JP2017505214A - 人工膝関節 - Google Patents

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Abstract

【課題】大腿骨コンポーネント(11)および脛骨コンポーネントを備える、人工膝関節を提供する。【解決手段】大腿骨コンポーネント(11)は、内顆(13)と、外顆(14)と、前壁(50)とを備える。内顆(13)および外顆(14)は、大腿骨カム(17)で顆間溝(19)の後部に近接して結合され、その延長の残りの部分の顆間溝(19)で仕切られる。脛骨コンポーネントは、脛骨プレートおよび脛骨インサート(12)を備える。脛骨インサート(12)は、内顆(13)および外顆(14)を支持するように構成され、そして、脛骨ポスト(18)を備える。大腿骨カム(17)は、非対称であり、そして、脛骨ポスト(18)で関節接合する、ドラム形状の遠位面(20)を備える。【選択図】図1

Description

本発明は生体膝関節を置き換えるために使用可能な人工膝関節に関する。
外傷に起因するか、または感染症、外傷後関節症、慢性関節リウマチ、炎症性関節炎、半月板切除術、骨壊死または骨腫瘍によって、生体膝が例えば一次性または二次性関節症を発症する場合、または、生体膝が特に重篤な外傷または他の類似の関節症を発症する場合、生体膝と置き換えるために、人工膝関節または膝プロテーゼが用いられる。
公知の膝プロテーゼは、通常、大腿骨の遠位端に装着される大腿骨コンポーネントと、脛骨の近位端に装着される脛骨コンポーネントとを備える。
大腿骨コンポーネントは通常、その主要構成要素として、内顆(ないか)および外顆(がいか)、(内顆と外顆とは互いに部分的に顆間溝で仕切られる)と、前壁と、を有する。
脛骨コンポーネントは通常、脛骨プレートと、インサートと、を備える。脛骨プレートは、装着時は脛骨の近位端に取り付けられ、そして、インサートは、内側関節面および外側関節面を備え、装着時は大腿骨コンポーネントの内顆と外顆がそれぞれ内側関節面および外側関節面で関節接合する。
顆および関節面は、全体として、健康な生体膝と同様の動きを再現するように構成される。
より詳しくは、前、後、内側、または外側方向の異常な並進および、回転による、不適切な動きが発生する確率を可能な限り低下させるように、通常、大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントは構成される。
膝全体の人工インプラントを使用する外科手術では、一般的に前十字靱帯が取り出される。
例えば病理の進行により、機能が損傷していると考えられる場合、または、全く機能しない場合は、代わりに後十字靭帯が取り出される。
人工関節を全体的に安定させるためには、2つの側副靱帯(内側および外側靭帯)の存在が必要である。
前十字靭帯および後十字靭帯が取り出され、かつ同時に、側副靱帯の良好な機能が維持されるときに、本来の機械的安定性を復元できる補綴用構成物を使用することが必要である。
いくつかの公知のプロテーゼの解決策において、通常この構成物により、中心域にある脛骨インサートに設ける近位突起(脛骨インサート自体の内側と外側関節面の間に位置)を備えた、脛骨ポスト(または単にポスト)を設けることができる。
脛骨ポストは、プロテーゼが埋め込まれる大腿骨コンポーネントの顆間溝に挿入される。
いくつかの公知のプロテーゼの解決策において、ポストはまた、大腿骨カム(または単にカム)と干渉(接触)する。カムは、取り出された後十字靭帯の機能を回復するために、顆間溝の後部の付近、または前壁の反対側に位置する。
ポストおよびカムは、通常は、関節の窪んだ湾曲部で結合する。
脚が屈曲する際、生体膝内で、脛骨軸に対する外旋運動(外側に向かっての回転運動)が発生する。そして、この回転は人工関節を備える人工膝にも起こる。
この種の回転の大きさは、具体的には個々の患者の個別の条件によって異なる。従って、回転角が一定になるようにポストとカムを接触させることは勧められない。しかし、より広い範囲で外旋できるように、ポストおよびカムの位置関係を最適化することは有効である。
従って、この理由のために、十分に広い可動範囲を許容すると共に異なる角度での外旋の接触ができるように、回転時に相互に接触することとなるポストおよびカムの領域は、非対称な設計とされ、すなわちぴったりとは嵌まる(合致する)ようにはしない設計とされる。
先行技術文献の欧州特許第1591082号、米国特許出願公開第2012/0143342号、米国特許第2007135925号、米国特許第6013103号、欧州特許出願公開第0941719号、米国特許第5549686号、および、Catesらによる科学論文「In Vivo Comparison of Knee Kinematics for Subjects Having Either a Posterior Stabilized or Cruciate Retaining High−Flexion Total Knee Arthoplarty」には、屈曲間の外旋から生じる課題を少なくとも部分的に解決するために提唱された、関節膝プロテーゼの解決策が記載されている。
しかしながら、これらの先行技術文献で提案される解決策は完全に満足できるものではない。なぜなら、いくつかの実施形態において、カムは、外旋運動の際に、カムおよびポストが適切な同一形状の結合が許容されないような、対称形の外形プロファイルを有するためである。
いくつかの公知の実施形態の他のデメリットは、屈曲運動間の外旋が、大腿骨カムと脛骨ポストとの接触によって強引に行われるということである。そのため、動きが不自然になると同時にカムとポストの両方の摩耗を促進させる結果となる。
摩耗の促進は、膝プロテーゼの寿命低下につながりうる。
いくつかの公知の実施形態において、脛骨インサートは、カムと接触させるため、ポストに非対称な接触面がある。
このような非対称の接触面によって、単一の脛骨インサートを用いて、左右の大腿骨コンポーネントを交換することができない。
欧州特許第1591082号 米国特許出願公開第2012/0143342号 米国特許第2007/135925号 米国特許第6013103号 欧州特許出願公開第0941719号 米国特許第5549686号
Catesらによる科学論文「In Vivo Comparison of Knee Kinematics for Subjects Having Either a Posterior Stabilized or Cruciate Retaining High−Flexion Total Knee Arthoplarty」
従って、本発明の目的は、脚の自然な動きを容易にする人工膝関節を提供し、そして、健康的な膝の自然な運動機能を完全に再現することにある。
本発明の他の目的は、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネント間の相互に働く応力を低減する人工膝関節を得ることにある。
出願人は、関節の状態の欠点を克服して、これらの目的とその他の目的および利点を得るために、本発明を考案して、テストして、実施した。
独立クレームが、本発明を記載して特徴付け、従属クレームが、本発明の他の特徴、又は本発明の主要な着想に対する変形形態を表す。
上記の目的に従って、本発明による人工膝関節は、大腿骨の遠位端に装着可能な大腿骨コンポーネントを備える。大腿骨コンポーネントは、少なくとも内顆および外顆を備える。人工膝関節はまた、脛骨の近位端に装着可能な脛骨コンポーネントを備える。脛骨コンポーネントは、脛骨プレートおよび脛骨インサートを備える。
脛骨インサートは内顆および外顆を支持するように構成される。そして、内顆および外顆がそれぞれ内側関節面および外側関節面で、関節接合することができる。
脛骨インサートは、対称形のポスト(長手方向の2つの関節面の間に配置)を中央に備え、その結果、ポストは大腿骨の顆間溝(内顆および外顆が定める)の内部に配置される。大腿骨の顆間溝は、大腿骨コンポーネントの後部から前壁まで伸びる。
大腿骨コンポーネントはまた、カム(以下大腿骨カムと記載)を備える。そして、大腿骨カムは、関節が屈曲する際の或る時点に、ポストの後部面と接触する顆間溝の後側部分付近に配置される。
脛骨ポストおよび大腿骨カムは、大腿骨カムがポストと接触するときに、大腿骨コンポーネントの外旋を容易にするように成形される。
いくつかの実施形態において、大腿骨カムは、中央の大腿骨面に対して垂直な軸に沿って延びる。さらにまた、大腿骨カムは、円弧の、上記軸に対する回転によって定められる遠位面を備える。
他の好ましい形成において、ポストは、脛骨インサートの中央面に対して対称である。
この左右対称により、異なる右脚用大腿骨コンポーネントまたは左脚用大腿骨コンポーネントの脛骨コンポーネントを置き換えることができる。
大腿骨コンポーネント自体の形態、そして、具体的には大腿骨カムの形態が、特定の脚に対して最適化されるので、これが可能となる。
本発明の他の特徴によると、ポストの後部面はカムの接触面にぴったりとは合致しない。その結果、カムとポストは屈曲の際、外旋が可能となり、中央接触域を生じる。
上記の特徴により作製される人工膝関節は、非常に自然に、生体膝の生理的な動きを再現する。
さらに、この構成により、公知の人工膝関節において、大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントが通常受ける応力が低減される。
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、添付の図面を参照して非限定的な実施例として与えられる、いくつかの実施形態の以下の説明から明らかになる。
本発明による、過伸展となっている人工膝関節の、1つの実施形態の中央面の横断面図である。 本発明による大腿骨コンポーネントの斜視図である。 本発明による脛骨コンポーネントの斜視図である。 本発明による人工膝関節の大腿骨コンポーネントの前面と平行な、中央断面図である。 本発明の実地例の一形態による、大腿骨コンポーネントのカムの中心を通る、上方から見た他の断面図である。 図5の大腿骨コンポーネントの拡大詳細図である。 本発明による大腿骨コンポーネントの中央面の横断面図である。 図7の大腿骨コンポーネントの拡大詳細図である。 本発明の人工膝関節の1つの実施形態による、脛骨インサートのポストを通る断面を上方から見た図である。 本発明の実地例の一形態による、脛骨インサートの中央断面の他の側面図である。 90°屈曲した第1の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の中央断面の側面図である。 120°屈曲した第2の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の中央断面の側面図である。 外旋なく90°屈曲した第1の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の上方から見た他の断面図である。 3°外旋し、90°屈曲した第2の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の上方から見た他の断面図である。 6°外旋し、90°屈曲した第3の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の上方から見た他の断面図である。 6°外旋し、90°屈曲した第4の機能位置における、本発明の人工膝関節の、1つの実施形態の上方から見た他の断面図である。
理解しやすくするために、可能であれば、図面中の同一の共通の要素を識別するために、同じ参照番号が使用されている。実施形態の一形態の要素及び特性は、さらなる説明がなくても、実施形態の他の形態に好適に組み込むことができることを理解されたい。
我々はこれより、一つ以上の実施例が添付の図面に示される本発明のさまざまな実施形態について、詳細に言及する。
各実施例は、本発明の例証として提供されて、限定するものとして理解されない。例えば、1つの実施形態の一部であると示されるかまたは記載される特徴は、新たな実施形態を生じる他の実施形態に、または、関連して採用されることができる。本発明がすべてのこの種の変更態様および変形例を含むものと理解される。
人工膝関節または膝プロテーゼ(以降、人工関節10と示す)の実施形態を記載するために図1〜3を用いる。
人工関節10は、大腿骨(図面に示されない)の遠位端に装着するのに適した大腿骨コンポーネント11と、脛骨の近位端(図面に示されない)に、脛骨プレート(従来型であり、本発明の目的に関係がないため、図面に示さない)を用いて装着するのに適した脛骨インサート12と、を備える。
人工関節10の脛骨コンポーネントは、脛骨インサート12と脛骨プレートとで構成される。
大腿骨コンポーネント11は、顆間溝19(図5)で仕切られると共に前壁50でつながれる内顆13および外顆14を備える。
内顆13及び外顆14、および前壁50は、湾曲形状である。そして、装着時は大腿骨に嵌まっており、適宜切断して調整される内部凹面26が、大腿骨コンポーネント11の内部に形成される。
大腿骨コンポーネント11はまた、大腿骨カム(または、単にカム17と呼ぶこともある)を備える。
カム17は、軸Yに沿って延び(図3、4および5において容易に確認できる)、そして、大腿骨中心面から垂直に、そして、顆間溝19の後部に近接して(前壁50と反対の位置に)設けられる。
図5を用いて説明される実施形態によれば、内顆13および外顆14を骨に装着するために必要なアクリルセメントを搭載するために、内顆13および外顆14の内側部分に凹んだ面(また、表面凹み30と呼ばれる)を有することができる。
いくつかの実施形態において、脛骨インサート12は、装着時には内顆13および外顆14(図3および9)をそれぞれ支持する内側関節面15および外側関節面16を有する。
脛骨インサート12は、装着時は顆間溝19に位置することができ、具体的には、カム17と干渉(接触)させることが可能な脛骨ポスト18(以降、単にポスト18)を備える。
内側関節面15と、外側関節面16と、ポスト18の後部面29とが全体で、大腿骨コンポーネント11を備える脛骨関節面28を実現する。
脛骨インサート12はまた、実質的に公知な方法で、底面(ベース面)42(前述の脛骨プレートに適合する)を備える。
カム17の遠位面20は、脚を屈曲した際の既定の角度で、ポスト18と接触するよう構成される。
遠位面20はドラム形状(樽形)である。そして、その中央は、図5および6に示すように、半径R1の弧Aが定める凹面を有する(図2において容易に確認できる)。
具体的には、大腿骨中心面αに対して垂直なカム17の中心軸線Yの周りに、円の弧Aを回転させることによりドラム形状が定まる。
弧Aの中心は、内側面β上にあり、その面は大腿骨中心面αに平行であるが、大腿骨中心面αと一致しない面であり、大腿骨中心面αと弧Aとの交差点と、弧Aの中心点とを結ぶ線が、大腿骨中心面αに対してなす角度γで定まる距離だけ離れている。
考えられる実施では、角度γは、1°〜6°、好ましくは2°〜5°、より好ましくは、約3°であることができる。
具体的には、このように定められる角度γは、脚が屈曲する際の、外旋角度の平均値にも対応する。
外旋角度とは、脛骨中心面δ上にある縦軸Tに対して垂直な平面に投影された大腿骨カム17の中心軸線Yと、脛骨インサート12の内外軸Xとが成す角度を意味する。従って、内外軸Xは、脛骨インサート12の脛骨中心面δに対して垂直な軸である。
遠位面20の中心は外顆14より、内顆13に近い。そして、これにより、遠位面20の最大内側直径は、遠位面20の最大外側直径より小さくなる。
図7および8の実施例の形で、カム17の近位面23(特別機能を有さない)は、カム17の厚みを低減するために、よりアーチ状に湾曲した面を有することができる。
事実、カム17の近位面23は、大腿骨コンポーネント11および脛骨インサート12の屈曲がどんな角度であっても、ポスト18と接触せず、したがって、特に機能することがない。
具体的には、図7および8に示すように、破線Bは、軸Yを中心とする円弧Aの回転の続きであり、曲率が変化する位置24から離れていく。
近位面23は、L字状の接続面25によって切り取られ、そして、大腿骨コンポーネント11の内部凹面26の方に向けて配置される。
大腿骨コンポーネント11の後側部分のカム17の位置は、具体的には、ポスト18との耐性およびジャンプ・ディスタンス(jump distance)Jに対して有利である。
専門用語「ジャンプ・ディスタンス」とは、大腿骨コンポーネント11のカム17がポスト18の最も高い位置を通過できるように、大腿骨コンポーネント11のカム17が垂直に移動しなければならない最小の距離を意味する。
従って、ジャンプ・ディスタンスJは、顆間溝19に対するカム17の相対的な位置と関節面15および16からのポスト18の高さによって確定する。
図5および6による実施形態において、内顆13および外顆14にそれぞれ接続する、2つのスリット27が、カム17の後部内側部分と後部外側部分にある。
切れ込み27が無くカム17が続くと、脛骨関節面28と顆13と14との間の相互作用に影響しうる。
図9に示すように、ポスト18の断面は実質的に矩形の形状であり、ポスト18は脛骨中心面δに対して対称である。
ポスト18の後部面29は、装着の間、カム17と接触する表面に対応する。
後部面29は、脛骨インサート12の底面42と平行な平面にある、アキシャル(体軸断面)曲率半径R2を有する。
本発明のいくつかの実施例によれば、後部面29の半径R2(脛骨インサート12の底面42と平行な面にある)は、実質的に弧Aの半径R1の半分である(図4および図9参照)。
ポスト18の外側断面においては、図10に示すように、後部面29は、近位部分33と、中心部34と、遠位部分35とを備える。
中心部34は、カム17の遠位面20のサジタル(矢状断面)曲率半径R4より大きいサジタル半径R3で作られる(図8および図10参照)。
考えられる実施では、半径R3と半径R4間の比率は、例として、10%〜50%、好ましくは25%〜35%である。
いくつかの実施形態によると、ポスト18とカム17との接触は、脛骨に対する腿骨の屈曲角度が約120°までは、中心部34の内側である。
図10を用いて記載される実施形態において、遠位部分35は、垂直軸Tに対して角度γ’だけ傾けられる。
考えられる実施では、角度γ’は、約25°から55°まで、好ましくは約20°から40°まで、より好ましくは、約30°であることができる。
図8の実施例による実施形態において、近位部分33は、垂直軸Tに対して角度γ”だけ傾けられる。
考えられる実施では、角度γ”は、約3°から20°までの範囲、好ましくは約5°から15°まで、より好ましくは、約10°であることができる。
ポスト18とカム17との全接触軌跡に沿って、水平半径R2は、全屈曲運動に対して同様の接触構成となるようにする。
ポスト18とカム17との接点が変化するので、屈曲の異なる角度および脚の回転の異なる角度に対して、半径R1、R2、R3、R4は一定のままである。
このようにして、大腿骨カム17およびポスト18の接触面は、常に同様になる。
いくつかの実施形態によれば、ポスト18は正面側に面(前面36と呼ぶ)を備え、それは、顆間溝19の前端部37と実質的に合致する。
具体的には、前面36および前端部37は、人工関節10の考えられる過伸展の際に、すなわち、脛骨が屈曲と反対側の運動を行い、それらの面が接触する最大の過伸展角度に到達する(図1で示す)ときに、接触する。
脛骨インサート12の前面36は、過伸展する大腿骨コンポーネント11の前端部37と合致するよう構成される。このようにして、考えられる何らかの過伸展が生じた場合も、ポスト18の正面の損傷はいずれも防止される。
考えられる実施では、過伸展の最大角度は、約3°から9°まで、好ましくは約5°から8°まで、より好ましくは約7°である。
脛骨に対する大腿骨の特定の屈曲角度を過ぎたときだけ、通常、ポスト18およびカム17は接触する。
考えられる実施では、脛骨ポスト18と大腿骨カム17との間で最初に接触が生じる屈曲角度は、約60°から110°まで、好ましくは約80°から90°まで、より好ましくは約85°である。
脛骨ポスト18と大腿骨カム17との接触が始まる屈曲角度は、大腿骨コンポーネント11と脛骨インサート12間の最初の位置関係と、靭帯の状況と、大腿骨と脛骨の間で生じる動きと、に完全に依存する。
特に、屈曲運動に加えて同時に大腿骨および脛骨の回転もある場合、脛骨ポスト18と大腿骨カム17とが最初に接触する屈曲角度は、変化しうる。
図11および12は、大腿骨と脛骨との屈曲角度が90°および120°であるときの、ポスト18とカム17とが接触する状態をそれぞれ示す。
図11および12の両状態に対して、ポスト18とカム17との接触点は、ポスト18の後部面29のおおよそ中心部34にある。
図11および12にある様に、ポスト18とカム17間の接点において、下および前方向の加圧軸Zに沿って、直接力が加えられる。
いくつかの実施形態によれば、ポスト18およびカム17は、大腿骨および脛骨が屈曲する間、カム17の遠位面20とポスト18の後部面29の間の接触面が、考え得る最大になるように作製される。
図13〜16は、具体的には、90°の屈曲の4つの状況を示す。そして、大腿骨および脛骨の異なる外旋角度に対応する。図13、14、15、16は、それぞれ0°、3°、6°および10°の外旋角度に対応する。
図14に示すように、3°の外旋角度では、ポスト18の後部面29と、カム17の遠位面20間の接触形状は、前記表面両方の中心接触点に対し相補的である。
図13、14、15に示す構成において、接触面はポスト18の後部面29上に留まり、そして、ぴったりと合致しない形状は、過剰な負荷でポスト18の端に応力がかかるのを防ぐ。
このようにして、損傷を与えうる圧力が、ポスト18の端で発生することはない。
大腿骨コンポーネント11のカム17の後部位置により、大腿骨および脛骨のすべての屈曲に対して、低い(すなわち底面42方向に向かう)位置でカム17とポスト18とが接触する。
大腿骨カム17との接触に関して、ポスト18のその領域が、適切な機械耐性を生じるだけでなく、前記耐性は、脛骨インサート12の領域からの寄与もあるため、この構成は有利である(図11、12を参照)。事実、接点に対応して、その領域の面積は、脛骨ポスト18に対するだけでなく、脛骨インサート12の前部に対するものであり、より大きな耐久面を実現する。
他の有利な本発明の特徴は、接触時に大腿骨カム17が脛骨ポスト18に伝達する力の方向であり、それは、すべての屈曲角度に対して、下方および前方に向かう。接触の力が下および前方向なので、移植の際に機械的に装着される脛骨プレートから脛骨インサート12が分離する危険率を低下させる。これは、下方向の接触の力が、脛骨インサート12および脛骨プレートの結合の安定性を向上させる圧力を発生させるからである。
ここまで述べた人工膝関節に対して、本発明の分野及び範囲から逸脱することなく各部の修正及び/又は追加を行うことができることは明らかである。
いくつかの具体例を参照して本発明を説明したが、請求項に記載の特徴を有し、それ故、全てそこに定められる保護範囲内となる、人工膝関節の多くの他の同等の形状を当業者が達成することが確実に可能であることは明白でもある。

Claims (9)

  1. 人工膝関節であって、
    前記人工膝関節は、大腿骨の遠位端に取り付けることが可能な大腿骨コンポーネント(11)を備え、
    前記大腿骨コンポーネント(11)は、内顆(13)と、外顆(14)と、前壁(50)とを有し、
    前記内顆(13)および前記外顆(14)は、顆間溝(19)の後部に近接して大腿骨カム(17)により結合され、前記内顆(13)および前記外顆(14)から延長する残りの部分にある前記顆間溝(19)で仕切られ、
    前記人工膝関節はまた、脛骨の近位端へ装着するための脛骨コンポーネントを備え、
    前記脛骨コンポーネントは、脛骨プレートおよび脛骨インサート(12)を備え、
    前記脛骨インサート(12)は、前記内顆(13)を支持する内側関節面(15)と、 前記外顆(14)を支持する外側関節面(16)と、実質的に前記脛骨インサート(12)の長手方向の中心に配置される脛骨ポスト(18)とを備え、
    前記大腿骨カム(17)は非対称で、そして、前記脛骨ポスト(18)で関節接合するドラム形状の遠位面(20)を備えることを特徴とする、人工膝関節。
  2. 前記遠位面(20)の中心は、前記外顆(14)より前記内顆(13)に近く、
    前記遠位面(20)の最大内側直径が、前記遠位面(20)の最大外側直径より小さくなることを特徴とする、請求項1に記載の人工膝関節。
  3. 前記大腿骨カム(17)は、大腿骨中心面(α)に対して垂直な軸(Y)に沿って延びることを特徴とする、請求項1又は2に記載の人工膝関節。
  4. 前記軸(Y)に対する半径(R1)を有する円の弧(A)の回転が、前記遠位面(20)を定めることを特徴とする、請求項3に記載の人工膝関節。
  5. 前記脛骨ポスト(18)および前記大腿骨カム(17)によって少なくとも1つの接触点が確定し、前記接触点には、加圧軸(Z)に沿って、直接的な力が加えられ、
    前記力は、下および前方向であることを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれか一項記載の人工膝関節。
  6. 前記脛骨ポスト(18)が前記脛骨インサート(12)の中心面(δ)に対して対称形であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項記載の人工膝関節。
  7. 前記脛骨ポスト(18)は、前記脛骨インサート(12)の底面(42)と平行な面にある半径(R2)を有する後部面(29)を備え、
    前記半径(R2)は実質的に前記弧(A)の前記半径(R1)の半分であることを特徴とする、請求項4に記載の人工膝関節。
  8. 前記脛骨ポスト(18)のサジタル曲率半径(R3)と、前記大腿骨カム(17)のサジタル曲率半径(R4)間の比率が10%〜50%の値であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項記載の人工膝関節。
  9. 前記脛骨ポスト(18)の前面(36)が前記大腿骨コンポーネント(11)の前記顆間溝(19)の前端部(37)と実質的に合致することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項記載の人工膝関節。
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