JP2017507703A - カニューレ、注射または注入装置、およびカニューレまたは注射もしくは注入装置を使用する方法 - Google Patents

カニューレ、注射または注入装置、およびカニューレまたは注射もしくは注入装置を使用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、供給装置(400、500)から流体(800)を受け取るための内腔(302)を画成する側壁(301)を含み、前記側壁(301)が、患者の標的組織(700)に前記流体(800)を供給するための複数の開口部(303)を含む、遠位端(311)および近位端(312)を備えるカニューレ(300)を提供する。各々の開口部(304)はカニューレ(300)の内腔(302)と流体連通している。さらに、前記カニューレ(300)およびカニューレ(300)に流体(800)を供給するための供給装置(400、500)を含む注射または注入装置(100、200)が提供され、ここでカニューレ(300)は、供給装置(400、500)に取り付けられているかまたは取り付け可能であるように構成されている。前記カニューレおよび/または前記注射もしくは注入装置(100、200)を使用する、対応する方法も提供される。

Description

本発明は、患者へのRNAの治療的投与に関する。
RNAは、すべての生物において共通の極めて重要な役割を果たし、タンパク質産生における不可欠の要素である。RNAに基づく治療法は、疾患または障害を根本的に攻撃すると考えられている。RNAを患者に直接注射し、患者の細胞中で発現させ得る。
RNAの使用は、DNAベースのワクチンなどのDNAに基づく治療法の潜在的な危険性を回避する魅力的な代替手段を提供する。一種の可逆的な遺伝子治療としてRNAを使用することの利点には、一過性の発現および非形質転換特性が含まれる。RNAは、発現されるために核に入り込む必要がなく、さらには宿主ゲノムに組み込まれることがないため、発癌の危険性を排除する。さらに、RNAで達成可能なトランスフェクション率は比較的高く、得られるタンパク質の量は生理的に発現するタンパク質の量に相当する。
導入されたRNAのより高い、持続的な発現を達成するために様々な修飾によってRNAを安定化する、いくつかの成功を収めたアプローチが報告されている。さらに、RNAの細胞傷害性に関する問題で成功が達成された。しかしながら、一般的な注射装置を用いたRNAの筋肉内投与は、RNAが限られた数の細胞においてしか取り込まれず、限られた数の細胞でしか発現されないという結果になることが認められている。これは、RNAが、単一のリザーバーが形成されたカニューレの開口部においてのみ配薬され、そこからRNAがリザーバーの周囲の限られた数の細胞によってのみ取り込まれ、発現されるという事実に起因する。
本発明の目的は、RNAを患者に投与するのに適した装置を提供することである。そのような装置によって得られる効果は、投薬されたRNAがカニューレの開口部の周囲の患者の細胞に単に取り込まれるだけに止まらない。
最初の態様では、本発明は、遠位端と近位端を備えたカニューレに関する。このカニューレは、供給装置から流体を受け取るための内腔を画成する側壁を含む。側壁は、患者の標的組織、例えば筋肉に流体を供給または注入するための複数の開口部を含み、各開口部はカニューレの内腔と流体連通している。
したがって、カニューレは、管、特に円筒状管を形成し、その側壁または外側面は複数の開口部を含む。開口部は、流体がヒトまたは動物患者の所望標的に注入可能であるまたは投与され得るように構成される。
1つの実施形態では、カニューレは、医療または獣医学分野において患者の身体を治療するための注射カニューレ(皮下針もしくは皮下カニューレとも称される)または注入カニューレである。カニューレは、流体を標的組織中に投与した後直ちに除去するように、または定められた期間標的組織中に残存するように構成された留置カニューレもしくはバタフライカニューレとして提供され得る。
1つの実施形態では、カニューレは、遠位端に(標的)組織を貫通する先端部を含む。それゆえ、カニューレは標的組織に到達して治療することができ、それにより付加的な部材の使用を回避できる。
しかしながら、既に存在する開口部、例えばチャネルにカニューレを導入する必要がある場合があり、その場合周囲の組織を傷つけない、例えば貫通しないように注意を払わねばならない。それゆえ、1つの実施形態では、遠位端にボタン、すなわち丸くなったまたはボタン型の先端部を含むボタン型カニューレが患者の身体を治療するために提供される。丸くなった先端部は、組織を保護するために先端部を覆うボタンまたはノブを含み得る。ボタンは、カニューレと一体の部材として形成され得るかまたはカニューレに取り付けられる付加的な要素として提供され得る。
1つの実施形態では、複数の開口部は側壁に均一に分布するおよび/または側壁の全体を覆う。標的組織内での流体の放出または漏出または排出および分布は、カニューレの側壁または外側面の開口部の数および大きさに依存する。流体と接触する標的組織または器官の細胞の数は、カニューレの開口部の数が増えると共に、したがって標的組織または器官中に流体がより均一に分布すると共に、増大すると予想できる。さらに、流体と接触する標的組織または器官の細胞の数が多いほど、流体中に含まれるRNAを取り込み、好ましくはそれを発現する細胞の数が多くなる。標的組織に注入される物質によって、異なるカニューレを使用し得る。したがって、組織中への、例えば対応する筋肉内への流体の排出を制御することが可能である。
1つの実施形態では、複数の開口部は、カニューレの近位端から遠位端まで延在する少なくとも1つの列を形成する。すなわち、列は、近位端から遠位端までカニューレの延在方向に沿ってまたはカニューレの縦軸に沿っている。縦軸に対して、互いにオフセットして延在するまたは隣接する開口部が側壁上の同じ高さに設けられるように延在する、複数の列が提供され得る。前者の場合、側壁上の使用可能なスペースが最適に使用され得、したがって後者の場合に比べてより多くの開口部が提供され得る。1つの実施形態では、複数の列は側壁全体を覆い、それゆえ2、3、4または5以上の列が提供される。
選択的な実施形態では、前記1つ以上の列はカニューレの近位端から遠位端までらせん状に延在する。好ましくは、らせん状の列は、カニューレに沿った開口部が「オーバーラップ」しないまたは完全には「オーバーラップ」しない、すなわち開口部が互いの上に重ならないまたは互いの上に完全には重ならないように形成および/または配置される。言い換えると、各開口部はカニューレの縦軸に平行な軸上に配置され、各々の縦軸は1つの開口部だけを含む。
1つの実施形態では、開口部は円形、楕円形および/またはスリット状構造を含む。格子状構造も開口部を形成するために提供され得る。
1つの実施形態では、標的組織を貫通する先端部および/またはボタン型先端部は、先端部開口部を含む。
1つの実施形態では、カニューレは、注射または注入装置の供給装置に取り付けられるもしくは連結されるもしくは設置されるか、または供給装置に取り付け可能もしくは連結可能もしくは設置可能であるように構成される。供給装置は流体をカニューレに供給するために提供される。カニューレおよび供給装置は、一体型ユニットもしくは1つのピースとして形成され得るかまたは2つ以上の単一部材として提供され得、この場合カニューレは連結装置または接続装置によって供給装置に取り付けられ得る。連結装置は、例えば圧入またはねじり嵌め、例えばルアーロックなどのスクリューカップリングとして提供され得る。
1つの実施形態では、カニューレは、連結要素もしくは連結装置の一部を形成する接続要素を含む、または連結要素もしくは接続要素に組み込まれている。連結要素は、好ましくは、カニューレを供給装置に取り付けることを可能にする、漏斗状、すなわちメス型要素として提供され得る。供給装置は、メス型要素によってカニューレを受け入れるための、対応する要素、例えばオス型要素を含む。
連結要素はプラスチック製またはアルミニウム製であり得る。メス型およびオス型要素は注射または注入装置の連結装置を形成する。
注入装置の場合、連結要素はウィング要素を含んでもよく、連結要素とウィング要素は、好ましくは1つのピースで提供される。この場合、注射または注入装置は留置カテーテル装置またはバタフライ装置であり、カニューレは留置カニューレまたはバタフライカニューレである。ウィング要素は、組織内でカニューレの安定な位置を与えるために使用され、支持表面としての役割を果たす。
1つの実施形態では、カニューレは、10〜120mmの範囲内、好ましくは10〜50mmの範囲内、好ましくは10〜30mmの範囲内、例えば12〜13mmまたは22〜26mmの範囲内、好ましくは22.2〜25.4mmの範囲内の長さを有する。特定の実施形態では、カニューレは、20、23、24、25、30、40、50、60、70または80mmの長さを有する。
1つの実施形態では、カニューレは、例えば油性エマルジョンに対しては、0.5〜1.2mmの範囲内、好ましくは0.6、0.9または1.0mmの外径、および他の物質に対しては、好ましくは0.5、0.4、0.3、0.2または0.1mmの外径を有する。
典型的な公知のカニューレは、0.45×12、0.5×16、0.7×30、0.8×40、0.9×40、1.1×40、1.2×40、0.6×60、0.9×70カニューレと特徴付けられ、ここで最初の数字はmmで表したカニューレの外径を示し、2番目の数字はmmで表したカニューレの長さを示す(ゲージシステムも参照のこと)。
1つの実施形態では、カニューレの材料は、ステンレス鋼、例えば鋼管、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミドまたはシリコーンである。ポリテトラフルオロエチレンカニューレのような柔軟なカニューレは、誘導マンドレルまたは誘導針を受け入れるように構成され得る。誘導要素は、カニューレを所望領域、すなわち標的組織へと誘導するまたは向かわせることを可能にし、カニューレを標的組織内に置いた後除去され得る。したがって、カニューレは、あらかじめ定められた期間、標的組織内に留まるように構成される。誘導マンドレルは、好ましくは組織を貫通する先端部を含む。さもなければ、あらかじめ形成されたもしくは自然の開口部またはチャネルまたは同様のアクセスによってカニューレを標的組織内に導入しなければならない。
1つの実施形態では、カニューレは、カニューレの材料のスライド特性を増大させるためおよび/またはカニューレの無菌表面を提供するためにヒドロゲルおよび/または薬剤でコーティングされる。カニューレの血液忌避表面も、標的組織へのより容易なアクセスおよび患者のより容易な治療を可能にし得る。
1つの実施形態では、カニューレは使い捨て部材として形成される。使い捨て針またはカニューレは医学分野においてはるかに一般的である。しかしながら、再利用可能なカニューレも適用できる。
本発明はまた、医療または獣医学分野において使用し得るベントまたはカーブカニューレにも適用できる。
さらなる態様では、本発明は注射または注入装置に関する。装置は、上述したカニューレおよび流体をカニューレに供給するための供給装置を含む。カニューレは、供給装置に取り付けられるもしくは連結されるもしくは設置されるか、または供給装置に取り付け可能もしくは連結可能もしくは設置可能であるように構成される。
1つの実施形態では、供給装置は、遠位端と近位端を備える、患者の標的組織または器官に供給される流体を受け取るための管状もしくは円筒状要素またはシリンジバレルを含む。さらに、装置は、ピストン棒によって管状もしくは円筒状要素またはシリンジバレル内で密封状態にてスライド可能なピストン要素を含む。ピストン棒は、管状もしくは円筒状要素またはシリンジバレルに対してピストン要素を動かすためにピストン要素と連結されている。この場合、注射または注入装置は、例えばシリンジ装置として提供され、シリンジ装置は、標的組織または器官に流体を投与するために使用され、流体の注入後標的組織または器官から直ちに除去されるように構成される。
1つの実施形態では、供給装置は、患者の標的組織または器官に供給される流体を含有するリザーバー、およびリザーバーをカニューレと連結するための連結管またはホースを含む。この場合、注射または注入装置は、例えば留置カテーテル装置またはバタフライ装置として提供され、カニューレは留置カニューレまたはバタフライカニューレとして提供される。
1つの実施形態では、カニューレは、連結装置によって供給装置に取り付けられているまたは取り付け可能であるように構成されている。連結装置は少なくとも2つの連結要素を含み、1つはカニューレに設けられ、もう1つは供給装置に設けられる。シリンジ装置は、例えばオス型要素である管状要素の遠位端に設けられるハブまたは環と、それに対応する要素である、カニューレに設けられた、例えばメス型要素とを有していてもよい。同様の配置は留置カテーテル装置に関して提供され得る。
連結装置、好ましくはカニューレの連結要素は、付加的な流体、物質または薬剤を組織標的に注入するための少なくとも1つの付加的な注入口および/または、例えば三方コックを含み得る。
1つの実施形態では、供給装置およびカニューレは一体型部材または1つのピースとして形成される。しかしながら、連結装置によって連結可能な単一部材も提供され得る。
本発明によれば、流体は、好ましくはRNAを含有する流体、例えばRNAを含有する液体医薬組成物である。さらなる態様では、本発明は、投与する流体が供給装置に充填される、上述した注射または注入装置に関する。そのような注射または注入装置は、その使用前に注射または注入装置に流体を充填する必要がないので、患者または医療従事者による即時使用を対象とし得る。
本明細書で述べるカニューレまたは注射もしくは注入装置は、パッケージング、好ましくはプラスチック容器またはプラスチックバッグなどの無菌パッケージング内にて提供され得る。あるいはまたは加えて、カニューレまたは注射もしくは注入装置は、カニューレまたは注射もしくは注入装置を使用するための指示書、例えば本発明の方法においてカニューレまたは注射もしくは注入装置を使用するための指示書を含んでもよいキットの一部であり得る。
好ましくは、上述したカニューレまたは注射もしくは注入装置を使用して、好ましくは筋肉内注射によって、ひとたび標的器官または組織に投与された流体中に含有されるRNAは、標的器官または組織の細胞によって取り込まれ、発現されて、RNAによってコードされる(1つ以上の)ペプチドおよび/またはタンパク質の産生をもたらす。
したがって、さらなる態様では、本発明は、被験体の細胞にRNAを送達する方法であって、上述したカニューレまたは上述した注射もしくは注入装置を使用してRNAを含有する流体を被験体に投与することを含む方法に関する。
さらなる態様では、本発明は、標的器官または組織の細胞中でRNAを発現させる方法であって、上述したカニューレまたは上述した注射もしくは注入装置を使用してRNAを含有する流体を標的器官または組織に導入することを含む方法に関する。好ましくは、ひとたび標的器官または組織に導入されたRNAは、標的器官または組織の細胞によって取り込まれる。
さらなる態様では、本発明は、患者の疾患を治療または予防する方法であって、上述したカニューレまたは上述した注射もしくは注入装置を使用してRNAを含有する流体を患者に投与することを含む方法に関する。好ましくは、RNAは、前記疾患に治療上有益な作用を及ぼすペプチドまたはタンパク質をコードする。
本発明の実施形態による注射装置の概略側面図を示す。ピストン棒とピストン要素は、実際には部分的にしか見えていないが、点線によって完成される。 患者の標的組織中に位置する、本発明の実施形態によるカニューレの一部を示す。 患者の標的組織中に位置する、従来のカニューレの一部を示す。 本発明の実施形態による注入装置の概略側面図を示す。 図2に示すカニューレの一部の透視図を示す。 本発明のさらなる実施形態によるカニューレの一部の透視図を示す。 本発明のさらなる実施形態によるカニューレの一部の透視図を示す。 本発明のさらなる実施形態によるカニューレの一部の透視図を示す。 balb/cマウスの後脛骨筋におけるlacZ−GFP−lucレプリコンRNAの4回の単独注射後のβ−ガラクトシダーゼ発現。(A)12μmの凍結横断切片の概観(倍率5×)。(B)2個の単一β−Gal陽性細胞を示す詳細図(倍率20×)。
ここで、上記で概説した本発明の種々の態様をより詳細に定義することにより、本発明をさらに説明する。そのように定義された各々の態様は、明らかに異なる指示がない限り、いかなる他の1つ以上の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有用であると示された特徴は、好ましいまたは有用であると示されたいかなる他の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい。
本発明を以下で詳細に説明するが、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することだけを目的とし、本発明の範囲を限定することを意図されず、本発明の範囲は付属の特許請求項によってのみ限定されることが理解されるべきである。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および学術用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
以下において、本発明の要素を説明する。これらの要素を具体的な実施形態と共に列挙するが、それらを任意の方法および任意の数で組み合わせて付加的な実施形態を創製し得ることが理解されるべきである。様々に記述される実施例および好ましい実施形態は、本発明を明確に記述される実施形態だけに限定すると解釈されるべきではない。この説明は、明確に記述される実施形態を任意の数の開示されるおよび/または好ましい要素と組み合わせた実施形態を支持し、包含すると理解されるべきである。さらに、本出願において記述されるすべての要素の任意の並べ替えおよび組合せは、文脈上特に指示されない限り、本出願の説明によって開示されたと見なされるべきである。
本明細書および以下の特許請求項全体を通して、文脈上特に必要とされない限り、「含む」という語および「含むこと」などの変形は、記述される成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の包含を意味するが、いかなる他の成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の排除も意味しないと理解されるが、一部の実施形態では、そのような他の成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群が排除され得る、すなわち主題は、記述される成員、整数もしくは工程または成員、整数もしくは工程の群の包含にある。本発明を説明することに関連して(特に特許請求項に関連して)使用される「1つの」および「その」という用語および同様の言及は、本明細書で特に指示されない限りまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、単にその範囲内に属する各々別々の値を個別に言及することの簡略化された方法であることが意図されている。本明細書で特に指示されない限り、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されているかのごとくに本明細書に組み込まれる。本明細書で述べるすべての方法は、本明細書で特に指示されない限りまたは文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的言語(例えば「など」)の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図されており、特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須の特許請求されない要素を指示すると解釈されるべきではない。
本明細書の本文全体を通じていくつかの資料を引用する。本明細書で引用される資料(すべての特許、特許出願、学術出版物、製造者の仕様書、指示書等を含む)の各々は、上記または下記のいずれでも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利を有さないことの承認と解釈されるべきではない。
核酸は、本発明によれば、好ましくはデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)、例えばインビトロ転写RNA(IVT RNA)である。核酸には、本発明によれば、組換え生産された分子および化学合成された分子が含まれる。本発明によれば、核酸は、一本鎖または二本鎖としておよび直鎖状または共有結合閉環分子として存在し得る。核酸は、本発明によれば、単離することができる。「単離された核酸」という用語は、本発明によれば、核酸が、(i)インビトロで、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、増幅された、(ii)クローニングによって組換え生産された、(iii)例えば開裂とゲル電気泳動による分離によって、精製された、または(iv)例えば化学合成によって、合成されたことを意味する。核酸は、細胞内への導入、すなわち細胞のトランスフェクションのために、特にDNA鋳型からインビトロ転写によって調製できるRNAの形態で用いることができる。RNAは、注入の前に配列の安定化、キャッピングおよびポリアデニル化によってさらに修飾することができる。
本発明に関連して、「RNA」という用語は、リボヌクレオチド残基を含む分子であって、好ましくは完全にまたは実質的にリボヌクレオチド残基から成る分子に関する。「リボヌクレオチド」は、β−D−リボフラノシル基の2'位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドに関する。「RNA」という用語は、二本鎖RNA、一本鎖RNA、単離されたRNA、例えば部分的または完全に精製されたRNA、基本的に純粋なRNA、合成RNA、ならびに組換え生成されたRNA、例えば1個以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換および/または変化によって天然に存在するRNAとは異なる修飾RNAを含む。そのような変化には、例えばRNAの末端へのまたは内部での、例えばRNAの1個以上のヌクレオチドにおける、非ヌクレオチド物質の付加が含まれ得る。RNA分子中のヌクレオチドには、非標準ヌクレオチド、例えば天然には存在しないヌクレオチドまたは化学合成ヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドなども含まれ得る。これらの変化したRNAは、類似体または天然に存在するRNAの類似体と称され得る。本発明の1つの実施形態では、RNAは化学的に修飾されていない。本発明の1つの実施形態では、RNAは、天然に存在するヌクレオチドなどの標準ヌクレオチドだけを含む。
本発明によれば、「RNA」という用語は、「mRNA」を包含し、好ましくは「mRNA」に関する。「mRNA」という用語は「メッセンジャーRNA」を意味し、DNA鋳型を使用することによって作製され得る、ペプチドまたはタンパク質をコードする「転写産物」に関する。典型的には、mRNAは、5'−UTR、タンパク質コード領域および3'−UTRを含む。mRNAは、細胞中およびインビトロで限られた半減期しか有さない。本発明に関連して、mRNAはDNA鋳型からインビトロ転写によって作製され得る。インビトロ転写の方法は当業者に公知である。例えば、様々なインビトロ転写キットが市販されている。
本発明の1つの実施形態では、RNAは、自己複製RNA、例えば一本鎖自己複製RNAである。1つの実施形態では、自己複製RNAは、プラスセンスの一本鎖RNAである。1つの実施形態では、自己複製RNAは、ウイルスRNAまたはウイルスRNAに由来するRNAである。1つの実施形態では、自己複製RNAは、アルファウイルスゲノムRNAであるかまたはアルファウイルスゲノムRNAに由来する。1つの実施形態では、自己複製RNAはウイルス遺伝子発現ベクターである。1つの実施形態では、ウイルスはセムリキ森林ウイルスである。1つの実施形態では、自己複製RNAは1個以上の導入遺伝子を含み、前記導入遺伝子は、1つの実施形態では、RNAがウイルスRNAである場合、構造タンパク質をコードするウイルス配列などのウイルス配列を部分的または完全に置換し得る。1つの実施形態では、自己複製RNAは、インビトロ転写RNAの形態で細胞に導入される。
本発明によれば、RNAの安定性および翻訳効率は必要に応じて改変し得る。例えば、RNAの安定化作用を有するおよび/または翻訳効率を高める1つ以上の修飾によってRNAを安定化し、その翻訳を増大させ得る。そのような修飾は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT/EP2006/009448号に記載されている。本発明に従って使用されるRNAの発現を増大させるために、コード領域内、すなわち発現されるペプチドまたはタンパク質をコードする配列内で、好ましくは発現されるペプチドまたはタンパク質の配列を変化させずに、GC含量を増大させてmRNAの安定性を高め、コドン最適化を実施し、したがって細胞中での翻訳を増強するようにRNAを修飾し得る。
本発明で使用されるRNAに関連して「修飾」という用語は、前記RNA中に天然では存在しないRNAの任意の修飾を包含する。
本発明の1つの実施形態では、本発明に従って使用されるRNAは、キャップされていない5'−三リン酸を有さない。そのようなキャップされていない5'−三リン酸の除去は、RNAをホスファターゼで処理することによって達成できる。
本発明によるRNAは、その安定性を高めるおよび/または細胞傷害性を低下させるために、修飾されたリボヌクレオチドを有し得る。例えば、1つの実施形態では、本発明に従って使用されるRNA中で、シチジンを5−メチルシチジンで部分的または完全に、好ましくは完全に置換する。あるいはまたは加えて、1つの実施形態では、本発明に従って使用されるRNA中で、ウリジンをプソイドウリジンで部分的または完全に、好ましくは完全に置換する。
1つの実施形態では、「修飾」という用語は、RNAに5'−キャップまたは5'−キャップ類似体を提供することに関する。「5'−キャップ」という用語は、mRNA分子の5'末端に認められるキャップ構造を指し、一般に独特の5'−5'三リン酸結合によってmRNAに連結されたグアノシンヌクレオチドから成る。1つの実施形態では、このグアノシンは7位でメチル化されている。「従来の5'−キャップ」という用語は、天然に存在するRNA 5'−キャップ、好ましくは7−メチルグアノシンキャップ(m7G)を指す。本発明に関連して、「5'−キャップ」という用語は、RNAキャップ構造に類似し、好ましくはインビボおよび/または細胞中で、RNAに結合した場合RNAを安定化するおよび/またはRNAの翻訳を増強する能力を有するように修飾されている5'−キャップ類似体を包含する。
RNAに5'−キャップまたは5'−キャップ類似体を提供することは、前記5'−キャップまたは5'−キャップ類似体の存在下でのDNA鋳型のインビトロ転写によって達成することができ、前記5'−キャップを作製されたRNA鎖に同時転写によって組み込むか、またはRNAを、例えばインビトロ転写によって作製してもよく、キャッピング酵素、例えばワクシニアウイルスのキャッピング酵素を用いて5'−キャップを転写後にRNAに結合し得る。
RNAはさらなる修飾を含み得る。例えば、本発明で使用されるRNAのさらなる修飾は、天然に存在するポリ(A)尾部の伸長もしくは末端切断、または前記RNAのコード領域に関連しない非翻訳領域(UTR)の導入などの5'UTRもしくは3'UTRの改変、例えば、グロビン遺伝子、例えばα2グロビン、α1グロビン、βグロビン、好ましくはβグロビン、より好ましくはヒトβグロビンに由来する3'UTRの1コピー以上、好ましくは2コピーと既存の3'UTRの交換または前記グロビン遺伝子由来の3'UTRの1コピー以上、好ましくは2コピーの挿入であり得る。
マスクされていないポリA配列を有するRNAは、マスクされたポリA配列を有するRNAよりも効率的に翻訳される。「ポリ(A)尾部」または「ポリA配列」という用語は、典型的にはRNA分子の3'末端に位置するアデニル(A)残基の配列に関し、「マスクされていないポリA配列」は、RNA分子の3'末端のポリA配列がポリA配列のAで終了し、ポリA配列の3'末端側、すなわち下流に位置するA以外のヌクレオチドが後続していないことを意味する。さらに、約120塩基対の長いポリA配列は、RNAの最適な転写産物安定性および翻訳効率をもたらす。
それゆえ、本発明に従って使用されるRNAの安定性および/または発現を増大させるために、好ましくは10〜500個、より好ましくは30〜300個、さらにより好ましくは65〜200個、特に100〜150個のアデノシン残基の長さを有するポリA配列と共に存在するようにRNAを修飾し得る。特に好ましい実施形態では、ポリA配列は約120個のアデノシン残基の長さを有する。本発明に従って使用されるRNAの安定性および/または発現をさらに増大させるために、ポリA配列を脱マスク化することができる。
加えて、RNA分子の3'非翻訳領域(UTR)への3'非翻訳領域の組込みは、翻訳効率の上昇をもたらすことができる。そのような3'非翻訳領域の2つ以上を組み込むことによって相乗効果を達成し得る。3'非翻訳領域は、それらが導入されるRNAにとって自己または異種であり得る。1つの特定の実施形態では、3'非翻訳領域はヒトβグロビン遺伝子に由来する。
上述した修飾、すなわちポリA配列の組込み、ポリA配列の脱マスク化および1つ以上の3'非翻訳領域の組込みの組合せは、RNAの安定性および翻訳効率の上昇に相乗的影響を及ぼす。
RNAの「安定性」という用語は、RNAの「半減期」に関する。「半減期」は、分子の活性、量または数の半分を除去するのに必要な期間に関する。本発明に関連して、RNAの半減期は前記RNAの安定性の指標である。RNAの半減期は、RNAの「発現の持続期間」に影響を及ぼし得る。長い半減期を有するRNAは長期間発現されると予測できる。
本発明に関連して「組換え」という用語は、「遺伝子工学を通して作製された」ことを意味する。好ましくは、本発明に関連して組換えRNAなどの「組換え実体」は、天然には存在せず、好ましくは天然では組み合わされない核酸配列などの実体の組合せの結果である。例えば、本発明に関連して組換えRNAは、一緒に融合された異なる核酸に由来するいくつかの核酸配列を含み得る。
本明細書で使用される「天然に存在する」という用語は、ある物体が自然界で見出すことができるという事実を指す。例えば、生物(ウイルスを含む)中に存在し、天然源から単離することができ、実験室内で人の手によって意図的に改変されていないタンパク質または核酸は、天然に存在する。
「発現」という用語は、本発明によればその最も一般的な意味で使用され、例えば転写および/または翻訳による、RNAおよび/またはペプチドもしくはタンパク質の産生を含む。RNAに関して、「発現」または「翻訳」という用語は、特にペプチドまたはタンパク質の産生に関する。また、核酸の部分的発現も含む。さらに、発現は一過性または安定であり得る。
本発明によれば、「RNA発現」、「RNAを発現すること」または「RNAの発現」などの用語は、RNAによってコードされるペプチドまたはタンパク質の産生に関する。好ましくは、そのような用語は、RNAによってコードされるペプチドまたはタンパク質を発現する、すなわち産生するためのRNAの翻訳に関する。
本発明に関連して、「転写」という用語は、DNA配列中の遺伝暗号がRNAに転写される過程に関する。その後、RNAはタンパク質へと翻訳され得る。本発明によれば、「転写」という用語は「インビトロ転写」を含み、ここで「インビトロ転写」という用語は、RNA、特にmRNAが、好ましくは適切な細胞抽出物を使用して、無細胞系でインビトロ合成される過程に関する。好ましくは、転写産物の生成のために転写ベクターなどの適切なDNA鋳型を適用する。転写を制御するためのプロモーターは、任意のRNAポリメラーゼについての任意のプロモーターであり得る。RNAポリメラーゼの特定の例は、T7、T3およびSP6 RNAポリメラーゼである。好ましくは、本発明によるインビトロ転写はT7またはSP6プロモーターによって制御される。インビトロ転写のためのDNA鋳型は、核酸、特にcDNAをクローニングし、それをインビトロ転写のための適切なベクターに導入することによって入手し得る。cDNAはRNAの逆転写によって入手し得る。本発明によれば、本発明で使用されるRNAは、好ましくはインビトロ転写RNA(IVT RNA)である。
本発明による「翻訳」という用語は、メッセンジャーRNAの鎖が、ペプチドまたはタンパク質を作製するようにアミノ酸の配列の構築を指令する、細胞のリボソームにおける過程に関する。
本発明によれば核酸と機能的に連結され得る、発現制御配列または調節配列は、核酸に関して同種または異種であり得る。コード配列と調節配列は、コード配列の転写または翻訳が調節配列の制御下または影響下にあるように共に共有結合されている場合、「機能的に」連結されている。コード配列が機能性タンパク質に翻訳される場合、コード配列と調節配列の機能的連結により、調節配列の誘導は、コード配列の読み枠シフトを引き起こすことなくまたはコード配列が所望のタンパク質もしくはペプチドに翻訳されるのを不可能にすることなく、コード配列の転写をもたらす。
「発現制御配列」または「調節配列」という用語は、本発明によれば、核酸の転写または誘導されたRNAの翻訳を制御する、プロモーター、リボソーム結合配列および他の制御エレメントを含む。本発明の特定の実施形態では、調節配列を制御することができる。調節配列の正確な構造は、種に依存してまたは細胞型に依存して異なり得るが、一般に転写および翻訳の開始に関与する5'非転写配列ならびに5'および3'非翻訳配列、例えばTATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列等を含む。特に、5'非転写調節配列は、機能的に結合した遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列が含まれるプロモーター領域を含む。調節配列はまた、エンハンサー配列または上流活性化配列も含み得る。
本発明によれば、RNAは、好ましくは単一ペプチドまたはタンパク質だけをコードする、単一分子種のRNAであり得る。特定の実施形態では、本発明によるRNAは、異なるRNA分子の集団、例えば場合により異なるペプチドおよび/またはタンパク質をコードする異なるRNA分子の混合物、全細胞RNA、RNAライブラリまたはその一部分、例えば特定の細胞型、例えば未分化細胞、特に胚性幹細胞などの幹細胞において発現されるRNA分子のライブラリ、またはRNA分子のライブラリの画分、例えば分化した細胞に比べて未分化細胞、特に胚性幹細胞などの幹細胞における発現が強化されたRNAを含む。したがって、本発明によれば、「RNA」という用語は、細胞からのRNAの単離を含む過程によっておよび/または組換え手段、特にインビトロ転写によって入手し得る、RNA分子の混合物、全細胞RNAまたはその画分を含み得る。
好ましくは、本発明によれば、細胞に取り込まれたまたは導入されたRNAは、前記細胞において発現される。すなわち、RNAによってコードされる1つ以上のペプチドおよび/またはタンパク質が細胞中で産生される。細胞は、コードされるペプチドまたはタンパク質を細胞内で(例えば細胞質内および/または核内で)発現し得るか、コードされるペプチドまたはタンパク質を分泌し得るか、またはその表面に発現し得る。
本発明によれば、「RNAがコードする」という用語は、RNAが、適切な環境、好ましくは細胞内に存在する場合、翻訳の過程の間にタンパク質またはペプチドを産生するようにアミノ酸の構築を指令できることを意味する。好ましくは、本発明によるRNAは、タンパク質またはペプチドの翻訳を可能にする細胞の翻訳機構と相互作用することができる。
「移入する」、「導入する」または「トランスフェクトする」などの用語は、本明細書では交換可能に使用され、核酸、特に外因性または異種核酸、特にRNAの細胞への組込みまたは取込みに関する。前記用語はまた、核酸、特にRNAの細胞への反復導入も包含し、ここで反復とは、1回より多いこと、例えば2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上を意味する。核酸の前記反復導入の時間間隔は、3日以下、2日以下、24時間以下、さらにはそれ未満であってもよい。
好ましくは、本発明によれば、RNAが導入された細胞は、筋肉などの器官または組織の一部を形成するものであり、本明細書で述べるカニューレまたは注射もしくは注入装置を使用することによってそのRNAが注入される。
本発明によれば、RNAの投与は、裸のRNAとしてまたは投与試薬と組み合わせて達成される。好ましくは、RNAの投与は裸のRNAの形態である。1つの実施形態では、RNAは、RNアーゼ阻害剤などの安定化物質と組み合わせて投与される。
「細胞」という用語は、好ましくは無傷の細胞、すなわち酵素、細胞小器官または遺伝物質などの正常な細胞内成分が放出されていない無傷の膜を有する細胞に関する。無傷の細胞は、好ましくは生存可能細胞、すなわちその正常な代謝機能を実行する能力を有する生細胞である。好ましくは、前記用語は、本発明によれば、外因性核酸で形質転換またはトランスフェクトすることができる任意の細胞に関する。1つの実施形態では、細胞は、筋細胞などの体細胞である。好ましくは、細胞はヒト細胞である。
本発明によれば、例えばRNAと複合体を形成することによってまたはRNAがその中に封入または被包されている小胞を形成することによって、RNAを、RNAを結合することができる任意の担体と結合してもよく、そしてそれは好ましくは裸のRNAと比較してRNAの安定性の増大をもたらす。本発明に従う有用な担体には、例えば脂質含有担体、例えばカチオン性脂質、リポソーム、特にカチオン性リポソーム、およびミセルが含まれる。カチオン性脂質は、負に荷電した核酸と複合体を形成し得る。任意のカチオン性脂質を本発明に従って使用し得る。
本発明の1つの実施形態では、RNAを、RNAに安定化作用を及ぼす少なくとも1つの作用物質と結合する。1つの実施形態では、安定化作用はRNA分解からの保護を含む。1つの実施形態では、前記少なくとも1つの作用物質は、前記RNAと複合体を形成し、かつ/または前記RNAを封入する。1つの実施形態では、前記少なくとも1つの作用物質は、カチオン性化合物、好ましくはポリカチオン性化合物を含む。1つの実施形態では、少なくとも1つの作用物質は、RNA複合脂質、RNA複合ポリマーおよびRNA複合ペプチドまたはタンパク質から成る群より選択される少なくとも1つの作用物質を含む。1つの実施形態では、少なくとも1つの作用物質は、ポリエチレンイミン、プロタミン、ポリ−L−リジン、ポリ−L−アルギニンまたはヒストンから成る群より選択される少なくとも1つの作用物質を含む。1つの実施形態では、少なくとも1つの作用物質は、前記RNAを封入している小胞中に含まれ、ここで前記小胞は、好ましくは多層小胞、単層小胞またはそれらの混合物である。1つの実施形態では、小胞は、リポソーム、好ましくはカチオン性リポソームである。1つの実施形態では、リポソームは、ホスファチジルコリンなどのリン脂質および/またはコレステロールなどのステロールを含む。
本発明によれば、「ペプチド」という用語は、オリゴペプチドおよびポリペプチドを含み、ペプチド結合によって共有結合で連結された2個以上、好ましくは3個以上、好ましくは4個以上、好ましくは6個以上、好ましくは8個以上、好ましくは10個以上、好ましくは13個以上、好ましくは16個以上、好ましくは21個以上、および好ましくは8、10、20、30、40または50個、特に100個までのアミノ酸を含む物質を指す。「タンパク質」という用語は、大きなペプチド、好ましくは100個を超えるアミノ酸残基を有するペプチドを指すが、一般に「ペプチド」と「タンパク質」という用語は同義語であり、本明細書では交換可能に使用される。
「ペプチド」または「タンパク質」という用語は、天然に存在するペプチドまたはタンパク質の「変異体」も包含する。
本発明の目的のために、アミノ酸配列の「変異体」は、アミノ酸挿入変異体、アミノ酸付加変異体、アミノ酸欠失変異体および/またはアミノ酸置換変異体を含む。
アミノ酸挿入変異体は、特定のアミノ酸配列における1個または2個以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入を有するアミノ酸配列変異体の場合、1個以上のアミノ酸残基がアミノ酸配列中の特定の部位に挿入されるが、生じる産物の適切なスクリーニングを伴うランダムな挿入も可能である。
アミノ酸付加変異体は、1個以上のアミノ酸、例えば1、2、3、5、10、20、30または50個以上のアミノ酸のアミノ末端および/またはカルボキシ末端融合物を含む。
アミノ酸欠失変異体は、配列からの1個以上のアミノ酸の除去、例えば1、2、3、5、10、20、30、50個以上のアミノ酸の除去を特徴とする。欠失はタンパク質のいずれの位置においてでもよい。タンパク質のN末端および/またはC末端に欠失を含むアミノ酸欠失変異体は、N末端および/またはC末端切断変異体とも呼ばれる。
アミノ酸置換変異体は、配列内の少なくとも1個の残基が除去され、別の残基がその位置に挿入されていることを特徴とする。修飾が、相同なタンパク質もしくはペプチドの間で保存されていないアミノ酸配列内の位置に存在することおよび/またはアミノ酸を類似の性質を有する他のアミノ酸で置換することが好ましい。好ましくは、タンパク質変異体におけるアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、すなわち同様に荷電したまたは荷電していないアミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、側鎖が関連しているアミノ酸のファミリーの1つの置換を含む。天然に存在するアミノ酸は一般に4つのファミリー:酸性(アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性(リシン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、および非荷電極性(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)アミノ酸に分けられる。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、時として芳香族アミノ酸として一緒に分類される。
本発明によれば、RNAは、好ましくはコードRNA、すなわちペプチドまたはタンパク質をコードするRNAである。本発明によれば、RNAは、好ましくは医薬的に活性なRNAを含むまたは医薬的に活性なRNAから成る。好ましい実施形態では、RNAは、治療的価値がある、すなわち患者において治療上有益な作用を及ぼすペプチドまたはタンパク質をコードする。例えば、前記RNAは、抗原または免疫学的に活性な化合物(抗原をコードしない)をコードし、発現するRNAであり得る。あるいは、RNAは、非コードRNA、例えばアンチセンスRNA、マイクロRNA(miRNA)またはsiRNAであり得る。
「医薬的に活性なRNA」は、医薬的に活性なペプチドもしくはタンパク質をコードするか、またはそれ自体で医薬的に活性である、例えば医薬的に活性なタンパク質について記述されているような1つ以上の医薬的活性を有するRNAである。例えば、RNAは、RNA干渉(RNAi)の1本以上の鎖であり得る。そのような作用物質には、標的転写産物、例えば被験体の内因性疾患関連転写産物の転写産物を標的とする、短い干渉RNA(siRNA)、または短いヘアピンRNA(shRNA)、またはsiRNAの前駆体、またはマイクロRNA様RNAが含まれる。
「医薬的に活性なペプチドまたはタンパク質」は、治療有効量で被験体に投与した場合、被験体の状態または疾患状態にプラスの作用または有益な作用を及ぼす。好ましくは、医薬的に活性なペプチドまたはタンパク質は、治療的または緩和特性を有し、疾患または障害の1つ以上の症状を改善する、軽減する、緩和する、逆転させる、発症を遅延させるまたは重症度を軽減するために投与し得る。医薬的に活性なペプチドまたはタンパク質は、予防特性を有していてもよく、疾患の発症を遅延させるまたはそのような疾患もしくは病的状態の重症度を軽減するために使用し得る。「医薬的に活性なペプチドまたはタンパク質」という用語は、タンパク質またはポリペプチド全体を包含し、その医薬的に活性なフラグメントも表すことができる。この用語はまた、ペプチドまたはタンパク質の医薬的に活性な類似体も包含し得る。「医薬的に活性なペプチドまたはタンパク質」という用語は、抗原であるペプチドおよびタンパク質を包含する、すなわち被験体へのペプチドまたはタンパク質の投与が、治療的であり得るまたは部分的もしくは完全に保護的であり得る免疫応答を被験体において惹起するペプチドおよびタンパク質を包含する。
医薬的に活性なタンパク質の例には、サイトカインおよび免疫系タンパク質、例えば免疫学的に活性な化合物(例えばインターロイキン、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、エリスロポエチン、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロン、インテグリン、アドレシン、セレクチン、ホーミング受容体、T細胞受容体、免疫グロブリン、可溶性主要組織適合遺伝子複合体抗原、免疫学的に活性な抗原、例えば細菌、寄生生物もしくはウイルス抗原、アレルゲン、自己抗原、抗体)、ホルモン(インスリン、甲状腺ホルモン、カテコールアミン、性腺刺激ホルモン、栄養ホルモン、プロラクチン、オキシトシン、ドーパミン、ウシソマトトロピン、レプチン等)、成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン)、増殖因子(例えば上皮増殖因子、神経増殖因子、インスリン様増殖因子等)、増殖因子受容体、酵素(組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、コレステロール生合成性もしくは分解性のステロイド生成酵素、キナーゼ、ホスホジエステラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、デヒドロゲナーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アロマターゼ、シトクロム、アデニル酸もしくはグアニル酸シクラーゼ、ノイラミニダーゼ等)、受容体(ステロイドホルモン受容体、ペプチド受容体)、結合タンパク質(成長ホルモンもしくは増殖因子結合タンパク質等)、転写および翻訳因子、腫瘍増殖抑制タンパク質(例えば血管新生を阻害するタンパク質)、構造タンパク質(例えばコラーゲン、フィブロイン、フィブリノーゲン、エラスチン、チューブリン、アクチンおよびミオシン)、血液タンパク質(トロンビン、血清アルブミン、第VII因子、第VIII因子、インスリン、第IX因子、第X因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、プロテインC、フォンビルブランド因子、アンチトロンビンIII、グルコセレブロシダーゼ、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、または修飾第VIII因子、抗凝固因子等が含まれるが、これらに限定されない。
1つの実施形態では、本発明で使用されるRNAは、免疫原、抗原または抗原ペプチドを含むペプチドまたはタンパク質をコードする。1つの実施形態では、前記ペプチドまたはタンパク質は、発現後にプロセシングされて、前記免疫原、抗原または抗原ペプチドを提供する。別の実施形態では、ペプチドまたはタンパク質自体が免疫原、抗原または抗原ペプチドである。免疫原、抗原または抗原ペプチドを含むそのようなペプチドまたはタンパク質を発現する細胞は、例えば患者において免疫原、抗原または抗原ペプチドに対する免疫応答を惹起するために免疫療法において使用することができる。
「抗原」という用語は、それに対して免疫応答が引き起こされるエピトープを含有する作用物質に関する。「抗原」という用語は、特にタンパク質およびペプチドを含む。「抗原」という用語はまた、(例えば、分子中を中間的に、または体タンパク質によって完全に)形質転換を通してのみ抗原性−および感作性を示す作用物質も包含する。抗原は、好ましくは、樹状細胞またはマクロファージのような抗原提示細胞などの免疫系の細胞によって提示され得る。加えて、抗原またはそのプロセシング産物は、好ましくはTもしくはB細胞受容体によって、または抗体などの免疫グロブリン分子によって認識可能である。好ましい実施形態では、抗原は、疾患関連抗原、例えば腫瘍抗原、ウイルス抗原または細菌抗原である。好ましい実施形態では、抗原は、腫瘍抗原またはその一部分を含む。この実施形態では、本明細書で述べる組成物は、癌または癌転移を治療するのに有用であり得る。
「腫瘍抗原」という用語は、細胞質、細胞表面および細胞核に由来し得る癌細胞の成分を指す。特に、腫瘍細胞の細胞内でまたは腫瘍細胞上に表面抗原として、好ましくは大量に、産生される抗原を指す。腫瘍抗原の例には、HER2、EGFR、VEGF、CAMPATH1抗原、CD22、CA−125、HLA−DR、ホジキンリンパ腫またはムチン1が含まれるが、これらに限定されない。
「ウイルス抗原」という用語は、抗原性を有する、すなわち個体において免疫応答を誘発することができるウイルス成分を指す。ウイルス抗原は、ウイルスリボ核タンパク質またはエンベロープタンパク質であり得る。
「細菌抗原」という用語は、抗原性を有する、すなわち個体において免疫応答を誘発することができる細菌成分を指す。細菌抗原は、細菌の細胞壁または細胞質膜に由来し得る。
「疾患関連抗原」という用語は、その最も広い意味で使用され、疾患に関連するあらゆる抗原を指す。疾患関連抗原は、宿主の免疫系を刺激して、疾患に対する細胞性抗原特異的免疫応答および/または体液性抗体応答を生じさせるエピトープを含有する分子である。疾患関連抗原は、それゆえ、治療目的のために使用し得る。疾患関連抗原は、好ましくは微生物、典型的には微生物抗原による感染に関連するか、または癌、典型的には腫瘍に関連する。
本発明による「抗原の一部分もしくはフラグメント」または「抗原ペプチド」は、好ましくは抗原のフラグメントまたはペプチドのアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列を含むオリゴペプチドまたはポリペプチドである。抗原ペプチドは任意の長さであり得る。
好ましくは、抗原ペプチドは、免疫応答を刺激する能力を有し、好ましくは抗原または細胞に対する細胞応答を刺激する能力を有し、前記細胞は抗原の発現を特徴とし好ましくは抗原の提示を特徴とする。好ましくは、本発明による抗原ペプチドは、MHCクラスIおよび/もしくはクラスII提示ペプチドであるか、またはMHCクラスIおよび/もしくはクラスII提示ペプチドを産生するようにプロセシングされ得る。
「インビボ」という用語は、被験体における状況に関する。
「被験体」および「個体」という用語は交換可能に使用され、哺乳動物に関する。例えば、本発明に関連して哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長動物、家畜、例えばイヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウマ等、実験動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、モルモット等、ならびに飼育動物、例えば動物園の動物である。本明細書で使用される「動物」という用語はヒトも包含する。「被験体」という用語は、患者、すなわち動物、好ましくは疾患を有するヒトも包含し得る。
「疾患」という用語は、個体の身体を侵す異常な状態を指す。疾患はしばしば、特定の症状および徴候に関連する医学的状態と解釈される。疾患は、もともと感染性疾患などの体外源からの因子によって引き起こされ得るか、または自己免疫疾患などの体内の機能不全によって引き起こされ得る。ヒトでは、「疾患」はしばしばより広く使用され、罹患した個人に疼痛、機能不全、窮迫、社会的問題もしくは死亡を引き起こす、または罹患した個人と接触した個人に類似の問題を引き起こすあらゆる状態を指す。このより広い意味では、時として損傷、身体障害、障害、症候群、感染、独立した症状、逸脱行動、ならびに構造および機能の非定型な変化を包含するが、他の状況および他の目的に関しては、これらは区別できるカテゴリーと見なされ得る。疾患を患うことおよび多くの疾患と共に生活することは個人の人生に対する見方および人格を変化させ得るので、疾患は通常、肉体的だけではなく、精神的にも個人に影響を及ぼす。
「抗原に関連する疾患」という用語は、抗原が関与するあらゆる疾患、例えば抗原の存在を特徴とする疾患を指す。抗原に関連する疾患は、感染性疾患、自己免疫疾患、または癌疾患もしくは単に癌であり得る。上述したように、抗原は疾患関連抗原、例えば腫瘍関連抗原、ウイルス抗原または細菌抗原であり得る。
「感染性疾患」という用語は、個体から個体へまたは生物から生物へと伝播され得る、微生物因子(例えば普通の風邪)によって引き起こされるあらゆる疾患を指す。感染性疾患は当分野で公知であり、例えばウイルス性疾患、細菌性疾患または寄生生物性疾患が含まれ、前記疾患はそれぞれウイルス、細菌および寄生生物によって引き起こされる。これに関して、感染性疾患は、例えば肝炎、性感染症(例えばクラミジアまたは淋病)、結核、HIV/後天性免疫不全症候群(AIDS)、ジフテリア、B型肝炎、C型肝炎、コレラ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ、およびインフルエンザであり得る。
「自己免疫疾患」という用語は、身体が自らの組織の何らかの成分に対して免疫原性(すなわち免疫系)応答を生じるあらゆる疾患を指す。言い換えると、免疫系は、体内の何らかの組織または系を自己として認識するその能力を喪失しており、それが異物であるかのごとくに標的とし、攻撃する。自己免疫疾患は、主として1つの器官が侵されるもの(例えば溶血性貧血および自己免疫性甲状腺炎)、および自己免疫疾患の過程が多くの組織を通して拡散するもの(例えば全身性エリテマトーデス)に分類することができる。例えば多発性硬化症は、脳および脊髄の神経線維を取り囲む鞘を攻撃するT細胞によって引き起こされると考えられている。これは、協調の喪失、衰弱および視朦を生じさせる。自己免疫疾患は当分野で公知であり、例えば橋本甲状腺炎、グレーブス病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、セリアック病、クローン病、大腸炎、糖尿病、強皮症、乾癬等が含まれる。
「癌疾患」または「癌」という用語は、典型的には制御されない細胞増殖を特徴とする、個体における生理的状態を指すまたは表す。癌の例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病が含まれるが、これらに限定されない。より特定すると、そのような癌の例には、骨癌、血液癌、肺癌、肝癌、膵癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、子宮癌、性器および生殖器の癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織の肉腫、膀胱癌、腎癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、神経外胚葉癌、脊髄軸腫瘍、神経膠腫、髄膜腫および下垂体腺腫が含まれる。本発明による「癌」という用語は癌転移も含む。
「治療」または「治療的処置」という用語は、個体の健康状態を改善するおよび/または寿命を延長する(増大する)あらゆる治療に関する。前記治療は、個体における疾患を除去し得る、個体における疾患の発生を停止もしくは遅らせ得る、個体における疾患の発生を阻害もしくは遅らせ得る、個体における症状の頻度もしくは重症度を低減し得る、および/または現在疾患を有しているもしくは以前に疾患を有していたことがある個体において再発を低減し得る。
「予防的治療」または「防止的治療」という用語は、個体において疾患の発生を防ぐことを意図したあらゆる治療に関する。「予防的治療」または「防止的治療」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
「保護する」、「防止する」、「予防的」、「防止的」または「保護的」という用語は、個体における疾患、例えば腫瘍の発症および/または伝播の予防および/または治療に関する。例えば、本明細書で述べる医薬組成物を投与することによる、免疫療法の予防的投与は、受容する個体を腫瘍の発生から保護することができる。例えば、本発明の医薬組成物を投与することによる、免疫療法の治療的投与は、疾患の発生を停止させる、例えば腫瘍の進行/成長の阻害をもたらすことができる。これは、好ましくは腫瘍の除去をもたらす、腫瘍の進行/成長の減速、特に疾患の進行の阻止を含む。免疫療法の治療的投与は、個体を、例えば既存の腫瘍の播種または転移から保護し得る。
「免疫療法」という用語は、好ましくは特定の免疫反応および/または免疫エフェクター機能を含む治療に関する。
「免疫」または「ワクチン接種」という用語は、治療的または予防的理由で被験体を治療する過程を表す。
本明細書で述べる医薬組成物は、好ましくは無菌であり、投与するRNAおよび場合により所望の反応または所望の作用を生じさせるためのさらなる作用物質の有効量を含有する。
例えば、本発明の医薬組成物は、1つ以上のアジュバントなどの補足的免疫増強物質と共に投与してもよく、その有効性をさらに高めるために、好ましくは免疫刺激の相乗効果を達成するために1つ以上の免疫増強物質を含有してもよい。「アジュバント」という用語は、免疫応答を延長または増強または促進する化合物に関する。アジュバントの様々なタイプに依存して、様々な機構がこれに関して可能である。例えば、DCの成熟を可能にする化合物、例えばリポ多糖またはCD40リガンドは、適切なアジュバントの最初のクラスを形成する。一般に、「危険シグナル」のタイプの免疫系に影響を及ぼす任意の作用物質(LPS、GP96、dsRNA等)またはGM−CFSなどのサイトカインは、免疫応答が強化されるおよび/または制御された方法で影響を受けることを可能にするアジュバントとして使用できる。CpGオリゴデオキシヌクレオチドも、場合によりこれに関連して使用できるが、上記で説明したように、特定の状況下で起こるその副作用を考慮すべきである。特に好ましいアジュバントは、サイトカイン、例えばモノカイン、リンホカイン、インターロイキンまたはケモカイン、例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、INF−α、INF−γ、GM−CSF、LT−α、または増殖因子、例えばhGHである。さらなる公知のアジュバントは、水酸化アルミニウム、フロイントアジュバントまたはMontanide(登録商標)などのオイル、Montanide(登録商標)ISA51が最も好ましい。Pam3Cysなどのリポペプチドも、本発明の医薬組成物におけるアジュバントとしての使用に適する。
医薬組成物は通常、均一投与形態で提供され、それ自体公知の方法で調製され得る。本発明の医薬組成物は、例えば溶液または懸濁液の形態であり得る。
本発明の医薬組成物は、塩、緩衝物質、防腐剤、担体、希釈剤および/または賦形剤を含有してもよく、それらのすべてが、好ましくは医薬的に許容される。「医薬的に許容される」という用語は、医薬組成物の活性成分の作用と相互作用しない物質の非毒性を指す。
医薬的に許容されない塩は、医薬的に許容される塩を調製するために使用してもよく、本発明に包含される。この種の医薬的に許容される塩は、非限定的に、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸等から調製されるものを含む。医薬的に許容される塩はまた、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩としても調製し得る。
本発明の医薬組成物における使用のための適切な緩衝物質には、塩中の酢酸、塩中のクエン酸、塩中のホウ酸および塩中のリン酸が含まれる。
本発明の医薬組成物における使用のための適切な防腐剤には、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベンおよびチメロサールが含まれる。
注射用製剤は、乳酸リンガー液などの医薬的に許容される賦形剤を含有し得る。
「担体」という用語は、注入を容易にする、増強するまたは可能にするために活性成分と組み合わせる、天然または合成の有機または無機成分を指す。本発明によれば、「担体」という用語はまた、患者への投与に適する、1つ以上の適合性固体または液体充填剤、希釈剤または被包物質も包含する。
非経口投与のための可能な担体物質は、例えば滅菌水、リンガー液、乳酸リンガー液、滅菌塩化ナトリウム溶液、ポリアルキレングリコール、水素化ナフタレンおよび、特に、生体適合性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマーまたはポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーである。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、本発明の医薬組成物中に存在してもよく、および活性成分ではないすべての物質、例えば担体、結合剤、潤滑剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、乳化剤、緩衝剤、着香剤または着色剤などを示すことが意図されている。
本明細書で述べる作用物質および組成物は、任意の従来の経路によって、例えば注射または注入を含む非経口投与によって投与し得る。投与は、好ましくは非経口的であり、特に皮下的、皮内または筋肉内経路、より好ましくは筋肉内経路である。
「注射」という用語は、「注射」および「注入」をカバーする一般名称と理解され得るが、通常は手操作で短期間に実施される、投与の特定の方法としても理解され得る。これに対し、「注入」という用語は、通常は特定の供給装置を用いて、流体が患者に継続的に注入される投与の方法と理解され得る。注射または注入は、中でも特に、皮内、皮下、筋肉内、静脈内、骨内、腹腔内、髄腔内、硬膜外、心臓内、関節内、海綿体内または硝子体内投与によって実施され得ることに留意すべきである。
「筋肉内注射」は、物質の筋肉内への直接の注射である。筋肉内注射はしばしば、上腕の三角筋、脚の外側広筋、ならびに臀部の腹側臀筋および背側臀筋中に与えられる。
非経口投与に適する組成物は通常、活性化合物の滅菌水性または非水性調製物を含有し、前記調製物は、好ましくは受容者の血液と等張である。適合性担体および溶媒の例は、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、通常は滅菌の、固定油が溶液または懸濁媒質として使用される。
本明細書で述べる作用物質および組成物は有効量で投与される。「有効量」は、単独でまたはさらなる用量と共に所望の反応または所望の効果を達成する量を指す。特定の疾患または特定の状態の治療の場合、所望の反応は、好ましくは疾患の進行の阻止に関する。これは、疾患の進行を遅らせることおよび、特に、疾患の進行を遮るまたは逆転させることを含む。疾患または状態の治療における所望の反応はまた、前記疾患または前記状態の発症の遅延または発症の防止であり得る。
本明細書で述べる作用物質または組成物の有効量は、治療される状態、疾患の重症度、患者の年齢、生理的状態、体格および体重を含む患者の個別のパラメータ、治療の期間、併用療法の種類(存在する場合)、特定の投与経路および同様の因子に依存する。したがって、本明細書で述べる作用物質の投与用量はそのような様々なパラメータに依存し得る。患者における反応が初期用量で不十分である場合は、より高用量(または異なる、より限局された投与経路によって達成される効果的により高い用量)を使用し得る。
「カニューレ」という用語は、流体を受け取るためのおよび、患者の標的組織などの標的領域に流体を供給するための内腔を含む、任意の管または管状要素または細長い要素または円筒状要素、例えば中空針または柔軟な管またはホース要素を包含する。カニューレは、特に医療注入に適する任意の材料で提供され得る。
「流体」という用語は、液体形態である組成物を意味する。好ましくは、この用語は、1つ以上の賦形剤と共に、1つ以上の薬剤、特にRNAを含有する液体医薬組成物に関する。
「標的組織」という用語は、流体で治療することを意図される、患者の器官または組織の一部を表す。「標的組織のあらかじめ定められた領域」という用語は、流体で覆うべき標的組織の一部を表す。本発明は、特にヒトまたは動物の筋組織の治療を対象とするが、本発明はまた、任意の他の種類の組織と関連してまたは体腔のような任意の種類の腔に関連して適用できる。
図面は必ずしも正確な縮尺ではない。特定の場合には、実施形態の理解に必要ではない詳細または他の詳細の理解を困難にする詳細は、省略されていることがある。
同じまたは等しく作用する部材は同じ参照記号で提供される。
図1は、本発明の実施形態による、注射または注入装置100、特に注射装置、すなわち注射器装置の概略側面図を示す。装置100は、流体800をカニューレ300に、すなわちカニューレ300の内腔302に供給するための供給装置400を含む。供給装置400は、管状または円筒状要素401およびピストン棒403によって管状要素401内で密封状態にてスライド可能なピストン要素402を含む。ピストン棒403は、管状要素401の近位端405から突き出ており、したがって、ピストン棒を動かして流体をカニューレ300に供給することを可能にする。ピストン要素402およびピストン棒403だけが完全に図示されており、そのため実際には見えていない部分については点線を使用している。
注射装置100は、管状要素401に取り付けられたカニューレ300をさらに含み、管状要素401の遠位端404はカニューレ300の近位端312と連結されている。
カニューレ300は、管状要素401、すなわち供給装置400から流体800を受け取るための内腔302を画成する側壁301を含む。図面からわかるように、側壁301は、患者の標的組織700に流体800を供給するための複数の開口部303を含み、各々の開口部304はカニューレ300の内腔302と流体連通している。
従来のカニューレ30(図3参照)は、カニューレ30の先端部37に形成された開口部36を通して流体を標的組織に供給するように構成されている。したがって、流体は、組織内に流体の単に1つの貯蔵所81を形成するように、先端部37を取り囲むまたは先端部に隣接する組織に注入される。貯蔵所81は、流体、例えば薬剤の活性物質を、標的組織のあらかじめ定められた領域内に分布させるための出発点である。上記で既に示したように、このようにして形成された貯蔵所は、ほとんどの場合、流体があらかじめ定められた領域の周辺部までの距離を克服することができないので、標的組織のあらかじめ定められた領域を流体、すなわち活性物質で覆うのに十分ではない。
本発明に従うカニューレ300中の多数の開口部303により、流体800は、筋肉などの標的組織700内の広域に注入可能であり、それにより1つの貯蔵所内だけに流体が蓄積するのを回避する。すなわち、複数の開口部303は、単に1つの大きな貯蔵所を形成する代わりに、標的組織700のあらかじめ定められた領域701内に流体800の複数のより小さな貯蔵所801を形成することを可能にする。流体、したがって活性物質はあらかじめ定められた領域701の周辺部までもカバーし得るので、流体、特に薬剤の効果はそれゆえ増大し得る。言い換えると、複数の貯蔵所801は、流体800、例えば薬剤の活性物質を標的組織700内に分布させるための複数の出発点を形成する。
図2は、患者の標的組織700中に位置する、本発明の実施形態によるカニューレ300の一部を示す。図3は、同じく患者の標的組織700中に位置する、従来のカニューレ30の一部を示す。図2中の矢印(図1および4〜8も参照のこと)は、複数の開口部303を通した、カニューレ300の内腔302内の流体800の標的組織700への供給を示し、それにより標的組織700の広域に複数の貯蔵所801が形成される。図3からわかるように、カニューレ30の先端部37におけるカニューレ30の単一開口部により、1つの貯蔵所81だけが、カニューレの先端部に近い、標的組織中に形成される。単一貯蔵所81は、標的組織のあらかじめ定められた領域内に流体を一様にまたは均一に分布させることができない。
図4は、本発明の実施形態による、注射または注入装置200、特に注入装置の概略側面図を示す。注入装置200は、流体800をカニューレ300に、すなわちカニューレ300の内腔302に供給するための供給装置500を含む留置または永久カテーテル装置として提供される。供給装置500は、連結管またはホース501および患者の標的組織に供給される流体を含有するリザーバー504を含み、連結管またはホース501は、リザーバー504をカニューレ300に連結するように構成される。リザーバー504は、例えば注入バッグとして提供される。
カニューレ300は、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミドまたはシリコーンなどの可撓性材料で形成され、好ましくは誘導マンドレルまたは誘導針(図示せず)を受け入れるように構成される。マンドレルは、カニューレ300を標的組織700内に、例えば静脈内に置くためおよびカニューレ300の可撓性を相殺するために必要であり得る。また剛性カニューレも注入装置に使用し得る。
カニューレ300は連結管501に取り付けられ、連結管の遠位端502はカニューレ300の近位端312と連結される。連結管501の近位端503はリザーバー504と連結される。
図面からわかるように、カニューレ300は、リザーバー504から流体800を受け取るための内腔302(例えば図7参照)を画成する側壁301または外側面を含む。図1に関して述べた実施形態と同様に、側壁301は、流体800を患者の標的組織700に供給するための複数の開口部303を含み、各々の開口部304は、カニューレ300の内腔302と流体連通している。
注射または注入装置100、200のカニューレ300および供給装置400、500は、一体型部材、すなわち1つのピースとして提供され得るか、または前記部材それぞれは、連結装置600を用いて、例えばカニューレ300に設けられるメス型要素もしくは部材601、および供給装置400、500に設けられるオス型要素もしくは部材602、またはその逆に設けられた要素を用いて連結可能または取り付け可能である単一要素として提供され得る。注射または注入装置の部材は、使い捨て要素もしくは部材として提供され得るかまたは再利用可能であるように構成される。
図1の実施形態に関して既に述べたように、複数の開口部303は、流体を標的組織700内の広域に注入することを可能にし、それにより流体が1つの貯蔵所内だけに蓄積するのを回避する。
図5から図8は、カニューレ300のいくつかの実施形態を示す。図5のカニューレは、カニューレの伸長方向に沿って、すなわち縦軸313に沿って、カニューレ300の近位端312から遠位端311まで延在する開口部の複数の列305を含む。外側面または側壁301をできる限り利用するために、すなわちできるだけ多くの開口部を提供するために、列305は互いにオフセットして延在する。図6は、カニューレ300の伸長方向313に関して、開口部が側壁301上の同じ高さに提供されている列305を図示する。
複数の開口部303のらせん状配置を図7に示す。図8は、複数の開口部303を形成する格子状構造を示す。開口部は、円形、楕円形および/またはスリット状構造を含み得る。カニューレ300は、異なる形状の開口部も含み得る。
図5および8に示すカニューレ300は、カニューレ300を所望標的組織700内に置くために患者の組織を貫通するように構成された先端部307を含む。すなわち、カニューレは組織貫通先端部307を含む。図7は、丸くなった遠位端、すなわちボタン状先端部308を有するボタンカニューレを示す。そのようなカニューレは、例えば既存のチャネルもしくは開口部内で、またはカニューレを標的組織に誘導するカテーテルと共に使用し得る。先端部は、付加的な開口部306、例えば図2または5参照、を含み得るか、または閉じられていてもよい。先端部の付加的な開口部は、図2または5に矢印で示されている。図4のカニューレは、組織貫通先端部を含む誘導マンドレル(図示せず)がカニューレを標的組織内に置くことを可能にするので、平らな先端部309を備える。平らな先端部は、標的組織の望ましくない貫通が偶発的に起こらないことを保証する。
図6のカニューレ300は、コーティング310、例えば防腐薬および/または血液忌避薬および/または、中でも特に、組織内でのカニューレ300のスライド特性を改善するための物質を含む。
開口部から離れる方向を指す矢印は、組織への流体の供給を示す。明瞭さを高める目的で、必ずしもすべての開口部に、対応する矢印が与えられているわけではないが、すべての開口部は流体を組織に供給するために使用される。
記載されているカニューレは、任意の種類の注射または注入装置と共に、特に医療および獣医学分野において使用し得る。しかしながら、カニューレは、実験室領域などの他の分野においても使用し得る。
例1:筋肉当たり4回の注射後のlacZ−GFP−lucレプリコンRNAの分布
lacZ−GFP−lucレプリコンRNA(PBS 20μl中10μg)をbalb/cマウスの右後脛骨筋に連続的に注射(4回)した後4日目に、筋組織を調製し、直ちに瞬間凍結した。β−ガラクトシダーゼ陽性細胞の判定のために、Leicaクライオトーム(Leica,CM1950)を使用して新鮮凍結組織の厚さ12μmの横断切片を切り出した。β−ガラクトシダーゼを発現する細胞を、β−Gal Staining Kit(Life Technologies)の製造者のプロトコルに従って検出した。簡単に述べると、切片をスライドガラス上に固定し、β−Gal Staining溶液中37℃で90分間インキュベートした。LacZ発現細胞により、β−ガラクトシドの加水分解が触媒され、青色生成物が生成されることは、それぞれの筋細胞の貫通が成功したことを示す。染色手順に続いて、ヘマトキシリン(Hamalaunlosung sauer nach Mayer(Carl Roth))で2分間対比染色し、水道水中で5分間青色に発色させ、その後上昇アルコール列および最後にキシロールを用いて脱水し、X−TRA KITT(Medite)で取り付けた。AxioImagerM2(Zeiss)またはAxio Scan(Zeiss)のいずれかを使用して分析と記録作成を実施した。図9の結果は、各注射につき8mmおよび31Gゲージの針を有する従来の(出口1つ)インスリン注射器を使用して、単一の筋細胞だけが標識付けられることを示す。
100 注射または注入装置:注射装置、注射器装置
200 注射または注入装置:注入装置
300 カニューレ
301 側壁、外側面
302 内腔
303 複数の開口部
304 開口部
305 開口部の列
306 先端部の開口部
307 組織貫通先端部
308 ボタン型先端部
309 平らな先端部
310 コーティング
311 カニューレの遠位端
312 カニューレの近位端
313 縦軸、伸長方向
400、500 供給装置
401 管状要素、円筒状要素
402 ピストン要素
403 ピストン棒
404 管状要素の遠位端
405 管状要素の近位端
501 連結管またはホース
502 連結管の遠位端
503 連結管の近位端
504 リザーバー
600 連結装置
601 メス型要素、連結要素
602 オス型要素
700 標的組織
701 標的組織のあらかじめ定められた領域
800 流体
801 貯蔵所
30 従来のカニューレ
36 先端部の開口部
37 先端部
81 貯蔵所

Claims (29)

  1. 遠位端(311)および近位端(312)を備えるカニューレ(300)であって、
    供給装置(400、500)から流体(800)を受け取るための内腔(302)を画成する側壁(301)を含み、
    前記側壁(301)が、前記流体(800)を患者の標的組織(700)に供給するための複数の開口部(303)を含み、ここで各々の開口部(304)が、前記カニューレ(300)の前記内腔(302)と流体連通している、カニューレ。
  2. 前記カニューレ(300)が注射または注入カニューレである、請求項1に記載のカニューレ。
  3. 前記カニューレ(300)が、前記遠位端(311)に組織貫通先端部(307)を備える、請求項1または請求項2に記載のカニューレ。
  4. 前記カニューレ(300)が、前記遠位端(311)にボタン型先端部(308)を備えるボタン型カニューレである、請求項1から3のいずれか一項、特に請求項1または請求項2に記載のカニューレ。
  5. 前記複数の開口部(303)が、前記側壁(301)上に均一に分布するおよび/または前記側壁(301)全体を覆う、請求項1から4のいずれか一項に記載のカニューレ。
  6. 前記複数の開口部(303)が、前記カニューレ(300)の縦軸(313)に沿って前記カニューレ(300)の前記近位端(312)から前記遠位端(311)まで延在する少なくとも1つの列(305)を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載のカニューレ。
  7. 前記開口部が複数の列を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のカニューレ。
  8. 前記1つ以上の列(305)が、前記カニューレ(300)の前記近位端(312)から前記遠位端(311)までらせん状に延在する、請求項1から7のいずれか一項に記載のカニューレ。
  9. 前記開口部が、円形、楕円形および/またはスリット状構造を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のカニューレ。
  10. 前記側壁(301)が、格子状構造の前記開口部を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のカニューレ。
  11. 前記組織貫通先端部(307)および/または前記ボタン型先端部(308)が、先端部開口部(306)を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のカニューレ。
  12. 前記カニューレ(300)が、注射または注入装置(100、200)の前記供給装置(400、500)に取り付けられているまたは取り付け可能であるように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のカニューレ。
  13. 前記カニューレ(300)が、前記カニューレ(300)を前記供給装置に取り付けるための、連結要素(601)、好ましくは漏斗状連結要素を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のカニューレ。
  14. 前記カニューレ(300)の長さが、10〜120mmの範囲内、好ましくは40、50、60、70または80mmである、請求項1から13のいずれか一項に記載のカニューレ。
  15. 前記カニューレ(300)の直径が、0.5〜1.2mmの範囲内、好ましくは0.6、0.9または1.0mmである、請求項1から14のいずれか一項に記載のカニューレ。
  16. 前記カニューレ(300)の材料が、ステンレス鋼、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミドまたはシリコーンである、請求項1から15のいずれか一項に記載のカニューレ。
  17. 前記カニューレ(300)が、ヒドロゲルおよび/または薬剤でコーティング(310)されている、請求項1から16のいずれか一項に記載のカニューレ。
  18. 前記カニューレ(300)が、誘導マンドレルまたは誘導針を受け入れるように構成されている、請求項1から17のいずれか一項に記載のカニューレ。
  19. 前記カニューレ(300)が使い捨て部材として形成されている、請求項1から18のいずれか一項に記載のカニューレ。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載のカニューレ(300)および、
    前記流体(800)を前記カニューレ(300)に供給するための供給装置(400、500)を備えており、
    前記カニューレ(300)が前記供給装置(400、500)に取り付けられているまたは取り付け可能であるように構成されている、注射または注入装置(100、200)。
  21. 前記供給装置(400)が、
    遠位端(404)および近位端(405)を含む管状または円筒状要素(401)であって、患者の標的組織(700)に供給される前記流体(800)を受け取るための管状または円筒状要素(401)および、
    前記管状または円筒状要素(401)内で密封状態にてスライド可能なピストン要素(402)、ならびに
    前記管状または円筒状要素(401)内で前記ピストン要素(402)を動かすためのピストン棒(403)
    を備える、請求項20に記載の注射または注入装置。
  22. 前記供給装置(500)が、
    前記患者の標的組織(700)に供給される前記流体(800)を含有するリザーバー(504)、および
    前記リザーバー(504)を前記カニューレ(300)に連結するための連結管またはホース(501)
    を有する、請求項20に記載の注射または注入装置。
  23. 前記カニューレ(300)が、連結装置(600)によって前記供給装置(400、500)に取り付けられているまたは取り付け可能であるように構成されている、請求項20から22のいずれか一項に記載の注射または注入装置。
  24. 前記供給装置(400、500)および前記カニューレ(500)が一体型部材または1つのピースとして形成されている、請求項20から23のいずれか一項に記載の注射または注入装置。
  25. 前記流体がRNAを含有する医薬組成物である、請求項1から19のいずれか一項に記載のカニューレまたは請求項20から24のいずれか一項に記載の注射もしくは注入装置。
  26. 被験体の細胞にRNAを送達する方法であって、請求項1から19または25のいずれか一項に記載のカニューレまたは請求項20から25のいずれか一項に記載の注射もしくは注入装置を使用して、前記RNAを含有する流体を前記被験体に投与することを含む方法。
  27. 標的器官または組織の細胞においてRNAを発現させる方法であって、請求項1から19または25のいずれか一項に記載のカニューレまたは請求項20から25のいずれか一項に記載の注射もしくは注入装置を使用して、前記RNAを含有する流体を前記標的器官または組織に導入することを含む方法。
  28. ひとたび前記標的器官または組織に導入された前記RNAが、前記標的器官または組織の細胞によって取り込まれる、請求項27に記載の方法。
  29. 患者の疾患を治療するまたは予防する方法であって、請求項1から19または25のいずれか一項に記載のカニューレまたは請求項20から25のいずれか一項に記載の注射もしくは注入装置を使用して、RNAを含有する流体を前記患者に投与することを含む方法。
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