JP2017227190A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の発進時に運転者がクラッチ装置6を一旦、完全継合状態にした後、半クラッチ状態に戻したときにも、期待するトルク感が得られるようにする。【解決手段】車両の発進時に車速が所定値以下であって、かつ半クラッチ状態になっていれば、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を開始し(ステップST101,ST102)、その後、クラッチ装置6が完全継合状態になれば終了時制御を開始して(ステップST104,ST105)、アシストトルク(エンジントルクの増分)を徐々に減少させる。この終了時制御の実行中に半クラッチ状態になれば、車速が所定値より高くても発進アシスト制御を再開する(ステップST101,ST102)。【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンと手動変速機との間にクラッチ装置が介在された車両の制御装置に関し、特に車両の発進時においてクラッチ装置が半継合状態とされているときのエンジントルクの制御に係る。
従来より車両に搭載されるエンジンには、乗員の手動操作によって変速段が選択される、いわゆる手動変速機が接続される場合があり、この手動変速機との間にはクラッチ装置が介在されて、乗員によるクラッチペダルの踏み操作によって継合および離脱のいずれかに切り換えられる。これにより、エンジンと手動変速機との間で動力が伝達および遮断のいずれかの状態に切り換えられる。
また、車両の発進時には乗員の操作によってクラッチ装置が半継合(いわゆる半クラッチ)状態とされ、滑りながら動力を伝達するようになる。この際、車両の運転者(乗員)は、好適な機関回転数を保ちながら車両が滑らかに発進するように、アクセルペダルの踏み操作量とクラッチペダルの踏み操作量とを互いに対応づけて、バランスよく調整する必要がある。
このような発進のための操作を容易に行えるようにするために、例えば特許文献1に記載の内燃機関の制御装置では、車両の発進時、即ち車速が停車相当の所定値以下であってかつクラッチ装置が半継合状態になっているときに、エンジントルクを増大させるようにしている。具体的には、発進時専用のトルクマップを用いて、完全継合状態のときよりも大きなゲインでエンジントルクを制御し、エンジン回転数が低下すればエンジントルクを急増させるようにしている。
前記のように発進時にエンジントルクを増大させて、運転者の操作をアシストする制御(以下、発進アシスト制御という)は通常、クラッチ装置が完全継合状態になれば終了し、その後は通常の制御目標値になるまでエンジントルクの増分を徐々に減少させる終了時制御が行われるが、このときに運転者がクラッチ装置を半継合状態に戻すように操作すると、期待するようなトルク感が得られずに、違和感を覚えるおそれがあった。
すなわち、車両の運転者は自らの操作でクラッチ装置を完全継合状態とした直後に、トルク不足を感じて再び半継合状態に戻すことがあるが、このときには既に車速が所定値を超えていて、前記の発進アシスト制御が始まらないことが多い。こうなると、運転者は、クラッチ装置を半継合状態に戻しても期待しているほどのエンジントルクが得られないことに、違和感を覚えるのである。
このような実状を考慮して本発明の目的は、車両の発進時に半クラッチ状態で発進アシスト制御を開始し、エンジントルクを増大させるようにした制御装置において、運転者がクラッチ装置を半クラッチ状態に戻したときにも、期待するトルク感が得られるようにすることである。
前記の目的を達成すべく本発明は、車両の発進時にクラッチ装置が一旦、完全継合状態になった後に、再び半継合状態になったときには、停車相当の所定値よりも高い車速であっても、発進アシスト制御を再開するようにした。
すなわち、本発明は、エンジンと手動変速機との間に介在されたクラッチ装置が、運転者の操作によって継合および離脱のいずれかに切り換えられる車両に適用され、その発進時に車速が所定値以下であって、かつ前記クラッチ装置が滑りながら動力を伝達する半継合状態になっているときに、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を開始するようにした制御装置を対象とする。
そして、前記発進アシスト制御を行う発進トルク制御手段を、この発進アシスト制御の実行中に前記クラッチ装置が完全継合状態になれば、エンジントルクの増分を徐々に減少させる終了時制御を開始するとともに、この終了時制御の実行中にクラッチ装置が前記半継合状態になった場合は、車速が前記所定値よりも高い設定値以下の場合に前記発進アシスト制御を再開するように構成した。
前記の構成により、まず、停車している車両が発進するときには、運転者の操作によってクラッチ装置が滑りながら動力を伝達する半継合状態になり、これにより車両が動き出すとともに、エンジントルクとクラッチ伝達トルクとのバランスによってエンジン回転数が変化するようになる。このとき、通常は運転者の操作によってクラッチ伝達トルクが徐々に増大し、エンジン回転数が徐々に変化するようになる。
このような発進のための操作を容易に行えるように発進トルク制御手段によって発進アシスト制御が行われ、完全継合状態に比べてエンジントルクが増大されることにより、運転者のクラッチ操作がラフなものであっても円滑な発進が可能になる。そして、車速が或る程度以上になって、乗員がクラッチ装置を完全継合状態にすると、これに応じて終了時制御が開始され、エンジントルクの増分が徐々に減少するようになる。
このとき、運転者がトルク不足を感じて再び半継合状態に戻すことがあるが、こうなると車速が停車相当の所定値よりも高くなっていても、設定値以下であれば前記発進トルク制御手段によって発進アシスト制御が開始され、再びエンジントルクが増大するようになる。これにより、車両の発進時に乗員がクラッチ装置を完全継合状態から半継合状態に戻したときに、期待するエンジントルクが得られることになる。
以上、説明したように本発明の車両の制御装置によると、車両の発進時に所定値以下でかつクラッチ装置が半継合状態のときに、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を開始するとともに、その後、クラッチ装置が完全継合状態になって、エンジントルクの増分を徐々に減少させる終了時制御の最中に再び、クラッチ装置が半継合状態になれば、車速が前記所定値よりも高くても発進アシスト制御を再開するようにしたので、クラッチ装置を半継合状態に戻した乗員の期待するトルク感が得られるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施の形態に係る車両に搭載されたパワートレインの概略構成を示す。この車両にはエンジン1および手動変速機MTが搭載されており、それらの間にはクラッチ装置6が介在されている。エンジン1からの出力はクラッチ装置6を介して手動変速機MTに伝達され、適宜、変速された後にプロペラシャフトPSを介してデファレンシャルギヤDFに伝達され、さらに左右の後輪(駆動輪)Tへと分配される。
本実施の形態において手動変速機MTは、一例として前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機であり、図示しないが、車両の運転者(乗員)によるシフトレバー(図示せず)の操作によって変速段が選択される。同様にクラッチ装置6は運転者によるクラッチペダル70(図3を参照)の操作によって、継合および離脱のいずれかの状態に切り換えられる。以下、エンジン1の全体構成、クラッチ装置6、およびECU9(Electronic Control Unit)を含む制御系などについて説明する。
−エンジンの全体構成−
図2にはエンジン1およびその吸排気系の概略構成を示す。本実施の形態におけるエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、4つの気筒2(図2には一つの気筒2のみを示す)それぞれにピストン12が収容されていて、後述のように混合気の燃焼される燃焼室11を区画している。4つのピストン12はそれぞれコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されている。
図2にはエンジン1およびその吸排気系の概略構成を示す。本実施の形態におけるエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、4つの気筒2(図2には一つの気筒2のみを示す)それぞれにピストン12が収容されていて、後述のように混合気の燃焼される燃焼室11を区画している。4つのピストン12はそれぞれコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されている。
また、クランクシャフト13には、外周面に複数の突起(歯)15aを有するシグナルロータ15が取り付けられている。このシグナルロータ15の側方近傍にはクランクポジションセンサ81が配設されており、クランクシャフト13が回転する際にシグナルロータ15の突起15aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
一方、シリンダブロック17の上端にはシリンダヘッド18が締結されて、各気筒2の上端を閉ざしている。シリンダヘッド18には点火プラグ20が配設されており、これによる点火のタイミングを調整するイグナイタ21は、ECU9によって制御される。また、4つの気筒2を取り囲むシリンダブロック17の側壁にはエンジン水温センサ82が配設されている。
また、各気筒2の燃焼室11には吸気通路3と排気通路4とがそれぞれ連通されていて、新気の吸入と燃焼ガスの排気とを行うようになっている。吸気通路3の下流端(吸気流れの下流端)には燃焼室11に臨んで吸気バルブ31が配設され、一方、排気通路4の上流端(排気流れの上流端)には燃焼室11に臨んで排気バルブ41が配設されており、これら吸気バルブ31および排気バルブ41を動作させるための動弁系が設けられている。
一例として本実施の形態ではDOHCタイプの動弁系を備え、4つの気筒2のそれぞれにおける好適なタイミングで吸気バルブ31を開閉する吸気カムシャフト31aと、同様に好適なタイミングで排気バルブ41を開閉する排気カムシャフト41aとを備えている。吸気カムシャフト31aおよび排気カムシャフト41aは、図示省略のタイミングチェーンなどによってクランクシャフト13と同期回転される。
前記吸気通路3には、エアクリーナ32、エアフローメータ83、吸気温センサ84(エアフローメータ83に内蔵)、および、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ33が配設されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動され、エンジン1の吸入空気量を調整する。スロットルバルブ33の開度はスロットル開度センサ85によって検出され、ECU9がスロットルモータ34を制御して、エンジン1の運転状態に応じて好適な吸入空気量となるようにスロットル開度をフィードバック制御する。
また、各気筒2毎に前記吸気通路3には燃料噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)35が配設されており、このインジェクタ35はECU9によって制御されて、吸気通路3内に燃料を噴射するようになっている。一方、排気通路4には触媒42,43が配設されていて、上流側の触媒42の上流側には空燃比センサ(A/Fセンサ)86が、また、下流側の触媒43の上流側には酸素センサ(O2センサ)87が配設されている。
−クラッチ装置−
図3には、クラッチ装置6と、これを作動させるために車室内に設けられたクラッチペダル70とを示している。クラッチ装置6は、エンジン1のクランクシャフト13と、手動変速機MT(図1参照)のインプットシャフト(入力軸)ISとの間に介在するように設けられ、動力を伝達または遮断するクラッチ機構部60と、これを動作させるクラッチレリーズシリンダ61と、を備えている。
図3には、クラッチ装置6と、これを作動させるために車室内に設けられたクラッチペダル70とを示している。クラッチ装置6は、エンジン1のクランクシャフト13と、手動変速機MT(図1参照)のインプットシャフト(入力軸)ISとの間に介在するように設けられ、動力を伝達または遮断するクラッチ機構部60と、これを動作させるクラッチレリーズシリンダ61と、を備えている。
クラッチ機構部60は、クランクシャフト13に取り付けられたフライホイール62と、インプットシャフトISに取り付けられたクラッチディスク64と、クラッチカバー63に配設されたプレッシャプレート65と、このプレッシャプレート65をフライホイール62に(図の左側に)向かって押圧付勢し、クラッチディスク64を挟圧させるダイヤフラムスプリング66と、を備えている。
こうしてクラッチディスク64が挟圧された状態では、クラッチ機構部60は動力を伝達する継合状態になっており、クラッチレリーズシリンダ61によってレリーズフォーク68が回動されると、動力を遮断する離脱状態に切り換えられる。すなわち、レリーズフォーク68が図3の矢印Iの向きに回動することで、レリーズベアリング67がインプットシャフトISに沿って図の左側へスライド移動し、ダイヤフラムスプリング66の内端部を変位させて、前記の挟圧力を減少させることになる。
このようなクラッチレリーズシリンダ61によるクラッチ機構部60の動作は、車両の運転者によるクラッチペダル70の踏み操作に応じて行われる。すなわち、運転者がクラッチペダル70を踏み込むことにより、クラッチマスタシリンダ71で発生したクラッチ油圧が油圧配管72を介してクラッチレリーズシリンダ61へ伝達される。これにより、前記のようにレリーズフォーク68が回動して、クラッチ機構部60が離脱状態に切り換えられる。
詳しくは、クラッチペダル70の踏み操作量(クラッチストローク)が所定量を超えたときに、クラッチ機構部60が完全に切り離されて動力伝達を遮断する離脱状態(クラッチ伝達トルクが0%の状態)になる。この状態から運転者がクラッチペダル70の踏み操作量を減らしてゆくと、クラッチ機構部60は滑りながら動力を伝達する半継合状態(以下、半クラッチ状態ともいう)になる。
この半クラッチ状態ではクラッチ機構部60における伝達トルクがクラッチストロークに応じて変更される。すなわち、クラッチペダル70の踏み操作量が減らされるに連れて(クラッチストロークの減少に連れて)クラッチ伝達トルクが増大し、クラッチペダル70の踏み操作量が所定量を下回ると、クラッチ機構部60が完全に継合された完全継合状態(クラッチ伝達トルクが100%の状態)になる。
また、そのように変化するクラッチストロークを検出するクラッチストロークセンサ8Aが設けられている。図3の例ではクラッチストロークセンサ8Aは、クラッチレリーズシリンダ61のロッド位置を検出するが、これはクラッチペダル70の移動量、レリーズベアリング67の移動量などであってもよい。クラッチストロークセンサ8Aによる検出値に基づいて、現在のクラッチ伝達トルク(クラッチ容量)を算出することができる。
−ECU−
ECU9は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
ECU9は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
ECU9には、前記したようにエンジン1のクランクポジションセンサ81、エンジン水温センサ82、エアフローメータ83、吸気温センサ84、スロットル開度センサ85、空燃比センサ86、O2センサ87などが接続されている。また、図1に示すようにECU9には、前記のクラッチストロークセンサ8Aと、クラッチペダル70と同様に車室内に設けられたアクセルペダル(図示せず)の操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ8B(図1を参照)と、シフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するシフト位置センサ8Cと、が接続されている。
さらに、ECU9には、前記した手動変速機MTのインプットシャフトISの回転数(入力軸回転数)を検出する入力軸回転数センサ8Dと、手動変速機MTのアウトプットシャフト(プロペラシャフトPSに繋がるシャフト)の回転数(出力軸回転数)を検出する出力軸回転数センサ8E(図1を参照)と、が配設されている。この出力軸回転数センサ8Eによる検出値に基づいて車速を算出することができる。
そして、ECU9は、前記の各種センサなどから入力する信号に基づいて各種の制御プログラムを実行し、例えば、エンジン1の各気筒2毎のイグナイタ21による点火プラグ20の点火時期制御、スロットルモータ34の動作によるスロットル開度の制御(即ち、吸気量の制御)、インジェクタ35による燃料噴射制御などを実行する。特に車両の発進時にECU9は、以下に説明するように円滑な車両の発進を容易ならしめる発進アシスト制御を実行する。
−車両の発進アシスト制御−
次に、本実施の形態の特徴である車両の発進アシスト制御について説明する。この制御は、車両が停車状態から発進する場合に好ましいエンジントルクを想定して、通常の制御における目標エンジントルクにアシストトルクを付加するものである。例えば、運転者がクラッチ装置6を半クラッチ状態にしているときに好適なエンジントルクの増分を、エンジン回転数などに対応づけて適合し、アシストトルクマップとして設定してある。
次に、本実施の形態の特徴である車両の発進アシスト制御について説明する。この制御は、車両が停車状態から発進する場合に好ましいエンジントルクを想定して、通常の制御における目標エンジントルクにアシストトルクを付加するものである。例えば、運転者がクラッチ装置6を半クラッチ状態にしているときに好適なエンジントルクの増分を、エンジン回転数などに対応づけて適合し、アシストトルクマップとして設定してある。
そして、そのアシストトルクマップがECU9のROMに記憶されており、車両の発進時に所定の状態において、前記アシストトルクマップを参照して算出したアシストトルクを付加することにより、円滑な発進をアシストすることができる。以下、本実施の形態における発進アシスト制御の具体的な処理の手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。
図示の制御ルーチンはエンジン1の始動後、ECU9において所定のタイミング(例えば数msecおきに)で繰り返し実行されるものであり、まず、スタート後のステップST101では、発進アシスト制御の開始条件が成立しているか否か判定する。これは、例えば、以下の各条件(1)、(2)のいずれかが成立している場合に肯定判定する。
(1)車速が所定値(例えば3km/hであり、以下では所定車速という)以下であり、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態になっていること、
(2)後述する終了時制御の実行中であれば、車速が予め設定した値(例えば8km/hであり、以下では設定車速という)以下であり、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態になっていること。
(2)後述する終了時制御の実行中であれば、車速が予め設定した値(例えば8km/hであり、以下では設定車速という)以下であり、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態になっていること。
前記車速についての判定は、出力軸回転数センサ8Eの出力に基づいて行われ、クラッチ装置6の状態についての判定はクラッチストロークセンサ8Aの出力に基づいて行われる。また、終了時制御の実行中であることは、後述する第2フラグの状態によって判定される。なお、発進アシスト制御の開始条件は前記のものに限定されず、例えば手動変速機MTの変速段が第1速段または第2速段であること(シフト位置センサ8Cの出力に基づいて判定可能)など、他の条件を付加してもよい。
そして、前記(1)(2)のいずれかの条件が成立していれば(肯定判定(YES))、ステップST102に進んで、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を行う。すなわち、アシストトルクマップを参照して算出したアシストトルクを通常の目標エンジントルクに付加した後に、ステップST103に進んで、発進アシスト制御の実行中であることを示す第1フラグをオンにして一旦、ルーチンを終了する(エンド)。
一方、前記のステップST101において、条件(1)(2)のいずれも成立しておらず、否定判定した場合は(NO)、ステップST104に進んで、今度は終了時制御への遷移判定を行う。これは、例えば前記発進アシスト制御の実行中であって、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態から完全継合状態にされたか、若しくは車速が所定のアシスト終了車速以上になったことによって、肯定判定がなされる。なお、発進アシスト制御の実行中であることは前記第1フラグの状態によって判定される。
すなわち、第1フラグがオンになっているときに、クラッチ装置6が完全継合状態になるか、または車速がアシスト終了車速以上になれば、肯定判定して(YES)ステップST105に進み、アシストトルク(エンジントルクの増分)を徐々に減少させる終了時制御を開始する。例えば発進アシスト制御を開始したときのアシストトルクを初期値として、これからサイクル毎(一定時間毎でもよい)に規定値を減算し、ステップST106に進んで終了時制御の実行中であることを示す第2フラグをオンにして一旦、ルーチンを終了する(エンド)。
また、前記のステップST104において否定判定した場合は(NO)、ステップST107に進んで、今度は通常の制御への遷移判定を行う。これは、例えば前記の終了時制御の実行中であって、かつ前記のように徐々に減少されるアシストトルクが所定の制御終了値(零に近い設定値)未満になったことによって肯定判定がなされる。なお、終了時制御の実行中であることは前記第2フラグの状態によって判定される。
そして、前記通常の制御への遷移条件が成立しておらず否定判定すれば(NO)、そのままで一旦、ルーチンを終了する(エンド)。一方、遷移条件が成立していれば(肯定判定(YES))ステップST108に進み、第2フラグをオフにして一旦、ルーチンを終了する(エンド)。これにより終了時制御も終了して、エンジン1の通常の制御が開始されるようになる。
以上、説明した発進アシスト制御のルーチンは、ECU9により燃料噴射や点火など種々の制御プログラムが同期して実行されることによって、実現される。すなわち、図4のフローのステップST101において前記の条件(1)が成立し、肯定判定してステップST102に進んで発進アシスト制御を行うことにより、ECU9(発進トルク制御手段)は、車両の発進時に車速が所定車速以下であって、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態になっているときに、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を行う。
また、ECU9は、発進アシスト制御の実行中にクラッチ装置6が完全継合状態になれば、前記ステップST104において肯定判定してステップST105に進み、アシストトルク(エンジントルクの増分)を徐々に減少させる終了時制御を開始する。さらに、その終了時制御の実行中にクラッチ装置6が半クラッチ状態になれば、前記ステップST101において前記の条件(2)が成立し、ステップST102に進んで発進アシスト制御を行うことにより、車速が所定車速より高くても発進アシスト制御が再開されるようになっている。
次に、一例として示す図5のタイミングチャートを参照して、発進アシスト制御によるアシストトルクの変化をクラッチ装置6の状態や車速、エンジン回転数などに対応付けて説明する。まず、停車している車両が発進するときには、図示しないが、運転者によるアクセルペダルの踏み操作に応じてエンジン回転数およびエンジントルクが立ち上がる。そして、時刻t1において運転者がクラッチペダル70を踏み込み、クラッチ装置6を離脱状態にするとともに、シフトレバーを操作して手動変速機MTを第1速段にする。
その後、運転者がアクセル開度を保ちながら(若しくはアクセルオフの状態で)クラッチペダル70を戻し操作すると、時刻t2においてクラッチ装置6が継合を開始して半クラッチ状態になり、これにより車両が動き出すことによって、車速Vが上昇し始める。このときには未だ車速V≦所定車速V1であるから、前記の条件(1)が成立して発進アシスト制御が開始され、エンジントルクが増大するようになる(図ではアシストトルクが立ち上がる)。
なお、そうして発進アシスト制御が開始された直後は、エンジン回転数を高めるためにアシストトルクを急増させ、その後、エンジン回転数が高くなり過ぎないように急減させて、時刻t3から再び増大させている。これにより、運転者のクラッチ操作によってクラッチ伝達トルクが増大しても、エンジン回転数の低下は抑制される。そして、時刻t4以降はクラッチ操作が安定しているため、アシストトルクも一定になっているが、仮にクラッチ操作が行われれば、アシストトルクも変化するようになる。
このように発進アシスト制御によってアシストトルクが付加されることにより、車両の発進のための操作が容易なものとなり、仮に運転者によるクラッチペダル70の踏み操作がラフなものであっても、円滑な発進が可能になる。そして、車両が走行を開始して、車速Vが上昇してゆくと、運転者がクラッチペダル70を戻すことによって、クラッチ装置6が完全継合状態になる(時刻t5)。これに応じて終了時制御が開始され、アシストトルクは徐々に減少するようになる。
これによりエンジントルクが減少すると、トルク不足を感じた運転者が再びクラッチペダル70を踏み込むことがあり、図示の例では時刻t6においてクラッチ装置6が再び半クラッチ状態に戻っている。このとき運転者は、自らのクラッチ操作によって完全継合状態にする直前のエンジントルク(アシストトルクの付加されたもの)を期待しているので、仮に発進アシスト制御が再開されず、図5に仮想線で示すようにアシストトルクが減少すると、期待しているトルク感が得られないことに違和感を覚えるおそれがある。
すなわち、前記図4のフローのステップST101における発進アシスト制御の開始条件が、仮に条件(1)だけであると、図5に仮想線のグラフで示すように時刻t6において、クラッチ装置6が半クラッチ状態になっても、このときには車速Vが所定車速V1よりも高いことから、発進アシスト制御は開始されない。このため、終了時制御が継続してしまい、その後もアシストトルクは徐々に減少することになるからである。
これに対し、本実施の形態では、前記ステップST101における発進アシスト制御の開始条件として、条件(1)だけでなく条件(2)も設定されており、前記のように終了時制御が行われているときには、車速Vが所定車速V1よりも高くても、設定車速V2以下であれば発進アシスト制御が開始される。これにより、図5に実線のグラフで示すように、時刻t6において再びアシストトルクが立ち上がり、エンジントルクが増大するようになる。
このように本実施の形態によれば、まず、車両の発進時に、車速Vが停車相当の所定車速V1以下であって、かつクラッチ装置6が半クラッチ状態であれば、発進アシスト制御が行われ、アシストトルクの付加によりエンジントルクが増大することで、円滑な発進を行うことが容易になる。そして、その後、クラッチ装置6が完全継合状態になって、終了時制御が行われているときに、再びクラッチ装置6が半クラッチ状態になれば、前記所定車速V1よりも高車速であっても、発進アシスト制御が再開される。
つまり、運転者によるクラッチペダル70の戻し操作によってクラッチ装置6が完全継合状態になった後に、これに伴い一旦、低下したエンジントルクが、クラッチ装置6を半クラッチ状態に戻すことによって再び増大するようになる。よって、運転者は、クラッチペダル70を再度、踏み込んで半クラッチ状態にするときに期待するトルク感を得られるようになり、違和感を覚える心配は少ない。
−他の実施形態−
前記した実施の形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では、図4、5を参照して説明したように、発進アシスト制御の開始直後にアシストトルクを急増させるようにしているが、これに限らず、アシストトルクは徐々に増大させるようにしてもよい。
前記した実施の形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では、図4、5を参照して説明したように、発進アシスト制御の開始直後にアシストトルクを急増させるようにしているが、これに限らず、アシストトルクは徐々に増大させるようにしてもよい。
また、前記した実施の形態や他の実施の形態においては、一例としてアシストトルクマップを参照してエンジントルクの増分(アシストトルク)を算出するようにしているが、これにも限定されず、例えば予め設定した演算式を用いてアクセル開度およびエンジン回転数に対応するアシストトルクを算出するようにしてもよい。
さらに、前記の実施の形態では、本発明を自然吸気のポート噴射式ガソリンエンジン1に適用した例について説明したが、これにも限定されず、本発明は、ターボ過給機を備えたエンジンにも適用可能であり、また、例えば筒内直噴式のガソリンエンジン、および、ポート噴射および筒内噴射の両方の燃料噴射弁を備えたガソリンエンジンにも適用可能である。
さらにまた、ガソリンエンジンにも限定されず、本発明はディーゼルエンジンやガスエンジンにも適用可能であり、さらにはエンジン出力をアシストする電動モータを備えるハイブリッドのパワートレインにも適用可能である。
本発明は、手動変速機の搭載された車両の発進時に発進アシスト制御を行って、円滑な発進を容易ならしめるものであり、乗用車などの商品性の向上に効果が高い。
1 エンジン
6 クラッチ装置
9 ECU(発進トルク制御手段)
33 スロットルバルブ
MT 手動変速機
6 クラッチ装置
9 ECU(発進トルク制御手段)
33 スロットルバルブ
MT 手動変速機
Claims (1)
- エンジンと手動変速機との間に介在されたクラッチ装置が、乗員の操作によって継合および離脱のいずれかに切り換えられる車両に適用される制御装置であって、
車両の発進時に車速が所定値以下であって、かつ前記クラッチ装置が滑りながら動力を伝達する半継合状態になっているときに、エンジントルクを増大させる発進アシスト制御を開始する発進トルク制御手段を備え、
前記発進トルク制御手段は、
前記発進アシスト制御の実行中に前記クラッチ装置が完全継合状態になれば、エンジントルクの増分を徐々に減少させる終了時制御を開始するとともに、
この終了時制御の実行中にクラッチ装置が前記半継合状態になった場合は、車速が前記所定値よりも高い設定値以下の場合に前記発進アシスト制御を再開するように構成されている
ことを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016124738A JP2017227190A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016124738A JP2017227190A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017227190A true JP2017227190A (ja) | 2017-12-28 |
Family
ID=60891331
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016124738A Pending JP2017227190A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017227190A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110594030A (zh) * | 2019-09-29 | 2019-12-20 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种发动机冷启动方法及装置 |
| JP2023038791A (ja) * | 2021-09-07 | 2023-03-17 | ボッシュ株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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2016
- 2016-06-23 JP JP2016124738A patent/JP2017227190A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110594030A (zh) * | 2019-09-29 | 2019-12-20 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种发动机冷启动方法及装置 |
| CN110594030B (zh) * | 2019-09-29 | 2022-04-05 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种发动机冷启动方法及装置 |
| JP2023038791A (ja) * | 2021-09-07 | 2023-03-17 | ボッシュ株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
| JP7769495B2 (ja) | 2021-09-07 | 2025-11-13 | ボッシュ株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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