関連出願への相互参照
[0001]本願は、2014年7月15日に米国特許庁に出願された米国特許非仮出願第14/331,685号への優先権と、その利益を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]本開示は一般に、ワイヤレス通信システムに関し、より具体的には、受信機モジュールにおいて近距離ブロッカ及び送信漏出を排除するための方法に関する。
[0003]ワイヤレス通信デバイスは、より小さく且つよりパワフルに、そしてより有能になってきている。ユーザは、モバイル電話使用に加え電子メール及びインターネットアクセスのためにワイヤレス通信デバイスに益々頼る。同時に、デバイスは、サイズがより小さくなってきている。セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータのようなデバイス及び他の同様のデバイスは、拡大カバレッジエリアに、信頼性のあるサービスを提供する。そのようなデバイスは、モバイル局、局、アクセス端末、ユーザ端末、加入者ユニット、ユーザ機器及び同様の用語でも呼ばれ得る。
[0004]ワイヤレス通信システムは、複数のワイヤレス通信デバイスのための通信を同時にサポートし得る。使用中、ワイヤレス通信デバイスは、アップリンク及びダウンリンク上での送信により1つ又は複数の基地局と通信し得る。基地局は、アクセスポイント、ノードB又は他の同様の用語で呼ばれ得る。アップリンク又は逆方向リンクは、ワイヤレス通信デバイスから基地局への通信リンクを指し、ダウンリンク又は順方向リンクは、基地局からワイヤレス通信デバイスへの通信リンクを指す。
[0005]ワイヤレス通信システムは、帯域幅及び送信電力といった利用可能なシステムリソースを共有することによって、複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムであり得る。そのような多元接続システムの例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))システム、モバイル通信システムのだめのグローバルシステム(GSM(登録商標))、GSMエボリューションのための拡張データレート(EDGE)システム及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムが含まれる。
[0006]ワイヤレス受信機のような受信機では、所望の信号は、隣接した高い強度の信号によりブロックされ得る。この強い信号は、受信回路を飽和させ、より弱い一次受信信号をブロックし得る。これは、フロントエンド受信回路及び自動利得制御(AGC)がより強い信号に反応し、フロントエンド増幅を低減させるときに発生する。これが起こるとき、所望の一次チャネル受信信号は、バックグラウンドノイズに埋もれ得る。
[0007]送信ジャマー漏出は、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))帯域のようなワイヤレス通信システムの多くの帯域において、周波数分割複信(FDD)モードにおける受信経路にとってパワフルなブロッカであり得る。LTE帯域では、受信間隔は、数十MHz程の少なさであり得る。高品質(Q)のチップ部品の欠如により、RFにおける近距離ブロッカのフィルタ処理がほぼ不可能にされるため、この間隔は、受信機フロントエンド設計課題を引き起こす。非線形成分を生成することに加えて、送信ジャマーは、上述したように、弱い信号の存在下で、高利得モードにおいてベースバンド(BB)フィルタの一段目を飽和し得る。RCフィルタ処理のような共通のフィルタ処理技法は、排除が数dB程しかないため、それ程効率的ではない。故に、当技術分野では、近距離ブロッカ及び送信漏出を排除する方法及び装置が必要である。
[0008]本開示に含まれる実施形態は、送信信号干渉を最小化する方法を提供する。方法は、信号を受信すること、及び受信した信号を増幅することのステップを含む。次に、受信した信号は、ベースバンド変調信号を取得するために、中間周波数信号と混合される。次に、ベースバンド変調信号は、RCフィルタにおいて第1のフィルタ処理がなされる。次に、結果として得られた信号は、事前選択された量によって分割され、第1の分割部は、双二次フィルタの主要経路に送られ、これは、一段目の双二次フィルタ処理済み信号を生成する。分割信号の第2の部分は、双二次フィルタの補助経路に送られ、第2のフィルタ処理済み信号を生成する。次に、第1の信号及び第2の信号は再結合され、更なるフィルタ処理が行われる双二次フィルタの二段目に送られる。
[0009]更なる実施形態は、送信信号干渉を最小化するための装置を提供する。装置は、アンテナ、低ノイズ増幅器、変圧器、ミキサ及びRCフィルタを含むフロントエンド受信機を含む。加えて、装置は、主要の双二次フィルタ処理経路と、少なくとも1つの補助の双二次フィルタ処理経路とを提供する。
[0010]更なる実施形態は、送信信号干渉を最小化するための装置を提供し、この装置は、信号を受信するための手段と、受信した信号を増幅するための手段と、ベースバンド変調信号を取得するために受信した信号を中間周波数信号と混合するための手段と、第1のフィルタにおいてベースバンド変調信号をフィルタ処理するための手段と、事前選択された量によって第1のフィルタ処理済みベースバンド変調信号を分割するための手段と、ベースバンド変調信号の第1の分割部を双二次フィルタの主要経路に送り、第1の双二次フィルタ処理済み信号を生成するための手段と、ベースバンド変調信号の第2の分割部を双二次フィルタの補助経路に送り、第2の双二次フィルタ処理済み信号を生成するための手段と、双二次フィルタの二段目の前に第1の双二次フィルタ処理済み信号を第2の双二次フィルタ処理済み信号と再結合するための手段と、双二次フィルタの二段目において再結成された双二次フィルタ処理済み信号をフィルタ処理するための手段とを備える。
[0011]更なる実施形態は、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、信号を受信することと、受信した信号を増幅することと、次にベースバンド変調信号を取得するために受信した信号を中間周波数信号と混合することとのステップを備える方法を実行させるプログラム命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。次に、ベースバンド変調信号は、RCフィルタを用いてフィルタ処理され、次に、事前選択された量によって分割する。ベースバンド変調信号の第1の分割部は、双二次フィルタの主要経路に送られ、第1の双二次フィルタ処理済み信号を生成する。ベースバンド変調信号の第2の分割部は、双二次フィルタの補助経路に送られ、第2の双二次フィルタ処理済み信号を生成する。次に、第1及び第2の分割信号は再結合され、双二次フィルタの二段目に送られる。次に、再結成された信号は、双二次フィルタの二段目においてフィルタ処理される。
[0012]図1は、本開示の特定の実施形態に係る、ワイヤレス多元接続通信システムを例示する。
[0013]図2は、本開示の特定の実施形態に係る、ワイヤレス通信システムのブロック図である。
[0014]図3は、本開示の実施形態に係る、近距離ブロッカ及び送信漏出を排除する装置のブロック図である。
[0015]図4は、本開示の実施形態に係る、近距離ブロッカ及び送信漏出の排除のための装置の更なる実施形態のブロック図である。
[0016]図5は、本開示の実施形態に係る、近距離ブロッカ及び送信漏出の排除のための装置の更なる実施形態のブロック図である。
[0017]図6は、本開示の実施形態に係る、近距離ブロッカ及び送信漏出の排除についての装置の性能のシミュレーション結果を描写する。
[0018]図7は、本開示の実施形態に係る、所望の受信信号の送信信号干渉を最小化する際のステップのフローチャートである。
[0019]図8は、切替え可能な補助経路を利用した所望の受信信号の送信信号干渉を最小化する際のステップのフローチャートである。
発明の詳細な説明
[0020]添付の図面に関連して以下で示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明を意図しており、本発明が実施され得る唯一の実施形態を表すことは意図していない。本明細書の全体にわたって使用される「例示的な(exemplary)」という用語は、「実例、事例又は例示としての役目を果たす」を意味し、必ずしも、他の例示的な実施形態よりも好ましい、又は有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。本発明の例示的な実施形態がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは当業者に明らかになるであろう。幾つかの事例では、周知の構造及びデバイスが、本明細書で提示される例示的な実施形態の新規性を曖昧にしないために、ブロック図の形式で示される。
[0021]本説明で使用される場合、「構成要素」、「モジュール」、「システム」、等の用語は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアの何れかであるコンピュータ関連エンティティを指すことが意図されている。例えば、構成要素は、限定なく、プロセッサ上で実行中のプロセス、集積回路、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータであり得る。例示として、コンピューティングデバイス上で実行中のアプリケーションと、そのコンピューティングデバイスとは両方とも構成要素であり得る。1つ又は複数の構成要素は、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在し得、1つの構成要素は、1つのコンピュータ上に局所化され、及び/又は、2つ以上のコンピュータ間で分散され得る。加えて、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。これら構成要素は、例えば、1つ又は複数のデータパケット(例えば、ローカルシステム及び/又は分散システムでは別の構成要素と相互動作する1つの構成要素から、及び/又は、他のシステムでは、信号によってインターネットのようなネットワークを経由したデータ)を有する信号に従って、ローカルプロセス及び/又はリモートプロセスによって通信し得る。
[0022]更に、様々な態様が、アクセス端末及び/又はアクセスポイントに関連して本明細書で説明される。アクセス端末は、ユーザに音声及び/又はデータ接続性を提供するデバイスを指し得る。アクセスワイヤレス端末は、ラップトップコンピュータ又はデスクトップコンピュータのようなコンピューティングデバイスに接続され得るか、又は、それは、セルラ電話のような自己完結型デバイスであり得る。アクセス端末はまた、システム、加入者ユニット、加入者局、モバイル局、モバイル、リモート局、リモート端末、ワイヤレスアクセスポイント、ワイヤレス端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、又はユーザ機器とも呼ばれることができる。かぬうレス端末は、加入者局、ワイヤレスデバイス、セルラ電話、PCS電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、又は、ワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスであり得る。アクセスポイントは、別名、基地局制御装置又は基地局コントローラ(BSC)と呼ばれ、エアインターフェース上で、1つ又は複数のセクタを通して、ワイヤレス端末と通信するアクセスネットワーク内のデバイスを指し得る。アクセスポイントは、受信したエアインターフェースフレームをIP電力パケットに変換することで、ワイヤレス端末と、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを含み得るアクセスネットワークの残りのものとの間でルータとして機能し得る。アクセスポイントはまた、エアインターフェースについての属性の管理を調整する。
[0023]更に、本明細書において説明された様々な態様又は特徴は、標準的なプログラミング又はエンジニアリング手法を使用した、方法、装置、又は製品として実装されることができる。本明細書で使用される場合、製品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することが意図される。例えば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ...)、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)...)、スマートカード、及びフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ...)、及び読取専用メモリ、プログラマブル読取専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリのような集積回路を限定なく含むことができる。
[0024]様々な態様が、多数のデバイス、構成要素、モジュール等を含み得るシステムに関して示される。様々なシステムは、追加のデバイス、構成要素、モジュール、等を含み得る、及び/又は図面に関連して説明された全てのデバイス、構成要素、モジュール、等を含まない可能性があると理解及び認識されるべきである。これらのアプローチの組み合わせも使用され得る。
[0025]本発明の他の態様、並びに様々な態様の特徴と利点とは、次の説明、添付図面及び添付された特許請求の範囲を考慮することを通じて当業者に明らかになるであろう。
[0026]図1は、一態様に係る、多元接続ワイヤレス通信システム100を例示する。アクセスポイント102(AP)は複数のアンテナグループを含み、あるアンテナグループは104と106とを含み、別のアンテナグループは108と110とを含み、追加のアンテナグループは112と114とを含む。図1では、各アンテナグループにつき2つのアンテナのみが示されているが、より多くのアンテナ又はより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されることができる。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112及び114と通信状態にあり、ここで、アンテナ112及び114は、ダウンリンク又は順方向リンク118を通してアクセス端末116に情報を送信し、アップリンク又は逆方向リンク120を通してアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末122は、アンテナ106及び108と通信状態にあり、ここで、アンテナ106及び108は、ダウンリンク又は順方向リンク124を通してアクセス端末122に情報を送信し、アップリンク又は逆方向リンク126を通してアクセス端末122から情報を受信する。周波数分割複信(FDD)システムでは、通信リンク118、120、124及び126は、通信のために異なる周波数を使用し得る。例えば、ダウンリンク又は順方向リンク118は、アップリンク又は逆方向リンク120によって使用される周波数とは異なる周波数を使用し得る。
[0027]各アンテナグループ及び/又はそれらが通信するように設計されたエリアは、多くの場合、アクセスポイントのセクタと呼ばれる。ある態様では、アンテナグループは各々、アクセスポイント102によってカバーされているエリアのセクタにおいてアクセス端末に通信するように設計される。
[0028]ダウンリンク又は順方向リンク118及び124を通した通信では、アクセスポイントの送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122についてのダウンリンク又は順方向リンクの信号対ノイズ比(SNR)を改善するためにビームフォーミングを利用する。また、カバレッジ中にランダムに分布しているアクセス端末への送信のためにビームフォーミングを使用するアクセスポイントは、単一のアンテナを通してそれの全てのアクセス端末へ送信するアクセスポイントよりも、隣接セル内のアクセス端末に対して引き起こす干渉が少ない。
[0029]アクセスポイントは、端末と通信するために使用される固定局であり得、ノードB、発展型ノードB(eNB)又は何らかの他の用語でも呼ばれ得る。アクセス端末はまた、モバイル局、ユーザ装置(UE)、ワイヤレス通信デバイス、端末又は何らかの他の用語でも呼ばれ得る。特定の態様の場合、AP102又はアクセス端末116,122の何れかは、システムの性能を向上させるために、下で説明される技法を利用し得る。
[0030]図2は、ワイヤレス通信デバイス200の例示的な設計のブロック図を示す。この例示的な設計では、ワイヤレスデバイス200は、データプロセッサ210及びトランシーバ220を含む。トランシーバ220は、双方向ワイヤレス通信をサポートする送信機230及び受信機250を含む。一般に、ワイヤレスデバイス200は、任意の数の通信システム及び任意の数の周波数帯域のために、任意の数の送信機及び任意の数の受信機を含み得る。
[0031]送信経路では、データプロセッサ210は、送信されるべきデータを処理し、送信機230にアナログ出力信号を供給する。送信機230内では、アナログ出力信号は、増幅器(Amp)232によって増幅され、デジタル/アナログ変換によって引き起こされるイメージを除去するためにローパスフィルタ234によってフィルタ処理され、VGA236によって増幅され、ミキサ238によってベースバンドからRFにアップコンバートされる。アップコンバートされた信号は、フィルタ240によってフィルタ処理され、ドライバ増幅器242及び電力増幅器244によって更に増幅され、スイッチ/デュプレクサ246を経由し、アンテナ249を介して送信される。
[0032]受信経路では、アンテナ248は、基地局及び/又は他の送信機局から信号を受信し、受信した信号を供給し、それは、スイッチ/デュプレクサ246を経由して受信機250に提供される。受信機250内では、受信した信号は、LNA252によって増幅され、バンドパスフィルタ254によってフィルタ処理され、ミキサ256によってRFからベースバンドにダウンコンバートされる。ダウンコンバートされた信号は、VGA258によって増幅され、ローパスフィルタ260によってフィルタ処理され、データプロセッサ210に供給されるアナログ入力信号を取得するために増幅器262によって増幅される。
[0033]図2は、RFとベースバンドとの間で信号を一段で周波数変換する、ダイレクト変換アーキテクチャを実装する送信機230及び受信機250を示す。送信機230及び/又は受信機250はまた、RFとベースバンドとの間で信号を複数の段で周波数変換する、スーパヘテロダイン式のアーキテクチャを実装し得る。局部発振器(LO)ジェネレータ270は、送信LO信号及び受信LO信号を生成し、それぞれミキサ238及び256に供給する。位相ロックドループ(PLL)272は、データプロセッサ210から制御情報を受け、適切な周波数で送信LO信号及び受信LO信号を生成するために制御信号をLOジェネレータ270に供給する。
[0034]図2は、例示的なトランシーバ設計を示す。一般に、送信機230及び受信機250において信号を調整することは、増幅器、フィルタ、ミキサ、等のうちの1つ又は複数の段によって実行され得る。これらの回路は、図2に示される構成とは異なって配列され得る。図2の幾つかの回路は、省略もされ得る。トランシーバ220の全て又は一部は、1つ又は複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号IC、等の上に実装され得る。例えば、送信機230内の増幅器232から電力増幅器244はまた、RFIC上に実装され得る。ドライバ増幅器242及び電力増幅器244はまた、RFICの外側で別のIC上に実装され得る。
[0035]データプロセッサ210は、ワイヤレスデバイス200のための様々な機能、例えば、送信機及び受信したデータに対する処理、を実行し得る。メモリ212は、データプロセッサ210のためのプログラムコード及びデータを格納し得る。データプロセッサ210は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は他のIC上に実装され得る。
[0036]図1で説明された環境において所望の信号を受信するとき、他の信号が近くで送信及び受信されている可能性が高い。幾つかのケースでは、これらの信号は、所望の受信信号よりも強い可能性があり得る。これが生じるとき、送信ジャマー又は信号ブロッカとしても知られ得るそのような強い信号は、RF回路を飽和させ得る。これは、より弱い所望の一次受信信号をブロックする。フロントエンド及びAGC回路は、より強い信号に反応し、フロントエンド増幅を低減させ、これにより、所望の一次受信チャネルはバックグラウンドノイズに埋もれ得る。
[0037]この送信ジャマー漏出は、特にFDDモードにおいて、所望のRF経路のパワフルなブロッカである。加えて、多くのLTE帯域周波数では間隔が10MHz程の少なさであり得るため、これは、ロングタームエボリューション(LTE)システムにおいて特に重要である。一例として、受信機フロントエンド設計が、30MHzの間隔を処理する能力があることを必要とするLTE帯域12、又は、45MHzの間隔を有するLTE帯域2を想定する。これらの近距離ブロッキング信号のフィルタ処理が品質フィルタを必要とするため、これは、重要な設計課題をもたらす。近距離ブロッキング信号のフィルタ処理が、高いQのチップ部品の欠如により、更に複雑であるため、品質フィルタを設けることもまた困難である。
[0038]非線形成分を生成することに加え、送信妨害信号が、弱い信号の存在下で高利得モードにおいてベースバンドフィルタ(BB)の一段目を飽和させ得るため、フィルタ処理は複雑である。この問題を緩和する試みは、ミキサの後の送信漏出をフィルタ除去するためにRCフィルタ処理を使用してきたが、この排除は、ほんの数dBの改善でしかない。そのような小さな改善は、LTEシステムにおいて、送信信号及び受信信号の狭い間隔ではそれ程効率的ではない。他の提案される解決策は、高価で、かなりの電力を使用するソウフィルタ及びRCフィルタ処理をミキサの直後に使用したが、これは、追加のミキサを必要とし得る。構成要素を追加することは、生産及びテストを更に複雑にする。
[0039]本明細書で説明される実施形態は、双二次フィルタ段の主要経路に並列して補助経路を追加することで、送信妨害信号の問題に取り組む。この補助経路は、ミキサ出力からの電流の半分を運ぶ。双二次フィルタは、2つの二次関数の比率(ration)である伝達関数を実装する線形フィルタの1つのタイプである。双二次フィルタは、典型的に、能動フィルタであり、SAB(single amplifier biquad)又は2積分器ループ技法が実装され得る。SABトポロジは、複素数極を生成するためにフィードバックを使用し、複素数ゼロを生成し得る。フィードバックは、適切なフィルタ特性を生成するために、RC回路の実数極を動かす。2積分器ループトポロジは、双二次伝達関数を再配列することから導出される。再配列は、1つの信号を、別の信号と、その積分と、その積分の積分との合計と等しくする。再配列は、状態可変フィルタ構造を明らかにする。異なる状態を出力として使用することで、任意の種類の二次フィルタが実装され得る。
[0040]図3は、近距離ブロッキング信号及び送信漏出をフィルタ除去するための装置を描写する。装置300は、以下で説明されるように双二次フィルタ段を含む。補助経路は、主要経路の双二次フィルタ段と並列に、追加される。この補助経路は、ミキサ出力からの電流の半分を運ぶ。受信信号は、アンテナ302において受信され、低ノイズ増幅器(LNA)304に送られる。LNA304は、空芯変圧器として本明細書に示されるRF変圧器306に結合される。RF変圧器306は、ミキサ308に接続される。ミキサ出力は、送信抵抗器310及び送信キャパシタ312から構成される、RCフィルタに送られる。RCフィルタは、受信した信号の初期フィルタ処理を提供する。RCフィルタからの出力は、双二次フィルタの2つの経路、主要経路及び補助経路、に送られる。主要経路は、双二次フィルタアセンブリの一段目に、RT抵抗器314及びキャパシタC1 316に送られる。主要経路は、RCフィルタから主要経路の双二次フィルタ演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)318の入力につながる。二段式の負のフィードバックループは、RT314、C1 316、及びRT抵抗器320で形成される。RT抵抗器320は、オフセット増幅器322の入力上に提供される。オフセット増幅器322は、二段式の負のフィードバックループの一部としてのアクティブな減衰器として機能する。双二次フィルタの一段目は、二段目OTA2 328の負の入力に供給されるべき部分的フィルタ処理済み信号を供給する。OTA328への負の経路入力は、キャパシタC2 324も含む。OTA2 328はまた、補助経路から負の入力ピン上で入力を受ける。補助経路は、送信抵抗器310の後に開始し、OTA3 334の負のピンへの入力と開始し、また、抵抗器R330及びキャパシタC332からの入力を負のピン上で取得する。OTA3 334からの入力はまた、OTA2 328への入力として提供されるが、ライン抵抗器326を通過する。
[0041]各OTAは典型的に、2つの段から構成され、二段目は、駆動段として機能する。二段目はまた、主要経路及び補助経路を結合するために使用される。OTAの一段目は典型的に、電流の1MA未満を消費する。OTAの二段目は、信号が存在しなときに幾らかの電流を消費するクラスAB増幅器であり得る。
[0042]RCフィルタ妨害自体は、弱い受信信号が見つかる場合、排除の要求されたレベルを与えることができない。加えて、LNA304の一段目は、1つの極だけを有するフィルタ処理を提供することができず、高い送信漏出が弱い信号受信とともに発生する状況では飽和されるだろう。
[0043]幾つかの状況では、双二次フィルタからの出力は、双二次フィルタの一段目がブロッキング送信信号に耐えることができる場合、十分なフィルタ処理を提供する。そのようなケースでは、双二次フィルタの二段目は必要とされない。送信妨害信号が強いとき、双二次フィルタの一段目は、飽和され、本明細書において実施形態として提供される二段目が、この妨害送信信号を抑制し、より弱い所望の受信信号の復元を可能にするために必要とされる。
[0044]OTA1 318及びOTA3 334における入力信号レベルの振幅は、従来のアーキテクチャによって提供される振幅の半分(−6dB)であり、一方で、利得は、従来のアーキテクチャと同じままである。この低減は、より少ない追加の構成要素でより効率的なフィルタ処理を可能にする。補助経路の数は、制限されず、使用中でないときディセーブルされ得る追加の経路を追加することが望まれ得る。追加の補助経路を追加することはまた、振幅に追加の低減及びマージンを提供し得る。追加され得る追加の経路の数は、OTAのグロス帯域幅によって制限され、これは、追加の補助経路からの改善を制限し得る。連続した補助経路からのより少ない改善の理由は、追加された各補助経路が、高利得のケースでは無視され得る、ベースバンド出力への追加のノイズに寄与することである。
[0045]図3及び4に描写される補助経路は、幾つかのケースでは、所望の信号に別の経路を提供し、主要経路出力における振幅要件を6dBだけ低減するように動作する。他の送信状況では、振幅経路出力が、異なる量だけ低減され得る。
[0046]図4は、OTAの一段目が主要経路と補助経路の両方によって共有されることを可能にする更なる実施形態を例示する。各OTAは、2つの段を有する。以下で説明される実施形態では、1つ目の段は、主要経路と補助経路との間で共有される。アセンブリ400は、信号を受信するためのアンテナ302も含む。初期信号受信は、受信した信号が、LNA304及びRF変圧器306及びミキサ806を通過する、図3について説明されたものと同じである。初期段RCフィルタ処理は、RTx310及びCTx312によって提供される。信号は、RT320と−1オフセット増幅器322、RT412とC1 414及びOTA段1 402に伝送される。OTA402から、信号経路は、二段式の2つのOTA404と406との間で分岐する。主要経路は、ライン抵抗器326を通過し、OTA2 328及びC2 324へと進むOTA404からの出力を続ける。分岐経路は、OTA406にルーティングされる。OTA 406の出力は、ライン抵抗器336を通過する前に、C 408及びR 410からの出力と組み合わせられる。一旦ライン抵抗器336を通ると、補助経路は、OTA2 328への入力として提供される。OTA2 328の出力は、出力338として提供される。
[0047]図5は、補助経路をディセーブルにするためにスイッチが設けられている更なる実施形態を例示する。スイッチ1(SW1)は、入力502を受け、受信した信号の一部が補助経路へと方向転換されることを可能にする。スイッチ2(SW2)506は、OTA2 328への入力として提供されるべきOTA3 334の出力を提供する。SW1 504及びSW2 506が開いているとき、補助経路はディセーブルにされ、主要の双二次フィルタ処理経路に影響を及ぼさない。SW1 502及びSW2 504の両方は、OTA1 318及びOTA2 326の仮想接地ノードに接続される。
[0048]図6は、上述した実施形態のシミュレーション結果を例示する。結果は、補助経路の使用による改善を示す。改善されたフィルタ処理は、ベースバンドフィルタ処理への補助経路がミキサの直後にあり、それは改善されたフィルタ処理に帰着するため、ベースバンド一段目が飽和されていないことに起因する。
[0049]図7は、上述した装置を使用したより弱い受信した信号の送信信号干渉を最小化するステップのフローチャートである。方法700は、ステップ702における信号の受信から開始する。次に、ステップ704において、より弱い受信した信号が、低ノイズ増幅器において増幅される。RCフィルタは、ステップ708において、受信した信号の初期フィルタ処理を提供する。次に、RCフィルタ処理済み信号は、ステップ708において、所定の数によって除算される。この所定の数は、利用されている主要の双二次フィルタ経路及び補助の双二次フィルタ経路の数に対応し得る。第1のOTAが共有される場合には、RCフィルタ処理済み信号の分割は、双二次フィルタ処理の一段目の後に行われ得る。
[0050]ステップ710では、RCフィルタ処理済み信号の第1の部分が、双二次フィルタの主要経路にルーティングされる。ステップ712では、RCフィルタ処理済み信号の第2の部分が、双二次フィルタの補助経路にルーティングされる。一旦、分割信号部分の両方又は全てが双二次フィルタの一段目を通してルーティングされると、それらは、ステップ714において再結成される。次に、再結成された信号は、ステップ716において、追加のフィルタ処理のために双二次フィルタの二段目に伝送される。
[0051]図8は、必要に応じてオン又はオフに切替えられ得る補助経路を使用した方法のステップのフローチャートを提供する。方法800は、ステップ802での信号の受信から開始する。次に、信号は、ステップ804において増幅される。ステップ806では、RCフィルタは、信号の第1のフィルタ処理を提供する。ステップ808では、追加の双二次フィルタ処理のために補助経路を使用するかどうかの決定が行われる。補助経路を使用しないとの決定が行われる場合、ステップ810において、信号は、双二次フィルタの主要経路にルーティングされる。補助経路が使用されることとなることを決定が示す場合、ステップ812において、信号が所定の経路によって分割される。
[0052]補助経路の数には限りがなく、描写されたよりも多くが使用され得るが、本開示の範囲は、描写されたよりも多くの補助経路の使用を提供する。双二次フィルタの一段目、OTA、が共有され得、ここで、主要経路及び補助経路への信号の分割がこの双二次フィルタの一段目の後に生じる。
[0053]補助経路が使用される場合、補助経路を通して双二次フィルタの二段目へと信号をルーティングするために、ステップ814において、補助経路に沿ったスイッチが空けられる。ステップ816では、分割信号の第1の部分が、双二次フィルタの主要経路にルーティングされる。ステップ818では、分割信号の第2の部分が、双二次フィルタの補助経路にルーティングされる。分割信号の第1及び第2の部分は、ステップ820で、再結合される。次に、再結成された信号は、ステップ822で、双二次フィルタの二段目においてフィルタ処理される。
[0054]補助経路決定は、スイッチの設定も指示し得るプロセッサによって実行され得る。複数の補助経路が提供される実施形態では、本開示は、これら経路が、プロセッサによって所望の数の補助経路を提供するように再構成され得ることを定めている。
[0055]当業者は、多種多様な技術及び技法の何れかを使用して情報及び信号が表され得ることを理解するであろう。例えば、上に説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
[0056]当業者は、本明細書で開示された例示的な実施形態に関連して説明された実例となる様々な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両者の組み合わせとして実装され得ることを更に認識するであろう。このハードウェア及びソフトウェアの互換性を明確に例示するために、実例となる様々な構成要素ブロック、モジュール、回路、及びステップが、概してそれらの機能の観点から上で説明されている。このような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途とシステム全体に課せられる設計制約とに依存する。当業者は、特定の用途ごとに様々な方法で、説明された機能を実装し得るが、このような実装の決定は、本発明の例示的な実施形態の範囲から逸脱を引き起こしていると解釈されるべきでない。
[0057]本明細書で開示された例示的な実施形態に関連して説明された実例となる様々な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書で説明された機能を実行するよう設計されたそれらの任意の組み合わせで実装又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替として、このプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPと、1つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに連結した1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成との組み合わせとして実装され得る。
[0058]1つ又は複数の例示的な実施形態では、説明された機能は、ハードウェアに、ソフトウェアに、ファームウェアに、又はそれらの任意の組み合わせに実装され得る。ソフトウェアに実装される場合、これら機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ又は複数の命令又はコードとして、記憶又は送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある箇所から別の箇所へのコンピュータプログラの移送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ通信媒体及びコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROM若しくは他の光ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はデータ構造若しくは命令の形式で所望のプログラムコードを記憶若しくは搬送するために使用されることができ且つコンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を備え得る。また、任意の接続は厳密にはコンピュータ可読媒体と称され得る。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、電波、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用して送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、電波、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0059]開示された例示的な実施形態についての先の説明は、当業者が本発明を製造又は使用できるように提供されている。これらの例示的な実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で説明された包括的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。故に、本発明は、本明細書で示された例示的な実施形態に限定されることは意図されず、本明細書で開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。