JP2017222801A - ポリアセタール樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアセタール樹脂組成物を含むポリアセタール樹脂成形品であって、少なくとも一部が、膜厚2〜300μm、好ましくは2〜100μmの紫外線硬化塗料の硬化物であるハードコート層により被覆されている、ポリアセタール樹脂成形品。
【選択図】図1
Description
近年、ポリアセタール樹脂の利用分野が拡大しており、さらに要求性能が高くなっているのが現状である。
前記「耐酸性」を向上させる方法としては、物理的に酸性成分との接触を防ぐように、保護カバー等の部品を追加設置することが解決方法として挙げられるが、この方法は、部品形状、部品構成に対する制約が大きいという問題を有している。
このため、従来から、耐酸性を向上させた耐酸性ポリアセタール樹脂の樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、透明度の高い熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン・テレフタレート(以下、単に「PET」ともいう。)樹脂等は軽量で安価、透明性、耐衝撃性に優れる等の利点を生かして、建築材料や構造材料、眼鏡レンズ等の光学物品に使用されるようになってきたが、これらの熱可塑性樹脂は表面が傷つきやすく、傷ついた際に透明性を損ねてしまうという問題を有しており、かかる問題点を解決する目的で、その表面をコート層で被覆することが一般化しており、特にハードコート膜形成用塗料、ハードコート膜、ハードコート膜で被覆した樹脂組成物に関しては、数多くの技術が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
すなわち、本発明は以下の通りである。
ポリアセタール樹脂組成物を含むポリアセタール樹脂成形品であって、
少なくとも一部が、膜厚2μm以上300μm以下のコート層により被覆されている、
ポリアセタール樹脂成形品。
〔2〕
前記コート層の膜厚が、2μm以上100μm以下である、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂成形品。
〔3〕
前記コート層が紫外線硬化塗料の硬化物である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂成形品。
〔4〕
前記コート層がハードコート膜形成用塗料によるコート層である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアセタール樹脂成形品。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、
ポリアセタール樹脂組成物を含むポリアセタール樹脂成形品であって、
少なくとも一部が、膜厚2μm以上300μm以下のコート層により被覆されている。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、ポリアセタール樹脂組成物を用いた成形品である。
ポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、その他の各種添加剤とを含有する。
前記ポリアセタール樹脂は、ポリアセタールホモポリマー(以下、単に「ホモポリマー」ともいう。)、及びポリアセタールコポリマー(以下、単に「コポリマー」ともいう。)の2種類に大別され、成形品が製品として使用される環境、求められる性能等に応じて、適宜この2種類から選択される。
また、前記ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーを併用してもよい。
ポリアセタール樹脂組成物の流動性は、メルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)の値として、9.0g/10分前後であることが標準的であり好ましい。メルトフローレートの測定方法としては、ISO規格1133条件Dに準拠して測定する方法が挙げられ、特に測定温度190℃、荷重2.16kg条件での測定値が一般的に採用される。
ポリアセタール樹脂組成物は、肉厚が薄い製品や、ゲートから流動末端までの流動長の長い製品、要求される寸法精度が高い製品に用いる場合、流動性の高いポリマー、例えばMFR値が9.0g/10分より高いポリマーを選択することが好ましく、断続的、連続的に荷重がかかる製品に用いられる場合は、高粘度のポリマー、例えばMFR値が9.0g/10分より低いポリマーを選択することが好ましい。
生産性や成形体のウェルド特性をより良好に保持することができる傾向にあることから、ポリアセタール樹脂組成物のMFRは、2.5g/10分以上40g/10分以下に調整することが好ましく、さらには3.0g/10分以上30g/10分以下に調整することがより好ましく、3.5g/10分以上25g/10分以下に調整することがさらに好ましい。
ポリアセタールホモポリマーは、公知のスラリー重合法(例えば、特公昭47−6420号公報や特公昭47−10059号公報参照)により得ることができる。具体的には、原料であるモノマーを、連鎖移動剤の存在下又は非存在下、及び、重合触媒の存在下又は非存在下で重合することにより、末端が安定化されていないポリアセタールホモポリマーである、粗ポリアセタールを得ることができる。
かかるホルムアルデヒドは、特に限定されないが、安定した分子量の樹脂を継続的に得るために、精製され、不純物濃度が低く、安定したホルムアルデヒドガスであることが好ましい。
ホルムアルデヒドの精製方法は、公知の方法(例えば、特公平5−32374号公報、特表2001−521916号公報参照)を用いることができる。
上記不純物としては、重合反応中の重合停止又は連鎖移動作用を有する、水、メタノール、ギ酸等が挙げられ、これらの不純物が過大に存在しないようにすることで、予期せぬ連鎖移動反応により目的の分子量物が得られなくなることを抑制できる傾向にある。不純物である水の含有量は、100質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましい。
また、ブロックポリマーや分岐ポリマーのポリアセタールホモポリマーを得るための連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポリエーテルポリオールアルキレンオキサイドも挙げられる。
これら連鎖移動剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、ポリアセタールホモポリマーの原料であるモノマーと同様に、不純物を極力含まないことが好ましい。不純物としての水の含有量は、2,000質量ppm以下であることが好ましく、1,000質量ppm以下であることがより好ましい。不純物の少ない連鎖移動剤を得る方法としては、例えば、入手した連鎖移動剤の水分含有量が規定値を超えている場合に、乾燥窒素でバブリングした後、活性炭やゼオライト等の吸着剤を用いて不純物を除去し、精製することにより、目的の水の含有量に調整する方法が挙げられる。
[R1R2R3R4M]+X- ・・・(1)
前記式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立してアルキル基を示し、Mは独立電子対を持つ元素を示し、Xは求核性基を示す。
反応器としては、以下に限定されるものではないが、例えば、バッチ式の攪拌機付き反応槽、連続式のコニーダー、二軸スクリュー式連続押し出し混練機、及び二軸パドル型連続混合機等が挙げられる。
反応器としては、反応混合物を加熱、及び冷却できる構造を有する反応器が好ましい。
末端を安定化する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記に示すように、末端をエチル基で封鎖する方法、末端をアセチル基で封鎖する方法、及び末端をエステル基で封鎖する方法が挙げられる。
また、末端をアセチル基で封鎖する方法(アセチル化反応)としては、例えば、米国特許第3,459,709号明細書に記載の大量の酸無水物を用いてスラリー状態で行う方法、及び米国特許第3,172,736号明細書に記載の酸無水物のガスを用いて気相で行う方法が挙げられる。
上記末端をエチル基で封鎖する方法において、用いるエチル化剤としては、例えば、オルトエステルが挙げられる。具体例としては、以下に限定されるものではないが、脂肪族又は芳香族酸と、脂肪族、脂環式族又は芳香族アルコールとのオルトエステル、具体的には、メチル又はエチルオルトホルメート、メチル又はエチルオルトアセテート、メチル又はエチルオルトベンゾエート等のオルトエステル、及び、エチルオルトカーボネート等のオルトカーボネートから選択することができる。
エチル化反応は、p−トルエンスルフォン酸、酢酸、及び臭化水素酸のような中強度有機酸、ジメチル及びジエチルスルフェートのような中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒を、上記エチル化剤1質量部に対して、0.001質量部以上0.02質量部以下導入して行うことが好ましい。
エチル化反応に用いる溶媒としては、特に限定されないが、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の低沸点脂肪族、脂環式族、及び芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族化合物の有機溶媒が好ましい。
R1COOCOR2 ・・・(2)
前記式(2)中、R1及びR2は、各々独立してアルキル基、アリール基を示す。R1及びR2は、同一の構造であっても、異なった構造であってもよい。
前記式(2)で表される有機酸無水物の中でも、無水プロピオン酸、無水安息香酸、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、及び無水フタル酸が好ましく、無水酢酸がより好ましい。
また、有機酸無水物は1種のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
気相でエステル基封鎖を行う方法においては、ホモポリマー中にオニウム塩系重合体触媒が残留していると、末端封鎖する際に、オニウム塩系重合触媒がホモポリマーの分解反応を促進することに起因して、末端安定化工程におけるポリマー収率を著しく低下するとともに、ホモポリマーを着色させる場合があるため、例えば、特開平11−92542号公報に記載の方法によってオニウム塩系重合触媒を除去した後に、末端封鎖を行うことが好ましい。
末端安定化を行ったホモポリマーは、乾燥処理を実施した後、取扱い性を確保するために、押し出し機を用いて、ペレット化することが好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタールコポリマーは、特に限定されないが、オキシメチレン基を主鎖に有し、分子中に炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを有するポリマーであることが好ましい。
ポリアセタールコポリマーを得るための重合工程は、本明細書に記載する方法以外にも、公知の重合方法(例えば、US−A−3027352、US−A−3803094、DE−C−1161421、DE−C−1495228、DE−C−1720358、DE−C−3018898、特開昭58−98322号、特開平7−70267号記載)が挙げられる。
上記重合工程により、ポリアセタールコポリマーの粗ポリマーが得られる。
ポリアセタールコポリマーの主原料でないモノマー(主モノマーよりもコポリマー中の含有量が小さいモノマーであり、以下、「コモノマー」という。)は、特に限定されないが、例えば、分子中に炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを有する環状エチル化合物が挙げられる。その中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−プロパンジオールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカン、及び分子に分岐又は架橋構造を形成しうるモノ−又はジ−グリシジル化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。
これは、水、メタノール、蟻酸は、ポリマー末端基を水酸基に誘導する不純物であるためである。これらの不純物が過大に存在しないようにすることで、予期せぬ連鎖移動反応により所望する分子量物が得られなくなることを抑制できる傾向にある。
所望する低不純物の主原料を得るための方法としては、公知の方法(例えば、主モノマーについては特開平3−123777号公報や特開平7−33761号公報、コモノマーについては特開昭49−62469号公報や特開平5−271217号公報参照)を用いることができる。
連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の低級脂肪族アルキル基であるホルムアルデヒドのジアルキルアセタール(例えば、メチラール)及びそのオリゴマー;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級脂肪族アルコールが好ましい。
長鎖分岐のポリアセタールコポリマーを得るために、連鎖移動剤としては、ポリエーテルポリオールやポリエーテルポリオールアルキレンオキサイドが好ましい。
また、ブロックポリアセタールコポリマーを得るために、少なくとも1個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルコキシ基のいずれかを有する、数平均分子量400以上の重合体を連鎖移動させることも好ましい。
なお、上記連鎖移動剤は、1種のみを単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
これらの連鎖移動剤の中でも、不安定末端の形成が少ないものが好ましい。
ポリアセタールコポリマーの重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ルイス酸、プロトン酸、及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。
ルイス酸としては、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
また、プロトン酸、そのエステルまたは無水物としては、例えば、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、及びトリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
これらの中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
上記重合触媒の使用量は、重合時の反応安定性や、成形体の熱安定性がより向上する傾向にあることから、トリオキサンと環状エチル及び/又は環状ホルマールの合計量1モルに対して、1.0×10-6モル以上1.0×10-3モル以下であることが好ましく、5.0×10-6モル以上1.0×10-4モル以下であることがより好ましい。
ポリアセタールコポリマーの重合工程においては、必要に応じて共触媒を用いてもよい。
この不安定末端部分の分解除去方法としては、特に限定されないが、例えば、ベント付き単軸スクリュー式押出機やベント付き2軸スクリュー式押出機等を用いて、公知の塩基性物質である分解除去剤の存在下に、粗ポリマーを溶融して不安定末端部分を分解除去する方法が挙げられる。
ここで、末端安定化における溶融混練を行うときには、品質や作業環境の保持のために不活性ガスによる置換や一段および多段ベントで脱気をすることが好ましい。
溶融混練の温度は、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下で行うことが好ましい。
さらに、末端安定化工程では、ポリアセタール樹脂に添加することの可能な公知の安定剤を加えながら溶融混合し、造粒を行うことが好ましい。また、この造粒時に、後述するヒンダードアミン系物質を予め添加ながら溶融混練してもよい。
分解除去剤の中で好ましいものは、下記一般式(3)で表される少なくとも一種の第4級アンモニウム化合物であり、上記分解除去剤で安定化させたポリアセタールコポリマー中には、不安定な末端部が残留しにくくなる傾向にある。
[R1R2R3R4N+]nXn- ・・・(3)
前記式(3)中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数6〜20のアラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示す。
当該非置換アルキル基及び置換アルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状である。
上記アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基中のアリールの水素原子は、ハロゲンで置換されてもよい。
nは、1〜3の整数を示す。Xは、水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、水素酸、オキソ酸無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。
また、第4級アンモニウム化合物としては、例えば、アジ化水素等のハロゲン化以外の水素酸塩;硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸等のチオ酸塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸等のカルボン酸塩が挙げられる。これらの中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HSO4 -、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸(B(OH)4 -)、及びカルボン酸の塩が好ましく、当該カルボン酸の中でも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましい。
これら第4級アンモニウム化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
P×14/Q ・・・(A)
前記式(A)中、Pは、第4級アンモニウム化合物のコポリマーに対する濃度(質量ppm)を示し、「14」は、窒素の原子量であり、Qは、第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、成形品の優れた外観を保持することが可能となる傾向にあることから、ヒンダードアミン系物質をさらに含むことが好ましい。
ヒンダードアミン系物質の含有量は、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に含まれるポリアセタール樹脂100質量部に対し、好ましくは0.20質量部以上2.0質量部以下であり、より好ましくは0.25質量部以上1.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.30質量部以上1.2質量部以下である。
このような範囲にすることで、本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、一層、優れた外観を保持することが可能となる傾向にある。
ヒンダードアミン系物質は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ヒンダードアミン系物質は、例えば、下記一般式(4)で表されるピペリジン誘導体の構造を有するものを含むことが好ましい。
R1〜R4は、各々独立に、アルキル基を示す。
この中でも、Xが水素原子を示す、下記一般式(5)で表されるヒンダードアミン系物質がより好ましい。この構造を有することにより、生産時に高い安定性を保持することが可能となる傾向にある。
一般式(5)で表されるヒンダードアミン系物質としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。
また、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレートも挙げられる。
また、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、及びトリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレートも挙げられる。
これらの中で、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートが好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、アミノトリアジン系化合物、グアナミン系化合物、尿素系化合物、及びカルボン酸ヒドラジド系化合物からなる群より選択される1種又は2種以上のホルムアルデヒド抑制剤をさらに含むことが好ましい。
また、ホルムアルデヒド抑制剤の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.005質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
脂環族グアナミン系化合物における官能基置換誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がシクロアルカン残基に1〜3個置換した誘導体が挙げられる。
また、芳香族グアナミン系化合物における官能基置換誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がベンゾグアナミンのフェニル残基又はナフトグアナミンのナフチル残基に1〜5個置換した誘導体が挙げられ、より具体的には、o−、m−又はp−トルグアナミン、o−、m−又はp−キシログアナミン、o−、m−又はp−フェニルベンゾグアナミン、o−、m−又はp−ヒドロキシベンゾグアナミン、4−(4’―ヒドロキシフェニル)ベンゾグアナミン、o−、m−又はp−ニトリルベンゾグアナミン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾグアナミン、及び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾグアナミンが挙げられる。
アセタール基含有グアナミン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4−ジアミノ−6−(3,3−ジメトキシプロピル−s−トリアジンが挙げられ、ジオキサン環含有グアナミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、[2−(4’−6’−ジアミノ−s−トリアジン−2’−イル)エチル]−1,3−ジオキサン、及び[2−(4’−6’−ジアミノ−s−トリアジン−2’−イル)エチル]−4−エチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンが挙げられ、テトラオキソスピロ環含有グアナミン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、CTU−グアナミン、及びCMTU−グアナミンが挙げられ、イソシアヌル環含有グアナミン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3,5−トリス[2−(4’,6’−ジアミノ−s−トリアジン−2’−イル)エチル]イソシアヌレート、及び1,3,5−トリス[3−(4’,6’−ジアミノ−s−トリアジン−2’−イル)エチル]イソシアヌレートが挙げられる。
鎖状尿素系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビウレア、ビウレット、ホルム窒素等の尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、及びポリナノメチレン尿素等のポリアルキレン又はアリーレン尿素が挙げられる。
環状尿素系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン類、クロチリデンジウレア、アセチレン尿素、モノ、ジ、トリ又はテトラメトキシメチレングリコールウリル等のモノ、ジ、トリ又はテトラアルコキシメチルグリコールウリル、シアヌル酸、イソシアヌル酸、尿素、及びウラゾールが挙げられる。
ヒダントイン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン、5−メチルヒダントイン、5−エチルヒダントイン、5−イソプロピルヒダントイン、5−フェニルヒダントイン、5−ベンジルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ペンタメチレンヒダントイン、5−メチル−5−フェニルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン、5−(o−、m−またはp−アミノフェニル)ヒダントイン、アラントイン、5−メチルアラントイン、及びアラントインジヒドロキシアルミニウム塩等のアラントインのAl塩等の金属塩が挙げられる。
脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、12−ヒドロキシステアリン酸ヒドラジド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ヒドラジド等のモノカルボン酸ヒドラジド類;コハク酸モノ又はジヒドラジド、グルタル酸モノ又はジヒドラジド、アジピン酸モノ又はジヒドラジド、ピメリン酸モノ又はジヒドラジド、スベリン酸モノ又はジヒドラジド、アゼライン酸モノ又はジヒドラジド、セバシン酸モノ又はジヒドラジド、ドデカン二酸モノ又はジヒドラジド、ヘキサデカン二酸モノ又はジヒドラジド、エイコサン二酸モノ又はジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類が挙げられる。
脂環族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド等のモノカルボン酸ヒドラジド類;ダイマー酸モノ又はジヒドラジド、トリマー酸モノ、ジ又はトリヒドラジド、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸モノ、ジ又はトリヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド類が挙げられる。
芳香族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、安息香酸ヒドラジド及びその官能基置換誘導体、α−又はβ−ナフトエ酸ヒドラジド及びそれらの官能基置換誘導体等のモノカルボン酸ヒドラジド類;イソフタル酸モノ又はジヒドラジド、1,4−又は2,6−ナフタレンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、3,3−、3,4−又は4,4−ジフェニルカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルエーテルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルメタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルエタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェノキシエタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルスルホンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルケトンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、4,4’’−ターフェニルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、4,4’’’−クォーターフェニルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸モノ、ジ又はトリヒドラジド、ピロメリット酸モノ、ジ、トリ又はテトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸モノ、ジ、トリ又はテトラヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類が挙げられる。
安息香酸ヒドラジド及びその官能基置換誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、o−、m−又はp−メチル安息香酸ヒドラジド、2,4−、3,4−、3,5−又は2,5−ジメチル安息香酸ヒドラジド、o−、m−又はp−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、o−、m−又はp−アセトキシ安息香酸ヒドラジド、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸ヒドラジド、4−アセトキシ−3−フェニル安息香酸ヒドラジド、4−フェニル安息香酸ヒドラジド、4−(4’−フェニル)安息香酸ヒドラジド、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル安息香酸ヒドラジド、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル安息香酸ヒドラジド等のアルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がベンゾグアナミンのフェニル残基に1〜5個置換した誘導体が挙げられる。
α−又はβ−ナフトエ酸ヒドラジド及びそれらの官能基置換誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、ポリアルキレングリコールをさらに含むことが好ましい。その含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ポリアルキレングリコール0.3質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上2.0質量部以下であることがより好ましく、0.7質量部以上1.5質量部以下であることがさらに好ましい。このような範囲にすることにより、生産安定性を高め、靭性をより向上させることができる傾向にある。
前記ポリアルキレングリコールは、コポリマーであっても、二種類以上のポリアルキレングリコールであってもよい。
ポリアルキレングリコールは、経済的にも、取り扱いの上でも、ポリエチレングリコールであることが好ましい。
また、ポリエチレングリコールは、数平均分子量が800以上500000以下であることが好ましく、数平均分子量1000以上20000以下であることがより好ましく、数平均分子量2000以上10000以下であることがさらに好ましい。この範囲にすることにより、靭性や明度をより向上させることができる傾向にある。
なお、ポリエチレングリコールの数平均分子量は、例えば、磁気共鳴分光計を用いて測定することができる。具体的には、下記のようにして測定することができる。まず、測定対象となるポリエチレングリコールを溶媒:HFIP−d2(D化率97%、和光純薬98%assay)に24時間かけて溶解させて、1.5質量%樹脂溶液を調製する。次いで、その樹脂溶液に対して、装置:JEOL−400核磁気共鳴分光計(1H:400MHz)を用い、温度:55℃、積算回数:500回で、オキシエチレン成分及び水酸基の帰属ピークの積分を行い、末端水酸基に対するオキシエチレン成分の量から数平均分子量を求める。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、さらに生産の安定性を向上させるために、ヒドラジド化合物をさらに含むことが好ましい。
ヒドラジド化合物の含有量としては、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.03質量部以上0.25質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上0.20質量部以下であることがより好ましく、0.07質量部以上0.15質量部以下であることがさらに好ましい。
ヒドラジド化合物は、上記ポリアセタール樹脂の造粒時に添加されても、ポリアセタール樹脂組成物の製造時に添加されても、またその両方でもかまわない。
ヒドラジド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(6)で表されるジカルボン酸ジヒドラジドが好ましく、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、及びフタル酸ジヒドラジドが好ましい。
H2NHNOC−R1−CONHNH2 ・・・(6)
前記式(6)中、R1は、炭素数2〜20の炭化水素を示す。
上記ジカルボン酸ジヒドラジドの中でも、好ましいのはセバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、及びアジピン酸ジヒドラジドであり、より好ましいのはセバチン酸ジヒドラジド、及びアジピン酸ジヒドラジドである。
ヒドラジド化合物は、1種のみを単独で含まれていてもよく、二種類以上を併用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、意匠性を高めるために着色剤をさらに含有することができる。
着色剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、光輝材、有機顔料、及び無機顔料、染料などを挙げることができる。
また、着色剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
「コイン状」とは、円盤状、又は盤状とも呼ばれる形状であり、粒子の表面の平滑性が高く、粒子のエッジ部分が滑らかな形状を指すものである。コイン状の金属顔料は、比較的高輝度である成形品を得やすい傾向にある。一方、「フレーク状」とは、コーンフレーク状、又は鱗片状とも呼ばれる形状であり、粒子の表面の円滑性がコイン状のものと比較して低く、粒子のエッジ部分がギザギザ状であるものを指す。
また、金属顔料において、平均粒子径Dに対する平均粒子厚さt(平均形状比:平均粒子厚さt/平均粒子径D]が、好ましくは0.6以下であり、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.2以下である。
金属顔料の形状をこの範囲にすることにより、金属顔料をポリアセタール樹脂と溶融混合する際に良好な分散性が得られ、より少量の添加量で効率よく外観を高めることができる傾向にある。また、ポリアセタール樹脂との混練時に、粒子の破損が生じにくいという理由から、金属顔料は、表面が滑らかで周辺部に亀裂がないものが好ましい。
金属顔料をアセトンで洗浄後に乾燥させ質量w(g)を測り、これを水面に均一に浮かべたときの被覆面積S(cm2)を測定し、WCA(水面拡散被覆面積;S/w)を導出し、下記式(B)に代入して算出する。
平均粒子厚さt(μm)=4000/(S/w) ・・・(B)
また、金属顔料の平均粒子径Dは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される粒子径分布の50%の値(D50)である。
金属顔料の平均粒子径(D50)は、3.0μm以上80μm以下の範囲にあることが好ましく、4.0μm以上50μm以下の範囲にあることがより好ましく、4.0μm以上40μm以下の範囲にあることがさらに好ましい。金属顔料の平均粒子径がこのような範囲にあることにより、さらに造粒時の生産安定性を良好に保ち、ポリアセタール樹脂が本来有する機械的特性である靭性を樹脂組成物が保持することができる傾向にある。
金属顔料の平均粒子厚さtは、特に限定されるものではないが、0.05μm以上1.0μm以下の範囲にあることが好ましく、0.08μm以上0.8μm以下の範囲にあることがより好ましい。このような範囲の平均粒子厚さtを有する金属顔料を用いることにより、ポリアセタール樹脂との混練時に、粒子の破損が生じにくく、強度と靭性の物性バランスを保持し、成形体のウェルド外観を更に良好にすることができる傾向にある。
さらに組み合わせによっては、強度と靭性の物性バランスを向上させることができるため、二種以上の金属顔料を用いてもかまわない。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛華、二酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒等の単純酸化物;カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド等の硫化物;黄鉛、亜鉛黄、クロムバーミリオン等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物;群青等の珪酸塩;カーボンブラック、金属粉等の無機系色剤が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、上記以外のその他の添加物をさらに含有してもよい。
その他の添加物としては、例えば、従来のポリアセタール樹脂に使用されている熱安定剤が挙げられる。
熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒドや蟻酸の捕捉剤等が挙げられる。
熱安定剤は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)である。 また、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N'−ビス−3−(3'5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾ−ル、及びN,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミドが挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の中でも、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、及びテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。
(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物としては、以下に限定されないが、例えば、(1)ジシアンジアミド、(2)アミノ置換トリアジン、及び(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物が挙げられる。
(2)アミノ置換トリアジンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、及びベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)挙げられる。また、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、及びN,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミンも挙げられる。
(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物が挙げられる。
これらの中でも、ジシアンジアミド、メラミン、及びメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物が好ましい。
(1)のポリアミド樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12及びこれらの共重合物が挙げられ、より具体的には、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、及びナイロン6/6−12が挙げられる。
(2)のアクリルアミド及びその誘導体、又はアクリルアミド及びその誘導体と、他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。これらの重合体や共重合体は、特公平6−12259号公報(対応、米国特許5015707号明細書)、特公平5−87096号公報、特公平5−47568号公報、及び特開平3−234729号公報の各公報記載の方法で製造することができる。
紫外線吸収剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、及び2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。
シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、及び2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品に用いるポリアセタール樹脂組成物は、上述したポリアセタール樹脂と、必要に応じて上述したヒンダードアミン系物質、ホルムアルデヒド抑制剤、ポリアルキレングリコール、ヒドラジド化合物、着色剤等、及びその他の添加物を混合することにより製造することができる。
ポリアセタール樹脂組成物は、製造元から製造者への流通の観点から、ペレットと呼ばれる球状又は円筒形状であり、断面形状において1〜数mm程度の直径を有する造粒物(固形物)に加工することが好ましい。
この造粒物は、例えば、プラスチック材料の加工に使用されている溶融混練機を用いることによって製造することができる。
また、ポリアセタール樹脂ペレットを用いる場合は、添着剤を用いて添加物等の分散性を高めてもよい。
添着剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素及びこれらの変性物やこれらの混合物(流動パラフィン、ミネラルオイル等)が挙げられ、加えて、ポリオールの脂肪酸エステルも挙げられる。
この予混練には、一般的に使用されている溶融混練機を用いることができる。
溶融混練機としては、特に限定されないが、例えば、ニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、及び多軸押出機が挙げられる。この予混練のときの加工温度は、特に限定されないが、180〜230℃であることが好ましく、190〜210℃であることがより好ましい。
また、品質や作業環境を保持するためや、粉塵爆発の発生を抑制するためには、ポリアセタール樹脂のペレット、ヒンダードアミン系物質、ホルムアルデヒド抑制剤、ポリアルキレングリコール、ヒドラジド化合物、着色剤等の添加物の単体、又はこれらの混合物を混合するための容器、保管する容器、容器と押し出し機の間の流路、押し出し機のホッパー等を、これらの混合物が溶融する箇所より上流側を不活性ガスにより置換すること、及び/又は、一段又は多段ベントで脱気することが好ましい。
ここでいう乾燥とは、混合前の質量W1(g)の光輝材を80℃で2時間、オーブンにより乾燥して、その乾燥後の質量W2(g)を、関係式[(W1−W2)/W2]が0.0015以下となるように光輝材を調製することであり、0.001以下となるように調製することが好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、上述したポリアセタール樹脂組成物を成形することにより製造することができる。
その成形方法は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂を目的の形状に成形するために用いられる一般的な射出成形法の他、押し出し成形、発泡成形、射出圧縮成形、二色成形、インサート成形、アウトサート成形、ブロー成形、窒素ガスや炭酸ガス等によるガスアシスト成形方法が挙げられる。
これらの成形方法は、1種のみを単独に用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のガスアシスト成形法とは、一般的に、窒素ガスや炭酸ガスを用いた公知の射出成形法であり、より具体的には、特公昭57−14968号公報等に記載のように、樹脂組成物を金型キャビティ内に射出した後に、成形品内部に加圧ガスを注入する方法、特許3819972号公報等に記載のように、樹脂組成物を金型キャビティ内に射出した後に、成形品の片面に対応するキャビティに加圧ガスを注入する方法、及び特許3349070号公報等に記載のように、熱可塑性樹脂に予めガスを充填させ、成形する方法である。
これらのガスアシスト成形法は、成形品、及び製品形状により、適宜選択されるものである。ガスアシスト成形法は、品位や生産安定性、経済性等の観点から、射出成形・射出圧縮成形、及びこれらと金型内複合成形とを組み合わせた成形方法が好ましい。
さらに、本実施形態の成形品の製造方法は、ポリアセタール樹脂組成物とゴムやエラストマーとを含む各種樹脂との接着(超音波接着、高周波接着、熱板接着、熱プレス成形、多層射出成形、多層ブロー成形等の方法は問わない)により、2層以上の成形品とする方法であることで、各種樹脂の優れた性能(耐衝撃性、摺動性、耐薬品性等)を付与し、優れた意匠性を有する外観をもった成形体を得ることができる。
さらに、成形時に一部又は全体にシボの入った金型を用いることも好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、表面がシボ面であることによりアンカー効果が発現することで、ポリアセタール樹脂組成物とコート層の密着力が向上するため好ましい。
図1に、本実施形態のポリアセタール樹脂成形品の一例の概略斜視図を示す。
先ず、図2に示すように、二軸押出機を用いて、調製ポリアセタールコポリマー(成分A)を製造する。
二軸押出機は、前段と後段により構成されており、前段部の前端部において、乾燥ポリアセタール樹脂と、水を供給し、前段部の後端部において、減圧脱気を行う。
後段部の前端部において、所定の添加剤をサイドフィーダーから供給し、目的とする調製ポリアセタールコポリマー(成分A)を得る。
その後、図2に示すように、二軸押出機を用いて、ポリアセタール樹脂組成物を製造する。
二軸押出機は、前段と後段により構成されており、前段部のホッパーにおいて、上述した調製ポリアセタールコポリマー(成分A)、予めペレットと混合した添加剤成分(成分B)、及びその他の添加剤を供給し、前段部の後端部において、減圧脱気を行う。
後段部の前端部において、添加剤成分(成分C)をサイドフィーダーから供給し、目的とするポリアセタール樹脂組成物を得る。
ここで添加剤成分とは、熱安定剤等の添加剤のほか、フィラー、顔料などの着色材などを指すものであり、さらにサイドフィーダーからは添加剤成分のほか、調整ポリアセタールコポリマーのペレットを供給することも可能である。
このポリアセタール樹脂組成物を用いて、上述した成形方法により成形することにより、本実施形態のポリアセタール樹脂成形品が得られる。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、当該成形品の少なくとも一部が、膜厚2μm以上300μm以下のコート層により被覆されている。
コート層は、耐酸性を有するものとし、硬化前においてポリアセタール樹脂成形品と親和性が高いこと、硬化後の密着性が必要十分であること、アンチブロッキング性に優れたコート剤により形成されたものであることが好ましい。
なお、ここで「耐酸性」とは、濃度35%の塩酸に1時間接触した後に、ベース材であるポリアセタール樹脂組成物による成形品にダメージを与えることがないことを意味する。
また、耐酸性以外に要求される機能や必要に応じて、帯電防止、紫外線または赤外線不透過、はっ水、防汚などの機能が付与されたコート層であることが好ましい。
さらに、本実施形態のポリアセタール樹脂成形品を構成するコート層は、ポリアセタール樹脂成形品全体を覆うものに限定されず、ポリアセタール樹脂成形品の用途に応じて必要な部分のみ、例えば表層全体や、表層の一部を覆うものであってもよい。
例えば、コート層の材料として光硬化性の組成物が用いられている場合には、塗膜にエネルギー線を照射して光硬化させることができる。光硬化に用いるエネルギー線は、塗膜が硬化すればよく、特に限定されず、例えば、紫外線、遠赤外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線を用いることができる。これらのエネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手が容易である観点から、紫外線(以下、単に「UV」ともいう。)照射による硬化が好ましく、コート層がUV硬化塗料の硬化物であることが好ましい。
UVによる硬化する樹脂は、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアリーレンエーテル系樹脂、ポリシクロヘキサン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、シアネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を挙げることができる。これらは1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
透明性と耐磨耗性に優れるコート層を形成するためには、コート層の材料として、コロイダルシリカが添加されたアクリルシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
また、コート層の材料としてUV硬化系の樹脂を用いる場合には、それぞれの樹脂に応じて適宜、光開始剤(硬化開始剤)を添加してもよい。光開始剤は樹脂に対して1〜10質量%程度添加させればよい。この際、使用する光開始剤は、特に限定されるものではない。また、UVを照射する前の工程として、コート剤が含有している溶剤成分を乾燥させる処理を実施することが好ましい。
一方、コート層を形成する材料として脱水縮合により硬化する樹脂を用いる場合、当該樹脂としては、特に限定されるものではないが、常温で液体である有機シロキサン化合物、シリコーン系溶剤が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂などによる有機樹脂変性シリコーン樹脂や、ヒドロキシ末端ジメチルシロキサン処理シリカなどを含有するシリコーン系溶剤であることが好ましく、また、これらの硬化を促進する目的で、リン酸系、チタン系、アルミ系、アミン系、亜鉛系、鉄系などの硬化触媒を必要に応じて混合させることも可能である。
脱水縮合により硬化する樹脂においては、室温環境下で硬化する樹脂もあるが、生産工程の観点からは高温環境における熱処理により比較的短時間で硬化する樹脂が好ましい。例えば、80℃温度環境下、2時間程度の熱処理条件で硬化する樹脂が好ましい。
これらのコート層の材料であるシリコーン系樹脂としては、多官能樹脂と低官能樹脂(1官能〜4官能の樹脂)を適宜混合した樹脂を用いることで、耐磨耗性と耐候性を両立させることができるため好ましい。この場合に、樹脂組成物中の樹脂成分の平均官能基数が、2官能〜4官能と比較的低官能になるように多官能樹脂と低官能樹脂を混合させて用いることが好ましい。樹脂の平均官能基を上記範囲にすることにより、長期間屋外で使用することによるコート層の割れを防ぐことができる。
コート層を形成するためのコート液を塗工する方法としては、限定されるものではないが、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法等、通常のウェットコート法を用いることができる。
要求される部品の形状を考慮すると、フローコート法、ディップコート法、スプレーコート法が好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、該ポリアセタール樹脂成形品の少なくとも一部が、膜厚2μm以上300μm以下のコート層により被覆されている。
コート層の膜厚は耐酸性能力保持の観点から2μm以上とし、硬化時間の観点から300μm以下とする。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品がコート層を有することにより、該ポリアセタール樹脂成形品に耐酸性を付与することができる。
また、コート層の厚さは2μm以上100μm以下であることが好ましく、2μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
コート層の厚さが薄いことにより、より小さなエネルギーで硬化させることができ、硬化に要する時間も短時間で完了するため、好ましい。
コート層の厚さを測定する方法は限定されるものではないが、例えば、(株)キーエンス社製マイクロスコープ・VHX−1000、5000シリーズ等に、VH−ZST等のレンズを接続し、コート層を含むポリアセタール樹脂成形品の断面を画像解析することにより得ることができる。
コート層の厚さを調整する方法は限定されるものではないが、例えば、コート液の粘度を有機溶剤等により調整する方法や、バーコート法では用いるバーコーターの番手、ディップコート法ではディップ後の引き抜き速度、スピンコート法ではスピン処理時間、スプレーコート法ではコート液をスプレーする処理時間などにより適宜、調整することが可能である。
ここで、ハードコート膜とは、ベース材の表層に形成されたコート膜であり、ベース材と同等以上の鉛筆硬度を有するコート膜である。
ハードコート膜形成用塗料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアリーレンエーテル系樹脂、ポリシクロヘキサン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、シアネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を含む塗料が挙げられる。
ハードコート膜は、ハードコート膜形成用塗料を成形品表面に塗工した後、UV硬化させることにより得ることが一般的である。
本実施形態のポリアセタール樹脂成形品は、耐酸性を要求される機構部品、摺動部品、意匠部品、容器等に用いることができ、かつこれらを組み合わせた部品にも好適に用いることができる。
具体的なポリアセタール樹脂成形品としては、例えば、OA機器、音楽、映像若しくは情報機器、又は通信機器に用いられる部品、オフィス家具又は住設機器に用いられる工業部品、及び自動車内外装用に用いられる部品のいずれかの部品が好ましいものとして挙げられる。
また、自動車機能部品である燃料タンクとその周辺装置、ワイパー駆動装置、窓昇降装置、クリップ、筐体類の他、自動車内外装部品であるインナーハンドル、シフトノブ、ステアリング及びホイール、レバー類、スイッチ類、ボタン類及びその他、耐酸性が必要とされる機能部品、並びに装飾部品への利用も好適である。
さらに、外観特性が求められる部品によっては、成形時に一部又は全体にシボの入った金型を用いて、意匠性を付与する場合があるため、シボの入った金型による成形品であることも好ましい。
なお、実施例及び比較例中の原材料の入手方法は以下の通りである。
基材としては、旭化成(株)社製 ポリアセタールコポリマー樹脂「テナックTM(登録商標)−C4520(市販品)」を、東芝機械(株)社製「EC75S」射出成形機と、長さ120mm、幅80mm、厚さ2mmの平板形状の試験片を作製できる射出成形用金型を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度80℃の成形温度条件で、平板形状の試験片を製造した。
実施例及び比較例で使用したコート液a、b、c、d、eの詳細を下記に示す。
コート液a:大日精化工業(株)社製 ハードコート液「APC−100A」
コート液b:東レ・ダウコーニング(株)社製 シリコン・ディスパージョン「PRX 308 ディスパージョン・クリアー」
コート液c:信越化学工業(株)社製・室温硬化型 有機樹脂変性シリコーンレジン「ES−1002T」を50質量部、同社製・アミン系触媒「KP−390」を5質量部、関東化学(株)社製(試薬)キシレンを10質量部、関東化学(株)社製(試薬)ジアセトンアルコールを15質量部、関東化学(株)社製(試薬)メチルエチルケトンを20質量部(合計100質量部)の割合で混合したもの。
コート液d:旭化成(株)社製ポリカーボネートジオール「デュラノールT5650J」と、関東化学(株)社製(試薬)酢酸ブチルを、質量比ポリカーボネートジオール:酢酸ブチル=37.5:62.5の割合で混合した混合液100質量部に、同社製ヘキサメチレンイソシアネート「TKA−100」を19.4質量部混合したもの。
コート液e:旭化成(株)社製ポリカーボネートジオール「デュラノールT4671」と、関東化学(株)社製(試薬)酢酸ブチルを、質量比ポリカーボネートジオール:酢酸ブチル=37.5:62.5の割合で混合した混合液100質量部に、同社製ヘキサメチレンイソシアネート「TPA−100」を14.3質量部混合したもの。
平板状の試験片をコート液中にディップすることにより、コート液を塗工した。
コート液aは、コート液をディップコートした後、80℃に設定した乾燥機内で約2分間の乾燥処理を行った後、UVを照射することにより、そのコート層を硬化させた。この時のUV照度(積算光量)は約600〜700mJ/cm2であった。
コート液b、cは、コート液をディップコートした後、80℃に設定した乾燥機内で2時間の乾燥処理を行うことにより脱水縮合させ、そのコート層を硬化させた。
コート液d、eは、ポリアセタール樹脂よりなる試験片の表層との親和性が低く、ディップコート法では均一なコート被膜を形成することができなかったためこれ以降の評価は実施しなかった。
(株)キーエンス社製マイクロスコープ・VHX−5000とレンズ・VH−ZSTとの組み合わせにより、コート層を含むポリアセタール樹脂成形品の断面を画像解析することにより、コート層の厚さを測定した。
コート層を有するポリアセタール樹脂成形品のコート層上からポリアセタール樹脂による基材まで到達するように、カッターによる切り込みを入れ、カッター痕を形成した。
その際、カッター痕を中心としたにコート層の剥離が認められない場合は「○」、カッター痕の周辺にわずかにコート層の剥離が認められる場合には「△」、コート層の剥離が認められる場合には「×」とした。
ドラフト内で水平に置いた試験片(平板成形品)の上面に、35%塩酸をスポイトにより3mL滴下して放置した。
1時間経過後に平板上の塩酸を流水にて洗い流し、乾燥後、塩酸による腐食痕の有無を確認し、腐食痕が認められない場合は「○」、わずかに認められる場合には「△」、腐食痕が認められる場合には「×」とした。
実施例1〜4は、コート層の厚さが2μmから300μmであり、コート層とポリアセタール樹脂との密着性が良好であり、耐酸性に優れていた。
Claims (4)
- ポリアセタール樹脂組成物を含むポリアセタール樹脂成形品であって、
少なくとも一部が、膜厚2μm以上300μm以下のコート層により被覆されている、
ポリアセタール樹脂成形品。 - 前記コート層の膜厚が、2μm以上100μm以下である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂成形品。
- 前記コート層が紫外線硬化塗料の硬化物である、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂成形品。
- 前記コート層がハードコート膜形成用塗料によるコート層である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂成形品。
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