JP2017227052A - 型枠ハンガー - Google Patents

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Abstract

【課題】立ち上がり部にコンクリートを打設するための型枠を安定して連結することができる型枠ハンガーを提供すること。
【解決手段】型枠ハンガー20は、水平方向に隣接して配置された第1型枠の端面間に挿入するための第1型枠ホールドレール22と、水平方向に隣接して配置された第2型枠の端面間に挿入するための第2型枠ホールドレール24と、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24の上部を連結する第1アングル26と、第2型枠ホールドレール24に設けられた高さ調節手段32とを備えている。第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24は、それぞれ、第1型枠及び第2型枠を固定するためのジョイント穴22a〜22g、24a〜24dを備えている。さらに、高さ調節手段32は、打設空間の外側に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、型枠ハンガーに関し、さらに詳しくは、基礎の立ち上がり部にコンクリートを打設するための型枠を連結する際に用いられる型枠ハンガーに関する。
建物を建設する際には、まず地盤に基礎が形成される。建物の基礎は、
(A)逆T字型の断面形状を有する鉄筋コンクリートからなる「布基礎」と、
(B)基礎の立ち上り部だけでなく、ベース部一面が鉄筋コンクリートからなる「ベタ基礎」と
に大別される。ベタ基礎は、布基礎に比べて鉄筋及びコンクリートの使用量が多くなるという欠点はあるが、工程が簡略化されるという利点がある。布基礎を用いるか、あるいは、ベタ基礎を用いるかは、地耐力に合わせて選択されている。
また、ベタ基礎の立ち上がり部の形成方法としては、
(A)先にベース部にコンクリートを打設し、次いで立ち上がり部にコンクリートを打設する「打継ぎ」と、
(B)ベース部と立ち上がり部に、同時にコンクリートを打設する「一体打ち」と
がある。一体打ちは、ベース部と立ち上がり部の境界線に継ぎ目がないため、
(a)基礎の強度が高い、
(b)境界線から基礎の内部へのシロアリの侵入を防ぐことができる、
(c)境界線の止水効果が高い、
(d)基礎工事の簡素化や工期の短縮が可能となる、
(e)高精度の基礎が得られる、
等の利点がある。そのため、木造家屋の基礎工事には、ベタ基礎の一体打ちが用いられることが多くなっている。
ベタ基礎の一体打ちを行う場合において、基礎の外周部にある立ち上がり部を形成するためには、鉛直方向の高さが異なる2枚の型枠を対向させ、断面L字型の打設空間を形成する必要がある。また、基礎の内部にある立ち上がり部を形成するためには、鉛直方向の長さが同一である2枚の型枠を対向させ、型枠を地盤表面から所定の高さの位置で宙吊り状態にしておく必要がある。しかしながら、一般に、型枠を設置してからコンクリートを打設するまでの間、鉛直方向の高さが異なる2枚の型枠を安定して支持し、あるいは、型枠を宙吊り状態で支持するのは難しい。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)立ち上がり部のコンクリート打設用の空間を形成するための硬質発泡樹脂成形体からなる二枚の型枠(板状部材)を互いに所定間隔をもって対向して配設し、
(b)その二枚の型枠(板状部材)の対向面をセパレータによって連結するとともに、その型枠を支持金具によってベースコンクリート高さに調節した状態とすることにより、
(c)ベースコンクリート打設空間とその立ち上がり部のコンクリート打設空間とに一体的にコンクリートを打設する技術が開示されている。
また、特許文献2には、コンクリート基礎型枠を支持する型枠支持部を備えた支持具をコンクリート基礎底面から所定の高さ位置に設置するスペーサーであって、前記支持具が載置される載置部と、前記載置部から下方に延び、前記載置部を支持する脚部とを備えたスペーサーが開示されている。
特許文献1、2に開示されているように、型枠の真下に「支持金具」、あるいは「スペーサー」と呼ばれる、型枠を支持するための部材(以下、これらを総称して「スペーサー」という)を設置すると、鉛直方向の高さが異なる2枚の型枠を安定して支持すること、あるいは、型枠を宙吊り状態で支持することができる。
しかしながら、このようなスペーサーは、コンクリートの内部に埋め込まれ、基礎の一部となる。そのため、施工の都度、新たに多数のスペーサーが必要となり、施工費用が高コスト化する。さらに、コンクリートの内部に埋め込まれたスペーサーは、コンクリートの強度を低下させる原因ともなりうる。
さらに、型枠を設置した後、打設空間にコンクリートを流し込むと、型枠が流動するコンクリートで押圧され、型枠がゆがむことがある。これを防ぐために、従来から、型枠の外面側の縦方向及び横方向に、それぞれ「バタパイプ」と呼ばれる多数の補強材を設置することが行われている。しかしながら、バタパイプの設置作業は、一般に繁雑な作業である。
特開2000−336659号公報 特開2016−075124号公報
本発明が解決しようとする課題は、立ち上がり部にコンクリートを打設するための型枠を安定して連結することができ、低コストであり、しかも、コンクリートの強度を低下させるおそれの少ない型枠ハンガーを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、型枠のゆがみを防止するためのバタパイプの設置作業を簡略化することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る型枠ハンガーは、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記型枠ハンガーは、
(a)コンクリートを打設して立ち上がり部を形成するための打設空間の一方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第1型枠間、及び
(b)前記打設空間の他方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第2型枠間
を連結するために用いられる。
(2)前記型枠ハンガーは、
隣接する前記第1型枠の端面間に挿入するための第1型枠ホールドレールと、
隣接する前記第2型枠の端面間に挿入するための第2型枠ホールドレールと、
前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールの上部を連結する第1アングルと、
前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールの一方又は双方に設けられた、前記第1型枠の上端の高さ及び前記第2型枠の上端の高さを一定の高さに維持するための高さ調節手段とを備えている。
(3)前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールは、それぞれ、前記第1型枠及び前記第2型枠を固定するための型枠固定手段を備えている。
(4)前記高さ調節手段は、前記打設空間の外側に設けられている。
本発明に係る型枠ハンガーは、水平方向に隣接して配置された型枠の端面間に挿入され、型枠固定手段を介して型枠が安定に連結される。その際、型枠の真下に、使い捨てのスペーサーを設置する必要がない。そのため、基礎の施工費用を低コスト化することができ、コンクリートの強度を低下させるおそれも少ない。
さらに、本発明に係る型枠ハンガーは、型枠の補強材としても機能する。そのため、従来に比べてバタパイプの設置数が少ない場合であっても、コンクリート打設時における型枠のゆがみを抑制することができる。
本発明に係る型枠ハンガーを用いて組み立てられた型枠の一例を示す図である。 外周用の型枠ハンガーの正面図、平面図、及び左側面図である。 内部用の型枠ハンガーの正面図、平面図、及び左側面図である。 内部用の型枠ハンガーを用いて組み立てられた型枠の平面図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 型枠ハンガー]
[1.1. 用途]
本発明に係る型枠ハンガーは、
(a)コンクリートを打設して立ち上がり部を形成するための打設空間の一方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第1型枠間、及び
(b)前記打設空間の他方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第2型枠間
を連結するために用いられる。
図1に、本発明に係る型枠ハンガーを用いて組み立てられた型枠の一例を示す。図1は、いわゆる「ベタ基礎の一体打ち」行うための型枠の配置例である。
第1型枠(A)12a、12b、12cは、それぞれ、基礎の外周部に形成される立ち上がり部の外面側に設置される型枠である。第2型枠(A)14a、14bは、それぞれ、基礎の外周部に形成される立ち上がり部の内面側に設置される型枠である。さらに、第2型枠(A)14cは、基礎の外周部に形成される立ち上がり部と、基礎の内部に形成される立ち上がり部の接続点に設置される型枠である。
第1型枠(B)16、16…、及び第2型枠(B)18、18…は、それぞれ、基礎の内部に形成される立ち上がり部の一方の面側、及びこれに対向する他方の面側に設置される型枠である。
基礎の外周部に設置される第1型枠(A)12a〜12cの鉛直方向(z方向)の長さは、それぞれ、第2型枠(A)14a〜14cのそれより長くなっている。また、基礎の内部に設置される第1型枠(B)16及び第2型枠(B)18の鉛直方向の長さは、それぞれ、第2型枠(A)14a〜14cのそれと同一になっている。
基礎の外周部に形成される立ち上がり部の打設空間を挟んで対向する第1型枠(A)12a及び第2型枠(A)14aは、平板状であり、互いに水平方向(x方向、又はy方向)の長さが同一になっている。同様に、基礎の内部に形成される立ち上がり部の打設空間を挟んで対向する第1型枠(B)16及び第2型枠(B)18は、平板状であり、互いに水平方向の長さが同一になっている。
一方、第1型枠(A)12c、及び、第2型枠(A)14b、14cは、立ち上がり部の角部又は接続点に設置される型枠であり、いずれも鉛直方向(z方向)から見た断面がL字型になっている。さらに、第1型枠(A)12c、及びこれに隣接して配置される第1型枠(A)12b、並びに、第2型枠(A)14b、14cの水平方向(x方向、又はy方向)の長さは、それぞれ、型枠を組み立てた時に、打設空間を挟んで対向する型枠の端面が一致するように、その長さが定められている。
型枠を設置する時は、まず、基礎の外周部にある打設空間の外面側のコーナー部に断面L字型の第1型枠(A)12cを設置する。次いで、第1型枠(A)12cのx方向及びy方向に、それぞれ、第1型枠(A)12b、12bを設置し、第1型枠(A)12cの端面と第1型枠(A)12bの一方の端面との間を連結する。
次に、第1型枠(A)12bの他方の端面に第1型枠(A)12aを設置し、型枠の端面間を連結する。以下、同様にして、所定個数の第1型枠(A)12aを水平方向(x方向及びy方向)に設置し、隣接する第1型枠(A)12aの端面間を連結する。
基礎の内側に型枠を設置する場合も同様である。すなわち、まず、基礎の外周部にある打設空間の内面側のコーナー部に断面L字型の第2型枠(A)14bを設置する。次いで、x方向及びy方向に、それぞれ、第2型枠(A)14aを設置し、第2型枠(A)14bの端面と第2型枠(A)14aの端面との間を連結する。以下、同様にして、所定個数の第2型枠(A)14aを水平方向に設置し、隣接する型枠の端面間を連結する。
基礎の内部にある立ち上がり部を形成する場合には、y方向に設置された第2型枠(A)14aの端面と、断面L字型の第2型枠(A)14cの一方の端面とを連結する。次いで、x方向に伸びる第2型枠(A)14cの他方の端面と、第1型枠(B)16の端面とを連結する。第2型枠(B)18の設置方法も同様である。
本発明に係る型枠ハンガー20、40は、x方向又はy方向に沿って隣接して配置される型枠の端面間に挿入される。
型枠ハンガー20は、基礎の外周部に立ち上がり部を形成するための型枠を連結する際に用いられるもの(外周用の型枠ハンガー)である。具体的には、型枠ハンガー20は、打設空間に沿って水平方向に配置され、かつ、打設空間を挟んで対向する
(a)第1型枠(A)12a−12a間、及び第2型枠(A)14a−14a間、
(b)第1型枠(A)12b−12a間、及び第2型枠(A)14b−14a間、又は、
(c)第1型枠(A)12a−12a間、及び第2型枠(A)14a−14c間
を連結するために用いられる。
また、型枠ハンガー40は、基礎の内部に立ち上がり部を形成するための型枠を連結する際に用いられるもの(内部用の型枠ハンガー)である。具体的には、型枠ハンガー40は、打設空間に沿って水平方向に配置され、かつ、打設空間を挟んで対向する
(a)第1型枠(B)16−16間、及び第2型枠(B)18−18間、又は、
(b)第1型枠(A)14c−第1型枠(B)16間、及び第1型枠(A)14c−第2型枠(B)18間
を連結するために用いられる。
本発明に係る型枠ハンガー20、40は、ベタ基礎の一体打ちに用いられる型枠の連結用治具として特に好適である。しかしながら、本発明に係る型枠ハンガー20、40は、布基礎を形成する際の型枠の連結用治具、打継ぎにより立ち上がり部を形成する際の型枠の連結用治具、店舗外周の基礎や境界擁壁を形成する際の型枠の連結治具等にも用いることができ、極めて汎用性が高い。
[1.2. 外周用の型枠ハンガーの構成]
図2に、外周用の型枠ハンガーの正面図、平面図、及び左側面図を示す。図2において、型枠ハンガー20は、第1型枠ホールドレール22と、第2型枠ホールドレール24と、第1アングル26、26と、コンクリート天端調整手段28と、第2アングル30と、高さ調節手段32とを備えている。
[1.2.1. 第1型枠ホールドレール]
第1型枠ホールドレール22は、隣接する第1型枠(打設空間を挟んで対向する一方の型枠)の端面間に挿入するためのものである。型枠を安定して連結することが可能な限りにおいて、第1型枠ホールドレール22の形状や材料は特に限定されない。
図2において、第1型枠ホールドレール22には、断面がコの字型の鋼材が用いられている。第1型枠ホールドレール22の鉛直方向の長さは、第1型枠(基礎の最外周に設置される型枠)12aの鉛直方向の長さよりやや短くなっている。この場合、第1型枠12aの下端に隙間ができるが、隙間の厚さは第1型枠ホールドレール22の厚さにほぼ等しいため、コンクリート打設時に隙間からコンクリートがはみ出したとしても、その量はごく僅かである。また、コの字型の第1型枠ホールドレール22の溝(チャンネル)の幅は、第1型枠12aの端部を容易に挿入することができ、かつ、第1型枠を安定して支持することが可能な幅とするのが好ましい。
第1型枠ホールドレール22は、型枠ハンガー20の両端(図2においては、紙面の表側と裏側)に設置された2つの第1型枠12a、12aを固定するための型枠固定手段を備えている。隣接する2つの第1型枠12a、12aを確実に連結することが可能な限りにおいて、型枠固定手段の構造は特に限定されない。
図2において、型枠固定手段は、第1型枠ホールドレール22の複数箇所に設けられたジョイント穴22a〜22gからなる。隣接する型枠は、通常、型枠の端面を重ね合わせ、一方の型枠の端面から他方の型枠の端面に向かって複数個(通常、2個)の連結ピンを貫通させることによって連結・固定される。ジョイント穴22a〜22gは、この連結ピンを挿入するための貫通穴である。なお、図2において、合計7個のジョイント穴22a〜22gが設けられ、その形状は小判型になっているが、ジョイント穴22a〜22gの数及び形状は、これに限定されるものではない。しかし、型枠毎に連結ピンの位置や個数が異なるため、小判型のジョイント穴22a〜22gを3個以上形成しておくと、規格の異なる型枠であっても、確実に連結することが可能となる。
[1.2.2. 第2型枠ホールドレール]
第2型枠ホールドレール24は、隣接する第2型枠(打設空間を挟んで対向する他方の型枠)14aの端面間に挿入するためのものである。図2において、第2型枠ホールドレール24の鉛直方向長さは、第1型枠ホールドレール22の鉛直方向長さよりも短く、かつ、第2型14aの枠鉛直方向の長さよりもやや短くなっている。また、第2型枠ホールドレール24には、第2型枠14a、14aの連結ピンを挿入するためのジョイント穴(型枠固定手段)24a〜24dが設けられている。
さらに、第2型枠ホールドレール24には、高さ調節手段32が設けられている。高さ調節手段32の詳細については後述する。その他の点については、第1型枠ホールドレール22と同様であるので、説明を省略する。
[1.2.3. 第1アングル]
第1アングル26、26は、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24の上部を連結するためのものである。第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24を確実に固定できる限りにおいて、第1アングル26、26の形状や材料は特に限定されない。図2において、第1アングル26、26には、断面がL字型の鋼材が用いられ、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24の正面及び裏面に、それぞれ、第1アングル26、26が固定されている。また、第1アングル26、26は、打設空間よりも上の位置に固定されている。
[1.2.4. コンクリート天端調整手段]
第1アングル26、26には、コンクリート天端調整手段28が設けられている。一般に、立ち上がり部にコンクリート76を打設した後、立ち上がり部の天端を水平に仕上げるために、立ち上がり部の天端にレベリング用のモルタル78が流し込まれる。従来、天端レベルの調整は、例えば、基礎の内部に設置される縦鉄筋に使い捨てのレベルマーカを取り付けてコンクリート76を打設し、次いで、レベルマーカの先端近傍がほぼ完全に埋まるまでモルタル78を流し込む方法が用いられている。そのため、コンクリート天端調整手段28は、必ずしも必要ではない。
しかし、第1アングル26、26にコンクリート天端調整手段28を設置すると、第1アングル26、26を基準としてレベル調整が行われるため、不安定な縦鉄筋にレベルマーカーを取り付ける方法に比べて正確に天端のレベル調整を行うことができる。しかも、コンクリート天端調整手段28は繰り返し使用ができるため、使い捨てのレベルマーカーを用いる方法に比べて低コストである。
天端のレベル調整が可能な限りにおいて、コンクリート天端調整手段28の構造は特に限定されない。図2において、コンクリート天端調整手段28は、
(a)対向する第1アングル26、26の間に接合された固定用ナット28aと、
(b)固定用ナット28aに螺合された長尺のボルト28bと、
(c)ボルト28bの先端に取り付けられた先端部28cと
を備えている。
レベリング用のモルタル78を流し込む際には、先端部28cの先端面が所定の位置に来るように、ボルト28bを回転させて位置調整を行う。また、天端にモルタル78を流し込む時には、先端部28cを基準としてモルタル78のレベル調整を行う。
[1.2.5. 第2アングル]
図2において、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24は、第1アングル26の上方においてさらに第2アングル30で連結されている。また、第2アングル30は、脱枠解体時に、下から上に向かってハンマーでたたくための水平部30aが設けられている。第2アングル30は、必ずしも必要ではないが、第2アングル30を設けると、脱枠解体が容易になり、かつ、型枠ハンガー20がさらに補強されるという利点がある。
型枠を設置する際に障害とならず、かつ、脱枠解体が容易となる限りにおいて、第2アングル30の設置位置及び構造は特に限定されない。図2において、第2アングル30は、断面が逆L字型の鋼材からなり、逆L字の水平部30aが上端に来るように、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24の上端に固定されている。
[1.2.6. 高さ調節手段]
高さ調節手段32は、第1型枠の上端の高さ及び第2型枠の上端の高さを一定の高さに維持するためのものである。そのため、高さ調節手段32は、第1型枠ホールドレール22及び第2型枠ホールドレール24の一方又は双方に設けられる。図2において、高さ調節手段32は、第2型枠ホールドレール24にのみ設けられている。高さ調節手段32は、立ち上がり部にコンクリート76を打設する際に障害とならないようにするために、立ち上がり部を形成するための打設空間の外側に設けられている必要がある。
第1型枠及び第2型枠の上端の高さを一定の高さに維持することが可能な限りにおいて、高さ調節手段32の構造は特に限定されない。図2において、高さ調節手段32は、
(a)一端が第2型枠ホールドレール24の側面に接合され、他端に雌ねじ部が形成された支持部材32aと、
(b)雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を備えたシャフト32bと、
を備えている。
雄ねじ部は、シャフト32bの上端に形成されている。雄ねじ部の長さによりシャフト32bの可動範囲が決まるので、雄ねじ部の長さは目的に応じて最適な長さを選択する。型枠を設置する際には、第1型枠及び第2型枠の上端の高さが一致するように、シャフト32bを回転させ、シャフト32bの位置決めを行う。
なお、型枠ハンガー20は、ベタ基礎の一体打ちを行うための型枠の連結用治具として好適であるが、他の用途にも用いることができる。例えば、型枠ハンガー20は、住宅の基礎だけでなく、店舗外周の基礎や境界擁壁等を形成するための型枠の連結治具として用いることができる。また、型枠ハンガー20、あるいは後述する内部用の型枠ハンガー40は、例えば、布基礎を形成するための型枠を連結するためにも用いることができる。この場合、対向する型枠を地面に設置するだけで型枠の上端の高さが一定に維持されるので、高さ調節手段(シャフト32b、52b)を取り外した状態で使用すれば良い。
[1.3. 内部用の型枠ハンガーの構成]
図3に、内部用の型枠ハンガーの正面図、平面図、及び左側面図を示す。図3において、型枠ハンガー40は、第1型枠ホールドレール42と、第2型枠ホールドレール44と、第1アングル46、46と、コンクリート天端調整手段48と、第2アングル50と、高さ調節手段52、52とを備えている。
[1.3.1. 第1型枠ホールドレール]
第1型枠ホールドレール42は、隣接する第1型枠16、16の端面間に挿入するためのものである。第1型枠ホールドレール42の鉛直方向の長さは、第2型枠ホールドレール44のそれと同一であり、かつ、第1型枠16のそれよりやや短くなっている。また、第1型枠ホールドレール42には、複数個のジョイント穴(型枠固定手段)42a〜42dが設けられている。さらに、第1型枠ホールドレール42には、高さ調節手段52が設けられている。その他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
[1.3.2. 第2型枠ホールドレール]
第2型枠ホールドレール44は、隣接する第2型枠18、18の端面間に挿入するためのものである。第2型枠ホールドレール44には、複数個のジョイント穴(型枠固定手段)44a〜44dが設けられている。さらに、第2型枠ホールドレール44には、高さ調節手段52が設けられている。その他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
[1.3.3. 第1アングル]
第1アングル46、46は、第1型枠ホールドレール42及び第2型枠ホールドレール44の上部を連結するためのものである。第1アングル46、46に関するその他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
[1.3.4. コンクリート天端調整手段]
第1アングル46、46には、コンクリート天端調整手段48が設けられている。コンクリート天端調整手段48に関するその他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
[1.3.5. 第2アングル]
図3において、第1型枠ホールドレール42及び第2型枠ホールドレール44は、第1アングル46の上方においてさらに第2アングル50で連結されている。また、第2アングル50は、脱枠解体時に、下から上に向かってハンマーでたたくための水平部50aが設けられている。第2アングル50に関するその他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
[1.3.6. 高さ調節手段]
高さ調節手段52、52は、第1型枠16の上端の高さ及び第2型枠18の上端の高さを一定の高さに維持するためのものである。図3に示す内部用の型枠ハンガー40において、高さ調節手段52、52は、第2型枠ホールドレール44の側面だけでなく、第1型枠ホールドレール42の側面にも設置されている。これは、鉛直方向長さの短い内部用の型枠の先端を、外周用の型枠の先端の高さに一致させるためである。高さ調節手段52、52は、それぞれ、支持部材52aと、シャフト52bとを備えている。その他の点については、外周用の型枠ハンガー20と同様であるので、説明を省略する。
図4に、内部用の型枠ハンガー40を用いて組み立てられた型枠の平面図を示す。図4に示すように、型枠ハンガー40は、隣接する第1型枠16、16の端面間に第1型枠ホールドレール42が挿入され、かつ、隣接する第2型枠18、18の端面間に第2型枠ホールドレール44が挿入されるように設置される。
また、高さ調節手段52のシャフト52bの先端は、捨てコンクリート表面に固定されたランナー72、72上に載置される。ランナー72、72は、断面がコの字型を呈する鋼材からなる。ランナー72は、コンクリートを打設する際に、流動するコンクリートによってシャフト52bが移動するのを防ぐために用いられる。
[2. コンクリートの打設方法]
本発明に係る型枠ハンガーを用いたコンクリートの打設方法について、図2〜4を参照しながら説明する。
(1)まず、立ち上がり部を形成する部分の真下にある地盤を掘削して、根切り穴を形成し、根切り穴に砕石(図示せず)等を敷き詰めて地盤を補正する。
(2)次に、コンクリートを打設する領域の全面に、防水シート(図示せず)を被せた後、採石等を敷き詰めた領域の上に、捨てコンクリート70を打つ。
(3)捨てコンクリート70の上に、高さ調節手段32、52のシャフト32b、52bの先端を受けるためのランナー72を設置し、コンクリート釘(図示せず)でランナー72を固定する。次いで、第1型枠及び第2型枠を順次設置する。その際、シャフト32b、52bの高さ調節を行った後、隣接する第1型枠の端面間及び第2型枠の端面間に型枠ハンガー20、40を挿入し、これらを連結・固定する。
(4)コンクリート76の打設空間に、補強用の鉄筋(図示せず)を設置する。型枠及び鉄筋の設置が完了した後、型枠の外周に、所定本数の縦バタパイプ(図示せず)及び横バタパイプ74を取り付け、型枠を補強する。
なお、図2に示す例では、第1型枠ホールドレール22側にのみ横バタパイプ74が設置され、第2型枠ホールドレール24側には横バタパイプが設置されていない。また、図3に示す例では、第1型枠ホールドレール42側及び第2型枠ホールドレール44側のいずれも、横バタパイプの設置が省略されている。従来、バタパイプはすべての型枠の外表面に設置するのが一般的であるが、本発明に係る型枠ハンガー20、40は、型枠の補強材としても機能するため、バタパイプの一部を省略することができる。
(5)型枠及び鉄筋の設置、並びに、型枠の補強が完了した後、ベース部及び立ち上がり部にコンクリート76を打設する。コンクリート76の表面を平らにならし、コンクリート76が安定した後、コンクリート76が完全に固化する前に、シャフト32b、52bを引き抜く。
(6)コンクリート76が完全に固化した後、立ち上がり部の天端にレベル調整用のモルタル78を流し込む。この時、コンクリート天端調整手段28、48を用いて、モルタル78のレベル調整を行う。
(7)モルタル78が完全に固化した後、型枠及び型枠ハンガー20、40を順次取り外す。この時、必要に応じて、第2アングル30、50の水平部30a、50aをハンマーでたたくと、型枠ハンガー20、40がコンクリート76に密着している場合であっても、型枠ハンガー20、40を容易に取り外すことができる。
[3. 作用]
本発明に係る型枠ハンガー20、40は、水平方向に隣接して配置された型枠の端面間に挿入され、型枠固定手段(ジョイント穴)を介して型枠が安定に連結される。その際、型枠の真下に、使い捨てのスペーサーを設置する必要がない。そのため、基礎の施工費用を低コスト化することができ、コンクリートの強度を低下させるおそれもない。
さらに、本発明に係る型枠ハンガー20、40は、型枠の補強材としても機能する。そのため、従来に比べてバタパイプの設置数が少ない場合であっても、コンクリート打設時における型枠のゆがみを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る型枠ハンガーは、ベタ基礎の一体打ちを行う際の型枠の連結用治具として用いることができる。
20、40 型枠ハンガー
22、42 第1型枠ホールドレール
22a〜22g、42a〜42d ジョイント穴(型枠固定手段)
24、44 第2型枠ホールドレール
24a〜24d、44a〜44d ジョイント穴(型枠固定手段)
26、46 第1アングル
32、52 高さ調節手段

Claims (6)

  1. 以下の構成を備えた型枠ハンガー。
    (1)前記型枠ハンガーは、
    (a)コンクリートを打設して立ち上がり部を形成するための打設空間の一方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第1型枠間、及び
    (b)前記打設空間の他方の面に沿って水平方向に配置された隣接する第2型枠間
    を連結するために用いられる。
    (2)前記型枠ハンガーは、
    隣接する前記第1型枠の端面間に挿入するための第1型枠ホールドレールと、
    隣接する前記第2型枠の端面間に挿入するための第2型枠ホールドレールと、
    前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールの上部を連結する第1アングルと、
    前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールの一方又は双方に設けられた、前記第1型枠の上端の高さ及び前記第2型枠の上端の高さを一定の高さに維持するための高さ調節手段とを備えている。
    (3)前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールは、それぞれ、前記第1型枠及び前記第2型枠を固定するための型枠固定手段を備えている。
    (4)前記高さ調節手段は、前記打設空間の外側に設けられている。
  2. 前記高さ調節手段は、
    一端が前記第1型枠ホールドレール又は前記第2型枠ホールドレールの側面に接合され、他端に雌ねじ部が形成された支持部材と、
    前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を備えたシャフトと、
    を備えている請求項1に記載の型枠ハンガー。
  3. 前記型枠固定手段は、隣接する前記第1型枠の端面間、又は隣接する前記第2型枠の端面間を貫通する連結ピンを挿入するためのジョイント穴である請求項1又は2に記載の型枠ハンガー。
  4. 前記第1アングルに設けられた、前記コンクリートの天端のレベリングに用いられるコンクリート天端調整手段をさらに備えた請求項1から3までのいずれか1項に記載の型枠ハンガー。
  5. 前記第1アングルの上方において、前記第1型枠ホールドレール及び前記第2型枠ホールドレールを連結する第2アングルをさらに備え、
    前記第2アングルは、脱枠解体時に、下から上に向かってハンマーでたたくための水平部が設けられている請求項1から4までのいずれか1項に記載の型枠ハンガー。
  6. ベタ基礎の一体打ちを行う際に、前記第1型枠及び前記第2型枠を連結するために用いられる請求項1から5までのいずれか1項に記載の型枠ハンガー。
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