JP2017226754A - セルロース樹脂複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、強度特性の優れたセルロース樹脂複合体を提供することである。
【解決手段】セルロースと樹脂とを含有するセルロース樹脂複合体において、セルロース樹脂複合体が、酸変性ポリオレフィン及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有することを特徴するセルロース樹脂複合体であり、好ましくは、酸変性ポリオレフィンの含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下であり、無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体の含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.1質量%以上1.0質量%以下である。
【選択図】なし
【解決手段】セルロースと樹脂とを含有するセルロース樹脂複合体において、セルロース樹脂複合体が、酸変性ポリオレフィン及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有することを特徴するセルロース樹脂複合体であり、好ましくは、酸変性ポリオレフィンの含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下であり、無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体の含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.1質量%以上1.0質量%以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、セルロース樹脂複合体に関する。
セルロースは、比重が1.5であり、強度が高い。紙やフィルターなどに用いられるパルプに至っては、量産性も確立され、低コストで大量に供給可能である。また、セルロースは天然物由来であり、石油・石炭などの地下資源と異なり、1年から数十年で再生可能である。よって、セルロースの用途が多様化することは、我々人類にとって重要なテーマである。
セルロースの用途の一つとして、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系の汎用樹脂と複合させたセルロース樹脂複合体を、プレス成形体、押出成形体、射出成形体等の構造体として用いる用途がある。しかし、親水性の高いセルロース結晶体表面と、疎水性の強いポリオレフィンとでは、親和性が低く、セルロース結晶体はポリオレフィン中で良好な分散状態を取ることができず、凝集してしまい、強度の高いセルロース樹脂複合体を得ることは難しかった。
これを改良するための方法としては、セルロースの表面変性を行って、樹脂との親和性を高める方法と、セルロースとの親和性を高める材料を樹脂に添加する方法という、二つの方法がある。しかし、前者は予めセルロースを化学修飾するために、コスト高となり、実用的な方法ではない。一方、セルロースとの親和性を高める材料としては、ポリオレフィンに無水マレイン酸やイタコン酸などを付加させた、酸変性ポリオレフィンが提案されていて(例えば、特許文献1及び2参照)、強度特性は向上したが、未だ充分とは言えず、さらに強度特性を向上させる手段が求められている。
本発明の課題は、強度特性の優れたセルロース樹脂複合体を提供することである。
上記課題は、下記に示す本発明によって解決された。
(1)セルロースと樹脂とを含有するセルロース樹脂複合体において、セルロース樹脂複合体が、酸変性ポリオレフィン及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有することを特徴するセルロース樹脂複合体。
(2)酸変性ポリオレフィンの含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下である上記(1)記載のセルロース樹脂複合体。
(3)無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体の含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.1質量%以上1.0質量%以下である上記(1)又は(2)記載のセルロース樹脂複合体。
本発明では、優れた強度特性を有するセルロース樹脂複合体を提供することができる。
本発明のセルロース樹脂複合体は、セルロースと樹脂とを含有していて、酸変性ポリオレフィン及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有することを特徴する。
本発明において、セルロースと複合される樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリスチレン;ポリメタクリル酸メチルに代表されるアクリル樹脂;塩素化ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン系樹脂;熱硬化性樹脂であって、比較的低温で混練が可能な樹脂等が挙げられる。この中でも、ポリオレフィンは好ましい樹脂である。また、耐熱性が高く、低比重である、ポリプロピレン、ポリエチンとポリプロピレンのブロック共重合体、αオレフィンとポリプロピレンとの共重合体等がより好ましい樹脂である。
本発明において、セルロースとしては、針葉樹、広葉樹等から得られる木材系パルプ;これらの再生品である古紙パルプ;綿から得られるコットンやリンター、イネから得られるワラ、バンブーから得られるタケ、マニラ麻から得られるアバカ、インド麻から得られるジュート、麻から得られるヘンプなどの非木系パルプ;更に食品加工時に廃棄されるシリアル繊維を用いたパルプなどが挙げられる。
パルプとは、植物の構造体に含まれるセルロース、リグニン、ヘミセルロース、油分などの内、リグニンや油分を除いたもの、又はヘミセルロースの含有量を最小化したものである。用途によっては、漂白されて白色化されている。パルプの繊維径は15〜500μmであることが好ましく、繊維長は1mm〜20mmであることが好ましい。これらのパルプを、化学的又は機械的に粉砕して、1mm以下に微粒子化したものや、一部ナノセルロース化した微細なミクロフィブリル化セルロースも利用できる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリプロピレンやポリエチレン、或いはポリプロピレン・ポリエチレンブロック重合体や、ポリエチレン・α−オレフィンブロック重合体を、溶液中に溶解するか、固溶体化させて、ラジカル発生剤と無水マレイン酸を添加し、ポリオレフィン主鎖をラジカル化して、無水マレイン酸を主鎖に付加させて合成されるポリオレフィンである。反応中に主鎖が開断する可能性があるので、無水マレイン酸の付加量は、全体の0.1質量%から5質量%であることが好ましい。このような材料としては、三菱化学のモディック(登録商標)、三井化学のアドマー(登録商標)、三洋化成工業のユーメックス(登録商標)、東洋紡のハードレン(登録商標)などが知られている。以下、酸変性ポリオレフィンは「酸変性ポリプロピレン」又は「酸変性PP」を記載する場合がある。
本発明のセルロース樹脂複合体は、樹脂、セルロースと共に、酸変性ポリプロピレン、及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有する。無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体とは、炭素数が5以上で、好ましくは10から100であり、単独又は複数種の、エチレンの低重合体として得られる不飽和α−オレフィン混合物と、無水マレイン酸とを、過酸化物を使ってラジカル重合させた共重合体である。無水マレイン酸の含有量は、無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体に対して、好ましくは1質量%から15質量%であり、より好ましくは8から12質量%である。無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体は、無水マレイン酸の含有量が、酸変性ポリオレフィンに比べて高いのが特徴である。この特徴によって、親水性の高いセルロース表面に偏在することができ、また、α−オレフィンのアルキル基が疎水性官能基として働き、ポリプロピレンなどの樹脂への親和性を高めている。以下、無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体は「酸変性共重合体」と記載する場合がある。
本発明では、酸変性ポリプロピレンと酸変性共重合体とを併用しなければならない。酸変性ポリプロピレン単独では、セルロース表面への親和性が十分ではない。また、界面活性剤的に作用する酸変性共重合体単独では、ポリプロピレンとの親和性が充分ではなく、セルロース樹脂複合体の強度や弾性率などの強度特性が低下する。含有量としては、少なすぎると効果を発揮せず、多すぎると、混練時や成形時に、金属表面に錆を発生させることや、金属表面に強く吸着して汚染物となることがあるため、セルロース樹脂複合体の総量に対して、好ましくは、酸変性ポリプロピレンで、0.5質量%以上5質量%以下であり、酸変性共重合体で、0.1質量%以上1質量%以下である。より好ましくは、酸変性ポリプロピレンで、0.7質量%以上3質量%以下であり、酸変性共重合体で、0.2質量%以上0.7質量%以下である。
本発明のセルロース樹脂複合体は、少なくともセルロースと樹脂と酸変性ポリプロピレン及び酸変性重合体を含有する。セルロースの含有量としては、少なすぎると効果が発揮せず、多すぎると成形性の低下を招くので、セルロース樹脂複合体の総量に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。また、製造段階の後段で再度樹脂を添加して混練するようなマスターバッチ的に利用する場合には、好ましくは40質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
本発明のセルロース樹脂複合体は、セルロース、樹脂、酸変性ポリオレフィン及び酸変性共重合体を、二軸混練機、ヘンシェルミキサー等で混練して得られる。しかし、セルロース原料に水を含む場合には、混練場から発生する水蒸気を逃す必要があるので、ベント付きの二軸混練機などを使用することが好ましい。混練温度は、樹脂の融点近傍かそれ以上が好ましく、190℃以上230℃以下がより好ましい。混練によって得られたセルロース樹脂複合体は、プレス成形機、押出成形機、射出成形機等の成形機によって、プレス成形体、押出成形体、射出成形体等の構造体とすることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(実施例)
(セルロース(パルプ解繊品)の作製)
リンターパルプシートを、水中に浸し、3質量%の濃度でミキシングし、更に遠心分離機で脱水して、セルロース含有量50質量%のパルプ解繊品1を作製した。平均繊維長は1.2mmであった。リンターパルプシートを槇野産業製ハンマークラッシャーで粗粉砕した後、槇野産業製DD―2型粉砕機で乾式解繊を行い、これをパルプ解繊品2とした。平均繊維長は1.0mmであった。次に、パルプ解繊品1とパルプ解繊品2を比率が1:2となるようにニーダーで混合して、非凝集性のパルプ解繊品3を作製した。水分量は78質量%、平均繊維長は1.1mmであった。
(セルロース(パルプ解繊品)の作製)
リンターパルプシートを、水中に浸し、3質量%の濃度でミキシングし、更に遠心分離機で脱水して、セルロース含有量50質量%のパルプ解繊品1を作製した。平均繊維長は1.2mmであった。リンターパルプシートを槇野産業製ハンマークラッシャーで粗粉砕した後、槇野産業製DD―2型粉砕機で乾式解繊を行い、これをパルプ解繊品2とした。平均繊維長は1.0mmであった。次に、パルプ解繊品1とパルプ解繊品2を比率が1:2となるようにニーダーで混合して、非凝集性のパルプ解繊品3を作製した。水分量は78質量%、平均繊維長は1.1mmであった。
セルロース(パルプ解繊品3)、酸変性ポリプロピレン(東洋紡製、商品名:ハードレン(登録商標)H1000P)、酸変性共重合体(三菱化学製、商品名:ダイヤカルナ(登録商標)5E11N)及びポリプロピレン(プライムポリマー製、ホモタイプPP、商品名:BC06C)を、表1の含有量(質量基準)で、ベント付き二軸混練機を用いて混練し、セルロース樹脂複合体を作製した。次に、JIS規格K7171に従い、幅10mm、厚み4mmダンベル片を作製し、万能材料試験機(株式会社ティー・エス・イー、装置名:オートコム(登録商標、AutoCOM)AC−100)を用いて、試験速度2mm/min、支点間距離64mmで、曲げ特性を測定し、結果を表1に示した。また、射出成形時の状況を観察し、表1に示した。
酸変性ポリプロピレンと酸変性共重合体を含有している実施例1〜6では、酸変性ポリオレフィンと酸変性共重合体の両方を含まない比較例1、酸変性ポリプロピレンのみを含有する比較例2及び3、並びに酸変性共重合体のみを含有する比較例4及び5と比較して、曲げ強度には大差はなかったが、曲げ弾性率が向上しており、酸変性ポリプピレンと酸変性共重合体の併用効果が明らかとなった。
実施例4と5との比較から、酸変性ポリプロピレンの含有量が5質量%を越えてくると、曲げ特性がやや低下してくる。また、射出成形時にノズルや金具内面にやや脂の発生が見られた。同様に、実施例3と6の比較からも、酸変性共重合体の量が増加すると、曲げ特性の低下や、脂の発生が見られた。
本発明のセルロース樹脂複合体は、電気・電子、機械、自動車、建材等の分野に広く用いることができる。
Claims (3)
- セルロースと樹脂とを含有するセルロース樹脂複合体において、セルロース樹脂複合体が、酸変性ポリオレフィン及び無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体を含有することを特徴するセルロース樹脂複合体。
- 酸変性ポリオレフィンの含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.5質量%以上5.0質量%以下である請求項1記載のセルロース樹脂複合体。
- 無水マレイン酸とα−オレフィンとの共重合体の含有量が、セルロース樹脂複合体の総量に対し、0.1質量%以上1.0質量%以下である請求項1又は2記載のセルロース樹脂複合体。
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