JP2017227790A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度を低くできる、水平配向モードの液晶セルを備えた液晶表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、水平配向モードの液晶セル、及び前記第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する第二偏光板を、視認側からこの順に、特定の光学軸の関係で備える液晶表示装置であって、前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)のそれぞれが、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備える、共延伸フィルムである、液晶表示装置;並びにその製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、水平配向モードの液晶セル、及び前記第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する第二偏光板を、視認側からこの順に、特定の光学軸の関係で備える液晶表示装置であって、前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)のそれぞれが、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備える、共延伸フィルムである、液晶表示装置;並びにその製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
インプレーンスイッチングモード(IPS)などの水平配向モードの液晶セルは、液晶分子が当該液晶セルの基板面に対して平行に配向しており、視野角特性等の特性に優れる。そのため、近年、このような水平配向モードの液晶セルを備えた液晶表示装置について、様々な検討が進められている。また、このような液晶セル及び他のモードの液晶セルを備えた液晶表示装置において、例えば、液晶セルと視認側偏光板との間等の様々な位置において、光学補償のための層を設けることが検討されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
液晶表示装置では、画質を向上させる観点では、光の透過を遮断した黒表示の際の輝度を低くすることが求められる。以下、適宜、黒表示の際の輝度を「黒輝度」ということがある。黒輝度は、液晶表示装置を正面から観察した場合のみならず、傾斜方向から観察した場合においても低いことが求められる。ところが、水平配向モードの液晶セルを備えた液晶表示装置では、正面方向から観察した黒輝度が低くても、傾斜方向から観察した黒輝度が高いことがあった。
従って、本発明の目的は、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度を低くできる、水平配向モードの液晶セルを備えた液晶表示装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は前記の課題を解決するべく検討した結果、水平配向モードの液晶セルを備える液晶表示装置の視認側偏光板と液晶セルとの間に、特定の位相差フィルムを複数層設けることにより、黒表示の際に正面方向のみならず傾斜方向から観察した輝度を低くできることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の通りである。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕 第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、水平配向モードの液晶セル、及び前記第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する第二偏光板を、視認側からこの順に備える液晶表示装置であって、
前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)のそれぞれが、
固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備え、前記樹脂層(A1)と前記樹脂層(B)、及び、前記樹脂層(B)と前記樹脂層(A2)が、それぞれ直接に接している、共延伸フィルムであり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記位相差フィルム(II)の面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と黒表示時の前記液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記第一偏光板の偏光透過軸とが略平行である、
前記液晶表示装置。
〔2〕 前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)は、いずれも、
波長550nmで測定した、前記樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1、前記樹脂層(A1)の厚み方向のレターデーションRthA1、前記樹脂層(B)の面内レターデーションReB、前記樹脂層(B)の厚み方向のレターデーションRthB、前記樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2、及び前記樹脂層(A2)の厚み方向のレターデーションRthA2が、下記式(1)〜(6):
20nm≦ReA1≦100nm (1)
40nm≦RthA1≦180nm (2)
60nm≦ReB≦200nm (3)
−180nm≦RthB≦−40nm (4)
0nm≦ReA2≦20nm (5)
0nm≦RthA2≦20nm (6)
を満たす、〔1〕記載の液晶表示装置。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
樹脂積層体を調製する工程であって、前記樹脂積層体は、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる層a1、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる層b、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる層a2をこの順に備え、前記層a1と前記層bとは直接に接しており、前記層bと前記層a2とは直接に接している、調製工程;
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(I)を得る、延伸工程(I)、
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(II)を得る、延伸工程(II)、及び
前記第一偏光板、前記位相差フィルム(I)、前記位相差フィルム(II)、前記液晶セル、及び前記第二偏光板を、視認側からこの順に設けるよう組み立てる、組み立て工程
を含む製造方法。
〔4〕 前記調製工程が、樹脂A1、樹脂B及び樹脂A2の共押出し工程を含む、〔3〕に記載の製造方法。
前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)のそれぞれが、
固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備え、前記樹脂層(A1)と前記樹脂層(B)、及び、前記樹脂層(B)と前記樹脂層(A2)が、それぞれ直接に接している、共延伸フィルムであり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記位相差フィルム(II)の面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と黒表示時の前記液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記第一偏光板の偏光透過軸とが略平行である、
前記液晶表示装置。
〔2〕 前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)は、いずれも、
波長550nmで測定した、前記樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1、前記樹脂層(A1)の厚み方向のレターデーションRthA1、前記樹脂層(B)の面内レターデーションReB、前記樹脂層(B)の厚み方向のレターデーションRthB、前記樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2、及び前記樹脂層(A2)の厚み方向のレターデーションRthA2が、下記式(1)〜(6):
20nm≦ReA1≦100nm (1)
40nm≦RthA1≦180nm (2)
60nm≦ReB≦200nm (3)
−180nm≦RthB≦−40nm (4)
0nm≦ReA2≦20nm (5)
0nm≦RthA2≦20nm (6)
を満たす、〔1〕記載の液晶表示装置。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
樹脂積層体を調製する工程であって、前記樹脂積層体は、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる層a1、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる層b、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる層a2をこの順に備え、前記層a1と前記層bとは直接に接しており、前記層bと前記層a2とは直接に接している、調製工程;
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(I)を得る、延伸工程(I)、
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(II)を得る、延伸工程(II)、及び
前記第一偏光板、前記位相差フィルム(I)、前記位相差フィルム(II)、前記液晶セル、及び前記第二偏光板を、視認側からこの順に設けるよう組み立てる、組み立て工程
を含む製造方法。
〔4〕 前記調製工程が、樹脂A1、樹脂B及び樹脂A2の共押出し工程を含む、〔3〕に記載の製造方法。
本発明の液晶表示装置は、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度を低くでき、本発明の液晶表示装置の製造方法では、そのような液晶表示装置を容易に製造することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
本願において、フィルム等の平坦状の構成要素の面内レターデーションは、別に断らない限り、(nx−ny)×dで表される値である。また、構成要素の厚み方向のレターデーションは、別に断らない限り、{(nx+ny)/2−nz}×dで表される値である。さらに、構成要素のNZ係数は、別に断らない限り、(nx−nz)/(nx−ny)で表される値である。ここで、nxは、構成要素の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、構成要素の前記面内方向であってnxの方向に垂直な方向の屈折率を表す。nzは、構成要素の厚み方向の屈折率を表す。dは、構成要素の膜厚を表す。別に断らない限り、本願におけるレターデーションの測定波長は550nmである。前記のレターデーションは、市販の位相差測定装置(例えば、J.A.Woollam社製「M−2000U」)あるいはセナルモン法を用いて測定できる。
本願において、固有複屈折値が正の材料とは、別に断らない限り、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きくなる材料を意味する。また、固有複屈折値が負の材料とは、別に断らない限り、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さくなる材料を意味する。材料の固有複屈折値は、誘電率分布から計算することができる。
以下の説明において、液晶表示装置の正面方向とは、別に断らない限り、当該液晶表示装置の表示面の法線方向を意味し、具体的には前記表示面の極角0°且つ方位角0°の方向を指す。
以下の説明において、液晶表示装置に対する傾斜方向とは、別に断らない限り、当該液晶表示装置の表示面に対し平行でも垂直でもない方向を意味し、具体的には前記表示面の極角が0°より大きく90°より小さい範囲の方向を指す。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。長尺のフィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
以下の説明において、「偏光板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
以下の説明において、光学部材の光学軸(偏光透過軸及び遅相軸等)がなす角度は、別に断らない限り、前記の光学部材をその厚み方向から見たときの角度を表す。
以下の説明において、フィルムの遅相軸とは、別に断らない限り、当該フィルムの面内における遅相軸を表す。
〔1.液晶表示装置の実施形態〕
本発明の液晶表示装置は、第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、液晶セル、及び第二偏光板を、視認側からこの順に備える。本発明の液晶表示装置はさらに、任意の構成要素として、第二偏光板よりも視認側から遠い位置に、光源装置を備えうる。
本発明の液晶表示装置は、第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、液晶セル、及び第二偏光板を、視認側からこの順に備える。本発明の液晶表示装置はさらに、任意の構成要素として、第二偏光板よりも視認側から遠い位置に、光源装置を備えうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置100を模式的に示す斜視図である。また、図2は、図1に示す液晶表示装置100を分解して模式的に示す分解斜視図である。
図1及び図2の例において、液晶表示装置100は、視認側の偏光板である第一偏光板110、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、光源側の偏光板である第二偏光板150、及び光源装置としてのバックライトユニット160を、視認側からこの順に備える。液晶表示装置100では、バックライトユニット160が発した光が、第二偏光板150を透過することによって直線偏光となり、その直線偏光が、液晶セル140、位相差フィルム(II)130、位相差フィルム(I)120及び第一偏光板110をこの順に透過することで、第一偏光板110の視認側にある表示面に画像が表示される。ここで、視認側とは、液晶表示装置を観察する観察者に近い側をいい、通常は、液晶表示装置の表示面に近い側をいう。また、図1において、矢印ANは、表示面の法線方向を示し、矢印ACは、表示面に対する傾斜方向を示す。
図1及び図2の例において、液晶表示装置100は、視認側の偏光板である第一偏光板110、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、光源側の偏光板である第二偏光板150、及び光源装置としてのバックライトユニット160を、視認側からこの順に備える。液晶表示装置100では、バックライトユニット160が発した光が、第二偏光板150を透過することによって直線偏光となり、その直線偏光が、液晶セル140、位相差フィルム(II)130、位相差フィルム(I)120及び第一偏光板110をこの順に透過することで、第一偏光板110の視認側にある表示面に画像が表示される。ここで、視認側とは、液晶表示装置を観察する観察者に近い側をいい、通常は、液晶表示装置の表示面に近い側をいう。また、図1において、矢印ANは、表示面の法線方向を示し、矢印ACは、表示面に対する傾斜方向を示す。
〔1.1.第一偏光板〕
第一偏光板は、偏光透過軸と平行な振動方向を有する直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収しうる機能を有する。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。図1及び図2に示す例では、視認側の第一偏光板110は、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向、即ち矢印A110で示す方向に偏光透過軸を有する偏光板である。
第一偏光板は、偏光透過軸と平行な振動方向を有する直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収しうる機能を有する。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。図1及び図2に示す例では、視認側の第一偏光板110は、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向、即ち矢印A110で示す方向に偏光透過軸を有する偏光板である。
〔1.2.液晶セル〕
液晶セルは、電極(不図示)から印加される電圧に応じて分子の配向が変化しうる液晶性化合物を含む素子であり、印加される電圧に応じて第二偏光板を透過して液晶セルに入射した直線偏光を旋光させて、第一偏光板側に出射させうる。このような液晶セルは、通常、一対の基板と、それらの基板間に挿入された液晶性化合物とを有する。本発明の液晶表示装置において、液晶セルは水平配向モードのセルである。通常、水平配向モードの液晶セルでは、液晶性化合物分子が、液晶セルの基板と平行を保ちながら、印加される電圧に応じて配向の変化を生じる。水平配向モードの具体例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モード及び強誘電性液晶(FLC)モードが挙げられる。
液晶セルは、電極(不図示)から印加される電圧に応じて分子の配向が変化しうる液晶性化合物を含む素子であり、印加される電圧に応じて第二偏光板を透過して液晶セルに入射した直線偏光を旋光させて、第一偏光板側に出射させうる。このような液晶セルは、通常、一対の基板と、それらの基板間に挿入された液晶性化合物とを有する。本発明の液晶表示装置において、液晶セルは水平配向モードのセルである。通常、水平配向モードの液晶セルでは、液晶性化合物分子が、液晶セルの基板と平行を保ちながら、印加される電圧に応じて配向の変化を生じる。水平配向モードの具体例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モード及び強誘電性液晶(FLC)モードが挙げられる。
水平配向モードの液晶セルでは、黒表示時と白表示時で液晶性化合物の配向方向が異なるため、その面内の遅相軸は、黒表示時と白表示時とで異なる方向となる。水平配向モードの液晶セルは、通常、電圧無印加状態の状態で黒表示となるよう設けられる。図1及び図2に示す例では、液晶セル140の黒表示時の面内の遅相軸は、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向、即ち矢印A140の方向である。
〔1.3.第二偏光板〕
第二偏光板は、第一偏光板と同様、偏光透過軸と平行な振動方向を有する直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収しうる機能を有する。第二偏光板は、第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する。第一偏光板の偏光透過軸と第二偏光板の偏光透過軸とが略垂直であるとは、それらのなす角が、通常85°以上、好ましくは88°以上、より好ましくは89°以上、且つ、通常95°以下、好ましくは92°以下、より好ましくは91°以下であることをいう。第一偏光板の偏光透過軸と第二偏光板の偏光透過軸とが略垂直であることにより、液晶表示装置は、液晶セルによって光の透過及び遮断の制御を行うことが可能となる。
第二偏光板は、第一偏光板と同様、偏光透過軸と平行な振動方向を有する直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収しうる機能を有する。第二偏光板は、第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する。第一偏光板の偏光透過軸と第二偏光板の偏光透過軸とが略垂直であるとは、それらのなす角が、通常85°以上、好ましくは88°以上、より好ましくは89°以上、且つ、通常95°以下、好ましくは92°以下、より好ましくは91°以下であることをいう。第一偏光板の偏光透過軸と第二偏光板の偏光透過軸とが略垂直であることにより、液晶表示装置は、液晶セルによって光の透過及び遮断の制御を行うことが可能となる。
図1及び図2に示す例では、光源側の第二偏光板150は、矩形の表示面の長辺方向に平行な方向、即ち矢印A150で示す方向に偏光透過軸を有する偏光板である。
〔1.4.バックライトユニット〕
バックライトユニット160としては、特に限定されず、液晶表示装置に採用されうる任意の光源を用いうる。バックライトユニット160の具体例としては、冷陰極管、発光ダイオード、有機エレクトロルミネッセンス素子などを備えるバックライトユニットが挙げられる。
バックライトユニット160としては、特に限定されず、液晶表示装置に採用されうる任意の光源を用いうる。バックライトユニット160の具体例としては、冷陰極管、発光ダイオード、有機エレクトロルミネッセンス素子などを備えるバックライトユニットが挙げられる。
〔1.5.位相差フィルム(I)及び(II)〕
本発明の液晶表示装置において、位相差フィルム(I)及び(II)のそれぞれは、樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備える。また、樹脂層(A1)と前記樹脂層(B)とは直接に接しており、さらに、樹脂層(B)と樹脂層(A2)とは直接に接している。すなわち、樹脂層(A1)と樹脂層(B)との間には他の層は無く、また、樹脂層(B)と樹脂層(A2)との間に他の層は無い。
本発明の液晶表示装置において、位相差フィルム(I)及び(II)のそれぞれは、樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備える。また、樹脂層(A1)と前記樹脂層(B)とは直接に接しており、さらに、樹脂層(B)と樹脂層(A2)とは直接に接している。すなわち、樹脂層(A1)と樹脂層(B)との間には他の層は無く、また、樹脂層(B)と樹脂層(A2)との間に他の層は無い。
樹脂層(A1)は、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる層である。樹脂層(B)は、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる層である。樹脂層(A2)は、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる層である。
図3は、図1及び図2における位相差フィルム(I)120を分解して模式的に示す分解斜視図である。図3において、位相差フィルム(I)120は、樹脂層(A1)121、樹脂層(B)122、及び樹脂層(A2)123を、視認側からこの順に有する。一方図4は、図1及び図2における位相差フィルム(II)130を分解して模式的に示す分解斜視図である。図4において、位相差フィルム(II)130は、樹脂層(A1)131、樹脂層(B)132、及び樹脂層(A2)133を、視認側からこの順に有する。
本発明の液晶表示装置においては、位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と位相差フィルム(II)の面内の遅相軸とが略平行であり、位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と黒表示状態の液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であり、位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と第一偏光板の偏光透過軸とが略平行である。
位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と、位相差フィルム(II)の面内の遅相軸とが略平行であるとは、それらのなす角が、通常−0.5°以上、好ましくは−0.3°以上、より好ましくは−0.1°以上、且つ、通常0.5°以下、好ましくは0.3°以下、より好ましくは0.1°以下であることをいう。
位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と、黒表示状態の液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であるとは、それらのなす角が、通常−0.5°以上、好ましくは−0.3°以上、より好ましくは−0.1°以上、且つ、通常0.5°以下、好ましくは0.3°以下、より好ましくは0.1°以下であることをいう。
位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と、黒表示状態の液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であるとは、それらのなす角が、通常−0.5°以上、好ましくは−0.3°以上、より好ましくは−0.1°以上、且つ、通常0.5°以下、好ましくは0.3°以下、より好ましくは0.1°以下であることをいう。
図1〜図4の例では、樹脂層(A1)121の遅相軸A121、樹脂層(B)122の遅相軸A122、及び樹脂層(A2)123の遅相軸A123は、いずれも、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向である。したがって、位相差フィルム(I)120の遅相軸A120も、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向となる。同様に、樹脂層(A1)131の遅相軸A131、樹脂層(B)132の遅相軸A132、及び樹脂層(A2)133の遅相軸A133は、いずれも、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向である。したがって、位相差フィルム(II)130の遅相軸A130も、矩形の表示面の長辺方向に垂直な方向となる。したがって、位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と位相差フィルム(II)130の面内の遅相軸A130とは平行であり、位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120は黒表示状態の液晶セル140の面内の遅相軸A140と平行であり、位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120は第一偏光板110の偏光透過軸A110と平行である。
位相差フィルム(I)及び(II)は、いずれも、共延伸フィルムである。共延伸フィルムとは、複数種類の樹脂からなる複数の層を有する樹脂積層体を延伸してなるフィルムであるものをいう。
本発明の液晶表示装置では、上記構成を採用することにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度のみならず、黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度をも低くすることができるという、顕著な効果を奏する。
具体的には、液晶セルと第一偏光板との間に、位相差フィルムとして、2枚の位相差フィルム(I)及び(II)を設けることにより、同様の位相差フィルムが1枚である場合に比べて、様々な方位角及び極角から観察した場合の黒輝度を、低く、且つ均一に近い状態とすることができる。このことは、例えば本願実施例1〜3と比較例1〜2との、シミュレーション結果の対比により示される。
但し、位相差フィルム(I)及び(II)のそれぞれは、固有複屈折率が正の樹脂からなる樹脂層及び固有複屈折率が負の樹脂からなる樹脂層を含む多数の層からなっている。このような多数の層からなる構成をとった場合、各層の僅かな遅相軸のズレに基づいて、光漏れ等の不具合が発生する可能性が、位相差フィルムが1枚である場合に比べてより多くなり、シミュレーションで想定される効果が実装評価においては得られない場合がある。例えば、本願比較例3は、本願実施例1と略同等の光学的な構成を備えているにも関わらず、実装評価において不良な結果となっている。
ここで、位相差フィルム(I)及び(II)として共延伸フィルムを採用した場合、層内の各構成要素の遅相軸のズレが1°未満といったものが容易に得られる。一方位相差フィルム(I)と位相差フィルム(II)とは別々の共延伸フィルムであるため、これらの光学特性は、黒輝度の低下が効果的に得られる態様に、容易に調整しうる。かくして、本発明の液晶表示装置は、黒輝度の低下が効果的に得られる光学的態様を容易に得られる自由度と、各構成要素を高い精度で容易に実装することができるという利点のバランスがとれたものであり、その結果、黒表示の際に正面方向から観察した輝度のみならず、黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度をも低くすることができるという、顕著な効果を奏する。
本発明の効果が発現する具体的な態様の例を、図15〜図20を参照して説明する。図17〜図20は、図1〜図4に示す液晶表示装置100を斜め方向から観察した場合の光の偏光状態の変化の例を示す概略図である。一方、図15及び16は、本願比較例1に示す液晶表示装置を斜め方向から観察した場合の光の偏光状態の変化の例を示す概略図である。
後により具体的に述べる通り、本願比較例1に示す液晶表示装置は、タブレットデバイスにおいて、視認側偏光板、光学積層体、液晶セル、光源側偏光板、及びバックライトユニットを、視認側からこの順に備えるものであり、この光学積層体は、光源側の位相差フィルム及び視認側の位相差フィルムを備え、光源側の位相差フィルムは固有複屈折率が負の材料で構成されたNz係数−1程度の位相差フィルムであり、一方視認側の位相差フィルムは固有複屈折率が正の材料で構成されたNz係数1.4程度の位相差フィルムである。
図15〜図20の例においては、直交座標軸S1、S2及びS3を有するポアンカレ球を、座標軸S2側から観察した状態を示している。一般にポアンカレ球においては、極座標(座標軸S3)の北極に相当する位置が円偏光を表し、南極に相当する位置がその逆回りの円偏光を表し、赤道に相当する位置が直線偏光を表し、これら以外の位置が楕円偏光を表す。図15〜図20の例においては、座標軸S2の方向は、光源側偏光板の透過軸方向(図1〜図2の例では矢印A150で示される方向)に対応する。
図15〜図20の例においては、視認側偏光板の透過軸方向に対する方位角45°、極角60°方向から観察した場合における、光の偏光状態を示している。このような観察において、光源側偏光板の透過軸を透過した光の偏光状態は、座標軸S2から若干シフトした位置である、座標T150で示される。一方、視認側偏光板の吸収軸は、座標軸S2からT150とは逆向きにシフトした座標AB110で示される。したがって、光源側偏光板から出射した光の偏光状態を、位相差フィルムにより、座標T150で示される偏光状態から、座標AB110で示される偏光状態に変換すれば、当該方向から観察した場合における、黒表示時の光漏れを完全に消失させることができる。
本願比較例1に示す液晶表示装置において、光源から出射し、光源側偏光板及び液晶セルを透過した光は、光源側の位相差フィルムに入射する。図15は、光源側の位相差フィルムに入射した光の偏光状態が、当該位相差フィルムを透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。一般的に、位相差フィルムが波長分散性を有するため、偏光状態の変換は、入射光の波長領域において一様ではない。したがって、この例のように、光源側の位相差フィルムから出射した光は、波長ごとに異なる偏光状態を有することとなる。この例では、光源側の位相差フィルムから出射した赤(波長650nm)、緑(波長550nm)及び青(波長450nm)の光は、それぞれ座標R1、G1及びB1で示す偏光状態となり、可視光全体は、線V1で示す偏光状態分布となる。
光源側の位相差フィルムから出射した光は、視認側の位相差フィルムに入射し、視認側の位相差フィルム内を透過することによりさらに変換される。図16は、光源側の位相差フィルムから出射し、視認側の位相差フィルムに入射した光の偏光状態が、当該位相差フィルムを透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。座標R1、G1及びB1並びに線V1で示す偏光状態を有する入射光は、かかる変換により、座標R2、G2及びB2並びに線V2で示す偏光状態に変換され出射する。出射光は、この偏光状態で、視認側偏光板に到達する。
図15〜図16の例では、視認側偏光板に到達した光のうち、可視光の中央波長である緑色の光が、座標G2で示される偏光状態となり、従って座標AB110で示される偏光状態にごく近い状態となる。その結果、当該波長においては黒表示時の光漏れが低減される。しかしながら、波長分散の結果、緑色から離れた波長の光の偏光状態は、座標AB110で示される偏光状態から大きく離れた状態となる。その結果、可視光全体においては黒表示時の光漏れが多く生じる。
一方、図1〜図4に示す液晶表示装置において、光源から出射し、第二偏光板(光源側偏光板)、液晶セル、及び位相差フィルム(II)の樹脂層(A2)を透過した光は、樹脂層(B)に入射する。図17は、図1〜図4に示す液晶表示装置において、位相差フィルム(II)の樹脂層(B)に入射した光の偏光状態が、樹脂層(B)を透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。この例において、樹脂層(A2)は、光学的に無視しうる程度に低い位相差を有するものであるため、入射光の偏光状態は、図15におけるものと略同様である。樹脂層(B)に入射した光は、波長領域において一様ではない変換を受け、樹脂層(B)から出射した赤、緑及び青の光は、それぞれ座標R3、G3及びB3で示す偏光状態となり、可視光全体は、線V3で示す偏光状態分布となる。
位相差フィルム(II)の樹脂層(B)から出射した光は、位相差フィルム(II)の樹脂層(A1)に入射し、かかる樹脂層(A1)内を透過することによりさらに変換される。図18は、位相差フィルム(II)の樹脂層(B)から出射し、位相差フィルム(II)の樹脂層(A1)に入射した光の偏光状態が、当該樹脂層(A1)を透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。座標R3、G3及びB3並びに線V3で示す偏光状態を有する入射光は、かかる変換により、座標R4、G4及びB4並びに線V4で示す偏光状態に変換され出射する。
位相差フィルム(II)の樹脂層(A1)から出射した光は、位相差フィルム(I)の樹脂層(A2)を透過し、位相差フィルム(I)の樹脂層(B)に入射し、かかる樹脂層(B)内を透過することによりさらに変換される。図19は、位相差フィルム(II)の樹脂層(A1)から出射し、位相差フィルム(I)の樹脂層(B)に入射した光の偏光状態が、当該樹脂層(B)を透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。座標R4、G4及びB5並びに線V4で示す偏光状態を有する入射光は、かかる変換により、座標R5、G5及びB5並びに線V5で示す偏光状態に変換され出射する。
位相差フィルム(I)の樹脂層(B)から出射した光は、位相差フィルム(I)の樹脂層(A1)に入射し、かかる樹脂層(A1)内を透過することによりさらに変換される。図20は、位相差フィルム(I)の樹脂層(B)から出射し、位相差フィルム(I)の樹脂層(A1)に入射した光の偏光状態が、当該樹脂層(A1)を透過し出射することにより、どのように変換されるかを示している。座標R5、G5及びB5並びに線V5で示す偏光状態を有する入射光は、かかる変換により、座標R6、G6及びB6並びに線V6で示す偏光状態に変換され出射する。出射光は、この偏光状態で、第一偏光板(視認側偏光板)に到達する。
図17〜図20の例では、位相差フィルム(I)による変換を、敢えて座標AB110から遠い楕円偏光状態となるよう行い、その後さらに位相差フィルム(II)により変換して座標AB110に近い偏光状態としている。これにより、位相差フィルム(I)において発生した波長分散を、位相差フィルム(II)で発生する波長分散により打消すことが可能となる。その結果、第一偏光板に到達した光のうち緑色の波長の光のみならず、緑色から離れた波長の光の偏光状態も、図15〜図16の例に比べて、座標AB110で示される偏光状態に近い状態に収束させることが可能となる。
このように、位相差フィルム(I)及び(II)を組み合わせた場合、広い波長領域において、黒表示時に斜め方向から観察した場合の透過光の偏光状態を、視認側の偏光板の吸収軸に対応する偏光状態に近い状態に収束させることが可能となる。したがって、位相差フィルム(I)及び(II)を有する本発明の液晶表示装置によれば、黒表示の際に正面方向から観察した輝度のみならず、黒表示の際に傾斜方向から観察した輝度をも低くすることができるという、顕著な効果を奏する。
〔1.6.位相差フィルム(I)及び(II)の光学的特性〕
位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)は、いずれも、そのレターデーションが、下記の要件を満たすことが好ましい。即ち、位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)のそれぞれにおいて、樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1、樹脂層(A1)の厚み方向のレターデーションRthA1、樹脂層(B)の面内レターデーションReB、樹脂層(B)の厚み方向のレターデーションRthB、樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2、及び、樹脂層(A2)の厚み方向のレターデーションRthA2が、下記式(1)〜(6)を満たすことが好ましい。
20nm≦ReA1≦100nm (1)
40nm≦RthA1≦180nm (2)
60nm≦ReB≦200nm (3)
−180nm≦RthB≦−40nm (4)
0nm≦ReA2≦20nm (5)
0nm≦RthA2≦20nm (6)
位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)は、いずれも、そのレターデーションが、下記の要件を満たすことが好ましい。即ち、位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)のそれぞれにおいて、樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1、樹脂層(A1)の厚み方向のレターデーションRthA1、樹脂層(B)の面内レターデーションReB、樹脂層(B)の厚み方向のレターデーションRthB、樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2、及び、樹脂層(A2)の厚み方向のレターデーションRthA2が、下記式(1)〜(6)を満たすことが好ましい。
20nm≦ReA1≦100nm (1)
40nm≦RthA1≦180nm (2)
60nm≦ReB≦200nm (3)
−180nm≦RthB≦−40nm (4)
0nm≦ReA2≦20nm (5)
0nm≦RthA2≦20nm (6)
位相差フィルム(I)及び(II)のレターデーションが式(1)〜(6)を満たすことにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び傾斜方向から観察した輝度を、より少ないムラで、さらに低くすることができる。
さらに、位相差フィルム(I)は、下記式(1−I)〜(4−I)を満たすことが好ましく、位相差フィルム(II)は、下記式(1−II)〜(4−II)を満たすことが好ましい。これらを満たすことにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び傾斜方向から観察した輝度を、より少ないムラで、さらに低くすることができる。
25nm≦ReA1≦50nm (1−I)
50nm≦RthA1≦70nm (2−I)
150nm≦ReB≦200nm (3−I)
−180nm≦RthB≦−100nm (4−I)
50nm≦ReA1≦100nm (1−II)
70nm≦RthA1≦150nm (2−II)
60nm≦ReB≦100nm (3−II)
−80nm≦RthB≦−50nm (4−II)
25nm≦ReA1≦50nm (1−I)
50nm≦RthA1≦70nm (2−I)
150nm≦ReB≦200nm (3−I)
−180nm≦RthB≦−100nm (4−I)
50nm≦ReA1≦100nm (1−II)
70nm≦RthA1≦150nm (2−II)
60nm≦ReB≦100nm (3−II)
−80nm≦RthB≦−50nm (4−II)
一方、位相差フィルム(I)及び(II)において、樹脂層(A2)は、光学的に無視しうる程度に低い位相差を有することが好ましいものであり、従って、位相差フィルム(I)及び(II)は、下記式(5’)及び(6’)を満たすことがより好ましい。
0nm≦ReA2≦10nm (5’)
0nm≦RthA2≦10nm (6’)
0nm≦ReA2≦10nm (5’)
0nm≦RthA2≦10nm (6’)
このように、光学的に無視しうる程度に低い位相差を有する樹脂層(A2)は、光学補償には寄与しないが、位相差フィルム(I)及び(II)の強度及び耐久性に貢献しうる。具体的には、固有複屈折が負である樹脂Bは、多くの場合樹脂A1に比べて強度が劣るところ、樹脂Bの両面に樹脂層(A1)及び(A2)を設けることにより、製造時及び使用時の位相差フィルムの劣化を低減することができる。また、位相差フィルムの撓み及び反りを防止できる。
位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)のそれぞれにおいては、樹脂層(A1)の面内の遅相軸と、樹脂層(B)の面内の遅相軸とが平行であることが好ましい。さらに好ましくは樹脂層(A1)の面内の遅相軸と樹脂層(A2)の面内の遅相軸も平行であることが好ましい。樹脂層(A1)の面内の遅相軸と、樹脂層(B)又は(A2)の面内の遅相軸とが平行であるとは、それらのなす角が、通常−0.05°以上、好ましくは−0.03°以上、より好ましくは−0.01°以上、且つ、通常0.05°以下、好ましくは0.03°以下、より好ましくは0.01°以下であることをいう。
位相差フィルム(I)の面内レターデーションRe(I)は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、一方好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
位相差フィルム(I)の厚み方向のレターデーションRth(I)は、好ましくは−100nm以上、より好ましくは−80nm以上であり、一方好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。
位相差フィルム(II)の面内レターデーションRe(II)は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、一方好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
位相差フィルム(II)の厚み方向のレターデーションRth(II)は、好ましくは−50nm以上、より好ましくは−40nm以上であり、一方好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。
位相差フィルム(I)及び(II)の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションを前記範囲内とすることにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び傾斜方向から観察した輝度を、より少ないムラで、さらに低くすることができる。
位相差フィルム(I)の厚み方向のレターデーションRth(I)は、好ましくは−100nm以上、より好ましくは−80nm以上であり、一方好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。
位相差フィルム(II)の面内レターデーションRe(II)は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、一方好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
位相差フィルム(II)の厚み方向のレターデーションRth(II)は、好ましくは−50nm以上、より好ましくは−40nm以上であり、一方好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。
位相差フィルム(I)及び(II)の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションを前記範囲内とすることにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び傾斜方向から観察した輝度を、より少ないムラで、さらに低くすることができる。
位相差フィルム(I)のNz係数は、好ましくは−0.5以上、より好ましくは−0.3以上であり、一方好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下である。位相差フィルム(II)のNz係数は、好ましくは−0.5以上、より好ましくは−0.3以上であり、一方好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下である。位相差フィルム(I)及び(II)のNz係数を前記範囲内とすることにより、黒表示の際に正面方向から観察した輝度及び傾斜方向から観察した輝度を、より少ないムラで、さらに低くすることができる。
〔1.7.任意の構成要素〕
本発明の液晶表示装置は、上に述べた構成要素の他に、任意の構成要素を備えていてもよい。任意の構成要素としては、例えば、各層を貼合する粘着剤層、反射板、拡散板、輝度向上フィルム、保護フィルム等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上に述べた構成要素の他に、任意の構成要素を備えていてもよい。任意の構成要素としては、例えば、各層を貼合する粘着剤層、反射板、拡散板、輝度向上フィルム、保護フィルム等が挙げられる。
〔2.液晶表示装置の製造方法〕
本発明の液晶表示装置は、第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、液晶セル、及び第二偏光板を、視認側からこの順に設けるよう組み立てる製造方法により製造しうる。組み立ては、これらの構成要素を単に重ね合わせることにより行ってもよく、これらの構成要素を適切な粘着剤により貼合することにより行ってもよい。本発明の液晶表示装置の製造方法において、位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)のそれぞれは特定の樹脂積層体を調製する調製工程、及びこの樹脂積層体を延伸する延伸工程により製造しうる。当該調製工程及び延伸工程は、以下に具体的に述べる方法により行いうる。
本発明の液晶表示装置は、第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、液晶セル、及び第二偏光板を、視認側からこの順に設けるよう組み立てる製造方法により製造しうる。組み立ては、これらの構成要素を単に重ね合わせることにより行ってもよく、これらの構成要素を適切な粘着剤により貼合することにより行ってもよい。本発明の液晶表示装置の製造方法において、位相差フィルム(I)及び位相差フィルム(II)のそれぞれは特定の樹脂積層体を調製する調製工程、及びこの樹脂積層体を延伸する延伸工程により製造しうる。当該調製工程及び延伸工程は、以下に具体的に述べる方法により行いうる。
〔3.各構成要素の具体例及び調製方法〕
次に、上述した液晶表示装置における各構成要素の好ましい例を、より具体的に説明する。
次に、上述した液晶表示装置における各構成要素の好ましい例を、より具体的に説明する。
〔3.1.位相差フィルム:樹脂A1〕
位相差フィルムの樹脂層(A1)を構成する樹脂A1は、通常、固有複屈折が正である重合体を含む。この重合体の例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル重合体;ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド重合体;ポリビニルアルコール重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアリレート重合体、セルロースエステル重合体、ポリエーテルスルホン重合体、ポリスルホン重合体、ポリアリルスルホン重合体、ポリ塩化ビニル重合体、ノルボルネン重合体、棒状液晶ポリマーなどが挙げられる。これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、重合体は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。これらの中でも、レターデーションの発現性、低温での延伸性、および樹脂層(A1)と樹脂層(A1)以外の層との接着性の観点から、ポリカーボネート重合体が好ましい。
位相差フィルムの樹脂層(A1)を構成する樹脂A1は、通常、固有複屈折が正である重合体を含む。この重合体の例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル重合体;ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド重合体;ポリビニルアルコール重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアリレート重合体、セルロースエステル重合体、ポリエーテルスルホン重合体、ポリスルホン重合体、ポリアリルスルホン重合体、ポリ塩化ビニル重合体、ノルボルネン重合体、棒状液晶ポリマーなどが挙げられる。これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、重合体は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。これらの中でも、レターデーションの発現性、低温での延伸性、および樹脂層(A1)と樹脂層(A1)以外の層との接着性の観点から、ポリカーボネート重合体が好ましい。
ポリカーボネート重合体としては、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)を含む構造単位を有する任意の重合体を用いうる。ポリカーボネート重合体の例を挙げると、ビスフェノールAポリカーボネート、分岐ビスフェノールAポリカーボネート、o,o,o’,o’−テトラメチルビスフェノールAポリカーボネートなどが挙げられる。
樹脂A1は、配合剤を含んでいてもよい。配合剤の例を挙げると、滑剤;層状結晶化合物;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;可塑剤;染料及び顔料等の着色剤;帯電防止剤;などが挙げられる。中でも、滑剤及び紫外線吸収剤は、可撓性及び耐候性を向上させることができるので好ましい。また、配合剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
滑剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム等の無機粒子;ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等の有機粒子;などが挙げられる。中でも、滑剤としては有機粒子が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが挙げられる。好適な紫外線吸収剤の具体例を挙げると、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。特に好適なものとしては、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が挙げられる。
配合剤の量は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で適宜定めうる。例えば、位相差フィルムの1mm厚換算での全光線透過率が80%以上を維持できる範囲としうる。
樹脂A1の重量平均分子量は、樹脂A1で溶融押し出し法又は溶液流延法等の方法を実施できる範囲に調整することが好ましい。
樹脂A1のガラス転移温度TgA1は、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上、中でも好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上である。ガラス転移温度TgA1がこのように高いことにより、樹脂A1の配向緩和を低減することができる。また、ガラス転移温度TgA1の上限に特に制限は無いが、通常は200℃以下である。
樹脂Bのガラス転移温度TgBにおける樹脂A1の破断伸度は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。破断伸度がこの範囲にあれば、延伸により安定的に位相差フィルムを作製することができる。ここで、破断伸度は、JISK7127記載の試験片タイプ1Bの試験片を用いて、引っ張り速度100mm/分において求めうる。また、樹脂A1の前記の破断伸度の上限に特に制限は無いが、通常は200%以下である。
〔3.2.位相差フィルム:樹脂B〕
位相差フィルムの樹脂層(B)を構成する樹脂Bは、通常、固有複屈折が負である重合体を含む。この重合体の例を挙げると、スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体、並びに、スチレン又はスチレン誘導体と他の任意のモノマーとの共重合体を含むポリスチレン系重合体;ポリアクリロニトリル重合体;ポリメチルメタクリレート重合体;あるいはこれらの多元共重合ポリマー;などが挙げられる。また、スチレン又はスチレン誘導体に共重合させうる前記任意のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、及びブタジエンが好ましいものとして挙げられる。また、これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、レターデーションの発現性が高いという観点から、ポリスチレン系重合体が好ましく、さらに耐熱性が高いという点で、スチレン又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が特に好ましい。この場合、ポリスチレン系重合体100重量部に対して、無水マレイン酸を重合して形成される構造を有する構造単位(無水マレイン酸単位)の量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、特に好ましくは15重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは28重量部以下、特に好ましくは26重量部以下である。
位相差フィルムの樹脂層(B)を構成する樹脂Bは、通常、固有複屈折が負である重合体を含む。この重合体の例を挙げると、スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体、並びに、スチレン又はスチレン誘導体と他の任意のモノマーとの共重合体を含むポリスチレン系重合体;ポリアクリロニトリル重合体;ポリメチルメタクリレート重合体;あるいはこれらの多元共重合ポリマー;などが挙げられる。また、スチレン又はスチレン誘導体に共重合させうる前記任意のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、及びブタジエンが好ましいものとして挙げられる。また、これらの重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、レターデーションの発現性が高いという観点から、ポリスチレン系重合体が好ましく、さらに耐熱性が高いという点で、スチレン又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が特に好ましい。この場合、ポリスチレン系重合体100重量部に対して、無水マレイン酸を重合して形成される構造を有する構造単位(無水マレイン酸単位)の量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、特に好ましくは15重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは28重量部以下、特に好ましくは26重量部以下である。
樹脂Bは、配合剤を含んでいてもよい。配合剤の例としては、樹脂A1が含んでいてもよい配合剤と同様のものが挙げられる。また、配合剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
配合剤の量は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で適宜定めうるものであり、例えば、位相差フィルムの1mm厚換算での全光線透過率が80%以上を維持できる範囲としうる。
配合剤の量は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で適宜定めうるものであり、例えば、位相差フィルムの1mm厚換算での全光線透過率が80%以上を維持できる範囲としうる。
樹脂Bの重量平均分子量は、樹脂Bで溶融押し出し法又は溶液流延法等の方法を実施できる範囲に調整することが好ましい。
樹脂Bのガラス転移温度TgBは、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上、中でも好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上である。ガラス転移温度TgBがこのように高いことにより、樹脂Bの配向緩和を低減することができる。また、ガラス転移温度TgBの上限に特に制限は無いが、通常は200℃以下である。
樹脂A1のガラス転移温度TgA1における樹脂Bの破断伸度は、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。破断伸度がこの範囲にあれば、延伸により安定的に位相差フィルムを作製することができる。ここで、樹脂Bの破断伸度の上限に特に制限は無いが、通常は200%以下である。
樹脂A1のガラス転移温度TgA1と樹脂Bのガラス転移温度TgBとの差の絶対値は、好ましくは5℃より大きく、より好ましくは8℃以上であり、好ましくは40℃以下、より好ましくは20℃以下である。前記のガラス転移温度の差の絶対値を前記範囲の下限値より大きくすることにより、レターデーションの発現の温度依存性を大きくできる。一方、上限値以下にすることにより、ガラス転移温度の高い方の樹脂の延伸を容易にして、位相差フィルムの平面性を高めることができる。
ここで、樹脂Bのガラス転移温度TgBは樹脂A1のガラス転移温度TgA1よりも低いことが好ましい。よって、樹脂A1と樹脂Bとは、TgA1>TgB+5℃の関係を満たすことが好ましい。
ここで、樹脂Bのガラス転移温度TgBは樹脂A1のガラス転移温度TgA1よりも低いことが好ましい。よって、樹脂A1と樹脂Bとは、TgA1>TgB+5℃の関係を満たすことが好ましい。
〔3.3.位相差フィルム:樹脂A2〕
樹脂A2としては、樹脂A1と同様の範囲の材料から樹脂A1とは異なる樹脂を選択して用いてもよい。したがって、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体とは別の種類の重合体を含んでいてもよい。また、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体と同じ種類の重合体を含み、且つ、樹脂A1が含む配合剤とは別の種類の配合剤を含んでいてもよい。さらに、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体及び配合剤と同じ種類の重合体及び配合剤を含み、その重合体及び配合剤の量を樹脂A1と異なる量にしてもよい。しかし、樹脂A2としては、樹脂A1と同じ樹脂を用いることが、特に好ましい。樹脂A1と樹脂A2とが同じ樹脂であると、位相差フィルムにおいて撓み及び反りを防止できる。また、位相差フィルムにおいて樹脂層(A1)の面内遅相軸と樹脂層(A2)の面内遅相軸とを容易に平行にすることができる。
樹脂A2としては、樹脂A1と同様の範囲の材料から樹脂A1とは異なる樹脂を選択して用いてもよい。したがって、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体とは別の種類の重合体を含んでいてもよい。また、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体と同じ種類の重合体を含み、且つ、樹脂A1が含む配合剤とは別の種類の配合剤を含んでいてもよい。さらに、例えば、樹脂A2は、樹脂A1が含む重合体及び配合剤と同じ種類の重合体及び配合剤を含み、その重合体及び配合剤の量を樹脂A1と異なる量にしてもよい。しかし、樹脂A2としては、樹脂A1と同じ樹脂を用いることが、特に好ましい。樹脂A1と樹脂A2とが同じ樹脂であると、位相差フィルムにおいて撓み及び反りを防止できる。また、位相差フィルムにおいて樹脂層(A1)の面内遅相軸と樹脂層(A2)の面内遅相軸とを容易に平行にすることができる。
〔3.4.位相差フィルム:製造方法の概要〕
位相差フィルムは、特定の樹脂積層体を製造し、これを共延伸することにより製造しうる。この際、樹脂積層体の延伸は、樹脂積層体を温度T1で第一の方向に延伸する第一延伸工程と;第一延伸工程で延伸された樹脂積層体を、温度T1より低い温度T2において第一の方向に直交する第二の方向へ延伸して位相差フィルムを得る第二延伸工程と;を行うことが好ましい。以下、この製造方法について説明する。
位相差フィルムは、特定の樹脂積層体を製造し、これを共延伸することにより製造しうる。この際、樹脂積層体の延伸は、樹脂積層体を温度T1で第一の方向に延伸する第一延伸工程と;第一延伸工程で延伸された樹脂積層体を、温度T1より低い温度T2において第一の方向に直交する第二の方向へ延伸して位相差フィルムを得る第二延伸工程と;を行うことが好ましい。以下、この製造方法について説明する。
〔3.5.位相差フィルム:樹脂積層体〕
樹脂積層体は、樹脂A1からなる層a1、樹脂Bからなる層b、及び、樹脂A2からなる層a2をこの順に備える。また、層a1と層bとは直接に接しており、層bと層a2とは直接に接している。すなわち、層a1と層bとの間には他の層は無く、また、層bと層a2との間に他の層は無い。
樹脂積層体は、樹脂A1からなる層a1、樹脂Bからなる層b、及び、樹脂A2からなる層a2をこの順に備える。また、層a1と層bとは直接に接しており、層bと層a2とは直接に接している。すなわち、層a1と層bとの間には他の層は無く、また、層bと層a2との間に他の層は無い。
樹脂積層体は、温度T1及びT2という異なる温度で互いに直交する異なる方向に延伸することにより、層a1、層b及び層a2のそれぞれにおいて各温度T1及びT2、延伸倍率、並びに延伸方向に応じてレターデーションを生じうるという性質を有する。この性質を利用して、位相差フィルムを製造することができる。具体的には、この樹脂積層体を延伸して得られる位相差フィルムにおいては、層a1に生じるレターデーションと、層bに生じるレターデーションと、層a2に生じるレターデーションとが合成されることにより、位相差フィルム全体として所望の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションが得られる。
延伸により層a1、層b及び層a2に生じるレターデーションの大きさは、樹脂積層体の構成(例えば、各層の数及び厚み)、延伸温度及び延伸倍率などの条件に応じて決まる。そのため、樹脂積層体の構成は、発現させようとする光学補償機能等の光学的機能に応じて定めることが好ましい。
中でも、樹脂積層体は、ある一方向への延伸方向(すなわち、一軸延伸方向)をX軸、一軸延伸方向に対してフィルム面内で直交する方向をY軸、およびフィルム厚み方向をZ軸としたときに、フィルム面に垂直に入射しかつ電気ベクトルの振動面がXZ面にある直線偏光(以下、適宜「XZ偏光」という。)の、フィルム面に垂直に入射しかつ電気ベクトルの振動面がYZ面にある直線偏光(以下、適宜「YZ偏光」という。)に対する位相が、
温度T1及びT2のうちの一方(通常は温度T1)でX軸方向に一軸延伸したときには遅れ、
温度T1及びT2のうちの他方(通常は温度T2)でX軸方向に一軸延伸したときには進む、
との要件(以下、適宜「要件P」ということがある。)を満たすことが好ましい。
温度T1及びT2のうちの一方(通常は温度T1)でX軸方向に一軸延伸したときには遅れ、
温度T1及びT2のうちの他方(通常は温度T2)でX軸方向に一軸延伸したときには進む、
との要件(以下、適宜「要件P」ということがある。)を満たすことが好ましい。
前記の要件Pは、樹脂積層体の面内の様々な方向のうち、少なくとも一の方向をX軸とした場合に満たすようにする。通常、樹脂積層体は等方な(即ち、異方性を有しない)原反フィルムであるので、面内の一の方向をX軸としたときに要件Pを満たせば、他のどの方向をX軸としたときも要件Pを満たすことができる。
一般に、一軸延伸によってX軸に面内遅相軸が現れるフィルムでは、XZ偏光はYZ偏光に対して位相が遅れる。逆に、一軸延伸によってX軸に進相軸が現れるフィルムでは、XZ偏光はYZ偏光に対して位相が進む。前記の要件Pを満たす樹脂積層体はこれらの性質を利用した積層体であり、通常、面内遅相軸又は進相軸の現れ方が延伸温度に依存するフィルムである。このようなレターデーションの発現の温度依存性は、例えば、樹脂A1、樹脂B及び樹脂A2の光弾性係数並びに各層の厚み比などの関係を調整することで調整できる。
ここで、「延伸方向を基準とした面内レターデーション」を例に挙げて、樹脂積層体が満たすべき条件を説明する。延伸方向を基準とした面内レターデーションを、延伸方向であるX軸方向の屈折率nXと面内で延伸方向に直交する方向であるY軸方向の屈折率nYとの差(=nX−nY)に厚みdを乗じて求められる値と定義する。この際、層a1と層bと層a2とを備える樹脂積層体を延伸した時に当該樹脂積層体全体に発現しうる延伸方向を基準とした面内レターデーションは、層a1に発現する延伸方向を基準とした面内レターデーションと、層bに発現する延伸方向を基準とした面内レターデーションと、層a2に発現する延伸方向を基準とした面内レターデーションとから合成される。そこで、層a1と層bと層a2とを含む樹脂積層体を延伸した時に発現する延伸方向を基準とした面内レターデーションの符号が、高い温度T1における延伸と低い温度T2における延伸とで逆になるようにするために、下記の条件(i)及び(ii)を満たすように層a1、層b及び層a2の厚みを調整することが好ましい。
(i)低い温度T2における延伸で、ガラス転移温度の高い樹脂が発現するレターデーションの絶対値が、ガラス転移温度の低い樹脂が発現するレターデーションの絶対値よりも、小さくなる。
(ii)高い温度T1における延伸で、ガラス転移温度の低い樹脂が発現するレターデーションの絶対値が、ガラス転移温度の高い樹脂が発現するレターデーションの絶対値よりも、小さくなる。
(i)低い温度T2における延伸で、ガラス転移温度の高い樹脂が発現するレターデーションの絶対値が、ガラス転移温度の低い樹脂が発現するレターデーションの絶対値よりも、小さくなる。
(ii)高い温度T1における延伸で、ガラス転移温度の低い樹脂が発現するレターデーションの絶対値が、ガラス転移温度の高い樹脂が発現するレターデーションの絶対値よりも、小さくなる。
このように、一方向への延伸(即ち、一軸延伸)によって層a1、層b及び層a2のそれぞれに発現するX軸方向の屈折率nXとY軸方向の屈折率nYとの差;層a1の厚みの総和;層bの厚みの総和;並びに、層a2の厚みの総和を調整することで、要件P(即ち、XZ偏光のYZ偏光に対する位相が、温度T1及びT2の一方でX軸方向に一軸延伸したときには遅れ、温度T1及びT2の他方でX軸方向に一軸延伸したときには進む、という要件)を満たす樹脂積層体を得ることができる。
例えば、温度Taで第一延伸工程を行い、層a1及び層a2においてプラスの延伸方向を基準としたレターデーション並びに層bにおいてマイナスの延伸方向を基準としたレターデーションを発現させる。次いで第一延伸工程における延伸方向と面内で直交する方向に、温度Tbで第一延伸工程より低い延伸倍率にて第二延伸工程を行い、層a1及び層a2においてプラスの第一延伸工程における延伸方向を基準としたレターデーションを有したままで、層bにおいて第一延伸工程で発現した面内のレターデーションを相殺する。これにより、層a1及び層a2を延伸して得られる樹脂層(A1)および樹脂層(A2)、並びに層bを延伸して得られる樹脂層(B)の両方に、所望の位相差を付与し、所望の位相差フィルムを得ることができる。
層a1、層b及び層a2の具体的な厚みは、上述した要件Pを満たすべく、製造したい位相差フィルムのレターデーションに応じて設定しうる。この際、層a1及び層a2の厚みの総和と、層bの厚みの総和との比{(層a1の厚みの総和+層a2の厚みの総和)/(層bの厚みの総和)}は、好ましくは1/15以上、より好ましくは1/10以上であり、また、好ましくは1/4以下である。これにより、延伸処理によるレターデーション発現の温度依存性を大きくできる。
層a1、層b及び層a2の合計厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下、特に好ましくは150μm以下である。層a1、層b及び層a2の合計厚みを前記範囲の下限値以上にすることにより、十分なレターデーションを発現させることができる。また、位相差フィルムの機械的強度を高くできる。また、上限値以下にすることにより、位相差フィルムに高い柔軟性を持たせて、ハンドリング性を高めることができる。
樹脂積層体の製造方法に制限は無いが、樹脂A1、樹脂B及び樹脂A2を用いて、共押出し法又は共流延法により製造することが好ましい。この中でも、共押出し法が好ましい。共押出し法は、溶融状態にした複数の樹脂を押し出して成形する方法である。共押出し法は、製造効率の点、並びに、樹脂積層体中に溶媒などの揮発性成分を残留させないという点で、優れている。
共押出し方法としては、例えば、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等が挙げられる。これらの中でも、共押出Tダイ法が好ましい。共押出Tダイ法にはフィードブロック方式及びマルチマニホールド方式がある。その中でも、層a1及び層a2の厚みのばらつきを少なくできる点で、マルチマニホールド方式が特に好ましい。
共押出Tダイ法を採用する場合、Tダイを有する押出機における樹脂の溶融温度は、各樹脂のガラス転移温度Tgに対して、(Tg+80)℃以上にすることが好ましく、(Tg+100)℃以上にすることがより好ましく、また、(Tg+180)℃以下にすることが好ましく、(Tg+150)℃以下にすることがより好ましい。押出機での樹脂の溶融温度を前記範囲の下限値以上とすることにより、樹脂の流動性を十分に高めることができる。また、上限値以下とすることにより、樹脂の劣化を防止することができる。
ダイスの開口部から押し出されたフィルム状の溶融樹脂は、冷却ドラムに密着させることが好ましい。これにより、溶融樹脂を速やかに硬化させて、所望の樹脂積層体を効率的に得ることができる。
溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる方法は、特に制限されず、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
冷却ドラムの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ドラムの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスの開口部から押出された溶融樹脂の冷却ドラムへの通し方も特に制限されない。
溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる方法は、特に制限されず、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
冷却ドラムの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ドラムの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスの開口部から押出された溶融樹脂の冷却ドラムへの通し方も特に制限されない。
冷却ドラムの温度により、通常、押出されたフィルム状の樹脂の冷却ドラムへの密着具合が変化する。そのため、冷却ドラムの温度は、ダイスから押し出す樹脂のうちドラムに接触する層の樹脂のガラス転移温度Tgに対して、好ましくは(Tg+30)℃以下、さらに好ましくは(Tg−5)℃〜(Tg−45)℃の範囲にする。冷却ドラムの温度を前記範囲の下限値以上にすることにより、冷却ドラムに対する樹脂の密着を良好にできる。また、上限値以下にすることにより、フィルム状の樹脂を冷却ドラムから容易に剥がし取ることができる。また、冷却ドラムの温度を前記の範囲に収めることにより、滑り及びキズなどの不具合を防止することができる。
また、樹脂積層体中の残留溶媒の量は少なくすることが好ましい。そのための手段としては、(1)原料となる樹脂の残留溶媒を少なくする;(2)樹脂積層体を成形する前に樹脂を予備乾燥する;などの手段が挙げられる。予備乾燥は、例えば樹脂をペレットなどの形態にして、熱風乾燥機などで行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、樹脂積層体中の残留溶媒を低減させる事ができ、さらに押し出されたフィルム状の樹脂の発泡を防ぐことができる。
〔3.6.位相差フィルム:第一延伸工程〕
第一延伸工程では、樹脂積層体を温度T1で一方向に延伸する。即ち、樹脂積層体を温度T1で一軸延伸する。この際、第一延伸工程で樹脂積層体を延伸する方向が、第一の方向である。このような第一延伸工程を行うことにより、樹脂積層体に含まれる層a1、層b及び層a2が共延伸される。温度T1で延伸すると、層a1、層b及び層a2のそれぞれにおいて、樹脂積層体の構成、並びに、延伸温度T1及び延伸倍率などの延伸条件に応じてレターデーションが生じ、層a1、層b及び層a2を含む樹脂積層体全体としてもレターデーションを生じる。この際、例えば樹脂積層体が要件Pを満たす場合には、XZ偏光のYZ偏光に対する位相は、遅れるか、若しくは進む。
第一延伸工程では、樹脂積層体を温度T1で一方向に延伸する。即ち、樹脂積層体を温度T1で一軸延伸する。この際、第一延伸工程で樹脂積層体を延伸する方向が、第一の方向である。このような第一延伸工程を行うことにより、樹脂積層体に含まれる層a1、層b及び層a2が共延伸される。温度T1で延伸すると、層a1、層b及び層a2のそれぞれにおいて、樹脂積層体の構成、並びに、延伸温度T1及び延伸倍率などの延伸条件に応じてレターデーションが生じ、層a1、層b及び層a2を含む樹脂積層体全体としてもレターデーションを生じる。この際、例えば樹脂積層体が要件Pを満たす場合には、XZ偏光のYZ偏光に対する位相は、遅れるか、若しくは進む。
温度T1は、所望のレターデーションが得られるように、適切な温度に設定しうる。例えば、樹脂A1のガラス転移温度TgA1及び樹脂A2のガラス転移温度TgA2が樹脂Bのガラス転移温度TgBよりも高い場合、温度T1は、次のように設定することが好ましい。即ち、温度T1は、樹脂A1のガラス転移温度TgA1、樹脂Bのガラス転移温度TgB、樹脂A2のガラス転移温度TgA2を基準として、TgBより高いことが好ましく、TgB+5℃より高いことがより好ましく、TgB+10℃より高いことがさらに好ましく、また、TgA1およびTgA2のいずれか高い温度+20℃より低いことが好ましく、TgA1およびTgA2のいずれか高い温度+10℃より低いことがより好ましい。温度T1を前記温度範囲の下限よりも高くすると樹脂層(B)の面内レターデーションReB及び厚み方向のレターデーションRthBを所望の範囲に安定して収めることができる。また、温度T1を前記温度範囲の上限よりも低くすると、樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1及び厚み方向のレターデーションRthA1、並びに、樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2及び厚み方向のレターデーションRthA2を所望の範囲に安定して収めることができる。
第一延伸工程での延伸倍率は、好ましくは2.0倍を超え、また、好ましくは4.0倍以下、より好ましくは3.5倍以下、特に好ましくは3.0倍以下である。第一延伸工程での延伸倍率を前記範囲内とすることにより、所望の位相差を有する位相差フィルムを製造することができる。
第一延伸工程における延伸速度は、好ましくは2.0倍/分以上であり、好ましくは4.0倍/分以下、より好ましくは3.5倍/分以下、特に好ましくは3.0倍/分以下である。延伸速度を前記範囲の下限値以上にすることにより、生産性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、レターデーションのばらつきを低減することができる。
一軸延伸は、従来公知の方法で行いうる。例えば、ロール間の周速の差を利用して縦方向(通常はMD方向に一致する。)に一軸延伸する方法;テンターを用いて横方向(通常はTD方向に一致する。)に一軸延伸する方法;等が挙げられる。縦方向に一軸延伸する方法としては、例えば、ロール間でのIR加熱方式及びフロート方式等が挙げられ、中でも、光学的な均一性が高い位相差フィルムが得られる点から、フロート方式が好適である。一方、横方向に一軸延伸する方法としては、テンター法が挙げられる。
また、延伸の際には、延伸ムラ及び厚みムラを小さくするために、延伸ゾーンにおいて樹脂積層体の幅方向に温度差がつくようにしてもよい。延伸ゾーンにおいて幅方向に温度差をつけるには、例えば、温風ノズルの開度を幅方向で調整したり、IRヒーターを幅方向に並べて加熱制御したりするなど、公知の手法を用いてもよい。
位相差フィルムにおいて、通常、樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)は、第一延伸工程で樹脂積層体を延伸した第一の方向に平行な面内遅相軸を有する。よって、位相差フィルム全体の面内遅相軸も、通常は、第一の方向に平行となる。そのため、第一の方向は、製造しようとする位相差フィルムにおいて面内遅相軸を発現させたい方向と平行に設定することが好ましい。
〔3.7.位相差フィルム:第二延伸工程〕
第一延伸工程の後、第二延伸工程を行う。第二延伸工程では、第一延伸工程で第一の方向に延伸された樹脂積層体を、前記第一の方向に面内で直交する第二の方向へ延伸する。
第一延伸工程の後、第二延伸工程を行う。第二延伸工程では、第一延伸工程で第一の方向に延伸された樹脂積層体を、前記第一の方向に面内で直交する第二の方向へ延伸する。
第二延伸工程では、温度T1よりも低い温度T2において樹脂積層体を延伸する。即ち、樹脂積層体を相対的に低い温度T2において一軸延伸する。温度T2で延伸すると、層a1、層b及び層a2のそれぞれにおいて、樹脂積層体の構成、並びに、延伸温度T2及び延伸倍率などの延伸条件に応じてレターデーションが生じ、層a1、層b及び層a2を含む樹脂積層体全体としてもレターデーションを生じる。この際、例えば樹脂積層体が要件Pを満たすのであれば、第一延伸工程での延伸によりXZ偏光のYZ偏光に対する位相が遅れた場合には第二延伸工程での延伸によりXZ偏光のYZ偏光に対する位相は進み、第一延伸工程での延伸によりXZ偏光のYZ偏光に対する位相が進んだ場合には第二延伸工程での延伸によりXZ偏光のYZ偏光に対する位相は遅れることになる。
温度T2は、所望のレターデーションが得られるように、適切な温度に設定しうる。例えば、樹脂A1のガラス転移温度TgA1及び樹脂A2のガラス転移温度TgA2が樹脂Bのガラス転移温度TgBよりも高い場合、温度T2は、次のように設定することが好ましい。即ち、温度T2は、樹脂Bのガラス転移温度TgBを基準として、TgB−20℃より高いことが好ましく、TgB−10℃より高いことがより好ましく、また、TgB+5℃より低いことが好ましく、TgBより低いことがより好ましい。延伸温度T2を前記温度範囲の下限よりも高くすることにより、延伸時に樹脂積層体の破断及び白濁を防止できる。また、上限値以下にすることにより、樹脂層(B)のレターデーションReB及びRthBを所望の範囲に安定して収めることができる。
温度T1と温度T2との差は、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上である。温度T1と温度T2との差を前記のように大きくすることで、位相差フィルムに偏光板補償機能を安定して発現させることができる。また、温度T1と温度T2との差の上限に制限は無いが、工業生産性の観点からは100℃以下である。
第二延伸工程での延伸倍率は、第一延伸工程での延伸倍率よりも小さいことが好ましい。第二延伸工程での具体的な延伸倍率は、好ましくは1.01倍以上、より好ましくは1.02倍以上、特に好ましくは1.03倍以上であり、また、好ましくは1.15倍以下、より好ましくは1.12倍以下、特に好ましくは1.10倍以下である。第二延伸工程での延伸倍率を前記範囲内とすることにより、所望の位相差を有する位相差フィルムを製造することができる。
第二延伸工程における延伸速度は、好ましくは1.01倍/分以上、より好ましくは1.02倍/分以上、特に好ましくは1.03倍/分以上であり、好ましくは1.15倍/分以下、より好ましくは1.12倍/分以下、特に好ましくは1.10倍/分以下である。延伸速度を前記範囲の下限値以上にすることにより、生産性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、レターデーションのばらつきを低減することができる。
第二延伸工程での延伸としては、一軸延伸を行いうる。この一軸延伸の具体的な方法は、第一延伸工程での一軸延伸で採用できる方法と同様の方法を用いうる。
第一延伸工程及び第二延伸工程における延伸方向の組み合わせは、任意である。例えば、第一延伸工程で縦方向に延伸し、第二延伸工程で横方向に延伸してもよい。また、例えば、第一延伸工程で横方向に延伸し、第二延伸工程で縦方向に延伸してもよい。さらに、例えば、第一延伸工程で斜め方向に延伸し、第二延伸工程で前記の斜め方向に直交する斜め方向に延伸してもよい。ここで斜め方向とは、縦方向及び横方向の両方に平行でない方向を表す。中でも、第一延伸工程で横方向に延伸し、第二延伸工程で縦方向に延伸することが好ましい。延伸倍率が小さい第二延伸工程での延伸を縦方向に行うようにすることで、得られる位相差フィルムの全幅にわたって光軸の方向のバラツキを小さくできる。
上述したように樹脂積層体に対して第一延伸工程と第二延伸工程とを行うことにより、第一延伸工程及び第二延伸工程のそれぞれにおいて、層a1、層b及び層a2に延伸温度、延伸方向及び延伸倍率等の延伸条件に応じたレターデーションが生じる。このため、第一延伸工程と第二延伸工程とを経て得られる位相差フィルムでは、第一延伸工程及び第二延伸工程のそれぞれにおいて層a1、層b及び層a2に生じたレターデーションが合成されることにより、偏光板補償機能等の光学的機能を発現するに足りるレターデーションが生じる。したがって、第一延伸工程及び第二延伸工程を含む製造方法により、所望のレターデーションを有する位相差フィルムを得ることができる。
また、共延伸による製造方法は、層a1、層b及び層a2を備える樹脂積層体を延伸して樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)を得ているので、別々に樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)を用意してからそれらを貼り合せて位相差フィルムを製造する場合に比べて、接着剤の塗布及び硬化が不要であるので、製造工程を短縮でき、製造コストを低減することができる。さらに、貼り合わせ角度の調整が不要であることから、面内遅相軸の方向精度の向上が容易であり、製品の高品質化が期待できる。
上述した製造方法においては、例えば、第一延伸工程及び第二延伸工程における延伸倍率及び延伸温度を調整することにより、位相差フィルムの樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションを調整できる。
〔3.8.位相差フィルム:任意の工程〕
上述した位相差フィルムの製造方法においては、上述した第一延伸工程及び第二延伸工程以外に、任意の工程を行ってもよい。
例えば、樹脂積層体を延伸する前に、樹脂積層体を予め加熱する工程(予熱工程)を設けてもよい。樹脂積層体を加熱する手段としては、例えば、オーブン型加熱装置、ラジエーション加熱装置、又は液体中に浸すことなどが挙げられる。中でもオーブン型加熱装置が好ましい。予熱工程における加熱温度は、好ましくは延伸温度−40℃以上、より好ましくは延伸温度−30℃以上であり、好ましくは延伸温度+20℃以下、より好ましくは延伸温度+15℃以下である。ここで延伸温度とは、加熱装置の設定温度を意味する。
上述した位相差フィルムの製造方法においては、上述した第一延伸工程及び第二延伸工程以外に、任意の工程を行ってもよい。
例えば、樹脂積層体を延伸する前に、樹脂積層体を予め加熱する工程(予熱工程)を設けてもよい。樹脂積層体を加熱する手段としては、例えば、オーブン型加熱装置、ラジエーション加熱装置、又は液体中に浸すことなどが挙げられる。中でもオーブン型加熱装置が好ましい。予熱工程における加熱温度は、好ましくは延伸温度−40℃以上、より好ましくは延伸温度−30℃以上であり、好ましくは延伸温度+20℃以下、より好ましくは延伸温度+15℃以下である。ここで延伸温度とは、加熱装置の設定温度を意味する。
また、例えば、第一延伸工程の後、第二延伸工程の後、又は、第一延伸工程の後及び第二延伸工程の後の両方に、延伸したフィルムに固定処理を施してもよい。固定処理における温度は、好ましくは室温以上、より好ましくは延伸温度−40℃以上であり、好ましくは延伸温度+30℃以下、より好ましくは延伸温度+20℃以下である。
さらに、例えば、得られた位相差フィルムの表面に、例えばマット層、ハードコート層、反射防止層、防汚層等の任意の層を設ける工程を行ってもよい。
〔3.9.偏光板〕
偏光板は、通常は偏光子を備え、必要に応じて偏光子を保護するための保護フィルムを備える。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の適切なビニルアルコール系重合体のフィルムに、ヨウ素及び二色性染料等の二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適切な処理を適切な順序及び方式で施したものを用いうる。通常、偏光子を製造するための延伸処理では、延伸前の長尺のフィルムを長手方向に延伸するので、得られる偏光子においては当該偏光子の長手方向に平行な吸収軸が発現しうる。この偏光子は、吸収軸と平行な振動方向を有する直線偏光を吸収しうるものであり、特に、偏光度に優れるものが好ましい。偏光子の厚さは、5μm〜80μmが一般的であるが、これに限定されない。
偏光板は、通常は偏光子を備え、必要に応じて偏光子を保護するための保護フィルムを備える。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の適切なビニルアルコール系重合体のフィルムに、ヨウ素及び二色性染料等の二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適切な処理を適切な順序及び方式で施したものを用いうる。通常、偏光子を製造するための延伸処理では、延伸前の長尺のフィルムを長手方向に延伸するので、得られる偏光子においては当該偏光子の長手方向に平行な吸収軸が発現しうる。この偏光子は、吸収軸と平行な振動方向を有する直線偏光を吸収しうるものであり、特に、偏光度に優れるものが好ましい。偏光子の厚さは、5μm〜80μmが一般的であるが、これに限定されない。
偏光子を保護するための保護フィルムとしては、任意の透明フィルムを用いうる。中でも、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れる樹脂のフィルムが好ましい。そのような樹脂の例としては、トリアセチルセルロース等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、鎖状オレフィン樹脂、環式オレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
〔3.10.液晶セル〕
水平配向モードの液晶セルの例としては、上述したように、IPSモード、FFSモード及びFLCモードが挙げられる。このような駆動モードに用いられる液晶の例としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶が挙げられる。通常、IPSモード及びFFSモードにはネマチック液晶が用いられ、FLCモードにはスメクチック液晶が用いられる。
水平配向モードの液晶セルの例としては、上述したように、IPSモード、FFSモード及びFLCモードが挙げられる。このような駆動モードに用いられる液晶の例としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶が挙げられる。通常、IPSモード及びFFSモードにはネマチック液晶が用いられ、FLCモードにはスメクチック液晶が用いられる。
IPSモードは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させた液晶分子を、例えば金属で形成された対向電極と画素電極とで発生させた、基板に平行な電界(横電界ともいう。)で応答させる。より具体的には、例えばノーマリーブッラクモードでは、液晶セルの電界無印加時の配向方向と一方の側の偏光子の偏光吸収軸とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で黒表示になる。電界があるときは、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができる(テクノタイムズ社出版「月刊ディスプレイ7月号」p.83〜p.88(1997年版)、及び、日本液晶学会出版「液晶vol.2 No.4」p.303〜p.316(1998年版)を参照。)。また、IPSモードは、V字型電極又はジグザグ電極等を採用した、スーパー・インプレーンスイッチング(S−IPS)モード、及び、アドバンスド・スーパー・インプレーンスイッチング(AS−IPS)モードを包含する。
FFSモードは、電圧制御複屈折効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させた液晶分子を、例えば透明導電体で形成された対向電極と画素電極とで発生させた、基板に平行な電界(横電界ともいう。)で応答させる。FFSモードにおける横電界は、フリンジ電界ともいう。このフリンジ電界は、透明導電体で形成された対向電極と画素電極との間隔を、セルギャップより狭く設定することによって、発生させることができる。より具体的には、例えばノーマリーブラックモードでは、液晶セルの電界無印加時の配向方向と一方の側の偏光子の吸収軸とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で黒表示になる。電界があるときは、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができる(SID(Society for Information Display)2001 Digest,p.484−p.487、及び、特開2002−031812号公報を参照。)。また、FFSモードは、V字型電極又はジグザグ電極等を採用した、アドバンスド・フリンジフィールドスイッチング(A−FFS)モード、及び、ウルトラ・フリンジフィールドスイッチング(U−FFS)モードを包含する。
FLCモードは、例えば、強誘電性のカイラルスメクチック液晶を、厚み1μm〜2μm程度の電極基板間に封入した場合に、2つの安定な分子配向状態を示すという性質を利用する。より具体的には、印加電圧によって、上記強誘電性カイラルスメクチック液晶分子を基板に平行な面内で回転させて、応答させる。このFLCモードは、上記IPSモード及びFFSモードと同様の原理で、黒白表示を得ることができる。さらに、FLCモードは、他の駆動モードと比較して、応答速度が速い。また、FLCモードは、表面安定化(SS−FLC)モード、反強誘電性(AFLC)モード、高分子安定化(PS−FLC)モード、及び、V字特性(V−FLC)モードを包含する。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中の条件において行った。
以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中の条件において行った。
〔評価方法〕
(厚みの測定方法)
フィルムの厚みは、接触式の厚み計を用いて測定した。
また、フィルムに含まれる各層の厚みは、そのフィルムをエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム(大和工機工業社製「RUB−2100」)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定した。
(厚みの測定方法)
フィルムの厚みは、接触式の厚み計を用いて測定した。
また、フィルムに含まれる各層の厚みは、そのフィルムをエポキシ樹脂に包埋したのち、ミクロトーム(大和工機工業社製「RUB−2100」)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し、測定した。
(レターデーションの測定方法)
位相差フィルム、位相差フィルム内の各層、及びその他の構成要素の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションの測定は、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製「M−2000U」)を用いて行った。また、測定波長は550nmとした。
位相差フィルム、位相差フィルム内の各層、及びその他の構成要素の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションの測定は、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製「M−2000U」)を用いて行った。また、測定波長は550nmとした。
特に、位相差フィルムに含まれる各層の面内レターデーション及び厚み方向のレターデーションは、以下のようにして測定した。まず、位相差フィルムの表面をプラスチック用研磨布で研磨して、各層を単層にした。この状態で、各層の面内方向であって最大の屈折率を与える方向の屈折率nx、各層の面内方向であってnxの方向に垂直な方向の屈折率ny、及び、各層の厚み方向の屈折率nzを測定した。これらの屈折率nx、ny及びnzの値と、各層の厚みdとから、各層の面内レターデーションRe及び厚み方向のレターデーションRthを算出した。
(遅相軸の方向の測定方法)
前記の分光エリプソメーターにより面内遅相軸の方向を測定した。
前記の分光エリプソメーターにより面内遅相軸の方向を測定した。
(実装評価における目視検査評価基準)
液晶表示装置の実装評価における目視検査の評価基準は、以下の通りとした。
◎:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが全くなくきれいに見える。
○:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが若干あるがきれいに見える。
△:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが少しあり、濃淡が見える。
×:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れがあり、黒表示が見難い。
液晶表示装置の実装評価における目視検査の評価基準は、以下の通りとした。
◎:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが全くなくきれいに見える。
○:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが若干あるがきれいに見える。
△:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れが少しあり、濃淡が見える。
×:上下、左右、斜めから見たときに、光漏れがあり、黒表示が見難い。
〔製造例1〕
二種三層の共押出成形用のフィルム成形装置(2種類の樹脂により3層からなるフィルムを形成するタイプのもの)を準備した。
二種三層の共押出成形用のフィルム成形装置(2種類の樹脂により3層からなるフィルムを形成するタイプのもの)を準備した。
固有複屈折が正である樹脂として、ポリカーボネート樹脂(旭化成社製「ワンダーライトPC−115」、ガラス転移温度140℃)のペレットを用意した。このペレットを、ダブルフライト型のスクリューを備えた一方の単軸押出機に投入して、加熱して溶融させた。
固有複屈折が負である樹脂として、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(NovaChemicals社製「DylarkD332」、ガラス転移温度130℃)のペレットを用意した。このペレットを、ダブルフライト型のスクリューを備えたもう一方の単軸押出機に投入して、加熱して溶融させた。
溶融された260℃のポリカーボネート樹脂を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを通して、マルチマニホールドダイ(ダイスリップの表面粗さRa=0.1μm)の一方のマニホールドに供給した。また、溶融された260℃のスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを通して、他方のマニホールドに供給した。
ポリカーボネート樹脂及びスチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂を前記のマルチマニホールドダイから260℃で同時に押し出して、ポリカーボネート樹脂からなる層a1/スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂からなる層b/ポリカーボネート樹脂からなる層a2を備える、3層構成のフィルム状の溶融樹脂を得た。このフィルム状の溶融樹脂を、表面温度130℃に調整された冷却ロールにキャストし、次いで表面温度50℃に調整された2本の冷却ロール間に通して、樹脂積層体を得た。この樹脂積層体は、ポリカーボネート樹脂層(層a1:厚み15μm)と、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂層(層b:厚み76μm)と、ポリカーボネート樹脂層(層a2:厚み4μm)とをこの順に備えていた。樹脂積層体全体の厚みは95μmであった。得られた樹脂積層体の幅方向両端部を切り除き、幅500mmの長尺の樹脂積層体を得た。
こうして得られた樹脂積層体を、テンター横一軸延伸機に供給し、延伸温度150℃、延伸倍率2.85倍で、1分間かけてフィルム幅手方向に延伸した(第一延伸工程)。延伸後、樹脂積層体の幅方向両端部を切り除き、幅を1600mmとした。
続いて、この樹脂積層体を縦一軸延伸機に供給し、延伸温度124℃、延伸倍率1.05倍で、1分間かけてフィルム長手方向に延伸して、積層位相差フィルムを得た(第二延伸工程)。得られた積層位相差フィルムの幅方向両端部を切り除き、幅を1300mmとした。
この積層位相差フィルムは、その後、110℃に1分間加熱し、配向状態を固定化した(固定処理)。この際、積層位相差フィルムの幅方向の両端部を固定することにより、その積層位相差フィルムの幅方向の寸法を、第二延伸工程が終了した直後の寸法の0.99倍に固定しておいた。その後、積層位相差フィルムの幅方向両端部を切り除き、幅を1200mmにした。
このようにして、樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)をこの順に備える積層位相差フィルムを得た。得られた積層位相差フィルムについて、各層の厚み、Re、Rth及び遅相軸方向、並びに積層位相差フィルムの総厚み、Re及びRthを測定した。
〔製造例2〜7〕
第一延伸工程及び第二延伸工程の延伸倍率を、表1に示す通り変更した他は、製造例1と同じ操作により、樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)をこの順に備える積層位相差フィルムを得た。得られた積層位相差フィルムについて、各層の厚み、Re、Rth及び遅相軸方向、並びに積層位相差フィルムの総厚み、Re及びRthを測定した。
第一延伸工程及び第二延伸工程の延伸倍率を、表1に示す通り変更した他は、製造例1と同じ操作により、樹脂層(A1)、樹脂層(B)及び樹脂層(A2)をこの順に備える積層位相差フィルムを得た。得られた積層位相差フィルムについて、各層の厚み、Re、Rth及び遅相軸方向、並びに積層位相差フィルムの総厚み、Re及びRthを測定した。
製造例での操作の概要及び測定結果を、表1にまとめて示す。表1において、遅相軸方向は、長尺のフィルムの幅手方向を0°とした角度である。
〔実施例1〕
(1−1.シミュレーションによる評価)
液晶表示装置用シミュレーター(シンテック社製「LCD Master」)を用いて、液晶表示装置のシミュレーションによる評価を行った。評価において設定した液晶表示装置は、図1〜図4に示す構成を有する液晶表示装置100である。液晶表示装置100は、第一偏光板110、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、第二偏光板150及びバックライトユニット160をこの順に備えるものとした。位相差フィルム(I)120及び位相差フィルム(II)130のそれぞれは、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)(121又は131)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)(122又は132)、及び固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)(123又は133)を、視認側からこの順に備えるものとした。第一偏光板110の偏光透過軸A110と、第二偏光板150の偏光透過軸A150とは、垂直とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と、位相差フィルム(II)130の面内の遅相軸A130とは、平行とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と黒表示時の液晶セル140の面内の遅相軸A140とは平行とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と第一偏光板110の偏光透過軸A110とは平行とした。
(1−1.シミュレーションによる評価)
液晶表示装置用シミュレーター(シンテック社製「LCD Master」)を用いて、液晶表示装置のシミュレーションによる評価を行った。評価において設定した液晶表示装置は、図1〜図4に示す構成を有する液晶表示装置100である。液晶表示装置100は、第一偏光板110、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、第二偏光板150及びバックライトユニット160をこの順に備えるものとした。位相差フィルム(I)120及び位相差フィルム(II)130のそれぞれは、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)(121又は131)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)(122又は132)、及び固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)(123又は133)を、視認側からこの順に備えるものとした。第一偏光板110の偏光透過軸A110と、第二偏光板150の偏光透過軸A150とは、垂直とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と、位相差フィルム(II)130の面内の遅相軸A130とは、平行とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と黒表示時の液晶セル140の面内の遅相軸A140とは平行とした。位相差フィルム(I)120の面内の遅相軸A120と第一偏光板110の偏光透過軸A110とは平行とした。
このような液晶表示装置100において、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、偏光板110及び150、並びにバックライトユニット160のデータとしては、下記のデータを使用した。
(i)位相差フィルム(I)120のデータとしては、製造例1で得られた積層位相差フィルムについての測定結果を用いた。
(ii)位相差フィルム(II)130のデータとしては、製造例5で得られた積層位相差フィルムについての測定結果を用いた。
(iii)液晶セル140、偏光板110及び150、並びにバックライトユニット160のデータとしては、市販のタブレットデバイス(アップル社製、商品名「iPad3(登録商標)」、以下において同じ)が備える液晶セル、偏光板及びバックライトユニットのデータを用いた。これらのデータは、タブレットデバイスを分解し、液晶セル、偏光板及びバックライトユニットを取り出し、それらについて測定を行うことにより得た。
(i)位相差フィルム(I)120のデータとしては、製造例1で得られた積層位相差フィルムについての測定結果を用いた。
(ii)位相差フィルム(II)130のデータとしては、製造例5で得られた積層位相差フィルムについての測定結果を用いた。
(iii)液晶セル140、偏光板110及び150、並びにバックライトユニット160のデータとしては、市販のタブレットデバイス(アップル社製、商品名「iPad3(登録商標)」、以下において同じ)が備える液晶セル、偏光板及びバックライトユニットのデータを用いた。これらのデータは、タブレットデバイスを分解し、液晶セル、偏光板及びバックライトユニットを取り出し、それらについて測定を行うことにより得た。
このタブレットデバイスは、視認側偏光板、光学積層体、液晶セル、光源側偏光板、及びバックライトユニットを、視認側からこの順に備えるものであった。このタブレットデバイスの光学積層体は、光源側の位相差フィルム及び視認側の位相差フィルムを有していた。光源側の位相差フィルムは、固有複屈折率が負の材料で構成された位相差フィルムであり、Reは60nm、Rthは−90nmであった。視認側の位相差フィルムは、固有複屈折率が正の材料で構成された位相差フィルムであり、Reは90nm、Rthは79nmであった。光源側の位相差フィルム及び視認側の位相差フィルムの遅相軸は平行で、電圧無印加状態の液晶セルの遅相軸とも平行であった。したがって、このタブレットデバイスの液晶表示装置は、位相差フィルム(I)及び(II)に代えて当該光学積層体を有する他は、図1〜図2に示す構造を有するものである。
このように設定した液晶表示装置100について、黒表示の際の輝度を計算した。計算は、2×2マトリクス法を用いた光学シミュレーションにより行った。また、輝度の計算は、極角方向においては、極角0°〜80°の範囲で、5°刻みで行い、また、方位角方向では、方位角0°〜360°の範囲で、5°刻みで行った。黒表示の際の輝度の値としては、バックライトの輝度に対する相対輝度を求めた。即ち、バックライトユニット160単体(即ち、バックライト160よりも視認側に何も配置しない状態)を点灯し、正面方向から観察した場合の輝度を100.0とした相対輝度の値を求めた。測定結果は、コンター図として表示させた。結果を図5に示す。加えて、極角60°における、方位角と黒表示の際の輝度との関係を図10に示す。図5〜図9において、コンター図中の太線の等高線は、輝度0.0001の線を示し、放射線により示される角度(0〜360°)は、図1中の方位角φに相当する角度であり、同心円により示される角度(0〜80°)は、図1中の極角θに相当する角度である。図10〜図14において、横軸は方位角φ、縦軸は黒表示の際の輝度を示す。さらに、極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。
(1−2.実装評価)
タブレットデバイスを分解し、液晶セルよりも視認側の部材を取り出した。液晶セルの視認側の表面に、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、及び偏光板を、この順に貼合した。
タブレットデバイスを分解し、液晶セルよりも視認側の部材を取り出した。液晶セルの視認側の表面に、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、及び偏光板を、この順に貼合した。
位相差フィルム(I)としては、製造例1で得た積層位相差フィルムを用いた。位相差フィルム(II)としては、製造例5で得た積層位相差フィルムを用いた。偏光板としては、タブレットデバイスにもともとあったものを用いた。貼合は、粘着剤(ポリエーテル系粘着剤、日東電工社製「CS9621」、以下において同じ)を介して行った。
貼合は、液晶セルの視認側の表面と位相差フィルム(I)の樹脂層(A2)側の表面とを貼合し、位相差フィルム(I)の樹脂層(A1)側の表面と位相差フィルム(II)の樹脂層(A2)側の表面とを貼合し、且つ位相差フィルム(II)の樹脂層(A1)側の表面と偏光板の表面とを貼合するよう行った。また貼合に際して、位相差フィルム(I)の遅相軸、位相差フィルム(II)の遅相軸、及び黒表示時の液晶セルの遅相軸が平行になり、且つ位相差フィルム(I)の遅相軸と視認側の偏光板の偏光透過軸とが平行となるように、これらの向きを調整した。但し、これらは完全に平行及び垂直にはならず、それぞれ略平行及び略垂直である範囲内において誤差を有していた。
これにより、図1及び図2に示す構成を有する、第一偏光板110、位相差フィルム(I)120、位相差フィルム(II)130、液晶セル140、第二偏光板150及びバックライトユニット160をこの順に備える液晶表示装置100を得た。この液晶表示装置を駆動させ、色味及び光漏れを目視で評価した。その結果、色味は実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も良好であり、光漏れは実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も少ないことが分かった。前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。
〔実施例2〕
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例2で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、位相差フィルム(II)のデータとして、製造例5で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例4で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例2で得た積層位相差フィルムを用いた。また位相差フィルム(II)として、製造例5で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例4で得た積層位相差フィルムを用いた。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図6及び図11に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。
目視による評価では、色味は実施例1に次いで良好であり、光漏れは実施例1に次いで少ないことが分かった。
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例2で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、位相差フィルム(II)のデータとして、製造例5で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例4で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例2で得た積層位相差フィルムを用いた。また位相差フィルム(II)として、製造例5で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例4で得た積層位相差フィルムを用いた。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図6及び図11に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。
目視による評価では、色味は実施例1に次いで良好であり、光漏れは実施例1に次いで少ないことが分かった。
〔実施例3〕
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例3で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、位相差フィルム(II)のデータとして、製造例5で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例6で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例3で得た積層位相差フィルムを用いた。位相差フィルム(II)として、製造例5で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例6で得た積層位相差フィルムを用いた。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図7及び図12に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例2に次いで良好であり、光漏れは実施例2に次いで少ないことが分かった。
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例3で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、位相差フィルム(II)のデータとして、製造例5で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例6で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例3で得た積層位相差フィルムを用いた。位相差フィルム(II)として、製造例5で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例6で得た積層位相差フィルムを用いた。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図7及び図12に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例2に次いで良好であり、光漏れは実施例2に次いで少ないことが分かった。
〔比較例1〕
タブレットデバイスについて、評価を行った。即ち:
・シミュレーション対象の液晶表示装置を、位相差フィルム(I)120及び位相差フィルム(II)130を有さず、代わりに、上に述べたタブレットデバイスの光学積層体を備えるものとした他は、実施例1の(1−1)と同じシミュレーションを行った。
・タブレットデバイスそのものを駆動させ、色味及び光漏れを目視で評価した。
シミュレーションの結果を図8及び図13に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は比較例2に次いで良好であり、光漏れは比較例2に次いで少ないことが分かった。
タブレットデバイスについて、評価を行った。即ち:
・シミュレーション対象の液晶表示装置を、位相差フィルム(I)120及び位相差フィルム(II)130を有さず、代わりに、上に述べたタブレットデバイスの光学積層体を備えるものとした他は、実施例1の(1−1)と同じシミュレーションを行った。
・タブレットデバイスそのものを駆動させ、色味及び光漏れを目視で評価した。
シミュレーションの結果を図8及び図13に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は比較例2に次いで良好であり、光漏れは比較例2に次いで少ないことが分かった。
〔比較例2〕
位相差フィルムとして、製造例7で得た位相差フィルム1枚のみを有する液晶表示装置について、評価を行った。即ち:
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例7で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、シミュレーション対象の液晶表示装置は、位相差フィルム(II)を設けないものとした。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例7で得た積層位相差フィルムを用いた。また、位相差フィルム(II)を用いなかった。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図9及び図14に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例3に次いで良好であり、光漏れは実施例3に次いで少ないことが分かった。
位相差フィルムとして、製造例7で得た位相差フィルム1枚のみを有する液晶表示装置について、評価を行った。即ち:
シミュレーションにおいて、位相差フィルム(I)のデータとして、製造例1で得た積層位相差フィルムのデータに代えて、製造例7で得た積層位相差フィルムのデータを用いた。また、シミュレーション対象の液晶表示装置は、位相差フィルム(II)を設けないものとした。
実装評価において、位相差フィルム(I)として、製造例1で得た積層位相差フィルムに代えて、製造例7で得た積層位相差フィルムを用いた。また、位相差フィルム(II)を用いなかった。
以上の点を変更した他は、実施例1と同じ操作により、液晶表示装置のシミュレーションによる評価及び実装評価を行った。シミュレーションの結果を図9及び図14に示す。極角60°における透過輝度の平均値を、表2に示す。また、前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例3に次いで良好であり、光漏れは実施例3に次いで少ないことが分かった。
〔比較例3〕
(C3−1.位相差フィルムA11及びA12)
固有複屈折率が正である樹脂として、ポリカーボネート樹脂(旭化成社製、商品名「ワンダーライトPC−115」、ガラス転移温度140℃)のペレットを用意した。このペレットを、ダブルフライト型のスクリューを備えた単軸押出機に投入して、溶融させた。単軸の押出し機で押出し、フィルム成型用ダイから押出し、厚み30μmの、矩形の延伸前フィルムを得た。
(C3−1.位相差フィルムA11及びA12)
固有複屈折率が正である樹脂として、ポリカーボネート樹脂(旭化成社製、商品名「ワンダーライトPC−115」、ガラス転移温度140℃)のペレットを用意した。このペレットを、ダブルフライト型のスクリューを備えた単軸押出機に投入して、溶融させた。単軸の押出し機で押出し、フィルム成型用ダイから押出し、厚み30μmの、矩形の延伸前フィルムを得た。
この延伸前フィルムについて、二軸延伸試験装置(商品名「EX10−B」、株式会社東洋精機製作所製、以下同じ)を用いて、2種類の逐次二軸延伸を行い、2種類の位相差フィルムを得た。
第一の逐次二軸延伸では、延伸温度は147℃とし、延伸倍率は、1回目の延伸を幅手方向1.45倍とし、2回目の延伸を長手方向1.01倍とした。これにより、製造例1の樹脂層(A1)と同じ位相差の、Re31nm、Rth69nmの位相差フィルムA11を作製した。
一方第二の逐次二軸延伸では、延伸温度は145℃とし、延伸倍率は、1回目の延伸を幅手方向1.85倍とし、2回目の延伸を長手方向1.01倍とした。これにより、製造例5の樹脂層(A1)と同じ位相差の、Re67nm、Rth150nmの位相差フィルムA12を作製した。
(C3−2.位相差フィルムB2及びB3)
固有複屈折率が負である樹脂として、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(NovaChemicals社製、商品名「DylarkD332」、ガラス転移温度130℃)を単軸の押出し機で押出し、厚み30μmの、矩形の延伸前フィルムを得た。
固有複屈折率が負である樹脂として、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂(NovaChemicals社製、商品名「DylarkD332」、ガラス転移温度130℃)を単軸の押出し機で押出し、厚み30μmの、矩形の延伸前フィルムを得た。
この延伸前フィルムについて、二軸延伸試験装置(商品名「EX10−B」、株式会社東洋精機製作所製、以下同じ)を用いて、2種類の逐次二軸延伸を行い、2種類の位相差フィルムを得た。
第一の逐次二軸延伸では、延伸温度は118℃とし、延伸倍率は、1回目の延伸を幅手方向1.35倍とし、2回目の延伸を長手方向1.01倍とした。これにより、製造例1の樹脂層(B)と同じ位相差の、Re169nm、Rth−134nmの位相差フィルムB2を作製した。
一方第二の逐次二軸延伸では、延伸温度は120℃とし、延伸倍率は、1回目の延伸を幅手方向1.85倍とし、2回目の延伸を長手方向1.01倍とした。これにより、製造例5の樹脂層(B)と同じ位相差の、Re91nm、Rth−65nmの位相差フィルムA12を作製した。
(C3−2.積層位相差フィルム(I’)及び(II’))
位相差フィルムA11及びB2を、遅相軸を同一方向に揃えて貼合し、積層位相差フィルム(I’)を得た。また、位相差フィルムA12及びB3を、遅相軸を同一方向に揃えて貼合し、積層位相差フィルム(II’)を得た。
位相差フィルムA11及びB2を、遅相軸を同一方向に揃えて貼合し、積層位相差フィルム(I’)を得た。また、位相差フィルムA12及びB3を、遅相軸を同一方向に揃えて貼合し、積層位相差フィルム(II’)を得た。
(C3−3.実装評価)
位相差フィルム(I)として積層位相差フィルム(I’)を用い、位相差フィルム(II)として積層位相差フィルム(II’)を用いた他は、実施例1の(1−2)と同様にして、実装評価を行った。貼合に際しては、積層位相差フィルム(I’)のA11側の面、及び積層位相差フィルム(II’)のA12側の面が視認側に向くよう、貼合を行った。前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も不良であり、光漏れは実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も多いことが分かった。
位相差フィルム(I)として積層位相差フィルム(I’)を用い、位相差フィルム(II)として積層位相差フィルム(II’)を用いた他は、実施例1の(1−2)と同様にして、実装評価を行った。貼合に際しては、積層位相差フィルム(I’)のA11側の面、及び積層位相差フィルム(II’)のA12側の面が視認側に向くよう、貼合を行った。前記の目視検査評価基準に基づく評価結果を表2に示す。目視による評価では、色味は実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も不良であり、光漏れは実施例1〜3及び比較例1〜3の中で最も多いことが分かった。
100:液晶表示装置
110:第一偏光板
120:位相差フィルム(I)
121:樹脂層(A1)
122:樹脂層(B)
123:樹脂層(A2)
130:位相差フィルム(II)
131:樹脂層(A1)
132:樹脂層(B)
133:樹脂層(A2)
140:液晶セル
150:第二偏光板
160:バックライトユニット
A110:第一偏光板の偏光透過軸
A120:位相差フィルム(I)の遅相軸
A121:樹脂層(A1)の遅相軸
A122:樹脂層(B)の遅相軸
A123:樹脂層(A2)の遅相軸
A130:位相差フィルム(II)の遅相軸
A131:樹脂層(A1)の遅相軸
A132:樹脂層(B)の遅相軸
A133:樹脂層(A2)の遅相軸
A140:黒表示状態の液晶セルの面内の遅相軸
A150:第二偏光板の偏光透過軸
AN:表示面の法線方向
AC:表示面に対する傾斜方向
110:第一偏光板
120:位相差フィルム(I)
121:樹脂層(A1)
122:樹脂層(B)
123:樹脂層(A2)
130:位相差フィルム(II)
131:樹脂層(A1)
132:樹脂層(B)
133:樹脂層(A2)
140:液晶セル
150:第二偏光板
160:バックライトユニット
A110:第一偏光板の偏光透過軸
A120:位相差フィルム(I)の遅相軸
A121:樹脂層(A1)の遅相軸
A122:樹脂層(B)の遅相軸
A123:樹脂層(A2)の遅相軸
A130:位相差フィルム(II)の遅相軸
A131:樹脂層(A1)の遅相軸
A132:樹脂層(B)の遅相軸
A133:樹脂層(A2)の遅相軸
A140:黒表示状態の液晶セルの面内の遅相軸
A150:第二偏光板の偏光透過軸
AN:表示面の法線方向
AC:表示面に対する傾斜方向
Claims (4)
- 第一偏光板、位相差フィルム(I)、位相差フィルム(II)、水平配向モードの液晶セル、及び前記第一偏光板の偏光透過軸に略垂直な偏光透過軸を有する第二偏光板を、視認側からこの順に備える液晶表示装置であって、
前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)のそれぞれが、
固有複屈折率が正である樹脂A1からなる樹脂層(A1)、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる樹脂層(B)、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる樹脂層(A2)を、視認側からこの順に備え、前記樹脂層(A1)と前記樹脂層(B)、及び、前記樹脂層(B)と前記樹脂層(A2)が、それぞれ直接に接している、共延伸フィルムであり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記位相差フィルム(II)の面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と黒表示時の前記液晶セルの面内の遅相軸とが略平行であり、
前記位相差フィルム(I)の面内の遅相軸と前記第一偏光板の偏光透過軸とが略平行である、
液晶表示装置。 - 前記位相差フィルム(I)及び前記位相差フィルム(II)は、いずれも、
波長550nmで測定した、前記樹脂層(A1)の面内レターデーションReA1、前記樹脂層(A1)の厚み方向のレターデーションRthA1、前記樹脂層(B)の面内レターデーションReB、前記樹脂層(B)の厚み方向のレターデーションRthB、前記樹脂層(A2)の面内レターデーションReA2、及び前記樹脂層(A2)の厚み方向のレターデーションRthA2が、下記式(1)〜(6):
20nm≦ReA1≦100nm (1)
40nm≦RthA1≦200nm (2)
60nm≦ReB≦180nm (3)
−180nm≦RthB≦−40nm (4)
0nm≦ReA2≦20nm (5)
0nm≦RthA2≦20nm (6)
を満たす、請求項1記載の液晶表示装置。 - 請求項1又は2に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
樹脂積層体を調製する工程であって、前記樹脂積層体は、固有複屈折率が正である樹脂A1からなる層a1、固有複屈折率が負である樹脂Bからなる層b、及び、固有複屈折率が正である樹脂A2からなる層a2をこの順に備え、前記層a1と前記層bとは直接に接しており、前記層bと前記層a2とは直接に接している、調製工程;
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(I)を得る、延伸工程(I)、
前記樹脂積層体を延伸し、前記位相差フィルム(II)を得る、延伸工程(II)、及び
前記第一偏光板、前記位相差フィルム(I)、前記位相差フィルム(II)、前記液晶セル、及び前記第二偏光板を、視認側からこの順に設けるよう組み立てる、組み立て工程
を含む製造方法。 - 前記調製工程が、樹脂A1、樹脂B及び樹脂A2の共押出し工程を含む、請求項3に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016124557A JP2017227790A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 液晶表示装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016124557A JP2017227790A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 液晶表示装置及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017227790A true JP2017227790A (ja) | 2017-12-28 |
Family
ID=60891769
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016124557A Pending JP2017227790A (ja) | 2016-06-23 | 2016-06-23 | 液晶表示装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017227790A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2019188205A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2021-04-15 | 日本ゼオン株式会社 | 光学異方性積層体、偏光板、及び画像表示装置 |
| JPWO2022145171A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 |
-
2016
- 2016-06-23 JP JP2016124557A patent/JP2017227790A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2019188205A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2021-04-15 | 日本ゼオン株式会社 | 光学異方性積層体、偏光板、及び画像表示装置 |
| JP7519899B2 (ja) | 2018-03-30 | 2024-07-22 | 日本ゼオン株式会社 | 画像表示装置 |
| US12114523B2 (en) | 2018-03-30 | 2024-10-08 | Zeon Corporation | Optical anisotropic layered body, polarizing plate, and image display device |
| JPWO2022145171A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 |
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