図1の機器10のような電子機器は無線通信回路を設けることができる。無線通信回路は、セルラー電話帯域での通信などの長距離無線通信をサポートするために使用できる。機器10が扱える長距離(セルラー電話)帯域の例は、800MHz帯域、850MHz帯域、900MHz帯域、1800MHz帯域、1900MHz帯域、2100MHz帯域、700MHz帯域、及びその他の帯域を含んでよい。機器10によって使用される長距離帯域は、所謂LTE(ロングタームエボリューション)帯域を含んでよい。LTE帯域は番号付けされており(例えば1、2、3など)、時にE−UTRA動作帯域と呼ばれる。衛星ナビゲーション帯域に関連付けられた信号などの長距離信号は、機器10の無線通信回路によって受信され得る。例えば、機器10は無線回路を使用して、全地球測位システム(GPS)に関連付けられた1575MHz帯域内の信号を受信できる。機器10の無線回路は短距離無線通信もサポートすることができる。例えば、機器10は、2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)リンク、2.4GHzのBluetooth(登録商標)リンクなどのようなローカルエリアネットワークリンクを扱う無線回路を含むことができる。
図1に示すように、機器10は記憶及び処理回路28を含んでよい。記憶及び処理回路28は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(ソリッドステートドライブを形成するように構成された、例えばフラッシュメモリ又はその他の電気的プログラマブル読み取り専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、スタティック又はダイナミックランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。記憶及び処理回路28内の処理回路は機器10の動作を制御するために使用できる。この処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路などに基づくものであってよい。
記憶及び処理回路28は、インターネット閲覧アプリケーション、ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(VOIP)通話アプリケーション、電子メールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能、高周波送信及び受信動作中の通信帯域選択に関する機能などのようなソフトウェアを機器10上で実行するために使用できる。外部設備との相互作用をサポートするために、記憶及び処理回路28を通信プロトコルの実施のために使用することができる。記憶及び処理回路28を使用して実施できる通信プロトコルには、インターネットプロトコル、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、IEEE802.11プロトコル。時にWiFi(登録商標)と呼ばれる)、Bluetooth(登録商標)プロトコルのようなその他の短距離無線通信リンク用プロトコル、セルラー電話プロトコル、MIMO(多入力多出力)プロトコル、アンテナダイバーシティプロトコルなどが含まれる。通信帯域選択動作などの無線通信動作は、機器10上で記憶され実行中であるソフトウェアを使用して制御できる(即ち、記憶及び処理回路28及び/又は入力出力回路30上で記憶及び実行される)。
入出力回路30は入出力機器32を含むことができる。入出力機器32は、機器10にデータを供給することを可能にし、機器10から外部機器へデータを提供することを可能にするべく使用できる。入出力機器32はユーザインターフェース機器、データポート機器、及びその他の入出力コンポーネントを含むことができる。例えば、入出力機器は、タッチスクリーン、タッチセンサ機能のないディスプレイ、ボタン、ジョイスティック、クリックホイール、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、カメラ、ボタン、スピーカ、状態インジケータ、光源、オーディオジャック及びその他のオーディオポートコンポーネント、デジタルデータポート機器、光センサ、動きセンサ(加速度計)、静電容量式センサ、近接センサなどを含んでよい。
入出力回路30は、外部機器と無線通信する無線通信回路34を含んでよい。無線通信回路34は、1つ以上の集積回路、電力増幅器回路、低雑音入力増幅器、パッシブRFコンポーネント、1つ以上のアンテナ、送信ライン、及びその他のRF無線信号を扱う回路で形成された高周波(RF)送受信機回路を含んでよい。無線信号は光を用いて(例えば赤外線通信を用いて)送信することも可能である。
無線通信回路34は、様々な高周波通信帯域を扱う高周波送受信機回路90を含んでよい。例えば、回路34は送受信機回路36、38、42を含んでよい。送受信機回路36は、WiFi(登録商標)(IEEE802.11)通信用の2.4GHz及び5GHz帯域を扱うことができ、2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信帯域を扱うことができる。回路34は、(例として)850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzなどのセルラー電話帯域内、及び/又はLTE帯域内、及びその他の帯域内の無線通信を扱うセルラー電話送受信機回路38を使用できる。回路38は音声データ及び非音声データを扱うことができる。
無線通信回路34は、1575MHzのGPS信号を受信する、又は、その他の、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)データなどの衛星測位データを扱うGPS受信機回路42などの全地球測位システム(GPS)受信設備を含んでよい。WiFi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)、及び他の短距離無線リンクでは、無線信号は、典型的にはデータを数十又は数百フィートにわたって伝達するために使用される。セルラー電話リンク及びその他の長距離リンクでは、無線信号は、典型的にはデータを数千フィート又は数千マイルにわたって伝達するために使用される。
無線通信回路34は1つ以上のアンテナ40を含んでよい。アンテナ40は、任意の好適なアンテナのタイプを使用して形成することができる。例えば、アンテナ40は、ループアンテナ構造体、パッチアンテナ構造体、逆Fアンテナ構造体、スロットアンテナ構造体、平面逆Fアンテナ構造体、ヘリカルアンテナ構造体、これらの設計の混成などから形成された、共振素子を有するアンテナを挙げることができる。異なる帯域、及び異なる帯域の組み合わせについて、異なるタイプのアンテナを使用することができる。例えば、1つのタイプのアンテナを、ローカル無線リンクアンテナを形成する際に使用することができ、別のタイプのアンテナを、リモート無線リンクを形成する際に使用することができる。
特定の1つ以上の帯域についての通信を扱うために複数の冗長アンテナを使用するアンテナダイバーシティ方式を実施できる。アンテナダイバーシティ方式では、記憶及び処理回路28は、どのアンテナを使用するかを、信号強度測定又は他のデータに基づいてリアルタイムで選択できる。多入力多出力(MIMO)方式では、複数のアンテナを使用して複数のデータストリームを送受信することで、データスループットを拡張することが可能である。
図2に、機器10内にアンテナ40を形成できる例示的な場所を示す。図2に示すように、電子機器10は筐体12などの筐体を含んでよい。筐体12はプラスチック製の壁、金属製の筐体構造体、炭素繊維材又は他の組成物、ガラス、セラミック、他の好適な材料で形成された構造体を含んでよい。筐体12は、単片の材料を使用して(例えばユニボディ形状を使用して)形成でき、又は、組み立てて完成品の筐体構造体を形成することができる枠、筐体壁、及びその他の個々の部品から形成できる。図1に示す機器10のコンポーネントは筐体12内に搭載することができる。アンテナ構造体40は筐体12内に搭載でき、所望であれば、筐体12の諸部品を使用して形成することができる(例えば、筐体12の諸部品を、アンテナ40用のアンテナ共振要素構造体、アンテナ40用のグランドプレーン構造体などを形成するために使用できる)。例えば、筐体12は金属製筐体側壁、機器10の外周に沿って(例えば、機器10の外面に沿って)延在する帯型部材(誘電ギャップはあってもなくてもよい)などの導電性周囲部材、導電性ベゼル、及びその他のアンテナ構造体40の形成に使用できる導電性構造体を含んでよい。
図2に示すように、アンテナ構造体40は経路45などの経路によって送受信機回路90に結合されてよい。経路45は同軸ケーブル、マイクロストリップ送信ライン、ストリップライン送信ラインなどのようななどの送信ライン構造体を含むことができる。経路45は、インピーダンス整合回路、フィルタ回路、スイッチング回路などの高周波フロントエンド回路を含んでよい。インピーダンス整合回路は、アンテナ40を確実に目的の通信帯域内の送受信機回路90に効率的に結合させるために使用できる。フィルタ回路は、ダイプレクサ、デュプレクサ、トリプレクサなどの、周波数ベースの多重化回路を実施するために使用できる。スイッチング回路は、アンテナ40を送受信機回路90の所望のポートに選択的に結合するために使用できる。例えば、スイッチは、1つの動作モードでは所与のアンテナへの経路45のうち1つを経由するように構成でき、別の動作モードでは所与のアンテナへの経路45のうち別の1つを経由するように構成できる。送受信機回路90とアンテナ40の間にスイッチング回路を使用することで、機器10が、限られた数のアンテナで、当該の複数の通信帯域をサポートできるようになる。
細長い矩形の輪郭を持つセルラー電話などの機器では、機器の一端又は両端にアンテナ40を配置することが望ましい。図2に示すように、例えば、アンテナ40のいくつかを筐体12の上端領域42に配置し、いくつかを筐体12の下端領域44に配置することができる。機器10のアンテナ構造体は、領域42内に単一のアンテナを、領域44内に単一のアンテナを、領域42内に複数のアンテナを、領域44内に複数のアンテナを含むことができ、又は、筐体12内の他のどこかに配置した1つ以上のアンテナを含むことができる。
アンテナ構造体40は領域42、44などの領域のいくつか又は全ての中に形成することが可能である。例えば、アンテナ40T−1などのアンテナを領域42−1内に配置する、又は、領域42−1のいくらか又は全てを占めるアンテナ40T−2などのアンテナを形成することができる。アンテナ40B−1などのアンテナが領域44−2のいくらか又は全てを占めてよく、又は、アンテナ40B−2などのアンテナを領域44−1内に形成してもよい。これらのタイプの配置は相互排他的である必要はない。例えば、領域44はアンテナ40B−1などの第1アンテナ、アンテナ40B−2などの第2アンテナを保持してよい。
送受信機回路90は、送信機48などの送信機と、受信機50などの受信機とを保持することができる。送信機48と受信機50は1つ以上の集積回路(例えば、セルラー電話通信回路、無線ローカルエリアネットワーク通信回路、Bluetooth(登録商標)通信用の回路、衛星ナビゲーションシステム信号を受信する回路、送信された信号電力を増大させる電力増幅器回路、受信した信号の信号電力を増大させる低雑音増幅器回路、その他の好適な無線通信回路、及びこれらの回路の組み合わせ)を使用して実施できる。
機器10は、比較的大型の機器(例えば、筐体12の横寸法が数十センチメートル又はこれ以上)であってもよいし、筐体12の主軸に沿った縦寸法、即ち15cm以下、10cm以下、5cm以下の縦寸法を有し、これよりも短い横寸法を有するハンドヘルド型機器などの比較的コンパクトな機器であってもよい。手首装着型、ペンダント型、クリップ装着型装置などの小型機器では、筐体12の寸法は(例として)10cm以下、5cm以下であってよい。
機器10は、制御アルゴリズム(例えば、アンテナダイバーシティ制御アルゴリズム、又は他の無線制御アルゴリズム)を実現するための制御コードを記憶及び実行するように構成された制御回路によって制御することができる。図3に示すように、制御回路52は記憶及び処理回路28(例えばマイクロプロセッサ、メモリ回路など)を含んでよく、ベースバンドプロセッサ54を含んでよい。ベースバンドプロセッサ54は無線回路34の一部を形成でき、メモリ及び処理回路を含んでよい(即ち、ベースバンドプロセッサ54は機器10の記憶及び処理回路の一部を形成すると考えることができる)。
ベースバンドプロセッサ54は経路56を介して記憶及び処理回路28にデータを提供できる。経路56上のデータは、受信電力、送信電力、フレーム誤り率、ビット誤り率、信号対雑音比、電子機器からの要求に対する応答がセルラー電話塔から受信されたかどうかについての情報、ネットワークアクセス手順が成功したかどうかについての情報、電子機器とセルラー塔の間のセルラーリンク上で何回の再送信が要求されたかについての情報、シグナリングメッセージの損失が受信されたかどうかについての情報、及び無線回路34の性能を反映するその他の情報などの、無線(アンテナ)性能指標に関連した生データと処理済みデータを含んでよい。この情報は、複数のアクティブな送受信機ポートを用いて、又は、代替のアンテナ(単数又は複数)を瞬間的に使用して性能の評価を行う時分割多重方式を用いて、複数のアンテナについてリアルタイムで収集することができる。収集されたアンテナ性能指標についての情報は、記憶及び処理回路28及び/又はプロセッサ54によって処理することができる。性能指標情報は、例えば外部無線通信機器との接続の確立に成功したかどうかを判断するために、通信回路34によって使用されてよい。所望であれば、記憶及び処理回路28が経路56、58上に制御信号を提供することで、ベースバンドプロセッサ54及び送受信機回路90を制御することができる。一例として、記憶及び処理回路28は、所定の性能基準が満たされたと判断したことに応じて、ベースバンドプロセッサ54及び/又はトランシーバ回路90に制御コマンドを発行することができる。
無線回路34は、送受信機回路90とアンテナ40の間の経路45上に挿入された高周波フロントエンド回路60を含んでよい。送信機48から送信された信号を増幅する目的で、送受信機48とフロントエンド回路60の間の経路45上に増幅器72などの電力増幅器回路を挿入することができる。アンテナ40を介して受信された信号を増幅する目的で、受信機50とフロントエンド回路60の間の経路45上に増幅器74などの低雑音増幅器回路を挿入することができる。制御回路52は、増幅器72、74を調整するために(例えば、増幅器72、74によって提供された利得を調整するために)、経路76を介して増幅器72、74に制御信号を提供することができる。例えば、制御回路52は、送信機48から送信された信号をアンテナ40上で送信される所望のアップリンク電力レベルにするために、電力増幅器72に所望のバイアス電圧を印加することができる。高周波フロントエンド回路60は、スイッチング回路68などのスイッチ、整合回路70などのインピーダンス整合回路、ダイプレクサ回路64及びデュプレクサ回路66などのフィルタ回路、高周波結合回路、コネクタ回路、及びその他任意の所望の高周波回路を含んでよい。
ベースバンドプロセッサ54は、無線回路34を用いて送信されたデジタルデータを受信でき、経路62及び送受信機回路90(例えば、送受信機回路90内の1つ以上の送信機48)を使用して、対応する高周波信号を1つ以上の経路45上で送信することができる。高周波フロントエンド60を使用して高周波信号を送信することができる。アンテナ40によって受信された入信高周波信号は、高周波フロントエンド60、1つ以上の経路45などの経路、増幅器回路74、1つ以上の受信機50などの高周波送受信機90内の受信機回路、経路62などの経路を介して、ベースバンドプロセッサ54に提供され得る。所望であれば、個々のアンテナ40(例えば第1アンテナ40−1、第2アンテナ40−2など)が、受信した高周波信号を対応する単一の受信機50に提供したり、個々のアンテナ40が、受信した高周波信号を別々の受信機50(例えば、周波数の異なる又は周波数帯域の異なる受信信号を扱う別々の受信機)に提供したり、複数のアンテナ40が、受信した信号を単一の受信機50に提供したりすることが可能である。
少なくともいくつかの機器構成においては機器10内でアンテナどうしが近接するため、通信帯域間に干渉が生じる可能性がある。この干渉の可能性は、経路45内に、望ましくない周波数調波を生成する回路が存在することによって悪化し得る。例えば、経路45内のスイッチは非直線性質を有してよいが、これが、高周波信号が通過する際に第2調波、第3調波、及びより高次の調波の生成を招く。
機器10は、生成された調波とアンテナ40で受信した信号との間の望ましくない干渉を、送信信号に関連する調波をこれがアンテナ40に到達する前に阻止するフィルタ回路を経路45内に含めることによって低減することができる。送信された調波の大きさが大幅に低減されるため、機器10内の他のアンテナ及び受信機回路で受信した任意の調波の大きさも大幅に低減される。調波の送信を効果的に防止することで、信号干渉の可能性が排除され、満足のゆく機器動作を確保できる。
所望であれば、アンテナ40のようなアンテナが、基地局80(例えば第1基地局80−1、第2基地局80−2など)のような1つ以上のセルラー基地局から無線送信を受信し、1つ以上の基地局80へ無線信号を送信することもできる。例えば、1つ以上のアンテナ40が、通信リンク82上で基地局80−1と通信する、通信リンク84上で基地局80−2と通信する、又は、両方の通信リンク82、84上で基地局80−1及び80−2と同時に通信することが可能である。
フロントエンド60内のデュプレクサ回路66、ダイプレクサ回路64、スイッチング回路68は、高周波信号の周波数に基づいて、基地局80から受信した信号を選択的にルーティングしたり、基地局80へ送信された信号を選択的にルーティングしたりすることができる。例えば、ダイプレクサ回路64、デュプレクサ回路66、スイッチング回路68は、1つ以上のアンテナ40とこれに対応する送信機48及び受信機50との間の異なるアップリンク通信帯域及びダウンリンク通信帯域内の送信周波数信号及び受信周波数信号をルーティングするために、経路76上で制御回路52から受信した制御信号によって構成されてよい。スイッチング回路68は、それぞれの周波数帯域に各々が関連付けられた複数のスイッチ(例えば多ステージのスイッチ)を含んでよい。スイッチング回路68内のスイッチの状態(つまり、スイッチング回路内のスイッチ端子どうしは互いに接続している)は、経路76上で受信した制御信号を用いる制御回路52を使用して制御することができる。スイッチング回路68内のスイッチは、全ての所望の送信機48及び受信機50をアンテナ40に結合できるように、十分な数の端子(スイッチポート)を設けていることが好ましい。スイッチング回路68は、例えばSP4T(シングルポール4スロー)型、SP5T(シングルポール5スロー)型のスイッチ、又はその他任意の所望のスイッチを含んでよい。所望であれば、これよりも多い又は少ない端子を設けたスイッチを使用することもできる。
基地局80は、機器10と通信する無線通信回路及び1つ以上のアンテナ98を含んでよい。各基地局80は、回路92などの記憶及び処理回路を含んでよい。記憶及び処理回路92は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成されたフラッシュメモリ又はその他の電気的プログラマブル読み取り専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は能動的なランダムアクセスメモリ)などのような記憶装置を含むことができる。記憶及び処理回路92内の処理回路を使用して基地局80の動作を制御することができる。この処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路などに基づいてよい。例えば、回路92は、アンテナ98上で機器10へ送信するためのダウンリンク信号を生成し、送信することができる。一般に、機器10の送信機48から基地局80へ伝達される高周波信号は時にアップリンク信号と呼ばれ、基地局80から機器10の受信機50へ伝達される高周波信号は時にダウンリンク信号と呼ばれる。
所望であれば、機器情報94を記憶するために記憶回路92を使用することも可能である。機器情報94は、機器識別情報や、基地局80が機器10と連通している通信リンク82及び/又は84に関連付けされた接続設定(例えば、機器10が基地局80との信号の送受信を行うために使用する設定)のような、機器10に関する情報を含むことができる。所望であれば、記憶回路92は隣接する基地局の情報96を記憶することもできる。基地局情報96は、所与の基地局に地理的に近隣する他の基地局80に関する情報を含んでよい。例えば、第1基地局80−1は、基地局80−2又は他の基地局が基地局80−1に地理的に近接していると識別した情報96を記憶できる。一般に、情報96で識別された隣接する基地局は、特定の基地局から定義済みの距離内にある任意の基地局、又は、特定の基地局の無線カバレッジとオーバーラップする無線カバレッジを有するその他の基地局であってよい。所望であれば、情報96は、隣接する基地局に関連した周波数情報を含むこともできる。例えば、情報96は、隣接した各基地局80によって使用されている1つ以上の通信周波数(例えば通信帯域)を識別することができる。
基地局80から機器10によって受信された無線信号は、ダイプレクサ回路64に(例えば、回路64内の1つ以上のダイプレクサへ)提供されてよい。ダイプレクサ回路64は、信号を周波数に従ってルーティングする回路を含んでよい。例えば、ダイプレクサ回路64は、受信した無線送信を、信号損失を最小化しつつ(例えば、挿入損失を最小化しつつ)、低周波数と高周波数にそれぞれ分割するローパスフィルタ及びハイパスフィルタを設けてよい。信号送信中に、送信機48が受信した低帯域信号と高帯域信号をダイプレクサ回路64によって組み合わせ、この組み合わされた信号をアンテナ40に出力することができる。
デュプレクサ回路66は、送信信号と受信信号の間の高い分離を提供するフィルタ回路で形成されてよい。例えば、送信機48から送信される高周波信号は、受信機50が受信する高周波信号よりも遥かに(例えば数十dBm)大きくてよい。デュプレクサ66は、送信機50から送信された比較的大型の信号が受信機48によって受信されることの阻止を助け、これにより送信機と受信機の間に高い分離を提供することができる。言い換えれば、デュプレクサ回路66は送受信機回路90に高帯域外減衰を提供することができる。制御回路52は、送信信号と受信信号を対応のアンテナ40と所望の送信機回路及び受信機回路との間でルーティングするために、スイッチング回路68を構成できる。
無線通信回路34によって送受信される高周波信号は、LTE通信プロトコルに従って生成及び操作されることが可能である。LTE通信プロトコルは直交周波数分割多重(OFDM)デジタル変調方式を使用している。OFDM方式は、多数の接近した直交するサブキャリアを使用してデータ搬送を行う周波数分割多重方式の一種である。アップリンク信号送信及びダウンリンク信号送信のそれぞれに、OFDM方式の種々の応用形を使用することができる。例えば、ダウンリンク信号を直交周波数多元接続(OFDMA)方式を使用して変調し、アップリンク信号を単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)方式を使用して変調できる。各サブキャリアは或る周波数範囲(例えば、15kHzの帯域幅を有する周波数範囲)に対応しているため、近接し合った直交サブキャリアは時に周波数サブキャリアと呼ばれる。各サブキャリア中のデータを、四位相偏移変調(QPSK)及び直交振幅変調(例えば16−QAM、64−QAM)などのそれぞれのデジタル変調方式を用いて変調することができる。基地局80などの基地局は、機器10へ送信されたダウンリンク信号を選択された変調方式を用いて変調し、無線回路34は、基地局10へ送信されたアップリンク信号を選択された変調方式を用いて変調することができる。
図4に示すように、指定されたユーザ機器は、各タイムスロット中にアップリンク信号を送信することを許可されてよい。例えば、第1ユーザ機器UE1(例えば、図1〜図3の機器10などの機器)は第1時間周期中にアップリンク信号を対応する基地局80へ送信でき、第2ユーザ機器UE2は第2時間周期中にアップリンク信号を基地局へ送信でき、第3ユーザ機器UE3は第3時間周期中にアップリンク信号を基地局へ送信できる、などである。別の構成においては、基地局80は、所与のタイムスロットの間、2つ以上のユーザ機器向けのダウンリンク信号を一斉配信することができる(例えば、LTEがダウンリンク送信用の直交周波数分割多元接続を実施してもよい。)。
機器10などの無線電子機器は、複数のリソースブロック300内のアップリンク信号を各タイムスロット中に同時に送信することができる。各タイムスロットは時間的に多数のOFDMシンボルに区画されている。リソースブロックは、時間ドメイン内の一組の連続したOFDMシンボル、及び周波数ドメイン内の一組の連続した周波数サブキャリアとして定義された基本的なスケジューリング部として機能する。例えば、リソースブロック300などのリソースブロックは、時間ドメイン内の7つの連続したOFDMシンボル、及び周波数ドメイン内の12個の連続した周波数サブキャリアとして定義されてよい。リソースブロックを定義するために使用される一組の連続OFDMシンボルは、通常の又は拡張されたサイクリックプレフィクスなどのパラメータに応じて異なってよい。各リソースブロック300は、例えば180kHz毎に長さ0.5msであってよい(即ち、サブキャリア間隔は15kHzであると仮定)。この実施例は単なる例示である。一般に、リソースブロックは、時間ドメイン及び周波数ドメイン内における任意の所望サイズの一組の連続したOFDMシンボルとして定義され得る。
各LTE周波数帯域(例えばLTE帯域1、LTE帯域2など)は、関連付けされたアップリンク帯域と関連付けされたダウンリンク帯域を含んでよい。一例として、LTE帯域1は、1920〜1980MHzのアップリンク帯域と、2110〜2170MHzのダウンリンク帯域とを有する。別の例として、LTE帯域5は、824〜849MHzのアップリンク帯域と、869〜894MHzのダウンリンク帯域とを有する。通信動作中に、機器10などの無線電子機器は、所望のLTE周波数帯域に関連付けられたアップリンク帯域において高周波信号を送信し、所望のLTE周波数帯域に関連付けられたダウンリンク帯域において高周波信号を受信することができる。例えば、機器10は、所望のLTE周波数帯域に関連付けられたアップリンク帯域において高周波信号を送信し続けながら、所望のLTE周波数帯域に関連付けられたダウンリンク帯域において高周波信号を受信することができる。
機器10は、選択されたアップリンク帯域内の或る周波数範囲にかけて高周波信号を送信することができる(この選択されたアップリンク帯域内の周波数範囲は、時に、関連付けられたチャネル帯域を有するアップリンクチャネルと呼ばれる)。例えば、LTE帯域1を使用して高周波信号を送信するように構成された機器10は、10MHzのチャネル帯域幅を有する1950MHzに集中したアップリンクチャネル内で信号を送信するように構成されてよい(例えば、機器10は、周波数1945〜1955MHzのチャネル内で信号を送信できる)。一般に、チャネル帯域幅がLTE帯域1の周波数範囲以外の周波数を含んでいないと考えた場合、LTE帯域1を使用して信号を送信するように構成された機器10は、1920〜1980MHzの任意の周波数に集中したアップリンクチャネル内で信号を送信することができる。機器10は選択されたダウンリンク帯域内の或る周波数範囲にかけて高周波信号を受信することができる(この選択されたダウンリンク帯域内の周波数範囲は、時に、関連付けられたチャネル帯域幅を有するダウンリンクチャネルと呼ばれる)。
異なるLTE帯域(例えばLTE帯域1、LTE帯域2など)の各々は、機器10が選択されたチャネル帯域幅を持つ高周波信号を送受信する必要がある。例えば、LTE帯域1のアップリンク帯域内の高周波信号を送信するように構成された機器10は、チャネル帯域幅が5MHz、10MHz、15MHz、又は20MHzの高周波信号を送信する必要がある。別の実施例では、LTE帯域5のアップリンク帯域内の高周波信号を受信するように構成された機器10は、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHzのチャネル帯域幅を有する高周波信号を受信する必要がある。一般に、各LTE帯域は、それぞれの要求を、その要求を許容できるチャネル帯域幅に対して課す。各LTE帯域内の各アップリンク及びダウンリンクチャネルは、絶対高周波チャネル番号(ARFCN)、E−UTRA絶対高周波チャネル番号(EARFCN)などのそれぞれのチャネル番号によって識別することができる。言い換えれば、各チャネルはそのチャネルを識別するために番号付けされていてよい。各LTE帯域は、機器10と外部設備との間で制御信号及び測定データを伝達できる1つ以上の専用制御チャネルを含むことができる。制御チャネルは、予約されたリソースブロック(即ち、それぞれの制御チャネルに割り当てられたリソースブロック)で形成することができる。
図5は、複数のチャネル304を設けた例示的なLTE帯域302を示す。図6のLTE帯域内の各チャネルは、対応するチャネル帯域幅CBWを設けている。帯域302内の各チャネルは、LTE帯域302のアップリンク又はダウンリンク帯域内の任意の番号のチャネルであってよい(例えば、各チャネル304は、対応するLTE帯域の任意の所望のアップリンク又はダウンリンクチャネルであってよい)。各チャネル304は、周波数毎に多数のリソースブロック306に区画されていてよい。一般に、帯域302は、所望のチャネル帯域幅を持った任意の所望数のチャネルを設けることができ、各チャネルは任意の所望数のリソースブロック300を設けることができる。一例として、各チャネル304は10MHzのチャネル帯域幅CBWと50個のリソースブロック300を設けていてよく、帯域幅302は4つのチャネル302を設けていてよい。別の例では、帯域302は10個のチャネル302を設けていてよい。一般には、チャネル数及び各チャネル内のリソースブロックの数は、使用されているLTE帯域に応じて異なってよい。
機器10は、利用可能なリソースブロック300を全て利用する必要はない。機器10は、1つのリソースブロック300のみにおいて、又はリソースブロック300の割り当てられた部分(例えばサブセット)のみにおいて、送信又は受信を行うように構成できる。所望であれば、機器10は全ての利用可能なリソースブロックにおいて通信するように構成されてもよい。図6の実施例では、機器10は影付きのリソースブロック300’を使用して通信することができる(例えば、機器10はチャネル304の第3、第4、第5、及び第7リソースブロックを使用して通信することができる)。機器10によって使用される特定のリソースブロック300’は、本明細書では時に、機器10によって使用されるリソースブロックの展開、割り当て、構成と呼ばれる。機器10によって使用されるリソースブロックの展開は、対応するチャネル304内の任意の所望の位置から開始する任意の所望数のリソースブロック300を含んでよい。機器10によって展開されるリソースブロックは、各々が近い周波数を持っているか、又は、他の未使用のリソースブロックから離れた周波数を持っていてよい(図6に示すとおり)。動作中に、機器10は、特定のリソースブロック構成を使用して(例えば、対応するチャネル内の選択された地点から始まる、選択された数のリソースブロックを使用して)送信を行うように構成されてよい。同様に、基地局80は、リソースブロック300の任意の所望の構成を使用して、ダウンリンク信号を機器10に送信することができる。
機器10内の無線通信回路4の通信動作中に、アンテナ構造体40を使用してアップリンク信号の送信とダウンリンク信号の受信を同時に行うことができる(例えば、無線通信回路34はダウンリンク帯域のチャネル内でのダウンリンク信号の受信と、アップリンク帯域のチャネル内でのアップリンク信号の送信を同時に行うことができる)。デュプレクサ回路66(図3)は、高周波信号をそれぞれのアップリンク信号とダウンリンク信号に区切ることができる。
アンテナ40で受信したダウンリンク信号は、一連のバイナリビット「1」及び「0」を有するデジタルデータストリームを含んでよい。例えば、デジタルデータストリームは、所望の変調方式(例えばQPSK、16−QAM、64−QAM、など)を使用して符号化することができる。基地局80内の回路92は、所望の変調方式でダウンリンク信号を生成する変調回路と、所望のダウンリンク電力レベルのダウンリンク信号を提供する増幅器回路とを含んでよい。回路92は、任意の所望のLTE帯域の任意の所望のチャネル内における任意の所望数のLTEリソースブロック(例えば、任意の所望のリソースブロック展開)を使用してダウンリンク信号を生成することができる。ベースバンドモジュール54は、基地局80より受信したダウンリンク信号からデジタルデータストリームを抽出することができる。ベースバンドモジュール54によって1秒間に取得できたデジタルデータストリーム内のビット数は、無線通信回路34のデータ受信スループットと定義される(時に、データスループット又は受信経路データスループットと呼ばれる)。
無線通信回路34内のデータスループットを増加させるために、2つの異なる周波数帯域内の高周波信号を同時に受信及び/又は送信することが望ましい。例えば、機器10は、2つの異なるLTE通信帯域を使用してデータを受信するためにセルラー基地局80が機器10を除外するロングタームエボリューション(LTE)プロトコルを使用して(この方式は時にキャリアアグリゲーションと呼ばれる)、基地局80と通信することができる。一例として、基地局80−1などの所与の基地局は、機器10がLTE帯域4及びLTE帯域17でデータを同時に受信する必要がある。機器10は、LTE帯域4でデータを受信するために、2110〜2155MHzまでの周波数を受け入れるように構成されてよい。機器10は、LTE帯域17でデータを受信するために、734〜746MHzの周波数を受け入れるように構成されてよい。
2つの異なる通信帯域を使用してデータを受信することにより、機器10の帯域幅を増加することができる。例えば、LTE帯域4とLTE帯域17内のデータストリームを同時に受信する機器10は、LTE帯域4とLTE帯域17の受信帯域の組み合わせ(例えば、LTE帯域4の45MHzとLTE帯域17の12MHzとの合計)と等しい通信帯域幅を設けてよい。これにより、機器10のデータ送信とスループット速度を向上させることができる。
所望であれば、機器10は、2つ以上の基地局80と、2つの異なるLTE通信帯域内で同時に通信を行うことができる(例えば、機器10は複数の基地局80上でキャリアアグリゲーションを実行できる)。例えば、機器10は、LTE帯域4を使用して第1基地局80−1と、LTE帯域17を使用して第2基地局80−2と同時に通信できる。第1基地局80−1からデータをLTE帯域4で受信するために、機器10は2110〜2155MHzの周波数を受け入れるように構成されてよい。第2基地局80−2からデータをLTE帯域17で受信するために、機器10は734〜746MHzの周波数を受け入れるように構成されてよい。
一例として、図6は、2つの別々の基地局80から周波数帯域の異なる高周波送信を同時に受信するように構成された無線通信回路34を実装した機器10の1つの例示的な実施形態を示す。図6の実施例では、無線通信回路34は、全ての通信帯域を受け入れるためにスイッチング回路(例えば図3の符号68)によって多重化された、単一の送信機と2つの受信機を含む。
図4に示すように、無線通信回路34は、(例えば1つ以上のセルラー基地局80からの)無線送信を受信するアンテナ40−1などのアンテナを含んでよい。スイッチング回路68は、複数のスイッチングマルチプレクサを含んでよい(例えば、スイッチ68LB、68HB、68LBRX、68TX、68HBRXは図3のスイッチング回路68の一部として形成されてよく、本明細書では、時に、スイッチングステージ、マルチプレクサ、又はスイッチングマルチプレクサと呼ばれ得る)。受信した無線送信は、ダイプレクサポートPAを介してダイプレクサ64に提供されてよい。ダイプレクサ64は、周波数に従って信号をルーティングする回路を含んでよい。例えば、ダイプレクサ64は、受信した無線送信を信号損失を最小に抑えつつ(例えば、挿入損失を最小に抑えつつ)低周波数と高周波数にそれぞれ分割する、フィルタFLB(例えばローパスフィルタ)とフィルタFHB(例えばハイパスフィルタ)を設けていてよい。低周波数を持つ受信信号は、ダイプレクサポートPLからスイッチ68LBの端子T’へルーティングされてよい。高周波数を持つ受信信号は、ダイプレクサポートPHからスイッチ68HBの端子T’へルーティングされてよい。信号送信中に、ポートPLでの低帯域信号とポートPHでの高帯域信号をダイプレクサ64によって組み合わせ、この組み合わせた信号をポートPAにて出力することができる。
スイッチ68LB、68HBの各々は、1つ以上の端子Tを設けていてよい。スイッチ68LBと68HBは、端子Tのうち選択された1つを端子T’に結合するために制御経路76を介して制御回路52(図3)より受信した制御信号により各々構成してもよい電気的に制御可能なスイッチ(例えば、トランジスタ系スイッチ)であってよい。スイッチ68LB、68HBの各端子Tは、デュプレクサ66のうち対応する1つと結合させることができる。デュプレクサ66の各々は対応する高帯域フィルタ及び低帯域フィルタを設けていてよい。例えば、各デュプレクサはフィルタ102などの第1フィルタとフィルタ104などの第2フィルタとを設けていてよい。フィルタ102及びフィルタ104は、高周波信号を、送信周波数帯域と受信周波数帯域に対応した別々の周波数帯域に分けることができる。フィルタ102は、送信(アップリンク)周波数に対応した周波数を分離し、この分離された周波数をデュプレクサ回路66に提供することができる。スイッチング回路68TXは、制御経路76を介して、送信機148(例えば、図3の送信機48のうちの1つである、特定の送信機TX)を所望のデュプレクサ66に結合するように構成されることができる。フィルタ104は、受信(ダウンリンク)周波数に対応した周波数を分離することができる。フィルタ102、104の周波数応答を構成することにより、各デュプレクサ66(及び関連付けられた端子T)を、特定の通信帯域に関連付けられた信号を扱うように構成することが可能である。例えば、第1端子TをLTE帯域4に関連付けし、第2端子TをLTE帯域17に関連付けることができる。
周波数帯域の異なる高周波送信を同時に受信するために、スイッチ68LBに結合されたフィルタ104をスイッチング回路68LBRXに結合し、スイッチ68HBに結合されたフィルタ104をスイッチング回路68HBRXに結合することができる。スイッチング回路68LBRX、68HBRXは、制御端子76を介して構成され得る電気的に制御可能なスイッチ(例えばトランジスタベースのスイッチ)を使用して実施できる。スイッチ68LBRXは第1受信機150(例えば、図3の受信機50のうちの1つである特定の受信機RX1)に結合でき、スイッチ68HBRXは第2受信機150(例えば、受信機回路50の更なる受信機RX2)に結合できる。受信機RX1は、比較的低い周波数に対応した高周波信号を受信し得る。受信機RX2は、比較的高い周波数に対応した高周波信号を受信し得る。
一例として、LTE規格を使用して基地局80と通信する機器10は、第1基地局80−1からの高周波送信を帯域4(例えば、比較的高い周波数に対応した周波数帯域)で、第2基地局80−2からの帯域17(例えば、比較的低い周波数に対応した周波数帯域)で同時に受信することができる(図3に示すとおり)。このシナリオでは、アンテナ40−1を介して機器10で受信された高周波送信は、ダイプレクサ64によって、帯域4に対応した信号と帯域17に対応した信号とに区切られる。
帯域4に対応した信号はスイッチ68HBによって受信され、帯域4に関連付けられた周波数を受け入れるように構成された第1デュプレクサ66へ転送されることが可能である。第1デュプレクサ66は、帯域4に関連付けられた周波数を、送信帯域と受信帯域(例えば、1710〜1755MHzに対応した送信帯域と、2110〜2155MHzに対応した受信帯域)に区画し、前記受信帯域に関連付けられた信号をマルチプレクサ68HBRX及び受信機RX2に提供する。受信機RX2は、受信帯域に関連付けられた信号を処理することができる(例えば、受信機RX2は信号を復調し、この信号を帯域幅プロセッサに提供することができる)。
帯域17に対応した信号は、スイッチ68LBによって受信され、帯域17に関連付けられた第2デュプレクサ66へ転送されることが可能である。第2デュプレクサ66は、帯域17に関連付けられた周波数を送信帯域と受信帯域(例えば、704〜716MHzに対応した送信帯域と、734〜746MHzに対応した受信帯域)に区画化し、受信帯域に関連付けられた信号を、処理のためにマルチプレクサ68LBRX及び受信機RX1に提供することができる。
受信機RX1、RX2が帯域の異なる高周波信号を同時に受信できるようにするには、所望であれば、各受信機をそれぞれの局部発振器に結合することができる。受信機RX1を局部発振器LO1に結合し、受信機RX2を局部発振器LO2に結合することができる。局部発振器LO1、LO2は、受信機RX1、RX2が高周波信号の処理に使用するための、適切な周波数の信号(例えば、正弦波信号、又はその他の所望の、適切な周波数を持つ信号)を生成することができる。例えば、受信機RX1は、LTE帯域17に対応した高周波信号を受信できる。このシナリオでは、局部発振器LO1は、LTE帯域17に関連付けられた高周波信号を復調するための、適切な周波数を持つ信号を提供するように調整されてよい。
それぞれの信号を持った受信機RX1、RX2を提供するために2つの別々の局部発振器LO1、LO2を使用することは、単なる例証である。所望であれば、局部発振器回路156は、周波数の異なる2つの信号を持った受信機RX1、RX2を提供できる。例えば、局部発振器回路156は、第1周波数の第1信号を生成するように構成された単一の局部発振器を含んでよく、この第1信号は受信機RX1に提供されてよい。局部発振器回路156は、第2周波数の第2信号を生成するために第1信号を使用するように構成された周波数分割回路を更に含むことができ、この第2信号は受信機RX2に提供されてよい。
これにより、機器10によって受信された高周波送信を同時に処理することが可能になる。2つの異なる周波数帯域を同時に処理することで機器10の通信帯域幅が向上し、これによりデータスループット及び送信速度が増加する。各周波数帯域の信号を別々の基地局80から同時に受信することで、機器10は、基地局のうち所与の1つに対するその地理的位置に関係なく(例えば、機器10が基地局のうちの1つから遠く離れている場合でも)、スループットを増加させることができる。
図6の回路を、LTE帯域4、17に関連付けられた信号を扱うために使用することは、単なる例証である。無線通信回路34を所望の周波数帯域を受け入れるように構成することで、任意の2つの異なる通信帯域を同時に受信することが可能になる。例えば、LTE帯域2は、LTE帯域17、LTE帯域5、MediaFLO帯域、又はその他所望の周波数帯域と共に同時に受信され得る。別の例として、LTE帯域4は、LTE帯域5又はMediaFLO帯域と共に同時に受信でき、LTE帯域1はLTE帯域8又はLTE帯域20と共に同時に受信でき、LTE帯域3はLTE帯域8又は帯域20と共に同時に受信できる、などである。所望であれば、この方法において、2つ以上の周波数帯域を同時に扱うことができる。例えば、複数のダイプレクサを段階形状に配設することで、受信された高周波信号を、それぞれの受信機によって処理される所望数の周波数帯域に分割でき、トラプレクサを使用することで、受信された高周波信号を3つの周波数帯域に分割でき、クワッドプレクサを使用することで、信号を4つの周波数帯域に分割でき、任意の所望数の送信機TX及び受信機RXを使用することで、任意の所望数の帯域の信号を任意の所望数のアンテナ40を使用して送受信できる、などである。
受信機RX1、RX2は、送受信機回路の一部として、或いは別々の回路として形成されてよい。例えば、受信機RX1及び/又は受信機RX2を送信機TXと組み合わせて送受信機を形成し、別個の受信機回路及び送信機回路として別々に実施することが可能である。所望であれば、第1のオプションの送受信機154を受信機RX1と送信機TXを組み合わせて形成し、第2のオプションの送受信機154を受信機RX2と更なる送信機TXと組み合わせて形成することができる。
受信機RX1、RX2、送信機TXは、ベースバンドプロセッサ回路54に結合できる。受信機RX1、RX2は、スイッチ68LBRX、68HBRXから受信した高周波信号を処理し、処理済みの高周波信号をベースバンドプロセッサ回路54に提供できる。例えば、受信機RX1は、LTE帯域17に対応した高周波信号を受信し、この高周波信号を復調してベースバンド信号を形成することができる。このシナリオでは、ベースバンド信号はベースバンドプロセッサ回路152によって処理されてよい。例えば、ベースバンドプロセッサ回路54は、受信した信号に関連付けられた変調方式を復号できる。ベースバンドプロセッサ回路54は、各々の帯域上で同時に受信された信号を単一のデータストリームに統合することができる。
図7は、図6の回路を使用して扱うことができる高周波信号の例示的な帯域を示すグラフである。図7の実施例では、周波数帯域LBTXはLTE帯域17用の704〜716MHzなどの低送信周波数帯域に対応し、LBRXはLTE帯域17用の734〜746MHzなどの低受信周波数帯域に対応してよい(例えば、LBTXはLTE帯域17の送信帯域に対応し、LBRXはLTE帯域17の受信帯域に対応してよい)。周波数帯域HBTXは、LTE帯域4用の1710〜1755MHzなどの高送信周波数帯域に対応し、HBRXは、LTE帯域4用の2110〜2155MHzなどの高受信周波数帯域に対応してよい(例えば、HBTXはLTE帯域4の送信帯域に対応し、HBRXはLTE帯域4の受信帯域に対応してよい)。
デュプレクサ64は、高周波送信を、F1未満の周波数の第1信号区画と、F1よりも高い周波数の第2信号区画とに区画するように構成されてよい(例えば、フィルタFLBは、第1信号区画をスイッチ68LBに提供するように構成されてよく、フィルタHLBは、第2信号区画をスイッチ68HBに提供するように構成されてよい)。スイッチ68LBは、周波数帯域LBTX及びLBRXに関連付けられた第1デュプレクサ66をフィルタFLBに結合するように構成されてよい。スイッチ68HBは、周波数帯域HBTX及びHBRXに関連付けられた第2デュプレクサ66をフィルタHLBに結合するように構成されてよい。
第1デュプレクサ66は、低い送信帯域LBTXを低い受信帯域LBRXから分離するように構成されてよい(例えば、フィルタを使用して、F2未満の周波数をF2よりも高い周波数から分離する)。第2デュプレクサ66は、高い送信帯域HBTXを高い受信帯域HBRXから分離するように構成されてよい(例えば、フィルタを使用して、F3未満の周波数をF3よりも高い周波数から分離する)。第1受信機RX1に低い受信帯域LBRXを提供し、高い受信帯域HBRXを第2受信機RX2に提供することができる。こうすることで、2つの異なる周波数帯域を無線通信回路34によって同時に受信、処理することが可能になる。
図8は、機器10が、ネットワーク(例えばセルラーネットワーク)内の異なる地理的位置にある2つの無線基地局80(例えば、2つのセルラー通信塔)を使用してキャリアアグリゲーションを実行する様子を示す例示的な図である。図6に示すように、機器10は地理的位置160に位置している。ネットワーク180は第1無線基地局80−1と第2無線基地局80−2を含んでよい。ネットワーク180は、1つ以上のネットワークオペレータ又はマネージャ(例えば、1つ以上のネットワークプロバイダ)によって運営されてよい。第1基地局80−1は地理的位置162に位置してよく、第2基地局80−2は地理的位置164に位置してよい。第1基地局80−1は無線カバレッジの領域166を設けていてよい。領域166は、第1基地局80−1が機器10などの無線機器と高周波信号の送受信を適宜実行できる場所を表す(例えば、基地局80−1と無線機器との間の無線リンクを落とすことなく、第1基地局80−1が無線機器と信号送信及び/又は受信を行える無線カバレッジ領域、無線機器が第1基地局80−1からの信号を所望の信号電力レベルで受信できる領域、基地局80−1が無線機器からの信号を所望の信号電力レベルで受信できる領域、無線機器及び/又は基地局80−1によって受信された信号が十分な信号品質を有する領域、など)。
或る好適な配置では、基地局80−1は、カバレッジ領域166内で、所望の通信帯域を使用して無線機器と通信することができる。別の好適な配置では、領域166は2つ以上のカバレッジゾーン168に分割され、各ゾーンは、ゾーン168内での基地局80−1と無線機器とが通信を行うための対応した通信帯域を有する。図6の実施例では、領域166は4つのカバレッジゾーン168に分割されており、各ゾーンはそれぞれの通信帯域を有する(例えば、第1ゾーン168−1は第1通信帯域FAを有し、第2ゾーン168−2は第2通信帯域FBを有し、第3ゾーン168−3は第3通信帯域FCを有し、第4ゾーン168−4は第4通信帯域FDを有する)。このシナリオでは、無線電子機器10は、第1基地局80−1のゾーン168−2内の位置160にあり、第1基地局80−1は対応する通信帯域FBを使用して機器10と通信することができる。
第2基地局80−2は、所望の通信帯域を使用して、カバレッジ領域170内の無線機器と通信することができる。別の好適な配置では、領域170は2つ以上のカバレッジゾーン172に分割でき、各ゾーンは、基地局80−2がゾーン172内で無線機器と通信するための対応した通信帯域を有する。図8の実施例では、領域170は4つのカバレッジゾーン172に分割され、各ゾーンはそれぞれの通信帯域を有する(例えば、第1ゾーン172−1は第5通信帯域FEを有し、第2ゾーン172−2は第2通信帯域FFを有し、第3ゾーン172−3は第3通信帯域FGを有し、第4ゾーン172−4は第4通信帯域FEを有する)。このシナリオでは、無線電子機器10は第2基地局80−2のゾーン172−4内の位置160にあり、第2基地局80−2は対応する通信帯域FEを使用して機器10と通信する。
機器10が複数の基地局80の無線カバレッジ領域内に位置している場合には、機器10は複数の基地局80を使用してキャリアアグリゲーションを実行することで、基地局から異なる通信帯域で(例えば、単一の通信帯域上の通信と比べて向上したデータスループットで)無線信号を同時に受信できるようになる。図8の実施例では、機器10は、第1基地局に関連付けられたカバレッジ領域166と第2基地局80−2に関連付けられたカバレッジ領域170との間の重畳地域174内に配置されており、キャリアアグリゲーションの実行によって、第1基地局80−1及び第2基地局80−2と同時に通信することができる。キャリアアグリゲーションを実行する際に、機器10は、機器10が所在するカバレッジゾーンに関連付けられた通信帯域内で各基地局80との通信動作を実行する。例えば、図6に示すように、機器10は、キャリアアグリゲーションの実行により、通信帯域FBにて第1基地局80−1と、通信帯域FEにて第2基地局80−2と同時に通信することができる。
1つの実施例として、帯域FBは比較的高い周波数を含んでよい一方で、周波数帯域FEは比較的低い周波数を含んでよい。機器10内のダイプレクサ回路64は、基地局から低い帯域FEで受信した信号を、第1受信機RX1へ伝達するために、スイッチ68LBへルーティングでき(図4に示す)、基地局80−1から高い帯域FBで受信した信号を、第2受信機RX2へ伝達するために、スイッチ68HBへルーティングできる。機器10がLTE規格を用いて基地局80と通信するシナリオでは、機器10は、第1基地局80−1から帯域4(例えば、比較的高い周波数に対応した周波数帯域)で、第2基地局80−2から帯域17(例えば、比較的低い周波数に対応した周波数帯域)で、高周波信号送信を同時に受信することができる(例えば、帯域FBはLTE帯域4であり、帯域FEはLTE帯域17であってよい)。このシナリオでは、機器10によって受信された高周波送信は、ダイプレクサ64によって、帯域4に対応した信号と帯域17に対応した信号とに区画されてよい。この実施例は単成る例証である。所望であれば、各カバレッジゾーン168、172は、関連付けられたLTE帯域内のそれぞれのチャネル304に対応するか、又は、その他任意の所望の周波数範囲に対応してよい。所望であれば、スイッチング回路68、デュプレクサ66、及び/又はダイプレクサ64の構成を、基地局80から種々の帯域で同時に受信された信号を、これらの周波数にて扱うべく、対応する受信機回路50へルーティングするように調整することができる(例えば、制御回路52によって生成された制御信号を使用して行う)。
図8の実施例は単に例証である。所望であれば、カバレッジ領域166、170は任意の所望の形状であってよい(例えば、カバレッジ領域166、170の形状は、基地局80の無線回路及びアンテナ98の構成によって、基地局80が位置する範囲の地理及び地形によって、基地局を包囲している木や建物などの物体によって決定されてよい)。領域166、170などのカバレッジ領域は、任意の所望数の通信帯域の高周波信号を扱う所望数のカバレッジゾーンを設けてよい。所望であれば、第2基地局80−2の1つ以上のカバレッジゾーン172は、第1基地局80−1の1つ以上のカバレッジゾーン168と同一である関連付けられた通信帯域を有してよい。機器10は、任意の所望数の基地局80と共にキャリアアグリゲーションを実行できる(例えば、3つ、4つ、又は4つ以上の基地局のカバレッジ領域内に重畳したカバレッジ領域174が位置してよい)。例えば、機器10は3つの基地局80、4つの基地局80、4つ以上の基地局80などから信号を同時に受信することができる。
各基地局80は、他の近隣の基地局80に関する情報を記憶装置回路92に保持してよい(図3に示すとおり)。例えば、図6の実施形態では、基地局80−1は、基地局172を近隣の基地局であると識別する情報96を記憶できる。情報96は、基地局172に関連付けられたカバレッジ領域170及び対応するゾーン172を識別する情報を含んでよい。例えば、情報96は、基地局80−2のどのカバレッジゾーン172及び対応通信帯域が基地局80−1のカバレッジゾーン168と重畳しているかについての情報を含んでよい(例えば、基地局80−1は、基地局80−2のカバレッジゾーン172−4が対応通信帯域FEを有し、機器10が位置する基地局80−1のカバレッジゾーン168−2と重畳していることを識別する情報96を含んでよい)。
所望であれば、隣接基地局の情報96は、機器10との通信前に事前に定義され、記憶装置92に記憶しておくことができる。例えば、各基地局が、隣接基地局の情報と、対応するカバレッジゾーンがどのように空間的に重畳しているかに関する情報とを記憶できるように、基地局80に関連付けられたネットワークオペレータが基地局80に情報96をロードすることができる。ネットワーク180の動作状態は経時的に変更することがあるので、隣接基地局の情報をネットワーク180の通常動作中に更新することで、情報96がネットワーク180へのあらゆる変更を反映できるようにしている。例えば、隣接基地局の情報96は、ネットワーク180に更なる基地局80が追加された場合、ネットワーク180から基地局80が排除された場合、隣接基地局が対応するゾーン又はカバレッジ領域を変更した場合、隣接基地局が周波数帯域変更した場合などの、ネットワーク180における変更を反映するために、手動で又は自動的に更新することができる。所望であれば、各基地局80どうしを有線又は無線通信リンクを使用して結合することで、ハンドオーバ情報、更新された隣接基地局情報96、制御信号、又は、機器10のような無線機器情報に関する情報(例えば、図3の聞き情報94)を基地局80間で伝達できるようにしてもよい。
複数の基地局80と共にキャリアアグリゲーションを実行する場合に、機器10は、最初に基地局80−1などの単一の基地局と無線接続を確立することができる。機器10が無線通信を確立する最初の基地局は、時にプライマリコンポーネントキャリア(PCC)又はプライマリ基地局と呼ばれる。PCCと機器10の間で伝達される高周波信号は、本明細書中では時にプライマリコンポーネントキャリア信号、プライマリ信号、プライマリコンポーネント信号、プライマリキャリア信号、又はPCC信号と呼ばれ、プライマリ基地局と機器10の間の無線リンクは、本明細書中では時にプライマリ接続又はプライマリ無線リンクと呼ばれる。機器10とPCCの間に接続が確立したら、機器10は、プライマリ基地局との接続を落とさずに、基地局80−2などの別の基地局80と更なる無線接続を確立でき、両方の基地局と同時に通信することができる(この場合には、例えば、異なる周波数帯域をキャリアアグリゲーション方式で使用する)。機器10がプライマリ基地局と無線通信を確立した後に、機器10と接続を確立する更なる基地局は、本明細書中で時にセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)又はセカンダリ基地局と呼ばれる。SCCと機器10の間で伝達される高周波信号は、本明細書中で時にセカンダリコンポーネントキャリア信号、セカンダリ信号、セカンダリコンポーネント信号、セカンダリキャリア信号、又はSCC信号と呼ばれ、セカンダリ基地局と機器10の間の無線リンクは、本明細書中で時にセカンダリ接続又はセカンダリ無線リンクと呼ばれる。機器10は、ダウンリンク及びアップリンク通信帯域内で、プライマリ基地局、及び1つ以上のセカンダリ基地局と接続を確立できる。
基地局80との接続を確立する時に、機器10と基地局は受信した信号(例えば、受信信号に関連する算出された性能指標情報)を定義済みの性能指標規格と比較して、十分な接続が確立されているかどうかを判定することができる。例えば、機器10は受信信号の信号強度を測定し、この測定された信号強度を信号強度閾値と比較できる。測定された信号強度が閾値よりも大きい場合には、機器10は十分な接続が確立されたと判定してよい。
基地局80と機器10は、一組の接続設定(本明細書中では時に機器接続設定、無線接続設定、無線機器接続設定と呼ばれる)を使用して無線接続を確立できる。この接続設定は、機器10と基地局80の間に無線接続を確立するため、機器10と基地局80の間で無線信号を送信及び/又は受信する、基地局80内の無線回路の構成と、無線回路34の構成(例えば、機器10のデュプレクサ66、ダイプレクサ64、スイッチング回路68、アンテナ40、増幅器72、74、送受信機90、ベースバンド回路54の構成)とに関連付けられた、任意の所望の設定を含んでよい。例として、接続設定は、アップリンク電力レベル設定(例えば、機器10内の増幅器72によって送信信号に提供されるアップリンク電力レベル)、ダウンリンク電力レベル設定(例えば、基地局80内の増幅器によって送信信号に提供されるダウンリンク電力レベル)、電力増幅器オフセット設定、電力比指標設定、経路損失調整設定(オフセット)、アップリンク及びダウンリンク符号化設定、アップリンク及びダウンリンクデータ速度設定(例えば、機器10及び基地局80により生成されたアップリンク及びダウンリンク信号に関連付けられたデータ速度)、アップリンク及びダウンリンク変調方式設定(例えば、アップリンク及びダウンリンク信号を変調するために、基地局プロセッサ54及び/又は基地局80によって使用される変調方式)、アップリンク及びダウンリンクリソースブロック展開設定(例えば、アップリンク及びダウンリンク信号を送信するために使用するリソースブロックの数)、スループット設定、スケジューリング設定、目標電力レベル設定、アップリンク及びダウンリンク帯域幅設定、アップリンク及びダウンリンクチャネル設定、周波数設定、サイクリックプレフィクス設定、又はその他任意の無線通信設定を含んでよい。
機器10と所与の基地局80は、第1組の接続設定を使用して(例えば、第1ダウンリンク又はアップリンク電力レベル、帯域幅設定、リソースブロック構成などを使用して)接続の確立を試みることができる。第1接続設定を使用して十分な無線接続を確立できない場合には(例えば、基地局及び/又は機器10によって受信された信号が不十分な性能指標情報によって特徴付けられる場合)、機器10及び/又は基地局80は、十分な接続が確立されるまで別の接続設定を巡回することができる。このような方法で機器10と基地局80の間に無線接続を確立することは時間の浪費になりかねず、複数の基地局80を用いたキャリアアグリゲーションを使用して無線接続を確立する(本明細書中で時に「キャリアアグリゲーションリンクを確立する」と呼ばれる)時のように、追加の基地局についてこの方法を実行した場合には、無線接続の確立と機器10に遅延が生じる可能性がある。したがって、電子機器と無線基地局の間でキャリアアグリゲーションを実行するために無線接続を確立する方法を提供できることが望ましい。
キャリアアグリゲーションモードで通信するには(例えば、キャリアアグリゲーションリンク上で異なる通信帯域での同時高周波送信を使用して、セルラー基地局80と無線機器10の間で通信するには)、図9の例示的なフローチャートのステップを実行してよい。
ステップ202で、図6の基地局80−1などの第1セルラー基地局、基地局80−2などの第2セルラー基地局、無線電子機器10を、キャリアアグリゲーション動作のために準備する。例えば、機器10は、選択された接続設定を使用して、基地局80−1との第1(プライマリ)接続を確立できる。基地局80は、複数のデータストリームの送信に備えて、種々の通信帯域の複数のデータストリームを同時受信するべく準備するように無線電子機器に命令することができる(例えば、基地局80−1又は基地局80−2は、キャリアアグリゲーションモードで動作するように無線電子機器に命令することができる)。複数のデータストリームは、単一ソースのデータストリームを複数の部分に分割することにより生成される(例えば、単一ソースデータストリームを第1部分と第2部分に分割し、ネットワーク180内の別のネットワーク設備から基地局80−1、80−2へそれぞれ提供することにより生成できる)。無線電子機器は、複数のデータストリームを同時受信する準備をせよとの命令の受信に応じて、スイッチ68を、適切なルーティング接続を行うように構成することができる(例えば、スイッチを、各々の通信帯域を対応する受信機50へルーティングするように構成できる)。
所望であれば、第1基地局80−1は、機器10にキャリアアグリゲーションの準備をするよう命令する前に、機器10をキャリアアグリゲーションモードで動作するかどうか決定してもよい。例えば、第1基地局80−1は、機器10が位置するカバレッジゾーン(例えばカバレッジゾーン168−2)を識別し、そのカバレッジゾーンが第2基地局80−2のカバレッジゾーンと空間的に重畳しているかどうかを、隣接の基地局情報96に基づいて識別できる。第2基地局80−2の第2基地局が、機器10が位置する基地局80−1のカバレッジゾーンと重畳している場合には、第1基地局が機器10に、キャリアアグリゲーションの無線回路34を構成するよう命令することができる(例えば、基地局80−1が機器10に対し、機器10が位置する第2基地局80−2のカバレッジゾーン172に対応した通信帯域でキャリアアグリゲーションを実行するよう命令すると、機器10が、第1基地局80−1が使用している通信帯域での同時通信を扱うために、スイッチング回路68、ダイプレクサ回路64、デュプレクサ回路66を構成することができる)。別の好適な配置では、機器10はキャリアアグリゲーションモードで動作するかどうかを判定することができる。例えば、キャリアアグリゲーションを使用しなくてもデータスループットが十分な場合には、機器10は、キャリアアグリゲーション動作は不要であると判定し、その後、単一の周波数帯域を使用して基地局80−1と通信を行うことが可能である。
機器10は、種々の通信帯域の複数のデータストリームを同時受信するための準備を終えると、第2基地局80−1との接続を確立することができる。図8の実施例を用いると、機器10は最初に第1基地局80−1とのプライマリ接続を確立する。機器10は、選択された接続設定を使用して、第1基地局80−1とプライマリ接続を確立し得る(例えば、機器10は、機器10が位置するカバレッジゾーンに対応した通信帯域FBにて、選択されたアップリンク及びダウンリンク電力レベル、変調方式などを使用して、第1基地局80−1と通信することができる)。第1基地局80−1は、機器10が、対応する周波数帯域FBを有するカバレッジゾーン168−2内に位置することを識別してよい。第1基地局80−1は、第2基地局80−2が、カバレッジゾーン168−2と重畳するカバレッジゾーン172−4及び対応する周波数帯域FEを有することを、記憶された隣接の基地局情報96に基づいて識別してよい。この後、第1基地局80−1は、機器10に周波数帯域FB及びFEを使用してキャリアアグリゲーションの準備をするよう命令してよい。機器10内の制御回路52は、周波数帯域FB、FEでの信号の同時の送信/受信を扱うべく、ダイプレクサ回路64、デュプレクサ回路66、スイッチング回路68を構成するために、経路76を介してフロントエンド回路60に制御信号を提供してよい。その後、機器10は、第2基地局80−2と通信帯域FEにてセカンダリ無線接続を確立してよい。
ステップ204で、基地局80は、複数のデータストリームを種々の通信帯域で無線電子機器10同時に送信できる。例えば、第1基地局80−1は、第1データストリームをLTE帯域17で送信し、第2基地局80−2は第2データストリームをLTE帯域4で送信できる。
ステップ206で、電子機器10は、ダイプレクサ64、デュプレクサ66などの多重化回路を使用して、基地局80−1、80−2から受信された高周波信号を周波数に基づいて分割してよい。例えば、電子機器10は、アンテナ40−1によって基地局80−1、80−2から受信した高周波信号を、ダイプレクサ64を使用して比較的低い周波数と比較的高い周波数とに分割することができる。比較的低い周波数は、比較的低い周波数を第1デュプレクサ66へルーティングするために構成された(例えば、ステップ202で構成された)第1スイッチ68LBに提供されてよい。比較的高い周波数は、第2スイッチ68HBに提供され、第2デュプレクサ66へルーティングされてよい。第1デュプレクサ66は、基地局80−1から比較的低い周波数で受信された第1データストリームを分離し、この第1データストリームを受信機RX1に提供できる。第2デュプレクサ66は、比較的高い周波数から第2データストリームを分離し、この第2データストリームを受信機RX2に提供できる。
ステップ208で、電子機器10が複数の受信機を使用して複数のデータストリームを同時に受信できる。例えば、受信機RX1は第1データストリームを復調し、復調した第1データストリームを基地局に提供できる。受信機RX2は第2データストリームを復調し、復調した第2データストリームをベースバンド処理回路54に提供できる。
ステップ210で、ベースバンド処理回路54は復調した第1及び第2データストリームを同時に受信し、復調した第1及び第2データストリームを組み合わせて単一ソースのデータストリームを再構築できる。
図10は、機器10及び基地局80にキャリアアグリゲーション動作の準備をさせるための(例えば、機器10と基地局80の間にプライマリ及びセカンダリ接続を確立するための)、図6のネットワーク180などのセルラーネットワーク内で基地局80により実行できる例示的なステップのフローチャートを示す。図8のステップは、例えば、図7のステップ202の実行中に実行してもよい。
ステップ212で、第1基地局80−1は機器10とプライマリ接続を確立できる。例えば、機器10は無線要求を第1基地局80−1に送信し、基地局80−1は無線応答を機器10に送信できる。機器10は、選択された接続設定(例えば、選択されたアップリンク及びダウンリンク接続設定)を使用して、第1基地局80−1との接続の確立を試みることができる。1つの好適な配置では、機器10と基地局80−1は、基地局80−1と機器10の間に十分な接続が確立されるまで、接続設定を巡回することができる。機器10と基地局80−1の間の接続の確立に成功した接続設定は、機器情報94の一部として記憶回路92に記憶される。
所望であれば、第1基地局80−1が機器10から機器識別情報を受信することもできる(例えば、一意の機器識別番号、登録番号、シリアル番号、タイムスタンプ情報、機器10の地理的位置に関連したGPS情報などの地理位置情報など)。第1基地局80−1は受信した機器識別情報を機器情報94の一部として記憶回路92に記憶できる。所望であれば、基地局80−1は、機器10が位置するカバレッジゾーン168を識別し、識別されたカバレッジゾーンについての情報を機器情報94の一部として記憶してもよい。
第1基地局80−1は、機器情報94を記憶された隣接基地局情報96と比較して、追加の(SCC)基地局とのキャリアアグリゲーションの準備をするように機器10に命令するかどうかを判定できる。例えば、基地局80−1は、隣接基地局情報96が、機器10が位置するカバレッジゾーン168と重畳したカバレッジ地域170を有する隣接基地局を識別しているのかどうかを判定することができる。別の好適な配置では、基地局80−1は、機器10から受信した地理位置情報を隣接基地局情報96と比較し、機器10が重畳するカバレッジ地域170内にあるかどうかを判定することができる。基地局80−2等の更なる基地局と関連付けられたカバレッジの領域内に機器10が位置していると基地局80−1が判断した場合、機器10は、当該機器10が位置する更なる基地局のカバレッジゾーン172に関連付けられた、対応する周波数帯域を識別することができる。
ステップ214で、第1基地局80−1は、機器10に関連付けられた機器情報94をネットワーク180内の他の基地局80に一斉配信してよい。1つの好適な配置では、第1基地局80−1は、記憶された隣接基地局情報96によって識別された全ての隣接基地局に機器情報94に一斉配信してよい。別の好適な配置では、基地局80−1は、機器10が位置するカバレッジ地域170を有する基地局80−2に機器情報94を一斉配信することができる。第2基地局80−2は、機器10に関連付けられた機器情報94を対応する回路92に記憶できる。
ステップ216では、第1基地局80−1が、隣接基地局情報96のうちいくらか又は全てを機器10に送信して、更なる基地局80−2に関連付けられた周波数帯域でのキャリアアグリゲーション動作の準備をするよう機器10に命令する。機器10は、隣接基地局情報を使用して、接続要求を一斉配信できる(例えば、隣接基地局情報により識別された周波数帯域における接続)。このステップは単に例証である。所望であれば、ステップ216をステップ214より前に実行して、隣接基地局情報の一斉配信前に機器情報を一斉配信することもできる。
ステップ218で、第2基地局80−2は、無線接続確立の要求が無線機器によって受信されるまで待ってもよい。第2基地局80−2が接続確立の要求を無線機器から受信すると(例えば、カバレッジ地域170内の無線機器からの要求)、処理はステップ220へ進む。
ステップ220で、第2基地局80−2は、要求を送信した無線機器に関連付けられた機器情報を取得できる。例えば、第2基地局80−2は受信した要求に含まれている機器情報を識別でき、又は、基地局80−2は接続確立の要求を無線機器から受信した後に機器情報を要求することができる。取得された機器情報は、例えば、一意の機器識別番号、登録番号、シリアル番号、タイムスタンプ情報、機器10の地理的位置に関連付けられたGPS情報などの地理位置情報、又は、接続確立の要求を送信した機器に関するその他任意の望ましい情報を含んでよい。
ステップ222で、第2基地局80−2が、取得した機器情報を第1基地局80−1から受信した機器情報94と比較することにより、要求を送信した無線機器が、基地局80−1がキャリアアグリゲーションしようと準備を試みている無線機器であるかどうかを判定することができる。受信した機器情報が機器情報94と整合しない場合には(例えば、要求を送信した機器が、カバレッジ地域170内の、単独で接続の確立を試みている機器10以外の無線機器である場合、など)、処理はステップ218へ戻り(経路224で示す)、接続確立の更なる要求を待つ。こうすることで、基地局80−2がネットワーク180内の別の基地局80と通信状態にない機器、又は、キャリアアグリゲーション接続の確立を試みていない機器とキャリアアグリゲーション接続の確立を試みてしまうことが防止される。所望であれば、基地局80−2は、機器情報94と整合しないその他の無線機器との独立した無線接続を確立することも可能である。
受信した機器情報が機器情報94と整合する場合は(例えば、基地局80−2に要求を送信した無線機器が、基地局80−1とのプライマリ接続を確立した機器である場合は)、処理は、経路226が示すようにステップ228へ進むことができる。
ステップ228で、基地局80−2は、第1基地局80−1から受信した機器接続設定のうち1つ以上を使用して、機器10とのセカンダリ無線接続を確立できる。所望であれば、基地局80−2は、機器10との接続の確立を試みる際に、第1基地局80−1との接続の確立に成功した機器接続設定のうち1つ以上をクローニングすることができる。例えば、セカンダリ基地局80−2は、機器10とプライマリ基地局80−1との間のプライマリ接続を確立するために使用したものと同じダウンリンク電力レベル、変調方式、リソースブロック展開、及び/又は帯域幅を使用できる。クローニングされた接続設定は、基地局80−1を使用し機器10との接続に使用されて成功しているので、接続設定のうち1つ以上が、基地局80−2を使用して機器10との接続を成功させられる可能性は高い。こうすることで、第2基地局80−2が、接続の確立に成功するまで可能性のある接続設定を巡回したり、更なるソースからの最適な接続設定を要求したりすることなく、接続を確立でききるため、機器10とプライマリ基地局80−1の間のプライマリ接続の確立に必要な時間に対して、セカンダリ基地局80−2とのセカンダリ接続の確立に要する時間を短縮することができる。ステップ214〜228は、機器10とプライマリ基地局80−1の間のプライマリ接続が維持されている間に実行されてよい(例えば、機器10とセカンダリ基地局80−2の間のセカンダリ接続を、機器10とプライマリ基地局80−1の間のプライマリ接続を落とすことなく設定できる。
所望であれば、図10のステップを、更なる基地局80とセカンダリ接続を確立するために使用してもよい。例えば、機器10は、プライマリコンポーネントキャリア局(例えば基地局80−1)及び2つのセカンダリコンポーネントキャリア局と信号を同時に送受信するためにキャリアアグリゲーションを実行できる。この例では、単一のデータストリームを、それぞれ異なる周波数帯域を使用して機器10と3つの基地局の各々との間で伝達される3つのパラレルデータストリームに分割できる。総体的には、任意の所望数のセカンダリ基地局を使用して、機器10とプライマリ基地局80−1との組み合わせに同時に通信すること可能である。
図11は、図8のネットワーク180などのセルラーネットワーク内で複数の基地局80とのキャリアアグリゲーション接続を確立するために機器10によって実行される例示的なステップのフローチャートを示す。図11のステップは、例えば図9の処理ステップ202の最中に実行されてよい。
ステップ240で、機器10は、選択された接続設定を使用してプライマリ基地局80−1と接続を確立できる。1つの例として、機器10は、基地局80−1との接続の要求を基地局80−1へ送り、基地局80−1からこの要求に対する応答を受信できる。機器10及び/又は基地局80−1は、機器10と基地局80−1の間の通信リンクの確立を成功させた成功した接続の設定を判定できる。1つの例として、機器10と基地局80−1の間の第1組の接続設定を用いて十分な無線リンクを確立できなかった場合には、リンクの確立に第2組の接続設定を使用してもよい。接続の確立に成功したら、処理はステップ242へ進む。機器10及び/又は基地局80−1は、機器10と基地局80−1の接続の確立に成功した接続の設定を記憶することができる。
ステップ242で、機器10は選択された接続設定を使用して基地局80−1とのデータ通信動作を開始できる。機器10は、例えば、通常の通信データ(例えばセルラー音声データ及び非音声データ)を基地局80−1へ送ることができ、機器識別情報、又はその他任意の所望のデータを機器10へ送ることができる。所望であれば、機器10は、通常の通信データを基地局80−1に送る前に、複数の基地局とのキャリアアグリゲーション接続の確立が成功するまで待ってもよい。
ステップ244で、機器10は、図3の隣接基地局情報96などの隣接基地局の情報を基地局80−1から受信できる。機器10は、受信した基地局情報を処理することにより、ネットワーク180内の更なる基地局80とのセカンダリ接続を要求するかどうかを判定できる。機器10が、受信した基地局情報がセカンダリ接続を確立するのに好適な基地局80を識別していると判定した場合には(例えば、受信した基地局情報が、機器10の位置が含む無線カバレッジ地域を有する図8の基地局80−2などの第2基地局を識別している場合には)、処理はステップ246へ進む。受信した基地局情報は、例えば、機器10に更なる基地局80との接続を確立させるために基地局80−1が発行したコマンド、更なる基地局80との接続を確立するために使用する周波数帯域についての情報などを含んでよい。所望であれば、機器10は、キャリアアグリゲーションを実行しないと判定してもよく(例えば、機器のデータスループットが十分であるなどの場合)、この場合には、機器10はその後に第1基地局80−1との通信動作を実行できる。
ステップ246で、機器は、基地局80−1から受信した隣接基地局情報に基づき、ネットワーク180内の他の基地局80(例えば、機器10が既に接続しているプライマリ基地局80−1以外の基地局)に対してセカンダリ接続確立の要求を送信できる。例えば、機器10は、隣接の基地局80−2に関連付けられた周波数帯域と、及びプライマリ基地局80−1に関連付けられた周波数帯域とにおいて同時通信を行う無線回路34を構成してよい(例えば、適切な送信機48、受信機50、アンテナ40の間で信号をルーティングするためにスイッチング回路68、ダイプレクサ回路64、デュプレクサ回路66を用いて構成する)。機器10は、機器10が位置している隣接基地局80−2のカバレッジゾーン172に関連し、受信した隣接基地局情報で識別された周波数帯域での接続確立の要求を配信してよい。別の好適な配置では、受信した隣接基地局情報は、基地局80−1より発行された、機器10に基地局80−2が使用する適切な周波数帯域で要求を一斉配信させるコマンドを含んでよい。機器10は、受信した、セカンダリ接続確立の要求を一斉配信せよとの隣接基地情報を使用することで、隣接基地局80−2が使用していない周波数帯域で要求を一斉配信する必要がなくなるので、キャリアアグリゲーション接続の確立の要求に要する時間を短縮することができる。
ステップ248で、機器10は、隣接基地局80−2から、セカンダリ接続を確立するとの確認を待ってよい。機器10は、隣接基地局80−2からの確認を待ちつつ、プライマリ基地局80−1とのプライマリ接続を維持することができる(例えば、無線回路34の構成により、プライマリ接続を落とすことなく、プライマリ接続及び1つ以上のセカンダリ接続上で同時通信を行うことができる)。セカンダリ接続を確立するとの確認を隣接基地局80−2より受信したら、処理はステップ250へ進む。
ステップ250で、機器10及び基地局80−2はセカンダリ接続を確立してよい。機器10は、セカンダリ接続を確立しながら、第1基地局80−1と機器10の接続を確立させた1つ以上の選択された接続設定を用いて隣接基地局80−2から送信されたダウンリンク信号を受信することができる。基地局80−2は、第1基地局80−1と機器10の間の接続を確立させた1つ以上の選択された接続設定を用いてアップリンク信号を送信するよう機器10に命令する制御信号を機器10に送信できる。こうすることで、基地局80−2が機器10とプライマリ基地局80−1の間のプライマリ接続の確立に使用された通信設定について認識していないシナリオよりも短い時間で、隣接基地局80−2と機器10との間に十分な無線接続が確立される。機器10は、この後、プライマリ基地局80−1とセカンダリ基地局80−2の間のキャリアアグリゲーションを用いて通常のデータ通信動作を開始し、単一の周波数帯域のみを使用する通信方式と比べて向上したデータスループットを得ることができる。
図12は、機器10と第1基地局80−1の間のプライマリ接続の確立と、機器10と第2基地局80−2の間のセカンダリ接続の確立とに使用できる通信設定のテーブル398を示す。図12のテーブル398中の情報は、例えば、第1基地局80−1に関する機器情報94の一部として記憶できるため、本明細書中では時に、機器接続設定398又は機器接続情報398と呼ばれる。第1基地局80−1は、機器10との接続の確立に成功すると(例えば、図8の処理ステップ212の後)、機器接続情報398を生成して記憶することができ、ネットワーク180内の隣接基地局80に接続情報398を一斉配信できる(例えば、図8の処理ステップ214の最中)。
接続情報398の各エントリ(行)は、基地局80−1及び/又は機器10が基地局と機器の間のプライマリ接続の確立に使用されて成功した接続設定に対応してよい。接続情報398へのエントリは、アップリンク接続設定404などのアップリンク信号の生成及び送信に関連した接続設定を含んでよく、ダウンリンク接続設定406などのダウンリンク信号の生成及び送信に関連した接続設定を含んでよい。機器10は、例えば、1つ以上の接続設定404を用いてアップリンク信号を基地局80に送信することができる。基地局80は、例えば、1つ以上の接続設定406を用いてダウンリンク信号を機器10に送信することができる。所望であれば、プライマリ基地局80−1及び/又はセカンダリ基地局80−2は、設定404を用いてセカンダリ信号を基地局80−2(例えばセカンダリ接続を確立するために)に送信するよう機器10に命令することができ、又は、機器10は、機器10とプライマリ基地局80−1の間で既に使用されている、記憶及び処理回路28に記憶された定義済みのアップリンク接続設定に基づいて、セカンダリ信号をセカンダリ基地局80−2に送信することができる。セカンダリ基地局80−2は、機器10と基地局80−2の間のセカンダリ接続を確立する際に(例えば図10の処理ステップ228の最中に)、機器接続設定398の1つ以上のエントリをクローニング(コピー)することができる。
テーブル398の列400は、機器10と基地局80−1の間の接続の確立に関連した接続設定を含む。列402は、列400内の各接続設定に対応した値の例を含む。図12の実施例では、アップリンク接続設定404は次を含む:アップリンク信号を基地局80に送信するために機器10によって使用される多数のリソースブロック300(例えば、機器10は25個のリソースブロック300を使用してアップリンク信号を送信できる)、アップリンク信号を送信するために使用される、対応するチャネル304内の開始リソースブロック(例えば、機器10はチャネル内の第1リソースブロックで始まる25個のリソースブロック300を使用してアップリンク信号を送信できる)、アップリンク信号を生成する変調方式(例えば、機器10はQPSK変調方式を使用してアップリンク信号を変調できる)、アップリンク信号を生成する際に使用されるアップリンクデータ(例えば、機器10は、アップリンクデータレートAを有するアップリンク信号を生成できる)、電力増幅器72によって提供されたアップリンク電力レベル(例えば、電力増幅器72は電力レベルBのアップリンク信号を提供できる)、アップリンク信号に追加できる経路損失補正値(例えば、経路損失補正値Eは機器10及び/又は基地局80によってアップリンク信号に追加される)、アップリンク信号を生成するために使用するチャネル帯域幅(例えば、機器10はチャネル帯域幅Fを有するアップリンク信号を生成できる)。この実施例は単に例証である。一般に、任意の所望のアップリンク接続設定404を、アップリンク信号を送信するために記憶及び使用することができる(例えば、設定404は、使用するリソースブロック300の特定の展開、使用する特定のLTE帯域の周波数チャネルを含む)。機器10は、キャリアアグリゲーション通信方式を用いて(例えばキャリアアグリゲーションリンク上で)基地局80−1、80−2へ送信される、対応するアップリンク信号を生成するために、アップリンク設定404を使用して、ベースバンド回路54、増幅器回路72、フロントエンド回路60、アンテナ40、及び/又は送受信機90を構成できる。
図12の実施例では、ダウンリンク接続設定406は、ダウンリンク信号を機器10へ送信するために基地局80が使用したダウンリンクリソースブロック300の数、ダウンリンク信号を送信するための開始リソースブロック、ダウンリンク信号の生成に使用される変調方式、ダウンリンクデータ値、ダウンリンク電力レベル、ダウンリンク電力オフセットレベル、ダウンリンクチャネル帯域幅などを含む。この実施例は単に例証である。一般に、任意の所望のダウンリンク接続設定406を、ダウンリンク信号を送信するために記憶及び使用することができる。基地局80は、所望のダウンリンク信号を生成して機器10に送信するべく対応する無線回路を構成するために、ダウンリンク設定406を使用することができる。所望であれば、機器10は、基地局80からの対応するダウンリンク信号を受信及び処理する準備のために、ベースバンド回路54、増幅器回路74、フロントエンド回路60、アンテナ40、及び/又は送受信機90を構成するためにダウンリンク設定406をできる。
第2基地局80−2は、任意の所望数の機器接続設定398を使用して、基地局80−2と機器10の間にセカンダリ接続を確立できる。1つの好適な配置では、セカンダリ基地局80−2は、セカンダリ接続を確立するためにテーブル398内の全ての接続設定をクローニングすることができる。しかし、例えば、機器10が基地局80−1及び基地局80−2に対して種々の距離で位置しているようないくつかのシナリオでは、アップリンク及びダウンリンク電力レベルなどのいくつかの接続設定398を、セカンダリ基地局80−2でのクローニングから省くこともできる(例えば、このようなシナリオでは基地局80−1、80−2と機器10との間の経路損失が同一でないため)。このシナリオでは、基地局80−2は、任意の所望のアルゴリズムを用いてセカンダリ接続を確立するために使用する電力レベルを決定できる(例えば、種々の電力レベルを巡回するなどによって行う)。一般に、セカンダリ基地局80−2では、機器10とのセカンダリ接続を確立するために、任意の所望数の接続設定398をクローニングできる。設定398は既に使用されて機器10とプライマリ基地局80−1の接続の確立を成功させいるので、第2基地局80−2は同じ接続設定の1つ以上を使用して機器10とのセカンダリ接続を成功させることが可能であり、これにより、セカンダリ接続の確立に要する時間が短縮される。こうすることで、基地局80と機器10を迅速に設定し、基地局80と機器10の間で高スループットキャリアアグリゲーション動作を開始できるようになる。
所望であれば、基地局80と機器10は、無線試験動作を実行するための試験動作モードで、又は通常動作モードで動作できる。試験動作モードにおいて、機器10は無線試験データを基地局80に送信でき、及び/又は、基地局80から無線試験データを受信できる。所望であれば、機器10は、基地局80からの試験データに加えて、又はこれの代わりに、試験モード中に基地局80から音声データを受信することもできる。通常動作モード中に、機器10はデータトラフィック及び/又は音声データを基地局80から受信できる(例えば、基地局80の構成に基づく)。例えば、基地局80及び機器10におけるソフトウェア又は試験回路が、有効にされると、ネットワーク、機器、及び/又は基地局上で無線試験動作を実行する。試験回路又はソフトウェアは自動的に(例えば、所定の間隔にて)、及び/又は、基地局のユーザによって選択された時に(例えば、ネットワークオペレータが試験の実行を選んだ時)に、又は機器のユーザによって選択された時に(例えば、機器のエンドユーザが試験の実行を選んだ時に)有効にされることが可能である。所望であれば、機器10が試験モードで動作している時のみに、通常通信モードで動作している時のみに、及び/又は、試験モードと通常通信モードの両方で動作している時に、機器接続設定を基地局間でクローニングしてもよい。
一実施形態によれば、電子機器と無線通信するために第1及び第2基地局を有する無線システムが動作する方法であり、この方法は、第1基地局によって、一組の無線接続設定を使用して第1基地局と電子機器の間に第1無線接続を確立することと、第1基地局によって、この一組の無線接続設定を第2基地局へ送信することと、第1基地局が電子機器との第1無線接続を同時に維持している間に、第2基地局によって、この一組の無線接続設定に基づいて第2基地局と電子機器の間に第2無線通信接続を確立することとを含み提供される。
別の実施形態によれば、方法は、第1及び第2基地局によって、第1及び第2データストリームを電子機器にそれぞれの第1及び第2周波数帯域で同時に送信することを含み、第2周波数帯域は第1周波数帯域とは異なる。
別の実施形態によれば、第1基地局は記憶装置回路を含み、方法は、第1基地局によって、第2基地局及び第2周波数帯域を識別する隣接基地局情報を記憶装置回路に記憶し、第1基地局によって、記憶された隣接基地局情報を第1周波数帯域で電子機器に送信することを含む。
別の実施形態によれば、方法は、第1基地局によって、機器識別情報を電子機器から第1周波数帯域で受信し、受信した機器識別情報を第2基地局へ送信することを含む。
別の実施形態によれば、方法は、第2基地局によって、第2無線接続確立の要求を電子機器から第2周波数帯域で受信し、第2無線接続確立の要求に応じて、第2基地局によって、追加の機器識別情報を電子機器から第2周波数帯域で取得することを含む。
別の実施形態によれば、方法は、第2基地局によって、第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立するかどうかを、第1基地局から受信した機器識別情報を電子機器から受信した追加の機器識別情報と比較することで判定し、第1基地局から受信した機器識別情報が電子機器から受信した追加の機器識別情報と整合するとの判定に応じて、第2基地局によって第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立することは、第1基地局と電子機器の間の第1無線接続を落とすことなく、電子機器との第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、受信した一組の無線接続設定に基づいて第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立することは、一組の無線接続設定のサブセットを使用して第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、受信した一組の無線接続設定に基づいて第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立することは、受信した一組の無線接続設定内の全ての無線接続を使用して第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、受信した一組の無線接続設定は選択されたロングタームエボリューション(LTE)プロトコルリソースブロック割り当てを含み、第1無線接続を確立することは、選択されたLTEプロトコルリソースブロック割り当てを使用して第1基地局と電子機器の間に第1無線接続を確立することを含み、第2無線接続を確立することは、第1基地局から受信したLTEプロトコルリソースブロック割り当てを使用して第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、受信した一組の無線接続設定に基づいて第2基地局と電子機器の間に第2無線接続を確立することは、受信した、第1基地局が第1無線接続を確立するために使用した無線接続設定のうち少なくとも1つを第2基地局にてコピーすることと、コピーした無線接続設定を使用して、無線周波数ダウンリンク信号を第2周波数帯域で電子機器に送信することとを含む。
別の実施形態では、コピーされた無線接続設定は、ダウンリンク電力レベル設定、変調方式設定、帯域幅設定のうち少なくとも1つを含む。
別の実施形態では、第1及び第2データストリームをそれぞれの第1及び第2周波数帯域で電子機器へ同時に送信することは、第1及び第2データストリームをそれぞれのロングタームエボリューション帯域17及びロングタームエボリューション帯域4電子機器へ送信することを含む。
別の実施形態によれば、方法は、第1基地局によって、一組の無線接続設定を第3基地局へ送信することと、第1基地局が電子機器との第1無線接続を同時に維持し、第2基地局が電子機器との第2接続を同時に維持している間に、第3基地局によって、一組の無線接続設定に基づいて第3基地局と電子機器の間に第3無線接続を確立することとを含む。
一実施形態によれば、無線通信回路によって無線周波数を受信する方法であり、この方法は、無線通信回路によって、選択された接続設定を用いて第1無線基地局との第1無線接続を確立することと、無線通信回路によって、第2基地局を識別する隣接基地局情報を第1基地局から受信することと、無線通信回路によって、受信した近隣基地局情報に基づき、第1基地局との第1接続を維持しつつ、第2無線基地局との第2無線接続を確立する要求を送信することとを含み提供される。
別の実施形態によれば、方法は、無線通信回路によって、第1基地局との第1接続を落とすことなく、選択された接続設定の少なくともいくつかを使用して第2無線基地局との第2無線接続を確立することを含む。
別の実施形態によれば、方法は、無線通信回路によって、第1基地局から第1データストリームを第1周波数帯域での第1無線接続上で受信することと、第2基地局から第2データストリームを第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域での第2無線接続上で同時に受信することと、無線通信回路内のベースバンド回路によって、第1及び第2データストリームを単一のデータストリームに組み合わせることとを含む。
別の実施形態によれば、隣接基地局情報を第1基地局から受信することは、隣接基地局情報を第1周波数帯域で受信することを含み、受信した隣接基地局情報は第2周波数帯域が第2基地局によって使用されていることを識別し、受信した隣接基地局情報に基づいて第2無線接続確立の要求を送信することは、この要求を第2周波数帯域で第2基地局へ送信することを含む。
別の実施形態によれば、隣接基地局情報は、第1基地局に関連付けられた第1無線カバレッジ領域と、第2基地局に関連付けられた第2無線カバレッジ領域とを含み、方法は、無線通信回路によって、無線通信回路が第1無線カバレッジ領域と第2無線カバレッジ領域の間の重畳地域内に位置しているか同かを判定することと、無線通信回路が第1無線カバレッジ領域と第2無線カバレッジ領域の間の重畳地域内に位置しているとの判定に応じて、無線通信回路によって、要求を第2基地局へ送信することとを含む。
一実施形態によれば、無線通信回路と通信する無線通信システムが提供され、選択された設定を使用して、接続第1周波数帯域で無線通信回路とのプライマリ無線接続を確立するように構成された第1基地局と、選択された接続設定を第1基地局から受信するように、第1基地局がプライマリ無線接続を維持している間に、受信した選択された接続設定のうち少なくともいくつかを使用して、無線通信回路との第2無線接続を、第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域で確立するように構成された第2基地局とを含む。
別の実施形態によれば、第2基地局が受信した選択された接続設定は、第1基地局がプライマリ接続を確立するために使用した、選択された変調方式設定及び選択されたロングタームエボリューションリソースブロック割り当てを含み、第2基地局は、第1基地局から受信した、選択された変調方式及び選択されたロングタームエボリューションリソースブロック割り当てを使用してセカンダリ接続を確立するように更に構成されている。
別の実施形態によれば、プライマリ及びセカンダリ無線接続が確立された後に、第1基地局は、データ信号の第1部分を第1周波数帯域で無線通信回路へ送信するように構成され、第2基地局は、データ信号の第2部分を第2周波数帯域で無線通信回路へ同時に送信するように構成される。
前述は単に本発明の原理の例証であり、当業者によって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに様々な変更を加えることができる。前述の実施形態は単独で又は任意の組み合わせにて実現されてよい。