JP2017501523A - 光学式データ記憶方法及び光学式データ記憶システム - Google Patents

光学式データ記憶方法及び光学式データ記憶システム Download PDF

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Abstract

第1特性を有する第1光放射ビームの存在下で、第2特性を有する第2光放射ビームにより抑制可能な記録媒体特性の変化を誘起させることができる光学活性物質を含む記録媒体を使用して、光学的に読み取り可能なデータを記憶及び検索するための方法及び装置に関する。記憶時は、記録媒体の領域に対して、照射領域の中央部分の範囲内で十分な強度を有し、光学的に誘起される記録媒体特性の変化を引き起こすのに十分な持続時間を有する、第1光放射ビームを照射する。同時に、当該照射領域の中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、当該照射領域の中央部分に隣接する少なくとも1部分において、記録媒体特性の変化を抑制するのに十分な最大の局所的強度を有する第2光放射ビームを照射する。同様の方法は、検索にも利用される。記録媒体内の物質特性の変化を防止するために、第1ビームの強度は低減される。

Description

本発明は、光フィールド(例えば、レーザー光)の使用に基づいて、適当な記録媒体の物理的特性を利用した情報の記録及び検索(読み出し)を行うタイプのデータ記憶システムに関する。さらに詳細に言えば、本発明は、大型データセンター等において使用されるのに適した超高密度記憶システムに関するものである。
光学式記録媒体とは、データが光学的に読み取り可能な形で記憶された媒体であって、こうしたデータは、例えば、ピックアップに組み込まれたレーザー及び光検出器によって読み取ることができる。現世代の商用光学式記録媒体として、記録及び再生を、媒体(すなわち、光学ディスク)内の反射層からの戻り光の制御又は検出に基づいて行うシングルレイヤー及びデュアルレイヤーのDVD及びブルーレイディスクが挙げられる。これらの中で、最大データ記憶容量は約50ギガバイトまでの情報を格納することが可能なデュアルレイヤーブルーレイディスクによって得られる。しかし、新たに出現した用途、例えば、超大型データセンターにおいて、データ記憶に必要な物理空間及びそうしたデータセンターの維持及び稼動に必要なエネルギー要件を最小化するために、将来的には、より高密度の記憶が求められる。
記憶密度を高める1つ目の技術として、記憶媒体の3次元全てを利用する、すなわち、媒体内の様々な深度に追加のデータを記憶するものが挙げられる。デュアルレイヤーDVD及びブルーレイディスクはこうした技術の例であり、ディスク構造において積層される別個の2層の記録層に独立してデータを記憶させ、レーザービーム焦点を制御してアクセスすることが可能である。このようにして記録媒体に含ませることができる別個の層の数は、物理的特性、例えば、重量及び厚さにより制限され、深度次元におけるデータ密度も層間の物理空間により制限される。
記憶密度を高める2つ目の技術として、記憶システムの光学分解能を向上させるものが挙げられる。従来、光学式データ記憶の分解能は、光の回折性により制限される。高密度は、光学部品の開口数を増加させるか、又は、書き込み/読み出しのために使用される光源の波長を増加(すなわち、周波数を低下)させることにより実現される。ただし、いずれにしても、書き込みビームの半波長より小さな記録特徴サイズを形成すること、又は、逆に読み出しビームの半波長より小さな特徴を検出することは困難である。
最近では、非近接場超分解能記録方法が開発されており、こうした方法では書き込みビームの特別な偏光状態が用いられるか、又は、対物レンズの背面開口の瞳関数がアポダイズされる。しかし、こうした方法では、50ナノメーター未満の分解能を実現することはできない。また、こうした方法が利用されるビットシーケンシャル方式の記録は本質的に遅いため、データスループットが制限される。
したがって、超高密度光学式データ記憶の最も望ましい特徴は、高光学分解能、大容量の記録媒体の3次元全てが(すなわち、様々な材料から分離された別個の記録層を積層する必要なく)利用可能であること、並びに、記録及び再生の両方における高速データスループットである。これらの主要な基準全てにおいて優れた性能を実現することができる光学式データ記憶方法及び光学式データ記憶システムが未だに必要とされている。
一側面において、本発明は、第1特性を有する光放射の存在下で、記録媒体特性の変化を誘起させることができる光学活性物質を含む所定の記録媒体を使用して、光学的に読み取り可能なデータを記録するための方法であって、ここで、記録媒体特性の変化は、第2特性を有する光放射により抑制することができ、当該方法は、記録媒体の領域に対して、第1特性の第1光放射ビームを照射するステップであって、第1光放射ビームは、当該照射領域の中央部分の範囲内で十分な強度を有し、光学的に誘起される記録媒体特性の変化を引き起こすのに十分な持続時間を有する、ステップと、記録媒体の領域に対して、第2特性の第2光放射ビームを同時に照射するステップであって、第2光放射ビームは、当該照射領域の中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、当該照射領域の中央部分に隣接する少なくとも1部分において、光学的に誘起される記録媒体特性の変化を抑制するのに十分な最大の局所的強度を有する、ステップと、を含むことを特徴とする方法を提供する。
効果的な構成として、本発明の実施態様は、第1光放射ビームの中央部を取り囲む第2光放射ビームにより規定された領域における記録媒体特性の変化を抑制することにより、通常の回折限界以上の向上した分解能を実現することができる。その結果、第1光放射ビームのみの回折限界で実現する場合に比べて、記憶された情報の状態を示す記録媒体特性の変化を小さくし、すなわち、分解能を高めることができる。
別の側面において、本発明は、記憶されたデータに対応する記録媒体特性の変化が1又は複数の領域において誘起された、光学活性物質を含む記録媒体に記憶されたデータを光学的に読み出す方法であって、ここで、記録媒体特性の変化は、第1特性を有する光放射に対する記録媒体の反応を介して検出することができ、記録媒体の反応は、第2特性を有する光放射により抑制することができ、当該方法は、記録媒体の領域に対して、照射領域の中央部分の範囲内で十分な強度を有し、反応を引き起こすのに十分な持続時間を有するが、光学的に誘起される記録媒体特性の変化を引き起こすには不十分な強度及び持続時間を有する、第1特性の第1光放射ビームを照射するステップと、記録媒体の領域に対して、前記照射領域の中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、前記照射領域の中央部分に隣接する少なくとも1部分において、第1光放射ビームに対する記録媒体の反応を抑制するのに十分な最大の局所的強度を有する、第2特性の第2光放射ビームを同時に照射するステップと、記録媒体が、照射領域の中央部分の範囲内で、第1光放射ビームに対する反応を示すか否か検出するステップと、を含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明の記録にかかる側面と同様に、読み出しにかかる側面も、第1光放射ビームの中央部を隣接して取り囲む領域における物質反応を抑制するメカニズムにより、高分解能を実現することができる。
いくつかの実施態様では、第1特性及び第2特性は、異なる光周波数を含む。その他の実施態様では、第1特性及び第2特性は、異なる偏光状態を含む。さらに別の実施態様では、第1特性及び第2特性は、異なる光パルス幅を含む。
本発明の実施態様では、第1光放射ビームは、ガウス型の強度分布を有する。光学分野の当業者には理解されるように、ガウス型ビームは回折限界空間分解能を有する。したがって、例えば、第1光放射ビームが800ナノメーターの波長を有する光源から発せられる場合は、約400ナノメーターの最大分解能が想定される。
いくつかの実施態様では、第2光放射ビームは、環状の強度分布を有する。環状の強度分布は、例えば、ラゲールガウスモードの円偏光ビーム又は方位偏光ビームをフォーカスして「ドーナツ」形状を形成することにより得られる。
効果的な構成として、第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの空間重畳と、これらの相対的強度の適切な制御とにより、光学的記憶の分解能は、50ナノメーター未満まで向上できると考えられる。
いくつかの実施態様では、第2光放射ビームは、3次元の中空の強度分布が得られるように形成される。このことは、例えば、ラゲールガウスモード(又は、トポロジカル電荷を有する渦位相)の円偏光ビームと、ビームの中央において同軸π位相シフトを持つ円偏光ビームとを組み合わせて、中空形状を形成することにより実現される。中空ケージ形状は、ビームの中央において同軸π位相シフトを持つ円筒偏光ビームをフォーカスさせることにより形成することができる。
効果的な構成として、第2光放射ビームの3次元の中空強度分布は、第1光放射ビームの中央焦点を取り囲む3次元空間において、書き込み時の特性変化を抑制するか、又は、読み出し時の反応を抑制するために利用することができる。これにより、物理的に積層された記録構造を用いる必要なく、大容量の記録媒体の3次元全てにおいて、全ての次元で同等の分解能で、情報状態を記憶させることができる。
第1光放射ビーム及び第2光放射ビームは、パルス波又は連続波(CW)の光源から形成することができる。
いくつかの実施態様では、第1光放射ビーム及び第2光放射ビームは、複数の平行ビームから成る。例えば、これらのビームの瞳関数を、焦点面に多焦点アレイを形成するように設計することができる。第1光放射ビームに対応するガウス型の焦点を有する多焦点アレイと、第2光放射ビームに対応する中空又は環状の焦点を有する多焦点アレイとを重畳させることにより、効果的な構成として、高速データ転送速度による並行記録/再生が可能となる。
いくつかの実施態様では、第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの偏光状態を配置及び重畳して、任意の所望の3次元偏光配向を形成することができる。これにより、効果的な構成として、記録媒体内の同一空間位置で、書き込みビームの偏光状態に複数の情報状態をエンコードすることができる。
本発明の読み出しにかかる側面では、記録媒体特性の変化を示す物質の反応は、広帯域光放射/燐光である。したがって、記録された情報状態は、例えば光検出器を用いて、記録媒体が第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの照射に対する放射を放出するか否かを検出することにより読み出すことができる。
別の側面において、本発明は、光学式データ記録再生装置であって、第1特性を有する光放射の存在下で、記録媒体特性の変化を誘起させることができると共に、記録媒体特性の変化を示す物質反応を生じさせることができる光学活性物質を含む記録媒体を保持するように構成された取り付け台であり、ここで、記録媒体特性の変化、及び、記録媒体特性の変化を示す反応は、第2特性を有する光放射により抑制可能である、取り付け台と、第1特性を有する放射放出を制御するように構成された第1光源と、第1光源から放出される第1光放射ビームを制御可能に記録媒体の領域にフォーカスするように構成された第1結像系であり、ここで、第1光放射ビームは当該第1光放射ビームの中央部分の範囲内で最大強度を有する、第1結像系と、第2特性を有する放射を制御可能に放出するように構成された第2光源と、第2光源から放出される第2光放射ビームを制御可能に記録媒体の領域にフォーカスするように構成された第2結像系であり、ここで、第2光放射ビームは当該第2光放射ビームの中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、当該第2光放射ビームの中央部分に隣接する少なくとも1部分において最大の局所的強度を有する、第2結像系と、取り付け台に保持される記録媒体の選択領域に対して、第1光源から放出される第1選択強度の光放射、及び、第2光源から放出される第2選択強度の光放射を同時に照射して、記録媒体に/からデータを選択的に記録又は読み出すために、少なくとも第1光源、第1結像系、第2光源、及び、第2結像系を制御するように構成されたコントローラと、を有することを特徴とする光学式データ記録再生装置を提供する。
いくつかの実施態様では、少なくとも第1結像系は、第1光放射ビームによる記録媒体の照射を選択的に遮断するように制御可能な変調器を有する。効果的な構成として、変調器は、情報状態の変化が媒体に記録されているか否か、及び/又は、媒体に記録された情報状態が読み出されるか否かを判定するように制御され得る。
本発明の実施態様では、コントローラは、光学式データ記録再生装置の書き込み動作及び読み出し動作を選択するために、少なくとも第1光放射ビームの強度を調節するように構成されている。例えば、書き込み動作には比較的高い強度を、読み出し動作には低い強度を用いることができる。
いくつかの実施態様では、当該記録媒体はディスクを含み、取り付け台は、ディスクの角速度を制御できるように速度可変式モータによって駆動されるディスクの取り付けを確実にするように構成されたスピンドルを有する。また、第1結像系及び第2結像系はさらに、例えば、焦点の光学的及び/又は機械的な位置決めにより、記録媒体の選択領域を径方向に移動させることができるように構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスク記録媒体は、径方向に配されたトラッキング要素、例えば、反射性、金属性又は磁性の要素を有し、それにより、結像系の、移動中の閉ループフィードバック機構、又は、トラッキングを実現する。具体的には、いくつかの実施態様では、装置は、ディスクに対する結像系の径方向の位置を維持するように構成されたサーバーコントローラに連結された少なくとも1個のトラッキング要素センサを有する。
いくつかの実施態様では、第1結像系及び第2結像系は、複数の平行光ビームを形成するように構成される。また、いくつかの実施態様では、第1結像系及び第2結像系はそれぞれ、複数の平行光ビームの選択的な形成を可能にするように位置付けられた空間変調器を有する。
いくつかの実施態様では、取り付け台及び/又は結像系は、記録媒体の選択領域を記録媒体内の制御可能な深度に位置付けることができるように構成されている。例えば、第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの焦点は、光学的及び機械的な位置付けの一方又は両方により、記録媒体内の任意の位置に制御可能に位置付けることができる。
いくつかの実施態様では、特性の変化を示す物質反応は、広帯域光放射/燐光であり、光学式データ記録再生装置はさらに、記録媒体に対する第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの照射中及び/又は照射後に、放出された放射/燐光の有無を検出するように構成された光検出器を有する。
別の側面において、本発明は、光学式データ記憶システムであって、本発明を具現化する複数の光学式データ記録再生装置と、複数の光学式データ記録再生装置それぞれに対応付けられており、対応する光学式データ記録再生装置の取付け台にそれぞれ選択的にロード可能な複数の記録媒体と、当該記憶システム内部のデータの記憶リクエスト及び検索リクエストを受信し、当該受信したリクエストの完了に必要となる当該記憶システム内の記録媒体を識別し、当該必要となる記録媒体を対応する光学式データ記録再生装置にロードさせ、当該対応する光学式データ記録再生装置に受信したリクエストの完了に必要となる記録動作及び/又は検索動作を完了させるように構成された記憶コントローラと、を有することを特徴とする光学式データ記憶システムを提供する。
別の側面において、本発明は、複数の層を有する記録媒体であって、少なくとも1層は、外側保護層を含み、別の少なくとも1層は、第1特性を有する光放射の存在下で、当該記録媒体の特性の変化を誘起させることができると共に、特性の変化を示す物質反応を生じさせることができる光学活性物質を含み、特性の変化、及び、特性の変化を示す物質反応は、第2特性を有する光放射により抑制可能であることを特徴とする記録媒体を提供する。
いくつかの実施態様では、記録媒体はディスクを含む。
また、記録媒体は、光学活性物質の対向面に配された少なくとも2層の保護層を有することができる。
いくつかの実施態様では、光学活性物質は第1励起状態を有し、当該第1励起状態への遷移は、第1特性を有する光放射により誘起され、記録媒体の特性の変化は、第1励起状態における、第1特性を有する光放射の吸収の結果生じる。したがって、こうした実施態様では、光学活性物質は、高い非線形の吸収係数を持つことが望ましい。
また、本発明の実施態様では、第2特性を有する光放射が存在することにより第1励起状態からの素早い遷移が誘起され、それにより、記録媒体の特性の変化を抑制することができる。
本発明の実施態様では、ビニル基、フェニル基又はカルボニル基を持つ共役系に余剰非局在化電子を有する有機共役分子を含む光学活性物質を使用することができる。第1励起状態からの吸収を介して誘起される光物理的/光化学的な反応のために、本発明の実施態様では、例えば、アミド基、カルボニル基、エステル基又はアミン基といった基を有する光学活性物質を使用する。
本発明の実施態様では、特性の変化を示す物質反応は、第1励起状態から基底状態への失活の結果得られる広帯域光放射/燐光であり、この場合、物質は効果的な構成として、適度に高い量子収率、例えば、10パーセント超の量子収率を有する光ルミネセンス作用を呈する。本発明の実施態様に適した物質として、記録媒体中の作用分子の大きな共役パイ軌道を有し、第2ビームの機能を高めて第1ビームの作用を抑制すると共に、フォトンにより誘起される第2励起状態から基底状態への遷移速度を増加させるものが挙げられる。本発明の実施態様のための分子の候補として、クマリン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、メタノン及びその誘導体、シクロペンタノン及びその誘導体、又は、ローダミン及びその誘導体が挙げられる。
いくつかの実施態様では、光学活性物質を含む層の厚さは、情報記憶のための複数の中間層を許容するのに十分な厚さである。
いくつかの実施態様では、記録媒体は、径方向に配された検出可能なトラッキング要素を有するトラッキング層を有する。適切なトラッキング要素として、磁性トラッキング要素、光学的トラッキング要素、金属性トラッキング要素、及び、物理的トラッキング要素(例えば、ピット又は溝)のうち1又は複数が挙げられる。
本発明のさらなる特徴、利点及び使用法については、本発明の実施形態の特性及び工程を当業者が一層理解できるように記載された以下の例示的な実施形態から明らかになるだろう。ただし、これらは、ここまでの記載で説明された、又は、添付の特許請求の範囲に規定されたような本発明の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。
添付の以下の図面を参照しながら本開示の実施形態について説明する。なお、図中の同一の参照符号は同一の特徴を示している。
本発明を具現化するディスク形状の記録媒体を示す図である。 本発明の実施形態に従った、記録動作及び読み出し動作を示す光学活性物質のエネルギー準位図である。 本発明の実施形態に従った、記録動作及び読み出し動作を示す別の光学活性物質のエネルギー準位図である。 本発明を具現化する第1及び第2光ビームの焦点形状を概略的に示す図である。 本発明を具現化する光学式データ記録読み出し装置を示すブロック図である。 図5に示すコントローラにより実行される例示的な記録/読み出し制御アルゴリズムのフローチャートである。 本発明の実施形態に従った、並行記録読み出しのための構成を示す図である。 本発明を具現化する抑制ビーム出力と特徴サイズとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に従った、シングルビーム記録とデュアルビーム記録とを比較するための、走査型電子顕微鏡(SEM)による画像を示す図である。 本発明を具現化する光学デバイスを有する光学式記憶アレイシステムを示すブロック図である。
図1に示されているように、本発明を具現化するディスク形状の記録媒体100は、断面102に示されているように多数の層を有する。ディスク100は、通常どおりに、ディスクを回転させるためのスピンドルが収容される中心孔を有する。上方保護層104は、第1特性を有する光放射の存在下で、媒体特性の変化を誘起させることができると共に、特性の変化を示す物質反応を生じさせることができる光学活性物質を含む1又は複数の記録層108に対応した屈折率を有する耐摩耗性基板から成る。ここで、特性の変化、及び、特性の変化を示す反応は、第2特性を有する光放射により抑制可能である。
本明細書に記載の特定の実施形態では、第1特性及び第2特性は、図2及び図3を参照しながら詳細に後述するように、光周波数(すなわち、フォトンエネルギー)である。
また、下方保護層106も設けられている。
図示された構成では、組み合わされた第1及び第2レーザービーム110を上方からディスク100に照射する。上方保護層104はこうしたデュアルビームに対して透過性がある。動作時には、ビームは、詳細に、特に図4を参照して後述するように、記録層108内の領域にフォーカスされる。第1光放射ビーム及び第2光放射ビームの形状及び強度を適切に制御することにより、記録層108内で特性の変化を誘起して、記憶情報をエンコードすることができる。また、再びデュアルビーム110のパラメータを適切に制御することにより、特性の変化を有する領域を検出して記憶情報を読み出すことができる。
記録層108は、ディスク100内に径方向に間隔を置いて配されたマーキング112を有することができる。マーキングは、光学検出可能な特性を有し、それにより、読み出し書き込み装置はレーザービーム110の位置を径方向に沿って追跡することができる。また、例示的なディスク100は、正確に位置付けられた磁性材料の同軸リングから成る磁性トラッキング層114を有する。この磁性材料は磁性プローブ116により検出可能であり、そのため、サーボ系を用いて動作中のディスクの横振れ及び/又は動きを補正することができる。
図2は、本発明を具現化する媒体の記録層108への使用に適した光学活性物質のエネルギー準位図である。物質は、特性の変化が第1特性を有する光放射により誘起され、特性の変化が第2特性を有する光放射により抑制されるような特定の物理的特性及び/又は化学的特性を有することができる。図2に示すエネルギー準位図は、第1特性が第1光周波数(又はフォトンエネルギー)であり、第2特性が別の光周波数(又はフォトンエネルギー)である例示的な物質を表すものである。
物質のサンプルを、先ずはエネルギー準位図200で示す。物質中の分子は、第1基底状態202及び第1励起状態204を有し、基底状態202から励起状態204への遷移は、十分な強度、及び、励起状態204と基底状態202との間のエネルギー差に対応する光周波数を有する光フィールドの存在下で誘起される。
物質中の分子は、励起状態204に対して対応する第2エネルギー差を有する第2基底状態206を有する。十分な強度、及び、励起状態204と基底状態206との間のエネルギー差に対応する周波数を有する第2光フィールドの存在下で、励起状態204から基底状態206への素早い遷移が誘起され、その後、第1基底状態202へと失活する。
したがって、「抑制フィールド」としても知られる第2光フィールドの存在下では、物質の特性変化は生じない。一方、十分な強度の、「記録フィールド」とも言われる第1光フィールドの存在下、かつ、抑制フィールドの非存在下では、分子は励起状態204に長期間維持され得る。この状態で、記録フィールドからのフォトンがさらに吸収されると、物質に光物理的/光化学的な変化が生じ、それにより、その特有のエネルギーレベルに変化が生じる。変化後の物質の例示的なエネルギーレベルは、図208で示されている。
光学的に変化した物質は、新たな第1基底状態210、及び、対応する新たな励起状態212を有する。励起状態212は、第1光フィールド周波数に対応するエネルギー差を有する。新たな励起状態212から、抑制フィールド周波数に対応する分だけ低いエネルギーレベルには、新たな第2基底状態214が存在する。したがって、抑制フィールドの存在下では、励起状態212は一時的である。一方、抑制フィールドの非存在下では、励起状態は持続的であり、基底状態210、基底状態214、又は、その他の低エネルギーレベルへと失活する際に光ルミネセンスを呈し得る。結果として生じた光ルミネセンスを検出することにより、変化物質の有無を識別することができる。
そのため、理解されるように、第1光周波数を有する第1光フィールドは、物質の変化を誘起するために用いることができ、その後、再び物質を第1光フィールドに曝すことにより、物質の変化を識別することができる。一方、抑制フィールドの存在下では、こうした物質の変化は抑制され得る。2種のフィールドの強度比を制御することにより、2種の物質状態の間の変換を制御することができるため、記録層108内に情報をエンコードするためにこれを利用することができる。
上述したメカニズムを有効化するために、光学活性物質は以下の特性を有することができる。第1に、高吸収係数の分子を有することができる。例えば、3次元全ての記録のためには、基底状態202から励起状態204への遷移が可能となるように、非線形の高吸収係数が望ましい。適切な物質の例として、ビニル基、フェニル基又はカルボニル基を持つ共役系に余剰非局在化電子を有する有機共役分子が挙げられる。
第2に、物質は、励起状態204からの光物理的/光化学的反応を誘起することができる。例えば、有機分子は、アミド基、カルボニル基、エステル基又はアミン基といった何らかの活性基を有することができる。
第3に、励起状態204は、蛍光といった光ルミネセンス作用を伴う基底状態202又は基底状態206へと失活することができる。光ルミネセンス作用は、このために十分な量子、例えば、10パーセント超の量子を有し得る。ここで、抑制フィールドの機能を向上させると共に、フォトンにより誘起される励起状態212から基底状態202への遷移速度を増加させるためには、記録媒体中の作用分子の大きな共役パイ軌道が必要とされ得る。こうした基準を満たすための分子の候補として、クマリン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、メタノン及びその誘導体、シクロペンタノン及びその誘導体、又は、ローダミン及びその誘導体が挙げられる。
図3は、本発明を具現化する別の光学活性物質のエネルギー準位図である。物質は、エネルギー図300及び302で表される2種の分子を有し、一方は開始剤、他方は抑制剤である。記録フィールドの存在下では、開始剤分子は基底状態304から励起状態306へと遷移し、それから三重項状態308へと失活することができる。また、抑制フィールドの存在下では、抑制剤分子は基底状態310から励起状態312へと遷移し、三重項状態314へと失活することができる。
三重項状態314の抑制剤分子の非存在下で、三重項状態308の開始剤分子がさらにフォトンを吸収すると、物質の光物理的/光化学的な変化が生じ、それにより、エネルギー準位図316に示されているように、基底状態318、励起状態320及び第2基底状態322を含む変化したエネルギーレベルが生じる。留意すべき点として、エネルギーレベル316を有する変化後の物質の検出も、図2に示されているエネルギーレベル208を有する変化後の物質と同様に行うことができる。
抑制剤分子が三重項状態314に励起されると、物質の特性遷移を防止する化学反応種、例えば、ラジカルを形成することができる。例えば、励起された開始剤は、活性ラジカル生成作用により重合又は解重合を引き起こして遷移を行い得る。十分な抑制効果を得るために、抑制剤は、反応種の量子収率が高くなるような三重項状態を有することができる。また、反応種は、三重項状態314のエネルギーレベルの開始剤とのみ反応し、その生成物は三重項状態314のエネルギーレベルから生成されることとすることができる。
上述した基準全てを満たすために、開始剤は、例えば、メタノン及びその誘導体、又は、シクロペンタノン及びその誘導体とすることができ、抑制剤は、ジスルフィド及びその誘導体とすることができる。
図4は、本発明を具現化する第1(すなわち、記録又は読み出し)及び第2(すなわち、抑制)光ビームのビーム形状及び焦点形状を概略的に示す図である。第1ビーム402は、ビームスプリッタ406を用いて第2ビーム404と組み合わされ、組み合わされたビームは結像系408を介してフォーカスされる。このため、2種のビームは、ディスク100といった記録媒体の記録層108内の選択領域に同時にフォーカスされる。
図4の表の第1列410に示されているように、第1ビームは、中央部分の範囲内で最大の強度を有し、図示されている例では、全体的に偏球形状の焦点を形成する。
図4の表の第1列412に示されているように、第2ビームは、中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、この領域を取り囲むように全体的に環状の強度プロフィールを有するように形成することができる。あるいは、列414に示されているように、第2ビームは、焦点領域の周囲に3次元の全体的に中空の強度分布を成すように形成することができる。一般的には、第2ビームの望ましい特性として、照射領域の中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、照射領域の中央部分に隣接する少なくとも1部分において最大の局所的強度を有する。
したがって、第1ビームを記録媒体の選択領域に照射することにより、焦点近傍の物質特性を記録又は読み出すことができる。また、例えば、環形状又は3次元中空形状の領域である抑制フィールドの存在は、図2及び図3を参照して先述したように、それを取り囲む領域の範囲内で関連作用を抑制することにより、記録又は読み出しが行われる量を制限する。したがって、本発明の実施形態に従ったデュアルビームの動作により、全体として、記録及び読み出しの分解能を向上し、それにより、データ記憶密度を大幅に高めることができる。
第1ビーム402の形状は、回折限界空間分解能を有する従来どおりのガウス形状でとすることができる。第2ビーム404の環形状は、ラゲールガウスモードの円偏光ビーム、又は、方位偏光ビームをフォーカスさせて「ドーナツ」形状を形成することにより実現可能である。(例えば、列414に示されているような)中央中空形状は、ラゲールガウスモード(又は、トポロジカル電荷を有する渦位相)の円偏光ビームと、ビームの中央において同軸π位相シフトを持つ円偏光ビームとを組み合わせて、形成することができる。中空ケージ形状は、ビームの中央において同軸π位相シフトを持つ円筒偏光ビームをフォーカスさせることにより形成することができる。
図5は、本発明を具現化する光学式データ記録読み出し装置を示すブロック図である。こうした装置は、光学デバイス、又は、単にデバイスとして一般的に知られている。
光学デバイス500は、記録媒体、すなわち、光学ディスク100を保持するように構成された取り付け台502を有する。取り付け台502は、ディスクの角速度を制御できるように速度可変式モータによって駆動されるディスクの取り付けを中心孔を介して確実にするスピンドルを有する。
レーザー源504は、第1及光源506及び第2光源508を有し、これらは第1結像系510及び第2結像系512を通過する。第1結像系510及び第2結像系512は、図4を参照しながら先述したように、記憶/読み出し及び抑制それぞれにかかる所望の第1ビーム及び第2ビームの形状を形成するように配置されている。第1ビーム及び第2ビームを組み合わせるために、ミラー514及びビームスプリッタ516が使用される。組み合わされたビームはそれから、図5の簡略ブロック図ではミラー518及びレンズ519で示されているトラッキング機構又は光学ヘッドを介して、記録媒体100の選択領域にフォーカスされる。トラッキング系は、ディスク100に対して少なくとも径方向に移動するように制御可能であり、それにより、記憶/読み出しすべき特定のトラックを選択できる。
サーボ系520は、プローブ116に接続されており、ディスク100の所望領域に/から記録及び読み出しを行うための回転及びトラッキングの所望の速度を十分な精度で維持するために利用可能なフィードバックループを有する。
読み出し動作中は、照射された光フィールドに応じてディスク100から放出される光はトラッキング光学部品519、518を介して戻され、ビームスプリッタ522から検出系524に反射される。検出系524は、感光検出器及び情報の復のための復調器を有することができる。ノイズ及び余剰レーザービームを低減するために、感光検出器の前に蛍光パスフィルタが使用される。
ドライブ500の構成部品、すなわち、レーザー源504、サーボ系520、トラッキング系518、519、及び、検出系524は、電子コントローラ526の制御下で動作される。電子コントローラ526は、典型的には、マイクロプロセッサ、適切なプログラミング、及び、ドライブ500の構成部品との間で制御信号を送受信するためのその他の電子部品を有する。
記録及び再生のパラメータに関するその他の特性は、既存の光学式記憶技術、例えば、DVDやブルーレイディスクといった技術に基づき得る。例えば、ディスク100に記録されるデータのエンコードに変調技術(8−16変調)を適用することができる。また、一定のスループット及び一定のデータ密度をディスク媒体全体を通して確実にするために、一定線速度(CLV)動作を、例えば、60m/秒の速度で記録及び読み出しに用いることができる。最小の読み出し書き込みサイクル時間を条件として、スループットは、CLVを高めることにより向上させることができる。ビット記録のスループットはT=CLV/dであり、ここで、CLVはシステムで用いられる一定線速度、dは1ビットの(すなわち、物理的ディスク100上/中の)長さを示す。
ドライブは、図7を参照して詳細に後述するように、並行した記録読み出しが可能である。それに応じて、記録読み出しスループットは高くなる。並行書き込みを適用後の全体のデータ記録スループットは、Tdrive=p×Τであり、ここで、pは並行して記録されるビット数を示す。
図1及び図5に示されているように、磁性トラッキング層114及びプローブ116が使いられた磁性サーボ系は、記録時及び読み出し時の回転ディスクのウォークオフに対する超高精度補正のために使用される。サーボ系は、読み出しヘッド、マイクロアクチュエータ、及び、デジタル制御回路を有することができる。サーボ系の主なタスクは、位置誤差信号の検出、及び、位置誤差の補正である。プローブ116は、マイクロアクチュエータにより作動され、(図1に示されているようなトラッキング層114の)磁性トラック溝を有するディスク表面の近傍に配される。ヘッド位置は、トラック溝に予めエンコードされた読み出し位置信号の読み取りにより特定され、それにより、光学ヘッド518、519の位置を補正するための位置誤差信号が生成される。デジタル制御回路は、マイクロアクチュエータの制御、位置信号の転送、及び、光学式記録読み出し系に合わせたサーボ系のサンプリングレートの調整のために使用される。サーボ系からの位置信号に基づいて、光学ヘッドを駆動するためのアクチュエータは、レーザービームの相対位置を、例えば、30nm未満の超高精度で調節することができる。
代替的な実施形態(図示せず)では、光学サーボ系を使用することができる。光学サーボ系は、クォーター光検出器、非点収差光学部品、及び、差動回路を有する。例えば、658nmの波長で動作するサーボレーザーは、ディスク100に形成された溝構造に常にフォーカスされる。反射されたサーボレーザービームはその後、円形レンズ及び円筒レンズの対から成る非点収差光学部品を通過後、ディスクのウォークオフ情報を伝送する。クォーター光検出器は、反射ビームの形状変化を感知することができる。クォーター光検出器は、4個の信号(A、B、C及びD)を生成する。差動回路は、これらの4個の信号を用いてウォークオフ、スピンドル速度、トラッキングエラー信号、及び、焦点誤差信号の状態を判定することができる。また、4個の信号(A+B+C+D)を加算して、無線周波(RF)信号が生成される。RF信号の周波数から、スピンドルの速度を決定することができる。径方向焦点誤差は、(A+C−B−D)/(A+B+C+D)により測定することができ、これは、焦点誤差信号と呼称される。横方向焦点誤差(トラッキングエラー信号)は、(A+B−C−D)/(A+B+C+D)により測定することができる。対応する電流が光学ヘッドを制御するアクチュエータに印加され、それにより、ディスクの軸方向及び横方向のトラック位置に対するヘッドの対物レンズ519の相対位置が調節される。
図6は、コントローラ526内で実行することができる例示的な記録/読み出し制御アルゴリズムの簡略化されたフローチャート600である。書き込み又は読み出しいずれの場合も、最初のステップは、サーボ系を作動させるステップ602、及び、適切なトラッキングマークを有するディスクの存在を確認する検出アルゴリズムを実行するステップ604である。ディスクが存在しない場合(ステップ606)、エラーが報告される(ステップ608)。
判定点610では、アルゴリズムは、データ読み出し動作又はデータ記録動作のいずれがリクエストされているかに基づいて二者択一経路をたどる。データ読み出しの場合(ステップ612)、コントローラは、ステップ614で読み出しビームを作動する。コントローラは、読み出しビームの強度レベルが確実に、光ルミネセンス反応を生じさせるには十分であるが、物質の特性が変化する強度レベル未満(すなわち、記録の場合)であるようにする。また、コントローラ526は、ステップ616でスピンドルモータを作動させる。通常は、読み出し動作中、何らかの形態の表示又はその他の表示が生成され(ステップ618)、それにより、観測者は読み出しが実行中である旨を視覚的に確認することができる。コントローラは、ディスク100から全ての所望の情報が検索されるまで読み出し動作を継続し(ステップ620)、検索されると処理が完了する(ステップ622)。
さらに詳細には、読み出しに先立って、コントローラは、アドレス問い合わせを行って対象となるセクタを突き止めることができる。ディスク位置の検索のために、コントローラ526は先ず、サーボ系520を作動してトラック位置を突き止める。それから、第1ビーム506の出力を記録時に使用される出力の10分の1まで低下させて、破壊読出しを防止する。集まった蛍光を検出することにより軸方向のスキャニングが実行され、それにより、対象となる情報の層が突き止められる。ディスク位置が確認されると、コントローラ526はデュアルビームモードに切り替わり、レーザーゲートをディスク回転に同期させる。検出系524の感光検出器は、検出された光学式データ信号を対応するデジタル電気信号に変換する。電気信号は、デコーダにより復号され、最終的には検索データとしてホストデバイスに転送される。
データ記録の場合、コントローラは先ず、ステップ624で記録すべきデータを受信する。ステップ626では、記録ビームが記録媒体の特性変化を開始させるのに十分な強度で作動される。また、抑制ビームも作動される(ステップ628)。読み出しの場合と同様に、コントローラは、ステップ630でスピンドルモータを作動させる。それから、データの入力ブロックが完全に記録されるまで記録が行われる(ステップ632)。ステップ634では、コントローラは、記録すべき別のデータブロックが存在するか否かを判定し、存在すれば、制御はステップ624に戻る。さもなければ、記録処理は完了する(ステップ622)。
本発明の実施形態では、記録読み出しスループットを大幅に高めるために、並行記録も可能である。図7には、ドライブ500で並行した記録読み出しを行うための好適な構成700が示されている。一般的に、構成700は、第1ビーム及び第2ビーム(すなわち、記憶/読み出し及び抑制のためのビーム)それぞれのビーム経路において空間光変調器(SLM)を使用する。SLMに表示されるコンピュータ生成された位相パターンを用いて記録媒体に多焦点アレイが形成される。
具体的には、第1ビーム702及び第2ビーム704が第1SLM706及び第2SLM708に向けられる。これらのSLMは、詳細に後述するように、適切に生成された位相パターン710、712を表示する。SLM708はさらに、渦位相波面714を加えるために使用され得る。あるいは、渦位相波面714は別個の位相板を介して加えてもよい。ビーム702、704は、連続波(CW)又はパルス波のいずれであってもよいが、多数の焦点を形成する場合は、高いピーク強度を有するパルスモードの方がCWモードの動作よりも利点を有するだろう。
ミラー716及びビームスプリッタ718は、第1ビーム及び第2ビームを組み合わせるために使用され、組み合わされたビームはコリメーティング光学部品720を通過する。対物レンズ722は、光フィールドを記録媒体100にフォーカスさせるために使用される。結果として、図7に概略的に参照符号724、726で示されているような第1ビーム及び第2ビームの焦点アレイが得られる。このように、対応するデータ値アレイを同時に書き込み又は読み出しすることができる。なお、SLMに対する適切なコンピュータ制御により、特定の情報状態の書き込みを制御するための個々の位置を点灯及び消灯させることができる。
SLMを制御するために使用される多焦点アレイ位相パターンのコンピュータ生成には、焦点面における電気フィールドの面内くし型関数の重畳、及び、強度で重み付けされた反復法を適用して、多焦点アレイの高度な均一性を維持することができる。また、算出工程ではアポダイゼーション及び偏光解消作用が十分に考慮されたデバイのベクトル回折理論を用いることができる。具体的には、ホログラム面と焦点面との間の反復アルゴリズムを実行して、高度な均一性を有する回折限界多焦点アレイを得ることができる。この方法は、一様な平面波面の入力電気フィールド、及び、ホログラム面における任意の初位相推定を用いて開始される。この波面についてデバイの積分変換が行われ、それにより、焦点面における出力電気フィールドが推定される。出力面における所定位置の対応するピーク強度と、均等に重み付けされた面内くし型である理想ピーク強度とが比較される。両者間のピーク強度誤差εが算出され、焦点面における合成電気フィールドの振幅が理想くし型関数でさらに置き換えられる。多焦点アレイの均一性を高めるために、重み係数が導入される。
ここで、kは反復数、mはアレイにおけるm番目の焦点、Iはピーク強度を示す。それぞれの焦点に効果的な重み付けを行った後、新たに適合された電気フィールドを逆変換することにより、入力面における対応フィールドを得ることができる。入力面における振幅は、もはや一様平面波面の場合に対応しないため、均一な振幅でさらに置き換えられる。入力面の位相は次の反復に維持される。こうして1回の反復が完了し、n番目の反復の強度誤差εが許容誤差範囲内、例えば、0.01に収束されるまでサイクルが繰り返される。入力面において連続的に適合された位相が最終的な多焦点アレイ位相パターンとなる。
こうしたアルゴリズムは、入射波面の形状には依存しないが、レーザー光の波長には依存するため、デュアルビーム用の2個のSLM706、708は、2個の異なる周波数の光源が記録に用いられる場合に使用することができる。
上記アルゴリズムではx直線偏光が適用されているが、算出された位相を、SLMによる位相変調後に変換可能な任意のタイプの偏光状態に適用することもできる。したがって、多焦点アレイにおける偏光状態は同一であり、対物レンズの背面開口の偏光状態に依存する。
本発明を具現化する高分解能のデュアルビームを用いた記録方法及び記録装置の有効性を実証するために概念実証実験を行った。図8及び図9は、そうした実験の例示的な結果を示す図である。パルスレーザー源を用いて、80メガヘルツの繰り返し速度、及び、波長800ナノメーターで140フェムト秒のパルス幅を有する第1(記録)ビームを生成した。また、CW源により、波長375ナノメーターで第2(抑制)ビームを生成した。
図8は、記録時に結果として生成される特徴サイズと第2(抑制)ビーム出力との関係を示すグラフである。抑制ビーム出力は横軸802に、対応する特徴サイズは縦軸804に示されている。データ点806で示されているように、抑制ビームが存在しない場合、約220ナノメーターの特徴サイズが得られた。点808で示されているように、0.3マイクロワットの抑制ビーム出力では、特徴サイズは200ナノメーターの直ぐ下まで縮小した。点810で示されているように、抑制ビーム出力がさらに0.6マイクロワットまで上昇させると、特徴サイズは120ナノメーター未満まで縮小した。このことは、デュアルビームを用いた記録方法により、記録ビームの回折限界未満の特徴サイズが生成できることを明白に表している。
図9は、0.3マイクロワット出力の抑制ビームを用いてシングルビーム記録902とデュアルビーム記録904とを比較するための、走査型電子顕微鏡(SEM)による画像を示す図である。第1画像902に示されているように、記録光学部品の回折限界により、シングル記録ビームにより生成された中心間距離が300ナノメーターのビットアレイでは、それぞれの点を明確に区別することができない。一方、0.3マイクロワット出力の抑制ビームも活性であった場合は、中心間距離が200ナノメーターのアレイ内のそれぞれの点を明確に区別することができ、このことは、本発明の実施形態が高いデータ記憶密度を実現可能であることを明白に表している。
本発明の実施形態は、超大容量かつ高密度なデータ記憶も可能であるため、大型データセンターへの用途があると考えられる。図10は、例えば、データセンターで使用することができる光学式記憶アレイシステムを示すブロック図1000である。システムは、本発明を具現化する複数のドライブ500を有する。
詳細には、システム1000は、ホストコンピュータ1002及び光学式記憶アレイ(OSA)1004を有する。OSA自体は複数のユニットから成り、それぞれのユニットが物理的媒体、すなわち、ディスク1006のスタックを有する。セレクタ1008は、スタック1006から特定の所望のディスクを検索し、それをドライブ500内に載置することができる機械的デバイスである。全てのマルチディスクドライブユニットは、電子/マイクロプロセッサコントローラ1010の制御下で動作する。図示された構成では、1個の特定のマルチドライブユニット1012を、主記憶媒体のいずれかに生じ得る何らかのエラーを検出及び補正するために用いることができるパリティ媒体を格納するために使用する。これにより、OSAに記憶されている情報の完全性が保証される。
OSA1004の性能を最大化するために、ドライブへ/からのディスクの選択及び転送にかかるアクセス時間は、最適化される。コントローラ1010は、制御アルゴリズムを実行し、それぞれのドライブユニットのアクセス時間を同期させることができる。所望のデータ記録読み出しスループットに応じてドライブユニットの数を増加することもできる。
OSA1004は、高記録スループット、高記憶容量、高読み出しスループット、及び、データのミラーリング又は複製にかかる性能を最適化するように設計され得る。
記録スループットは、記録ファイルサイズが増加するにつれて徐々に低下する。効率向上のために、大きなファイルサイズのデータを先ずストライピングすればよい。ストライピングされたデータは、N個の同様のドライブに記録され、それにより、スループットがN倍に高まる。図7に示されているようにパラレル情報を記録することができるドライブを用いると、OSA1004の全スループットはT0sa=Τ×p×Νであると考えられ、ここで、Tは1ビットの記録にかかる転送速度、pは記録されるべきパラレルビット数、NはOSAに接続されるドライブの数である。
OSA1004は、記憶容量を大幅に増加することができる。全記憶容量は、高密度記憶媒体ディスクの数によって決まる。OSA1004の全記憶容量は、Cosa=C×N×Nであり、ここで、Cは1つのディスクの記憶容量、Nはそれぞれのドライブのスタック1006内に格納されるディスク数、Nはドライブの数である。
読み出しの場合、セレクタ1008は先ず、アドレス指定された読み出すべきディスクを検索する。データ読み出しを高スループットとするために、検索時間は最小限にすればよい。ドライブ500によりデータが読み出されると、そのデータはコントローラ1010内のバッファに転送される。コントローラは、複数のディスクの様々な物理アドレスにストライピングされたデータをまとめて、元のファイルを修復する。データをホストコンピュータ1002に転送する前にバッファに回収することで、読み出しスループットが高められる。
データ複製の場合、ストライピングされた様々なデータをそれぞれのドライブ全てに送信する代わりに、データを選択されたドライブ群に送信し、さらに、別の物理アドレスの他のディスクに複製する。1ファイルの記録を複製しながら行うためには、ドライブユニットの全てを同時に使用できるわけではないため、容量及びデータスループットは低下する。ディスクミラーリングを行う場合のOSA1004の全記憶容量は、Cmirror=Cosa/Nmirrorであり、ここで、Cosaはミラーリングを行わない場合のOSA1004の記憶容量、Nmirrorは使用される複製ディスクの合計数である。ディスクミラーリングのスループットは、Tmirror=Tosa/Nmirrorであり、ここで、Tosaはミラーリングを行わない場合の全スループットである。
以上の記載において、本発明を具現化する様々な方法、装置、システム、及び、構成について説明してきた。理解されるように、これらは本発明、及び、その様々な実施形態の実際的な実施態様の十分な理解を容易にするために示されたものである。これらは、本発明の範囲を特定の態様に限定することを意図するものではなく、例示のために示されたものにすぎないことを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定められるべきである。

Claims (25)

  1. 第1特性を有する光放射の存在下で、記録媒体特性の変化を誘起させることができる光学活性物質を含む所定の記録媒体を使用して、光学的に読み取り可能なデータを記憶するための方法であって、ここで、前記記録媒体特性の変化は、第2特性を有する光放射により抑制することができ、当該方法は、
    前記記録媒体の領域に対して、照射領域の中央部分の範囲内で十分な強度を有し、光学的に誘起される前記記録媒体特性の変化を引き起こすのに十分な持続時間を有する、前記第1特性の第1光放射ビームを照射するステップと、
    前記記録媒体の前記領域に対して、前記照射領域の前記中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、前記照射領域の前記中央部分に隣接する少なくとも1部分において、光学的に誘起される前記記録媒体特性の変化を抑制するのに十分な最大の局所的強度を有する、前記第2特性の第2光放射ビームを同時に照射するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、前記第1特性及び前記第2特性は、異なる光周波数を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法において、前記第1光放射ビームは、ガウス型の強度分布を有することを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法において、前記第2光放射ビームは、環状の強度分布を有することを特徴とする方法。
  5. 請求項1記載の方法において、前記第2光放射ビームは、焦点領域の範囲内で3次元の中空の強度分布が得られるように形成されることを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法において、前記第1光放射ビーム及び前記第2光放射ビームは、複数の平行ビームから成ることを特徴とする方法。
  7. 請求項6記載の方法において、当該方法はさらに、前記第1光放射ビーム及び前記第2光放射ビームの瞳関数を適用して焦点面に多焦点アレイを形成するステップを含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項1記載の方法において、当該方法はさらに、前記第1光放射ビーム及び前記第2光放射ビームの選択された偏光状態を配置及び重畳して、焦点領域の範囲内にフィールドの所定の3次元偏光配向を形成することを特徴とする方法。
  9. 記憶されたデータに対応する記録媒体特性の変化が1又は複数の領域において誘起された、光学活性物質を含む記録媒体に記憶されたデータを光学的に読み出す方法であって、ここで、前記記録媒体特性の変化は、第1特性を有する光放射に対する前記記録媒体の反応を介して検出することができ、前記記録媒体の前記反応は、第2特性を有する光放射により抑制することができ、当該方法は、
    前記記録媒体の領域に対して、照射領域の中央部分の範囲内で十分な強度を有し、前記反応を引き起こすのに十分な持続時間を有するが、光学的に誘起される前記記録媒体特性の変化を引き起こすには不十分な強度及び持続時間を有する、前記第1特性の第1光放射ビームを照射するステップと、
    前記記録媒体の前記領域に対して、前記照射領域の前記中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、前記照射領域の前記中央部分に隣接する少なくとも1部分において、前記第1光放射ビームに対する前記記録媒体の前記反応を抑制するのに十分な最大の局所的強度を有する、前記第2特性の第2光放射ビームを同時に照射するステップと、
    前記記録媒体が、前記照射領域の前記中央部分の範囲内で、前記第1光放射ビームに対する前記反応を示すか否か検出するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項9記載の方法において、前記記録媒体特性の変化を示す前記物質の反応は、広帯域光放射/燐光であり、前記検出するステップは、前記記録媒体が前記第1光放射ビーム及び前記第2光放射ビームの照射に対する放射を放出するか否かを検出するステップを含むことを特徴とする方法。
  11. 光学式データ記録再生装置であって、
    第1特性を有する光放射の存在下で、記録媒体特性の変化を誘起させることができると共に、前記記録媒体特性の変化を示す物質反応を生じさせることができる光学活性物質を含む記録媒体を保持するように構成された取り付け台であり、ここで、前記記録媒体特性の変化、及び、前記記録媒体特性の変化を示す前記反応は、第2特性を有する光放射により抑制可能である、取り付け台と、
    前記第1特性を有する放射放出を制御するように構成された第1光源と、
    前記第1光源から放出される第1光放射ビームを制御可能に前記記録媒体の領域にフォーカスするように構成された第1結像系であり、ここで、前記第1光放射ビームは当該第1光放射ビームの中央部分の範囲内で最大強度を有する、第1結像系と、
    前記第2特性を有する放射を制御可能に放出するように構成された第2光源と、
    前記第2光源から放出される第2光放射ビームを制御可能に前記記録媒体の前記領域にフォーカスするように構成された第2結像系であり、ここで、前記第2光放射ビームは当該第2光放射ビームの中央部分の範囲内で最小の局所的強度を有し、当該第2光放射ビームの前記中央部分に隣接する少なくとも1部分において最大の局所的強度を有する、第2結像系と、
    前記取り付け台に保持される前記記録媒体の選択領域に対して、前記第1光源から放出される第1選択強度の光放射、及び、前記第2光源から放出される第2選択強度の光放射を同時に照射して、前記記録媒体に/からデータを選択的に記憶又は読み出すために、少なくとも前記第1光源、前記第1結像系、前記第2光源、及び、前記第2結像系を制御するように構成されたコントローラと、
    を有することを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  12. 請求項11記載の光学式データ記録再生装置において、前記第1結像系は、前記第1光放射ビームによる前記記録媒体の照射を選択的に調節するように制御可能な変調器を有することを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  13. 請求項11記載の光学式データ記録再生装置において、前記コントローラは、当該光学式データ記録再生装置の書き込み動作及び読み出し動作を選択するために、少なくとも前記第1光放射ビームの強度を調節するように構成されていることを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  14. 請求項11記載の光学式データ記録再生装置において、前記第1結像系及び前記第2結像系は、複数の平行光ビームを形成するように構成されていることを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  15. 請求項14記載の光学式データ記録再生装置において、前記第1結像系及び前記第2結像系はそれぞれ、前記複数の平行光ビームの選択的な形成を可能にするように位置付けられた空間変調器を有することを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  16. 請求項11記載の光学式データ記録再生装置において、前記記録媒体特性の変化を示す前記物質反応は、広帯域光放射/燐光であり、当該光学式データ記録再生装置はさらに、前記記録媒体に対する前記第1光放射ビーム及び前記第2光放射ビームの照射中及び/又は照射後に、放出された放射/燐光の有無を検出するように構成された光検出器を有することを特徴とする光学式データ記録再生装置。
  17. 光学式データ記憶システムであって、
    複数の請求項11記載の光学式データ記録再生装置と、
    前記複数の光学式データ記録再生装置それぞれに対応付けられており、対応する光学式データ記録再生装置の前記取付け台にそれぞれ選択的にロード可能な複数の記録媒体と、
    当該記憶システム内部のデータの記憶リクエスト及び検索リクエストを受信し、当該受信したリクエストの完了に必要となる当該記憶システム内の記録媒体を識別し、当該必要となる記録媒体を対応する光学式データ記録再生装置にロードさせ、当該対応する光学式データ記録再生装置に前記受信したリクエストの完了に必要となる記録動作及び/又は検索動作を完了させるように構成された記憶コントローラと、
    を有することを特徴とする光学式データ記憶システム。
  18. 複数の層を有する記録媒体であって、少なくとも1層は、外側保護層を含み、別の少なくとも1層は、第1特性を有する光放射の存在下で、当該記録媒体の特性の変化を誘起させることができると共に、前記特性の変化を示す物質反応を生じさせることができる光学活性物質を含み、前記特性の変化、及び、前記特性の変化を示す前記物質反応は、第2特性を有する光放射により抑制可能であることを特徴とする記録媒体。
  19. 請求項18記載の記録媒体において、当該記録媒体はディスクを含むことを特徴とする記録媒体。
  20. 請求項18記載の記録媒体において、前記光学活性物質は第1励起状態を有し、当該第1励起状態への遷移は、前記第1特性を有する光放射により誘起され、前記記録媒体の特性の変化は、前記第1励起状態における、前記第1特性を有する光放射の吸収の結果生じることを特徴とする記録媒体。
  21. 請求項20記載の記録媒体において、前記光学活性物質は、前記第2特性を有する光放射が存在することにより前記第1励起状態からの素早い遷移が誘起され、それにより、前記記録媒体の特性の変化を抑制することができるような性質を有することを特徴とする記録媒体。
  22. 請求項18記載の記録媒体において、前記特性の変化を示す前記物質反応は、第1励起状態から基底状態への失活の結果生じる広帯域光放射/燐光であることを特徴とする記録媒体。
  23. 請求項18記載の記録媒体において、前記光学活性物質を含む層の厚さは、情報記憶のための複数の中間層を許容するのに十分な厚さであることを特徴とする記録媒体。
  24. 請求項18記載の記録媒体において、径方向に配された検出可能なトラッキング要素を有するトラッキング層を有することを特徴とする記録媒体。
  25. 請求項24記載の記録媒体において、前記トラッキング要素は、磁性トラッキング要素、光学的トラッキング要素、金属性トラッキング要素、及び、物理的トラッキング要素のうち1又は複数を含むことを特徴とする記録媒体。
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