害する剤のことをいい、形成された液膜を開裂させる作用と、液膜の形成を阻害する作用とを有する。前者は主たる作用、後者は従たる作用ということができる。作用液膜の開裂は、液膜開裂剤の、液膜の層の一部を押しのけて不安定化させる作用によりなされる。この液膜開裂剤の作用により、液が不織布の繊維間の狭い領域に留まることなく通過しやすくなる。即ち、液透過性に優れた不織布となる。これにより、不織布を構成する繊維を細くして繊維間距離を狭めても、肌触りの柔らかさと液残り抑制とが両立する。また本発明においては、血球凝集剤の使用によって、高吸収性ポリマーが本来有する吸収性能が安定的に発揮され、液戻りが効果的に抑制される一方で、使用後の生理用品の表面(肌当接面)の色に関しては、未使用時に有していた表面白さが大きく低下し、血液に起因する赤色が強くなる傾向があるところ、血球凝集剤及び液膜開裂剤の併用によって、血球凝集剤に起因する表面白さの低下が液膜開裂剤の作用によって抑制されるため、液戻り量の低減と使用後の表面白さの向上とが両立され得る。
本発明で用いられる液膜開裂剤は、液膜を消失させる性質を有しており、斯かる性質により、血漿成分を主体とする試験液に該液膜開裂剤を適用した場合に液膜消失効果を発現し得る。ここでいう液膜消失効果には、試験液から形成される多数の液膜によって空気が抱え込まれた構造体について、該構造体の液膜形成を阻害する効果と、形成された該構造体を消失させる効果との双方が含まれ、少なくとも一方の効果を発現する剤は、液膜消失効果を発現し得る性質を有していると言える。
液膜開裂剤としては、国際公開第2016/098796号に記載のものを任意に用いることができる。
S=γw−γo−γwo ・・・・・ (1)
γw:液膜(液体)の表面張力
γo:液膜開裂剤の表面張力
γwo:液膜開裂剤の液膜との界面張力
温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で、プレート法(Wilhelmy法)により、白金プレートを使用して測定することができる。その際の測定装置としては、自動表面張力計「CBVP−Z」(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いることができる。白金プレートは、純度99.9%、大きさが横25mm、縦10mmのものを用いる。
なお、前述した「表面張力が50mN/mの液体」は、前記の測定方法を用いて、脱イオン水にノニオン系界面活性物質であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製、商品名レオオールスーパーTW−L120)を加えて、50±1mN/mに調整された溶液である。
液膜の表面張力(γw)の測定と同様に、温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で、プレート法により、同じ装置を使用して測定することができる。この測定に際し、前述のとおり、取得した液膜開裂剤が固体である場合、該液膜開裂剤の融点+5℃まで加熱して液体に相転移させ、その温度条件のまま測定を実施する。
温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で、ペンダントドロップ法により測定できる。その際の測定装置としては、自動界面粘弾性測定装置(TECLIS−ITCONCEPT社製、商品名THE TRACKERや、KRUSS社、商品名DSA25S)を用いることができる。ペンダントドロップ法では、ドロップが形成されると同時に表面張力が50mN/mの液体に含まれたノニオン系界面活性物質の吸着が始まり、時間経過で界面張力が低下していく。そのため、ドロップが形成された時(0秒時)の界面張力を読み取る。また、この測定に際し、前述のとおり、取得した液膜開裂剤が固体である場合、該液膜開裂剤の融点+5℃まで加熱して液体に相転移させ、その温度条件のまま測定を実施する。
また界面張力の測定時に、液膜開裂剤と表面張力が50mN/mの液体の密度差が非常に小さい場合や、粘度が著しく高い場合、界面張力値がペンダントドロップの測定限界以下の場合には、ペンダントドロップ法による界面張力測定が困難になる場合がある。その場合には、温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で、スピニングドロップ法により測定することで、測定が可能となる。その際の測定装置としては、スピニングドロップ界面張力計(KRUSS社製、商品名SITE100)を用いることができる。また、この測定についても、ドロップの形状が安定化した時の界面張力を読み取り、取得した液膜開裂剤が固体である場合には、該液膜開裂剤の融点+5℃まで加熱して液体に相転移させ、その温度条件のまま測定を実施する。
なお、双方の測定装置で界面張力を測定可能な場合は、より小さな界面張力値を測定結果として採用する。
拡張係数は前記式(1)からもわかるように、対象となる液の表面張力により、その数値が変化する。例えば、対象液の表面張力が72mN/m、液膜開裂剤の表面張力が21mN/m、これらの界面張力が0.2mN/mの場合、拡張係数は50.8mN/mとなる。
また、対象液の表面張力が30mN/m、液膜開裂剤の表面張力21mN/m、これらの界面張力が0.2mN/mの場合、拡張係数は8.8mN/mとなる。
いずれの場合においても、拡張係数が大きい剤ほど、液膜開裂効果は大きくなる。
本明細書では、表面張力50mN/mにおける数値を定義したが、表面張力が異なったとしても、その各物質同士の拡張係数の数値の大小関係に変化はないことから、体液の表面張力が仮に、日ごとの体調などで変化したとしても、拡張係数が大きい剤ほど優れた液膜開裂効果を示す。
また、「表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数」は、液膜開裂剤の前記作用をより効果的なものとする観点から、9mN/m以上が好ましく、10mN/m以上がより好ましく、15mN/m以上が更に好ましい。その上限は特に制限されるものではないが、前記式(1)より液膜を形成する液体の表面張力が上限となる観点から、50mN/m以下が実質的である。
また、液膜開裂剤の表面張力及び水溶解度のより好ましい範囲は、第1実施形態と同様である。
この構造において、親水基Y、A、Bを具体的に説明した基から選択して前述の拡張係数、水溶解度、界面張力を満たすことができる。こうして、目的の液膜開裂効果を発現する。
M1は、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、もしくはそれらを組み合わせたポリオキシアルキレン基を有する基や、エリスリトール基、キシリトール基、ソルビトール基、グリセリン基もしくはエチレングリコール基などの複数の水酸基を有する親水基(エリスリトール等の複数の水酸基を有する前記化合物から水素原子を1つ取り除いてなる親水基)、水酸基、カルボン酸基、メルカプト基、アルコキシ基(炭素数1〜20が好ましい。例えばメトキシ基が好ましい。)、アミノ基、アミド基、イミノ基、フェノール基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、スルホベタイン基、ヒドロキシスルホベタイン基、ホスホベタイン基、イミダゾリウムベタイン基、カルボベタイン基、エポキシ基、カルビノール基、(メタ)アクリル基、又はそれらを組み合わせた官能基を示す。なお、M1が多価の基である場合、M1は、前記各基又は官能基から、さらに1つ以上の水素原子を除いた基を示す。
L1は、エーテル基、アミノ基(L1として採りうるアミノ基は、>NRC(RCは水素原子又は一価の基)で表される。)、アミド基、エステル基、カルボニル基、カーボネート基の結合基を示す。
R21、R22、R23、及びR24は、各々独立に、アルキル基(炭素数1〜20が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基が好ましい。)、アルコキシ基(炭素数1〜20が好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。)、アリール基(炭素数6〜20が好ましい。例えばフェニル基が好ましい。)、フルオロアルキル基、もしくはアラルキル基、又はそれらを組み合わせた炭化水素基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子が好ましい。)を示す。なお、R22及びR23が多価の基である場合、前記炭化水素基から、さらに1つ以上の水素原子又はフッ素原子を除いた多価炭化水素基を示す。
また、R22又はR23がM1と結合する場合、R22又はR23として採りうる基は、前記各基、前記炭化水素基又はハロゲン原子の他に、R32として採りうるイミノ基が挙げられる。
その中でも、ポリオキシアルキレン変性シリコーンやエポキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジオール変性シリコーンなど、変性シリコーンである液膜開裂剤が少なくとも一つの酸素原子を変性基中に有する構造を有する変性シリコーンが好ましく、特にポリオキシアルキレン変性シリコーンが好ましい。ポリオキシアルキレン変性シリコーンは、ポリシロキサン鎖を有することで、液膜開裂剤を合成樹脂の繊維に含有させる場合、繊維の内部に浸透し難く表面に残りやすい。また、親水的なポリオキシアルキレン鎖を付加したことにより、水との親和性が高まり、界面張力が低いため、前述した液膜表面上での移動が起きやすく好ましい。そのため、前述した液膜表面上での移動が起きやすく好ましい。また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンは、エンボス等の熱溶融加工が施されても、その部分において繊維の表面に残りやすく液膜開裂効果は低減し難い。特に液が溜まりやすいエンボス部分において液膜開裂効果が十分に発現するので好ましい。
この構造において、親水基Y、A、Bを具体的に説明した基から選択して前述の拡張係数、水溶解度、界面張力を満たすことができる。こうして、目的の液膜開裂効果を発現する。
M2は、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、もしくはそれらを組み合わせたポリオキシアルキレン基を有する基や、エリスリトール基、キシリトール基、ソルビトール基、グリセリン基もしくはエチレングリコール基などの複数の水酸基を有する親水基、水酸基、カルボン酸基、メルカプト基、アルコキシ基(炭素数1〜20が好ましい。例えばメトキシ基が好ましい。)、アミノ基、アミド基、イミノ基、フェノール基、スルホン酸基、4級アンモニウム基、スルホベタイン基、ヒドロキシスルホベタイン基、ホスホベタイン基、イミダゾリウムベタイン基、カルボベタイン基、エポキシ基、カルビノール基、(メタ)アクリル基、又はそれらを組み合わせた官能基を示す。
L2は、エーテル基、アミノ基、アミド基、エステル基、カルボニル基、カーボネート基、又は、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、もしくはそれらを組み合わせたポリオキシアルキレン基、などの結合基を示す。
R41、R42、及びR43は各々独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜20が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基が好ましい。)、アルコキシ基(炭素数1〜20が好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。)、アリール基(炭素数6〜20が好ましい。例えばフェニル基が好ましい。)、フルオロアルキル基、アラルキル基、もしくはそれらを組み合わせた炭化水素基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子が好ましい。)からなる各種置換基を示す。
R42が多価の基である場合、R42は、前記各置換基から、さらに1つ以上の水素原子を除いた基を示す。
なお、それぞれの構造に記載されている結合手の先には、任意に他の構造が連結しても、水素原子が導入されてもよい。
また、前述の拡張係数、表面張力、界面張力及び水溶解度は、それぞれ、ポリエーテル化合物やノニオン界面活性剤において、水溶性のポリオキシエチレン基と水不溶性のポリオキシプロピレン基及びポリオキシブチレン基を併用すること、炭化水素鎖の鎖長を変化させること、炭化水素鎖に分岐鎖を有するものを用いること、炭化水素鎖に二重結合を有するものを用いること、炭化水素鎖にベンゼン環やナフタレン環を有するものを用いること、又は前記を適宜組み合わせること等により、所定の範囲に設定できる。
また、第2実施形態の液膜開裂剤として使用可能な炭化水素化合物としては、カプリル酸、カプリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、及びこれらの混合物などの下記式[VII]で表すような脂肪酸が挙げられる。
上述の通り、本発明の生理用品においては、吸収体と、その肌当接面側に表面シート、吸収体の非肌当接面側に裏面シートを配置することができる。裏面シートは、液不透過性、液難透過性又は撥水性であることができる。表面シートと吸収体との間には、セカンドシートと呼ばれる液透過性のシートを配置することもできる。生理用品が例えば生理用ナプキンである場合、該生理用ナプキンは一般に長手方向及びそれに直交する幅方向を有する縦長形状を有している。生理用ナプキンにおける肌当接面には、長手方向に延びる一対の防漏カフを、幅方向の両側部に配置することができる。防漏カフは、生理用ナプキンの着用者の肌側に対して起立性向を有するものであり、それによって生理用ナプキンの肌当接面に排泄された経血の漏れを阻止するものである。
裏面シートは、液透過性にする場合には、表面シートと同様のものを用いることができる。裏面シートを液不透過性、液難透過性又は撥水性にする場合には、スパンボンド不織布、SMS不織布、透湿性フィルムなどを用いることができ、不織布と透湿性フィルムとの積層体を用いることもできる。
本発明者らは、血球凝集剤を用いつつも、該生理用品に液膜開裂剤を併用することで、使用後の生理用品における表面白さを維持できることを見出した。加えて、後述するように、血球凝集剤のみを使用した場合及び液膜開裂剤のみを使用した場合よりも、これらを併用した場合の方が、著しく液戻り量が低減することを見出した。この現象について、生理用ナプキン10の構成を用いた場合を例にとって説明する。
しかしながら生理用ナプキン10Aは、表面シート20に近い位置に赤血球凝集塊が形成されるため、使用後における肌当接面側からの外観に改善の余地がある。
しかしながら、血球凝集剤を含有している生理用ナプキン10Aの方が、血球凝集剤を含有していない生理用ナプキン10Bに比して、圧力がかかった場合などに、肌当接面側に戻ろうとする血液が、吸収体の肌当接面側に存在する赤血球凝集塊により阻まれ、表層まで戻りにくいため液戻り量が少なく、生理用ナプキン10Bの血液吸収性能に改善の余地がある。
以上の現象により、まず液戻り量に関しては、吸収体40の非肌当接面側で保持された液は、赤血球凝集塊に阻まれて、肌当接面側に移行しにくくなる。加えて、コアラップシート42には液膜が形成されないため、表面シート20に至る液の導通路が形成されにくくなる。以上の相乗効果により、生理用ナプキン10Cの液戻り量は、生理用ナプキン10A及び生理用ナプキン10Bよりも、極めて低減される。
次に、表面白さについては、赤血球凝集塊が吸収体40の厚み方向における中腹で保持されているため、表面シート20側からは透けて見えにくくなる。加えて、吸収体40の肌当接面側の拡散面積が小さいため、生理用ナプキン10Cは生理用ナプキン10Aよりも優れた白さを呈する。
血球凝集剤含有領域を例にとると、例えば前述した生理用ナプキン10C及び10Dのように、血球凝集剤含有領域をコアラップシートに配する場合、血球凝集剤はコアラップシートの一面の全域に連続的に付着させてもよく、あるいはコアラップシートの一面の一部のみに連続的に付着させてもよい。前者の形態は、どのような位置から排泄があっても対応できるという利点を有し、後者の形態は、血球凝集剤の付着に起因するシートの柔軟性の低下を抑制できるという利点を有する。また、血球凝集剤の付着パターンは、このような、血球凝集剤の非付着部の無い連続的な付着パターンに限定されず、血球凝集剤の付着部と非付着部とが混在した非連続的な付着パターンでもよい。非連続的な付着パターンとしては、例えば、1)平面視線状の血球凝集剤の付着部がその長手方向と直交する方向に間欠配置されたストライプ状パターン、2)互いに交差する複数本の平面視線状の血球凝集剤の付着部による格子状パターン、3)平面視円形状などの所定形状をなす血球凝集剤の付着部が散点的に配置されたドット状パターンが挙げられる。前記1)のパターンは、線状の血球凝集剤の付着部の長手方向に沿って排泄液を拡散し得るという利点を有し、例えば、線状の血球凝集剤の付着部の長手方向を生理用品の縦方向(着用者の前後方向)に一致させれば、経血等の排泄液の縦方向への拡散が促進される。前記2)及び3)のパターンは共に、赤血球凝集塊の残存による表面赤さが低減されるという利点を有し、前記2)のパターンについてはさらに、血球凝集剤による作用効果の確実性が向上するという利点も有する。液膜開裂剤含有領域についても、血球凝集剤含有領域と同様の剤付着パターンを採用することができる。
生理用品中における血球凝集剤含有領域の総面積は、広い面積で血液に接触させる観点から、30cm2以上が好ましく、70cm2以上がより好ましく、100cm2以上が更に好ましい。また、生理用品中における血球凝集剤含有領域の総面積は、広ければ広いほどよいが、350cm2以下が現実的である。
生理用品中における液膜開裂剤含有領域の総面積は、広い面積で血液に接触させる観点から、10cm2以上が好ましく、30cm2以上がより好ましく、50cm2以上が更に好ましい。また、生理用ナプキン中における液膜開裂剤含有領域の総面積は、広ければ広いほどよいが、350cm2以下が現実的である。
市販の生理用品から、血球凝集剤及び液膜開裂剤並びに第三成分を分析する方法は、下記の通りである。
まず、分析対象の生理用品に対して、ドライヤー等の加熱機器を用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱めた後、表面シート、吸収体、裏面シートなどの部材に分解する。次に、分解した各部材に対して、非極性溶媒から極性溶媒までの多段階溶媒抽出法を行い、溶媒を乾燥させて、測定対象の混合物を取り出す。取り出した物質の構成物に合わせて適切なカラム及び溶媒を選択した上で、それぞれの成分を高速液体クロマトグラフィで分画し、さらに各画分についてNMR(核磁気共鳴法)、IR(赤外分光法)、MS(質量分析法)、元素分析等を行うことで、各画分の構造を同定する。同時に、各画分の重量を測定する。高分子化合物を含む場合には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)などの手法を併用することで、構成成分の同定を行うことがより容易になる。
得られた構成成分が各測定に供するのに十分な量が無い場合は、その物質が市販品であれば調達、市販品でなければ合成することにより十分な量を取得する。
これにより、得られた構成成分が、カチオン性ポリマーである場合、又は、上述の(凝集塊を形成する性質)を有する物質である場合は血球凝集剤であると判断する。また、得られた構成成分の表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である場合、若しくは、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である場合、又は、上述の(液膜を消失させる性質)を有する物質である場合は液膜開裂剤であると判断する。血球凝集剤及び液膜開裂剤のいずれにも該当しないものを第三成分と判断する。
カチオン性ポリマー(血球凝集剤)の分子量は、東ソー株式会社製のHLC−8320GPCを用いて測定することができる。具体的な測定条件は次のとおりである。
ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体の場合
分離カラム:ガードカラムαと分析カラムα−Mを直列でつないだもの(東ソー株式会社製)
溶離液:水に150mmol/Lの硫酸ナトリウムと1質量%の酢酸を溶解させたもの
溶媒流速:1.0ml/min
注入量:100μL
分離カラム温度:40℃
ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外の場合
分離カラム:ガードカラムαと分析カラムα−Mを直列でつないだもの(東ソー株式会社製)
溶離液:エタノール:水=3:7(体積比)に50mmol/Lの臭化リチウムと1質量%の酢酸を溶解させたもの
溶媒流速:0.6ml/min
注入量:100μL
分離カラム温度:40℃
検出器は、RI(屈折率)を用いる。測定サンプルとしては、溶離液1mLに対して1mgの測定対象のカチオン性ポリマーを溶解させる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、溶離液10mLに対して、分子量5900のプルラン、分子量47300のプルラン、分子量21.2万のプルラン、分子量78.8万のプルラン、各2.5mg溶解させたプルラン混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、溶離液20mLに対して、分子量106のポリエチレングリコール(PEG)、分子量400のPEG、分子量1470のPEG、分子量6450のPEG、分子量5万のポリエチレンオキシド(PEO)、分子量23.5万のPEO、分子量87.5万のPEO、各10mg溶解させたPEG−PEO混合物を、分子量標準として用いる。
分離カラム:GMHHR−H+GMHHR−H(カチオン)
溶離液:LファーミンDM20/CHCl3
溶媒流速:1.0ml/min
分離カラム温度:40℃
本明細書において、「水溶解度」とは、脱イオン水100gに対する血球凝集剤又は液膜開裂剤の溶解可能質量である。また、本明細書において「水溶性」とは、水溶解度が10g以上であるものを言う。
温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で、100gの脱イオン水をスターラーで撹拌しながら、測定対象の化合物を徐々に溶解していき、その溶解程度を目視で観察し、該化合物が溶けなくなった時点、即ち、浮遊、沈殿、析出及び白濁のいずれか1つでも目視確認できた時点での、該化合物の溶解量を水溶解度とする。具体的には、0.0001g毎に剤を添加して測定する。その結果、0.0001gも溶けないと観察されたものは「0.0001g未満」とし、0.0001gは溶けて、0.0002gは溶けなかったと観察されたものは「0.0001g」とする。なお、測定対象の化合物が界面活性剤の場合、「溶解」とは単分散溶解とミセル分散溶解の両方を意味し、浮遊や沈殿、析出、白濁が見られた時点での溶解量が水溶解度となる。
血球凝集剤含有領域及び液膜開裂剤含有領域は、不織布を構成する合成繊維や、吸収体を構成するパルプ繊維や高吸収性ポリマーなどを、予めこれらの剤単体、又は前記剤を含む溶液に浸してから、生理用ナプキンを製造することで形成し得る。この他に、合成繊維を不織布化した後に不織布に対して、又はパルプ繊維を吸収性コアやコアラップシートに成形した後にこれらに対して、これらの単体、又は前記剤を含む溶液を塗布する方法が挙げられる。前記溶液は、例えば血球凝集剤や液膜開裂剤を溶媒で希釈した溶液などが挙げられる(以下、この溶液を剤溶液ともいう。)。なお、液膜開裂剤を含む溶液には、前述したリン酸エステル型のアニオン界面活性剤を混合していてもよい。その場合の液膜開裂剤とリン酸エステル型のアニオン界面活性剤との含有比率は前述のとおりであることが好ましい。前記溶媒としては、これらの剤を、塗工しやすいように溶媒中に適度に溶解又は分散させて乳化させることができるものを特に制限なく用いることができる。例えば、血球凝集剤を溶解させるものとしてエタノール、メタノールなどのアルコール、又は水が挙げられる。液膜開裂剤を溶解させるものとしてエタノール、メタノール、アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒、もしくは乳化液とする場合には当然ながら水も溶媒ないしは分散媒体として用いることができ、乳化させる時に使用する乳化剤としてアルキルリン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキルベタイン、アルキルスルホコハク酸ナトリウムなどを含む各種界面活性剤が挙げられる。血球凝集剤と液膜開裂剤とを同時に溶解させる溶媒としては、水とアルコールの混合溶媒が挙げられる。
<1>
肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
血球凝集剤を含有する血球凝集剤含有領域と、
液膜開裂剤を含有する液膜開裂剤含有領域と
が配されている、生理用品。
<2>
前記血球凝集剤がカチオン性ポリマーである、前記<1>に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である、前記<1>又は<2>に記載の生理用品。
<4>
肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C1を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品。
[化合物C1]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である化合物。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上であり、好ましくは20mN/m以上であり、より好ましくは25mN/m以上であり、更に好ましくは30mN/m以上であり、また、50mN/m以下である、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の生理用品。
<6>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1が、下記の構造X、X−Y、及びY−X−Yからなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有する化合物からなる、前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の生理用品。
構造Xは、>C(A)−〈Cは炭素原子を示す。また、<、>及び−は結合手を示す。以下、同様。〉、−C(A)2−、−C(A)(B)−、>C(A)−C(R1)<、>C(R1)−、−C(R1)(R2)−、−C(R1)2−、>C<及び、−Si(R1)2O−、−Si(R1)(R2)O−のいずれかの基本構造が、繰り返されるか、もしくは2種以上が組み合わされた構造のシロキサン鎖、又はその混合鎖を表す。構造Xの末端には、水素原子、又は、−C(A)3、−C(A)2B、−C(A)(B)2、−C(A)2−C(R1)3、−C(R1)2A、−C(R1)3、また、−OSi(R1)3、−OSi(R1)2(R2)、−Si(R1)3、−Si(R1)2(R2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する。
前記のR1やR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロゲン原子を示す。A、Bは各々独立に、酸素原子又は窒素原子を含む置換基を示す。構造X内にR1、R2、A、Bが各々複数ある場合は、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
Yは、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子から選ばれる原子を含む、親水性を有する親水基を表す。Yが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。
<7>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1が、有機変性シリコーンであり、該有機変性が、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、ジオール変性、カルビノール変性、(メタ)アクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性(ポリオキシアルキレン変性を含む)、メチルスチリル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、若しくは、フッ素変性から選ばれる1又は複数である、前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1が、下記式[I]〜[IV]で表されるポリオキシアルキレン変性シリコーンである、前記<1>〜<6>のいずれか1に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、
前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である、前記<1>又は<2>に記載の生理用品。
<10>
肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C2を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品。
[化合物C2]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である化合物。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C2の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、好ましくは9mN/m以上であり、より好ましくは10mN/m以上であり、更に好ましくは15mN/m以上であり、また、50mN/m以下である、前記<1>、<2>、<9>又は<10>に記載の生理用品。
<12>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C2が、下記の構造Z、Z−Y、及びY−Z−Yからなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有する化合物からなる、前記<1>、<2>、<9>〜<11>のいずれか1に記載の生理用品。
構造Zは、>C(A)−<C:炭素原子>、−C(A)2−、−C(A)(B)−、>C(A)−C(R3)<、>C(R3)−、−C(R3)(R4)−、−C(R3)2−、>C<のいずれかの基本構造が、繰り返されるか、もしくは2種以上が組み合わされた構造の炭化水素鎖を表す。構造Zの末端には、水素原子、又は、−C(A)3、−C(A)2B、−C(A)(B)2、−C(A)2−C(R3)3、−C(R3)2A、−C(R3)3からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する。
前記のR3やR4は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フルオロアルキル基、アラルキル基、もしくはそれらを組み合わせた炭化水素基、又はフッ素原子を示す。A、Bは各々独立に、酸素原子又は窒素原子を含む置換基を示す。
Yは、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子から選ばれる原子を含む、親水性を有する親水基を表す。Yが複数の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C2が、下記式[V]のいずれかで表されるポリオキシアルキレンアルキル(POA)エーテル、又は、下記式[VI]で表される質量平均分子量1000以上のポリオキシアルキレングリコール、ステアレス、ベヘネス、PPGミリスチルエーテル、PPGステアリルエーテル、若しくは、PPGベヘニルエーテルから選ばれる1又は複数である前記<1>、<2>、<9>〜<12>のいずれか1に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C2が、下記式[VII]で表される脂肪酸、下記式[VIII−I]若しくは[VIII−II]で表されるグリセリン脂肪酸エステルやペンタエリスリトール脂肪酸エステル、下記式[IX]、下記式[X]、若しくは下記式[XI]のいずれかで表される、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、若しくはペンタエリスリトール脂肪酸エステルの部分エステル化物、下記式[XII]で表されるステロール、下記式[XIII]で表されるアルコール、下記式[XIV]で表される脂肪酸エステル、又は、下記式[XV]で表されるワックスから選ばれる1又は複数である前記<1>、<2>、<9>〜<12>のいずれか1に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1若しくは前記化合物C2の融点は、好ましくは40℃以下であり、より好ましくは35℃以下であり、また、好ましくは−220℃以上であり、より好ましくは−180℃以上である、前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の生理用品。
<16>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1若しくは前記化合物C2の水溶解度は、0g以上であり、好ましくは1.0×10−9g以上であり、また、0.025g以下であり、好ましくは0.0017g以下であり、より好ましくは、0.0001g未満である、前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の生理用品。
<17>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1若しくは前記化合物C2の、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力は、好ましくは20mN/m以下であり、より好ましくは17mN/m以下であり、更に好ましくは13mN/m以下であり、特に好ましくは10mN/m以下であり、殊更好ましくは9mN/m以下であり、最も好ましくは1mN/m以下であり、また、0mN/mより大きい、前記<1>〜<16>のいずれか1に記載の生理用品。
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1若しくは前記化合物C2の表面張力は、好ましくは32mN/m以下であり、より好ましくは30mN/m以下であり、更に好ましくは25mN/m以下であり、特に好ましくは22mN/m以下であり、また、好ましくは1mN/m以上である、前記<1>〜<17>のいずれか1に記載の生理用品。
<19>
前記液膜開裂剤又は前記化合物C1若しくは前記化合物C2の重量平均分子量は、好ましくは500以上であり、より好ましくは1000以上であり、更に好ましくは1500以上であり、特に好ましくは2000以上であり、また、好ましくは50000以下であり、より好ましくは20000以下であり、更に好ましくは10000以下である、前記<1>〜<18>のいずれか1に記載の生理用品。
<20>
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物である、前記<1>〜<19>のいずれか1に記載の生理用品。
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは2000以上であり、より好ましくは1万以上であり、更に好ましくは3万以上であり、また、好ましくは1000万以下であり、より好ましくは500万以下であり、更に好ましくは300万以下である、前記<1>〜<20>のいずれか1に記載の生理用品。
<22>
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーが、主鎖とそれに結合した側鎖とを有する構造からなり、以下の式1で表される繰り返し単位を有する第4級アンモニウム塩ホモポリマーであるか、又は、以下の式1で表される繰り返し単位と、以下の式2で表される繰り返し単位とを有する第4級アンモニウム塩共重合物であり、前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーの前記主鎖と前記側鎖とが1点で結合しており、該側鎖が第4級アンモニウム部位を有するものである、前記<1>〜<21>のいずれか1に記載の生理用品。
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーが、流動電位が1500μeq/L以上であり、第4級アンモニウム塩ホモポリマー又は第4級アンモニウム塩共重合物からなる水溶性カチオン性ポリマーである、前記<1>〜<22>のいずれか1に記載の生理用品。
<24>
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーの凝集速度が0.75mPa・s/s以下である、前記<1>〜<23>のいずれか1に記載の生理用品。
<25>
前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーは、無機性値と有機性値との比率である無機性値/有機性値の値が0.6以上4.6以下であり、前記血球凝集剤又は前記カチオン性ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物である、前記<1>〜<24>のいずれか1に記載の生理用品。
前記吸収体は高吸収性ポリマーを含んでいる、前記<1>〜<25>のいずれか1に記載の生理用品。
<27>
前記吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとが混合された積繊体を有する、前記<1>〜<26>のいずれか1に記載の生理用品。
<28>
前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域及び前記液膜開裂剤領域若しくは前記化合物含有領域は、前記高吸収性ポリマーよりも肌当接面側に配されている、前記<26>又は<27>に記載の生理用品。
前記血球凝集剤含有領域又は前記カチオン性ポリマー含有領域は、前記表面シートより非肌当接面側に配されている、前記<1>〜<28>のいずれか1に記載の生理用品。
<30>
前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域は、前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域より肌当接面側に配されている、前記<1>〜<29>のいずれか1に記載の生理用品。
<31>
前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域と前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域とが平面方向において重複している、前記<1>〜<30>のいずれか1に記載の生理用品。
<32>
前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域は、前記表面シートに配されている、前記<1>〜<31>のいずれか1に記載の生理用品。
前記吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを有している、前記<1>〜<32>のいずれか1に記載の生理用品。
<34>
前記吸収性コアの肌当接面側に位置する前記コアラップシートに、前記血球凝集剤含有領域又は前記カチオン性ポリマー含有領域が配されている、前記<33>に記載の生理用品。
<35>
前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域及び前記液膜開裂剤領域若しくは前記化合物含有領域の一方又は両方が、前記生理用品の排泄口当接域に配されている、前記<1>〜<34>のいずれか1に記載の生理用品。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。なお、拡張係数、界面張力、表面張力及び水溶解度は、前述のとおり、温度25℃、相対湿度(RH)65%の環境領域で測定したものである。下記実施例における、血球凝集剤の流動電位及びIOB値、並びに、液膜開裂剤の表面張力、水溶解度及び界面張力は、前述の測定方法又は計算方法により行った。また、下記表中における、「−」は、項目名に示される剤を用いないこと、項目に該当する値を有さないこと等を意味する。液膜開裂剤のOPUは不織布全体の繊維質量に対する含有割合である。
図5に示す生理用ナプキン10と同様の構成を有する生理用ナプキンを常法に従って作製した。具体的には、市販の生理用ナプキン(花王株式会社2015年製「ロリエ 肌キレイガード ふつうの日用 羽つき」)からドライヤーを用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱め、分解して取り出した表面シート、裏面シート、吸収体をそれぞれ用いた。この吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの混合積繊体からなる吸収性コアをコアラップシートで包んだものである(以下、吸収体Xともいう)。
吸収体Xの肌当接面側に位置するコアラップシート(肌側コアラップシート)の全体に、血球凝集剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(日本ルーブリゾール株式会社製 マーコート100)(以下、剤Aともいう)を塗布した後、さらに液膜開裂剤として、ポリオキシエチレン(POE)変性ジメチルシリコーン(信越化学工業株式会社製 KF−6015)(以下、剤Gともいう)を塗布した。両剤の具体的な塗布方法は後述する。
こうして肌対向面を形成する肌側コアラップシートの全域に血球凝集剤及び液膜開裂剤が重ねて塗布された吸収体Xの該肌対向面に、表面シートを重ね合わせ、圧力をかけて両者を一体化させ、さらに吸収体Xの非肌対向面に裏面シートを重ね合わせて、実施例1の生理用ナプキンを得た。
実施例1における剤Gの塗布方法は次のとおりである。剤Gを溶媒エタノールに溶解させ液膜開裂剤の有効成分0.06質量%の希釈液を塗工液として作製し、この塗工液を吸収体Xの肌側コアラップシートの肌当接面の全域にスプレーにより塗布し、その後、溶媒を乾燥させた。剤Gは、前記構造X−YにおけるXが−Si(CH3)2O−からなるジメチルシリコーン鎖、Yが−(C2H4O)−からなるPOE鎖からなり、POE鎖の末端基がメチル基(CH3)であり、変性率が20%、ポリオキシエチレン付加モル数が3である。
なお、前記のポリオキシエチレン(POE)変性ジメチルシリコーンの拡張係数及び界面張力を測定する際、「表面張力が50mN/mの液体」は、100gの脱イオン水にノニオン系界面活性物質であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(花王株式会社製、商品名レオオールスーパーTW−L120)をマイクロピペット(ACURA825、Socorex Isba SA社製)で3.75μL添加し、表面張力を50±1mN/mに調整した溶液を用いた。
液膜開裂剤の塗工液を、コアラップシート(吸収体)ではなく、表面シートに塗工した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の生理用ナプキンを得た。
血球凝集剤を下記の剤B〜Fに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3〜7の生理用ナプキンを得た。
・剤B(実施例3):ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(ニットボーメディカル株式会社製、PAS−H−5L)
・剤C(実施例4):ポリメタクリルオキシエチルジメチルアンモニウムジエチル硫酸塩(メタクリル酸ジメチルアミノエチルのジエチル硫酸塩を、溶媒であるエタノールに溶解させ、油溶性のアゾ開始剤である2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)を加えて加熱し重合を行って、水溶性の第4級アンモニウム塩ホモポリマーを得た。)
・剤D(実施例5):ポリメタクリルオキシエチルジメチルアンモニウムジエチル硫酸塩/ジメチルアクリルアミド共重合体(メタクリル酸ジメチルアミノエチルのジエチル硫酸塩とジメチルアクリルアミドを、前者/後者=56:44のモル比で用い、溶媒であるエタノールに溶解させ、油溶性のアゾ開始剤である2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)を加えて加熱し共重合を行って、水溶性の第4級アンモニウム塩共重合物を得た。)
・剤E(実施例6):ポリメタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム硫酸塩(センカ社製)
・剤F(実施例7):ポリメタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチル塩酸塩(メタクリル酸ジメチルアミノエチルの塩化メチル塩を、溶媒であるエタノールに溶解させ、油溶性のアゾ開始剤である2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)を加えて加熱し重合を行って、水溶性の第4級アンモニウム塩ホモポリマーを得た。)
液膜開裂剤を下記の剤H〜Iに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8〜9の生理用ナプキンを得た。
・剤H(実施例8):ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテル(花王株式会社製、消泡剤No.8)
・剤I(実施例9):トリカプリル酸・カプリル酸グリセリン(花王株式会社製、ココナードMT)
市販の生理用ナプキン(花王株式会社2015年製「ロリエスリムガードしっかり昼用羽つき25cm」)からドライヤーを用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱め、分解して取り出した表面シート、裏面シート、吸収体をそれぞれ用いた。この吸収体は、高吸収性ポリマーを2枚のクレープ紙で挟んだシートを5枚積層させた吸収性コアを、コアラップシートで包んだものである(以下、吸収体Yともいう)。以上の点以外は、実施例1と同様にして、実施例10の生理用ナプキンを得た。
液膜開裂剤を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして、参考例1の生理用ナプキンを得た。
血球凝集剤を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして、参考例2の生理用ナプキンを得た。
液膜開裂剤を塗工しなかった以外は、実施例10と同様にして、参考例3の生理用ナプキンを得た。
血球凝集剤を塗工しなかった以外は、実施例10と同様にして、参考例4の生理用ナプキンを得た。
市販の生理用ナプキン(花王株式会社2015年製「ロリエ 肌キレイガード ふつうの日用 羽つき」)そのもの、即ち血球凝集剤及び液膜開裂剤の何れも含有してない生理用ナプキンを比較例1の生理用ナプキンとした。
評価対象の生理用ナプキンを平面状に広げて肌対向面側(表面シート側)が上を向くように水平に載置し、該ナプキンの上に、筒内径22mmφ、筒高さ50mmのアクリル製円筒部が10mmφの注液用開口部上に位置するよう一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該生理用ナプキンの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向領域の中央に位置するように重ねて置き、適当な錘を載せて(注液プレート自身を含む)荷重が5g/m2となるよう調整した。前記擬似血液を10ccの注液ビーカーに3g測り取った。この血液を前記注液プレートの筒内に一気に注ぎ込んだ後、3分放置し、その後再度3gを注ぎ込み、生理用ナプキンをそのまま3分間放置した。その後直ちに、ナプキンにおける血液が注ぎ込まれた部分に、秤量済みの吸収紙(アドバンテック5A、55mmφ)10枚と、重量960gの直方体の錘とを載せて10秒静置し、10秒後の吸収紙重量より、該吸収紙が吸い取った血液の量(g)を算出した。計測は3回行い、その平均値を当該生理用ナプキンの液戻り量とした。液戻り量の値が小さいほど、当該生理用ナプキンが吸収性能に優れることを示す。
前記<液戻り量の評価方法>を行った直後の生理用ナプキンから、表面シート等を取り除き、吸収体の肌当接面側及び非肌当接面側のそれぞれに、OHPシート(コクヨ株式会社 再生OHPフィルム A4サイズ VF−1300N 透明)を重ね、濡れている範囲を写し取った。その後、OHPシートを、スキャナで読み込み、画像ソフト(株式会社日本ローパー製 Image−Pro6.2J)で取り込み、面積を算出した。計測は3回行い、その平均値を各拡散面積とした。
吸収体の非肌当接面側の拡散面積と吸収体の肌当接面側の拡散面積との比(後者/前者)を算出した。この比が1を超える場合、即ち非肌当接面側の拡散面積の方が肌当接面側の拡散面積よりも大きい場合は、血液(前記擬似血液)が吸収体を肌当接面側から非肌当接面側に移行する際に平面方向に拡散したことを意味し、この比が1を超えて大きくなるほど、その拡散が促進されたことを意味する。そして、斯かる血液の拡散が促進されることは、使用後の生理用品の肌当接面側を見た使用者に対して、該肌当接面側に残る血液が非肌当接面側に比して相対的に少ないことから、該生理用品の吸収性能に対する信頼感、安心感を与えることに繋がり、使用後の表面白さの向上にも繋がり得る。つまり、前記比が大きいほど、高評価となる。
前記<液戻り量の評価方法>を行った直後の生理用ナプキンに対し、血液(前記擬似血液)の注入箇所から、表面シート上に色差計(日本電色工業株式会社製SPECTRO PHOTOMETER NF333)をあてて測定した。計測は3回行い、その平均値をL値とした。L値が大きいほど、使用後の表面白さに優れることを示す。
また、表5に示す通り、吸収体を吸収体Xから吸収体Yに変えても、血球凝集剤及び液膜開裂剤の両方を含有している実施例10は、片方のみを含有している参考例3及び参考例4よりも、液戻り量が少なく、L値は大きい値だった。
2 液体成分
3 非液体成分
4 高吸収性ポリマー
5 被膜
6 凝集塊
7 繊維
8 液膜
9 液膜開裂剤
10 生理用ナプキン(生理用品)
20 表面シート
30 裏面シート
40 吸収体
41 吸収性コア
42 コアラップシート
50 エンドシール部
60 防漏溝
70 サイドシート
X 縦方向
Y 横方向
Claims (10)
- 肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
血球凝集剤を含有する血球凝集剤含有領域と、
液膜開裂剤を含有する液膜開裂剤含有領域と
が配されている、生理用品。 - 前記血球凝集剤がカチオン性ポリマーである、請求項1に記載の生理用品。
- 前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である、請求項1又は2に記載の生理用品。
- 肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C1を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品。
[化合物C1]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、15mN/m以上である化合物。 - 前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、
前記液膜開裂剤の、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である、請求項1又は2に記載の生理用品。 - 肌当接面側に位置する表面シート、非肌当接面側に位置する裏面シート、及び、これらに挟まれた吸収体を有する生理用品であって、
前記吸収体又は前記吸収体より肌当接面側に、
カチオン性ポリマーを含有するカチオン性ポリマー含有領域と、
下記の化合物C2を含有する化合物含有領域と
が配されている、生理用品。
[化合物C2]
表面張力が50mN/mの液体に対する拡張係数が、0mN/mよりも大きく、表面張力が50mN/mの液体に対する界面張力が、20mN/m以下である化合物。 - 前記血球凝集剤含有領域又は前記カチオン性ポリマー含有領域は、前記表面シートより非肌当接面側に配されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の生理用品。
- 前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域は、前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域より肌当接面側に配されている、請求項1〜7の何れか1項に記載の生理用品。
- 前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域と前記血球凝集剤含有領域若しくは前記カチオン性ポリマー含有領域とが平面方向において重複している、請求項1〜8の何れか1項に記載の生理用品。
- 前記液膜開裂剤含有領域若しくは前記化合物含有領域は、前記表面シートに配されている、請求項1〜9の何れか1項に記載の生理用品。
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