JP2017517650A - 向上された嵩及び捲縮テークアップを有する機械捲縮繊維トウ - Google Patents
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Abstract
改善された繊維トウ及びそれを形成するためのプロセスが開示される。繊維トウは、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含む繊維トウについては、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有する繊維を含む繊維トウについては、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。【選択図】図1
Description
本開示は、機械捲縮繊維トウを対象とし、より具体的には、向上された嵩及び捲縮テークアップ(CTU)を有する機械捲縮繊維トウを対象とする。
繊維トウは、ステープルファイバーに切り分けられることができ、例えば寝具製品、家具、及びぬいぐるみの詰め物等の、多くの不織製品を作製するためにしばしば用いられる。いくつかの繊維トウは、切断されないままで枕、羽毛布団、及び寝袋等の物品を充填するために用いられる延伸可能なトウへと加工される。繊維トウ及びステープルファイバーの開繊は、物品を充填するために用いられる場合、高ロフト不織布または繊維充填材と呼ばれることが多い。繊維トウは、製品の内側領域の空間を充填し、圧縮支持及びロフトを与える。より高い圧縮支持及びロフトを有する繊維トウが望ましいが、これは、より少ない材料を製品に用い、それによって製品コスト及び環境フットプリントを低くすることができるためである。圧縮支持及びロフトを向上させるための1つの方法は、繊維トウを捲縮することである。捲縮形状を保持することは、圧縮支持及びロフトを向上させるために重要であることは、当技術分野において既知である。
不織製品内には、概ね3つの一次捲縮形状、すなわち(1)機械捲縮(すなわち、鋸歯状捲縮)、(2)螺旋状接合体、及び(3)オメガ接合体(すなわち、非対称またはジェットクエンチ)がある。捲縮特性は、一次捲縮頻度計測値、捲縮指数(例えば、捲縮テークアップ(CTU))、及び嵩計測値によって計測することができる。より高い捲縮頻度及びCTU値は、より高い圧縮支持及びロフトを示す。歴史的に、接合体形状は、機械捲縮形状よりも高い嵩及び捲縮テークアップ(CTU)値を与える。
しかしながら、接合体形状を製造することの問題の1つは、これらを低いデニール/フィラメント(dpf)値で製造することが非常に困難であることである。一方、機械捲縮形状は、低いdpf値を有する繊維により大幅に低下した処理的困難を経験する。低いdpf値を有する繊維が、それらの美的及び性能的特性に起因して、顧客にとってより魅力的になってきているため、より高い嵩及びCTU値に、dpfがより低い繊維を与えることが望ましい。加えて、機械捲縮形状を用いて、接合体形状のものに近い嵩及びCTU値を与え、それによってすべてのdpf値の繊維が、繊維トウに用いられることを可能にすることが望ましく、このことは、製造コスト及び環境フットプリントを低くすることにつながる。
本開示の繊維トウは、上述の課題の1つ以上及び/または従来技術の他の課題を解消することを対象とする。本明細書で用いられる場合、「繊維トウ」は、テクスチャード加工がされた繊維の連続した束を意味する。
第1の態様では、本開示は、繊維トウを対象とする。本繊維トウは、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。各繊維は、約5超の平均デニール/フィラメントを有し得る。複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有し得る。
第2の態様では、本開示は、繊維トウを対象とする。本繊維トウは、歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。各繊維は、約5未満の平均デニール/フィラメントを有し得る。複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有し得る。
第3の態様では、本開示は、複数の繊維トウを含む製品を対象とする。本繊維トウは、歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含む物品について、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを含む繊維を含む物品について、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第4の態様では、本開示は、枕を対象とする。枕は、複数の繊維トウを含み得る。繊維トウは、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含む枕については、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有する繊維を含む枕については、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第5の態様では、本開示は、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含むステープルファイバー束を対象とする。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含むステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有する繊維を含むステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第6の態様では、本開示は、複数のステープルファイバー束を含む製品を対象とする。ステープルファイバー束は、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含むステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有するステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第7の態様では、本開示は、枕を対象とする。枕は、複数のステープルファイバー束を含み得る。ステープルファイバー束は、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含むステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有するステープルファイバー束については、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第8の態様では、本開示は、複数の繊維トウを含む詰め物を対象とする。本繊維トウは、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含み得る。約5超のデニール/フィラメントを有する繊維を含む詰め物については、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。約5未満のデニール/フィラメントを有する詰め物については、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。
第9の態様では、本開示は、複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウを形成するためのプロセスを対象とする。本プロセスは、複数の実質的に非捲縮の繊維を含む繊維トウを、スタッファボックスに向かって搬送することと、繊維トウに、鋸歯状の捲縮形状の一次機械捲縮を与えることとを含み得る。本プロセスは、実質的にコンパクトな形態の複数の実質的に捲縮の繊維を含む繊維トウを、直ちに緩和オーブン内に搬送することをさらに含み得る。本プロセスは、緩和オーブンを介して繊維トウを加熱して、繊維トウを結晶化させて収縮させることをさらに含み得る。
図1は、繊維トウを機械捲縮するためのシステム10を図示する。開示された繊維トウは、約10,000デニール〜約7百万デニールのデニール範囲を有し得る。ある特定の実施形態では、開示された繊維トウは、約50,000デニール〜約7百万デニール、約100,000デニール〜約6百万デニール、約200,000デニール〜約5百万デニール、約200,000デニール〜約3百万デニール、約200,000デニール〜約2百万デニール、約200,000デニール〜約1.5百万デニール、及び約1百万デニール〜約3百万デニールのデニール範囲を有することができる。開示された繊維トウは、約0.5インチ〜約50インチに及ぶ幅を有し得る。ある特定の実施形態では、繊維トウの幅は、約1〜約34インチに及ぶ。ある特定の実施形態では、繊維トウの幅は、約0.5インチ〜約24インチ、約0.5インチ〜約18インチ、約0.5インチ〜約12インチ、約1インチ〜約6インチ、約2インチ〜約24インチ、約2インチ〜約18インチ、約2インチ〜約12インチ、約2インチ〜約6インチ、約3インチ〜約24インチ、約3インチ〜約18インチ、約3インチ〜約12インチ、及び約3インチ〜約8インチに及ぶ。製品において、繊維トウは、切断されていない形態または切断された形態で利用されてもよい。
システム10は、捲縮ホイール12、スタッファボックス14、及びコンベヤベルト16を含み得る。捲縮ホイール12は、スタッファボックス14の上流に位置してもよく、コンベヤベルト16は、実質的長手方向軸に沿って、捲縮ホイール12とスタッファボックス14との間で繊維トウ18を搬送するように構成され得る。システム10は、広範囲のデニール/フィラメント(dpf)値を有する複数の繊維を有する繊維トウ18とともに用いられ得る。一実施形態では、システム10は、約0.5〜40dpfのdpf値を有する繊維とともに用いられ得る。
捲縮ホイール12は、実質的に非捲縮の繊維トウ18、例えば新たに引き出された繊維トウに、1つ以上の機械捲縮形状を与えるように構成され得る。例えば、捲縮ホイール12は、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮20を与え得る。非限定的な実施形態では、鋸歯状の捲縮の形状は先鋭であってもよく、またはそれらはより丸みを帯びていてもよい。いくつかの実施形態では、一次捲縮20は、約1捲縮/インチ〜約20捲縮/インチに及ぶ捲縮頻度を有し得る。繊維トウ18は、図1に示されるように、実質的矩形体を有し得ることが意図されるが、しかしながら、任意の他の形状を所望のように用いてもよい。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、約6〜約20dpfに及ぶdpf値を有していてもよく、4〜9捲縮/インチに及ぶ値を有していてもよい。他の実施形態では、複数の繊維は、約0.8〜約2dpfに及ぶdpf値を有していてもよく、6〜14捲縮/インチに及ぶ値を有していてもよい。
スタッファボックス14は、捲縮ホイール12を出た後に繊維トウ18を受け、繊維トウ18に1つ以上の付加的な捲縮形状を与えるように構成され得る。例えば、スタッファボックス14の物理的境界と、スタッファボックスフラップ24に付与された圧力とに起因して、スタッファボックス14は、鋸歯状の形状をさらに有する繊維トウ18に、二次捲縮22を与え得る。いくつかの実施形態では、二次捲縮22は、約2捲縮/インチ〜約20捲縮/インチに及ぶ、例えば約2捲縮/インチ〜約10捲縮/インチの、及び約4捲縮/インチ〜約8捲縮/インチの捲縮頻度を有していてもよい。一実施形態では、一次捲縮20対二次捲縮22の比は、約20:1〜2:7、例えば5:1〜5:7に及んでもよく、また1:1でもよい。
一次及び二次捲縮20、22の捲縮頻度は、それぞれの捲縮の保持を示し、結果として、繊維トウ18の嵩(すなわち、弾力性)及び/または捲縮指数(例えば、捲縮テークアップ(CTU))がより高くなり得る。繊維トウ18の嵩及びCTUは、不織製品、特に高ロフトの不織製品において有用であり得る。複数のパラメータが、一次及び二次捲縮20、22の付与に寄与する場合があり、例えば、繊維配向、捲縮ホイール12に進入する繊維トウ18の温度、スタッファボックス14内部にある間の熱量、スタッファボックスフラップ24から繊維トウ18に与えられる圧力量、及びどのようにして繊維トウ18がスタッファボックス14の後に取り扱われるかを含む。
図2に示されるように、典型的な従来技術のシステムは、繊維トウ18を加熱する前に、捲縮された繊維トウ18を第2のコンベヤベルトまで下降させ得る。これらのシステムでの降下は、約1〜約6フィートに及ぶことができる。図2に示されるように、繊維トウ18は、重力に少なくとも起因して、コンベヤベルト16からさらに先に落下するに従って、その捲縮形状をより一層失う。繊維トウ18が下降距離を一度のみ下降すると、繊維トウ18は、加熱のために緩和オーブン内に供給される。しかしながら、この時点で、繊維トウ18が伸びて捲縮形状を大幅に失い、それによって、繊維トウ18の嵩及びCTU値が低下する。また、繊維トウ18は、いったんスタッファボックス14を出ると冷却し始め、かついくつかの用途では、より高い下降距離によって、繊維トウ18が大幅に捲縮形状及びCTUを失う可能性がある。いかなる特定の理論にも縛られることなく、繊維がポリマーのガラス転移温度を上回る場合には、捲縮形状及びCTUの喪失が大きくなることが考えられる。
本開示の特定の実施形態では、図3に示されるように、システム10は、繊維トウ18を、スタッファボックス14を出た後に実質的にコンパクトな形態で搬送し、続いて繊維トウ18を緩和オーブン26内に搬送することができる。本明細書で用いられる場合、用語「実質的にコンパクトな形態(substantially compact form)」は、スタッファボックス14の脱出から、緩和オーブンベルト上に繊維トウを置くまでの二次捲縮22のノード間距離を25%以内に維持することを意味する。従来技術において周知であるように、ノード間(またはピーク間)距離を計測して、繊維トウにおける捲縮の分離を判定することができる。図1に見られるように、二次捲縮22に対するノード間距離は、値Yによって表される。式1は、ノード間距離の変化の算出方法を示す。Y後は、繊維トウが緩和オーブンベルトに到達したときのノード間距離を表す。Y開始は、繊維トウがスタッファボックス14を出たときのノード間距離を表す。表2に示された本発明の試料のノード間距離の変化パーセントは、1%未満であることが分かった。いかなる特定の理論にも縛られることなく、25%超の値は、繊維トウ18のCTU及び嵩を低減させ、一方で50%超の値は、CTU及び嵩保持を大幅に低減させることが考えられる。
実質的にコンパクトな形態の繊維トウは、一次及び二次捲縮20、22が、開繊し、及び/または伸びることを防止し得る。一実施形態では、システム10は、スタッファボックス14を出た後、繊維トウ18を実質的長手方向軸に沿って搬送し、続いて繊維トウ18を緩和オーブン26内に直ちに搬送することができる。本明細書で用いられる場合、用語「実質的長手方向軸(substantially longitudinal axis)」は、約±10%以内のスタッファボックス14の長手方向軸を意味する。別の実施形態では、システム10は、スタッファボックス14を出た後、繊維トウ18をスタッファボックス14の実質的直交軸に搬送することができる。さらに別の実施形態では、システム10は、繊維トウ18を支持して一次及び二次捲縮20、22を保護するための装置を含み得る。支持は、一次及び二次捲縮20、22への重力の影響を抑制し得る。
いくつかの実施形態では、緩和オーブン26に入る前に、繊維トウ18は、繊維トウ18と関連する繊維のガラス転移温度を下回るまで冷却されてもよい。例えば、繊維トウ18は、周囲空気及び/または当技術分野において周知である任意の冷却装置によって、所望のように冷却されてもよい。いくつかの実施形態では、タッファボックス14と緩和オーブン26との間の距離は、冷却量に寄与し得る。具体的には、スタッファボックス14と緩和オーブン26との間のさらなる距離は、結果として繊維トウ18をさらに冷却し得るが、これは繊維トウ18がより長い期間にわたって周囲空気にさらすことができるためである。ある特定の実施形態では、繊維のガラス転移温度は、約40℃〜約80℃であってもよく、特定の実施形態では、ガラス転移温度は、約60℃〜約70℃、例えば約65℃に及ぶ。
いったん緩和オーブン26内部で、繊維トウ18は、約80F℃〜約190℃に及ぶ温度に加熱させることができる。本開示のある特定の実施形態では、繊維トウ18は、約170℃の温度に加熱させることができる。緩和オーブン26内部では、繊維トウ18は、結晶化して、約5〜30%収縮することができる。しかしながら、図2に示された従来技術のシステムとは対照的に、本開示の繊維トウ18は、捲縮形状を大幅に失うことなく、コンパクトな形態に保たれ得る。結果として、繊維トウ18は、より高い嵩及びCTU値を達成し、それによって、結果として圧縮支持及びロフトをより高くし得る。ある特定の実施形態では、緩和オーブン26を出た後であるが切断前に、繊維トウ18を、繊維トウ18と関連する繊維のガラス転移温度を下回るまで冷却してもよい。
本発明の非限定的な一態様では、複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウを形成するためのプロセスが開示される。本プロセスは、a)複数の実質的に非捲縮の繊維を含む繊維トウを、スタッファボックスに向かって搬送することと、b)繊維トウに、鋸歯状の捲縮形状の一次機械捲縮を与えることと、c)実質的に圧縮された形態の複数の実質的に捲縮の繊維を含む繊維トウを、直ちに緩和オーブン内に搬送することと、d)緩和オーブンを介して繊維トウを加熱して、繊維トウを結晶化させて収縮させることとを含む。非限定的な一実施形態では、本プロセスは、緩和オーブンを出る繊維トウを、繊維トウのガラス転移温度を下回る温度まで冷却することさらに含む。別の非限定的な実施形態では、形成された繊維トウの平均捲縮テークアップは、ステップ(c)を受けていない繊維トウの平均捲縮テークアップよりも少なくとも40%高い。
図4a〜cは、図1のプロセスの異なる段階における繊維トウ18を図示する。具体的には、図4aは、スタッファボックス14を出た後、緩和オーブン26に入る前の繊維トウ18を描写する。図4aに示されるように、この段階において、図4aは、その最もコンパクトな形態である(すなわち、最も高い嵩及びCTU値を有する)。図4bは、緩和オーブン26を出た後、結晶化及び収縮が始められた後の繊維トウ18の本開示に記載の例を描写する。図4bに示されるように、この段階において、繊維トウ18の二次捲縮22間では実質的に低い分離があり、そのため、嵩及びCTUのほとんどが、開示された実施形態で保持される。対照的に、図4cは、従来技術のシステムを用いた場合に、緩和オーブンを出た後の繊維トウ18の例を描写し、ここで、オーブンベルトへの繊維トウの搬送及び降下を通して、緩和されていない繊維トウの開繊が生じている。図4cに示されるように、繊維トウ18の二次捲縮22間での分離は、図4bに示される繊維トウ18よりも実質的に高い。
このように、本開示は、スタッファボックス14を出た後かつ緩和オーブン26に入る前に繊維トウ18を取り扱って、嵩及びCTU値を実質的に向上させる方法を提供する。加えて、本プロセスが機械捲縮を伴うため、広範なdpf値及び断面を有する繊維を用い得る。結果として、開示されたプロセスは、開示された繊維トウを用いて製品の圧縮支持及びロフトを増大させ、それによって用いられる材料の量及び生産コストを低減させ得る。
本開示の繊維トウは、当技術分野において周知であるポリマーを形成する繊維による繊維を含むことができる。非限定的な一実施形態では、繊維は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、及びそれらの組み合わせから選択されたポリマーから作製することができる。そのような繊維の非限定的な例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸(PLA)及びその混合物または共重合体を含むポリエステルから作製され得る繊維を含む。一実施形態では、繊維は、ポリエチレンテレフタレートで作製されてもよい。他の実施形態では、繊維は、ナイロン5、6、ナイロン6/6、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロンDT、ナイロン6T、ナイロン6I、及びその混合物または共重合体を含むポリアミドで作製されてもよい。さらなる実施形態では、繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含むポリオレフィンで作製されてもよい。
本開示による繊維は、約0.5dpf〜約40dpfに及ぶdpf値を有することができる。非限定的な例は、約0.5dpf〜約30dpf、約0.5dpf〜約20dpf、約0.5dpf〜約10dpf、約0.5dpf〜約5dpf、約0.5dpf〜約3dpf、約0.5dpf〜約2dpf、約0.5dpf〜約1.5dpf、約1dpf〜約10dpf、約1dpf〜約5dpf、約1dpf〜約3dpf、約5dpf〜約30dpf、約5dpf〜約20dpf、約5dpf〜約10dpf、約5dpf〜約40dpf、及び約5dpf〜約7dpfに及ぶdpf値を含む。ある特定の実施形態では、システム10は、約10dpf未満の、例えば約7dpf未満、約5dpf未満、約3dpf未満、及び約1.5dpf未満のdpf値を有する繊維で用いられ得る。
より高い嵩及びCTU値等の特性は、dpfが変化すると繊維ごとに変動することが本技術分野において周知である。本発明の繊維トウは、高dpf及び低dpfの両方の繊維に対するCTUにおいて驚くべき改善を示す。
本発明の一態様では、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウが開示され、繊維の平均デニール/フィラメントは、約5超であり、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。非限定的な一実施形態では、複数の機械捲縮繊維は、約40%〜約75%の平均捲縮テークアップを有する。別の非限定的な実施形態では、複数の機械捲縮繊維は、約50%超の平均捲縮テークアップを有する。別の非限定的な実施形態では、繊維は、約5dpf〜約7dpfに及ぶdpf値と、50%超の平均捲縮テークアップとを有する。
本発明の別の態様では、鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウが開示され、繊維の平均デニール/フィラメントは、約5未満であり、複数の機械捲縮繊維は、約30%超の平均捲縮テークアップを有する。非限定的な一実施形態では、複数の機械捲縮繊維は、約30%〜約75%に及ぶ平均捲縮テークアップを有する。別の非限定的な実施形態では、複数の機械捲縮繊維は、約40%超の平均捲縮テークアップを有する。別の非限定的な実施形態では、複数の機械捲縮繊維は、約50%超の平均捲縮テークアップを有する。別の非限定的な実施形態では、繊維は、約1dpf〜約3dpfに及ぶdpf値と、40%超の平均捲縮テークアップとを有する。
本開示によれば、本明細書に開示された機械捲縮繊維トウは、織物及び不織布の両方の製品を含む、多種多様な製品に用いられ得る。最終用途に依存して、本繊維トウは、切断されてもよく、または切断されない継続的な形で用いられてもよい。製品の非限定的な例は、枕、羽毛布団、キルト、及び掛け布団等の寝具完成品、シートクッション及び椅子の背もたれ等の家具構成品、おもちゃ用詰め物、寝袋、及びアウターウェア、保温性製品、及び断熱衣類等の衣類を含む。いくつかの実施形態では、断熱衣類は、シャツ、パンツ、及び任意の他の衣料品を含み得る。
いくつかの実施形態では、寝具完成品、例えば枕は、複数のステープルファイバー束で構成され得る。本明細書で用いられる場合、「ステープルファイバー束(staple fiber bundles)」は、長さ約5mm〜約200mmに切断することができる繊維トウの区分を意味する。いくつかの実施形態では、ステープルファイバー束は、例えば、約10mm〜約175mm、約15mm〜約150mm、約20mm〜約125mm、約25mm〜約100mm、及び約25mm〜約76mmに及ぶ長さを有し得る。一例では、ステープルファイバー束は、長さ約32mmを有する。別の例では、ステープルファイバー束は、長さ約64mmを有する。ある特定の実施形態では、枕は、長さ及び幅約20”×26”を有することができ、約10オンス〜60オンスのステープルファイバー束で充填されることができる。より低いデニールの枕(約1〜2dpf)については、枕内の複数のステープルファイバー束が、約22オンス〜45オンスの重量範囲を有し得る。より高いデニールの枕(約6dpf)については、枕内の複数のステープルファイバー束が、約10オンス〜26オンスの重量範囲を有し得る。
開示されたシステムと従来技術のシステムとの間の差異を例証するために、いくつかの試験が行われてきた。複数のパラメータが一次及び二次捲縮の付与に寄与することに留意すべきであり、中でも、繊維配向、捲縮ホイールに進入するトウの温度、スタッファボックス内部にある間の熱量、及びスタッファボックスフラップからトウに与えられる圧力量を含む。しかしながら、下記の試験の間、これらのパラメータのすべてを固定した。図2に記載された従来技術のシステムを用いた対照試験、及び図3に開示されたシステムを用いた改良版試験を、同じ機器を用いて立て続けに行った。対照試験と改良版試験との間の唯一の違いは、スタッファボックスを出た後、繊維トウがどのように取り扱われたかであった。
試験の間、対照及び改良版試験のそれぞれについて、2つの異なる試料、(1)6dpfの試料、及び(2)1.2dpfの試料を用いた。試験には3つの異なる計測、(1)枕の嵩計測、(2)総嵩範囲計測(TBRM)、及び(3)捲縮テークアップ(CTU)が含まれた。本開示の目的のために、枕の嵩、TBRM嵩、及びCTUの計測方法を、以下に詳細に記載する。
枕の嵩計測を、まず所定量(例えば、18オンス)の繊維を枕カバー内に設置することによって行った。そして、形成された枕を、計測のための負荷感応テーブル上に置いた。ゼロ負荷下にある間、その長さ方向中心における枕の高さHO(例えば、芯高)を計測した。次に、枕の上に載せる人の頭の近似値を表す負荷約10ポンドを、直径4インチを有する押さえを介して、枕の長さ方向中心に付与した。そして、負荷HLをかけた後の枕の中央高さを計測した。最後に、HO及びHLの値を比較した。より高いHL値を有する繊維は、より高い枕の嵩を有し得る。この方法は、「抑制された嵩」の計測とみなされる場合があるが、これは、繊維が柔軟な構造、すなわち枕カバー内部に抑制されているためであることに留意すべきである。
枕の嵩試験については、1.2dpf及び6dpfの試料をわずかに異なって調製した。1.2dpfの繊維トウは短い切断長さを有し、これを、平らにしたときに約20×26インチを計測する糸数220の綿カバーに吹き込んだ。約22オンスの切断された繊維トウをカバー内に吹き込んで、枕を作成した。一方、6dpfの繊維トウは長い切断長さを有し、これを梳いて丸め、繊維詰め物を作成した。約18カットオンスの繊維トウを用いて、繊維詰め物を作成した。
TBRM嵩計測を、繊維トウの6インチの正方形に切断し、正方形を、それらの総重量が約20グラムになるまで、交互に重なるようにスタッキングして行った。そして、全領域を、インストロン内で、約50ポンド(22.7キログラム)が可能なロードセル下で圧縮した。スタッキング高さを、(2ポンドの負荷下での1調整サイクル後)負荷0.001(BL1について)及び0.2(BL2について)ポンド/平方インチ(それぞれ0.00007及び0.014キログラム/平方センチメートル)ゲージにおける高さごとに記録した。0.001psiでの負荷は約0.036lbsであり、0.2psiでの負荷は約7.2lbsであった。BL1は、初期高さすなわち嵩であり、充填力の測定である一方で、BL2は負荷下での高さすなわち残留嵩であり、支持嵩の測定である。より高いBL2値の結果として生じる繊維は、より高いTBRM嵩を有し得る。この方法は、繊維に対する外部の抑制がないため、「抑制された嵩」の計測とみなされる場合があることを留意すべきである。
捲縮テークアップ(CTU)計測を、繊維トウを、単一のフィラメント繊維、または本明細書ではフィラメント束と称する10〜50フィラメントの間の小さな束に切断することによって行った。そして、20個のフィラメント束をランダムに選択した。各フィラメント束を、緩和状態(すなわち、伸ばされていない)で、及び完全に伸ばされた(すなわち、実質的に非捲縮の状態まで延ばされた)状態で計測した。特に、各フィラメント束を、スライド定規に取り付けられたピンセット間に置き、フィラメント束の第1の端を保持した。フィラメント束が緩和状態にある間、緩和長さL1を計測した。フィラメント束の重量のみを用いて、緩和長さL1を判定する。そして、フィラメント束の第2の端を、別のピンセットによって引っ張り、すべての一次及び二次捲縮が引き出されるまで伸ばした。フィラメント束が十分に伸ばされた状態にある間、伸び長さL0を計測した。フィラメント束ごとのCTU値を、以下に続く数式、下記の式2において、緩和長さL1及び伸び長さL0の両方を用いて算出した。20個のランダムに選択されたフィラメント束ごとのCTU値を算出し、その後平均して、フィラメント束についての平均CTU値を得た。
以下に示されるように、試験から収集されたデータを、表1及び2に集計した。結果の説明は、表の後に続く。表1及び2で用いられる用語「シリコーン処理(siliconized)」は、ポリエステル繊維の表面が、シリコーンポリマーでコーティングされていることを意味する。シリコーンは、オルガノシロキサンまたはポリシロキサンとも呼ばれ、ポリエステル繊維と良好に結合し、摩擦を低減して、物品の耐久性及び手ざわりを改善する。シリコーンコーティングは、繊維に付着し、繰り返し洗浄した後も剥がれることがない。これもまた、繊維が互いに対してより容易にすり抜けて、ネスティングではなく、元の位置に跳ね返ることを可能にすることによって、高ロフトの不織布の耐久性をもたらす。
表1及び2に示されるように、1.2dpfの試料については、改良版の枕の嵩値は、対照によって形成された枕と比較して、100%を上回って改善した。具体的には、対照についての1.5インチと比較すると、改良版の枕の嵩は3.1インチであった。枕の嵩試験の結果は、少なくとも約20%の有効重量軽量化をさらに示した。本開示においてはTBRM嵩データを含まなかったが、これは、1.2dpfの試料の短い切断長さに起因してTBRM試験を行うことが困難であったためである。1.2dpfの試料についてのCTU値は、対照のそれと比較して、改良版試料では55%の向上を示した。特に、対照についてのCTU値29%と比較して、改良版試料のCTU値は45%であった。
6.0dpfの試料については、改良版の枕の嵩値は、対照によって形成された枕と比較して、40%を上回って改善した。具体的には、対照に対する2.2インチと比較した場合、改良版試料の枕の嵩は3.2インチであった。枕の嵩試験の結果は、約20%の有効重量軽量化をさらに示した。改良版試料のTBRM嵩は、制御と比較して35%を上回った。具体的には、支持嵩値は、対照についての0.48インチと比較して、改良版試料については0.66インチであった。6.0dpfの試料についてのCTU値は、対照のそれと比較して、改良版試料では42%の向上を示した。特に、対照についての37%と比較して、改良版のCTU値は53%であった。
従来技術を超えるいくつかの利点は、開示された繊維トウと、繊維トウを機械捲縮するプロセスとに関連し得る。開示された繊維トウは、すべてのデニール範囲において向上された嵩及びCTU値を有し得る。具体的には、開示された繊維トウは、約5dpfを下回るデニール範囲において、向上された嵩及びCTU値を有し得る。加えて、開示されたシステムは、不織製品により少ない材料が用いられ、それによって生産コスト及び環境フットプリントを低減させることを可能にし得る。
当業者においては、開示された繊維トウに対して、さまざまな変更及び変形を成し得ることが明白であろう。当業者においては、他の実施形態は、本明細書及び開示された繊維トウの実施を考慮することから明白であろう。本明細書及び実施例は、例示のみとして考慮されることが意図され、正しい範囲は、以下に続く請求項及びそれらの均等物によって示される。
Claims (29)
- 鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウであって、前記繊維の平均デニール/フィラメントが、約5超であり、前記複数の機械捲縮繊維が、約40%超の平均捲縮テークアップを有する、繊維トウ。
- 前記複数の機械捲縮繊維が、約40%〜約75%の平均捲縮テークアップを有する、請求項1に記載の繊維トウ。
- 前記複数の機械捲縮繊維が、約50%超の平均捲縮テークアップを有する、請求項1に記載の繊維トウ。
- 約2捲縮〜約20捲縮/インチを有する二次捲縮をさらに含む、請求項1に記載の繊維トウ。
- 前記二次捲縮の値が、約4捲縮/インチ〜約8捲縮/インチに及ぶ、請求項4に記載の繊維トウ。
- 前記一次捲縮対前記二次捲縮の比が、約20:1〜約2:7に及ぶ、請求項4に記載の繊維トウ。
- 前記一次捲縮対前記二次捲縮の比が、約5:1〜5:7に及ぶ、請求項4に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、及びそれらの組み合わせから選択されたポリマーから作製される、請求項1に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、ポリエチレンテレフタレートから作製される、請求項1に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、約5dpf〜約40dpfに及ぶdpf値を有する、請求項1に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、約5dpf〜約7dpfに及ぶdpf値と、50%超の平均捲縮テークアップとを有する、請求項1に記載の繊維トウ。
- 鋸歯状の捲縮形状を有する一次捲縮を有する複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウであって、前記繊維の平均デニール/フィラメントが、約5未満であり、前記複数の機械捲縮繊維が、約30%超の平均捲縮テークアップを有する、繊維トウ。
- 前記複数の機械捲縮繊維が、約30%〜約75%に及ぶ平均捲縮テークアップを有する、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記複数の機械捲縮繊維が、約40%超の平均捲縮テークアップを有する、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記複数の機械捲縮繊維が、約50%超の平均捲縮テークアップを有する、請求項12に記載の繊維トウ。
- 約2捲縮〜約20捲縮/インチを有する二次捲縮をさらに含む、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記二次捲縮値が、約4捲縮/インチ〜約8捲縮/インチに及ぶ、請求項16に記載の繊維トウ。
- 前記一次捲縮対前記二次捲縮の比が、約20:1〜約2:7に及ぶ、請求項16に記載の繊維トウ。
- 前記一次捲縮対前記二次捲縮の比が、約5:1〜5:7に及ぶ、請求項16に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、及びそれらの組み合わせから選択されたポリマーから作製される、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、ポリエチレンテレフタレートから作製される、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、約0.5dpf〜約5dpfに及ぶdpf値を有する、請求項12に記載の繊維トウ。
- 前記繊維が、約1dpf〜約3dpfに及ぶdpf値と、40%超の平均捲縮テークアップとを有する、請求項12に記載の繊維トウ。
- 請求項1〜24のいずれかに記載の複数の繊維トウを含む製品。
- 請求項1〜24のいずれかに記載の複数の繊維トウを含む枕。
- 請求項1〜24のいずれかに記載の複数の繊維トウを含む詰め物。
- 複数の機械捲縮繊維を含む繊維トウを形成するためのプロセスであって、前記プロセスが、
a)複数の実質的に非捲縮の繊維を含む繊維トウを、スタッファボックスに向かって搬送することと、
b)前記繊維トウに、鋸歯状の捲縮形状の一次機械捲縮を与えることと、
c)実質的に圧縮された形態の複数の実質的に非捲縮の繊維を含む前記繊維トウを、直ちに緩和オーブン内に搬送することと、
d)前記緩和オーブンを介して前記繊維トウを加熱して、前記繊維トウを結晶化させて収縮させることと、
を含む、プロセス。 - 前記緩和オーブンを出る前記繊維トウを、前記繊維トウのガラス転移温度を下回る温度まで冷却することをさらに含む、請求項27に記載のプロセス。
- 形成された前記繊維トウの平均捲縮テークアップが、ステップ(c)を受けていない繊維トウの平均捲縮テークアップよりも少なくとも40%高い、請求項27に記載のプロセス。
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