JP2017507486A - 基板から剥離可能な薄膜積層体を製造するための方法 - Google Patents

基板から剥離可能な薄膜積層体を製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、薄膜太陽電池を最初の基板(1)上に製造するための方法であって、薄膜太陽電池が最初の基板(1)から剥離可能であり、薄膜太陽電池が裏面金属層(2)とp−n接合を備える薄膜積層体(7)とを備え、方法が:− スパッタリングにより裏面金属層(2)を最初の基板(1)上に積層させるステップ(101)と、− 薄膜積層体(7)を裏面金属層(2)上に形成するステップとを備え、裏面金属層を堆積させるために使用される電力、温度および圧力が、剪断応力を裏面金属層に制御された様式で導入するように選択されることを特徴とする、方法に関する。

Description

本発明は、基板から剥離可能な薄膜積層体を製造するための方法に関する。
「Peel and stick:fabricating thin film solar cell on universal substrates」、Chi Hwan、Dong Rip Kim、In Sun Cho、Nemeth William、Qi WangおよびXiaolin Zheng著、2012年12月20日発行、ネイチャー誌の文書には、基板から剥離可能な薄膜太陽電池(TFSC:thin−film solar cell)を製造するための方法が記載されている。そうするために、方法は、まずSiO製の基板上にニッケルの層を堆積させ、次いでニッケルの層上に薄膜太陽電池を堆積させることを提案する。そして、接着剤層が薄膜太陽電池上に塗布され、次いで、保護層が接着剤層上に堆積される。そして、これにより形成される集合体全体が、水に浸される。次いで、基板とニッケル層との間の界面において水の分子の浸透が可能となるように、接着剤の角が持ち上げられる。ニッケルの層と基板との間の界面に水が存在することによって、ニッケルの層、したがってそれを覆う薄膜太陽電池が基板から剥離され得るように、これら2つの層の間の結合を解くことが可能となる。そして、この積層体は、所望の基板上に再結合することができる。したがって、この文書に記載の方法により、もはやガラス基板上のみでなく、全ての種類の基板上に薄膜太陽電池を製造することが可能となる。
「Peel and stick:fabricating thin film solar cell on universal substrates」、Chi Hwan、Dong Rip Kim、In Sun Cho、Nemeth William、Qi WangおよびXiaolin Zheng著、2012年12月20日発行、ネイチャー誌
それにもかかわらず、この方法は、基板と薄膜太陽電池との間のニッケル製の挿入層の使用を必要とし、これにより方法が複雑になる。さらに、方法は、薄膜太陽電池を水に浸す必要があり、これにより薄膜太陽電池が劣化する可能性がある。これを改善するために、保護層が接着剤上に堆積され、水の侵入が回避される。それにもかかわらず、水の侵入を回避するためにこの保護層を適切に敷く必要があり、これにより方法がさらに複雑になる。
本発明は、全ての種類の基板に堆積できるように元の基板から剥離可能な薄膜太陽電池を製造するための方法であって、従来技術よりも単純な方法を提案することにより、従来技術の欠点を克服することを目的とする。
本発明の他の目的は、全ての種類の基板に堆積できるように元の基板から剥離可能な薄膜太陽電池を製造するための方法であって、太陽電池を劣化させる危険を冒さない方法を提案することである。
こうするために、本発明は、薄膜太陽電池と基板との間に挿入層をもはや堆積せず、基板から簡単に剥離され得る弱体化層(weakening layer)として薄膜太陽電池の金属層を直接用いることを提案する。そうするために、本発明は、薄膜太陽電池の他の層を堆積させるステップの間に基板に十分に接着するが、これらの堆積ステップが終了すると基板から簡単に剥離され得るように、この層を堆積させるパラメータを調整することで、意図的かつ制御された様式でこの金属層に応力を導入することを提案する。
より正確には、本発明の第1の態様は、薄膜太陽電池を最初の基板上に製造するための方法であって、薄膜太陽電池が最初の基板から剥離可能であり、薄膜太陽電池が:
− 裏面電気接点を形成するための裏面金属層と、
− p−n接合を備える薄膜積層体と
を備え、方法が:
− スパッタリングにより裏面金属層を最初の基板上に積層させるステップと、
− 薄膜積層体を裏面金属層上に形成するステップと
を備え、裏面金属層を堆積させるために使用される電力、温度および圧力が、剪断応力(shear stress)を裏面金属層に制御された様式で導入するように選択される、方法に関する。
したがって、本発明による方法は、薄膜太陽電池の層を堆積させるために使用されるステップの終了時に、最初の基板から簡単に剥離できるように、意図的かつ制御された様式で裏面金属層に応力を導入することを提案する。そして、これは、たとえば薄膜太陽電池の角を手動で剥離して、薄膜太陽電池を完全に剥離するのに十分である。したがって、薄膜太陽電池と最初の基板との間で水または中間層を剥離のために用いることがもはや必要ない:裏面金属接点を形成する働きをする裏面金属層は、堆積ステップの間に太陽電池と最初の基板との間の結合を確保し、これらのステップの終了時に裏面金属層内の剪断応力の存在のおかげで最初の基板から剥離され得る弱体化層としても機能する。本発明による方法の他の利点は、多種多様な最初の基板上で実施され得ることであり、SiO基板上でのみ実施され得る従来技術の方法とは対照的である。
また、本発明による方法は、独立して、または全ての技術的に可能な組み合わせに従って取得される以下の特徴のうちの1つまたは複数を有することもできる。
剪断応力は:
− 薄膜積層体を堆積させるステップの間に裏面金属層が最初の基板に接着し、
− これらのステップの終了時に裏面金属層が最初の基板から剥離され得る
ように、経験的に選択されることが好ましい。
したがって、裏面金属層に導入される応力は、とりわけ、薄膜積層体を形成するために使用される堆積方法に応じて選択される。これらの堆積方法がアグレッシブであるほど、裏面金属層に導入される応力が大きくなくてもよくなり、逆もまた同様である。
方法は、特に最初の基板がガラス製である場合に、非常に適合する。なお、方法は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの金属上で、またはポリアミドなどのポリマー上で実施することもできる。SiO、Alまたは金属などで作られた表面拡散障壁で覆われた最初の基板を用いることもできる。これらの障壁により、ガラスからのNaの滲み、または金属からの鉄の滲みを防ぐことができる。
好ましい実施形態によれば、裏面金属層はモリブデンMo製である。なお、裏面金属層は、以下の材料:W、Ni、Au、Tiのうちの1つで作ることもできる。
裏面金属層は、前記層に所望の剪断応力を生成するために、以下のパラメータを用いて堆積されることが好ましい:
− 裏面金属層を堆積させるために使用される電力が、好ましくは0.5W/cmと10W/cmとの間、より好ましくは3W/cmと8W/cmとの間に含まれ、
− 裏面金属層を堆積させるために使用される温度が、好ましくは25℃と200℃との間、より好ましくは50℃と80℃との間に含まれ、
− 裏面金属層を堆積させるために使用される圧力が、好ましくは1μBarから15μBarの間、より好ましくは1μBarから5μBarの間に含まれる。
裏面金属層は、450nmに実質的に等しい厚さを有することが好ましい。
有利には、方法は、裏面金属層が最初の基板から剥離されるステップをさらに備える。そうするために、裏面金属層の角が手動で持ち上げられ、次いで裏面金属層が最初の基板から徐々に剥離されることが好ましい。
有利には、方法は、薄膜太陽電池が他の基板上に再結合されるステップをさらに備える。この、他の基板は、たとえば、プラスチック、金属もしくは繊維の膜、または代わりに硬質プラスチックまたは金属の基板とすることができる。したがって、方法により、単純に、薄膜太陽電池の特性を劣化させることなく、全ての種類の基板に結合され得る薄膜太陽電池を製造することが可能となる。
薄膜積層体を堆積させるステップが:
− 第1のpドープ半導体を堆積させるサブステップと、
− 界面層を堆積させるサブステップと、
− 第2のnドープ半導体を堆積させるサブステップと
を備えることが好ましい。
第1のpドープ半導体がCIGS合金であることが好ましい。
薄膜積層体が:
− 透明な表面接触面を形成するためのZnOの層と、
− キャリアの収集を改善するための収集グリッドと
をさらに備えることが好ましい。
第1の半導体を堆積させるステップが:
− 電着により銅、インジウム、ガリウムを堆積させるサブステップと、
− 580℃でアニーリングするサブステップと、
− 600℃でアニーリングするサブステップと、
− 集合体全体を槽(bath)に入れるサブステップと
を備えることが好ましい。
したがって、そのような堆積ステップは、裏面金属層と最初の基板との間の界面に対して非常にアグレッシブであるので、裏面金属層に導入される応力は大きすぎてはならない。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことから明らかとなろう。
本発明の一実施形態による方法のステップの略図である。 本発明の一実施形態による方法により得られる太陽電池の観点での略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。 モリブデンの層に対して実施される接着性試験の異なるステップおよび結果を説明する略図である。
より明確にするために、同一または類似の要素は、図面全体を通して、同一の参照符号により識別される。
図1は、本発明の一実施形態による、基板1上に太陽電池を製造するための方法のステップを表す。
この方法は、基板1上に「裏面金属層」2として知られている金属層を堆積させる第1のステップ101を備える。裏面金属層は、モリブデン製であることが好ましい。この裏面金属層2は、スパッタリングにより堆積される。この裏面金属層を堆積させるパラメータは、以降、詳細に説明される。
方法は、次いで、p−n接合を含む薄膜積層体7を形成するステップを備える。
この実施形態では、薄膜積層体7を形成するこのステップは、第1のpドープ半導体3を裏面金属層上に堆積させるステップ102を備える。この第1のpドープ半導体は、CIGS合金であることが好ましい。そうするために、第1の半導体を堆積させるステップ102は、最初に銅の層、次いでインジウムの層、最後にガリウムの層を堆積させるステップを備えることが好ましい。これらの材料は、電着により堆積されることが好ましい。電着は酸性水性媒体(acid aqueous medium)の中で行われ、したがって裏面金属層と最初の基板との間の結合はこの酸性水性媒体に耐えなければならない。そして、ステップ102は、セレン化反応を引き起こすためにセレン雰囲気の下で580℃でアニーリングするステップと、次いで、硫化反応を引き起こすために硫黄雰囲気の下で600℃でアニーリングするステップとを備える。そして、ステップ102は、セレン化反応および硫化反応の間に生成される全ての副産物を除去するために、KCNを含む槽の通過のステップを備える。したがって、第1の半導体3を形成するステップは非常にアグレッシブであり、裏面金属層はこれら全てのステップの間に基板に固定されたままでなければならない。
この実施形態では、薄膜積層体を形成するステップは、次いで、たとえば60℃の槽内で第1の半導体3上に硫化カドミウムCdS4の層を堆積させるステップ103を備える。
この実施形態では、薄膜積層体を形成するステップは、次いで、p/n接合から電子を収集できるようにする透明導電性酸化物5を堆積させるステップ104を備える。この透明導電性酸化物5は、酸化亜鉛ZnOであることが好ましい。
方法は、表面電気接点を形成するステップ105、ならびに将来の個々の太陽電池を離散化するステップ、および集電体(electrical collector)を形成するステップをさらに備えることができる。
この実施形態による方法は、スパッタリングにより裏面金属層を堆積させるステップの間に、堆積に使用される圧力、温度および電力が、裏面金属層2内に剪断応力を生成するように選択されるという点で特に注目すべきである。これらの剪断応力により、裏面金属層を基板から簡単に剥離できるようになる。裏面金属層がモリブデン製である場合、裏面金属層を剥離するのに十分な剪断応力を生成するために:
− 裏面金属層を堆積させるために使用される電力は、好ましくは0.5W/cmと10W/cmとの間、より好ましくは3W/cmと8W/cmの間に含まれ、
− 裏面金属層を堆積させるために使用される温度は、好ましくは25℃と200℃との間、より好ましくは50℃と80℃との間に含まれ、
− 裏面金属層を堆積させるために使用される圧力は、好ましくは1μBarから15μBarの間、より好ましくは1μBarと5μBarとの間に含まれる。
図3aおよび図3bは、本発明による方法により得られるサンプル12に対して実施される剥離試験を表す。各サンプル12は:
− 最初の基板と、
− 500nmのモリブデン製の裏面金属層と
を備える。
裏面金属層を堆積させるために使用される圧力は、この層を堆積させるために使用される圧力に応じた裏面金属層の接着性を測定するために修正されている。接着性試験が、各サンプル12の異なる位置にスコッチテープ11を貼り付け、矢印13の方向に急に剥がすことによって実施された。結果が図3cから図3fに表されている。
図3cは、裏面金属層が1μBarの圧力下で堆積されたサンプルへのテストの結果を表す。
図3dは、裏面金属層が3μBarの圧力下で堆積されたサンプルへのテストの結果を表す。
図3eは、裏面金属層が5μBarの圧力下で堆積されたサンプルへのテストの結果を表す。
図3fは、裏面金属層が7μBarの圧力下で堆積されたサンプルへのテストの結果を表す。これらの図から分かるように、堆積圧力が高いほど、裏面金属層がより簡単に剥離し、その理由は、裏面金属層内の剪断応力が、この層を堆積させるために使用される圧力と共に増加するためである。それにもかかわらず、裏面金属層を堆積させるために使用される圧力が高すぎてはならず、その理由は、裏面金属層の電気抵抗が、この層を堆積させるために使用される圧力と共に増加するためである。したがって、簡単に剥離するが電気抵抗が高すぎない裏面金属層を有するように、妥協点が見出されなければならない。以下の表は、図3cから図3fの裏面金属層の電気抵抗Rhoの値を与える。
Figure 2017507486
したがって、1μBarから15μBarの間、好ましくは1μBarと5μBarとの間の裏面金属層を堆積させるために使用される圧力は、簡単に剥離する裏面金属層と、高すぎないこの層の電気抵抗との間の良好な妥協を可能とする。
したがって、本発明による方法は、最初の基板から剥離され得る薄膜太陽電池を製造することを可能とする。したがって、この太陽電池は次いで最初の基板から剥離され、そして選択された基板に再結合され得る。
方法は、次いで、薄型電池の角を持ち上げそれを引っ張ることで、薄膜太陽電池が最初の基板1から剥離されるステップ106を備えることができる。そして、裏面金属層は、最初の基板1から剥離する。方法は、次いで、薄膜太陽電池が新たな基板8上に再結合され得るステップ107を備えることができる。この新たな基板8は、たとえば、プラスチック、金属または繊維の膜とすることができる。
当然ながら、本発明は、図面を参照して説明された実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することがなく変形例が想定され得る。とりわけ、薄膜積層体は、薄膜積層体を堆積させるステップが図面を参照して説明されたステップと異なり得るような、図面を参照して説明された構成と異なる構成を有することができる。

Claims (10)

  1. 薄膜太陽電池を最初の基板(1)上に製造するための方法であって、薄膜太陽電池が最初の基板(1)から剥離可能であり、薄膜太陽電池が、
    裏面電気接点を形成するための裏面金属層(2)と、
    p−n接合を備える薄膜積層体(7)と
    を備え、方法が、
    スパッタリングにより裏面金属層(2)を最初の基板(1)上に積層させるステップ(101)と、
    薄膜積層体(7)を裏面金属層(2)上に形成するステップと
    を備え、裏面金属層を堆積させるために使用される電力、温度および圧力が、剪断応力を裏面金属層に制御された様式で導入するように選択されることを特徴とする、方法。
  2. 裏面金属層(2)がモリブデン製である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 裏面金属層(2)を堆積させるために使用される電力が、0.5W/cmと10W/cmとの間に含まれる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 裏面金属層(2)を堆積させるために使用される温度が、25℃と200℃との間に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 裏面金属層(2)を堆積させるために使用される圧力が、1μBarから15μBarの間に含まれる、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 最初の基板(1)がガラス製である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 裏面金属層(2)が最初の基板(1)から剥離されるステップ(107)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 薄膜積層体を堆積させるステップが、
    第1のpドープ半導体(3)を堆積させるサブステップ(102)と、
    界面層(4)を堆積させるサブステップ(103)と、
    第2のnドープ半導体(5)を堆積させるサブステップ(104)と
    を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 第1のpドープ半導体(3)がCIGS合金である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 第1の半導体を堆積させるステップ(102)が、
    電着により銅、インジウム、ガリウムを堆積させるステップと、
    580℃でアニーリングする第1のステップと、
    600℃でアニーリングする第2のステップと、
    集合体全体を槽に入れるステップと
    を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の製造方法。
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