JP2017222940A - 非塗工紙型の転写用紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】課題は、パルプ、填料および尿素燐酸エステル化澱粉を含有する、昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される非塗工紙型の転写用紙によって達成される。
【選択図】なし
Description
例えば、水性インクの吸収性に優れて滲みなどのない鮮明な記録画像を得ることができ、昇華転写の際の転写対象物へのインク転写効率にも優れた昇華転写用シートとして、シート状基材と、前記シート状基材の片面又は両面に設けられるインク受理層とを包含し、インク受理層には顔料とバインダーとカチオン性樹脂とが含まれ、前記バインダーとしては、デンプン、デンプン誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールの何れか1種又はそれら2種以上の混合物が使用されることを特徴とする昇華転写用シートが公知である(例えば、特許文献3参照)。
また、昇華型捺染インクを用いたインクジェット印刷において優れたインク吸収・乾燥性を有しており作業性が良好であるとともに、転写紙表面での画像再現性、加熱転写時の耐熱性、転写後の被転写物表面での画像再現性や転写効率の点でも良好な特性を有する昇華型インクジェット捺染転写紙として、基材上に昇華型捺染インク受容層を有し、前記昇華型捺染インク受容層は、水溶性樹脂と微細粒子を含有し、前記微細粒子として、合成非晶質シリカを含有し、前記昇華型インクジェット捺染転写紙の昇華型捺染インク受容層側における超音波透過強度の相対値における最小値のピークを、測定時間3秒以内に有する昇華型インクジェット捺染転写紙が公知である(例えば、特許文献4参照)。
転写用紙は、被印刷物に形成された図柄の画質が劣化しないよう鮮鋭な画像を有する転写紙になるために昇華型染料インクに対する受容性を向上する必要がある。さらに、転写紙は、鮮鋭な画像を有する転写紙から、被印刷物に形成される図柄の画質を劣化させない必要がある。
一方、転写紙は、昇華型染料インクに対する転写用紙の受容性が向上すると、被印刷物に図柄を形成する転写時において昇華型染料インクの転写が不十分となる場合がある。その結果、被印刷物では発色の低下が起こる。
また、効率よく染料を転写紙から被印刷物に転写するために、転写用紙は、昇華型染料インクを用紙深部まで浸透させずに受容する必要がある。すなわち、転写用紙は「裏抜け抑制性」を求められる。「裏抜け」とは、転写用紙に印刷された画像の昇華型染料インクが、用紙深部まで浸透する現象である。
(1)被印刷物において画質の劣化が抑制できること(耐画像劣化性)
(2)被印刷物において発色の低下が抑制できること(発色性)
(3)転写紙と被印刷物とが上手く密着すること(密着性)
(4)転写紙において裏抜けが抑制できること(裏抜け抑制性)
[1]パルプ、填料および尿素燐酸エステル化澱粉を含有する、昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される非塗工紙型の転写用紙。
本発明において、「転写用紙」とは、転写する図柄が印刷される前の白紙状態にある用紙をいう。「転写紙」とは、転写用紙に対して転写する図柄が印刷された状態にある用紙をいう。また、本発明において、「非塗工紙型」とは、転写用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、区別できる明確な塗工層を有しない用紙を指す。さらに本発明において、例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が紙に吸収されて転写用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、区別できる明確な塗工層を有しない場合、非塗工紙型に含める。
(A)パルプ、填料および尿素燐酸エステル化澱粉を含有する紙料を抄造する方法。
(B)パルプおよび填料を含有する紙料を抄造し、得られる抄造紙に、サイズプレス等の従来公知の塗工装置によって尿素燐酸エステル化澱粉を付与する方法。
前記(A)または(B)の紙料には、必要に応じて尿素燐酸エステル化澱粉以外の接着剤、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、紙力増強剤等の製紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。
抄造は、紙料を酸性、中性またはアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機に用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
前記(A)において、抄造後、カレンダー処理やサイズプレス処理を施してよい。
前記(B)において、抄造して得られた抄造紙は、尿素燐酸エステル化澱粉を付与する前後にカレンダー処理を施してよい。尿素燐酸エステル化澱粉を抄造紙に付与する塗工液には、サイズ剤等を含有してよい。
非塗工紙型の転写用紙中の尿素燐酸エステル化澱粉の含有量は、上記(A)の場合は0.5g/m2以上4g/m2以下が好ましく、上記(B)の場合は片面あたり0.25g/m2以上2g/m2以下が好ましい。
転写用紙に図柄を印刷する各種印刷方法は、従来公知の印刷方法であって、特に限定されない。印刷方法は、例えば、グラビア印刷方式、インクジェット印刷方式、電子写真印刷方式およびスクリーン印刷方式などを挙げることができる。中でも、画質の高精細化および装置の小型化の点でインクジェット印刷方式が好ましい。
(実施例1)
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、尿素燐酸エステル化澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量85g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、尿素燐酸エステル化澱粉6質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量85g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり0.25g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量82.5g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.0g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量84g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量85g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり2.0g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量86g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料としてカオリンクレー20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量85g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム12質量部およびカオリンクレー8質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2およびジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物を片面あたり1.0g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量85g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、尿素燐酸エステル化澱粉6質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、尿素燐酸エステル化澱粉6質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物1.6質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物1.6質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、尿素燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、酸化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
濾水度380mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム20質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.1質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面に、燐酸エステル化澱粉を片面あたり1.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量83g/m2の非塗工紙型の転写用紙を作製した。
以上により得られた各転写用紙に、昇華型染料インクを使用したインクジェットプリンター(JV2−130II、ミマキエンジニアリング社製)を用いて、昇華型染料インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)による評価用図柄を印刷し、転写紙を得た。
上記のように得られた転写紙において、転写紙の裏面からの画像視認性の程度および得られた被印刷物の画質の点から、裏抜け抑制性を下記の基準により官能評価した。本発明において、転写用紙は、評価がAまたはBであれば、裏抜け抑制性に優れるものとする。
A:裏抜けがほとんど認められず、捺染された画像が良好である。
B:裏抜けがわずかに認められるが、捺染された画像に実用上問題無い。
C:裏抜けが認められ、捺染された画像に実用上問題となる。
被印刷物としてポリエステル布を用いた。得られた転写紙とポリエステル布とを密着させ、熱転写用プレス機(手動ワイドスインガーModel221、INSTA社製)を用いて200℃、1分間加熱し、染料をポリエステル布へ転写し、その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
図柄が形成されたポリエステル布に対して、図柄の鮮鋭性の点から、耐画像劣化性を下記の基準により画質を官能評価した。本発明において、転写用紙は、評価がAまたはBであれば耐画像劣化性が良好であるものとする。
A:良好なレベル。
B:画質の劣化が殆ど認められず、概ね良好なレベル。
C:画質の劣化が認められるが、実用上問題の無いレベル。
D:実用上不可になる画像の劣化が認められるレベル。
被印刷物において、昇華型染料インク3色(シアン、マゼンタ、イエロー)のベタ画像部を光学濃度計(X−rite530、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて色濃度を測定し、3色の色濃度値を合計した。発色性を下記の基準により判断した。本発明において、転写用紙は、評価がAまたはBであれば発色性が良好であるものとする。
A:合計の値が4.7以上
B:合計の値が4.4以上4.7未満
C:合計の値が4.4未満
被印刷物として巻き物のポリエステル布を用いた。得られたロール紙状の転写紙とポリエステル布とを密着させ、加熱および加圧機(190℃、0.5MPa、2.5m/min、ローラー型)を用いて、染料をポリエステル布へ転写し、その後転写紙をポリエステル布から剥離して、図柄が形成されたポリエステル布を得た。
図柄が形成されたポリエステル布に対して、ベタ画像部分における色ムラの発生度合いの点から、密着性を下記の基準により官能評価した。本発明において、転写用紙は、評価AまたはBであれば密着性に優れるものとする。
A:色ムラが認められず、良好。
B:色ムラが僅かで、概ね良好。
C:色ムラが認められるが、実用上問題の無い程度。
D:色ムラが認められ、実用上問題となる。
主に、実施例5、実施例7および実施例8の対比から、填料の60質量%以上が炭酸カルシウムであると、発色性および密着性において好ましいと分かる。
主に、実施例2と実施例9と実施例11との対比、および実施例5と実施例10と実施例12との対比から、非塗工紙型の転写用紙が脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有すると、耐画像劣化性および裏抜け抑制性において好ましいと分かる。
Claims (3)
- パルプ、填料および尿素燐酸エステル化澱粉を含有する、昇華型染料インクを用いる転写捺染法に使用される非塗工紙型の転写用紙。
- 前記填料が炭酸カルシウムである請求項1に記載の非塗工紙型の転写用紙。
- 非塗工紙型の転写用紙が、脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を含有する請求項1または2に記載の非塗工紙型の転写用紙。
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