JP2017226629A - ヘテロアセン誘導体、有機半導体層、及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents

ヘテロアセン誘導体、有機半導体層、及び有機薄膜トランジスタ Download PDF

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真人 宮下
渡辺 真人
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Seiji Hachiya
斉士 蜂谷
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Abstract

【課題】 高いキャリア移動度、高溶解性、及び高耐酸化性を併せ持つ塗布型の有機半導体材料である新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタを提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体。【化1】(ここで、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜22のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基を示す。R1〜R6の隣り合う2つは互いに縮合して置換ベンゼン、置換チオフェンを形成しても良い。T1及びT2は、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を示す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体材料等の電子材料への展開が可能な新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタに関するものであり、特に溶解性、耐酸化性に優れることから様々なデバイス作成プロセスに適用可能な新規なヘテロアセン誘導体、これを用いた有機半導体層及び有機薄膜トランジスタに関するものである。
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト及びフレキシブルといった無機半導体デバイスにはない特徴を有することから近年注目されている。この有機半導体デバイスは、有機半導体層、基板、絶縁層、電極等の数種類の材料から構成され、中でも電荷のキャリア移動を担う有機半導体層は該デバイスの中心的な役割を有している。
有機半導体層を作製する方法としては、高温真空下、有機材料を気化させて実施する真空蒸着法、有機材料を適当な溶媒に溶解させその溶液を塗布する塗布法等の方法が一般的に知られている。このうち、塗布法においては、高温高真空条件を用いることなく印刷技術を用いても実施することができるため、デバイス作製の大幅な製造コストの削減を図ることが期待でき、経済的に好ましいプロセスである。
このような塗布法に使用される有機半導体材料は、印刷プロセスへの適応の観点から、高い溶解性を持つことが好ましい。さらに、大気中で安定に動作させるため耐酸化性を持つことが好ましい。
低分子系の半導体は、高分子系の半導体と比べて結晶性が高いため高キャリア移動度を発現しやすいことが知られている。しかし、高キャリア移動度に加えて、高溶解性及び高耐酸化性を兼ね合わせた低分子系の有機半導体材料は殆ど知られていないのが現状である。
現在、低分子系材料としてペンタセンが広く知られている。ペンタセンは高いキャリア移動度を有することが知られているが、溶液状態ではきわめて空気酸化されやすい等耐酸化性に課題を有する。
耐酸化性を有する低分子系材料として、ジアルキル置換ジナフトチエノチオフェン(例えば、特許文献1参照。)、2,7−ジヘキシルジチエノベンゾジチオフェン(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)等が提案されている。
しかし、特許文献1に記載されたジアルキル置換ジナフトチエノチオフェンの場合は、60℃のトルエンに対する溶解度が0.1wt%以下であり、溶解性に課題を有する。また、特許文献2及び特許文献3に提案のジヘキシルジチエノベンゾジチオフェンは、ドロップキャスト法により0.1cm/V・sの移動度を示すが、室温でのトルエンに対する溶解度は1wt%程度であり、更に高い溶解性が求められる。
特許第5477978号 特表2011/526588号公報 特開2012/209329号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高キャリア移動度で高溶解性及び高耐酸化性を併せ持つ新規な塗布型の有機半導体材料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、新規なヘテロアセン誘導体が、高キャリア移動度を与えると共に、高溶解性及び高耐酸化性を併せ持つことを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されることを特徴とするヘテロアセン誘導体、その製造方法、有機半導体層、及びそれを用いてなる有機薄膜トランジスタに関するものである。
Figure 2017226629
(ここで、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜22のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基を示す。R〜Rの隣り合う2つは互いに縮合して置換ベンゼン、置換チオフェンを形成しても良い。T及びT2は、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子を示す。)
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体は上記一般式(1)で示される誘導体であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜22のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基を示す。R〜Rの隣り合う2つは互いに縮合して置換ベンゼン、置換チオフェンを形成しても良い。
〜Rにおけるハロゲンとしては特に制限がなく、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等が挙げられ、安定性が高いことから臭素、フッ素が好ましい。
〜Rにおける炭素数1〜20のアルキル基としては特に制限がなく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘプチル基、3−エチルデシル基、2−ヘキシルデシル基等の直鎖又は分岐アルキル基等が挙げられる。そして、その中でも特に高キャリア移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となることから、炭素数3〜14のアルキル基が好ましく、炭素数3〜10のアルキル基がさらに好ましく、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基であることが特に好ましい。
〜Rにおける炭素数1〜20のアシル基としては特に制限がなく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、2−エチルヘキサノイル基、3−エチルヘプタノイル基、3−エチルデカノイル基等の直鎖又は分岐アシル基等が挙げられる。そして、その中でも特に高キャリア移動度及び高溶解性を示すヘテロアセン誘導体となることから、炭素数3〜14のアシル基が好ましく、炭素数3〜10のアシル基がさらに好ましく、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基であることが特に好ましい。
〜Rにおける炭素数4〜22のアリール基としては特に制限がなく、例えば、フェニル基;p−トリル基、p−(n−ヘキシル)フェニル基、p−(n−オクチル)フェニル基、p−(2−エチルヘキシル)フェニル基等のアルキル置換フェニル基;2−フリル基;2−チエニル基;5−フルオロ−2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、5−エチル−2−フリル基、5−(n−プロピル)−2−フリル基、5−(n−ブチル)−2−フリル基、5−(n−ペンチル)−2−フリル基、5−(n−ヘキシル)−2−フリル基、5−(n−オクチル)−2−フリル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−フリル基、5−フルオロ−2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、5−エチル−2−チエニル基、5−(n−プロピル)−2−チエニル基、5−(n−ブチル)−2−チエニル基、5−(n−ペンチル)−2−チエニル基、5−(n−ヘキシル)−2−チエニル基、5−(n−オクチル)−2−チエニル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−チエニル基等のアルキル置換カルコゲノフェン基を挙げることができる。
〜Rにおける炭素数2〜20のアルケニル基としては特に制限がなく、例えば、エテニル基、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基、n−ヘプテニル基、n−オクテニル基、n−ノネル基、n−デセニル基、n−ドデセニル基、n−テトラデセニル基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数2〜20のアルキニル基としては特に制限がなく、例えば、エチニル基、n−プロピニル基、n−ブチニル基、n−ペンチニル基、n−ヘキシニル基、n−ヘプチニル基、n−オクチニル基、n−ノニニル基、n−デシニル基、n−ドデシニル基、n−テトラデシニル基等が挙げられる。
〜Rの隣り合う2つが互いに縮合する際の組み合わせとしては特に制限がなく、RとR、RとR、RとR等が挙げられる。
〜Rの隣り合う2つが互いに縮合して置換ベンゼン環、置換チオフェン環が形成される場合、形成される該置換ベンゼン環、該置換チオフェン環における該置換基としては、例えば、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素等のハロゲン;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘプチル基、3−エチルデシル基等の直鎖又は分岐アルキル基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、2−エチルヘキサノイル基、3−エチルヘプタノイル基、3−エチルデカノイル基等の直鎖又は分岐アシル基;フェニル基;p−トリル基、p−(n−ヘキシル)フェニル基、p−(n−オクチル)フェニル基、p−(2−エチルヘキシル)フェニル基等のアルキル置換フェニル基;2−フリル基;2−チエニル基;5−フルオロ−2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、5−エチル−2−フリル基、5−(n−プロピル)−2−フリル基、5−(n−ブチル)−2−フリル基、5−(n−ペンチル)−2−フリル基、5−(n−ヘキシル)−2−フリル基、5−(n−オクチル)−2−フリル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−フリル基、5−フルオロ−2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基、5−エチル−2−チエニル基、5−(n−プロピル)−2−チエニル基、5−(n−ブチル)−2−チエニル基、5−(n−ペンチル)−2−チエニル基、5−(n−ヘキシル)−2−チエニル基、5−(n−オクチル)−2−チエニル基、5−(2−エチルヘキシル)−2−チエニル基等のアルキル置換カルコゲノフェン基、エテニル基、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基、n−ヘプテニル基、n−オクテニル基、n−ノネル基、n−デセニル基、n−ドデセニル基、n−テトラデセニル基等のアルケニル基;エチニル基、n−プロピニル基、n−ブチニル基、n−ペンチニル基、n−ヘキシニル基、n−ヘプチニル基、n−オクチニル基、n−ノニニル基、n−デシニル基、n−ドデシニル基、n−テトラデシニル基等のアルキニル基が挙げられる。
形成される置換ベンゼンとしては、例えば、2−ブロモベンゼン、2−クロロベンゼン、2−フルオロベンゼン、2−ヨードベンゼン、2−メチルベンゼン、2−エチルベンゼン、2−n−プロピルベンゼン、2−n−ブチルベンゼン、2−n−ペンチルベンゼン、2−n−ヘキシルベンゼン、2−n−へプチルベンゼン、2−n−オクチルベンゼン、2−n−ノニルベンゼン、2−n−デシルベンゼン、2−n−ドデシルベンゼン、2−n−テトラデシルベンゼン、3−ブロモベンゼン、3−クロロベンゼン、3−フルオロベンゼン、3−ヨードベンゼン、3−メチルベンゼン、3−エチルベンゼン、3−n−プロピルベンゼン、3−n−ブチルベンゼン、3−n−ペンチルベンゼン、3−n−ヘキシルベンゼン、3−n−へプチルベンゼン、3−n−オクチルベンゼン、3−n−ノニルベンゼン、3−n−デシルベンゼン、3−n−ドデシルベンゼン、3−n−テトラデシルベンゼン、2−ホルミルベンゼン、2−アセチルベンゼン、2−プロピオニルベンゼン、2−ブチリルベンゼン、2−イソブチリルベンゼン、2−バレリルベンゼン、2−ヘキサノイルベンゼン、2−ヘプタノイルベンゼン、2−オクタノイルベンゼン、2−ノナノイルベンゼン、2−デカノイルベンゼン、2−ドデカノイルベンゼン、3−ホルミルベンゼン、3−アセチルベンゼン、3−プロピオニルベンゼン、3−ブチリルベンゼン、3−イソブチリルベンゼン、3−バレリルベンゼン、3−ヘキサノイルベンゼン、3−ヘプタノイルベンゼン、3−オクタノイルベンゼン、3−ノナノイルベンゼン、3−デカノイルベンゼン、3−ドデカノイルベンゼン、2−フェニルベンゼン、2−(p−(n−ヘキシル)フェニル)ベンゼン、2−(p−(n−オクチル)フェニル)ベンゼン、2−(2−フリル)ベンゼン、2−(2−チエニル)ベンゼン、3−フェニルベンゼン、3−(p−(n−ヘキシル)フェニル)ベンゼン、3−(p−(n−オクチル)フェニル)ベンゼン、3−(2−フリル)ベンゼン、3−(2−チエニル)ベンゼン、2−エテニルベンゼン、2−プロペニルベンゼン、2−n−ブテニルベンゼン、2−n−ペンテニルベンゼン、2−n−ヘキセニルベンゼン、2−n−ヘプテニルベンゼン、2−n−オクテニルベンゼン、2−n−ノネルベンゼン、2−n−デセニルベンゼン、2−n−ドデセニルベンゼン、3−n−エテニルベンゼン、3−n−プロペニルベンゼン、3−n−ブテニルベンゼン、3−n−ペンテニルベンゼン、3−n−ヘキセニルベンゼン、3−n−ヘプテニルベンゼン、3−n−オクテニルベンゼン、3−n−ノネルベンゼン、3−n−デセニルベンゼン、3−n−ドデセニルベンゼン、2−エチニルベンゼン、2−プロピニルベンゼン、2−n−ブチニルベンゼン、2−n−ペンチニルベンゼン、2−n−ヘキシニルベンゼン、2−n−ヘプチニルベンゼン、2−n−オクチニルベンゼン、2−n−ノニニルベンゼン、2−n−デシニルベンゼン、2−n−ドデシニルベンゼンなどが挙げられる。
形成される置換チオフェンとしては、例えば、2−ブロモチオフェン、2−クロロチオフェン、2−フルオロチオフェン、2−ヨードチオフェン、2−メチルチオフェン、2−エチルチオフェン、2−n−プロピルチオフェン、2−n−ブチルチオフェン、2−n−ペンチルチオフェン、2−n−ヘキシルチオフェン、2−n−へプチルチオフェン、2−n−オクチルチオフェン、2−n−ノニルチオフェン、2−n−デシルチオフェン、2−n−ドデシルチオフェン、2−n−テトラデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−n−プロピルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−へプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−n−テトラデシルチオフェン、2−ホルミルチオフェン、2−アセチルチオフェン、2−プロピオニルチオフェン、2−ブチリルチオフェン、2−イソブチリルチオフェン、2−バレリルチオフェン、2−ヘキサノイルチオフェン、2−ヘプタノイルチオフェン、2−オクタノイルチオフェン、2−ノナノイルチオフェン、2−デカノイルチオフェン、2−ドデカノイルチオフェン、3−ホルミルチオフェン、3−アセチルチオフェン、3−プロピオニルチオフェン、3−ブチリルチオフェン、3−イソブチリルチオフェン、3−バレリルチオフェン、3−ヘキサノイルチオフェン、3−ヘプタノイルチオフェン、3−オクタノイルチオフェン、3−ノナノイルチオフェン、3−デカノイルチオフェン、3−ドデカノイルチオフェン、2−フェニルチオフェン、2−(p−(n−ヘキシル)フェニル)チオフェン、2−(p−(n−オクチル)フェニル)チオフェン、2−(2−フリル)チオフェン、2−(2−チエニル)チオフェン、3−フェニルチオフェン、3−(p−(n−ヘキシル)フェニル)チオフェン、3−(p−(n−オクチル)フェニル)チオフェン、3−(2−フリル)チオフェン、3−(2−チエニル)チオフェン、2−エテニルチオフェン、2−プロペニルチオフェン、2−n−ブテニルチオフェン、2−n−ペンテニルチオフェン、2−n−ヘキセニルチオフェン、2−n−ヘプテニルチオフェン、2−n−オクテニルチオフェン、2−n−ノネルチオフェン、2−n−デセニルチオフェン、2−n−ドデセニルチオフェン、3−n−エテニルチオフェン、3−n−プロペニルチオフェン、3−n−ブテニルチオフェン、3−n−ペンテニルチオフェン、3−n−ヘキセニルチオフェン、3−n−ヘプテニルチオフェン、3−n−オクテニルチオフェン、3−n−ノネルチオフェン、3−n−デセニルチオフェン、3−n−ドデセニルチオフェン、2−エチニルチオフェン、2−プロピニルチオフェン、2−n−ブチニルチオフェン、2−n−ペンチニルチオフェン、2−n−ヘキシニルチオフェン、2−n−ヘプチニルチオフェン、2−n−オクチニルチオフェン、2−n−ノニニルチオフェン、2−n−デシニルチオフェン、2−n−ドデシニルチオフェンなどが挙げられる。
〜Rとしては、高キャリア移動度のため、R及びRがそれぞれ独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜22のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基からなる群から選ばれ、かつR〜Rが水素である場合が好ましく、より高キャリア移動度のため、R及びRがそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基からなる群から選ばれ、かつR〜Rが水素である場合がさらに好ましく、R及びRがそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基であり、かつR〜Rが水素である場合が特に好ましい。
本発明の上記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体のT及びT2は、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子を示す。そして、本発明では、炭素原子と比べ電気陰性度の高い硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子が縮合環骨格中に導入されていることで、HOMOレベルが低下し、耐酸化性が向上しているものである。本発明において、高キャリア移動度の観点から、T2が硫黄である場合が好ましく、T及びT2がともに硫黄であることがさらに好ましい。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体の具体的例示としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 2017226629
Figure 2017226629
Figure 2017226629
Figure 2017226629
Figure 2017226629
Figure 2017226629
なお、一般式(1)で示される具体的なヘテロアセン誘導体としては、高耐熱性、高キャリア移動度、高溶解性及び高耐酸化性のため、R及びRが炭素数4〜9のアルキル基、R〜Rが水素、並びにT及びTが硫黄であるヘテロアセン誘導体(化合物2〜化合物7)が好ましい。
本発明で用いられるヘテロアセン誘導体の製造方法としては、該ヘテロアセン誘導体を製造することが可能であれば如何なる製造方法を用いることも可能である。
例えば、R及びRが水素又は炭素数1〜20のアルキル基、R〜Rが水素であるヘテロアセン誘導体を製造する場合、下記(A)〜(D)の工程を経る製造方法により、ヘテロアセン誘導体を製造することができる。
(A)工程;パラジウム触媒の存在下、2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,3−ジフルオロベンゼンにより1,4−ジ(2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−)−2,3−ジフルオロベンゼンを製造する工程。
(B)工程;カルコゲン化アルカリ金属塩の存在下、(A)工程により得られた1,4−ジ(2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−)−2,3−ジフルオロベンゼンの分子内環化により無置換ヘテロアセンを製造する工程。
(C)工程;(B)工程により得られた無置換ヘテロアセンと塩化アシル化合物とのフリーデルクラフツアシル化反応により、ジアシルヘテロアセンを製造する工程。
(D)工程;(C)工程により得られたジアシルヘテロアセンを還元反応に供し、ヘテロアセン誘導体を製造する工程。
そして、反応工程数が少ないことから好ましいより具体的な製造方法を以下の反応スキームに示す。
Figure 2017226629
(ここで、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基を示し、Rは、水素または炭素数1〜19のアルキル基を示す。T及びTは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を示す。置換基X及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンを示す。)
ここで、該反応スキームにおける(A)工程は、パラジウム触媒の存在下、2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,3−ジフルオロベンゼンのクロスカップリングにより1,4−ジ(2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−)−2,3−ジフルオロベンゼンを製造する工程である。
2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−亜鉛誘導体は、例えば、イソプロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロライド等の有機金属試薬を用い、2,3−ジハロカルコゲノフェンの3位のハロゲンをマグネシウムハライドに交換後(グリニャール試薬の調製)、塩化亜鉛と金属交換することで調製することができる。ここで、2,3−ジハロカルコゲノフェンとしては、例えば、3−ブロモ−2−クロロチオフェン、3−ブロモ−2−クロロセレノフェン、3−ブロモ−2−クロロフラン、2−クロロ−3−ヨードチオフェン、2−クロロ−3−ヨードセレノフェン、2−クロロ−3−ヨードフラン、2−ブロモ−3−ヨードチオフェン、2−ブロモ−3−ヨードチオフェン、2−ブロモ−3−ヨードチオフェンフラン等が挙げられる。また、該有機金属試薬の代わりにマグネシウム金属を用い、2,3−ジハロカルコゲノフェンのグリニャール試薬を調製することも可能である。
2,3−ジハロカルコゲノフェンのグリニャール試薬を調製する条件としては、例えば、テトラヒドロフラン(以後、THFと記す。)又はジエチルエーテル等の溶媒中、−80℃〜50℃の温度範囲内で実施することができる。該グリニャール試薬の溶液に塩化亜鉛を反応させることで2−ハロカルコゲノフェニル−3−亜鉛誘導体を調製することができる。塩化亜鉛はそのままの状態でもよいし、THFまたはジエチルエーテル溶液であってもかまわない。該グリニャール試薬と塩化亜鉛との反応の温度としては、例えば、−80℃〜30℃の範囲内で実施できる。
2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−亜鉛誘導体のハロゲンとしては、例えば、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等を挙げることができる。2−ハロカルコゲノフェニル−3−亜鉛誘導体は、具体的には、例えば、2−クロロチエニル−3−亜鉛誘導体、2−ブロモチエニル−3−亜鉛誘導体、2−ヨードチエニル−3−亜鉛誘導体、2−フルオロチエニル−3−亜鉛誘導体、2−クロロセレノフェニル−3−亜鉛誘導体、2−ブロモセレノフェニル−3−亜鉛誘導体、2−ヨードセレノフェニル−3−亜鉛誘導体、2−フルオロセレノフェニル−3−亜鉛誘導体等を挙げることができ、その中でも、特に反応効率に優れることから2−クロロチエニル−3−亜鉛誘導体、2−ブロモチエニル−3−亜鉛誘導体であることが好ましい。
パラジウム触媒としては特に制限がなく、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム等を挙げることができ、このときの反応温度としては、20℃〜80℃の範囲内で実施することができる。
該反応スキームにおける(B)工程は、カルコゲン化アルカリ金属塩の存在下、(A)工程により得られた1,4−ジ(2−ハロカルコゲノフェン−3−イル−)−2,3−ジフルオロベンゼンの分子内環化により無置換ヘテロアセンを製造する工程である。
該カルコゲン化アルカリ金属塩としては、例えば、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化リチウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、セレン化ナトリウム、セレン化カリウム、セレン化リチウム、セレン化ルビジウム、セレン化セシウム及びその水和物等を挙げることができ、該分子内環化反応は、例えば、N−メチルピロリドン(以後、NMPと記す。)、N,N−ジメチルホルムアミド(以後、DMFと記す。)等の溶媒中、80℃〜200℃の温度範囲で行うことができる。
本工程で使用されるカルコゲン化アルカリ金属塩は、市販品及び公知の方法で調製したものを用いることができる。例えば、セレン化ナトリウムは、セレンをエタノール中水素化ホウ素ナトリウムで還元して得られたものをそのまま使用することができる。
該反応スキームにおける(C)工程は、触媒として塩化アルミニウムの存在下、(B)工程により得られた無置換ヘテロアセンと塩化アシル化合物とのフリーデルクラフツアシル化反応により、ジアシルヘテロアセンを製造する工程である。
該塩化アシル化合物としては、例えば、塩化ホルミル、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化イソブチリル、塩化バレロイル、塩化ヘキサノイル、塩化ヘプタノイル、塩化オクタノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化ノニノイル、塩化デカノイル、塩化ドデカノイル、塩化テトラデカノイル等を挙げることができる。該フリーデルクラフツアシル化反応は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン等の溶媒中、0℃〜40℃の温度範囲で行うことができる。
また該反応スキームにおける(D)工程は、(C)工程により得られたジアシルヘテロアセンを還元反応に供し、ヘテロアセン誘導体を製造する工程である。
ジアシルヘテロアセンの還元反応は、例えば、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム/塩化アルミニウム、又は水素化リチウムアルミニウム/塩化アルミニウムを用い、THF、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、又はメチルターシャリーブチルエーテルの溶媒中、−10℃〜80℃の温度範囲で行うことができる。また、例えば、還元剤としてヒドラジンを用い、ジエチレングルコール、エチレングリコール又はトリエチレングリコール中、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム存在下、80℃〜250℃の温度範囲で行うこともできる。
製造したヘテロアセン誘導体は、カラムクロマトグラフィー等に供することにより精製することができ、その際の分離剤としては、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。
製造したヘテロアセン誘導体は、活性炭、ゼオライト、活性白土等に供することにより溶液中で脱色精製することができ、その際の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。
また、製造したヘテロアセン誘導体は、さらに再結晶により精製してもよく、再結晶の回数を増やすことで純度を向上させることができる。再結晶の回数としては、高純度、高収率の観点から好ましくは2〜5回である。再結晶に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができ、これらの任意の割合の混合物であってもよい。
再結晶法では、加熱によりヘテロアセン誘導体の溶液を調製し(その際の溶液の濃度は、不純物を効率よく除去するため、0.01〜10.0重量%の範囲が好ましく、0.05〜5.0重量%の範囲がさらに好ましい。)、該溶液を冷却することでヘテロアセン誘導体の結晶を析出させ単離するが、単離する際の最終的な冷却温度は、純度及び回収率向上のため、−20℃〜40℃の範囲にあることが好ましい。なお、純度を測定する際には液体クロマトグラフィーにより分析することが可能である。
本発明のヘテロアセン誘導体は、適当な溶媒に溶解させることで有機半導体層形成用溶液とすることができる。該溶媒としては、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶解することが可能な溶媒であれば如何なる溶媒を使用してもよく、有機半導体層を形成する際、溶媒の乾燥速度を好適なものとすることができることから、常圧での沸点が100℃以上である有機溶媒が好ましい。
本発明で用いることが可能な溶媒としては、例えば、トルエン、メシチレン、o−キシレン、イソプロピルベンゼン、ペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、インダン等の芳香族炭化水素類;アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2−エチレンジオキシベンゼン等の芳香族エーテル類;クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化合物;シクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、デカリン等の飽和炭化水素類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコール類;酢酸フェニル、シクロヘキサノールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類などを挙げられることができ、その中でも適度な乾燥速度を持つことから、好ましくはトルエン、o−キシレン、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン、インダン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2−エチレンジオキシベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンであり、さらに好ましくは、トルエン、o−キシレン、メシチレン、テトラリン、インダン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、2,6−ジメチルアニソールである。
なお、本発明で用いる溶媒は、1種類の溶媒を単独で使用、または沸点、極性、溶解度パラメーターなど性質の異なる溶媒を2種類以上混合して使用することが可能である。
一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶媒に混合溶解する際の温度としては、溶解を促進させる目的のため、0〜80℃の温度範囲で行うことが好ましく、10〜60℃の温度範囲で行うことが更に好ましい。
また、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を有機溶媒に溶解混合する時間は、均一溶液を得るため、1分〜1時間で溶解することが好ましい。
本発明では本発明に係る有機半導体層形成用溶液における一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の濃度が0.1〜10.0重量%の範囲であると、取り扱い容易になり、有機半導体層を形成する際の効率により優れるものとなる。また、有機半導体層形成用溶液の粘度が0.3〜10mPa・sの範囲であると、より好適な塗工性を発現するものとなる。
なお該溶液は、該ヘテロアセン誘導体自体が適度の凝集性を有することから比較的に低温で調製することが可能、且つ耐酸化性があることから、塗布法による有機薄膜の製造に好適に適用できる。即ち、雰囲気から空気を除く必要がないことから塗布工程を簡略化することができる。さらに該溶液は、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルナフタレン、エチレン−ノルボルネンコポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート等のポリマーをバインダーとして存在させることもできる。これらのポリマーバインダーの濃度は、適度な溶液の粘度のため、0.1〜10.0重量%であることが好ましい。
本発明に係る有機半導体層形成用溶液を用いて有機半導体層を形成する際の塗布方法としては、有機半導体層を形成可能な方法であれば特に制限はなく、例えば、スピンコート、ドロップキャスト、ディップコート、キャストコート等の簡易塗工法;ディスペンサー、インクジェット、スリットコート、ブレードコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の印刷法を挙げることができ、中でも容易に効率よく有機半導体層とすることが可能となることから、スピンコート、ドロップキャスト、インクジェット印刷、フレキソ印刷であることが好ましい。
本発明に係る有機半導体層形成用溶液を塗布後、溶媒を乾燥除去することにより有機半導体層を形成することが可能である。
塗布した有機半導体層から溶媒を乾燥除去する際、乾燥する条件に特に制限はなく、例えば、常圧下、又は減圧下で溶媒の乾燥除去を行うことが可能である。
塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去する温度に特に制限はないが、効率よく塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去することができ、有機半導体層を形成することが可能であるため、10〜150℃の温度範囲で行うことが好ましい。
塗布した有機半導体層から有機溶媒を乾燥除去する際、除去する有機溶媒の気化速度を調節することで、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の結晶成長を制御することが可能である。
本発明に係る有機半導体層形成用溶液により形成される有機半導体層の膜厚に制限はなく、良好なキャリア移動が得られることから、1nm〜1μmの範囲であることが好ましく、10nm〜300nmの範囲であることが更に好ましい。
また、得られる有機半導体層は、有機半導体層を形成後、40〜180℃でアニール処理を行ってもよい。
本発明に係る有機半導体層形成用溶液より形成される有機半導体層は、有機半導体デバイス、特に有機薄膜トランジスタの有機半導体層として使用することが可能である。
有機薄膜トランジスタは、基板上に、ソース電極及びドレイン電極を付設した有機半導体層とゲート電極とを絶縁層を介し積層することにより得ることができ、該有機半導体層に本発明の有機半導体層形成用溶液により形成した有機半導体層を用いることにより、優れた半導体・電気特性を発現する有機薄膜トランジスタとすることが可能である。
図1に一般的な有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す。ここで、(A)は、ボトムゲート−トップコンタクト型、(B)は、ボトムゲート−ボトムコンタクト型、(C)は、トップゲート−トップコンタクト型、(D)は、トップゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタであり、1は有機半導体層、2は基板、3はゲート電極、4はゲート絶縁層、5はソース電極、6はドレイン電極を示し、本発明の有機半導体層形成用溶液より形成される有機半導体層は、いずれの有機薄膜トランジスタにも適用することが可能である。
本発明に係る基板としては特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、フッ素化環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリ(ジイソプロピルマレエート)、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、セルローストリアセテート等のプラスチック基板;ガラス、石英、酸化アルミニウム、シリコン、ハイドープシリコン、酸化シリコン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物等の無機材料基板;金、銅、クロム、チタン、アルミニウム等の金属基板等を挙げることができる。なお、ハイドープシリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることができる。
本発明に係るゲート電極としては特に制限はなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ハイドープシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物、クロム、チタン、タンタル、グラフェン、カーボンナノチューブ等の無機材料;ドープされた導電性高分子(例えばPEDOT−PSS)等の有機材料を挙げることができる。
また、上記の無機材料は、金属のナノ粒子インクとしても差し支えなく使用することができる。金属ナノ粒子インクとして用いる場合の溶媒は、適度の分散性のため、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の極性溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の炭素数6〜14の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、オクチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、インダン、アニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール等の炭素数7〜14の芳香族炭化水素溶媒であることが好ましい。該ナノ粒子インクを塗布後、導電性向上のため、80℃〜200℃の温度範囲でアニール処理することが好ましい。
本発明に係るゲート絶縁層としては特に制限はなく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス等の無機材料;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマレート)、ポリ(ジエチルフマレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリけい皮酸エチル、ポリけい皮酸メチル、ポリクロトン酸エチル、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン−コ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタン、ポリシクロヘキサン、ポリシクロヘキサン−エチレン共重合体、ポリフッ素化シクロペンタン、ポリフッ素化シクロヘキサン、ポリフッ素化シクロヘキサン−エチレン共重合体、パリレンC(商標)、ポリイミド樹脂、BCB樹脂(商品名:サイクロテン、ダウ・ケミカル社製)、Cytop(商標)、Teflon(商標)等のポリマー絶縁材料を挙げることができ、製法が簡便であることから、塗布法が適用できるポリマー絶縁材料(ポリマーゲート絶縁層)であることが好ましい。
該ポリマー絶縁材料を溶解させるに用いる溶媒としては特に制限がなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の炭素数6〜14の脂肪族炭化水素溶媒;THF、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノールアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶媒;DMF、NMP等のアミド系溶媒;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒;パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、2−(ペンタフルオロエチル)ヘキサン、3−(ペンタフルオロエチル)ヘプタン等のフッ素化溶媒等が挙げられる。
該ポリマー絶縁材料の濃度は、例えば、20〜40℃の温度において0.1〜10.0重量%である。当該濃度において得られる絶縁層の膜厚に制限はなく、耐絶縁性の観点から、好ましくは100nm〜1μm、さらに好ましくは150nm〜900nmである。
そして、これらのゲート絶縁層の表面は、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、β−フェネチルトリクロロシラン、β−フェネチルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン等のシラン類;オクタデシルホスホン酸、デシルホスホン酸、オクチルホスホン酸等のホスホン酸類、ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン類で修飾処理したものであっても使用することができる。一般的にゲート絶縁層の表面処理を行うことにより、有機半導体材料の結晶粒径の増大及び分子配向の向上のため、キャリア移動度、電流オン・オフ比の向上、及び閾値電圧の低下という好ましい結果が得られる。
本発明に係る有機薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の材料としては特に制限がなく、ゲート電極と同様の材料を用いることができ、ゲート電極の材料と同じであっても異なっていてもよく、異種材料を積層してもよい。また、キャリアの注入効率を上げるために、これらの電極材料に表面処理を実施することもできる。表面処理に用いる表明処理剤としては、例えば、ベンゼンチオール、ペンタフルオロベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール等を挙げることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、速い動作性のため、キャリア移動度が、0.1cm/V・s以上であることが好ましい。また、高いスイッチ特性のため、電流オン・オフ比が、1.0×10以上であることが好ましい。
本発明の有機半導体材料は、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ(RFIDタグ)、圧力センサー、バイオセンサー等のトランジスタの有機半導体層用途;有機ELディスプレイ材料;有機半導体レーザー材料;有機薄膜太陽電池材料;フォトニック結晶材料等の電子材料に利用することができ、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体が結晶性の薄膜となるため、有機薄膜トランジスタの半導体層用途として用いられることが好ましい。
本発明の新規なヘテロアセン誘導体は、高いキャリア移動度を与えると共に高耐熱性、高耐酸化性及び高溶解性を持っていることから、塗布で優れた半導体特性を発現する有機薄膜トランジスタを提供することが可能となり、その効果は極めて高いものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
生成物の同定にはH NMRスペクトル、ガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GCMS)分析を用いた。
H NMRスペクトル分析>
装置;日本電子製、(商品名)Delta V5(400MHz)
<ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析>
装置;パーキンエルマー製、(商品名)オートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m。
MSイオン化;電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)
反応の進行の確認等はガスクロマトグラフィー(GC)及び液体クロマトグラフィー(LC)分析を用いた。
<ガスクロマトグラフィー分析>
装置;島津製作所製、(商品名)GC14B
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m
ヘテロアセン誘導体の純度測定は液体クロマトグラフィー分析を用いた。
<液体クロマトグラフィー分析>
装置;東ソー製(コントローラー;PX−8020、ポンプ;CCPM−II、デガッサー;SD−8022)
カラム;東ソー製、(商品名)ODS−100V、5μm、4.6mm×250mm
カラム温度;30℃
溶離液;ジクロロメタン:アセトニトリル=7:3(容積比)
流速;1.0ml/分
検出器;UV(東ソー製、(商品名)UV−8020、波長;254nm)。
合成例1 1,4−ジ(2−クロロチエニル−3−)−2,3−ジフルオロベンゼンの合成)((A)工程)
窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に、3−ブロモ−2−クロロチオフェン(東京化成)7.08g(35.9mmol)及びTHF(脱水グレード)70mlを添加した。この溶液を0℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムクロライド(シグマ−アルドリッチ、2.0M)のTHF溶液18.5ml(37.0mmol)を滴下した。この混合物を0℃で1時間熟成した(グリニャール試薬の調製)。一方、窒素雰囲気下、別の500mlシュレンク反応容器に、塩化亜鉛(和光純薬工業)5.90g(43.2mmol)及びTHF(脱水グレード)60mlを添加し、0℃に冷却した。この得られた白色微スラリー溶液へ、先に調製した3−ブロモ−2−クロロチオフェンのグリニャール試薬をテフロンキャヌラーを用いて滴下し、さらにTHF(脱水グレード)5mlを用いて300mlシュレンク反応容器及びテフロンキャヌラーを洗浄しながら投入した。得られた混合物を0℃で30分間、さらに室温で90分間攪拌した。生成した2−クロロチエニル−3−亜鉛誘導体の白色微スラリー液に、1,4−ジブロモ−2,3−ジフルオロベンゼン(東京化成工業)3.26g(12.0mmol)及び触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業)209mg(0.181mmol、1,4−ジブロモ−2,3−ジフルオロベンゼンに対し1.51モル%)を添加した。45℃で4時間反応を実施した後、容器を水冷し1N塩酸150mlを添加することで反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒:トルエン/ヘキサン=1:1)した。減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサン20mlで洗浄した。得られた残渣をヘプタン/トルエン=2/1から再結晶精製し、1,4−ジ(2−クロロチエニル−3−)−2,3−ジフルオロベンゼンの無色固体1.88gを得た(収率45%)。
H NMR(CDCl,25℃):δ=7.31-7.30(m,2H),7.21(d,J=5.5Hz,2H),7.09(d,J=5.5Hz,2H)。
GCMS m/z: 346(M)。
実施例1 (無置換ヘテロアセン(化合物1)の合成)((B)工程)
窒素雰囲気下、50ml三口フラスコに硫化ナトリウム・9水和物(和光純薬工業)831mg(3.46mmol)及びNMP10mlを添加した。150℃で1時間加熱しながら系中から発生する水を除去し、室温に冷却した。ここに、合成例1で得た1,4−ジ(2−クロロチエニル−3−)−2,3−ジフルオロベンゼン202mg(0.583mmol)を添加した。得られた混合物を150℃で5時間加熱した後、室温に冷却した。氷冷下、反応混合物に水40mlを添加し、析出した固体を濾過した。固体を水及びメタノールで洗浄し、無置換ヘテロアセン(化合物1)の淡黄色固体137mgを得た(収率77%)。
H NMR(ベンゼン−d,25℃):δ=7.63(s,2H),7.14(d,J=5.0Hz,2H),6.83(d,J=5.0Hz,2H)。
GCMS m/z: 302(M
実施例2 (ジアシルヘテロアセンの合成)((C)工程)
200ml三口フラスコに実施例1で合成した無置換ヘテロアセン250mg(0.828mmol)及びジクロロメタン(脱水グレード)50mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業)387mg(2.48mmol)及び塩化ヘキサノイル(シグマ−アルドリッチ)390mg(2.90mmol)を添加した。得られた混合物を室温で36時間攪拌後、氷冷し水50mlを添加することで反応を停止させた。得られた混合物を加熱し、ジクロロメタンを留去した。得られた黄色スラリー液を濾過し、黄色固体を水、1M塩酸、水、及びメタノールで洗浄後、減圧乾燥し、ジアシルヘテロアセンの黄色固体371mgを得た(収率90%)。
H NMR(ベンゼン−d,70℃):δ=7.76(s,2H),7.62(s,2H),2.67(t,J=6.8Hz,4H),1.79(tt,J=6.8Hz,6.8Hz,4H),1.34−1.29(m,8H),0.90(t,J=6.8Hz,6H)。
実施例3 (ヘテロアセン誘導体(化合物4)の合成)((D)工程)
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコに実施例2で合成したジアシルヘテロアセン350mg(0.702mmol)及びTHF(脱水グレード)30mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業)468mg(3.51mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業)265mg(7.00mmol)の順に添加した。この混合物を加熱還流下で7時間攪拌後、水冷し水40mlを添加して反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を1M塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(展開溶媒:ヘキサン)、さらに得られた化合物をトルエンから3回再結晶精製し、ヘテロアセン誘導体(化合物4)の薄黄色結晶139mgを得た(収率42%)。
H NMR(ベンゼン−d,25℃):δ=7.75(s,2H),7.04(s,2H),2.65(t,J=7.3Hz,4H),1.59(tt,J=7.3Hz,6.9Hz,4H),1.30−1.19(m,12H),0.90(t,J=6.9Hz,6H)。
実施例4 (ジアシルヘテロアセンの合成)((C)工程)
実施例2で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化ブチリル(シグマ−アルドリッチ)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジアシルヘテロアセンの黄色固体を収率88%で得た。
実施例5 (ヘテロアセン誘導体(化合物2)の合成)((D)工程)
実施例2で合成したジアシルヘテロアセンの代わりに、実施例4で合成したジアシルヘテロアセンを用いた以外は、実施例3と同様の方法により、ヘテロアセン誘導体(化合物2)の薄黄色結晶を収率35%で得た。
実施例6 (ジアシルヘテロアセンの合成)((C)工程)
実施例2で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化オクタノイル(シグマ−アルドリッチ)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジアシルヘテロアセンの黄色固体を収率80%で得た。
実施例7 (ヘテロアセン誘導体(化合物6)の合成)((D)工程)
実施例2で合成したジアシルヘテロアセンの代わりに、実施例6で合成したジアシルヘテロアセンを用いた以外は、実施例3と同様の方法により、ヘテロアセン誘導体(化合物6)の薄黄色結晶を収率24%で得た。
実施例8
(有機半導体層形成用溶液1の調製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例3で得られたヘテロアセン誘導体(化合物4)18.3mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.20gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に12時間放置した。結晶の析出は見られず1.50重量%の溶液状態を保持していたことから、インクジェットによる製膜に適した材料であることを確認した。
実施例9
(有機半導体層形成用溶液2の調製)
空気下、10mlサンプル管に実施例3で得られたヘテロアセン誘導体(化合物4)1.74mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)436mgを添加し、40℃に加熱し溶液を調製した。この化合物の純度は液体クロマトグラフィーより99.0%であった。該溶液を外気に接触させ、70℃で撹拌後、液体クロマトグラフィーによる分析を行ったところ純度の低下は観測されず、耐酸化性を有することが確認できた。
実施例10
(有機半導体層の作製)
空気下、10mlサンプル管に、実施例3で得られたヘテロアセン誘導体(化合物4)0.87mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)436mgを添加し、40℃に加熱し溶液を調製した(0.20重量%)。
空気下、直径2インチのn型にハイドープしたシリコン基板(ミヨシ、抵抗値;0.004Ω、表面に200nmのシリコン酸化膜付き)上に、得られた溶液0.5mlをシリンジに充填し、0.2μmのフィルターを通した溶液をドロップキャストした。室温下(25℃)で自然乾燥し、膜厚54nmのヘテロアセン誘導体(化合物4)の有機薄膜(有機半導体層)を作製した。
(有機薄膜トランジスタの作製)
該有機薄膜にチャネル長40μm、チャネル幅500μmのシャドウマスクを置き、金を真空蒸着することで電極を形成し、ボトムゲート−トップコンタクト型のp型有機薄膜トランジスタを作製した。
作製した有機薄膜トランジスタの電気物性を半導体パラメーターアナライザー(ケースレー4200SCS)を用いて、ドレイン電圧(Vd=−80V)で、ゲート電圧(Vg)を+5〜−80Vまで1V刻みで走査し、伝達特性の評価を行った。正孔のキャリア移動度は0.32cm/V・s、電流オン・オフ比は2.0×10であった。
さらにこの有機薄膜トランジスタを140℃で15分間アニール処理した後の電気物性を測定した。正孔のキャリア移動度は0.30cm/V・s、電流オン・オフ比は1.7×10であった。
比較例1
(有機半導体層形成用溶液3の作製)
空気下、10mlサンプル管に、ジナフト[2,3−b:2‘,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン(DNTT、シグマアルドリッチ)13.4mg及びトルエン(和光純薬工業、ピュアーグレード)1.20gを添加し、50℃に加熱したところ、固体の溶け残りが観測され、溶解性に劣ることが確認された。
比較例2
(有機半導体層形成用溶液4の作製)
空気下、20mlシュリンク管にペンタセン(東京化成工業)2.5mg及びo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業、ピュアーグレード)2.9gを添加し、120℃に加熱し溶液を調製した。該溶液を外気に接触させ、120℃で撹拌した。ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析から6,13−ペンタセンキノンが生成していることが確認されたことから耐酸化性に劣ることが分かった。
本発明の有機薄膜トランジスタは、高いキャリア移動度を与えると共に、高溶解性及び耐酸化性に優れることから有機薄膜トランジスタに代表される半導体デバイス材料としての適用が期待できる。
;有機薄膜トランジスタの断面形状による構造を示す図である。
(A):ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(B):ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(C):トップゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ
(D):トップゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ
1:有機半導体層
2:基板
3:ゲート電極
4:ゲート絶縁層
5:ソース電極
6:ドレイン電極

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体。
    Figure 2017226629
    (ここで、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数4〜22のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数2〜20のアルキニル基を示す。R〜Rの隣り合う2つは互いに縮合して置換ベンゼン、置換チオフェンを形成しても良い。T及びTは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を示す。)
  2. およびTがともに硫黄原子であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロアセン誘導体。
  3. 〜Rが水素であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体を溶媒に溶解することで得られることを特徴とする有機半導体層形成用溶液。
  5. 請求項4に記載の有機半導体層形成用溶液を用いて得られることを特徴とする有機半導体層。
  6. 請求項5に記載の有機半導体層を有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023008031A (ja) * 2021-07-05 2023-01-19 東ソー株式会社 共役系高分子、成膜用組成物、有機薄膜、並びに有機半導体素子

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