JP2017507669A - 細胞培養用材料、製造方法及びその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、正電荷を含む且つ真核細胞の増殖を増加させるのに使用される、負電荷を含む生理活性分子によって官能化されている表面を有するポリマーからなる支持体を含む、二重多孔性三次元材料に関する。本発明はまた、その製造方法、並びに真核細胞の固着及び増殖刺激のためのその使用に関する。
Description
本発明は、表面が生理活性分子で官能化されているポリマーから構成される支持体を含む二重多孔性材料、並びにまた、それを調製するための方法、並びに真核細胞の付着及び増殖のためのその使用に関する。
過去20年間にわたり、真核細胞の培養を可能にする、多様な型の支持体が、基本的に細胞行動の研究及び組織工学のための装置を作製する目的で徐々に開発されてきた。
例えば、ヒドロゲル型の支持体が知られている。しかし、in vivoでの細胞の生育に適合する分子から誘導されるヒドロゲルは、有用性が低い。更に、大抵のヒドロゲルは、体液によって分解されるか、又は組織再生に必要とされる期間の間に良好な機械的性質を維持することができないかのいずれかである。
セラミック多孔型の支持体も知られている。しかし、多孔性セラミックスは、極めて硬質であり且つ成形するのが困難である。
真核細胞の培養を意図した支持体を製造するための、コラーゲン、フィブリン、アルギネート又はキトサン等のバイオポリマーの使用も記載されている。これらのバイオポリマーは、良好な生物学的特性を有し且つ生体適合性及び生体分解性であるという利点を有する。しかし、これらの物理的な表面特性は有利であるのに対して、これらの全体的な機械的性質は、化学架橋の後であっても、一般的には弱く、それによってこれらの適用分野が制限されている。
好適な支持体の設計は、多くの必要条件を満たさなければならないが、これは、想定される適用によって調整されうる。支持体は、何よりもまず、細胞がその表面に接着できるようにしなければならない。それは、細胞の増殖及び生存も可能にしなければならず、これは、細胞が、一方では、栄養素及び多様な増殖因子を獲得でき、且つ他方では、老廃物を排出できることを意味する。更に、考慮される細胞型により、支持体は、細胞が形状変化、移動、又は更に分化できるようにもしなければならない。支持体は、適切な化学的特性及び物理的特性を結果的に有していなければならない。化学的特性の観点から、支持体は、何よりもまず生体適合性且つ非免疫原性でなければならない。想定される適用により、支持体は、有利には生体分解性でありうる。その生体内分解の速度は目的とされる適用に好適でなければならず、この方法から結果として得られる製品は無毒性でなければならない。更に、支持体の表面の化学組成物は、細胞接着を可能にしなければならない。支持体の物理的特性は、支持体全体、例えば、人工骨の硬性又はキャピラリー若しくは縫合糸の柔軟性に関しうる。それらは、更に且つ特定的に支持体の表面にも関する。実際に、支持体の粗度及び更に多孔度は、細胞の接着及び増殖において決定的な役割を果たしうる。支持体の表面の機械的性質は、その役割として、細胞の形態変化及び移動の能力に関与する。これらの化学的特性及び物理的特性に加えられるのは、支持体の調製の容易性、前記支持体の成形の可能性、それを滅菌する可能性、それが容易に使用されうるか又はそのコスト等の他の基準である。有利なことには、支持体は、バイオ系材料で調製されてもよく、大きな規模で製造されてもよい。
これに関して、発明者らは、組織の形態への細胞の組織化並びに血管新生及び任意選択でインプラントの吸収を可能にするのに不可欠な特徴である、二重多孔性を有するポリマー支持体を開発した。この支持体の内部及び外部の表面は、生体分子の構造及び機能を保存する簡単且つ低刺激な技術により、生体分子で全体的に官能化される。
本発明の1つの目的は、ポリマーの表面が正電荷を含み且つ真核細胞増殖を増加させるのに好適な、負電荷を含む生理活性分子で官能化されている、ポリマーから構成される支持体を含む、二重多孔性を有する三次元材料である。
本発明の1つの目的はまた、三次元材料を製造するための方法であって、以下の逐次工程:
1- 転相によってポリマーを形成して、二重多孔性を有する二次元又は三次元支持体を得る工程と、
2- 支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与する工程と、
3- このように処理した支持体を生理活性分子で官能化する工程と
を含む、方法である。
1- 転相によってポリマーを形成して、二重多孔性を有する二次元又は三次元支持体を得る工程と、
2- 支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与する工程と、
3- このように処理した支持体を生理活性分子で官能化する工程と
を含む、方法である。
本発明の別の目的は、真核細胞の付着及び増殖刺激のための、本発明による材料の使用である。
二重多孔性を有する三次元材料
本発明の目的材料は、ポリマー支持体を含む。前記支持体の表面を処理して、前記支持体上に正電荷を導入する。負電荷を含む生理活性分子は、正電荷との静電的相互作用によって前記支持体の表面上に固定化される。これらの生理活性分子は、真核細胞増殖を増加させるのに特に好適である。前記分子は、真核細胞と相互作用することが可能であり、且つ、例えば、組織の細胞外マトリックスの分子である。生理活性分子は、特に、支持体の内部表面上、即ち、マクロ細孔及びミクロ細孔内、並びに外部表面上に存在する。
本発明の目的材料は、ポリマー支持体を含む。前記支持体の表面を処理して、前記支持体上に正電荷を導入する。負電荷を含む生理活性分子は、正電荷との静電的相互作用によって前記支持体の表面上に固定化される。これらの生理活性分子は、真核細胞増殖を増加させるのに特に好適である。前記分子は、真核細胞と相互作用することが可能であり、且つ、例えば、組織の細胞外マトリックスの分子である。生理活性分子は、特に、支持体の内部表面上、即ち、マクロ細孔及びミクロ細孔内、並びに外部表面上に存在する。
本発明の目的材料は、陽イオン性の架橋剤によって架橋された生理活性分子ゲルによって互いに連結されたポリマー片を含む材料とは異なる。実際に、本発明による材料の支持体は、単一片の形態である。更に、本発明による材料中で、生理活性分子は、静電的相互作用によって支持体上に固定化されており、且つ互いに架橋されておらず、すなわち、それらは、化学結合による束縛なく、自由に展開することができる。したがって、本発明の材料中で、生理活性分子は、繊維の形態で支持体の表面に組織化する。前記繊維は、それらが保有する負電荷の量及び生理活性分子の鎖間の静電反発力に依存して多少高密度且つ多少絡み合っている。
特定の一実施形態によれば、本発明による材料のポリマー支持体は、生体吸収性ポリマー支持体である。
別の特定の実施形態によれば、本発明による材料のポリマー支持体は、非生体吸収性ポリマー支持体である。
支持体のポリマーは、詳細には、ポリエステル又はその混合物でありうる。
支持体を形成するために使用されうる非生体吸収性ポリエステルの例は、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びこれらの混合物である。
支持体を形成するために使用されうる生体吸収性ポリエステルの例は、ヒドロキシ酸のホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸及びグリコール酸コポリマー(PLGA)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクトデカノエート);ポリカプロラクトン;ポリ(ブチレンスクシネート)及びポリ(ブチレンアジペート)のホモポリマー及びコポリマー;並びにこれらの混合物である。
特定の一実施形態によれば、ポリマーは生体吸収性ポリエステルであり、より詳細には、ポリマーはポリ乳酸(PLA)である。この合成ポリマーは、その生体適合性及びその生体分解性で知られている。特に好ましい一実施形態によれば、ポリエステルは、少なくとも95%のLエナンチオマー及び多くとも5%のDエナンチオマーを含むPLAである。実際に、ポリ(L-乳酸)は、ヒトの身体によって天然に代謝される種である、L-乳酸までin vivoで分解される。この観点から大抵の保健機関、特に、米国の「食品医薬品局」によって認定及び承認され、PLAは、現在、多様なインプラント及び縫合糸の製造のために使用される。更に、それは、多様な型の成形が行われうる。
本発明の材料の支持体のポリマーは、特に100,000から800,000g.mol-1まで、特に140,000から750,000g.mol-1までの質量平均モル質量(Mw)を有しうる。
本発明の材料の支持体のポリマーは、特に50,000から400,000g.mol-1まで、特に55,000から300,000g.mol-1までの数平均モル質量(Mn)を有しうる。
支持体上に固定化される生理活性分子は、詳細には、多糖類、例えば、ヒアルロナン、コンドロイチン硫酸、キトサン及びヘパリン;タンパク質、例えば、フィブリノーゲン及びコラーゲン、特に、可溶性コラーゲン;ペプチド、例えば、その細胞接着能力で知られているもの、例えば、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)又はアルギニン-グリシン-アスパラギン酸-セリン(RGDS)配列を含むもの;並びにこれらの混合物から選択されうる。ゼラチンは、真核細胞と相互作用しないので、本発明の目的のための生理活性分子ではない。
好ましい一実施形態によれば、生理活性分子は、ヒアルロナン又はヒアルロン酸(HA)分子である。実際に、HAは、ヒト組織の細胞外マトリックスの主要な構成要素である。それは、β(1,4)グリコシド結合によって互いに連結された反復D-グルクロン酸-β(1,3)-N-アセチル-D-グルコサミン二糖単位から構成される、高モル質量(1×106から10×106g.mol-1)のグリコサミノグリカンである。その固有の生物物理化学的特性(粘弾性、高い水分保持能力、多様なタンパク質と特異的又は非特異的に相互作用する能力)により、HAは、細胞外マトリックス機構及び恒常性において基本的な役割を果たす。更に、HAの物理化学的特性及び生物学的機能は、その鎖のサイズに強く依存することが立証されている。例えば、高モル質量のHAは抗血管新生性であり且つ炎症を抑制するのに対して、HAオリゴ糖は血管新生を刺激し且つ先天性免疫応答を活性化する。したがって、支持体の特性を、その官能化に使用されるHA鎖のサイズを調整することによって調節することが可能である。
本発明の目的材料は、二重多孔性を有する、すなわち、それは、2つの異なるサイズの細孔の網目を有する。材料は、詳細には、相互連結されたミクロ細孔及びマクロ細孔を含みうる。ミクロ細孔は、詳細には、20μm未満、特に0.1から10μmまで、より特定すると1から5μmまでの直径を有しうる。ミクロ細孔は、支持体上で増殖する細胞に栄養及び気体を高速に輸送すること、及び老廃物を排出することを可能にする。マクロ細孔は、詳細には、20から199μmまで、特に40から190μmまで、より特定すると50から180μmまでの直径を有しうる。マクロ細孔は、細胞を受け入れてそれらが支持体の大きな内部表面積上で増殖することを可能にすると同時に、生存状態でのそれらの回収を可能にする。
本発明の目的では、「細孔径」という用語は、本明細書に記載の方法によって測定されるような細孔の平均直径を意味することが意図される。
特定の一実施形態によれば、材料は、支持体の一面上で開いている通常のマクロ細孔と、それらのマクロ細孔の間に位置する相互連結されたミクロ細孔とを有する。
本発明の目的材料の支持体は、詳細には、60%から85%まで、特に65%から80%まで、より特定すると70%から75%までの空隙率を有しうる。
本発明の目的では、「空隙率」という用語は、本明細書に記載の方法によって測定されるように、材料の体積に対する細孔の体積の百分率を意味することが意図される。
特定の一実施形態によれば、ポリマー支持体は、ナノ繊維構造を有していない。
本発明の目的材料の支持体は、詳細には、中実、中空又は微小球の形状を有しうる。特定の一実施形態によれば、支持体は、中実形状を有する。
本発明の目的では、「支持体は、中実形状を有する」又は「中実支持体」という表現は、支持体が、中実体の形状、すなわち、特に多面体又は球体のように、平面又は曲面によって境界が定められている三次元の幾何学的な形を有することを意味することが意図される。好ましくは、中実支持体は、特に円板のように、扁平な支持体である。
本発明の目的では、「支持体は、中空形状を有する」又は「中空支持体」という表現は、支持体が、特に管状支持体又はチューブのように、少なくとも2つの端部で開いている中空体の形状を有することを意味することが意図される。「管状」という用語は、内部チャネルが円形の横断面を有することを必ずしも意味するというわけではない。実際に、チューブの横断面には、正方形、長方形、卵形等のような、全ての形状が想定されうる。更に、チューブの横断面の形状及び/又は表面積は、チューブの全長にわたって必ずしも均一であるというわけではない。更に、チューブは、1つ又は複数の屈曲を含んでいてもよい。
本発明の目的では、「支持体は、微小球形状を有する」又は「微小球支持体」という表現は、支持体が、1mm未満の平均直径を有する球体の形状を有することを意味することが意図される。
支持体が中実又は中空の形状を有する場合、材料は、詳細には、多孔性の非対称の、すなわち、膜の各面の多孔度が異なる膜であってもよい。したがって、膜の面のうちの1つは、水、溶解塩、分子的有機溶質及び高分子に対して浸透性であると同時に、全ての細胞及びウイルス種を止めることができるミクロ細孔を有していてもよい。
特定の一実施形態によれば、本発明の材料の支持体が中実又は中空の形状を有する場合、ミクロ細孔は、15μm未満、特に0.1から10μmまで、より特定すると1から5μmまでの直径を有し、且つマクロ細孔は、90から199μmまで、特に100から180μmまで、より特定すると110から170μmまでの直径を有する。
支持体が微小球形状を有する場合、材料は、詳細には、50から300μmまで、好ましくは100から200μmまでの平均直径を有するマイクロビーズであってもよい。
特定の一実施形態によれば、本発明の材料の支持体が微小球形状を有する場合、ミクロ細孔は、6μm未満、特に0.1から2μmまで、より特定すると0.5から1μmまでの直径を有し、且つマクロ細孔は、20から50μmまで、特に25から45μmまで、より特定すると30から35μmまでの直径を有する。
材料を製造するための方法
本発明の目的材料は、詳細には、以下の逐次工程:
1- 転相によってポリマーを形成して、二重多孔性を有する二次元又は三次元支持体を得る工程と、
2- 支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与する工程と、
3- このように処理した支持体を生理活性分子で官能化する工程と
を含む方法によって得ることができる。
本発明の目的材料は、詳細には、以下の逐次工程:
1- 転相によってポリマーを形成して、二重多孔性を有する二次元又は三次元支持体を得る工程と、
2- 支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与する工程と、
3- このように処理した支持体を生理活性分子で官能化する工程と
を含む方法によって得ることができる。
本発明の主題である方法の一部であるポリマー及び生理活性分子は、詳細には、上記に定義される通りでありうる。
1)転相によってポリマーを形成する工程
転相によってポリマーを形成する工程は、特に、以下の工程:
- 前記ポリマーと、ポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤及び/又は少なくとも1種の有機化合物若しくは無機化合物とを含むポリマーの溶液を調製する工程と、
- 任意選択で、少なくとも1種の他の水混和性溶媒及び/又は少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中にポリマーの前記溶液を導入する工程と
を含みうる。
転相によってポリマーを形成する工程は、特に、以下の工程:
- 前記ポリマーと、ポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤及び/又は少なくとも1種の有機化合物若しくは無機化合物とを含むポリマーの溶液を調製する工程と、
- 任意選択で、少なくとも1種の他の水混和性溶媒及び/又は少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中にポリマーの前記溶液を導入する工程と
を含みうる。
転相によってポリマーを形成する工程は、詳細には、上記に定義されるような相互連結されたミクロ細孔及びマクロ細孔を有するポリマー支持体を得ることを可能にしうる。
形成工程は、支持体が、中実、中空又は微小球の形状を有するかどうかに依存して異なって行われる。
a)中実又は中空の支持体を形成する工程
中実又は中空の支持体を得ることができる特定の一実施形態によれば、ポリマーの前記溶液は、ポリマーと、水混和性であるポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物とを含む。ポリマーの前記溶液は中実又は中空の基質上に付着され、少なくとも1種の他の水混和性溶媒を任意選択で含む水溶液中に前記基質を浸漬することによって転相が行われる。
中実又は中空の支持体を得ることができる特定の一実施形態によれば、ポリマーの前記溶液は、ポリマーと、水混和性であるポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物とを含む。ポリマーの前記溶液は中実又は中空の基質上に付着され、少なくとも1種の他の水混和性溶媒を任意選択で含む水溶液中に前記基質を浸漬することによって転相が行われる。
ポリマー用の水混和性溶媒は、詳細には、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの混合物でありうる。
有利には、ポリマーの前記溶液は、基質上でのその付着を促進して、制御された厚さを有する層を形成するように粘性である。したがって、ポリマーの溶液中のポリマーの濃度は、詳細には、ポリマーの溶液の質量に対して4質量%から25質量%まで、好ましくは、6質量%から12質量%まででありうる。
少なくとも1種の細孔形成剤をポリマーの溶液に添加する工程は、有利なことに、制御された様式で細孔径を改変することを可能にする。本発明によって使用されうる細孔形成剤の例は、ポリ(エチレングリコール)及びポリビニルピロリドンである。特定の一実施形態によれば、細孔形成剤は、600から500,000g.mol-1まで、特に5,000から50,000g.mol-1まで、より特定すると10,000から20,000g.mol-1までの質量平均モル質量(Mw)を有する。特定の一実施形態によれば、細孔形成剤は、5,000から10,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有するポリ(エチレングリコール)である。別の特定の実施形態によれば、細孔形成剤は、20,000から50,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有するポリビニルピロリドンである。
ポリマーの前記溶液中の細孔形成剤の濃度は、詳細には、ポリマーの質量に対して10質量%から100質量%まで、特に20質量%から80質量%まででありうる。
その上にポリマーの前記溶液が付着される中実又は中空の基質は、詳細には、溶媒に耐性のガラス、金属又はプラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))、ナイロン6,6又はポリ(エチレンテレフタレート)でできていてもよい。
ポリマー用の溶媒が水混和性なので、ポリマーフィルムは、ポリマーで覆われた前記基質が水溶液中に浸漬されるときに、凝固によって徐々に形成される。中実又は中空の支持体は、このようにして、その上にそれが付着される基質の形状をとる。凝固速度は、水と接触する表面においてと、基質と接触する表面においてとで異なるので、異なるサイズの細孔の形成が観察される。したがって、基質と接触する表面の細孔は、水と接触する表面の細孔よりも大きな直径を有する。
ポリマーフィルムで覆われた基質は、有利なことに、いくつかの逐次水溶液中に浸漬することができる。
中実又は中空の支持体が得られた後、前記支持体を洗浄して、ポリマー用の溶媒の残りを全て除去する。
b)微小球支持体を形成する工程
微小球支持体を得ることを可能にする別の特定の実施形態によれば、ポリマーの前記溶液は、ポリマーと、低い水混和性を有する少なくとも1種の揮発性溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物を含む。転相は、少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中にポリマーの前記溶液を導入し、その後、前記揮発性溶媒を蒸発させることによって行われる。
微小球支持体を得ることを可能にする別の特定の実施形態によれば、ポリマーの前記溶液は、ポリマーと、低い水混和性を有する少なくとも1種の揮発性溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物を含む。転相は、少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中にポリマーの前記溶液を導入し、その後、前記揮発性溶媒を蒸発させることによって行われる。
低い水混和性を有する揮発性溶媒の例は、酢酸エチル、ジクロロメタン及びこれらの混合物である。好ましい一実施形態によれば、生体吸収性ポリマーは、ジクロロメタン又は酢酸エチル等の、ポリマー用の良溶媒と、プロパン-1-オール、ブタン-1-オール、ヘキサン及びこれらの混合物等の、ポリマー用の1種又は複数の貧溶媒とを含む、揮発性溶媒の混合物に溶解する。
本発明によって使用されうる界面活性剤の一例は、ポリビニルアルコールである。
水溶液中の界面活性剤の濃度は、詳細には、1から30g.l-1まで、特に5から15g.l-1まででありうる。
少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液は、有利には、ポリマーの溶液が導入されるとすぐに、且つ揮発性溶媒が完全に蒸発するまで、制御された様式で継続的に撹拌される。
揮発性溶媒が蒸発した後、界面活性剤を除去するために、微小球支持体を含む溶液は濾過され、支持体は水で洗浄される。
微小球支持体の直径は、撹拌速度及び界面活性剤の濃度によって調節される。
中実、中空又は微小球の支持体を結果として生成する形成工程の間に、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物を含む転相処理がポリマーの溶液に行われる場合には、前記化合物は、特に微細粒子の形態で、材料のマトリックス中に組み込まれる。ポリマーの溶液中に導入されうる有機化合物の例は、医薬活性剤、例えば、特に、抗生物質、抗炎症剤、及びこれらの混合物である。ポリマーの溶液中に導入されうる無機化合物の例は、リン酸カルシウムセラミックス、例えば、特に、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、及びこれらの混合物である。
支持体が得られて水で洗浄された後、支持体は、該方法の第2の工程に導入されるまで任意選択で保存されうる。支持体は、詳細には、乾燥状態で又はその他に無菌化剤(asepticizing agent)を任意選択で含む水中で保存されうる。
本発明の目的方法の第1の工程の後に得られる支持体は、詳細には、上記に定義されるような二重多孔性を有しうる。
2)支持体の表面を処理する工程
支持体が形成された後、本発明の目的方法の第2の工程は、支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与することにある。
支持体が形成された後、本発明の目的方法の第2の工程は、支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与することにある。
好ましい一実施形態によれば、表面処理は、少なくとも1種の脂肪族α,ω-ジアミンの溶液を使用してポリマーのアミノリシス反応によって行われる。アミノリシス反応は、詳細には、少なくとも1種の脂肪族α,ω-ジアミンの溶液中にポリマー基質を浸漬し、その後、例えば超純水で、すすぐことによって行われうる。
特定の一実施形態によれば、脂肪族α,ω-ジアミンは、1,6-ヘキサンジアミン、1,2-エタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、脂肪族α,ω-ジアミンは、1,6-ヘキサンジアミンである。
アミノリシス反応の間に、支持体のエステル結合は破壊され、脂肪族α,ω-ジアミンの2つのアミン官能基のうちの1つとアミド結合を形成する。もう1つのアミン官能基は、四級アンモニウムの形態でフリーのままである。したがって、支持体は、広いpH範囲においてその表面に正電荷を含む。
脂肪族α,ω-ジアミンは、詳細には、アルコール類、水及びこれらの混合物から選択される溶媒、特にプロパン-1-オール又は水、好ましくは水中に溶解しうる。実際に、アミノリシス反応が水中で行われる場合には、より多くの遊離アミン官能基が支持体の表面上で得られ、且つ支持体の表面はより粗い。
好ましい一実施形態によれば、溶液中の脂肪族α,ω-ジアミンの濃度は、1から300g.l-1まで、好ましくは2から60g.l-1までである。
別の好ましい実施形態によれば、アミノリシス反応は、30℃未満の温度、好ましくは25℃未満、より優先的には22℃に近い温度で行われる。これは、事実上、支持体の分解を回避することを可能にする。
アミノリシス反応は、詳細には、5から90分まで、好ましくは10から60分までの時間行われうる。
3)支持体を官能化する工程
支持体の表面が正に荷電されるように処理された後、本発明の目的方法の第3の工程は、生理活性分子で支持体を官能化することにある。
支持体の表面が正に荷電されるように処理された後、本発明の目的方法の第3の工程は、生理活性分子で支持体を官能化することにある。
本発明の目的方法の官能化工程は、詳細には、生理活性分子の溶液中に支持体を浸漬し、その後、例えば超純水で、すすぐことによって行われうる。
生理活性分子の溶液中に支持体を浸漬する期間は、詳細には、1から120分間まで、好ましくは10から20分間まででありうる。
その中に支持体が浸漬される溶液中の生理活性分子の濃度は、詳細には、0.1から20g.l-1まで、好ましくは1から5g.l-1まででありうる。
生理活性分子は、溶解しているときにそれらの構造内で負電荷を示す。
特に好ましい一実施形態によれば、生理活性分子は、HA分子である。
HAは、詳細には、20,000から10,000,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有しうる。こうしたHA分子は、過酸化水素等の活性酸素種を使用して高モル質量のHAの分解によって得られうる。
代替的に、HAは、800から20,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有しうる。こうしたHA分子は、高モル質量のHAの酵素加水分解によって、例えば、ヒアルロニダーゼの存在下で、得られうる。
その中に支持体が浸漬される生理活性分子の溶液のpHは、詳細には、1から9まででありうる。
生理活性分子が多糖類である場合、生理活性分子の溶液のpHは、生理活性分子の質量平均モル質量及びpKaによって変化する。生理活性分子が20,000g.mol-1よりも高い質量平均モル質量を有する場合、生理活性分子の溶液のpHは、好ましくは、生理活性分子のpKaよりも低く、より優先的には、pKa - 0.5よりも低い。生理活性分子が20,000g.mol-1よりも低い質量平均モル質量を有する場合、生理活性分子の溶液のpHは、好ましくは、生理活性分子のpKaよりも高く、より優先的には、pKa + 2よりも高い。
生理活性分子が20 000から10,000,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有するHA分子である場合、HA溶液のpHは、優先的には、1から2.9まで、好ましくは、1.5から2.5までである。HAのpKaよりも低いpHの選択は、HA分子上の負電荷の数を制限し、それによって、HAの長鎖の互いに対する静電反発力を制限する。
生理活性分子が800と20,000g.mol-1との間の質量平均モル質量を有するHA分子である場合、HA溶液のpHは、優先的には、4から8まで、好ましくは、5から7までである。実際には、HA鎖の互いに対する相反の問題は、低モル質量のHA分子ではもはや問題でない。したがって、HAのpKaよりも極めて高いpHの選択は、HA分子上の負電荷の数を最大にし、それによって、支持体の正電荷との静電的相互作用を最大にする。
生理活性分子がタンパク質又はペプチドである場合、生理活性分子の溶液のpHは、生理活性分子のpI(等電点)に依存する。生理活性分子の溶液のpHは、優先的には、2から11までであり、より優先的には、それはpI - 2よりも高い。
特定の一実施形態によれば、2つの逐次官能化工程は、異なる生理活性分子で行われうる。例えば、支持体が中実又は中空である場合及び支持体がその面のうちの1つの上にマクロ細孔を有し且つ他の面の上にミクロ細孔を有する場合には、1つの面を1つの型の生理活性分子で官能化し且つ他の面を他の生理活性分子で官能化することが可能である。官能化される面は、生理活性分子を含む溶液と接触され、他の面は、それを外面上のシールによって溶液から隔離することによって覆い隠される。
材料の使用
本発明の目的材料は、真核細胞の付着及び増殖刺激のために使用されうる。
本発明の目的材料は、真核細胞の付着及び増殖刺激のために使用されうる。
本発明の特定の一実施形態によれば、材料上に付着されうる真核細胞は、幹細胞、線維芽細胞、内皮細胞、がん細胞、及びこれらの混合物から選択される。例えば、幹細胞は、間葉系幹細胞であってもよい。間葉系幹細胞は、特に、TGFベータ-3増殖因子の存在下で軟骨細胞に分化することができる。内皮細胞は、ヒト血管内皮細胞(HMEC-1)であってもよい。がん細胞は、結腸がん上皮細胞(CaCo-2、HT-29及びDLD1系)であってもよい。真核細胞は、適切な培地中に懸濁される。
本発明による材料は有利なことに、特に、エタノール中若しくは水とエタノールとの混合物中に数分間浸漬することによって又は効力における基準(EN ISO 11137-1:2006; EN ISO 9001:2008; EN ISO 13485:2012)によるガンマ線照射によって、その特性を減損させることなく滅菌できる。
滅菌後、材料は、真核細胞の懸濁液中に浸漬されて、制御された雰囲気中で37℃でインキュベートされる。
支持体に付着してその上で増殖する真核細胞は有利なことに、移動すること及び共培養において細胞間相互作用を確立することができる。
真核細胞を播種された支持体は、次いで、in vitro、ex vivo又はin vivoで使用されうる。
in vitroにおける真核細胞を含む材料の使用の例は、特に以下の通りである:
- 細胞行動並びに細胞及びそれらの環境の間の相互作用を試験すること;
- 医薬又は化粧料等の活性成分を開発及び試験すること、
- 放射線等の治療手段を開発及び試験すること;
- アレルゲン又は汚染物質の毒性学的試験;
- 分子スクリーニング。
- 細胞行動並びに細胞及びそれらの環境の間の相互作用を試験すること;
- 医薬又は化粧料等の活性成分を開発及び試験すること、
- 放射線等の治療手段を開発及び試験すること;
- アレルゲン又は汚染物質の毒性学的試験;
- 分子スクリーニング。
ex vivoにおける真核細胞、すなわち、患者から採取された真核細胞を含む材料の使用の例は、特に以下の通りである:
- 診断を行うこと;
- 活性成分及び他の治療方法の効力を試験すること;
- 自己移植片を調製すること。
- 診断を行うこと;
- 活性成分及び他の治療方法の効力を試験すること;
- 自己移植片を調製すること。
in vivoにおける真核細胞を含む材料の使用の例は、特に以下の通りである:
- コロニー形成された支持体を組織(骨、軟骨、歯、歯肉)修復のために埋め込むこと;
- 人工器官(人工関節、心血管人工器官)をコーティングすること;
- コロニー形成されたマイクロビーズを細胞ベクトル化のために注入すること;
- 損傷を修復するため及び/又は皮膚治療を提供するために包帯の形態で皮膚に支持体を適用すること。
- コロニー形成された支持体を組織(骨、軟骨、歯、歯肉)修復のために埋め込むこと;
- 人工器官(人工関節、心血管人工器官)をコーティングすること;
- コロニー形成されたマイクロビーズを細胞ベクトル化のために注入すること;
- 損傷を修復するため及び/又は皮膚治療を提供するために包帯の形態で皮膚に支持体を適用すること。
in vivoにおける本発明による材料の使用は、特に、その良好な機械的性質、その細胞毒性がないこと、及びその徐々の生体内吸収によって可能にされる。実際に、間葉系幹細胞でコロニー形成された、本発明による材料の皮下埋め込みは、Fischerラットにおいて試験に成功している。支持体は、間葉系幹細胞によって分泌される酵素によって徐々に分解される。後者は、支持体にコロニー形成して分化過程に入った。これは、軟骨再構築の代わりになる細胞を作製すると同時に損傷の結合性瘢痕化又は骨化を予防することによって、外傷性軟骨損傷のための治療及び関節症の予防を想定することを可能にする。
支持体上で増殖している生細胞は有利なことに、酵素の溶液、例えばトリプシン及びコラゲナーゼの混合物との接触による低刺激な処理によって無傷で回収することができる。
組織学的、細胞学的若しくは免疫組織化学的な解析を目的として、ミクロトームで薄切片を切断するために、又は透過型電子顕微鏡による観察によって解析されうるウルトラミクロトームで超微細切片を切断するために、生細胞を含む支持体が使用されうることを想定することも可能である。
ここで、以下の非限定的な実施例によって本発明を説明する。
測定方法
支持体の細孔の直径を、以下の技術によって測定した。画像を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡下で、対応するサイズスケール付きで撮影し、画像処理ソフトウェア(ImageJ)で解析した。
支持体の細孔の直径を、以下の技術によって測定した。画像を、光学顕微鏡又は電子顕微鏡下で、対応するサイズスケール付きで撮影し、画像処理ソフトウェア(ImageJ)で解析した。
支持体の空隙率を、以下の技術によって測定した。乾燥支持体試料(約50mg)を、1mgの1/10まで正確な秤上で計量する。質量W0を、このようにして得る。試料を、次いで、ブタン-1-オール中に2時間浸漬する。ブタン-1-オールは、ごくわずかな量で、試験するポリエステルによって吸収されるが、それはポリエステルを十分に濡らして細孔の体積を充満させる。試料を、ブタン-1-オールから取り出した後、セルロース紙で注意深く拭き、次いで計量する。質量W1を、このようにして得る。空隙率は、以下の方程式
[式中、Db、ブタン-1-オールの密度は、0.81g.cm-3に等しく、Dpは、支持体の密度である。PLAの場合、Dpは、1.25g.cm-3に等しい]
によって得られる。
によって得られる。
支持体の表面における水の接触角を、Rame-Hartゴニオメーター(モデル100-00)で測定した。解析した各支持体試料について、3滴のMilli-Q水を支持体試料上に付着し、各水滴の左及び右に形成した接触角の値を測定した。これらのデータに基づいて、各支持体試料について、水の接触角の平均値及び更に標準偏差を算出する。
支持体の表面に固定化されたHAの量は、QCM-D水晶振動子微量天秤(Q-Sense、モデルD300)を使用して測定した。高密度PLAフィルムを、QCM-Dセンサー上に直接付着し、次いで、HDAの溶液でのアミノリシスによって改変した。Milli-Q水でのすすぎの後に、アミノリシスによって正に荷電されたフィルムを、HAの水溶液と接触させ、センサーの振動数を経時的にモニターした。水晶センサーの振動数におけるシフトを、Sauerbrey方程式によって、高密度フィルム上での相互作用による分子の付着に起因した質量変化に変換した。支持体の表面で固定化された水和したHAの表面質量を、120分間のHAの付着後に0.05mol.l-1の塩化ナトリウム溶液で洗浄した後に測定した。
光学濃度(O.D.)を、生存可能な細胞によってテトラゾリウム塩が可溶性有色化合物であるホルマザンに変換されることに基づく比色アッセイである、WST-1(水溶性テトラゾリウム)細胞増殖アッセイで測定した。WST-1試薬は、Roche Applied Science社(France)からのものである。アッセイの終わりに、試料を、96ウェルのプレートのウェルに入れ、それらのO.D.を、Powerwave Xプレートリーダー、Bio-tek instruments社(France)を用いて420nmで測定する。
(実施例1)
PLA製の中実支持体の調製
PLAは、NaturePlast社(Caen、France)によって商用参照名PLE 005の下で供給された。それは、96%のLエナンチオマー及び4%のDエナンチオマーから構成されていた。その質量平均モル質量(Mw)及びその数平均モル質量(Mn)を、HPLC-SEC-MALLS-RIによって決定し、それぞれ145×103g.mol-1及び60×103g.mol-1に等しかった。
PLA製の中実支持体の調製
PLAは、NaturePlast社(Caen、France)によって商用参照名PLE 005の下で供給された。それは、96%のLエナンチオマー及び4%のDエナンチオマーから構成されていた。その質量平均モル質量(Mw)及びその数平均モル質量(Mn)を、HPLC-SEC-MALLS-RIによって決定し、それぞれ145×103g.mol-1及び60×103g.mol-1に等しかった。
PLA顆粒を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中に7質量%の濃度で70℃で撹拌しながら溶解した。このDMF中のPLAの溶液に、8,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)を有するポリ(エチレングリコール)(PEG)を、溶液中のPEG濃度が7質量%になるように添加した。このようにして得られた溶液を、ガラスプレート上に付着し、フィルムを形成するようにGardnerナイフを使用して塗付した。フィルムの厚さを、より厚い又はより薄い支持体を得るようにブロックによって調整した。支持体の凝固を、フィルムを支持しているガラスプレートを、室温(20から25℃)のMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)の3つの逐次浴中に浸漬することによって行った。浸漬時間は、第1の浴については30分であって、次の2つの浴については15分であった。
ナイフの幅、ブロックの厚さ及びガラスプレート上に塗付されたフィルムの長さによって可変の次元を有するPLA製の中実支持体を得た。例えば、10mlのポリマーの溶液を180μmの厚さのブロックで20cm×15cmの領域上に塗付したときに、120μmの厚さを有する20cm×15cmの膜を得た。
支持体は、多孔面及び高密度面を有していた。走査型電子顕微鏡上で撮影された画像は、多孔面が160μmの直径を有するマクロ細孔を有していたこと(図1d)及び高密度面が1μmの直径を有するミクロ細孔を有していたこと(図1a)を示す。支持体の断面(図1b)及び多孔面(図1c)の画像において示されているように、ミクロ細孔及びマクロ細孔は、相互に連結されていた。支持体の空隙率は、約75%であった。
(実施例2)
PLA製の中実支持体のHAによる官能化
実施例1のPLA製の支持体を、プロパン-1-オール中5g.l-1の1,6-ヘキサンジアミン(HDA)の溶液中に室温で30分間浸漬した。支持体を、プロパン-1-オール及び未反応のHDAを除去するためにMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)で十分にすすいだ。
PLA製の中実支持体のHAによる官能化
実施例1のPLA製の支持体を、プロパン-1-オール中5g.l-1の1,6-ヘキサンジアミン(HDA)の溶液中に室温で30分間浸漬した。支持体を、プロパン-1-オール及び未反応のHDAを除去するためにMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)で十分にすすいだ。
正に荷電された支持体を、次いで、HTL Biotechnologies社(Javene、France、01/2009のバッチ)からのものである3,000 000,g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAで官能化した。そのために、支持体を、塩酸を添加することによってpHが2に調整された、1g.l-1のHAの水溶液中に15分間浸漬した。pHを、pHメーター(Metrohm、632)に連結されたガラス電極(Radiometer Analytical、XC161)で測定した。官能化された支持体を、次いで、付着しなかったHAを除去するためにMilli-Q水ですすいだ。
上記で得られた、HAで官能化されたPLA製の支持体を、純エタノール中で数分間の浸漬又は32kGyで30分間のガンマ線照射のいずれかによって滅菌した。滅菌した支持体を、24ウェルプレートの培養ウェルに入れた。次いで、これらに、ヒト微小血管内皮細胞(HMEC-1)を、支持体当たり106細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(15%)、ペニシリン(100IU.ml-1)、ストレプトマイシン(100μg.ml-1)、ヒドロコルチゾン(1μg.ml-1)及び上皮増殖因子(EGF)(10ng.ml-1)で補われたMCDB基本培地であった。
3日間の培養後、多様な材料上でのHMEC-1細胞の増殖をWST-1試験を使用して定量化した。
3日間の培養後、200μlのWST-1試薬を各ウェルに添加し、CO2(5%)の存在下で37℃で4時間のインキュベーション後、各ウェルから取り出された70μlの試料において本明細書に記載の方法によって光学濃度(O.D.)測定を行った。このO.D.は、生細胞の数に比例する。陰性対照(NC)は、支持体を含まない培養ウェルにおけるHMEC-1の増殖に該当した。結果を、以下の表に示す。
(実施例3)
in vivoにおけるHAで官能化された中実支持体の使用
実施例2のHAで官能化されたPLA製の支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、培養ウェルに入れた。この膜支持体に、ラット大腿骨頭の骨髄から単離され、次いで、緑色蛍光タンパク質(GFP)でトランスフェクトされた、ラット間葉系幹細胞(rMSC)を、支持体当たり500×103細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(10%)、ペニシリン(100IU.ml-1)及びストレプトマイシン(100μg.ml-1)で補われたα-MEM基本培地から構成されていた。増殖培地中での2日間のインキュベーション後、支持体を、Fischerラットに皮下で埋め込んだ。
in vivoにおけるHAで官能化された中実支持体の使用
実施例2のHAで官能化されたPLA製の支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、培養ウェルに入れた。この膜支持体に、ラット大腿骨頭の骨髄から単離され、次いで、緑色蛍光タンパク質(GFP)でトランスフェクトされた、ラット間葉系幹細胞(rMSC)を、支持体当たり500×103細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(10%)、ペニシリン(100IU.ml-1)及びストレプトマイシン(100μg.ml-1)で補われたα-MEM基本培地から構成されていた。増殖培地中での2日間のインキュベーション後、支持体を、Fischerラットに皮下で埋め込んだ。
埋め込みの6週間後、rMSCによってコロニー形成されたPLA支持体を、一般的な麻酔(ケタミン/ラーガクティル)下で皮膚の一部と共に回収した。回収された試料を、固定のために4%に希釈されたパラホルムアルデヒド中に48時間直接浸漬した。次に、各試料を、パラフィンでコーティングし、ミクロトームを使用して5μmの厚さのその連続切片を作製するために切断した。切片を、その後、rMSC-GFPの存在を明らかにするために蛍光顕微鏡(Leica)下で観察した。
接種された支持体の直径が2.8cmから1.2cmに減少したことがまず第一に観察され、これは、rMSCによって分泌された酵素による支持体上の有意な分解過程を反映していた。
ラットに埋め込まれた支持体の回収から得られた5μmの切片の蛍光顕微鏡下での観察により、皮下埋め込みの6週間後に、rMSCが生存可能で支持体に接着したままであることが示された。更に、細胞は、埋め込み前に観察されたものとは異なる形態を示した: 球状の外観を有する細胞。更に、細胞は、細孔の全体の深さにわたって互いに集まって凝集塊になっていた。
(実施例4)
PLA製の微小球支持体上での細胞の調製、官能化及び培養
実施例1のものと同一のPLA顆粒(1g)を、ジクロロメタン(20g)及びヘキサン(4ml)中に40℃の温度で溶解した。このPLA溶液を、8g.l-1の濃度で、23,000g.mol-1のモル質量を有するポリビニルアルコールを含む120mlの水溶液中に撹拌しながら導入した。24時間後に揮発性溶媒が完全に蒸発するまですべてを撹拌し続けた。微小球支持体を濾過によって回収し、界面活性剤を除去するために水で洗浄した。走査型電子顕微鏡上で撮影された画像は、微小球支持体の直径が約160μmであって、ミクロ細孔のサイズが約5μmであって、且つマクロ細孔のサイズが20から35μmまでの範囲に及んでいたことを示す(図2a)。
PLA製の微小球支持体上での細胞の調製、官能化及び培養
実施例1のものと同一のPLA顆粒(1g)を、ジクロロメタン(20g)及びヘキサン(4ml)中に40℃の温度で溶解した。このPLA溶液を、8g.l-1の濃度で、23,000g.mol-1のモル質量を有するポリビニルアルコールを含む120mlの水溶液中に撹拌しながら導入した。24時間後に揮発性溶媒が完全に蒸発するまですべてを撹拌し続けた。微小球支持体を濾過によって回収し、界面活性剤を除去するために水で洗浄した。走査型電子顕微鏡上で撮影された画像は、微小球支持体の直径が約160μmであって、ミクロ細孔のサイズが約5μmであって、且つマクロ細孔のサイズが20から35μmまでの範囲に及んでいたことを示す(図2a)。
これらの微小球支持体を、次いで、実施例2に記載の手順によってHAで官能化した。
官能化された微小球支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、24ウェルプレートの培養ウェルに1ウェル当たり0.05gの比率で入れた。これらの微小球支持体に、ATCCによって参照名CRL-3243(商標)の下で販売され、1ウェル当たり500×103細胞の比率で微小球上に播種される前に、Life Technologies社によって参照名CellTracker(登録商標)Green CMFDA Dyeの下で販売される緑色蛍光標識で標識された、ヒト微小血管内皮細胞(HMEC-1)を播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(15%)、ペニシリン(100IU.ml-1)、ストレプトマイシン(100μg.ml-1)、ヒドロコルチゾン(1μg.ml-1)及び上皮増殖因子(EGF)(10ng.ml-1)で補われたMCDB基本培地であった。増殖培地中での7日間のインキュベーション後、微小球支持体上のHMEC-1細胞の良好な接着及び良好な増殖が観察された。
HMEC-1細胞を播種した後にビデオ顕微鏡で撮影された画像(図2b)は、黒色の本発明による材料の微小球の表面(1)に付着された緑色の蛍光性細胞(2)を示す。
(実施例5)
水の接触角に対する生理活性分子の溶液のpHの影響
この実施例は、支持体を官能化する工程の間の高モル質量のHAの付着の効率に対するpHの影響を試験することを可能にする。分析を簡単にするために、この実験は、本発明のもののような二重多孔性PLA支持体上ではなく、高密度PLA支持体上で行われた。それでも、高密度PLA支持体上で得られた結果は、二重多孔性PLA支持体と置き換え可能である。
水の接触角に対する生理活性分子の溶液のpHの影響
この実施例は、支持体を官能化する工程の間の高モル質量のHAの付着の効率に対するpHの影響を試験することを可能にする。分析を簡単にするために、この実験は、本発明のもののような二重多孔性PLA支持体上ではなく、高密度PLA支持体上で行われた。それでも、高密度PLA支持体上で得られた結果は、二重多孔性PLA支持体と置き換え可能である。
高密度PLA支持体を、溶媒蒸発処理によって調製した。使用したPLAは、実施例1のものと同一であった。PLA溶液を、PLA顆粒をクロロホルム中に約35〜40℃で、磁気撹拌しながら、4から5時間溶解することによって調製した。支持体を、15gのクロロホルム中に1gのPLAを溶解することによって得られた、6.66%(w/w)のPLAの溶液で調製した。PLAの溶解後、溶液を、ガラスペトリ皿に注入し、クロロホルムの過度に速い蒸発を防ぐために直ちに蓋をした。高密度PLA支持体を、室温で6から7日間の溶媒の蒸発後に最終的に得た。支持体は、約120μmの厚さを有していて、デシケーター中に室温で保存された。
アミノリシス反応を、PLA支持体をプロパン-1-オール中10g.l-1のHDAの溶液中に60分間浸漬することによって行った。支持体を、次いで、未反応のHDA及びプロパン-1-オールを除去するためにMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)で十分にすすいだ。アミノリシス後、支持体を、デシケーター中に室温で保存した。
正に荷電された支持体を、次いで、実施例2において使用されたものと同一の3,000,000,g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAで官能化した。そのために、支持体を、塩酸又は水酸化カリウムを添加することによってpHを2又は6に調整した、1g.l-1のHAの水溶液中に浸漬した。pHを、pHメーター(Metrohm、632)に連結されたガラス電極(Radiometer Analytical、XC161)で測定した。官能化された支持体を、次いで、付着しなかったHAを除去するためにMilli-Q水ですすいだ。官能化された支持体を、デシケーター中に室温で保存した。
各支持体について、官能化された支持体の表面における水の接触角を、本明細書に記載の方法によって測定した。図3は、高密度PLA中実支持体との水の接触角の値における減少が、HA溶液がpH2のときにそれがpH6のときよりも大きいことを示す。これは、pH2で付着させている間の支持体の表面の親水性におけるより大きな上昇を反映している。したがって、HAの付着は、pH6よりもpH2においてはるかに良好に生じた。
同様の結果が、350,000g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAで得られた。
他方では、880g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAでは、HAの付着は、pH2よりもpH6においてより良好に生じた。
(実施例6)
付着される生理活性分子の量に対する生理活性分子の溶液のpHの影響
この実施例は、支持体官能化工程の間の高モル質量のHAの付着の効率に対するpHの影響を試験することも可能にする。分析を簡単にするために、この実験は、本発明のもののような二重多孔性PLA支持体上ではなく、高密度PLA支持体上で行われた。それでも、高密度PLA支持体上で得られた結果は、二重多孔性PLA支持体と置き換え可能である。
付着される生理活性分子の量に対する生理活性分子の溶液のpHの影響
この実施例は、支持体官能化工程の間の高モル質量のHAの付着の効率に対するpHの影響を試験することも可能にする。分析を簡単にするために、この実験は、本発明のもののような二重多孔性PLA支持体上ではなく、高密度PLA支持体上で行われた。それでも、高密度PLA支持体上で得られた結果は、二重多孔性PLA支持体と置き換え可能である。
高密度PLA支持体を、水晶振動子QCM-Dセンサー上に直接スピンコーティングすることによって調製した。そのために、酢酸エチル中の1%(w/w)のPLAの溶液を使用して均一な高密度フィルムを付着し、次いで、溶媒を、水晶振動子QCM-Dセンサーの活発な回転下で気化した。結果として生じた支持体を、次いで、アミノリシスによって正に荷電し、次いで、実施例5に記載のように2つの異なるpH値のHAで官能化した。ここで、各試験について、HDA濃度、アミノリシス時間、HAの質量平均モル質量及びHA濃度を、以下のtable 1(表2)に示されているそれぞれの値と置き換えた。各試験について、支持体の表面で固定化されたHAの量を、本明細書に記載の方法によって測定した。
3,000,000g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAで官能化された支持体では、PLA支持体の表面で固定化された水和したHAの表面積の単位当たりの質量は、pH6よりもpH2で常に極めて大きかった。
他方では、880g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAでは、PLA支持体の表面で固定化された水和したHAの表面積の単位当たりの質量は、pH2よりもpH6においてより大きかった。
(実施例7)
細胞増殖に対する多孔性支持体のHAによる官能化の影響
実施例1において調製されるような二重多孔性PLA支持体、実施例2に記載のようにアミノリシスによって改変されたPLA支持体、及び実施例2に記載のようにアミノリシスによって改変されてからHAで官能化されたPLA支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、24ウェルプレートの培養ウェルに入れた。これらの支持体に、ATCCによって参照名PCS-500-010(商標)の下で販売される、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)を、支持体当たり250×103細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(10%)、ペニシリン(100IU.ml-1)及びストレプトマイシン(100μg.ml-1)で補われたα-MEM基本培地から構成されていた。hMSCを、CO2(5%)の存在下で37℃で7日間培養した。7日間の培養後、200μlのWST-1試薬を各ウェルに添加し、CO2(5%)の存在下で37℃で4時間のインキュベーション後、各ウェルから取り出された70μlの試料において本明細書に記載の方法によって光学濃度(O.D.)測定を行った。このO.D.は、生細胞の数に比例する。陰性対照(NC)は、支持体を含まない培養ウェルにおけるhMSCの増殖に該当した。
細胞増殖に対する多孔性支持体のHAによる官能化の影響
実施例1において調製されるような二重多孔性PLA支持体、実施例2に記載のようにアミノリシスによって改変されたPLA支持体、及び実施例2に記載のようにアミノリシスによって改変されてからHAで官能化されたPLA支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、24ウェルプレートの培養ウェルに入れた。これらの支持体に、ATCCによって参照名PCS-500-010(商標)の下で販売される、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)を、支持体当たり250×103細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(10%)、ペニシリン(100IU.ml-1)及びストレプトマイシン(100μg.ml-1)で補われたα-MEM基本培地から構成されていた。hMSCを、CO2(5%)の存在下で37℃で7日間培養した。7日間の培養後、200μlのWST-1試薬を各ウェルに添加し、CO2(5%)の存在下で37℃で4時間のインキュベーション後、各ウェルから取り出された70μlの試料において本明細書に記載の方法によって光学濃度(O.D.)測定を行った。このO.D.は、生細胞の数に比例する。陰性対照(NC)は、支持体を含まない培養ウェルにおけるhMSCの増殖に該当した。
図4において、多孔性の支持体がHAで官能化されていたときにhMSC増殖がはるかに高かったので、多孔性支持体上で実際にHAの固定化があったことが認められる。これは、多孔性支持体で、実際に細孔の内部までアミノリシス及びその後のHAの固定化があったことを示す。
(実施例8)
ポリ3HB-co-4HB製の中実支持体の調製及び官能化
3-ヒドロキシブチレート/4-ヒドロキシブチレートコポリマー(ポリ3HB-co-4HB)製の中実支持体を、700,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)及び12mol%の平均4-ヒドロキシブチレート含有量を有する、Tianjin GreenBio Materials社(China)によって供給された3HB-co-4HBから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
ポリ3HB-co-4HB製の中実支持体の調製及び官能化
3-ヒドロキシブチレート/4-ヒドロキシブチレートコポリマー(ポリ3HB-co-4HB)製の中実支持体を、700,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)及び12mol%の平均4-ヒドロキシブチレート含有量を有する、Tianjin GreenBio Materials社(China)によって供給された3HB-co-4HBから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
ポリ3HB-co-4HB顆粒を、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に8.3質量%の濃度で80℃で撹拌しながら溶解した。このNMP中のポリ3HB-co-4HBの溶液に、8,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)を有するPEGを、溶液中のPEG濃度が8.3質量%になるように添加した。
支持体を達成するためのその後の工程は、詳細には、ポリマーをガラスプレート上に付着させること及び支持体をMilli-Q水のいくつかの逐次浴中に浸漬することによって凝固させることを含み、実施例1に記載のように行われた。
支持体は、多孔面及び高密度面を有していた。光学顕微鏡で撮影された画像は、多孔面が約110μmの直径を有するマクロ細孔及び約2μmの直径を有するミクロ細孔を有していたことを示す(図5)。支持体の空隙率は、約65%であった。
アミノリシスの工程及び正に荷電された支持体のHAでの官能化の工程は、実施例2に従って行われた。
(実施例9)
PCL製の中実支持体の調製及び官能化
ポリ(カプロラクトン)(PCL)製の中実支持体を、Sigma Aldrich社によって供給された平均モル質量Mn= 80,000g.mol-1を有するPCLから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PCL製の中実支持体の調製及び官能化
ポリ(カプロラクトン)(PCL)製の中実支持体を、Sigma Aldrich社によって供給された平均モル質量Mn= 80,000g.mol-1を有するPCLから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PCL顆粒を、DMF中に8.3質量%の濃度で80℃で撹拌しながら溶解した。このDMF中のPCLの溶液に、30,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)を有するポリビニルピロリドン(PVP)を、溶液中のPVP濃度が1.8質量%になるように添加した。
支持体を達成するためのその後の工程は、詳細には、ポリマーをガラスプレート上に付着させること及び支持体をMilli-Q水のいくつかの逐次浴中に浸漬することによって凝固させることを含み、実施例1に記載のように行われた。
支持体は、多孔面及び高密度面を有していた。光学顕微鏡で撮影された画像は、多孔面が約120μmの直径を有するマクロ細孔及び約2μmの直径を有するミクロ細孔を有していたことを示す(図6)。支持体の空隙率は、約75%であった。
アミノリシスの工程及び正に荷電された支持体のHAでの官能化の工程を、実施例2に従って行った。
(実施例10)
PBSA製の中実支持体の調製及び官能化
ブチレンスクシネート/ブチレンアジペート(PBSA)コポリマー製の中実支持体を、平均モル質量Mw = 165,000g.mol-1を有する、NaturePlast社によって参照名3PBE 001の下で供給されたPBSAから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PBSA製の中実支持体の調製及び官能化
ブチレンスクシネート/ブチレンアジペート(PBSA)コポリマー製の中実支持体を、平均モル質量Mw = 165,000g.mol-1を有する、NaturePlast社によって参照名3PBE 001の下で供給されたPBSAから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PBSA顆粒を、DMF中に7質量%の濃度で80℃で撹拌しながら溶解した。このDMF中のPBSAの溶液に、8,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)を有するPEGを、溶液中のPEG濃度が7質量%になるように添加した。
支持体を達成するためのその後の工程は、詳細には、ポリマーをガラスプレート上に付着させること及び支持体をMilli-Q水のいくつかの逐次浴中に浸漬することによって凝固させることを含み、実施例1に記載のように行われた。
支持体は、多孔面及び高密度面を有していた。光学顕微鏡で撮影された画像は、多孔面が約130μmの直径を有するマクロ細孔及び約10μmの直径を有するミクロ細孔を有していたことを示す(図7)。支持体の空隙率は、約75%であった。
アミノリシスの工程及び正に荷電された支持体のHAでの官能化の工程は、実施例2に従って行われた。
(実施例11)
PLA及びPBSAの混合物を含む中実支持体の調製及び官能化
PLA及びPBSAの混合物製の中実支持体を、実施例1に記載のPLA及び実施例10に記載のPBSAから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PLA及びPBSAの混合物を含む中実支持体の調製及び官能化
PLA及びPBSAの混合物製の中実支持体を、実施例1に記載のPLA及び実施例10に記載のPBSAから出発して、実施例1に記載の方法によって調製した。
PLA顆粒及びPBSA顆粒を、DMF中に80℃で撹拌しながらPLAについては2.1質量%及びPBSAについては4.9質量%の濃度で溶解した。このDMF中のPLA及びPBSAの溶液に、8,000g.mol-1の質量平均モル質量(Mw)を有するPEGを、溶液中のPEG濃度が7質量%になるように添加した。
支持体を達成するためのその後の工程は、詳細には、ポリマーをガラスプレート上に付着させること及び支持体をMilli-Q水のいくつかの逐次浴中に浸漬することによって凝固させることを含み、実施例1に記載のように行われた。
支持体は、多孔面及び高密度面を有していた。光学顕微鏡で撮影された画像は、多孔面が約150μmの直径を有するマクロ細孔及び約10μmの直径を有するミクロ細孔を有していたことを示す(図8)。支持体の空隙率は、約75%であった。
アミノリシスの工程及び正に荷電された支持体のHAでの官能化の工程は、実施例2に従って行われた。
(実施例12)
実施例8から11の材料にヒト微小血管内皮細胞を付着させること
実施例8から11において調製された、HAで官能化された支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、24ウェルプレートの培養ウェルに入れた。これらの膜支持体に、ATCCによって参照名CRL-3243(商標)の下で販売される、ヒト微小血管内皮細胞(HMEC-1)を、支持体当たり106細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(15%)、ペニシリン(100IU.ml-1)、ストレプトマイシン(100μg.ml-1)、ヒドロコルチゾン(1μg.ml-1)及び上皮増殖因子(EGF)(10ng.ml-1)で補われたMCDB基本培地であった。
実施例8から11の材料にヒト微小血管内皮細胞を付着させること
実施例8から11において調製された、HAで官能化された支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌し、次いで、24ウェルプレートの培養ウェルに入れた。これらの膜支持体に、ATCCによって参照名CRL-3243(商標)の下で販売される、ヒト微小血管内皮細胞(HMEC-1)を、支持体当たり106細胞の比率で播種した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(15%)、ペニシリン(100IU.ml-1)、ストレプトマイシン(100μg.ml-1)、ヒドロコルチゾン(1μg.ml-1)及び上皮増殖因子(EGF)(10ng.ml-1)で補われたMCDB基本培地であった。
3日間の培養後、200μlのWST-1試薬を各ウェルに添加し、CO2(5%)の存在下で37℃で4時間のインキュベーション後、各ウェルから取り出された70μlの試料において本明細書に記載の方法による光学濃度(O.D.)測定を行った。このO.D.は、生細胞の数に比例した。陰性対照(NC)は、支持体(プラスチック)を含まない培養ウェルにおけるHMEC-1の増殖に該当した。
実施例8から11によって調製された材料上のHMEC-1細胞の良好な接着及び良好な増殖が観察された。
(実施例13)
PLA製の中空支持体の調製及び官能化
円筒形状の中空支持体を、ポリマーフィルムの付着のための扁平な基質を円筒チューブと置き換えて、実施例1に記載のプロトコールによって調製した。
PLA製の中空支持体の調製及び官能化
円筒形状の中空支持体を、ポリマーフィルムの付着のための扁平な基質を円筒チューブと置き換えて、実施例1に記載のプロトコールによって調製した。
DMF中に7質量%でPLAを含むポリマーの溶液を、PLA顆粒をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中に7質量%の濃度で70℃で撹拌しながら溶解することによって調製した。
ポリマーの溶液を、ポリマーの前記溶液中に、外径1.5mm、長さ5cmのTeflon円筒チューブを浸漬することによって、前記チューブ上に付着した。
支持体の凝固を、フィルムを支持しているプラスチック円筒チューブを、室温(20から25℃)のMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)の3つの逐次浴中に浸漬することによって行った。浸漬時間は、第1の浴については30分であって、次の2つの浴については15分であった。
使用されるプラスチック円筒の直径及び長さ並びにポリマーの溶液中に円筒を浸漬する期間によって可変の次元を有する、PLA製の中空支持体を得た。この実施例において、得られた管状支持体は、180μmの厚さを有していた。こうした管状支持体は、内部上の多孔面、及び扁平支持体のものと同様の厚さにおける構造を有する。
走査型電子顕微鏡で撮影された画像は、支持体の横断面が管状であること(図9a)及び支持体が二重多孔性を有していたこと(図9b)を示した。マクロ細孔は約20μmの直径を有しており、ミクロ細孔は約1μmの直径を有しており、且つ支持体の空隙率は約60%であった。
(実施例14)
低モル質量のHAで官能化されたPLA支持体上でのhMSC及び結腸がん細胞の共培養
PLAの多孔性支持体を、実施例1に記載のように調製し、次いで、以下のプロトコールによって官能化した:
低モル質量のHAで官能化されたPLA支持体上でのhMSC及び結腸がん細胞の共培養
PLAの多孔性支持体を、実施例1に記載のように調製し、次いで、以下のプロトコールによって官能化した:
実施例1のPLA支持体を、プロパン-1-オール中5g.l-1の1,6-ヘキサンジアミン(HDA)の溶液中に室温で15分間浸漬した。支持体を、プロパン-1-オール及び未反応のHDAを除去するためにMilli-Q水(Millipore社、18Ω.cm-1の比抵抗)で十分にすすいだ。
正に荷電された支持体を、次いで、ヒアルロニダーゼで触媒された高モル質量のHA(Mw = 3,000,000g.mol-1、HTL Biotechnologies社(Javene、France、01/2009のバッチ))の加水分解によって研究室で得られた、880g.mol-1の質量平均モル質量を有するHAで官能化した。支持体を、塩酸を添加することによってpHが6に調整された、1g.l-1のHAの水溶液中に15分間浸漬した。pHを、pHメーター(Metrohm、632)に連結されたガラス電極(Radiometer Analytical、XC161)で測定した。官能化された支持体を、次いで、付着しなかったHAを除去するためにMilli-Q水ですすいだ。
膜支持体を、70%(v/v)のエタノール/水の混合物で滅菌した後に、1つの支持体当たり全部で106細胞のヒト間葉系幹細胞(hMSC)及び結腸がん内皮細胞(HT-29)を播種した。hMSC:HT-29の細胞比は、2:1であった。hMSC(参照名PCS-500-010(商標))及びHT-29(参照名HTB-38(商標))は、ATCCからのものである。hMSCを、青色蛍光色素、Cell tracker(商標)Blue CMAC(Life technologies社、France)で予め標識し、HT-29を、緑色蛍光色素、Cell tracker(商標)Green CMFDA(Life technologies社、France)で標識した。増殖培地は、グルタミン(2mM)、56℃で30分間非働化されたウシ胎仔血清(FCS)(10%)、ペニシリン(100IU.ml-1)及びストレプトマイシン(100μg.ml-1)で補われたα-MEM基本培地から構成されていた。
12日間の培養後、図10のビデオ顕微鏡(Zeiss 200M、France)で得られた画像上で、青色のhMSC(4)が緑色のHT-29の大きなスフェロイド(3)の周囲に来ていたことが観察された。スフェロイドの獲得は、材料内での細胞の三次元の組織化を示した。更に、HT-29に対するhMSCの組織化は、材料内の2種の細胞型の間で伝達があったことを示した。
1 本発明による材料の微小球の表面
2 蛍光性細胞
3 青色のhMSC
4 緑色のHT-29の大きなスフェロイド
2 蛍光性細胞
3 青色のhMSC
4 緑色のHT-29の大きなスフェロイド
Claims (15)
- ポリマーの表面が正電荷を含み且つ真核細胞増殖を増加させるのに好適な、負電荷を含む生理活性分子で官能化されているポリマーから構成される支持体を含む、二重多孔性を有する三次元材料。
- 前記ポリマーがポリエステルから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の材料。
- 前記ポリマーが、ヒドロキシ酸のホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸及びグリコール酸コポリマー(PLGA)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(5-ヒドロキシバレレート)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシオクトデカノエート);ポリカプロラクトン;ポリ(ブチレンスクシネート)及びポリ(ブチレンアジペート)のホモポリマー及びコポリマー;並びにこれらの混合物から選択される生体吸収性ポリエステルである、好ましくは、前記生体吸収性ポリエステルがポリ乳酸であることを特徴とする、請求項2に記載の材料。
- 前記生理活性分子が、多糖類、例えば、ヒアルロナン、コンドロイチン硫酸、キトサン及びヘパリン;タンパク質、例えば、フィブリノーゲン及びコラーゲン、特に、可溶性コラーゲン;ペプチド、例えば、その細胞接着能力で知られているもの、例えば、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)又はアルギニン-グリシン-アスパラギン酸-セリン(RGDS)配列を含むもの;並びにこれらの混合物から選択される、好ましくはヒアルロナンであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の材料。
- 相互連結されたミクロ細孔及びマクロ細孔を含むことを特徴とし、前記ミクロ細孔が、20μm未満、特に0.1から10μmまで、より特定すると1から5μmまでの直径を有し、前記マクロ細孔が、20から199μmまで、特に40から190μmまで、より特定すると50から180μmまでの直径を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の材料。
- 前記支持体が、中実、中空又は微小球の形状、好ましくは中実形状であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の材料。
- 三次元材料を製造するための方法であって、以下の逐次工程、
1- 転相によってポリマーを形成して、二重多孔性を有する二次元又は三次元支持体を得る工程と、
2- 前記支持体の表面を処理して、その上に正電荷を付与する工程と、
3- このように処理した前記支持体を生理活性分子で官能化する工程と
を含むことを特徴とする、方法。 - 転相によってポリマーを形成する前記工程が、以下の工程、
- 前記ポリマーと、前記ポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤及び/又は少なくとも1種の有機化合物若しくは無機化合物とを含む前記ポリマーの溶液を調製する工程と、
- 任意選択で、少なくとも1種の他の水混和性溶媒及び/又は少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中に前記ポリマーの溶液を導入する工程と
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。 - 前記ポリマーの前記溶液が、前記ポリマーと、水混和性である前記ポリマー用の少なくとも1種の溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の細孔形成剤と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物を含むこと、前記ポリマーの前記溶液が、中実又は中空の基質上に付着されること、及び、それぞれ、中実又は中空の支持体を得るために、前記転相が、少なくとも1種の他の水混和性溶媒を任意選択で含む水溶液中に前記基質を浸漬することによって行われることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 前記ポリマーの前記溶液が、前記ポリマーと、低い水混和性を有する少なくとも1種の揮発性溶媒と、任意選択で、少なくとも1種の有機化合物又は無機化合物を含むこと、及び、微小球支持体を得るために、前記転相が、少なくとも1種の界面活性剤を含む水溶液中に前記ポリマーの前記溶液を導入し、その後、前記揮発性溶媒を蒸発させることによって行われることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 前記表面処理が、少なくとも1種の脂肪族α,ω-ジアミンの溶液を使用して前記ポリマーのアミノリシス反応によって行われることを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記官能化工程が、生理活性分子の溶液中に前記支持体を浸漬し、その後、すすぐことによって行われることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記生理活性分子が、20,000から10,000,000g.mol-1までの質量平均モル質量を有するヒアルロナンの分子であり、前記ヒアルロナン溶液のpHが、1から2.9まで、好ましくは、1.5から2.5までであることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 真核細胞の付着及び増殖刺激のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の材料の使用又は請求項7から13のいずれか一項に記載の方法で調製される材料の使用。
- 前記真核細胞が、幹細胞、線維芽細胞、内皮細胞、がん細胞、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
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| WO2015124881A1 (fr) | 2015-08-27 |
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