JP2017227327A - 伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動性と耐側圧性(剛性)とを両立できる伝動ベルトを提供する。
【解決手段】張力帯2と、この張力帯2の長さ方向に略等間隔のピッチで配列され、かつ嵌合により前記張力帯と一体化した複数のブロック10とを備えた伝動ベルト1において、前記ブロック10の摩擦伝動面を樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成する。前記グラフェン類の割合は樹脂組成物全体に対して0.5〜10質量%程度である。前記グラフェン類の割合は炭素繊維100質量部に対して1〜30質量部程度である。前記グラフェンの平均粒子径は0.1〜3μm程度である。前記樹脂成分はフェノール樹脂であってもよい。前記炭素繊維は100μm以上の平均繊維長及び5〜15μmの平均繊維径を有していてもよい。前記炭素繊維はポリアクリロニトリル系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維を含んでいてもよい。前記ブロックはインサート材を含んでいてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や自動二輪車のベルト式無段変速装置に用いられる伝動ベルトに関する。
自動車、自動二輪車等における変速装置として、変速時の操作性の向上や燃料消費率の改善等を図ることができるベルト式無段変速装置が知られている。ベルト式無段変速装置に用いられるVベルト(変速ベルト)としては、ゴム製のローエッジVベルトが知られているが、高負荷伝動用途(例えば、高排気量の自動車、スクーター)では、摩擦伝動面(プーリとの接触面)が樹脂で形成された多数のブロックが、エンドレスの張力帯(センターベルト)にベルト長さ方向に間隔をおいて嵌合して一体化されたVベルトが採択されている。このVベルトとしては、金属補強材(インサート材)が樹脂被覆層で被覆されたブロックを備えたVベルトや、金属補強材(インサート材)を用いずに樹脂層のみで形成されたブロックを備えたVベルトなどが汎用されている。このようなVベルトは、プーリに巻き掛けて走行させたときに、両側面がプーリからの高い側圧に耐えるための剛性と共に、プーリとの接触に対する高度な摺動性(摩擦による発熱が小さい)や耐摩耗性が要求される。そのため、摩擦伝動面を構成する樹脂成分には、剛性などの機械的特性を向上させ、プーリから受ける側圧が高い条件にも使用可能とする(耐側圧性を向上させ、伝動ベルトの伝達性能を向上させる)目的で、炭素繊維やアラミド繊維などの補強繊維を配合したり、摺動性を向上させるために、適度な摩擦係数を与えたり(通常は摩擦係数を低下させたり)、耐摩耗性を向上させる目的で、フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、カーボンナノチューブ、二硫化モリブデン、金属石鹸等の固体潤滑剤(摩擦係数低減材)が配合される。
特開2004−239432号公報(特許文献1)には、ジェラルミン材からなるブロック本体のプーリ溝側部と対向する部分をフェノール樹脂層で被覆したブロックを備えたVベルトが開示されている。この文献の実施例では、前記フェノール樹脂層として、フェノールアラルキル樹脂とノボラックフェノール樹脂との混合樹脂100重量部に対して、カーボン短繊維76重量部及び摩擦調整剤としてのグラファイト粉末11.3重量部が配合されたフェノール樹脂層が製造されている。
特開2011−236994号公報(特許文献2)には、ジュラルミンで形成された金属補強材のプーリ接触面を樹脂被覆層で被覆したブロックを備え、前記樹脂被覆層が、マトリックス樹脂にカーボン短繊維が添加されたカーボン短繊維補強樹脂で形成されているVベルトが開示されている。この文献の実施例では、カーボン短繊維補強樹脂材料として、フェノール樹脂100重量部に対して、カーボン短繊維72.5重量部又は81重量部及びグラファイト粉末17.5重量部が配合されたカーボン短繊維補強樹脂材料が調製されている。
特開2008−208996号公報(特許文献3)には、熱可塑性樹脂30〜89質量%、繊維補強材10〜60質量%及び摩擦低減材1〜50質量%を配合した樹脂組成物からなるブロックを備えたVベルトが開示されている。この文献の実施例では、ブロックを構成する樹脂組成物として、繊維補強材としてカーボン繊維30質量%、グラファイト5〜15質量%を含むポリアミド組成物が調製されている。
特開2008−157440号公報(特許文献4)には、繊維補強材10〜40質量%及び摩擦低減材1〜20質量%を含む熱可塑性樹脂組成物からなるブロックを備えたVベルトが開示されている。この文献の実施例では、繊維補強材としてカーボン繊維30質量%、フッ素樹脂10質量%又は超高分子量ポリエチレン5質量%を含むポリアミド組成物でブロックが調製されている。
特開2003−322217号公報(特許文献5)には、カーボンナノチューブが配合された合成樹脂材料からなり、インサート材を埋設していないブロックを備えたVベルトが開示されている。この文献の実施例では、カーボンナノチューブ20〜40質量%を含むポリアミド組成物で形成されたブロックが、カーボン繊維20質量%を含むポリアミド組成物で形成されたブロックよりも、耐久性、耐摩耗性及び成形性に優れ、騒音も小さいことが記載されている。
しかし、これらの特許文献で利用されている固体潤滑剤(摩擦係数低減材)を配合した樹脂組成物を用いたブロックでは、摺動性は向上するものの、固体潤滑剤(摩擦係数低減材)により耐側圧性に必要な力学的特性(剛性)が減少したり、金属補強材(インサート材)との接着性が低下する傾向がある。特に、摺動性と耐側圧性(剛性)とはトレードオフの関係にあるため、従来の固体潤滑剤では摺動性と耐側圧性(剛性)とを両立できなかった。
特開2004−239432号公報(特許請求の範囲、段落[0025]、実施例) 特開2011−236994号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2008−208996号公報(請求項1、実施例) 特開2008−157440号公報(請求項1、実施例) 特開2003−322217号公報(請求項1、実施例)
本発明の目的は、摺動性と耐側圧性(剛性又は曲げ強度)とを両立できる伝動ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、耐久性及び耐摩耗性を向上でき、さらに耐発音性も向上できる伝動ベルトを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ブロックがインサート材を有する伝動ベルトであっても、インサート材との接着性を向上できる伝動ベルトを提供することにある。
本発明の別の目的は、摺動性、耐側圧性及び耐摩耗性を向上しつつ、生産性(又は取り扱い性)にも優れた伝動ベルトを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、伝動ベルトを構成するブロックの摩擦伝動面を、樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成することにより、摺動性と耐側圧性とを両立できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の伝動ベルトは、張力帯と、この張力帯の長さ方向に略等間隔のピッチで配列され、かつ嵌合により前記張力帯と一体化した複数のブロックとを備えた伝動ベルトであって、前記ブロックの摩擦伝動面が、樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成されている。前記グラフェン類の割合は樹脂組成物全体に対して0.5〜10質量%程度である。前記グラフェン類の割合は炭素繊維100質量部に対して1〜30質量部程度である。前記グラフェン類の平均粒子径は0.1〜3μm程度である。前記樹脂成分はフェノール樹脂であってもよい。前記フェノール樹脂は、少なくともノボラック系フェノール樹脂(又はノボラック型フェノール樹脂)を含んでいてもよい。前記フェノール樹脂は、ノボラック系フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂を含み、かつノボラック系フェノール樹脂を、ノボラック系フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂の総量に対して、50質量%を超える割合で含んでいてもよい。前記炭素繊維は100μm以上の平均繊維長及び5〜15μmの平均繊維径を有していてもよい。前記炭素繊維はポリアクリロニトリル系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維を含んでいてもよい。前記ピッチ系炭素繊維は、異方性ピッチ系炭素繊維であってもよい。前記ブロックはインサート材を含み、樹脂組成物が摩擦伝動面で樹脂被覆層を形成していてもよい。
本発明では、伝動ベルトを構成するブロックの摩擦伝動面が、樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成されているため、摺動性と耐側圧性(剛性)とを両立できる。また、伝動ベルトの耐久性及び耐摩耗性を向上でき、さらに耐発音性も向上できる。さらに、グラフェン類の割合を少量に抑制できるため、ブロックがインサート材を有する伝動ベルトであっても、インサート材との接着性を向上できる。しかも、摺動性、耐側圧性及び耐摩耗性を向上しつつ、高い生産性(又は取り扱い性)も有している。
図1は、本発明の伝動ベルトの一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1の伝動ベルトの幅方向の断面図である。 図3は、図1の伝動ベルトを構成するブロックの概略図である。 図4は、図1の伝動ベルトの側面図である。 図5は、ベルト式無段変速装置の変速機構を説明するための概略図である。 図6は、図1の伝動ベルトを構成するブロックの概略断面図である。 図7は、実施例におけるブロックの摩擦係数及び摩耗量を測定する方法を説明するための概略図である。
[伝動ベルトの構造]
本発明の伝動ベルト(摩擦伝動ベルト)は、張力帯と、この張力帯の長さ方向に略等間隔のピッチで配列され、かつ嵌合により前記張力帯と一体化した複数のブロックとを備えた構造を有していればよく、高排気量の自動車やスクーターなどの高負荷伝動用途で広く利用されている慣用の高負荷伝動用Vベルト(又は樹脂ブロックベルト)と称される摩擦伝動ベルトと同一の構造を有している。
図1は、本発明の伝動ベルトの一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1の伝動ベルトの幅方向の断面図である。図3は、図1の伝動ベルトを構成するブロックの概略図であり、詳しくは、各ブロックの平面図(a)、正面図(b)、底面図(c)及び側面図(d)である。図4は、図1の伝動ベルトの側面図である。
図1及び2に示すように、伝動ベルト1は、平行な2本のエンドレスの張力帯2と、この張力帯2の長手方向(ベルトの長手方向)に対して板面が垂直な方向で略等間隔のピッチで配列し、かつ前記張力帯2と一体化した複数の板状ブロック10とで構成されている。図3に示すように、各ブロック10は、同一形状であり、上下方向に並ぶ2本の上側ビーム部11及び下側ビーム部12をベルト幅方向の中央部でセンターピラー部13によって連結した構造を有しており、板面の形状は略H状である。すなわち、ブロック10には、上下のビーム部11,12とセンターピラー部13とによって囲まれた一対の嵌合溝14が形成されている。各張力帯2は、各ブロック10の各嵌合溝14にベルト幅方向の両側から圧入嵌合され、各ブロック10が2本の張力帯2と一体化されている。
ブロック10の上側ビーム部11及び下側ビーム部12におけるベルト幅方向の長さは、上端部が最も長く下端部に向かうにつれて短くなっており、ベルト幅方向の形状が略逆台形状を形成している。伝動ベルト1が各プーリ(後述する図5の各プーリ31,32)に巻き掛けられたときに、各ブロック10の上側ビーム部11は張力帯2よりもプーリ外径側に位置し、下側ビーム部12は張力帯2よりもプーリ内径側に位置する。すなわち、ベルト長手方向に延びる側面がプーリと接触し、ベルト側面で露出する張力帯と、この張力帯の露出部分の上下を挟む形態のブロックの側面部分とが摩擦伝動面を形成する。
図1及び4に示すように、各張力帯2の外周面と内周面には、それぞれベルト幅方向に延びる凹溝21a,21bがベルト長手方向に所定のピッチで形成されている。また、各ブロック10における嵌合溝14の上下方向の対向面には、それぞれベルト幅方向に延びる凸条15a,15bが形成されている。伝動ベルト1では、張力帯2の凹溝21a,21bに、ブロック10の各凸条15a,15bを係合させることにより、各ブロック10がベルト長手方向に沿って所定ピッチで固定される。張力帯2の内周面の凹溝21bは、断面が略四角形状である外周面の凹溝21aに比べて、断面が緩やかな凹湾曲面(半円状断面)で形成されている。そのため、凹溝21bと係合する嵌合溝14の凸条15bは、凹溝21aと係合する凸条15aと比べて、断面が緩やかな凸湾曲面で形成されている。
また、図3(d)に示すように、各ブロック10の厚み(ベルト長手方向に関する長さ)は、プーリ外径側に位置する上側ビーム部11においては、上下方向に一定の肉厚で形成されており、プーリ内径側に位置する下側ビーム部12においては、プーリ内径側となる下側に行くほど肉厚が漸減するように形成されている。
図5は、伝動ベルト1を採用したベルト式無段変速装置の変速機構を説明するための概略図である。図5に示すように、ベルト式無段変速装置30は、駆動プーリ31と従動プーリ32とにエンドレスの伝動ベルト1が巻き掛けられた構造を有している。このベルト式無段変速装置30では、伝動ベルト1の側面がプーリ31,32のV溝と接触した状態で、伝動ベルト1を二軸間で回転走行させ、さらに変速比を無段階で変化させる。
詳しくは、各プーリ31,32は、軸方向に固定された固定プーリ片31a,32aと、軸方向に移動可能とされた可動プーリ片31b,32bとからなる。そのため、このベルト式無段変速装置30では、可動プーリ片31b,32bが軸方向に移動することにより、固定プーリ片31a,32aと可動プーリ片31b,32bとで形成されるプーリ31,32のV溝の幅を連続的に変更できる。伝動ベルト1は、ベルト幅方向の両端面が各プーリ31,32のV溝対向面と傾斜が合致するテーパ面で形成され、変更されたV溝の幅に応じて、V溝対向面の任意の位置に嵌まり込む。例えば、図5(a)に示す状態から、図5(b)に示すように、駆動プーリ31のV溝の幅を狭く、従動プーリ32のV溝の幅を広くした状態に変更すると、伝動ベルト1は、駆動プーリ31側ではV溝中を外径側に向かって移動し、従動プーリ32側ではV溝中を内径側に向かって移動する。その結果、各プーリ31,32への巻き掛け半径が連続的に変化して、変速比を無段階で変えることができる。
本発明の伝動ベルトは、図1〜5に示されるベルトに限定されず、ベルト長手方向にエンドレスに延びる張力帯が屈曲可能な状態で、複数のブロックが張力帯に固定された伝動ベルトであればよく(複数のブロックが張力帯に対してキャタピラ状に連結された伝動ベルトであればよく)、慣用の高負荷伝動用Vベルト(樹脂ブロックベルト)を利用できる。
[ブロック]
ブロック10は、少なくとも摩擦伝動面(プーリとの接触面)が樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成されていればよく、この樹脂組成物のみで形成されたブロックであってもよく、インサート材の少なくとも摩擦伝動面を前記樹脂組成物で被覆したブロックであってもよい。
図6は、ブロック10の概略断面図であり、詳しくは、ベルト幅方向の断面図(a)及びベルト幅方向の中央部におけるベルト長手方向の断面図(b)である。この例では、ブロック10はインサート材40を備えており、インサート材40は、上側ビーム部41及び下側ビーム部42をベルト幅方向の中央部でセンターピラー部43によって連結した構造を有しており、上側ビーム部41と下側ビーム部42との対向面45a,45bの形状は特に制限されず、容易に調製できる点から、通常、凸条は形成されておらず、平面状(対向面におけるビーム部断面が四角形状)であることが多い。このインサート40は、表面全体が接着層60を介して前記樹脂組成物で形成された樹脂被覆層50で被覆されている。
ブロックがインサート材を有する場合、樹脂被覆層は、少なくとも摩擦伝動面に形成されていればよいが、摩擦伝動面及び張力帯との接触面に形成するのが好ましい。すなわち、少なくとも摩擦伝動面及び張力帯との接触面に形成するのが好ましく、他の部分はインサート材が露出していてもよいが、生産性などの点から、図6に示すように、インサート材の表面全体に形成するのが特に好ましい。
ブロックとしては、耐側圧性を向上できる点から、インサート材を含むブロックが好ましい。
ブロックも、図6に示されるブロックに限定されず、張力帯を屈曲可能な状態で張力帯と一体化できればよく、慣用のブロックを利用できる。
(樹脂組成物)
樹脂被覆層を形成するための樹脂組成物は、樹脂成分(マトリックス樹脂)、炭素繊維及びグラフェン類を含む。
(A)樹脂成分
樹脂成分は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム成分などが含まれる。樹脂成分は、これらの成分の混合物であってもよい。これらのうち、樹脂成分としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が汎用される。
熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性アクリル系樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱硬化性樹脂のうち、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、フェノール樹脂(特にノボラック系フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂)が特に好ましい。
ノボラック系フェノール樹脂(又はノボラック型フェノール樹脂)は、フェノール成分とアルデヒド成分とを含有するポリマーである。フェノール成分としては、例えば、フェノール、ナフトール、ビスフェノールAなどの一価のフェノール性化合物;レゾルシン、キシレノールなどの二価のフェノール性化合物;ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノンなどの三価のフェノール性化合物;これらフェノール化合物のアルキル、カルボキシル、ハロゲン、アミンなどの誘導体等が挙げられる。アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒド、フルフラールなどの芳香族アルデヒド等が挙げられる。ノボラック系フェノール樹脂におけるフェノール成分及びアルデヒド成分の含有モル比はそれらの価数バランスが考慮されて適宜設定される。ノボラック系フェノール樹脂は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
フェノールアラルキル樹脂は、フェノール成分とアラルキル成分とを含有するポリマーである。フェノール成分としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノールなどのアルキルフェノール;1−ナフトール、2−ナフトールなどのナフトール類;ヒドロキシビフェニルなどのヒドロキシアリール化合物;多価フェノールやサリチル酸などの水酸基以外の官能基を有するフェノール化合物等が挙げられる。アラルキル成分としては、例えば、p−キシリレン、m−キシリレン、o−キシリレン、ビフェニルジメチレン、ナフチレンジメチレン等が挙げられる。フェノールアラルキル樹脂は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、成形性などの点から、ポリアミドが好ましく、ポリアミド46などの脂肪族ポリアミド、ポリアミド9Tなどの芳香族ポリアミドが特に好ましい。
これらのうち、耐熱性や耐久性などの点から、熱硬化性樹脂が好ましく、ノボラック系フェノール樹脂(又はノボラック型フェノール樹脂)、フェノールアラルキル樹脂などのフェノール樹脂が特に好ましい。フェノール樹脂の割合は、樹脂成分全体に対して、例えば、50質量%以上(例えば、60〜100質量%)、好ましくは70質量%以上(例えば、80〜99質量%)、さらに好ましくは90質量%以上(例えば、95〜99質量%)であってもよく、特に、実質的に100質量%であってもよい。
前記フェノール樹脂のうち、樹脂組成物を調製し易く、生産性(取り扱い性又は成形性)に優れる点から、樹脂成分は少なくともノボラック系フェノール樹脂を含むのが好ましい。ノボラック系フェノール樹脂の割合は、フェノール樹脂全体に対して、例えば、50質量%を超える範囲から選択してもよく、例えば、50.1質量%以上(例えば、50.5〜100質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば、70〜99質量%)、さらに好ましくは80質量%以上(例えば、90〜99質量%)であってもよく、実質的に100質量%であってもよい。
また、耐側圧性や耐摩耗性をより一層向上できる点から、樹脂成分はフェノールアラルキル樹脂を含んでいてもよい。フェノールアラルキル樹脂は、炭素繊維などの他の成分と混練し難いのみならず、硬化(又はアニール)に高い温度が必要であり、伝動ベルトの生産性(取り扱い性又は成形性)を低下させる虞があるため、通常、ノボラック系フェノール樹脂と組み合わせて用いることが多い。樹脂成分が、ノボラック系フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂の双方を含む場合、ノボラック系フェノール樹脂の質量割合は、フェノールアラルキル樹脂よりも多い、すなわち、前記2つの樹脂の総量に対して50質量%を超える範囲から選択されることが多く、例えば、50.5質量%以上(例えば、55〜99.9質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば、70〜99質量%)、さらに好ましくは80質量%以上(例えば、90〜95質量%)であってもよい。ノボラック系フェノール樹脂の割合が少なすぎると生産性が低下する虞がある。なお、本発明では、樹脂組成物がグラフェン類を含むため、伝動ベルトの耐側圧性、耐摩耗性、摺動性などの特性を十分に向上できることから、フェノールアラルキル樹脂を含んでいなくてもよい。
(B)炭素繊維
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維[例えば等方性ピッチ系炭素繊維、異方性ピッチ系炭素繊維(又はメソフェーズピッチ系炭素繊維)等]、フェノール樹脂系炭素繊維、再生セルロース系炭素繊維(例えばレーヨン系炭素繊維、ポリノジック系炭素繊維等)、セルロース系炭素繊維、ポリビニルアルコール系炭素繊維等が挙げられる。これらの炭素繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの炭素繊維のうち、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維が好ましい。なかでも、強度(又は耐側圧性)や耐摩耗性をより一層向上できる点から、PAN系炭素繊維を含むのが好ましく、摺動性(摩擦係数の低減)をより一層向上できる点から、ピッチ系炭素繊維を含むのが好ましい。そのため、耐側圧性、耐摩耗性及び摺動性をバランスよく充足して耐久性を向上する観点から、PAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維との組み合わせが特に好ましい。
また、前記ピッチ系炭素繊維は、等方性ピッチ系炭素繊維であってもよいが、黒鉛結晶構造の乱れが少なく、比較的高い機械特性(強度)を有する点から、異方性ピッチ系炭素繊維であるのが好ましい。
PAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維とを組み合わせる場合、両者の質量割合は、前者/後者=3/1〜1/3、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.5(特に1.3/1〜1/1)程度である。
炭素繊維の平均繊維径は、例えば1〜30μm、好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは5〜15μm程度である。繊維径が小さすぎると、均一に分散させるのが困難となる虞があり、大きすぎると、補強効果が低下する虞がある。
炭素繊維の平均繊維長は100μm以上であってもよく、例えば150μm以上(例えば150μm〜50mm)、好ましくは300μm以上(例えば300μm〜30mm)、さらに好ましくは500μm以上(例えば500μm〜20mm)、特に1mm以上(例えば1〜10mm)であってもよい。繊維長が短すぎると、補強効果が低下する虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、炭素繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、炭素繊維を含む樹脂被覆層を硝酸に溶解した後、ろ過、洗浄、乾燥して炭素繊維を取り出し、画像解析機能を有するデジタルマイクロスコープを用いて、無作為に抽出した20本の炭素繊維の繊維径と繊維長を平均化する方法で求めることができる。
炭素繊維の引張強さ(JIS R7606:2000)は2300MPa以上(例えば2300〜4000MPa程度)であってもよく、引張弾性率(JIS R7606:2000)は230GPa以上(例えば230〜700GPa程度)であってもよい。
炭素繊維の割合は、樹脂組成物全体に対して、例えば5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%(特に20〜25質量%)程度である。炭素繊維の割合が少なすぎると、補強効果が低下する虞があり、多すぎると、ブロックの射出成形が困難となる虞がある。
(C)グラフェン類
グラフェン類は、固体潤滑剤(摩擦係数低減材)として作用し、従来の固体潤滑剤に比べて少量で摩擦係数を低減できるため、従来の技術ではトレードオフの関係にあり、実現困難であった伝動ベルトの摺動性と耐側圧性とを両立できる。さらに、意外なことに、グラフェン類は従来の個体潤滑剤とは異なり、多量に含まれていても耐側圧性や耐摩耗性が低下することなく、逆に向上する場合があり、摺動性、耐側圧性、さらには耐摩耗性をより一層高いレベルで両立することもできる。
グラフェン類には、通常「グラフェン」と称される単一のシートであるグラフェンシートと、このグラフェンシートの積層体であるグラフェン膜(多層グラフェン)とが含まれる。
グラフェンシートは、グラファイトを構成する材料であり、1原子の厚さのsp2結合炭素原子のシート(単層のシート)である。その構造は、炭素原子とその結合から形成された蜂の巣のような六角形格子構造(ハニカム構造)を有している。
グラフェン膜は、グラファイトを剥離処理して得られ、グラファイトと比べて薄肉の積層体であり、結晶構造を有している。グラフェン膜の積層枚数は、例えば2〜20枚程度であり、好ましくは3〜10枚程度である。
グラフェン膜のアスペクト比(板面の平均径/平均厚み)は20以上であってもよく、例えば20〜100000、好ましくは50〜30000、さらに好ましくは100〜10000程度である。グラフェン膜の平均厚みは、例えば1〜10nm、好ましくは1.5〜5nm程度であってもよい。
グラフェン類は、酸化グラフェンを含んでいてもよく、酸化グラフェンのみで形成されていてもよい。
グラフェン類(二次凝集体)の形状は、特に限定されず、例えば、シート状、粒状(粉末状又は不定形状)、シート状と粒状とを組み合わせた形状などが挙げられる。これらの形状のうち、取り扱い性に優れ、樹脂成分中に均一に分散し易い点から、粒状が好ましい。
グラフェン類が粒状である場合、グラフェン類の平均粒子径は50μm以下であってもよく、例えば0.01〜50μm、好ましくは0.03〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μm(特に0.1〜3μm)程度である。平均粒子径が大きすぎると、樹脂成分中で凝集塊が形成され易くなり、均一に分散させるのが困難となる虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェン類の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製「JSM−5900LV」)で5000倍に拡大して観察し、無作為20個の粒子径を測定し、平均化する方法で求めることができる。
グラフェン類は、慣用の方法で製造でき、例えば、特許第5688669号公報、特許第5697067号公報、特開2015−501873号公報、WO2013/146213号パンフレットに記載の方法などにより製造してもよい。
グラフェン類の割合は、樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%程度の範囲から選択でき、例えば0.3〜8質量%、好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは0.6〜3質量%(特に0.8〜2質量%)程度であってもよく、耐側圧性、摺動性及び耐摩耗性をより向上できる点から、例えば0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは2〜7質量%(特に4〜6質量%)程度であってもよい。なかでも、耐側圧性、摺動性、耐摩耗性、耐発音性、インサート材との接着性及び生産性などの種々の特性のバランスに優れる点から、グラフェン類の割合は、樹脂組成物全体に対して、例えば0.7〜2質量%(特に0.8〜1.5質量%)程度であるのが好ましい。グラフェン類の割合は、炭素繊維100質量部に対して、例えば1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部、さらに好ましくは3〜5質量部程度であってもよく、耐側圧性、摺動性及び耐摩耗性をより向上できる点から、例えば1〜30質量部、好ましくは4〜26質量部、さらに好ましくは8〜24質量部(特に15〜22質量部)程度であってもよい。なかでも、耐側圧性、摺動性、耐摩耗性、耐発音性、インサート材との接着性及び生産性などの種々の特性のバランスに優れる点から、例えば2〜9質量部(特に3〜5質量部)程度であるのが好ましい。グラフェン類の割合が少なすぎると、摩擦係数を低減する効果が少なくなる虞があり、多すぎると、樹脂成分への配合が困難になる虞があるとともに、金属補強材(インサート材)との接着性が低下する虞がある。
(D)他の添加剤
樹脂組成物は、慣用の固体潤滑剤、摩擦調整剤、前記炭素繊維以外の繊維補強材をさらに含んでいてもよい。
固体潤滑剤としては、例えば、グラファイト、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)、二硫化モリブデン、超高分子量ポリエチレンなどが挙げられる。これらの固体潤滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。摩擦調整剤としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、アルミナ、鉄粉、酸化亜鉛、マイカ、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、パイロフィライト(ろう石クレー)等が挙げられる。これらの摩擦調整剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。固体潤滑剤及び摩擦調整剤の合計割合は、グラフェンとの総量が樹脂組成物全体に対して50質量%以下であればよく、例えば0.5〜49.5質量%(特に1〜30質量%)程度である。
繊維補強材としては、例えば、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。これらの繊維補強材は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。繊維補強材の平均繊維長は、例えば0.5〜6mm(例えば1〜5mm)程度であり、平均繊維径は2〜100μm(例えば5〜50μm)程度である。繊維補強材の割合は、樹脂組成物全体に対して、炭素繊維との総量が樹脂組成物全体に対して50質量%以下であればよく、例えば1〜20質量%(特に2〜10質量%)程度である。
樹脂組成物は、さらに慣用の添加剤、例えば、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィンなど)、金属酸化物、硬化剤(アミン類など)、アルカリ(水酸化カルシウムなど)等を含んでいてもよい。これらの添加剤の割合は、樹脂組成物全体に対して1〜30質量%程度である。
(インサート材)
本発明では、前記樹脂組成物とインサート材(補強材)とを組み合わせることにより、伝動ベルト1の耐側圧性を向上できる。
インサート材は、前記ブロックの全体形状と略同一形状(僅かに小さい相似形状)であってもよく、通常、インサート材は、図6に示すように、ブロックと同様に、上側ビーム部及び下側ビーム部をベルト幅方向の中央部でセンターピラー部によって連結して略H状に形成されていてもよい。
インサート材は、前記樹脂組成物で形成された樹脂被覆層よりも硬度が高い硬質材料で形成されていればよいが、通常、鉄などの金属単体、アルミニウム合金などの合金、セラミックス、セラミックスと金属(例えば、アルミニウムなど)との複合材料、炭素繊維強化樹脂などの繊維強化樹脂などで形成されている。これらの硬質材料は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの硬質材料のうち、耐熱性に優れ、高強度である点から、アルミニウム合金であるジュラルミン材が好ましい。
ジュラルミン材としては、例えば、JIS規格における合金番号2017、2014、2024、A7075等のアルミニウム合金からなる金属素材の時効処理材などが挙げられる。これらのジュラルミン材のうち、耐熱性及び強度に優れる点から、JIS H A2024P T361のジュラルミン材が特に好ましい。なお、このジュラルミン材において、「A2024P」はアルミニウム合金の圧延材であることを、「2024」とは金属組成を、「T361」とは「T3」の断面積減少率をほぼ6%にしたことを、それぞれ意味する。さらに、「T3」は、溶体化処理後冷間加工を行い、さらに自然時効させたことを意味する。この合金番号の圧延材は、高温に十分に耐え得て軟化し難いという性質を有している。
インサート材は、例えば、上側ビーム部のベルト厚み方向の長さが3.5〜7mm、センターピラー部のベルト厚み方向の長さが3.5〜7mm、下側ビーム部のベルト厚み方向の長さが3.5〜7mm程度である。
(接着層)
接着層は、樹脂被覆層とインサート材との接着性を向上するために、樹脂被覆層とインサート材との間に介在されるが、接着層を介在させることなく、インサート材の表面に直接樹脂被覆層を形成してもよい。
接着層としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を含んでいてもよく、エポキシ基含有シランカップリング剤やアミノ基含有シランカップリング剤などの官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
接着層の平均厚みは、例えば0.5〜5μm、好ましくは0.8〜3μm程度である。
(ブロックの形状)
ブロックの形状は、張力帯(センターベルト)と嵌合して一体化できる形状であれば特に限定されないが、2本の張力帯を安定して固定できる点から、板面が略H状のブロックが好ましい。略H状のブロックにおいて、張力帯を収容して固定するための嵌合溝の形状としては、張力帯を嵌合により固定できれば特に限定されず、例えば、嵌合溝の上下方向の対向面でベルト幅方向に延びる凸条又は凹溝を有する形状などが挙げられるが、通常、凸条を有する形状である。また、凸条の形状も、張力帯と嵌合して一体化できればよく、特に限定されない。
ブロックのサイズは、伝動ベルトの種類やサイズに応じて適宜選択でき、特に限定されないが、ベルト厚み方向の長さが10〜17mm程度、ベルト幅方向の長さが20〜30mm程度、ベルト長手方向の長さは2〜5mm程度である。ベルト角度(側面の傾斜角度)は、例えば24〜30°程度である。
張力帯と一体化した伝動ベルトにおけるブロックのピッチは、ベルトの種類やサイズに応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば1〜6mm、好ましくは2〜4mm程度である。隣接するブロック同士は、分離していればよく、隙間なく配列されていてもよいが、通常0.01〜0.1mm、好ましくは0.02〜0.08mm程度の間隔をおいて配列されている。
[張力帯]
張力帯2は、図1及び2に示されるように、芯体としてベルト幅方向に所定間隔で配列した心線4が埋設されたゴム層5と、ゴム層5の上下面を被覆する補強布6とで形成されている。さらに、図1〜2及び4に示されるように、張力帯2の上面(外周面)には、前記ブロック10の凸条15aと係合可能な凹溝21aがベルト(張力帯)幅方向に延びており、張力帯2の下面(内周面)には、前記ブロック10の凸条15bと係合可能な凹溝21bがベルト(張力帯)幅方向に延びている。
なお、張力帯としては、前記ブロックと嵌合により一体化できれば、図1〜2及び4に示される形状を有する張力帯に限定されず、ブロックの形状に応じて、慣用の張力帯(センターベルト)を利用できる。さらに、張力帯の本数も2本に限定されず、1本や3本以上であってもよいが、ベルトの耐久性や走行安定性などの点から、通常、2本である。
(芯体)
芯体としての心線4は、ベルトの長手方向に延びて配設され、通常、ベルトの長手方向に平行に延びて、かつベルト幅方向に所定のピッチで並列的に配設されている。心線としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維等からなる撚りコードや、スチールワイヤ等が用いられる。本発明の伝動ベルトでは、心線の代りに、前記心線の撚りコードを形成する繊維からなる織布や編布、または金属薄板等を芯体として埋設してもよい。
(ゴム層)
ゴム層5としては、例えば、クロロプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム(水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーを含む)、エチレン−α−オレフィンエラストマー[エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン系ゴム]等の単一ゴムもしくはこれらのゴムを適宜ブレンドしたゴム、又はポリウレタンゴム等で形成されていてもよい。ゴム層は、慣用の添加剤を含んでいてもよい。
(補強布)
補強布6は、ベルト走行時にゴム層5がブロック10との摩擦により摩耗するのを防止するために配設され、通常、平織り、綾織り又は朱子織り等の織布で形成される。織布を構成する繊維材料としては、例えば、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等が用いられる。これらの繊維材料のうち、ブロックと張力帯との擦れによる摩耗を防止できる点からは、耐摩耗性に優れるアラミド繊維が好ましく、伸縮性に優れ、ブロックの嵌合溝の形状に対する追従性に優れる点からは、脂肪族ポリアミド繊維などのポリアミド繊維が好ましい。
[伝動ベルトの製造方法]
(ブロックの製造工程)
ブロックは、慣用の方法で製造でき、例えば、樹脂組成物を調製した後、得られた樹脂組成物を成形することにより製造できる。
樹脂組成物の調製方法としては、例えば、二軸混練機などの樹脂混練機に樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類(並びに必要に応じて他の添加剤)を投入して混練し、回収した混練物を粉砕して粉状化乃至粒状化する方法などが挙げられる。
樹脂組成物の成形方法としては、例えば、ブロック成形機の金型のキャビティ内にインサート材(金属補強材)を配置して型締めした後、キャビティ内に樹脂被覆層を形成するための前記樹脂組成物を供給することによりブロックを成形する方法などが挙げられる。なお、ブロックにインサート材を使用しない場合は、金型のキャビティ内にインサート材を配置せずに、樹脂組成物を供給する方法などが挙げられる。
樹脂成分が熱硬化性樹脂(フェノール樹脂など)を含む場合、加熱処理(又はアニール処理)により硬化してもよい。加熱処理条件は、樹脂や硬化剤の種類などに応じて適宜選択すればよく、加熱温度は、例えば100〜250℃、好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは170〜190℃程度であってもよい。加熱時間は、例えば0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間、さらに好ましくは3〜7時間程度であってもよい。加熱温度が高すぎると、生産性が低下する虞があるとともに、インサート材の物性が低下する虞がある。なお、加熱処理は、段階的に(例えば、3段階程度に分けて)加熱温度を上昇して行ってもよいが、生産性の点から、1段階で行うのが好ましい。
(張力帯の製造工程)
張力帯も、慣用の方法で製造でき、例えば、シート状未架橋ゴム組成物、心線前駆体、補強布前駆体をそれぞれ調製した後、これらの材料を用いて成形できる。
シート状未架橋ゴム組成物の調製方法としては、例えば、バンバリーミキサー等のゴム練り加工機に原料ゴムを素練りした後、素練りした原料ゴムに配合剤を投入して混練りし、さらに練り上がった未架橋ゴム組成物をカレンダロールによりシート状に加工する方法などが挙げられる。
心線前駆体の調製方法としては、例えば、撚り糸又は組紐に対して、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理液(RFL処理液)に浸漬した後に加熱する処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理を施す方法などが挙げられる。さらに、これらの処理の前に撚り糸又は組紐に対して、エポキシ化合物やイソシアネート化合物を含む処理液に浸漬した後に乾燥させる処理を施してもよい。
補強布前駆体の調製方法としては、例えば、織布、編布又は不織布に対して、RFL処理液に浸漬した後に加熱する処理及び/又はゴム糊に浸漬もしくはゴム糊をコートした後に乾燥させる処理を施す方法などが挙げられる。さらに、これらの処理の前に織布、編布又は不織布に対して、エポキシ化合物やイソシアネート化合物を含む処理液に浸漬した後に乾燥させる処理を施してもよい。
これらの前駆体を用いた張力帯の成形方法としては、例えば、以下の方法であってもよい。すなわち、まず、張力帯の内周面の凹溝形状の金型軸方向に延びる凸条が周方向に等ピッチで設けられた円筒金型を筒状に形成した下側の補強布前駆体で被覆し、その上にシート状に加工した未架橋ゴム組成物を所定層設ける。
次いで、加熱加圧装置の中に円筒金型を入れ、未架橋ゴム組成物の架橋が半分程度進行するように、装置内を所定の温度及び圧力に設定して所定時間その状態を保持する。このとき、未架橋ゴム組成物の架橋が半分程度進行してゴム層の下側半分の形状が成形されると共に、未架橋ゴム組成物が流動して円筒金型に設けられた凸条が下側の補強布を押圧し、凹溝が形成される。
続いて、加熱加圧装置の中から円筒金型を取り出し、半架橋したゴム組成物の上から心線前駆体を等ピッチで螺旋状に巻き付け、その上に再びシート状に加工した未架橋ゴム組成物を所定層設け、その上から筒状に形成した上側の補強布前駆体を被せる。
次いで、張力帯の外周面の凹溝形状の金型軸方向に延びる凸条が周方向に等ピッチで設けられた外金型をセットする。
そして、加熱加圧装置の中に各前駆体をセットした円筒金型を入れ、装置内を所定の温度及び圧力に設定して所定時間その状態を保持する。このとき、半架橋及び未架橋ゴム組成物の架橋が進行してゴム層が構成される。また、心線表面の接着剤とゴム層とが相互拡散することにより、心線がゴム層に一体に接着すると共に、上側及び下側の補強布に付着した接着剤とゴム層とが相互拡散することにより、上側及び下側の補強布がゴム層に一体に接着する。以上のようにして、円筒金型表面に円筒状のスラブが成型される。
最後に、加熱加圧装置から円筒金型を取り出し、その周面上に形成された円筒状のスラブを脱型し、これを所定幅の帯状に輪切りし、面取り加工等を行うことにより張力帯を得る。
(伝動ベルトの製造工程)
ブロックの嵌合溝の凸条と張力帯の凹溝とを対応させて、得られたブロックの一方の嵌合溝に張力帯を挿入し、ブロックを張力帯に嵌合させる。この操作を張力帯の全周について行う。同様の方法で、ブロックの他方の嵌合溝に張力帯を挿入して伝動ベルトを得る。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[樹脂組成物の調製]
二軸の樹脂混練機に表1に示す組成で各成分を投入して混練し、回収した混練物を粉状乃至粒状に粉砕して樹脂組成物1〜14を得た。
なお、表1における原料の詳細を以下に示す。
ノボラック系フェノール樹脂:群栄化学工業(株)製「PSK−2320」
フェノールアラルキル樹脂:三井化学(株)製「XL−325M」
グラフェン:グラフェンプラットフォーム(株)製「GNH−X1」
グラファイト:オリエンタル産業(株)製「AT−NO.20」
カーボンナノチューブ:昭和電工(株)製「VGCF(登録商標)−H」
PAN系炭素繊維:東邦テナックス(株)製「HT C217」、平均繊維長6mm、平均繊維径7μm、引張弾性率240GPa
ピッチ系炭素繊維:三菱ケミカル(株)製 「K6371T」、平均繊維長6mm、平均繊維径11μm、引張弾性率640GPa、異方性タイプ
アラミド短繊維:帝人(株)製「テクノーラ(登録商標)」、平均繊維長1mm。
[樹脂組成物の硬化物の強度評価]
得られた樹脂組成物1〜14を用いて、曲げ強度及びシャルピー衝撃強度の試験片を成形し、樹脂組成物の硬化物の強度を評価した結果を表2に示す。試験片の成形における樹脂組成物の硬化(又はアニール)は、樹脂組成物1〜5及び7〜14では、180℃で5時間加熱処理することにより行った。また、フェノールアラルキル樹脂を含む樹脂組成物6では、180℃で5時間、220℃で2時間、240℃で2時間の3段階の加熱処理により行った。なお、曲げ強度及びシャルピー衝撃強度の測定方法は以下の通りである。
(曲げ強度)
JIS K 7171(2008)規格に準じて曲げ強度を測定した。
(シャルピー衝撃強度)
JIS K 7111(2012)規格に準じてシャルピー衝撃強度を測定した。
表2の結果から明らかなように、樹脂組成物1、7、9、11及び13は、固体潤滑剤(グラフェン、グラファイト、二硫化モリブデン、フッ素樹脂、カーボンナノチューブ)の割合が、樹脂組成物全量に対して1質量%と少なかったため、曲げ強度、シャルピー衝撃強度がともに高く、樹脂組成物の強度が高かった。
一方、樹脂組成物8、10、12及び14は、固体潤滑剤の割合が、樹脂組成物全量に対して10質量%と多かったため、曲げ強度、シャルピー衝撃強度が樹脂組成物1〜7、9、11及び13に比べて低くなっており、樹脂組成物の強度が低下した。
樹脂組成物1〜3では、グラファイトなどの他の固体潤滑剤を用いた樹脂組成物とは異なり、グラフェンの割合の増加に伴って、樹脂組成物の強度が向上する傾向が確認された。
炭素繊維としてPAN系炭素繊維のみを用いた樹脂組成物4は、樹脂組成物1に比べて強度が高く、ピッチ系炭素繊維のみを用いた樹脂組成物5は、樹脂組成物1に比べて強度がやや低かった。また、樹脂成分としてフェノールアラルキル樹脂を含む樹脂組成物6は、樹脂組成物1に比べて強度が高いものの、十分に硬化させるには高い温度で長時間加熱処理を行う必要があるため、生産性は低かった。
[ブロックの成形]
ブロックのインサート材(補強材)には、A2024P T361のジュラルミンを用い、インサート材を樹脂組成物1で被覆したブロックを作製した(実施例1)。ブロックは、ブロックのベルト厚み方向の長さを13mm、ブロックのベルト長手方向の長さを2.95mm、ベルト角度を26°とした。なお、ブロックの成形における樹脂組成物1の硬化(又はアニール)は、180℃で5時間加熱処理することにより行った。
また、樹脂組成物2〜14についても同様にしてブロックを作製し、樹脂組成物2で被覆したブロックを実施例2、樹脂組成物3で被覆したブロックを実施例3、樹脂組成物4で被覆したブロックを実施例4、樹脂組成物5で被覆したブロックを実施例5、樹脂組成物6で被覆したブロックを実施例6、樹脂組成物7で被覆したブロックを比較例1、樹脂組成物8で被覆したブロックを比較例2、樹脂組成物9で被覆したブロックを比較例3、樹脂組成物10で被覆したブロックを比較例4、樹脂組成物11で被覆したブロックを比較例5、樹脂組成物12で被覆したブロックを比較例6、樹脂組成物13で被覆したブロックを比較例7、樹脂組成物14で被覆したブロックを比較例8とした。なお、実施例6(フェノールアラルキル樹脂を含む樹脂組成物6)では、加熱処理を180℃で5時間、220℃で2時間、240℃で2時間の3段階で行った。
[ブロックの摩擦係数及び摩耗量の測定]
図7に示すように、成形した実施例1〜6及び比較例1〜8のブロック71を、ピンオンディスク摩擦摩耗試験機(高千穂精機(株)製「TRI−S−500N」)にセットし、表3に示す試験条件で、面圧を負荷した状態で相手材72を回転し、摩擦係数及び摩耗量を測定した。摩擦係数は、試験トルクの電圧を10秒ごとにサンプリングし、試験時間70時間の平均値を算出した。摩耗量は、試験前後におけるブロック幅方向の減少量を測定した。測定結果を表4に示す。
表4の結果から明らかなように、実施例1〜6(グラフェン:1〜5質量%)で得られたブロックは、固体潤滑剤の配合量が樹脂組成物全量に対して少なかったが、比較例2(グラファイト:10質量%)、比較例4(二硫化モリブデン:10質量%)、比較例6(フッ素樹脂:10質量%)及び比較例8(カーボンナノチューブ:10質量%)で得られたブロックよりも高い効果が得られた(摩擦係数がより低く、摩耗量がより少ない)。
一方、比較例1(グラファイト:1質量%)、比較例3(二硫化モリブデン:1質量%)、比較例5(フッ素樹脂:1質量%)及び比較例7(カーボンナノチューブ:1質量%)では、固体潤滑剤の配合量が少ないにも拘わらず、実施例1のような効果は得られなかった。
また、炭素繊維としてPAN系炭素繊維のみを用いた実施例4では、実施例1に比べて摩擦係数及び摩耗量がやや大きいのに対して、ピッチ系炭素繊維のみを用いた実施例5では、実施例1に比べて摩擦係数及び摩耗量を有効に低減できた。表2及び4の結果から明らかなように、強度と摺動性とをバランスよく両立するには、PAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維とを組み合わせるのが有効であることが分かった。
樹脂成分としてフェノールアラルキル樹脂を含む実施例6は、実施例1に比べて摩擦係数及び摩耗量を低減できた。表2及び4の結果から、ノボラック系フェノール樹脂とフェノールアラルキル樹脂とを所定割合で含むと、実施例1に比べて生産性は低下するものの、強度及び摺動性をより一層向上できることが分かった。
[伝動ベルトの成形]
多数の実施例1で得られたブロックを張力帯に組み込んで、図1〜4に示される伝動ベルトと同様の構成の伝動ベルトを作製した。伝動ベルトは、心線ピッチライン上のベルト周長を612mm、心線ピッチライン上のベルト幅を25mm、ブロックのベルト厚み方向の長さを13mm、ブロックのベルト長手方向の長さを2.95mm、ブロックピッチは3mmとした。また、実施例2〜6及び比較例1〜8についても同様にして伝動ベルトを作製した。
なお、張力帯のゴム層は、「水素化ニトリルゴム」と「ジメタクリル酸亜鉛を配合した水素化ニトリルゴム」との混合物からなるゴムの組成物で形成した。心線には、RFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理及びゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理を施した直径0.72mmのアラミド繊維の撚りコードを用いた。上側及び下側の補強布のそれぞれは、ナイロン繊維の織布にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する処理並びにゴム糊に浸漬及びゴム糊をコートした後に乾燥させる処理を施した厚み0.8mmの帆布を用いた。
[ベルト耐久走行試験]
ベルト耐久走行試験では、実施例1〜6及び比較例1〜8の各伝動ベルトを駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けて、70℃の雰囲気下で、駆動プーリを回転させた。駆動プーリ及び従動プーリのV溝の角度を26°、各プーリに対する伝動ベルトの巻き掛け径を表5に示す値とした。負荷を表5に示す値とし、無負荷の場合に回転数が5000rpmとなるように設定した。軸荷重は、負荷に対して伝動ベルトがスリップしない程度とし、表5に示す値とした。伝動ベルトの走行中、軸荷重が一定となるように、両プーリの軸間距離は固定しなかった。静止状態でのベルト張力は、軸荷重の約半分の値である。ベルト耐久走行試験では、走行中のベルト側面温度、騒音、走行後のブロックの摩耗量を以下の方法で測定した。走行時間は400時間を上限に打ち切りとし、400時間未満でベルトが破損した場合は破損形態を確認した。測定結果を表6に示す。
(走行中のベルト側面温度)
回転中のベルトの側面温度を、温度計((株)イチネンTASCO製「THI−500」)を用いて、非接触で測定した。
(走行中の騒音)
駆動プーリと従動プーリとの中間、ベルトの端面から手前に150mmの位置で、騒音計((株)小野測器製「LA−4440」)を用いて、A特性で測定した。
(走行後の摩耗量)
走行前後のブロックの幅をマイクロメータで5ヶ所測定し、その変化量の平均値を計算した。
表6の結果から明らかなように、実施例1〜6の伝動ベルト(グラフェン:1〜5質量%)は、400時間走行しても破損しなかった。また、比較例に比べて、騒音(ピッチノイズ一次成分)が小さく、摩耗量も少なかった。
これに対して、比較例1、3、5及び7の伝動ベルトは、固体潤滑剤の配合量が少ないため(1質量%)、摩擦係数を低下できず、走行中のベルト側面温度が上昇し、張力帯のゴムが熱劣化してゴムに亀裂が入ること(ゴム割れ)でベルトが切断した。また、騒音(ピッチノイズ一次成分)が大きく、摩耗量が多かった。
また、比較例2、4、6及び8の伝動ベルトは、固体潤滑剤の効果が実施例1よりも小さいので、長時間の走行により張力帯の補強布の摩耗やゴム層のへたりの影響でブロックと張力帯との間でのガタツキが大きくなり、インサート材と樹脂被覆層との界面剥離により、プーリとの接触面で樹脂ブロックの破損(樹脂欠け)が生じた。また、騒音(ピッチノイズ一次成分)、摩耗量に対する効果は実施例に比べると低かった。
表2、4及び6から明らかなように、カーボンナノチューブを用いた比較例7(又は樹脂組成物13)に比べて、等量のグラフェンを用いた実施例1(又は樹脂組成物1)の方が耐側圧性、摺動性、耐摩耗性とも高かった。すなわち、同じナノ炭素材料であるものの、意外にもグラフェンではカーボンナノチューブとは挙動が異なり、1質量%程度の少ない配合量であっても、前記特性をバランスよく向上できることが分かった。
本発明の伝動ベルトは、ベルト走行中に変速比が無段階で変わる変速機(無段変速装置)に使用される摩擦伝動用Vベルト(変速ベルト)、例えば、高排気量の自動車、スクーターなどの高負荷伝動用途に利用される伝動ベルトとして利用できる。
1…伝動ベルト
2…張力帯
10…ブロック
11…上側ビーム部
12…下側ビーム部
13…センターピラー部
14…嵌合溝
15a,15b…凸条
40…インサート材
50…樹脂被覆層

Claims (11)

  1. 張力帯と、この張力帯の長さ方向に略等間隔のピッチで配列され、かつ嵌合により前記張力帯と一体化した複数のブロックとを備えた伝動ベルトであって、前記ブロックの摩擦伝動面が、樹脂成分、炭素繊維及びグラフェン類を含む樹脂組成物で形成されている伝動ベルト。
  2. グラフェン類の割合が樹脂組成物全体に対して0.5〜10質量%である請求項1記載の伝動ベルト。
  3. グラフェン類の割合が炭素繊維100質量部に対して1〜30質量部である請求項1又は2記載の伝動ベルト。
  4. グラフェン類の平均粒子径が0.1〜3μmである請求項1〜3のいずれかに記載の伝動ベルト。
  5. 樹脂成分がフェノール樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の伝動ベルト。
  6. フェノール樹脂が、少なくともノボラック系フェノール樹脂を含む請求項5記載の伝動ベルト。
  7. フェノール樹脂が、ノボラック系フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂を含み、かつノボラック系フェノール樹脂を、ノボラック系フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂の総量に対して、50質量%を超える割合で含む請求項5又は6記載の伝動ベルト。
  8. 炭素繊維が100μm以上の平均繊維長及び5〜15μmの平均繊維径を有する請求項1〜7のいずれかに記載の伝動ベルト。
  9. 炭素繊維がポリアクリロニトリル系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維を含む請求項1〜8のいずれかに記載の伝動ベルト。
  10. ピッチ系炭素繊維が、異方性ピッチ系炭素繊維である請求項9記載の伝動ベルト。
  11. ブロックがインサート材を含み、樹脂組成物が摩擦伝動面で樹脂被覆層を形成する請求項1〜10のいずれかに記載の伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019093024A (ja) * 2017-11-28 2019-06-20 株式会社三共 遊技機
JP7627813B1 (ja) * 2023-08-09 2025-02-06 ミネベアミツミ株式会社 保持器及び該保持器を備える転がり軸受
WO2025033257A1 (ja) * 2023-08-09 2025-02-13 ミネベアミツミ株式会社 保持器及び該保持器を備える転がり軸受

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