JP2017228574A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 積層型圧電素子と基体との接合部のクラック発生を抑制し、変位量を長期間安定して得られる圧電アクチュエータを実現する。【解決手段】 本開示の圧電アクチュエータ10は、積層型圧電素子1と、積層型圧電素子1の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子1を収容した金属ケース2とを備えている。そして、金属ケース2は、積層型圧電素子1の下端に当接された基体21と、基体21の上面に接合された筒体22とを含み、筒体22は、上下に延びる筒状部221と、筒状部221の下端に接続された鍔部222とを有している。さらに、基体21の上面における積層型圧電素子1と筒体22との間の領域には、積層型圧電素子1とは間隔をおいて積層型圧電素子1を取り囲むように立設部3がある。【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばマスフローコントローラ、XYテーブルの精密位置決め装置等に用いられる圧電アクチュエータに関するものである。
圧電アクチュエータは、積層型圧電素子と、積層型圧電素子の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子を収容した金属ケースとを備え、金属ケースは、積層型圧電素子の下端に当接された基体と、基体の上面に接合された筒体とを含んでいる(例えば、特許文献1を参照)。ここで、筒体は、上下に延びる筒状部と、筒状部の下端に接続された鍔部とを有しており、例えば、積層型圧電素子に圧縮荷重を印加した状態で、基体と鍔部とをレーザー溶接や抵抗溶接で接合することで作製される。
特開平11−22845号公報
上記の圧電アクチュエータでは、基体と鍔部とを溶接する際の熱が積層型圧電素子と基体との接合部に伝わって、熱応力により当該接合部にクラックを生じさせたものとなるおそれがあった。
さらに、長期間の駆動によってこのクラックが進展すると、積層型圧電素子へ印加した荷重が片当たりの状態となり、更に進展すると、印加荷重が下がり、所望の変位量が安定して得られなくなるおそれもあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、積層型圧電素子と基体との接合部へのクラックの発生を抑制し、変位量を長期間安定して得られる圧電アクチュエータを提供することを目的とする。
本開示の圧電アクチュエータは、積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の上端および下端が内壁に当接するように前記積層型圧電素子を収容した金属ケースとを備え、前記金属ケースは、前記積層型圧電素子の下端に当接された基体と、該基体の上面に接合された筒体とを含み、該筒体は、上下に延びる筒状部と、該筒状部の下端に接続された鍔部とを有し、前記基体の上面における前記積層型圧電素子と前記筒体との間の領域には、前記積層型圧電素子とは間隔をおいて当該積層型圧電素子を取り囲むように立設部があることを特徴とするものである。
本開示の圧電アクチュエータによれば、積層型圧電素子と基体との接合部へのクラックの発生が抑制されたものとなり、長期間安定した変位量を実現することができる。
圧電アクチュエータの一実施形態の概略斜視図である。 図1に示す圧電アクチュエータのA−A線で切断した概略断面図である。 (a)は図2に示す領域Bの一例の拡大断面図、(b)は図2に示す領域Bの一例の一部省略平面図である。 図2に示す領域Bの一例の一部省略概略斜視図である。 図2に示す積層型圧電素子の一例の概略斜視図である。 図2に示す領域Bの他の例の一部省略平面図である。 図2に示す領域Bの他の例の一部省略平面図である。 図2に示す領域Bの他の例の拡大断面図である。 図2に示す領域Bの他の例の拡大断面図である。 図2に示す領域Bの他の例の拡大断面図である。
以下、本開示の圧電アクチュエータの一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は圧電アクチュエータの一実施形態の概略斜視図、図2は図1に示す圧電アクチュエータのA−A線で切断した概略断面図、図3(a)は図2に示す領域Bの一例の拡大断面図、図3(b)は図2に示す領域Bの一例の一部省略平面図、図4は図2に示す領域Bの一例の一部省略概略斜視図、図5は図2に示す積層型圧電素子の一例の概略斜視図である。
図1〜図4に示す圧電アクチュエータ10は、積層型圧電素子1と、積層型圧電素子1の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子1を収容した金属ケース2とを備えている。そして、金属ケース2は、積層型圧電素子1の下端に当接された基体21と、基体21の上面に接合された筒体22とを含み、筒体22は、上下に延びる筒状部221と、筒状部221の下端に接続された鍔部222とを有している。さらに、基体21の上面における積層型圧電素子1と筒体22との間の領域には、積層型圧電素子1とは間隔をおいて積層型圧電素子1を取り囲むように立設部3がある。
積層型圧電素子1は、図5に示すように、例えば圧電体層11と内部電極層12とが交互に複数積層された活性部と、活性部の積層方向の両端に積層された圧電体層11からなる不活性部とを有する積層体13を備えた積層型の圧電素子である。ここで、活性部は駆動時に圧電体層が積層方向に伸長または収縮する部位であり、不活性部は駆動時に圧電体層が積層方向に伸長または収縮しない部位である。
積層型圧電素子1を構成する積層体13は、例えば縦4〜7mm、横4〜7mm、高さ20〜50mm程度の直方体状に形成されている。なお、積層体13としては、例えば六角柱形状や八角柱形状などであってもよい。
積層体13を構成する複数の圧電体層11は、圧電特性を有する圧電磁器(圧電セラミックス)からなり、当該圧電磁器は平均粒径が例えば1.6〜2.8μmに形成されたものである。圧電磁器としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。
積層体13を構成する複数の内部電極層12は、例えば銀、銀−パラジウム合金、銀−白金、銅などで形成されたものであり、正極と負極(もしくはグランド極)とがそれぞれ積層体13の対向する一対の側面に互い違いに導出されている。この構成により、活性部において、積層方向に隣り合う内部電極層12同士の間に挟まれた圧電体層11に駆動電圧を印加するものである。
なお、積層体13には、応力を緩和するための層であって内部電極層として機能しない金属層等が含まれていてもよい。
そして、内部電極層12の正極または負極(もしくはグランド極)が導出された積層体13の対向する一対の側面には、それぞれ外部電極14が設けられ、導出された内部電極層12と電気的に接続されている。外部電極14は、例えば銀およびガラスの焼結体からなるメタライズ層である。なお、図3に示すように、外部電極14にはリード線41がはんだ42で取り付けられていて、リード線41を介して駆動電圧を印加するようになっている。
一方、積層体13の対向する他の一対の側面には、内部電極層12の正極および負極(もしくはグランド極)の両極が露出しており、この側面には必要により酸化物からなる被覆層15が形成されている。被覆層15の形成により、駆動時に高電圧をかけた際に発生する両極間での沿面放電を防止することができる。この被覆層15を形成する酸化物としては、セラミック材料が挙げられ、特に、圧電アクチュエータ10を駆動した際の積層体13の駆動変形(伸縮)に追随でき、被覆層15が剥がれて沿面放電が生じるおそれのないように、応力によって変形可能な材料であることが好ましい。具体的には、応力が生じると局所的に相変態して体積変化して変形可能な部分安定化ジルコニア、Ln1−XSiAlO3+0.5X(Lnは、Sn,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,TmおよびYbのうちから選ばれるいずれか少なくとも一種を示す。x=0.01〜0.3)などのセラミック材料、あるいは、生じた応力を緩和するように結晶格子内のイオン間距離が変化するチタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料が挙げられる。この被覆層15は、例えばインク状にした後、ディッピングやスクリーン印刷によって積層体13の側面に塗布され、焼結することによって形成される。
また、圧電アクチュエータ10は、積層型圧電素子1の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子1を収容した金属ケース2を備えている。金属ケース2は、基体21と、基体21の上面に下端部が接合された筒体22と、筒体22の上端部に接合された蓋体23とを含んでいる。そして、基体21の上面に積層型圧電素子1の下端面が当接され、蓋体23の下面に積層型圧電素子1の上端面が当接されている。
基体21、筒体22および蓋体23は、例えばSUS304やSUS316Lなどの金属材料からなるものである。
筒体22は、上下に延びる筒状部221と、筒状部221の下端に接続された鍔部222とを有している。この筒体22は、例えば、所定の形状でシームレス管を作製した後、圧延加工や静水圧プレスなどによりベロー(蛇腹)形状に形成されたものである。筒体22は、積層型圧電素子1に電圧を印加した際に積層型圧電素子1の伸縮に追従できるように、所定のバネ定数を有しており、厚み、溝形状および溝数によってそのバネ定数を調整している。例えば、筒体22の厚みは例えば0.1〜0.5mmとされる。筒体22の上下に延びる筒状部221から一端側開口(上端側開口)までは円筒状にされたものであるが、筒体22の他端側開口(下端側開口)は径方向外側に向かって広がるいわゆるラッパ状になっている。このように、筒体22の他端側開口がラッパ状になっていることで、筒体22が鍔部222を有する構造になっている。
また、基体21は円板状にされたもので、図に示す例では周縁部が他の部位よりも薄肉になっている。基体21の周縁部と筒体22の鍔部222とは、積層型圧電素子1に圧縮荷重がかかるようにして例えば溶接により接合されている。なお、基体21にはリードピン43を挿通可能な貫通孔が2つ形成されており、リード線41と電気的に接続されたリードピン43を貫通孔に挿通させている。そして、貫通孔の隙間には例えば軟質ガラス44が充填されていて、リードピン43が固定されている。
蓋体23は外径が筒体22の一端側開口の内径と同じ程度に形成されたもので、筒体22の一端側開口から蓋体23が嵌め込まれて、筒体22の一端側開口の近傍(上端近傍)の内壁にその側面を例えば溶接により接合されている。
そして、図2〜図4に示すように、金属ケース2を構成する基体21の上面における積層型圧電素子1と筒体22との間の領域には、積層型圧電素子1とは間隔をおいて積層型圧電素子1を取り囲むように立設部3がある。言い換えると、圧電アクチュエータ10は、基体21の上面のうち筒体22の内側に位置する部位に、積層型圧電素子1と接触しないように当該積層型圧電素子1のまわりに配置された立設部3を備えている。
これにより、基体21と鍔部222とを溶接する際に生じた熱の一部を、立設部3に逃がして当該立設部3から放熱させることができる。したがって、積層型圧電素子1と基体21との接合部に生じるクラックを抑制し、変位量を長期間安定して得られる圧電アクチュエータを実現することができる。
ここで、図に示すように、立設部3は積層型圧電素子1よりも筒体22に近い側に設けることができる。立設部3が積層型圧電素子1から遠い位置に設けられていることで、積層型圧電素子1と基体21との接合部に熱をより伝わりにくくすることができる。
また、立設部3としては、図3、図4に示すように積層型圧電素子1のまわりを一周連続して取り囲んだ平面視で環状の壁からなる構成とすることができる。これにより、熱分布が周方向に見てほぼ均等になるので、積層型圧電素子1と基体21との接合部に応力がかかったとしても、当該応力がほぼ均等にかかることになるので、応力が集中する箇所が生じにくくなる。
なお、図6に示すように積層型圧電素子1のまわりに周方向に配置された複数の細い柱状体からなる構成であってもよく、図7に示すように積層型圧電素子1のまわりに周方向に配置された平面視で円弧状の複数の壁からなる構成であってもよい。
なお、立設部3の厚み(基体21の半径方向の幅)は、熱分布および小型化の観点から好ましくは、例えば0.1〜0.3mmに設定される。
また、図に示すように、立設部3の高さが鍔部222の厚み分の高さよりも高くすることができる。基体21と鍔部222とを抵抗溶接する際に金属の小さなパーティクル(飛散物)が発生することがあるが、立設部3の高さが鍔部222の厚み分の高さよりも高いことで、このパーティクル(飛散物)が内側の積層型圧電素子1のほうまで飛ばなくなるようにできることから、パーティクル(飛散物)が積層型圧電素子1に付着するのを抑制することができる。
なお、この場合の立設部3の高さは、パーティクル抑制および筒体22の挿入性の観点から好ましくは、鍔部222の厚みよりも例えば0.5〜1.0mm高くなるように設定される。
また、図8に示すように、筒体22は、断面で見て、筒状部221の内面から鍔部222の下面にかけてほぼ直角に折れ曲がった形状であってもよいが、図9に示すように、筒体22は、筒状部221の内面から鍔部222の下面にかけて徐々に拡がる曲面状の内面を有しており、立設部3、基体21および筒体22で囲まれる空間を有している形状とすることもできる。
立設部3と筒体22(鍔部222)との間に基体21と鍔部222とを抵抗溶接する際に発生する溶融した金属をためるスペースがあることで、この金属が立設部3と筒体22との間の隙間から飛び出してパーティクル(飛散物)となるのを抑制し、パーティクル(飛散物)を内側の積層型圧電素子1のほうまで飛ばないようにすることもできる。
ここでいう、立設部3、基体21および筒体22で囲まれる空間を有しているとは、立設部3と筒体22との間に隙間があってよいことを意味しており、この隙間の幅は、パーティクル抑制および筒体22の挿入性の観点から好ましくは、例えば0.1〜0.2mmとされる。
また、図10に示すように、立設部3が筒状部221の内面に接している構成とすることもできる。基体21の上面にある立設部3と筒体22とを精度よくかみあわせることで、立設部3が筒状部221の内面に接している形状とすることができる。これにより、パーティクル(飛散物)が筒体22の内側へ飛ばなくすることができる。
次に、本実施の形態にかかる圧電アクチュエータ10の製造方法について説明する。
まず、圧電体層11となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、周知のドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては、圧電特性を有するものであればよく、例えば、PbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物などを用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)などを用いることができる。
次に、内部電極層12となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって、導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて印刷し、次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに積層方向の両端部に導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層成形体を得る。この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって積層体13が得られる。
次に、積層体13の側面のうち両内部電極層(正極および負極)が導出された一対の側面に、酸化物のインクをスクリーン印刷によって印刷した後、900〜1200℃で焼成し、被覆層15を形成する。
酸化物のインクは、酸化物の粉体を溶剤、分散剤、可塑剤、及びバインダーの溶液に分散させた後、3本ロールを数回通すことにより、粉体の凝集を解砕するとともに、粉体を分散させて作製される。
次に、メタライズ層から成る外部電極14を形成する。まず、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、内部電極層12の正極または負極が導出された積層体13の対向する一対の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理を行なう。これにより、メタライズ層から成る外部電極14を形成して積層型圧電素子1が完成する。
次に、外部電極14とリード線41を半田付けする。また、切削加工にて立設部3および抵抗溶接用の環状部(図示せず)を形成するとともに、穴加工にて貫通孔を形成してな
る基体21を用意する。なお、立設部3は、基体21を切削加工して形成することの他、別部材(例えばリング状部材)を固着させて形成してもよい。
次に、この基体21に形成された2つの貫通孔にそれぞれリードピン43を挿通するとともに隙間に軟質ガラス44を充填して固定し、さらに基体21の上面に積層型圧電素子1の下端部を接着剤で接着する。そして、積層型圧電素子1の外部電極14に半田42にて半田付けしたリード線41と基体21に取り付けられたリードピン43とを半田で接続する。
次に、SUS304製のシームレスの円筒状の筒体22に圧延加工によりベロー形状を形成する。圧延加工時に金型形状を変更することにより、溝部の厚み、及び曲率半径の変更することができる。この筒体22の一端側(上端側)の開口を塞ぐようにSUS304製の蓋体23をレーザー溶接によって溶接する。なお、筒体22の他端側(下端側)には鍔部222が形成される。
ここで、図8に示すような、断面でみて直角に折れ曲がった形状にするために、円筒状の筒体22を圧延加工時の金型形状に直角を設ければよい。同様に、図9に示すような断面で見て湾曲した形状(ラッパ状)とするために、圧延加工時の金型形状に湾曲した形状を設ければよい。
次に、筒体22を基体21に接着した積層型圧電素子1に被せ、所定の荷重で筒体を引張り、積層型圧電素子1に荷重を加える。この状態で、筒体22の鍔部222と基体21とを抵抗溶接によって溶接する。
最後に、基体21に取り付けられたリードピン43に0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、積層体13を分極することによって、本実施の形態の圧電アクチュエータが完成する。
そして、リードピン43と外部電源とを接続して、圧電体層11に電圧を印加することにより、各圧電体層11を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。
実施例としての圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー及び可塑剤を混合したセラミックスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み120μmの圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金(銀95質量%−パラジウム5質量%)にバインダーを加えて作製した内部電極となる導電性ペーストを、スクリーン印刷法により印刷したセラミックグリーンシートを260枚積層し、その上下に導電性ペーストなしのセラミックグリーンシートを各20枚積層した積層成形体を作製した。
次に、所定の大きさとなるようにダイシングソーマシンで積層成形体を切断した後、積層成形体を乾燥させ、焼成して積層体を作製した。焼成は、800℃の温度を90分保持した後、1000℃で200分間焼成した。積層体は直方体状であり、その大きさは、端面が縦5mm、横5mmであり、高さが35mmであった。
次に、部分安定化ジルコニア、圧電材料、圧電体層と同じ材料、及びチタン酸ジルコン
酸鉛を材料とするインクを作製し、それぞれ、被覆層の厚みが20μmとなるように、スクリーン印刷にて、内部電極層の両極が露出している積層体の側面に印刷し、その後、1000℃で焼成し、積層体の側面に被覆層を形成した。
次に、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、これを積層体の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理して外部電極を形成した後、半田付けにて外部電極にリード線を接続した。
また、SUS304で円板状の基体を作製した。具体的には、切削にて立設部と、溶接される部位となる環状部を設け、2箇所に貫通孔を形成した図2に示す形状の基体を作製した。そして、基体に形成された貫通孔に軟質ガラスでリードピンを取り付けた。なお、立設部は、高さ1.0mm、厚み(基体の半径方向の幅)0.3mmのリング状とした。環状部は、高さ0.2mm、幅0.5mmの断面三角形状とした。
次に、基体の上面に積層体を接着剤で固定し、外部電極に半田付けしたリード線と基体に取り付けられたリードピンとを半田付けで接続した。
次に、SUS304で円板状の蓋体を作製した。
また、SUS316L製の厚み0.15mmのシームレスの円筒に圧延加工によりベロー形状とラッパ状の下端部(鍔部)を形成した筒体を作製した。
作製した筒体に蓋体を挿入し、筒体と蓋体を溶接した。そして、この溶接したものを、基体に接着した積層型圧電素子に被せ、所定の荷重で筒体を引張り、積層型圧電素子に荷重を印加した後、筒体と基体の環状部との当接部を抵抗溶接で溶接した。
最後に、これらの試料の2本のリードピンに3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行ない、実施例の圧電アクチュエータを作製した。
一方、比較例として、立設部が無い以外は上記と同様の構成の圧電アクチュエータを作製した。
そして、実施例及び比較例のそれぞれの圧電アクチュエータについて、耐久試験前後の変位量を変位測定装置にて測定した。
まず、それぞれの圧電アクチュエータに200Vの直流電圧を印加して、初期変位量を求めたところ、実施例および比較例の圧電アクチュエータはともに変位量が55μmであった。
さらに、これらの圧電アクチュエータについて、室温で電圧200Vにて1000時間駆動し続ける耐久試験を行なった。その結果、実施例の圧電アクチュエータはほとんど変位量が変化しなかったのに対し、比較例の圧電アクチュエータは5%程度の変位量の低下がみられた。
これにより、実施例の圧電アクチュエータのほうが変位量を長期間安定して得られることが確認された。
10・・・圧電アクチュエータ
1・・・積層型圧電素子
11・・・圧電体層
12・・・内部電極層
13・・・積層体
14・・・外部電極
15・・・被覆層
2・・・金属ケース
21・・・基体
22・・・筒体
221・・・筒状部
222・・・鍔部
23・・・蓋体
3・・・立設部
41・・・リード線
42・・・半田
43・・・リードピン
44・・・軟質ガラス

Claims (6)

  1. 積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の上端および下端が内壁に当接するように前記積層型圧電素子を収容した金属ケースとを備え、前記金属ケースは、前記積層型圧電素子の下端に当接された基体と、該基体の上面に接合された筒体とを含み、該筒体は、上下に延びる筒状部と、該筒状部の下端に接続された鍔部とを有し、前記基体の上面における前記積層型圧電素子と前記筒体との間の領域には、前記積層型圧電素子とは間隔をおいて当該積層型圧電素子を取り囲むように立設部があることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記立設部が前記積層型圧電素子よりも前記筒体に近い側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記立設部が前記積層型圧電素子を一周連続して取り囲んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記立設部の高さが前記鍔部の厚み分の高さよりも高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記筒体は、前記筒状部の内面から前記鍔部の下面にかけて徐々に拡がる曲面状の内面を有しており、前記立設部、前記基体および前記筒体で囲まれる空間を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記立設部が前記筒状部の内面に接していることを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチュエータ。
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