JP2017228411A - 電極複合体及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】好気性微生物による酸素消費を抑制し、効果的に酸素還元反応を行うことが可能な電極複合体、及び当該電極複合体を用いた燃料電池を提供する。【解決手段】電極複合体(10)は、第一の表面(11a)と、第一の表面と反対側の第二の表面(11b)とを備える、シート状の多孔質基材(11)と、多孔質基材の厚さ方向(X)において、第一の表面から第二の表面に向かって多孔質基材の一部に設けられた第一の導電体層(1)とを有する。微生物燃料電池(100)は、電極複合体(10)を用いた第一の電極(1A)と、第二の電極(20)とを有する。【選択図】図9
Description
本発明は、電極複合体及び燃料電池に関する。詳細には本発明は、廃水を浄化し、かつ、電気エネルギーを生成することが可能な電極複合体、及びそれを用いた燃料電池に関する。
近年、持続可能なエネルギーとして、バイオマスを利用して発電をする微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池は、生活廃水や工場廃水に含まれる有機性物質の化学エネルギーを電気エネルギーに変換しつつ、その有機性物質を酸化分解して処理する廃水処理装置である。そして、微生物燃料電池は、汚泥の発生が少なく、さらにエネルギー消費が少ない特徴を有する。ただ、微生物が発する電力が非常に小さく、出力される電流密度が低いため、更なる改良が必要である。
このような微生物燃料電池としては、次のような特許文献1に記載のものが開示されている。当該微生物燃料電池は、電解液を保持する電解槽と、電解槽の槽内部に配置されるアノードと、電解槽の槽体部に配置され、一面が槽外部の空気と接触し、他面が電解液と接触するカソードとを備えている。当該電解槽は、電解液の他に、微生物、及び当該微生物による酸化分解の基質を保持している。微生物としては、Geobacter属、Shewanella属等の嫌気性微生物が開示されている。そして、カソードは電子伝導性及びガス透過性を有する電極基材を含んでなり、電極基材における空気と接触する一面にはシリコーンを含有してなる止水層が形成され、電極基材の他面にはカソード触媒が担持された触媒層が形成されている。特許文献1の微生物燃料電池では、微生物が基質を酸化・分解して電子とプロトンを生成した後、アノードから外部回路を通じて供給される電子と、電解液中のプロトンと、電解槽の槽外部から供給される酸素とがカソードの触媒層で反応する。
ここで、微生物燃料電池の電解液には、上述のような嫌気性微生物に加え、増殖に酸素を必要とする好気性微生物も含まれていることが多い。そして、好気性微生物は酸素を必須とするため、酸素濃度が高い止水層と電極基材との界面近傍に存在している。
上述のように、特許文献1の微生物燃料電池では、止水層と電極基材との界面近傍に好気性微生物が存在しているため、当該界面の近傍で好気性微生物により酸素が消費されてしまう。その結果、電極基材よりも電解槽内部に配置されている触媒層に酸素が十分に到達しないため、酸素還元反応がなされなくなり、安定的に電気エネルギーが得られないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、好気性微生物による酸素消費を抑制し、効果的に酸素還元反応を行うことが可能な電極複合体、及び当該電極複合体を用いた燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る電極複合体は、第一の表面と、第一の表面と反対側の第二の表面とを備える、シート状の多孔質基材を有する。さらに電極複合体は、多孔質基材の厚さ方向において、第一の表面から第二の表面に向かって多孔質基材の一部に設けられた第一の導電体層を有する。
本発明の第二の態様に係る燃料電池は、第一の態様に係る電極複合体を用いた第一の電極と、第二の電極とを有する。
本発明の第三の態様に係る燃料電池は電極複合体を有する。電極複合体は、第一の表面と、第一の表面と反対側の第二の表面とを備える、シート状の多孔質基材と、多孔質基材の厚さ方向において、第一の表面から第二の表面に向かって多孔質基材の一部に設けられた第一の導電体層とを有する。さらに電極複合体は、多孔質基材の厚さ方向において、第二の表面から第一の表面に向かって多孔質基材の一部に設けられた第二の導電体層を有する。そして、電極複合体における第一の導電体層を第一の電極とし、第二の導電体層を第二の電極とする。
本発明によれば、好気性微生物による酸素消費を抑制し、効果的に酸素還元反応を行うことが可能な電極複合体及び微生物燃料電池を得ることができる。
以下、本実施形態に係る電極複合体、及び当該燃料電池について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本実施形態に係る電極複合体は、例えば燃料電池用の電極複合体として適用可能であり、特に微生物燃料電池用の電極複合体として適用される。そのため、本実施形態に係る電極複合体を微生物燃料電池用の電極複合体として用いる場合について説明する。
[第一実施形態]
本実施形態に係る電極複合体は、図1に示すように、導電体層1と、導電体層1の一方の面1aに設けられた多孔質体層2とを備えている。
本実施形態に係る電極複合体は、図1に示すように、導電体層1と、導電体層1の一方の面1aに設けられた多孔質体層2とを備えている。
(導電体層)
電極複合体10における導電体層1は、導電性、酸素透過性及びプロトン透過性を有している。電極複合体10にこのような導電体層1を設けることで、導電体層1を正極として用いる場合には、後述する局部電池反応により生成した電子を触媒と外部回路110との間で導通させることが可能となる。つまり、後述するように、導電体層1を微生物燃料電池の正極として用いる場合、導電体層1には触媒が担持される。そして、外部回路110から導電体層1を通じて電子が触媒に移動し、触媒によって、酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を進行させることが可能となる。また、導電体層1を微生物燃料電池の負極として用いる場合、嫌気性微生物の触媒作用により生成した電子を導電体層1と外部回路110との間で導通させることが可能となる。
電極複合体10における導電体層1は、導電性、酸素透過性及びプロトン透過性を有している。電極複合体10にこのような導電体層1を設けることで、導電体層1を正極として用いる場合には、後述する局部電池反応により生成した電子を触媒と外部回路110との間で導通させることが可能となる。つまり、後述するように、導電体層1を微生物燃料電池の正極として用いる場合、導電体層1には触媒が担持される。そして、外部回路110から導電体層1を通じて電子が触媒に移動し、触媒によって、酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を進行させることが可能となる。また、導電体層1を微生物燃料電池の負極として用いる場合、嫌気性微生物の触媒作用により生成した電子を導電体層1と外部回路110との間で導通させることが可能となる。
電極複合体10では、安定的な性能を確保するために、酸素及び水素イオンが導電体層1を効率よく透過して触媒に供給されることが好ましい。そのため、導電体層1は、面1bから反対側の面1aにかけて、酸素及び水素イオンが透過する細孔を多数有する多孔質体であることが好ましい。また、導電体層1の形状は、三次元のメッシュ状であることが特に好ましい。このようなメッシュ状であることにより、導電体層1に対し、高い酸素透過性及び導電性を付与することが可能となる。
本実施形態において、導電体層1は、第一の表面11aと、第一の表面11aと反対側の第二の表面11bとを備えるシート状の多孔質基材11に対し、第一の表面11aから第二の表面11bに向かって導電性材料を設けることにより形成されている。つまり、導電体層1と多孔質体層2とを別個に作製し、それらを積層しているわけではなく、導電体層1及び多孔質体層2は単層の多孔質基材11から構成されている。このように、導電体層1と多孔質体層2とを多孔質基材11を基に形成することにより、導電体層1と多孔質体層2との間の剥離を防ぎ、機械的強度を高めることが可能となる。
導電体層1を構成する導電性材料は、高い導電性が確保できるならば特に限定されない。ただ、導電性材料は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一つの導電性金属からなることが好ましい。これらの導電性金属は、高い耐食性及び導電性を備えているため、導電体層1を構成する材料として好適に用いることができる。
導電性材料は、炭素材料であってもよい。炭素材料としては、例えば、グラファイト、活性炭、カーボンブラック、バルカン(登録商標)XC−72R、アセチレンブラック、ファーネスブラック、デンカブラックなどのカーボンパウダーが挙げられる。また、炭素材料の例として、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノクラスターのような微細構造物質も挙げられる。このような炭素材料も高い耐食性及び導電性を備えているため、導電体層1を構成する材料として好適に用いることができる。なお、上記導電性金属及び炭素材料は一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
多孔質基材11は、酸素、水素イオン及び電解液70を透過する細孔を多数有するシートである。なお、多孔質基材11は、第一の表面11aから第二の表面11bにかけて連続した細孔を有していることが好ましい。これにより、酸素及び水素イオンが正極中の触媒に到達しやすくなり、酸素還元反応を促進することが可能となる。なお、多孔質基材11における細孔の孔径は酸素、水素イオン及び電解液70が透過できるならば特に限定されないが、例えば0.5μm以上であることが好ましい。多孔質基材11における細孔の孔径が0.5μm以上であることにより、酸素、水素イオン及び電解液70を十分に透過し、発電効率を高めることが可能となる。多孔質基材11における細孔の孔径の上限は特に限定されないが、例えば1.0mmとすることができる。多孔質基材11における細孔の孔径は、例えば水銀圧入法により測定することができる。
多孔質基材11の厚さt1は1.0mm〜50mmであることが好ましい。多孔質基材11の厚さt1が1.0mm〜50mmであることにより、電極複合体10に形成される多孔質体層2の厚さを大きくすることができるため、電解液70に含まれる好気性微生物が多孔質体層2の内部に侵入することを抑制できる。
多孔質基材11は、導電体であってもよく、電気絶縁体であってもよい。ただ、多孔質基材11は電気絶縁体であることが好ましい。多孔質基材11が電気絶縁体であることにより、後述するように、電極複合体10を微生物燃料電池に用いた場合、イオン移動層30が不要となるため、微生物燃料電池の薄膜化及び電池構造の簡略化を図ることが可能となる。
多孔質基材11を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの樹脂材料、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの導電性金属、並びにカーボンペーパー及びカーボンフェルトなどの炭素材料からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。なお、多孔質基材11は、合成樹脂によって形成されていることが好ましい。合成樹脂からなることにより、電気絶縁性を容易に確保することが可能となる。
多孔質基材11としては、織布構造のシート、不織布構造のシート、及び連続発泡体構造のシートからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。また、多孔質基材11は複数のシートを積層した積層体でもよい。ただ、多孔質基材11は不織布からなることが好ましい。多孔質基材11として、このような複数の細孔を有するシートを用いることにより、酸素及び水素イオンが移動しやすくなり、酸素還元反応の速度を高めることが可能となる。
上述のように、導電体層1は、多孔質基材11における第一の表面11aから第二の表面11bに向かって導電性材料を設けることにより形成されている。導電体層1の形成方法は特に限定されないが、例えば、導電性材料を含有するスラリーを塗工する方法や当該スラリーを印刷する方法、導電性材料を蒸着する方法等が適用できる。これらの方法を二種類以上組み合わせることにより、導電体層1を形成してもよい。
なお、導電性材料は、結着剤を用いて多孔質基材11の表面及び細孔内部に保持されていてもよい。これにより、導電性材料が多孔質基材11の表面及び細孔内部から脱離し、導電性が低下することを抑制できる。このような結着剤としては、粒子同士を結着できれば特に限定されない。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)及びナフィオンからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
(多孔質体層)
本実施形態に係る電極複合体10は、図1に示すように、導電体層1の一方の面1aに設けられた多孔質体層2を備えている。上述のように、導電体層1は、多孔質基材11における第一の表面11aから第二の表面11bに向かって導電性材料を設けることにより形成されている。そのため、多孔質基材11における導電体層1が設けられた以外の部分は多孔質体層2を構成する。
本実施形態に係る電極複合体10は、図1に示すように、導電体層1の一方の面1aに設けられた多孔質体層2を備えている。上述のように、導電体層1は、多孔質基材11における第一の表面11aから第二の表面11bに向かって導電性材料を設けることにより形成されている。そのため、多孔質基材11における導電体層1が設けられた以外の部分は多孔質体層2を構成する。
電極複合体10において、多孔質体層2の厚さt2は、少なくとも多孔質基材11の厚さt1よりも小さい。そのため、多孔質体層2の厚さt2は0.5mm〜40mmであることが好ましい。多孔質体層2の厚さt2が0.5mm〜40mmであることにより、電解液70に含まれる好気性微生物が多孔質体層2の内部に侵入することを抑制することが可能となる。なお、多孔質体層2の厚さt2は、1.0mm〜40mmであることがより好ましく、1.5mm〜10mmであることがさらに好ましい。多孔質体層2の厚さt2がこの範囲内であることにより、好気性微生物が多孔質体層2の内部へ侵入することを抑制しつつも、水素イオンの透過率を高め、水素イオンを触媒へ効率的に到達させることが可能となる。
上述のように、多孔質体層2は多孔質基材11の一部分からなるものである。そのため、多孔質体層2は面2aから反対側の面2bに連続した細孔を有していることが好ましい。これにより、水素イオンが正極中の触媒に到達しやすくなり、酸素還元反応を促進することが可能となる。なお、多孔質基材11における細孔の孔径は水素イオン及び電解液70が透過できるならば特に限定されないが、例えば0.5μm以上であることが好ましい。
(撥水層)
図2に示すように、電極複合体10は、導電体層1の面1bには撥水層3を設けてもよい。撥水層3は、撥水性を有しているため、導電体層1を微生物燃料電池の正極として用いた場合、廃水槽80の内部に保持された液相としての電解液70と気相90とを分離する。そして、撥水層3を設けることで、電解液70が気相90側に移動することを抑制できる。なお、ここでいう「分離」とは、物理的に遮断することをいう。
図2に示すように、電極複合体10は、導電体層1の面1bには撥水層3を設けてもよい。撥水層3は、撥水性を有しているため、導電体層1を微生物燃料電池の正極として用いた場合、廃水槽80の内部に保持された液相としての電解液70と気相90とを分離する。そして、撥水層3を設けることで、電解液70が気相90側に移動することを抑制できる。なお、ここでいう「分離」とは、物理的に遮断することをいう。
撥水層3は、酸素を含む気相90と接触しており、気相90中の酸素を拡散する。そして、撥水層3は、導電体層1の面1bに対し酸素を略均一に供給している。そのため、撥水層3は、当該酸素を拡散できるように多孔質体であることが好ましい。なお、撥水層3が撥水性を有するため、結露等により多孔質体の細孔が閉塞し、酸素の拡散性が低下することを抑制できる。また、撥水層3の内部に電解液70が染み込み難いため、撥水層3における気相90と接触する面3bから導電体層1と対向する面3aにかけて、酸素を効率的に流通させることが可能となる。
撥水層3は、織布又は不織布によりシート状に形成されていることが好ましい。また、撥水層3を構成する材料は、撥水性を有し、気相90中の酸素を拡散できれば特に限定されない。撥水層3を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチルセルロース、ポリ−4−メチルペンテン−1、ブチルゴム及びポリジメチルシロキサン(PDMS)からなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。これらの材料は多孔質体を形成しやすく、さらに撥水性も高いため、細孔の閉塞を抑制してガス拡散性を向上させることができる。なお、撥水層3は、撥水層3及び導電体層1の積層方向Xに複数の貫通孔を有することが好ましい。
撥水層3は撥水性を高めるために、必要に応じて撥水剤を用いて撥水処理を施してもよい。具体的には、撥水層3を構成する多孔質体にポリテトラフルオロエチレン等の撥水剤を付着させ、撥水性を向上させてもよい。
図2に示す電極複合体10において、導電体層1の面1bに効率的に酸素を供給するために、撥水層3は、接着剤を介して導電体層1と接合していることが好ましい。つまり、撥水層3の面3aは、対向する導電体層1の面1bと接着剤を介して接合していることが好ましい。これにより、導電体層1の面1bに対し、拡散した酸素が直接供給され、酸素還元反応を効率的に行うことができる。接着剤は、撥水層3と導電体層1との間の接着性を確保する観点から、撥水層3と導電体層1との間の少なくとも一部に設けられていることが好ましい。ただ、撥水層3と導電体層1との間の接着性を高め、長期間に亘り安定的に酸素を導電体層1に供給する観点から、接着剤は撥水層3と導電体層1との間の全面に設けられていることがより好ましい。
接着剤としては酸素透過性を有するものが好ましく、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム及びシリコーンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂を用いることができる。
(触媒)
導電体層1を正極として用いる場合には、導電体層1には、触媒が担持されていることが好ましい。また、当該触媒は酸素還元触媒であることが好ましい。触媒が酸素還元触媒であることにより、導電体層1へ供給された酸素と水素イオンとの反応速度をより高め、酸素の還元反応効率を向上させることができるので、より効率的な液体処理を実現することが可能となる。
導電体層1を正極として用いる場合には、導電体層1には、触媒が担持されていることが好ましい。また、当該触媒は酸素還元触媒であることが好ましい。触媒が酸素還元触媒であることにより、導電体層1へ供給された酸素と水素イオンとの反応速度をより高め、酸素の還元反応効率を向上させることができるので、より効率的な液体処理を実現することが可能となる。
触媒は、導電体層1の表面に担持されていることが好ましい。つまり、触媒は、導電体層1における撥水層3側の面1bに担持されていてもよく、さらに導電体層1の内部に担持されていてもよい。そして、酸素、水素イオン及び電子による酸素還元反応を促進する観点から、導電体層1と触媒とは電気的に接続していることが好ましく、導電体層1と触媒とが接触していることが好ましい。
触媒は、結着剤を用いて導電体層1の表面及び細孔内部に担持されていてもよい。これにより、触媒が導電体層1の表面及び細孔内部から脱離し、酸素還元特性が低下することを抑制できる。このような結着剤としては、粒子同士を結着できれば特に限定されない。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及びナフィオンからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることが好ましい。
酸素還元触媒は、金属原子がドープされている炭素系材料であることが好ましい。金属原子としては特に限定されないが、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属の原子であることが好ましい。この場合、炭素系材料が、特に酸素還元反応を促進させるための触媒として優れた性能を発揮する。炭素系材料が含有する金属原子の量は、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。
炭素系材料には、更に窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される一種以上の非金属原子がドープされていることが好ましい。炭素系材料にドープされている非金属原子の量も、炭素系材料が優れた触媒性能を有するように適宜設定すればよい。
炭素系材料は、例えばグラファイト及び無定形炭素等の炭素源原料をベースとし、この炭素源原料に金属原子と、窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される一種以上の非金属原子とをドープすることで得られる。
炭素系材料にドープされている金属原子と非金属原子との組み合わせは、適宜選択される。特に、非金属原子が窒素を含み、金属原子が鉄を含むことが好ましい。この場合、炭素系材料は、特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよい。また、金属原子が鉄のみであってもよい。
非金属原子が窒素を含み、金属原子がコバルトとマンガンとのうち少なくとも一方を含んでもよい。この場合も、炭素系材料は特に優れた触媒活性を有することができる。なお、非金属原子が窒素のみであってもよい。また、金属原子がコバルトのみ、マンガンのみ、あるいはコバルト及びマンガンのみであってもよい。
酸素還元触媒として構成される炭素系材料は、次のように調製することができる。まず、例えば窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属を含む非金属化合物と、金属化合物と、炭素源原料とを含有する混合物を準備する。そして、この混合物を、800℃以上1000℃以下の温度で、45秒以上600秒未満加熱する。これにより、酸素還元触媒として構成される炭素系材料を得ることができる。
炭素源原料としては、上述の通り、例えばグラファイト又は無定形炭素を使用することができる。さらに、金属化合物としては、炭素源原料にドープされる非金属原子と配位結合し得る金属原子を含む化合物であれば、特に制限されない。金属化合物は、例えば金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、臭化物、ヨウ化物、フッ化物などのような無機金属塩;酢酸塩などの有機金属塩;無機金属塩の水和物;及び有機金属塩の水和物からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。例えばグラファイトに鉄がドープされる場合には、金属化合物は塩化鉄(III)を含有することが好ましい。また、グラファイトにコバルトがドープされる場合には、金属化合物は塩化コバルトを含有することが好ましい。また、炭素源原料にマンガンがドープされる場合には、金属化合物は酢酸マンガンを含有することが好ましい。金属化合物の使用量は、例えば炭素源原料に対する金属化合物中の金属原子の割合が5〜30質量%の範囲内となるように設定することが好ましく、更にこの割合が5〜20質量%の範囲内となるように設定することがより好ましい。
非金属化合物は、上記の通り、窒素、ホウ素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる少なくとも一種の非金属の化合物であることが好ましい。非金属化合物としては、例えば、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、オクチルボロン酸、1,2−ビス(ジエチルホスフィノエタン)、亜リン酸トリフェニル、ベンジルジサルフィドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができる。非金属化合物の使用量は、炭素源原料への非金属原子のドープ量に応じて適宜設定される。非金属化合物の使用量は、金属化合物中の金属原子と、非金属化合物中の非金属原子とのモル比が、1:1〜1:2の範囲内となるように設定ことが好ましく、1:1.5〜1:1.8の範囲内となるように設定することがより好ましい。
酸素還元触媒として構成される炭素系材料を調製する際の、非金属化合物と金属化合物と炭素源原料とを含有する混合物は、例えば次のようにして得られる。まず炭素源原料と金属化合物と非金属化合物とを混合し、更に必要に応じてエタノール等の溶媒を加えて全量を調整する。これらを更に超音波分散法により分散させる。続いて、これらを適宜の温度(例えば60℃)で加熱した後に、混合物を乾燥して溶媒を除去する。これにより、非金属化合物と金属化合物と炭素源原料とを含有する混合物が得られる。
次に、得られた混合物を、例えば還元性雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で加熱する。これにより、炭素源原料に非金属原子がドープされ、さらに非金属原子と金属原子とが配位結合することで金属原子もドープされる。加熱温度は800℃以上1000℃以下の範囲内であることが好ましく、加熱時間は45秒以上600秒未満の範囲内であることが好ましい。加熱時間が短時間であるため、炭素系材料が効率よく製造され、しかも炭素系材料の触媒活性が更に高くなる。なお、加熱処理における、加熱開始時の混合物の昇温速度は、50℃/s以上であることが好ましい。このような急速加熱は、炭素系材料の触媒活性を更に向上させる。
また、炭素系材料を、更に酸洗浄してもよい。例えば炭素系材料を、純水中、ホモジナイザーで30分間分散させ、その後この炭素系材料を2M硫酸中に入れて、80℃で3時間攪拌してもよい。この場合、炭素系材料からの金属成分の溶出が抑えられる。
このような製造方法により、不活性金属化合物及び金属結晶の含有量が著しく低く、かつ、導電性の高い炭素系材料が得られる。
(封止材料)
電極複合体10における導電体層1の側面1e及び多孔質体層2の側面2eは、封止材料4によって封止されていることが好ましい。具体的には、図3に示す電極複合体10Bのように、導電体層1における上面1d,側面1e及び底面1fは封止材料4により封止されていることが好ましい。さらに、多孔質体層2における面2aの外周部2c、上面2d,側面2e及び底面2fも封止材料4を用いて封止されていることが好ましい。このように、導電体層1及び多孔質体層2の上面、側面及び底面が封止材料4によって封止されていることにより、上面、側面及び底面から内部に好気性微生物が侵入することを抑制できる。その結果、好気性微生物が電極複合体10Bの内部で増殖することを防ぐことが可能となる。なお、図3では、導電体層1における上面1d,側面1e及び底面1f並びに多孔質体層2における面2aの外周部2c、上面2d,側面2e及び底面2fが封止材料4によって封止されている。ただ、好気性微生物の侵入を抑制するためには、少なくとも導電体層1の側面1e及び多孔質体層2の側面2eが封止材料4によって封止されていればよい。
電極複合体10における導電体層1の側面1e及び多孔質体層2の側面2eは、封止材料4によって封止されていることが好ましい。具体的には、図3に示す電極複合体10Bのように、導電体層1における上面1d,側面1e及び底面1fは封止材料4により封止されていることが好ましい。さらに、多孔質体層2における面2aの外周部2c、上面2d,側面2e及び底面2fも封止材料4を用いて封止されていることが好ましい。このように、導電体層1及び多孔質体層2の上面、側面及び底面が封止材料4によって封止されていることにより、上面、側面及び底面から内部に好気性微生物が侵入することを抑制できる。その結果、好気性微生物が電極複合体10Bの内部で増殖することを防ぐことが可能となる。なお、図3では、導電体層1における上面1d,側面1e及び底面1f並びに多孔質体層2における面2aの外周部2c、上面2d,側面2e及び底面2fが封止材料4によって封止されている。ただ、好気性微生物の侵入を抑制するためには、少なくとも導電体層1の側面1e及び多孔質体層2の側面2eが封止材料4によって封止されていればよい。
封止材料4は、少なくとも好気性微生物が通過しない材料からなることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム及びシリコーンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む樹脂を用いることができる。
本実施形態の電極複合体10,10Aにおける多孔質体層2の作用について説明する。図4に示すように、電極複合体10Aの導電体層1を微生物燃料電池の正極として用いた場合、電極複合体10の導電体層1及び多孔質体層2が電解液70に浸漬され、撥水層3の面3bの少なくとも一部が気相90に露出する。そして、気相90に露出した撥水層3を透過して導電体層1に酸素が到達するため、多孔質体層2が存在しない場合には、電解液70中の好気性微生物は導電体層1を通過して、導電体層1と撥水層3との界面近傍で増殖してしまう。その結果、導電体層1と撥水層3との界面近傍で好気性微生物により酸素が消費されてしまうため、導電体層1に担持された触媒に酸素が十分に供給されず、酸素還元反応が生じ難くなってしまう。
これに対し、導電体層1に多孔質体層2を設けた場合、電解液70中には好気性微生物の餌となる有機物が含まれるため、図4に示すように、多孔質体層2における電解液70中に露出した面2aには、微生物膜12が形成される。つまり、好気性微生物が有機物を消費して繁殖し、多孔質体層2の面2aに、好気性微生物が集合してなる微生物膜12が形成される。好気性微生物は、酸素が供給される気相90側へ進行しようするが、微生物膜12中の好気性微生物によって有機物は消費され、多孔質体層2の内部に侵入する有機物は減少してしまう。さらに、多孔質体層2の厚さを大きくすることにより、有機物が導電体層1側へ移動し難くなり、導電体層1と多孔質体層2の界面よりも導電体層1側では好気性微生物が増殖できなくなる。その結果、導電体層1と撥水層3との界面近傍で好気性微生物が増殖されないことから、好気性微生物による酸素消費が抑制され、導電体層1に担持された触媒に酸素を十分に供給されるため、効果的に酸素還元反応を行うことが可能となる。
また、電極複合体10の導電体層1を微生物燃料電池の負極として用いた場合、電極複合体10の導電体層1及び多孔質体層2が電解液70に浸漬される。さらに、多孔質体層2の面2aに正極が積層され、正極における電極複合体10側の面と反対側の面の少なくとも一部が気相90に露出する。そして、気相90から正極に酸素が到達するため、多孔質体層2が存在しない場合には、電解液70中の好気性微生物は導電体層1を通過して、正極で増殖してしまう。その結果、正極で好気性微生物により酸素が消費されてしまうため、正極に担持された触媒に酸素が十分に供給されず、酸素還元反応が生じ難くなってしまう。
これに対し、導電体層1に多孔質体層2を設けた場合、図5に示すように、導電体層1における電解液70中に露出した面1bには、微生物膜12が形成される。好気性微生物は、酸素が供給される正極側へ進行しようするが、微生物膜12中の好気性微生物によって有機物は消費され、導電体層1及び多孔質体層2の内部に侵入する有機物は減少してしまう。さらに、多孔質体層2の厚さを大きくすることにより、有機物が正極側へ移動し難くなり、正極で好気性微生物が増殖できなくなる。その結果、好気性微生物による酸素消費が抑制され、正極に担持された触媒に酸素を十分に供給されるため、効果的に酸素還元反応を行うことが可能となる。
このように、本実施形態に係る電極複合体10は、第一の表面11aと、第一の表面11aと反対側の第二の表面11bとを備える、シート状の多孔質基材11を有する。さらに、電極複合体10は、多孔質基材11の厚さ方向Xにおいて、第一の表面11aから第二の表面11bに向かって多孔質基材11の一部に設けられた第一の導電体層(導電体層1)を有する。このような構成により、電極複合体10の内部で好気性微生物が増殖されないことから、好気性微生物による酸素消費が抑制される。そのため、電極複合体10を用いた微生物燃料電池は発電性能の低下が抑制され、安定的に電気エネルギーを生産することが可能となる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る電極複合体について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態の電極複合体と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、第二実施形態に係る電極複合体について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態の電極複合体と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の電極複合体10Cは、図6に示すように、第一の表面11aと、第一の表面11aと反対側の第二の表面11bとを備える、シート状の多孔質基材11を有する。また、電極複合体10Cは、多孔質基材11の厚さ方向Xにおいて、第一の表面11aから第二の表面11bに向かって多孔質基材11の一部に設けられた第一の導電体層1を有する。さらに電極複合体10Cは、多孔質基材11の厚さ方向Xにおいて、第二の表面11bから第一の表面11aに向かって多孔質基材11の一部に設けられた第二の導電体層5を有する。
本実施形態の電極複合体10Cは、第一の表面11a側に第一の導電体層1を設け、第二の表面11b側に第二の導電体層5を設けている。そして、第一の導電体層1と第二の導電体層5との間には、多孔質体層2が介在している。そのため、多孔質体層2が電気絶縁体からなる場合には、第一の導電体層1と第二の導電体層5との間の短絡を防ぐことができるため、第一の導電体層1と第二の導電体層5のいずれか一方を正極とし、他方を負極とすることができる。
第一実施形態と同様に、第一の導電体層1は、多孔質基材11に対し、第一の表面11aから第二の表面11bに向かって導電性材料を設けることにより形成される。また、第二の導電体層5は、第二の表面11bから第一の表面11aに向かって導電性材料を設けることにより形成される。つまり、第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2を別個に作製し、それらを積層しているわけではなく、第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2は単層の多孔質基材11から構成されている。このように、第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2を、多孔質基材11を基に形成することにより、各層の間の剥離を防ぎ、機械的強度を高めることが可能となる。
電極複合体10Cにおいて、多孔質基材11は電気絶縁体であることが好ましい。これにより、多孔質体層2も電気絶縁体となるため、第一の導電体層1と第二の導電体層5との間の短絡を防ぐことができる。
第一の導電体層1及び第二の導電体層5を構成する導電性材料は第一実施形態と同じものを使用することができ、第一の導電体層1及び第二の導電体層5の形成方法も第一実施形態と同じ方法とすることができる。
第一の導電体層1が正極であり、第二の導電体層5が負極である場合には、第一の導電体層1は第一実施形態と同様に触媒を含有することが好ましい。また、図7に示す電極複合体10Dのように、第一の導電体層1が正極であり、第二の導電体層5が負極である場合には、第一の表面11aに撥水層3を設けてもよい。
電極複合体10Cにおける第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2の側面は、封止材料4によって封止されていることが好ましい。また、電極複合体10Cにおける第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2の側面に加え、上面及び底面も封止材料4を用いて封止されていることが好ましい。第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2の側面が封止材料4によって封止されていることにより、電極複合体10Bの内部に好気性微生物が侵入することを抑制できる。その結果、好気性微生物が電極複合体10Cの内部で増殖することを防ぐことが可能となる。
本実施形態の電極複合体10C,10Dにおける多孔質体層2の作用について説明する。図7に示すように、電極複合体10Dの第一の導電体層1を微生物燃料電池の正極として用い、第二の導電体層5を負極として用いた場合、第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2が電解液70に浸漬される。そして、撥水層3の面3bの少なくとも一部が気相90に露出する。この場合、気相90に露出した撥水層3を透過して第一の導電体層1に酸素が到達するため、多孔質体層2が存在しない場合には、電解液70中の好気性微生物は第一の導電体層1及び第二の導電体層5を通過する。そして、第一の導電体層1と撥水層3との界面近傍で増殖してしまう。その結果、第一の導電体層1と撥水層3との界面近傍で好気性微生物により酸素が消費されてしまうため、第一の導電体層1に担持された触媒に酸素が十分に供給されず、酸素還元反応が生じ難くなってしまう。
これに対し、第一の導電体層1と第二の導電体層5との間に多孔質体層2を設けた場合、電解液70中には好気性微生物の餌となる有機物が含まれるため、電解液70中に露出した第二の表面11bには微生物膜が形成される。つまり、好気性微生物が有機物を消費して繁殖し、第二の表面11bに好気性微生物が集合してなる微生物膜が形成される。好気性微生物は、酸素が供給される第一の導電体層1側へ進行しようするが、微生物膜中の好気性微生物によって有機物は消費され、多孔質体層2の内部に侵入する有機物は減少してしまう。さらに、多孔質体層2の厚さを大きくすることにより、有機物が第一の導電体層1側へ移動し難くなり、第一の導電体層1で好気性微生物が増殖できなくなる。その結果、好気性微生物による酸素消費が抑制され、第一の導電体層1に担持された触媒に酸素を十分に供給し、効果的に酸素還元反応を行うことが可能となる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、第三実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の微生物燃料電池100は、図8及び図9に示すように、微生物を保持する負極20と、上述の電極複合体10Aにおける導電体層1からなる正極1Aとを備える。また、微生物燃料電池100は、電極複合体10Aと負極20との間に設けられ、水素イオン透過性を有するイオン移動層30をさらに備えている。
(負極)
本実施形態における負極20は、後述する微生物を担持し、さらに微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する機能を有する。そのため、本実施形態の負極20は、このような機能を生じさせる構成ならば特に限定されない。
本実施形態における負極20は、後述する微生物を担持し、さらに微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する機能を有する。そのため、本実施形態の負極20は、このような機能を生じさせる構成ならば特に限定されない。
本実施形態の負極20は、導電性を有する導電体シートに微生物を担持した構造を有する。導電体シートとしては、多孔質の導電体シート、織布状の導電体シート及び不織布状の導電体シートからなる群より選ばれる少なくとも一つを使用することができる。また、導電体シートは複数のシートを積層した積層体でもよい。負極20の導電体シートとして、このような複数の細孔を有するシートを用いることにより、後述する局部電池反応で生成した水素イオンがイオン移動層30の方向へ移動しやすくなり、酸素還元反応の速度を高めることが可能となる。また、イオン透過性を向上させる観点から、負極20の導電体シートは、電極複合体10A、イオン移動層30及び負極20の積層方向X、つまり厚さ方向に連続した空間(空隙)を有していることが好ましい。
当該導電体シートは、厚さ方向に複数の貫通孔を有する金属板であってもよい。そのため、負極20の導電体シートを構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル及びチタンなどの導電性金属、並びにカーボンペーパー、カーボンフェルトからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
負極20の導電体シートとして、黒鉛シートを用いてもよい。また、負極20は黒鉛を含有し、さらに黒鉛におけるグラフェン層は、電極複合体10A、イオン移動層30及び負極20の積層方向Xに垂直な方向YZの面に沿って配列していることが好ましい。グラフェン層がこのように配列していることにより、積層方向Xの導電性よりも、積層方向Xに垂直な方向YZの導電性が向上する。そのため、負極20の局部電池反応により生成した電子を外部回路110へ導通させやすくなり、電池反応の効率をより向上させることが可能となる。
なお、上述の黒鉛シートは、次のようにして得ることができる。まず、天然黒鉛を酸によって化学処理を施し、黒鉛のグラフェン層の層間へ挿入物を形成する。次に、これを高温で急速加熱することで、層間挿入物の熱分解によるガス圧でグラフェン層間が押し広がった膨張黒鉛が得られる。そして、この膨張黒鉛を加圧し、ロール圧延することにより、黒鉛シートが得られる。このようにして得られた黒鉛シートを負極20の導電体シートとして用いた場合、黒鉛におけるグラフェン層が積層方向Xに垂直な方向YZに沿って配列している。そのため、負極20と外部回路110との間の導電性を高め、電池反応の効率をより向上させることが可能となる。
負極20に担持される微生物としては、電解液70中の有機物、又は窒素を含む化合物を分解する微生物であれば特に限定されないが、例えば増殖に酸素を必要としない嫌気性微生物を使用することが好ましい。嫌気性微生物は、電解液70中の有機物を酸化分解するための空気を必要としない。そのため、空気を送り込むために必要な電力を大幅に低減することができる。また、微生物が獲得する自由エネルギーが小さいので、汚泥発生量を減少させることが可能となる。
負極20に保持される嫌気性微生物は、例えば細胞外電子伝達機構を有する電気生産細菌であることが好ましい。具体的には、嫌気性微生物として、例えばGeobacter属細菌、Shewanella属細菌、Aeromonas属細菌、Geothrix属細菌、Saccharomyces属細菌が挙げられる。
負極20に、嫌気性微生物を含むバイオフィルムが重ねられて固定されることで、負極20に嫌気性微生物が保持されていてもよい。なお、バイオフィルムとは、一般に、微生物集団と、微生物集団が生産する菌体外重合体物質(extracellular polymeric substance、EPS)とを含む三次元構造体のことをいう。ただ、嫌気性微生物は、バイオフィルムによらずに負極20に保持されていてもよい。また、嫌気性微生物は、負極20表面だけでなく、内部に保持されていてもよい。
(正極)
本実施形態の微生物燃料電池100は、図2に示す電極複合体10Aにおける導電体層1からなる正極1Aを備えている。
本実施形態の微生物燃料電池100は、図2に示す電極複合体10Aにおける導電体層1からなる正極1Aを備えている。
(イオン移動層)
本実施形態の微生物燃料電池100は、電極複合体10Aの多孔質体層2と負極20との間に設けられ、プロトン透過性を有するイオン移動層30をさらに備える。つまり、電極複合体10Aにおける多孔質体層2の面2a側にイオン移動層30が設けられている。そして、図8及び図9に示すように、負極20は、イオン移動層30を介して電極複合体10Aと隔てられている。イオン移動層30は、負極20で生成した水素イオンを透過し、電極複合体10A側へ移動させる機能を有している。
本実施形態の微生物燃料電池100は、電極複合体10Aの多孔質体層2と負極20との間に設けられ、プロトン透過性を有するイオン移動層30をさらに備える。つまり、電極複合体10Aにおける多孔質体層2の面2a側にイオン移動層30が設けられている。そして、図8及び図9に示すように、負極20は、イオン移動層30を介して電極複合体10Aと隔てられている。イオン移動層30は、負極20で生成した水素イオンを透過し、電極複合体10A側へ移動させる機能を有している。
イオン移動層30としては、例えばイオン交換樹脂を用いたイオン交換膜を使用することができる。イオン交換樹脂としては、例えばデュポン株式会社製のNAFION(登録商標)、並びに旭硝子株式会社製のフレミオン(登録商標)及びセレミオン(登録商標)を用いることができる。
また、イオン移動層30として、水素イオンが透過することが可能な細孔を有する多孔質膜を使用してもよい。つまり、イオン移動層30は、負極20から電極複合体10Aへ水素イオンが移動するための空間(空隙)を有するシートであってもよい。そのため、イオン移動層30は、多孔質のシート、織布状のシート及び不織布状のシートからなる群より選ばれる少なくとも一つを備えることが好ましい。また、イオン移動層30は、ガラス繊維膜、合成繊維膜、及びプラスチック不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができ、これらを複数積層してなる積層体でもよい。このような多孔質のシートは、内部に多数の細孔を有しているため、水素イオンが容易に移動することが可能となる。なお、イオン移動層30の細孔径は、負極20から電極複合体10Aに水素イオンが移動できれば特に限定されない。
上述のように、イオン移動層30は、負極20で生成した水素イオンを透過し、電極複合体10A側へ移動させる機能を有する。そのため、例えば、負極20と電極複合体10Aとが接触しない状態で近接していれば、水素イオンが負極20から正極1Aへ移動することができる。そのため、本実施形態の微生物燃料電池100において、イオン移動層30は必須の構成要素ではない。ただ、イオン移動層30を設けることにより、負極20から正極1Aへ水素イオンを効率的に移動させることが可能となるため、出力向上の観点からイオン移動層30を設けることが好ましい。
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る微生物燃料電池100は、電極複合体10A、負極20及びイオン移動層30からなる複数の電極接合体40を備えている。微生物燃料電池100では、図9に示すように、イオン移動層30の一方の面30aに負極20が接触するように配置されており、イオン移動層30の面30aと反対側の面30bに電極複合体10Aが接触するように配置されている。
図10に示すように、2枚の電極接合体40は、電極複合体10Aの撥水層3同士が対向するように、カセット基材50を介して積層されている。カセット基材50は、電極複合体10Aの撥水層3における面3bの外周部に沿うU字状の枠部材であり、上部が開口している。つまり、カセット基材50は、2本の第一柱状部材51の底面を第二柱状部材52で連結した枠部材である。そして、カセット基材50の側面53は、撥水層3における面3bの外周部と接合されており、撥水層3における面3bの外周部からカセット基材50の内部に電解液70が漏出することを抑制できる。
そして、図9に示すように、2枚の電極接合体40とカセット基材50とを積層してなる燃料電池ユニット60は、大気と連通した気相90が形成されるように、廃水槽80の内部に配置される。廃水槽80の内部には被処理液である電解液70が保持されており、電極複合体10Aの正極1A及び多孔質体層2、負極20並びにイオン移動層30は電解液70に浸漬されている。
上述のように、電極複合体10Aの撥水層3は撥水性を有する。そのため、廃水槽80の内部に保持された電解液70とカセット基材50の内部とは隔てられ、2枚の電極接合体40とカセット基材50とにより形成された内部空間は気相90となっている。そして、図9に示すように、正極1A及び負極20は、それぞれ外部回路110と電気的に接続されている。
次に、本実施形態の微生物燃料電池100の作用について説明する。上述の電極複合体10A、負極20及びイオン移動層30からなる電極接合体40が電解液70に浸漬された場合、電極複合体10Aの正極1A、多孔質体層2及び負極20が電解液70に浸漬され、撥水層3の少なくとも一部が気相90に露出している。
微生物燃料電池100の動作時には、負極20に、有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方を含有する電解液70を供給し、電極複合体10Aに空気を供給する。この際、空気は、カセット基材50の上部に設けられた開口部を通じて連続的に供給される。
そして、電極複合体10Aでは、撥水層3を透過して正極1Aに酸素が拡散する。負極20では、嫌気性微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する。生成した水素イオンは、イオン移動層30を透過して電極複合体10A側へ移動する。さらに水素イオンは、電極複合体10A中の多孔質体層2を透過して、正極1Aに到達する。また、生成した電子は負極20の導電体シートを通じて外部回路110へ移動し、さらに外部回路110から正極1Aに移動する。そして、水素イオン及び電子は、正極1A中の触媒の作用により酸素と結合し、水となって消費される。このとき、外部回路110によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。
ここで、電解液70には、上述の嫌気性微生物に加え、増殖に酸素を必要とする好気性微生物も含まれている。電極複合体10Aは、正極1Aに多孔質体層2を設けていることから、図4に示すように、多孔質体層2の面2aには微生物膜12が形成される。好気性微生物は、酸素が供給される気相90側へ進行しようするが、微生物膜12中の好気性微生物によって有機物は消費され、多孔質体層2の内部に侵入する有機物は減少してしまう。さらに、多孔質体層2が所定の厚さを有しているため、有機物が正極1A側へ移動し難くなり、正極1Aと多孔質体層2の境界よりも正極1A側では好気性微生物が増殖できなくなる。その結果、正極1Aと撥水層3との界面近傍で好気性微生物が増殖されないことから、好気性微生物による酸素消費が抑制され、酸素還元反応を効率的に行うことが可能となる。
このように、本実施形態の微生物燃料電池100は、電極複合体10を用いた第一の電極(正極1A)と、第二の電極(負極20)とを有する。この場合、電極複合体10における第一の導電体層(導電体層1)が第一の電極(正極1A)となる。さらに微生物燃料電池100は、電極複合体10における第二の表面11bと、第二の電極との間に設けられ、プロトン透過性を有するイオン移動層30を備える。このような構成により、正極1Aにおいて好気性微生物による酸素消費阻害が生じ難くなることから、正極1Aにおける酸素還元特性を高め、安定的に電気エネルギーを生産することが可能となる。
電極複合体10において、多孔質体層2が電気絶縁性である場合、図11に示すように、微生物燃料電池100Aはイオン移動層30を設けなくてもよい。具体的には、微生物燃料電池100Aは、電極複合体10及び負極20からなる複数の電極接合体40Aを備えている。微生物燃料電池100Aでは、負極20の一方の面20aが、電極複合体10における多孔質体層2の面2aと接触するように配置されている。そして、2枚の電極接合体40Aは、電極複合体10Aの撥水層3同士が対向するように、カセット基材50を介して積層されている。カセット基材50の側面53は、撥水層3における面3bの外周部と接合されている。また、2枚の電極接合体40Aとカセット基材50とを積層してなる燃料電池ユニット60Aは、気相90が形成されるように、廃水槽80の内部に配置され、電極複合体10Aの正極1A及び多孔質体層2、並びに負極20は電解液70に浸漬されている。
電極複合体10Aの多孔質体層2が電気絶縁性である場合、電極複合体10Aの正極1Aと負極20とは多孔質体層2により絶縁されているため、イオン移動層30を介在させなくても、導電体層1と負極20との間の短絡を防ぐことができる。また、上述のように、多孔質体層2は水素イオンを透過し、導電体層1に水素イオンを到達させることができる。このように、多孔質体層2がイオン移動層30と同じ機能を果たすことができるため、イオン移動層30を設けなくてもよい。なお、図11では、負極20の一方の面20aが電極複合体10Aにおける多孔質体層2の面2aと接触するように配置されているが、負極20の面20aと多孔質体層2の面2aとの間には空隙が存在していてもよい。
本実施形態に係る負極20には、例えば、電子伝達メディエーター分子が修飾されていてもよい。あるいは、廃水槽80内の電解液70は、電子伝達メディエーター分子を含んでいてもよい。これにより、嫌気性微生物から負極20への電子移動を促進し、より効率的な液体処理を実現できる。
具体的には、嫌気性微生物による代謝機構では、細胞内又は最終電子受容体との間で電子の授受が行われる。電解液70中にメディエーター分子を導入すると、メディエーター分子が代謝の最終電子受容体として作用し、かつ、受け取った電子を負極20へと受け渡す。この結果、電解液70における有機物などの酸化分解速度を高めることが可能になる。このような電子伝達メディエーター分子は、特に限定されない。電子伝達メディエーター分子としては、例えばニュートラルレッド、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸(AQDS)、チオニン、フェリシアン化カリウム、及びメチルビオローゲンからなる群より選ばれる少なくとも一つを用いることができる。
図10に示す燃料電池ユニット60は、2枚の電極接合体40とカセット基材50とを積層する構成となっている。しかし、本実施形態はこの構成に限定されない。例えば、カセット基材50の一方の側面53のみに電極接合体40を接合し、他方の側面は板部材で封止してもよい。また、図8乃至図10に示すカセット基材50は、上部の全体が開口しているが、内部に空気(酸素)を導入することが可能ならば部分的に開口していてもよく、また閉口していてもよい。
廃水槽80は内部に電解液70を保持しているが、電解液70が流通するような構成であってもよい。例えば、図8及び図9に示すように、廃水槽80には、電解液70を廃水槽80に供給するための廃水供給口81と、処理後の電解液70を廃水槽80から排出するための廃水排出口82とが設けられていてもよい。そして、電解液70は、廃水供給口81及び廃水排出口82を通じて連続的に供給されることが好ましい。
廃水槽80内は、例えば分子状酸素が存在しない、又は分子状酸素が存在してもその濃度が極めて小さい嫌気性条件に保たれていることが好ましい。これにより、廃水槽80内で、電解液70を酸素と殆ど接触しないように保持することが可能となる。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体、並びに第三実施形態に係る微生物燃料電池と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、第四実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体、並びに第三実施形態に係る微生物燃料電池と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の微生物燃料電池100Bは、図12に示すように、正極1Bと、上述の電極複合体10における導電体層1からなる負極20Aとを備える。
(正極)
本実施形態に係る正極1Bは、負極20Aで生成した水素イオン及び電子と、気相90中の酸素との酸素還元反応を進行させる機能を有する。そのため、本実施形態の正極1Bは、このような機能を生じさせる構成ならば特に限定されない。正極1Bとしては、例えば撥水層と、撥水層に接触するように重ねられているガス拡散層とを備えるガス拡散電極を使用することができる。このような薄板状のガス拡散電極を用いることにより、気相90中の酸素を正極1B中の触媒に容易に供給することが可能になる。
本実施形態に係る正極1Bは、負極20Aで生成した水素イオン及び電子と、気相90中の酸素との酸素還元反応を進行させる機能を有する。そのため、本実施形態の正極1Bは、このような機能を生じさせる構成ならば特に限定されない。正極1Bとしては、例えば撥水層と、撥水層に接触するように重ねられているガス拡散層とを備えるガス拡散電極を使用することができる。このような薄板状のガス拡散電極を用いることにより、気相90中の酸素を正極1B中の触媒に容易に供給することが可能になる。
正極1Bにおける撥水層は、撥水性と酸素透過性とを併せ持つ層である。撥水層は、微生物燃料電池100Bにおける電気化学系中の気相と液相とを良好に分離しながら、気相から液相へ向かう酸素の移動を許容するように構成される。つまり、撥水層は、気相90中の酸素を透過し、ガス拡散層へ移動させつつも、電解液70が気相90側に移動することを抑制できる。このような撥水層としては、第一実施形態の撥水層3と同じものを使用することができる。
正極1Bにおけるガス拡散層は、多孔質な導電性材料と、この導電性材料に担持されている触媒とを備えることが好ましい。なお、ガス拡散層が、多孔質かつ導電性を有する触媒から構成されてもよい。正極1Bにこのようなガス拡散層を備えることで、負極で生成した電子を触媒と外部回路110との間で導通させることが可能となる。なお、当該触媒は、第一実施形態で説明したものと同じ触媒を使用することができる。
正極1Bでは、安定的な性能を確保するために、酸素が撥水層及びガス拡散層を効率よく透過し、触媒に供給されることが好ましい。そのため、ガス拡散層は、撥水層と対向する面から反対側の面にかけて、酸素が透過する細孔を多数有する多孔質体であることが好ましい。また、ガス拡散層の形状は、三次元のメッシュ状であることが特に好ましい。このようなメッシュ状であることにより、ガス拡散層に対し、高い酸素透過性及び導電性を付与することが可能となる。
正極1Bにおいて、ガス拡散層に効率的に酸素を供給するために、撥水層は、接着剤を介してガス拡散層と接合していることが好ましい。これにより、ガス拡散層に対し、拡散した酸素が直接供給され、酸素還元反応を効率的に行うことができる。接着剤は、第一実施形態で説明したものと同じ接着剤を使用することができる。
ここで、本実施形態における正極1Bのガス拡散層について、さらに詳しく説明する。上述のように、ガス拡散層は、多孔質な導電性材料と、当該導電性材料に担持されている触媒とを備えるような構成とすることができる。
ガス拡散層における導電性材料は、例えば炭素系物質、導電性ポリマー、半導体及び金属からなる群より選ばれる一種以上の材料から構成することができる。ここで、炭素系物質とは、炭素を構成成分とする物質をいう。炭素系物質の例としては、例えば、グラファイト、活性炭、カーボンブラック、バルカン(登録商標)XC−72R、アセチレンブラック、ファーネスブラック、デンカブラックなどのカーボンパウダー、グラファイトフェルト、カーボンウール、カーボン織布などのカーボンファイバー、カーボンプレート、カーボンペーパー、カーボンディスク、カーボンクロス、カーボンホイル、炭素粒子を圧縮成形した炭素系材料が挙げられる。また、炭素系物質の例として、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノクラスターのような微細構造物質も挙げられる。さらに、ガス拡散層における導電性材料としては、メッシュ及び発泡体等の金属材料も用いることができる。
導電性ポリマーとは、導電性を有する高分子化合物の総称である。導電性ポリマーとしては、例えば、アニリン、アミノフェノール、ジアミノフェノール、ピロール、チオフェン、パラフェニレン、フルオレン、フラン、アセチレン若しくはそれらの誘導体を構成単位とする単一モノマー又は2種以上のモノマーの重合体が挙げられる。具体的には、導電性ポリマーとして、例えば、ポリアニリン、ポリアミノフェノール、ポリジアミノフェノール、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリフルオレン、ポリフラン、ポリアセチレン等が挙げられる。金属製の導電性材料としては、例えば、ステンレスメッシュが挙げられる。入手の容易性、コスト、耐食性、耐久性等を考慮した場合、導電性材料は炭素系物質であることが好ましい。
また、導電性材料の形状は、粉末形状又は繊維形状であることが好ましい。また、導電性材料は、支持体に支持されていてもよい。支持体とは、それ自身が剛性を有し、ガス拡散電極に一定の形状を付与することのできる部材をいう。支持体は絶縁体であっても導電体であってもよい。支持体が絶縁体である場合、支持体としては、例えばガラス、プラスチック、合成ゴム、セラミックス、耐水又は撥水処理した紙、木片などの植物片、骨片、貝殻などの動物片等が挙げられる。多孔質構造の支持体としては、例えば多孔質セラミック、多孔質プラスチック、スポンジ等が挙げられる。支持体が導電体である場合、支持体としては、例えばカーボンペーパー、カーボンファイバー、炭素棒などの炭素系物質、金属、導電性ポリマー等が挙げられる。支持体が導電体の場合には、炭素系材料を担持した導電性材料が支持体の表面上に配置されることで、支持体が集電体としても機能し得る。
ガス拡散層において、触媒は結着剤を用いて導電性材料に結着していてもよい。つまり、触媒は結着剤を用いて導電性材料の表面及び細孔内部に担持されていてもよい。結着剤は、第一実施形態で説明したものと同じ結着剤を使用することができる。
(負極)
本実施形態の微生物燃料電池100は、図1に示す電極複合体10における導電体層1からなる負極20Aを備えている。
本実施形態の微生物燃料電池100は、図1に示す電極複合体10における導電体層1からなる負極20Aを備えている。
図12に示すように、本実施形態に係る微生物燃料電池100Bは、正極1B及び電極複合体10からなる複数の電極接合体40Bを備えている。微生物燃料電池100Bでは、電極複合体10の第二の表面11bに、正極1Bのガス拡散層が接触するように配置されている。
図10に示す燃料電池ユニット60と同様に、2枚の電極接合体40Bは、正極1Bの撥水層同士が対向するように、カセット基材50を介して積層されている。カセット基材50は、正極1Bの撥水層の外周部に沿うU字状の枠部材であり、上部が開口している。そして、カセット基材50の側面53は、撥水層の外周部と接合されており、当該外周部からカセット基材50の内部に電解液70が漏出することを抑制できる。
そして、図12に示すように、2枚の電極接合体40Bとカセット基材50とを積層してなる燃料電池ユニット60Bは、大気と連通した気相90が形成されるように、廃水槽80の内部に配置される。廃水槽80の内部には被処理液である電解液70が保持されており、正極1Bのガス拡散層、並びに電極複合体10の負極20A及び多孔質体層2は電解液70に浸漬されている。
上述のように、正極1Bの撥水層は撥水性を有する。そのため、廃水槽80の内部に保持された電解液70とカセット基材50の内部とは隔てられ、2枚の電極接合体40Bとカセット基材50とにより形成された内部空間は気相90となっている。そして、図12に示すように、正極1B及び負極20Aは、それぞれ外部回路110と電気的に接続されている。
次に、本実施形態の微生物燃料電池100Bの作用について説明する。上述の正極1B及び電極複合体10からなる電極接合体40Bが電解液70に浸漬された場合、電極複合体10の負極20A及び多孔質体層2、並びに正極1Bのガス拡散層が電解液70に浸漬され、正極1Bの撥水層の少なくとも一部が気相90に露出している。
微生物燃料電池100Bの動作時には、負極20Aに、有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方を含有する電解液70を供給し、正極1Bに空気を供給する。そして、正極1Bでは、撥水層を透過してガス拡散層に酸素が拡散する。負極20Aでは、嫌気性微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する。生成した水素イオンは、電極複合体10中の多孔質体層2を透過して、正極1Bに到達する。また、生成した電子は負極20Aを通じて外部回路110へ移動し、さらに外部回路110から正極1Bのガス拡散層に移動する。そして、水素イオン及び電子は、正極1Bにおけるガス拡散層中の触媒の作用により酸素と結合し、水となって消費される。このとき、外部回路110によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。
上述のように、本実施形態に係る電極複合体10は、好気性微生物の侵入を防ぐため、正極1Bにおける好気性微生物の増殖を抑制することができる。そのため、好気性微生物による酸素消費が抑制され、酸素還元反応を効率的に行うことが可能となる。
本実施形態の微生物燃料電池100Bでは、電極複合体10の多孔質体層2が電気絶縁性であるため、電極複合体10の第二の表面11bに、正極1Bが接触するように配置されていたとしても、正極1Bと負極20Aとの短絡を防ぐことができる。ただ、電極複合体10の多孔質体層2が導電性である場合には、第三実施形態と同様に、正極1Bのガス拡散層と電極複合体10の第二の表面11bとの間にイオン移動層を設けることが好ましい。
[第五実施形態]
次に、第五実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体、並びに第三実施形態及び第四実施形態に係る微生物燃料電池と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、第五実施形態に係る微生物燃料電池について、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態の電極複合体、並びに第三実施形態及び第四実施形態に係る微生物燃料電池と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の微生物燃料電池100Cは、図13に示すように、第二実施形態の電極複合体10Dを用いている。2枚の電極複合体10Dは、第一の導電体層1側に設けられた撥水層3同士が対向するように、カセット基材50を介して積層されている。カセット基材50は、撥水層3の外周部に沿うU字状の枠部材であり、上部が開口している。そして、図10に示す燃料電池ユニット60と同様に、カセット基材50の側面53は、撥水層3の外周部と接合されており、当該外周部からカセット基材50の内部に電解液70が漏出することを抑制できる。
そして、図13に示すように、2枚の電極複合体10Dとカセット基材50とを積層してなる燃料電池ユニット60Cは、大気と連通した気相90が形成されるように、廃水槽80の内部に配置される。廃水槽80の内部には被処理液である電解液70が保持されており、電極複合体10Dは電解液70に浸漬されている。
上述のように、撥水層3は撥水性を有する。そのため、廃水槽80の内部に保持された電解液70とカセット基材50の内部とは隔てられ、2枚の電極複合体10Dとカセット基材50とにより形成された内部空間は気相90となっている。そして、図13に示すように、第一の導電体層1及び第二の導電体層5は、それぞれ外部回路110と電気的に接続されている。
微生物燃料電池100Cにおいて、電極複合体10Dにおける第一の導電体層1は正極1Cであり、第二の導電体層5が負極20Bである。そして、多孔質体層2は電気絶縁体であるため、正極1Cと負極20Bとの間の短絡を防ぐことができる。正極1Cである第一の導電体層1には、触媒が担持されている。
次に、本実施形態の微生物燃料電池100Cの作用について説明する。電極複合体10Dが電解液70に浸漬された場合、第一の導電体層1、第二の導電体層5及び多孔質体層2が電解液70に浸漬され、撥水層3の少なくとも一部が気相90に露出している。
微生物燃料電池100Cの動作時には、負極20Bに、有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方を含有する電解液70を供給し、撥水層3に空気を供給する。そして、撥水層3を透過して正極1Cに酸素が拡散する。負極20Bでは、嫌気性微生物の触媒作用により、電解液70中の有機物及び窒素含有化合物の少なくとも一方から水素イオン及び電子を生成する。生成した水素イオンは、電極複合体10D中の多孔質体層2を透過して、正極1Cに到達する。また、生成した電子は負極20Bを通じて外部回路110へ移動し、さらに外部回路110から正極1Cに移動する。そして、水素イオン及び電子は、正極1C中の触媒の作用により酸素と結合し、水となって消費される。このとき、外部回路110によって、閉回路に流れる電気エネルギーを回収する。
このように、本実施形態に係る微生物燃料電池100Cは、電極複合体10Dを有している。電極複合体10Dは、第一の表面11aと、第一の表面11aと反対側の第二の表面11bとを備える、シート状の多孔質基材11を有する。また、電極複合体10Dは、多孔質基材11の厚さ方向Xにおいて、第一の表面11aから第二の表面11bに向かって多孔質基材11の一部に設けられた第一の導電体層1を有する。さらに電極複合体10Dは、多孔質基材11の厚さ方向Xにおいて、第二の表面11bから第一の表面11aに向かって多孔質基材11の一部に設けられた第二の導電体層5を有する。さらに、多孔質基材11は電気絶縁体である。そして、微生物燃料電池100Cにおいて、電極複合体10Dにおける第一の導電体層1を第一の電極(正極1C)とし、第二の導電体層5を第二の電極(負極20B)とする。上述のように、電極複合体10Dは、好気性微生物の侵入を防ぐため、正極1Cと撥水層との界面近傍における好気性微生物の増殖を抑制することができる。そのため、好気性微生物による酸素消費が抑制され、酸素還元反応を効率的に行うことが可能となる。
以下、本実施形態を実施例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、図1に示す電極複合体を作製した。まず、多孔質基材として、厚さが1mmである不織布(日本不織布株式会社製「NLAT150」)を用意した。さらに、導電体層を形成するための導電性カーボン材料として、十条ケミカル株式会社製JELCON CH−8(高性能低抵抗カーボンペースト)を用意した。
実施例1では、図1に示す電極複合体を作製した。まず、多孔質基材として、厚さが1mmである不織布(日本不織布株式会社製「NLAT150」)を用意した。さらに、導電体層を形成するための導電性カーボン材料として、十条ケミカル株式会社製JELCON CH−8(高性能低抵抗カーボンペースト)を用意した。
そして、導電性カーボン材料を不織布の表面に塗布した後、120℃のオーブン内にて15分間静置することで、本例の電極複合体を作製した。
[実施例2]
実施例2では、実施例1で得られた電極複合体を用いて図12に示す微生物燃料電池を作製した。
実施例2では、実施例1で得られた電極複合体を用いて図12に示す微生物燃料電池を作製した。
(正極の作製)
まず、カーボンペーパー(燃料電池用電極基材TGP−H−120、東レ株式会社製)の一方の面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を塗工し、380℃で20分間加熱した。これにより、カーボンペーパーにポリテトラフルオロエチレン層を焼結させたエアカソードを得た。なお、ポリテトラフルオロエチレン分散液としては、Sigma−Aldrich社製の60wt% dispersion in H2Oを使用した。
まず、カーボンペーパー(燃料電池用電極基材TGP−H−120、東レ株式会社製)の一方の面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を塗工し、380℃で20分間加熱した。これにより、カーボンペーパーにポリテトラフルオロエチレン層を焼結させたエアカソードを得た。なお、ポリテトラフルオロエチレン分散液としては、Sigma−Aldrich社製の60wt% dispersion in H2Oを使用した。
次に、カーボンペーパーの他方の面に、触媒インクを塗工した。なお、触媒インクは、Pt/C触媒、ナフィオン及びイオン交換水を混合することによって作製した。そして、当該触媒インクを、白金触媒が4mg/cm2の目付となるように塗工した後、380℃で20分間乾燥することによって、本例の正極を作製した。なお、触媒インクにおけるPt/C触媒は、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E70TPM」を使用した。また、ナフィオンは、シグマアルドリッチジャパン社製「Nafion perfluorinated resin solution」を使用した。
(微生物燃料電池の作製)
実施例1で得られた電極複合体における導電性カーボン材料を担持した面と反対側の面に、上述の正極における触媒インクを塗工した面を積層することにより、電極接合体を作製した。さらに、2枚の電極接合体とU字型のカセット基材とを積層することにより、図12に示す燃料電池ユニットを得た。
実施例1で得られた電極複合体における導電性カーボン材料を担持した面と反対側の面に、上述の正極における触媒インクを塗工した面を積層することにより、電極接合体を作製した。さらに、2枚の電極接合体とU字型のカセット基材とを積層することにより、図12に示す燃料電池ユニットを得た。
得られた燃料電池ユニットを、図12に示すように、容積が300ccの水槽の内部に設置し、当該水槽の内部に被処理液である人工廃水を流入させた。なお、微生物燃料電池の運転においては、スターチ等の有機性高分子を含む人工廃水を、負極に接触するように30日間にわたり連続的に流入させた。この際、人工廃水のBOD濃度は800mg/Lとした。人工廃水の流量は、負極の外形面積当たりのBOD負荷量であるBOD面積負荷が、16g/m2/日になるように設定した。また、人工廃水中には、発電を担う嫌気性微生物として、土壌微生物を植種した。このようにして、本例の微生物燃料電池を得た。
一般的に、微生物燃料電池は、正極と負極との間の距離が増大することで出力低下するため、従来は、いかに正極と負極との間の距離を縮小するかが重要であった。しかしながら、従来の技術常識に反して、多孔質体層を用いて正極と負極との間の距離をある程度増大させたほうが、長期的には出力が低下せず、高出力が維持できることが分かり、本実施形態の発明を完成するに至った。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。具体的には、図面において、電極複合体10,10A,10C,10D、及び正極1B、負極20、イオン移動層30は、矩形状に形成されている。しかし、これらの形状は特に限定されず、燃料電池の大きさ、並びに所望の発電性能等により任意に変更することができる。また、各層の面積も所望の機能が発揮できるならば任意に変更することができる。
1 第一の導電体層(導電体層)
1A 第一の電極
2 多孔質体層
3 撥水層
4 封止材料
5 第二の導電体層
10,10A,10B,10C,10D 電極複合体
11 多孔質基材
11a 第一の表面
11b 第二の表面
20 第二の電極
30 イオン移動層
100,100A,100B,100C 微生物燃料電池
1A 第一の電極
2 多孔質体層
3 撥水層
4 封止材料
5 第二の導電体層
10,10A,10B,10C,10D 電極複合体
11 多孔質基材
11a 第一の表面
11b 第二の表面
20 第二の電極
30 イオン移動層
100,100A,100B,100C 微生物燃料電池
Claims (7)
- 第一の表面と、前記第一の表面と反対側の第二の表面とを備える、シート状の多孔質基材と、
前記多孔質基材の厚さ方向において、前記第一の表面から前記第二の表面に向かって前記多孔質基材の一部に設けられた第一の導電体層と、
を有する、電極複合体。 - 前記多孔質基材の厚さは1.0mm〜50mmである、請求項1に記載の電極複合体。
- 前記多孔質基材は電気絶縁体である、請求項1又は2に記載の電極複合体。
- 前記多孔質基材の厚さ方向において、前記第二の表面から前記第一の表面に向かって前記多孔質基材の一部に設けられた第二の導電体層をさらに有する、請求項3に記載の電極複合体。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電極複合体を用いた第一の電極と、
第二の電極と、
を有する、燃料電池。 - 前記電極複合体における前記第二の表面と、前記第二の電極との間に設けられ、プロトン透過性を有するイオン移動層をさらに備える、請求項5に記載の燃料電池。
- 請求項4に記載の電極複合体を有し、
前記電極複合体における第一の導電体層を第一の電極とし、第二の導電体層を第二の電極とする、燃料電池。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020004637A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 酵素発電デバイス用導電性基材、酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス |
| CN119240955A (zh) * | 2024-12-06 | 2025-01-03 | 南京大学 | 一种微生物电催化碳捕集膜及其制备方法与应用 |
-
2016
- 2016-06-22 JP JP2016123443A patent/JP2017228411A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020004637A (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 酵素発電デバイス用導電性基材、酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス |
| JP7063147B2 (ja) | 2018-06-29 | 2022-05-09 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 酵素発電デバイス用導電性基材、酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス |
| CN119240955A (zh) * | 2024-12-06 | 2025-01-03 | 南京大学 | 一种微生物电催化碳捕集膜及其制备方法与应用 |
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